(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077998
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】電子アセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 5/06 20060101AFI20220517BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20220517BHJP
H02G 3/08 20060101ALI20220517BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
H05K5/06 D
B29C45/14
H02G3/08 080
H05K5/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021183280
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】2017839.8
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D-30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】コクヒー・エイベル・リム
(72)【発明者】
【氏名】グワンレオン・テレンス・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】レイチュー・ティシェル・オン
【テーマコード(参考)】
4E360
4F206
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AB12
4E360AB33
4E360AB34
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA03
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4E360EA24
4E360EA29
4E360ED02
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4E360GB99
4E360GC08
4E360GC14
4F206AD05
4F206AD08
4F206AH42
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB20
4F206JL02
4F206JQ81
5G361AA07
5G361AB09
5G361AC01
5G361AC02
5G361AC03
5G361AD01
5G361AE01
(57)【要約】
【課題】電子アセンブリ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子アセンブリであって、内部に電子部品を封入するためのハウジングであって、開口部を備えるハウジングと、電子部品のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの入出力デバイスと接続することを可能にするための入出力ポートであって、開口部を通って延在する入出力ポートと、ハウジングと一体化され、開口部を部分的に覆うよう配置される可撓性弾力材であって、入出力ポートの寸法を補完する寸法となっている可撓性弾力材と、を備える電子アセンブリを提供する。また、電子アセンブリを製造する方法も提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子アセンブリであって、
内部に電子部品を封入するためのハウジングであって、開口部を備えるハウジングと、
前記電子部品のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの入出力デバイスと接続することを可能にするための入出力ポートであって、前記開口部を通って延在する入出力ポートと、
前記ハウジングと一体化され、前記開口部を部分的に覆うよう配置される可撓性弾力材であって、前記入出力ポートの寸法を補完する寸法となっている可撓性弾力材と、
を備える、電子アセンブリ。
【請求項2】
前記可撓性弾力材は、前記入出力ポートによって占められていない前記開口部によって作られる任意の空間を覆う寸法とされている、請求項1に記載の電子アセンブリ。
【請求項3】
前記可撓性弾力材は、前記開口部の上部及び前記開口部の側面から延在するよう配置される、請求項1又は2に記載の電子アセンブリ。
【請求項4】
前記可撓性弾力材は、側面ストリップに接続される上部ストリップを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項5】
スリットが前記可撓性弾力材の隣接するセクション間に設けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項6】
前記可撓性弾力材は、射出成形によって前記ハウジングと一体化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングは射出成形によって形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項8】
