(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007801
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】高架道路の壁高欄の切断撤去方法及びダイヤモンドワイヤソー駆動装置の設置台
(51)【国際特許分類】
E01D 19/10 20060101AFI20220105BHJP
E01D 24/00 20060101ALI20220105BHJP
B28D 1/08 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
E01D19/10
E01D24/00
B28D1/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110982
(22)【出願日】2020-06-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】320003404
【氏名又は名称】株式会社アクティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100108327
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】福島 由美子
【テーマコード(参考)】
2D059
3C069
【Fターム(参考)】
2D059AA24
2D059GG41
3C069AA01
3C069BA06
3C069BB02
3C069BB03
3C069CA07
3C069CA09
3C069EA01
(57)【要約】
【課題】乾式工法で騒音を抑制して高架道路のコンクリート製の壁高欄のダイヤモンドワイヤソーによる切断撤去工事において、使用する機器が占有する道路の面積を小さくすると共に切断効率をあげて通行止めにする期間を短くする。
【解決手段】切断撤去区画外の壁高欄1の外側に壁高欄1利用して吊るした設置台5にダイヤモンドワイヤソー駆動装置9を設置し、壁高欄1の切断区間の始点及び終点に貫通穴2を形成し、貫通穴2にダイヤモンドワイヤソー3を通してダイヤモンドワイヤソー駆動装置9まで引き回して壁高欄1を水平切断し、始点と終点において壁高欄1を鉛直切断して撤去する。設置台5に設けた出没自在な車輪を利用して次の切断区間に移動させ、同様な工程を繰り返すことによって壁高欄を効率よく撤去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断して撤去する方法であって、壁高欄の切断撤去区画外の壁高欄の外側に壁高欄の上端面を走行面とする車輪を有する支持装置を壁高欄を跨いで設置し、壁高欄の外壁面側に位置する支持部材にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置し、壁高欄の水平切断位置において、切断区間の始点及び終点に貫通穴を形成し、貫通穴にダイヤモンドワイヤソーを通して切断区間外に設置したダイヤモンドワイヤソー駆動装置まで引き回して切断区間を包囲して壁高欄を水平方向に切断し、始点と終点においてダイヤモンドワイヤソーによって壁高欄を鉛直切断して撤去する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項2】
請求項1において、水平切断位置が高架道路の路面の下の位置であって、始点と終点を結ぶ貫通穴に達するスリットを道路面に形成し、このスリットにダイヤモンドワイヤソーを収容設置して壁高欄を水平方向に切断する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項3】
請求項1または2において、壁高欄の外側の貫通穴の高さにラチェットレールを配設すると共にワイヤソーの案内プーリをラチェットレール上を移動可能とし、ダイヤモンドワイヤソーによる水平方向切断の進行にともなってプーリを切断方向に移動させる壁高欄の切断撤去方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、壁高欄に形成する貫通穴を路面のカント、もしくは、路面の横断方向の排水勾配に合わせて傾斜させて形成する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項5】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断撤去するためのダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄の外側に設置するための設置台であって、搭載するダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置するベースと、このベースを壁高欄に引掛ける少なくとも2本のフックと、フックに出没・起伏可能な移動用車輪が設けてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【請求項6】
請求項5において、移動用車輪がネジによって上下動可能としてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【請求項7】
請求項5において、移動用車輪が車輪の支持軸をレバーの回動によって車輪を出没可能としてあるダイヤモンドワイヤソー支持装置。
【請求項8】