前記可撓性弾力材はプラスチックフィルムである、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電子アセンブリを製造する方法であって、
前記電子アセンブリ用のハウジングを製造するための金型を提供することであって、前記金型は、前記ハウジング内に開口部を形成することを可能にするセクションを備え、前記セクションは、前記開口部により入出力ポートが前記開口部を通って延在することを可能にするような大きさとなっていることと、
可撓性弾力材が形成されると前記開口部を部分的に覆うように、前記可撓性弾力材を前記金型の前記セクションに取り付けることであって、前記可撓性弾力材は、前記入出力ポートの寸法を補完する寸法とされることと、
溶融材料を前記金型に投入し、前記溶融材料を凝固させて、前記ハウジングと一体化される前記可撓性弾力材を備える前記ハウジングを製造することと、
前記電子アセンブリを製造するためにハウジングに接続される前記入出力ポートを備える基板と前記ハウジングを固定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子アセンブリ及び電子アセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、一般に、ヘッドホン、マウス、ケーブル、及び他の種類のデバイス又はコネクタ等の他のデバイスに電子デバイスを接続するポートを有している。かかるポートは、一般に、ポートを収容するハウジングと共に組み立てられる。
【0003】
組立プロセス中、電子デバイス用のハウジングは、一般に、ポートを収容するのに十分なクリアランスと共に製作される。しかし、かかる隙間は密接しすぎてはいけない。そうでなければ、ポートをハウジングに組み付ける際に問題が生じる可能性がある。その一方で、大きすぎる隙間を設けると、水及び他の異物がハウジング内に入り込み、内部の電子デバイスが破損する恐れがある。
【0004】
公知の方法では、リブ又は壁等の障壁を設けて、コネクタ用の開口部等の任意の開口部への水又は異物の侵入を防いでいる。しかし、かかる障壁には、上で概説した欠点を有する。即ち、組立時にコネクタに衝突して破損させないように、十分なクリアランスを備えるが、水及び異物が電子デバイス内に容易に侵入しないよう、十分に小さいクリアランスと共に、障壁を設けなければならない。
【0005】
別の公知の方法では、ゴムガスケットを用いてコネクタの周りに巻回し、それによってコネクタとハウジングとの間の隙間を塞いでいる。しかし、ガスケットをコネクタ及び/又はハウジングに組み付けるために二次的なプロセスを必要とし、製造コストの追加を招く。
【0006】
更に別の公知の方法では、ハウジング上にゴムをオーバーモールドしている。しかし、ゴムは一般に、ハウジングの射出成形後に投入されるため、ゴムを導入するゲートの位置を成形機上に見つけることが課題となる。更に、ゴムのオーバーモールドステップ用の金型追加のため、成形機のトン数は2倍になる。従って、かかる方法は、追加の機械コスト及び設計コストを招く。
【0007】
従って、上で検討した欠点及び他の欠点のうちの1つ以上を克服するか、又は少なくとも改善する、向上した電子アセンブリ及び製造方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上で検討した問題に対処する電子アセンブリ及び製造方法を提供することにある。
【0009】
この目的及び他の目的を達成するために、一態様において、電子アセンブリであって、内部に電子部品を封入するためのハウジングであって、開口部を備えるハウジングと、電子部品のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの入出力デバイスと接続することを可能にするための入出力ポートであって、開口部を通って延在する入出力ポートと、ハウジングと一体化され、開口部を部分的に覆うよう配置される可撓性弾力材であって、入出力ポートの寸法を補完する寸法となっている可撓性弾力材と、を備える電子アセンブリを提供する。
【0010】
別の態様において、本明細書中に開示するような電子アセンブリを製造する方法であって、電子アセンブリ用のハウジングを製造するための金型を提供することであって、金型は、ハウジング内に開口部を形成することを可能にするセクションを備え、セクションは、開口部により入出力ポートが開口部を通って延在することを可能にするような大きさとなっていることと、可撓性弾力材が形成されると開口部を部分的に覆うように、可撓性弾力材を金型のセクションに取り付けることであって、可撓性弾力材は、入出力ポートの寸法を補完する寸法とされることと、溶融材料を金型に投入し、溶融材料を凝固させて、ハウジングと一体化される可撓性弾力材を備えるハウジングを製造することと、電子アセンブリを製造するためにハウジングに接続される入出力ポートを備える基板とハウジングを固定することと、を含む方法を提供する。
【0011】
有利には、可撓性弾力材を用いることにより、製造中の入出力ポートへの損傷が低減又は排除される。可撓性弾力性を有する開示する材料は、電子アセンブリの組立中の任意の位置ずれも吸収する可撓性を提供する。本開示の適用範囲内において、材料が以下を有する場合、その材料を「可撓性弾力性を有する」と定義することができる。
・50MPa未満、好ましくは30MPa未満、特に好ましくは15~1MPaの範囲の引張弾性率(ASTM D638、23C、50mm/分)、及び/又は、
・50%超、好ましくは100%超、特に好ましくは70~150%の範囲の引張降伏伸び(ASTM D638、23C、50mm/分)、及び/又は、
・150未満、好ましくは90未満、特に好ましくは5~50の範囲のショアA硬度(ASTM D2240、23C、0秒)。
【0012】
更に有利には、開示する可撓性弾力材は、入出力ポートの寸法を補完する寸法とされており、開口部によって生じるハウジングと入出力ポートとの間の任意の間隙も低減する。可撓性弾力材は、入出力ポートによって占められていない開口部によって作られる任意の空間を覆う寸法とされてもよい。補完する寸法により、可撓性弾力材と入出力ポートとは協働して開口部を覆う。水、汚れ、及び他の異物が電子アセンブリに侵入することを有利に防止することができる。ハウジング内の開口部を通って電子アセンブリに侵入する異物によって引き起こされるハウジング内の電子部品への損傷は、有利に排除又は低減することができる。
【0013】
穿刺されて開口部を露出させるよう設計された保護カバーと比較して、開示する解決策は、有利に、要素を案内してかかる保護カバーを穿刺する特殊なツール又はデバイスを必要とせず、より単純である。開示する解決策は、かかる保護カバーよりも少ない材料を用いている。開示する可撓性弾力材の完全性は、有利に、任意の穿刺又は穿孔によっても損なわれない。
【0014】
開示する可撓性弾力材は、ハウジングの形成中又は形成と同時にハウジングと一体化されてもよい。従って、開示する解決策は、入出力ポート用の開口部を隠すために追加の製造コストを被ることがない。開示する解決策は、入出力ポート用の開口部のためのカバーを設けるために追加の製造コストを被ることがない。ハウジングは、押出成形によって形成されてもよい。ハウジングは、射出成形によって形成されてもよい。ハウジングはプラスチックハウジングであってもよい。可撓性弾力材は、射出成形によってハウジングと一体化されてもよい。それと一体化される可撓性弾力材を備えるハウジングは、射出成形によって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による可撓性弾力材100の図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による電子アセンブリの分解斜視図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態による組み立てられた電子アセンブリの斜視図を示す。
【
図4】
図3における軸A-Aに沿った側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図中、同様の番号は同様の部分を示す。
【0017】
以下で、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の詳細な説明は、発明の原理及びその実用化を説明する目的で提供され、それによって、当業者は、種々の実施例について、及び意図する特定の使用に適した種々の変更によって、本発明を理解することが可能となる。詳細な説明は、網羅するか、又は開示する精確な実施形態に対して発明を制限する意図はない。変更及び等価物は、当業者にとって明らかであり、添付の特許請求の範囲の精神及び適用範囲内に含まれる。
【0018】
一実施形態において、電子アセンブリを提供する。電子アセンブリは、内部に電子部品を封入するためのハウジングと、電子部品のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの入出力デバイスと接続することを可能にするための入出力ポートと、ハウジングと一体化される可撓性弾力材とを備えている。ハウジングは、入出力ポートがそれを通って延在する開口部を備えている。可撓性弾力材は、開口部を部分的に覆うよう配置され、入出力ポートの寸法を補完する寸法となっている。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による可撓性弾力材100の図を示している。
図2は、本発明の一実施形態による電子アセンブリの分解斜視図を示している。
図2に示すように、可撓性弾力材100は、ハウジング200と一体化されている。
【0020】
ハウジング200は、電子部品(図示せず)を収容してもよい。ハウジング200は、モノリシックハウジングであってもよい。ハウジング200は、第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204を備えていてもよい。第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204は、協働して内部に電子部品を封入してもよい。第1のハウジング部分202は、任意の適切な手段によって第2のハウジング部分204と協働してもよい。例えば、第1のハウジング部分202は、止め金及び/又はロックによって第2のハウジング部分204に固定されてもよい。第1のハウジング部分202は、接着剤及び/又はねじ等の1つ以上の締結具によって第2のハウジング部分204に固定されてもよい。第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204は、ヒンジ等によって一体的に接続されてもよい。第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204は、協働して内部に電子部品を封入する別個の部品であってもよい。