請求項5において、ハンドルで回転可能な水平なネジ棒が設けてあり、このネジ棒に移動用車輪がリンクを介してネジ棒の回転によって左右方向に移動可能に取り付けてあり、ネジ棒の回転によるリンクの伸縮によって車輪が出没可能としてあるダイヤモンドワイヤソー支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高架道路、特に都市に建設された高架高速道路の壁高欄を安全にかつ騒音を発することなく切断撤去する方法及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高架道路の壁高欄は、自動車運転者が運転を誤ったり、路面の雨水や積雪によってスリップして道路外に飛び出すことを防止する目的で設置されている。都市高速道路が建設されてから50年以上経過し、場所打コンクリートで建設され壁高欄が経年劣化により鉄筋が露出し強度低下してきている個所が増大し、経済活動において重大な役割を果たしている自動車交通に悪影響を与えかねない状況に近づいてきており、壁高欄を適正な強度を有するものに補修交換しなければならない状況にある。
【0003】
自動車交通を全面的に通行止めにすることは経済活動に大きな影響を与えるので既存の壁高欄を自動車交通に影響を与える影響を極力小さくして撤去する必要がある。
壁高欄撤去方法の一例として 特許文献1(特許第6569951号公報)及びその工法に使用する装置として特許文献2(特許6569950号公報)が提案されており、騒音を抑えてコンクリートを切断することができるダイヤモンドワイヤソーを使用し、幅員方向において切断装置が占有する領域を極力抑え、ワイヤソーの冷却に使用する冷却水を極力少なくし、一台の切断装置によってコンクリート壁を縦横に並行して同時に切断できるようにし、作業の効率化と工期の短縮を図った壁高欄の切断撤去方法と切断装置が開示されている。
また、都市圏の高速道路は高架道路であると共に一般道路上に構築されていることから、特許文献3(特許第6308693号公報)にはクレーン車を使用して解体することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6569951号公報(工法)
【特許文献2】特許第6569950号公報(装置)
【特許文献3】特許第6308693号公報(クレーン車)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高架道路の壁高欄は高所に位置するので、安全に撤去するには足場を設けるなど付帯設備を必要としていた。また、都市部の高架高速道路は、切断撤去工事によって生じる騒音が周辺住民の平穏な日常生活を阻害し、人体にも悪影響を与えることから、騒音の発生を極力抑える必要があり、特に都市高架道路の下には一般道や人道が存在し、壁高欄の切断用カッターやダイヤモンドワイヤソーの冷却を水を使用して冷却する湿式でおこなうと、冷却水の飛散や落下を抑止する養生工事が必要となり、加えて切削粉体を含む泥水は産業廃棄物であるので回収して汚泥を除去してからでないと廃棄することができないので、工期が長くなりコストがかかるものとなる。
本発明は、乾式工法で騒音の発生を抑制して高架道路の壁高欄を切断撤去すると共に、切断撤去工事において占有道路面積を小さくすることによって通行止めにする期間及び車線を極力抑制し、加えて工期を短縮することを課題とするものである。
更に、既存の壁高欄の切断跡に新規のプレキャストコンクリート製の壁高欄を設置及び位置合わせを短時間で正確におこなえるようにして早期に道路を交通に供用することができるようにするため、新規に設置するプレキャストコンクリート製の壁高欄の設置面となる切断面を直線部においては水平に、また、曲線部においては道路のカントまたは路面の排水勾配に合わせて切断できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断して撤去する方法であって、壁高欄の切断撤去区画外の壁高欄の外側に壁高欄の上端面を走行面とする出没・起伏自在な車輪を有する設置台を壁高欄を跨いで設置し、壁高欄の外壁面側に位置する設置台にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置し、壁高欄の水平切断開始位置及び終了位置において、壁高欄の切断区間の始点及び終点に壁高欄の内外に通ずる貫通穴を形成し、貫通穴にダイヤモンドワイヤソーを通して切断区間外に設置したダイヤモンドワイヤソー駆動装置まで引き回して壁高欄の切断区間をダイヤモンドワイヤソーで包囲して壁高欄を水平方向に切断し、始点と終点において壁高欄を鉛直切断する壁高欄の切断撤去方法である。
また、水平切断位置が高架道路の路面よりも深い位置である場合は、始点と終点を結ぶ貫通穴に達するスリットを道路面に形成してこのスリットにダイヤモンドワイヤソーを収容設置させて壁高欄を水平方向に切断する壁高欄の切断撤去方法である。
【0007】
また、壁高欄の外壁面の貫通穴の高さにラチェットレールを配設し、このラチェットレールによってプーリを移動可能とし、ダイヤモンドワイヤソーによる水平切断の進行にともなってプーリを切断方向に移動させて水平切断する壁高欄の切断撤去方法である。
また、壁高欄の始点と終点に形成した貫通穴2を路面2bのカント、または、路面2bの横断方向の排水勾配に合わせて傾斜させたものとして水平方向に切断する壁高欄の切断撤去方法である。