【0021】
第2のハウジング部分204は、電子部品を支持する基板であってもよい。ハウジング200は、第1のハウジング部分202と、基板204に接続される入出力ポート300を備える基板204とを備えていてもよい。かかる実装において、第1のハウジング部分202は、ハウジング200内部に電子部品を収容するために、第2のハウジング部分204によって形成される底壁と協働する側壁及び/又は上壁を備えていてもよい。
【0022】
第2のハウジング部分204は、ひいては電子部品を支持する基板を支持してもよい。基板は、それに接続される入出力ポート300を備えていてもよい。かかる実装において、基板は、第2のハウジング部分204に接続されるか、取り付けられるか、又はその上に載置されてもよい。
【0023】
ハウジング200は開口部206を備えている。開口部206は、それを通って延在する入出力ポート300の位置決めを可能にしてもよい。開口部206は、第1のハウジング部分202又は第2のハウジング部分204に形成されてもよい。開口部206は、第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204に形成される複数の開口部によって形成されてもよい。かかる実装において、第1のハウジング部分202及び第2のハウジング部分204に形成される開口部は、入出力ポート300がそれを通って延在することを可能にするよう、対応する大きさとされてもよい。第2のハウジング部分204又は基板が入出力ポート300を備えている場合、開口部206は第1のハウジング部分202に形成されてもよい。開示する開口部は、ハウジングの外側に延在する電子アセンブリの任意の他の部品を位置決めすることに対して適していてもよい。例えば、1つ以上のコネクタ及び/又は1つ以上のハードウェアインターフェースが開口部を通って延在していてもよい。
【0024】
開示する可撓性弾力材を提供することにより、開口部206の製造公差及び/又は組立公差を有利に緩和してもよい。開口部206は、公差計算を満たしながらより大きくしてもよい。
【0025】
可撓性弾力材100は、開口部206を部分的に覆うよう配置される。開口部206は、入出力ポート300又は他の部品がそれを通って延在することを可能にする大きさとされてもよい。開口部206は、電子アセンブリの製造中及び/又はハウジング200との入出力ポート300の組立中の公差を含む大きさとされてもよい。開口部206は、入出力ポート300又は他の部品がそれを通って延在することを可能にする大きさとされてもよいため、可撓性弾力材100は、それぞれ、入出力ポート300又はかかる他の部品の寸法を補完する寸法とされてもよい。可撓性弾力材100は、入出力ポート300又はかかる他の部品それぞれの寸法、及び任意の計算された公差を補完する寸法とされてもよい。可撓性弾力材100は、組み立てられる場合に入出力ポート300によって占められていない開口部206によって作られる任意の空間を覆う寸法とされてもよい。
【0026】
ハウジング200と入出力ポート300との間の間隙は、入出力ポート300の高さの約5%超、又は入出力ポート300の高さの約10%超、又は入出力ポート300の高さの約15%超、又は入出力ポート300の高さの約20%超、又は入出力ポート300の高さの約25%超、又は入出力ポート300の高さの約30%超であってもよい。一実装において、ハウジング200と入出力ポート300との間の間隙(
図2に示すh
2)は、入出力ポート300の高さ(
図2に示すh
1)の約10%、15%、20%、25%、又は30%であってもよい。一実装において、ハウジング200と入出力ポート300との間の間隙h
3は、入出力ポート300の高さh
1の約10%、15%、20%、25%、又は30%であってもよい。一実装において、h
2及びh
3は、同じ寸法か又は異なる寸法であってもよい。
【0027】
可撓性弾力材100は、間隙h2又はh3の寸法を反映する寸法とされてもよい。可撓性弾力材100は、間隙h2又はh3よりも大きい寸法とされてもよい。可撓性弾力材100は、間隙h2又はh3と同様の又は同じ寸法(幅又は高さ)を有していてもよいか、或いは間隙h2又はh3の約1.2倍、1.4倍、1.6倍、1.8倍、若しくは2倍の寸法(幅又は高さ)を有していてもよい。この実装において、可撓性弾力材100は、間隙h2又はh3並びに入出力ポート300の一部を覆うよう設計されてもよく、それによって、水、汚れ、及び他の異物に対する抵抗を向上させている。
【0028】
可撓性弾力材100は、材料100が可撓性を有することを可能にする任意の適切な材料からできていてもよいか、又はそれを備えていてもよい。適切な材料には、天然又は合成のプラスチック等のポリマー材料、例えば、ゴムが含まれる。可撓性弾力材100は、プラスチックフィルム等のフィルムであってもよい。本開示の適用範囲内で、ポリマーは、4000~40,000g/molの平均分子量Mwを有するものとして定義されてもよく、ここで、平均分子量Mwは、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって特定される。GPC用の溶媒は、ポリスチレン較正を用いる150℃のオルトジクロロベンゼンであることが好ましい。しかし、相応な実験を行うことなく、当業者は、他の溶媒、温度、及び/又は較正を用いて、同じGPCの結果に到達する可能性がある。
【0029】
入出力ポート300は、開口部206の下部側又は上部側を通って延在してもよい。かかる実装において、入出力ポート300は、基板又は第2のハウジング部分204によって支持されるか、又はそれに接続されてもよい。ハウジング200と入出力ポート300の一方の側面を除く全ての側面との間に間隙があってもよい。第1のハウジング部分202及び/又は第2のハウジング部分204と、入出力ポート300の支持された側面を除く全ての側面との間に間隙があってもよい。かかる実装において、可撓性弾力材100は、間隙がある箇所では、間隙のない開口部206の一方の側面を除く全ての側面から延在するよう配置されてもよい。可撓性弾力材100は、間隙がある開口部206の側面から延在し、それによって間隙を覆うよう配置されてもよい。可撓性弾力材は、開口部206の上部及び開口部206の側面から延在するよう配置されてもよい。
【0030】
入出力ポート300は、ハウジング200と入出力ポート300の全ての側面との間に間隙が存在するように、開口部206の中央を通って延在してもよい。かかる実装において、可撓性弾力材100は、開口部206の全ての側面から延在し、それによって間隙を覆うよう配置されてもよい。
【0031】
可撓性弾力材100は、本明細書中に開示するような寸法とされてもよい。可撓性弾力材100は、本明細書中に開示するように、開口部206又は開口部206の側面から延在する1つ以上のセクション又はストリップを備えていてもよい。可撓性弾力材100は、材料単体であってもよい。可撓性弾力材100は、本明細書中に開示する寸法で原材料から打ち抜かれるか、切り取られるか、又はその他の方法で取り出されてもよい。幾つかの実装において、可撓性弾力材100は、側面ストリップに接続される上部ストリップを備えていてもよい。
【0032】
可撓性弾力材100が2つ以上のセクション又はストリップを備えている場合、可撓性弾力材100の隣接するセクション又はストリップ同士の間にスリット106を設けてもよい。例えば、各側面ストリップと上部ストリップとの間にスリット106を設けてもよい。スリット106は、隣接するセクション同士が屈曲するための更なる可撓性を提供してもよい。提供される可撓性は、電子アセンブリの組立中の任意の位置ずれを吸収してもよい。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による組み立てられた電子アセンブリの斜視図を示している。
図4は、
図3における軸A-Aに沿った側面断面図を示している。第1のハウジング部分202は、第2のハウジング部分204に固定されて、内部に電子部品を封入している。組み立てられると、開口部206は、入出力ポート300及び可撓性弾力材100によって覆われる。開口部206は、もはや水、汚れ、及び他の異物に対して開放されていない。
【0034】
開示する電子アセンブリは、水、汚れ、及び他の異物に対するその耐性を評価する試験を有利にクリアすることができる。例えば、耐水性に関する機能試験では、ある特定の直径のプローブを電子アセンブリの間隙に挿入する。プローブが電子アセンブリのどの部分にも挿入できない場合、電子アセンブリはプローブ試験をクリアする。プローブは、開口部206を探り、可撓性弾力材100を内側に屈曲させることができる。間隙h2又はh3は、内側に屈曲した可撓性弾力材100が、プローブの進入を防ぐのに十分な空間を占有するような大きさとされてもよい。間隙h2又はh3は、有利には、プローブよりも大きいが、それでもプローブ試験をクリアするような大きさとされてもよい。
【0035】
電子アセンブリは、ハウジング内に収容された電子部品を有する任意の電子デバイスであってもよい。電子アセンブリは、1つ以上の入出力ポートを備えていてもよい。電子アセンブリが2つ以上の入出力ポートを備える場合、ハウジングは、各入出力ポートに対して2つ以上の開口部を備えていてもよい。電子アセンブリは、コンピュータ、ラップトップ、車両内で用いられる電子デバイス、又は他の任意の家庭用電化製品であってもよい。
【0036】
一実施形態において、本明細書中に開示するような電子アセンブリを製造する方法が提供される。方法は、電子アセンブリ用のハウジングを製造するための金型を提供することを含む。金型は、ハウジング内に開口部を形成することを可能にするセクションを備えている。このセクションは、開口部により入出力ポートが開口部を通って延在することを可能にするような大きさとなっている。この方法は、更に、可撓性弾力材が形成されると前記開口部を部分的に覆うように、可撓性弾力材を金型の前記セクションに取り付けることを含む。可撓性弾力材は、本明細書中に開示するようなものであってもよい。特に、可撓性弾力材は、入出力ポートの寸法を補完する寸法とされる。この方法は、更に、溶融した材料を金型に投入し、溶融材料を凝固させて、ハウジングと一体化された可撓性弾力材を備えるハウジングを製造することを含む。この方法は、更に、電子アセンブリを製造するためにハウジングに接続される入出力ポートを備える基板とハウジングを固定することを含む。
【0037】
金型は、射出成形又はインサート成形等の他の任意の種類の押出成形に用いられる金型であってもよい。当業者には理解されるように、金型は、本明細書中に開示するようなハウジング等の所望の結果として得られる物体を補完する形状を有していてもよい。例えば、ハウジングは、第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分を備えていてもよい。第2のハウジング部分は、それに接続される入出力ポートを備える基板であってもよい。第2のハウジング部分は、それに接続される入出力ポートを備える基板を支持してもよい。開口部が第1のハウジング部分及び/又は第2のハウジング部分に形成されていてもよい実装において、金型は、それに応じて第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分を形成するよう構成されてもよい。
【0038】
金型は、溶融材料が投入されてハウジングを形成するキャビティを備えていてもよい。結果として得られるハウジング又は第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分が開口部を備えるために、金型は、開口部に対して形状を補完するセクションを備えていてもよい。金型は、ハウジング、第1のハウジング部分、又は第2のハウジング部分に開口部を形成することを可能にするセクションを備えていてもよい。セクションは、開口部により、入出力ポートがそこを通って延在することができることを可能にするだけでなく、隙間が製造公差及び/又は組立公差を提供することを可能にするような大きさとされてもよい。開示する可撓性弾力材は、従って、開口部によって生じるハウジングと入出力ポートとの間のかかる間隙の全てを低減及び/又は排除することに役立ってもよい。
【0039】
ハウジングと一体化される可撓性弾力材を提供するために、可撓性弾力材を金型内に設けてもよい。可撓性弾力材は、ハウジング又は第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分に形成される開口部を部分的に覆うように金型内に配置されてもよい。可撓性弾力材は、ハウジング又は第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分に開口部を形成することを可能にする金型のセクション上に取り付けられてもよい。可撓性弾力材は、任意の適切な手段によって、ハウジング又は第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分に開口部を形成することを可能にする金型のセクション内の所定位置に保持されてもよい。例えば、金型は、金型又は金型のセクション内に可撓性弾力材を固定して位置決めする保持機構を備えていてもよい。保持機構は、可撓性弾力材の大部分を金型内に投入される溶融材料から保護するか又は覆い隠すように可撓性弾力材を保持してもよい。金型は、金型内に投入される溶融材料から可撓性弾力材の大部分を保護するか又は覆い隠す保持機構を備えてもよく、それによって、結果として得られる製品内の材料の可撓性を維持してもよい。溶融材料に曝される可撓性弾力材の面積は、溶融材料が凝固すると可撓性弾力材をハウジングに固定するのに十分なものであってもよい。溶融材料に曝される可撓性弾力材の面積は、溶融材料が凝固するとハウジングに恒久的に取り付けられてもよい。
【0040】
金型内に投入される溶融材料は、ハウジングを形成してもよい。ハウジングは、プラスチックからできていてもよいか、又はプラスチックを含んでいてもよい。かかる実装において、金型内に投入される溶融材料は、溶融プラスチックであるか、又はそれを含んでいてもよい。
【0041】
従って、ハウジングと一体化される可撓性弾力材を備えるハウジングを製造することができる。開口部が第1のハウジング部分に形成される実装において、第1のハウジング部分と一体化される可撓性弾力材を備える第1のハウジング部分を製造することができる。開口部が第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分に形成される開口部によって形成される実装において、それらと一体化される可撓性弾力材を備える第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分を製造することができる。
【0042】
製造されたハウジング又は第1のハウジング部分は、それに接続される入出力ポートを備える基板と固定されてもよい。製造されたハウジング又は第1のハウジング部分は、基板を支持する第2のハウジング部分と固定されてもよい。固定ステップは、ハウジングを基板に締結することを含んでいてもよい。固定ステップは、第1のハウジング部分を基板に締結することを含んでいてもよい。固定ステップは、基板を支持する第2のハウジング部分に第1のハウジング部分を締結することを含んでいてもよい。ハウジング又は第1のハウジング部分は、接着剤及び/又はねじ等の1つ以上の締結具によって基板又は第2のハウジング部分に固定されてもよい。従って、電子アセンブリを製造することができる。
【符号の説明】
【0043】
100 可撓性弾力材
106 スリット
200、202、204 ハウジング
206 開口部
300 入出力ポート
【外国語明細書】