【0008】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断撤去するためのダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄の外側に設置するための支持装置であって、搭載するダイヤモンドワイヤソー駆動装置を支持する設置台と、この設置台を壁高欄に引掛けて支持する支持金具と、支持金具に出没可能な移動用車輪が設けてあるダイヤモンドワイヤソー駆動装置の支持装置である。
【発明の効果】
【0009】
高架道路のコンクリート壁高欄の切断撤去において、切断撤去区画外の壁高欄の外側にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄に吊るして設置することによって、交通流の激しい道路側に切断用機器を設置する領域を確保する必要がなく、通行止めにする車線を最小にとどめることができ、都市交通に与える影響を小さくすることができる。
また、任意の傾斜面で水平方向切断をおこなうことが可能であるので、曲線部においては道路のカントまたは路面の排水勾配に合わせて切断できるようにすることを可能にしたので、撤去後に新設プレキャストコンクリート壁高欄の設置が容易であって施工時間の短縮が図られるので通行止めの時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の壁高欄を路面レベルで水平切断する場合の切断撤去方法を説明する断面図。
【
図2】本発明の壁高欄を路面レベルで水平切断する場合の切断撤去方法を説明する平面図。
【
図3】本発明の壁高欄を路面レベルより深い位置で水平切断する場合の切断撤去方法を説明する断面図。
【
図4】本発明の壁高欄を路面レベルより深い位置で水平切断する場合の切断撤去方法を説明する平面図。
【
図6】本発明の設置台の移動手段の他の実施例を示す正面図。
【
図7】本発明の設置台の移動手段の他の実施例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の壁高欄の切断撤去方法を図示の実施例に基づいて説明する。
図1の断面図及び
図2の平面図は、壁高欄1を路面2bのレベルにおいて水平切断する場合の実施例である。
切断撤去する既設の壁高欄1は、場所打ち鉄筋コンクリート製若しくはプレキャストコンクリート製であり、直線道路の側端部に道路延長方向に沿って構築されたものを例として示す。壁高欄1は、高さ1m、壁厚15cmであり、壁高欄1の切断には、ダイヤモンドワイヤソー3を使用して行う。
壁高欄1の根元の水平切断と壁高欄1を適当な長さの区間に分割する壁高欄1の鉛直方向切断によって撤去するものである。
水平切断する位置に応じて壁高欄1の切断区間の始点Sと終点Eに貫通穴2をコアカッターで形成する。この貫通穴2の壁高欄1の外側の開口近くにプーリ4を設置することによって始動時の抵抗を小さくする。
無端状としたダイヤモンドワイヤソー3を切断対象の壁高欄1に巻きつけ、
図2の平面図に示すように壁高欄1の外側に設置台5を吊るし、設置台5にワイヤソー駆動装置9を設置してダイヤモンドワイヤソー3を循環走行させて切断するものである。
【0012】
ダイヤモンドワイヤソーが円滑に走行できないと切断に時間がかかり、また、ダイヤモンドワイヤソーの走行抵抗が大きくなって走行停止し、再始動すると切削面が綺麗な平面に仕上がらないことがあり、そのため、効率的な切断とするため適宜の位置にプーリ4を配置して走行抵抗を小さなものとする。
また、切断撤去する壁高欄1の内側の走行車線には可能な限り通航制限をしないで切断撤去工事を行うものであり、車両が走行する場所での切断作業であることから、ダイヤモンドワイヤソー駆動装置9の設置場所は、車両の走行の障害となる壁高欄1の内側を避け、車両の走行に影響を与えない壁高欄1の外側、または、上側に設置するものであり、
図1(1)の断面図に示すように壁高欄1の上端面を走行する出没自在な車輪7を有する設置台5を使用する。
【0013】
図1(1)は、ワイヤソー駆動装置9を壁高欄1の外側に吊るすための設置台5の切断作業状態の断面図であり、壁高欄1に設置台5を取付けた状態を壁高欄1の外側から見た正面図が
図5である。
設置台5は、複数のL字型のベース材5aが間隔を空けて並設され、横方向の連結部材で連結一体化されたものであり、L字の底辺部がワイヤソー駆動装置9を設置固定する台としてある。
なお、
図5においては、ベース材5aは左右の端部だけ描いてあり、中間部のベース材は省略してある。
ベース材5aの上端部には壁高欄1を跨ぐコの字型支持部材のフック5cが一体的に設けてある。このコの字型支持部材であるフック5cを壁高欄1に跨がせて引掛け、設置台5を壁高欄1の外側に固定する。ベース材5aの底辺部若しくは適宜の高さの位置には壁高欄1の側壁面に向かっての出没自在なストッパー(図示しない)が設けてあり、壁高欄1に設置台5をセットした後、ストッパーを壁面に当接させて設置台5の安定を図ることができる。
ストッパーはネジボルトの先端に当て板が固定してあり、ネジボルトを回転させることによって当て板を壁面に押し付けて設置台5が移動しないようにしている。
【0014】
設置台5の左右の端部のコの字型フック5cの外側部にはレバー7aによって出没・起伏可能とした車輪7、7が設けてある。この車輪7は切断作業時には壁高欄の上端面には接触しておらず浮いた状態としてある。
切断作業が完了して次の切断区間を切断するために壁高欄1の上部端面を車輪7によって移動するためのものであって、フック5cの側面部に間隔を空けて軸支材7c、7cが設けてあり、この軸支材7cの間に軸7bが軸支材7c、7cに対して回転可能に設けてあり、車軸7bには車輪7、7がブラケット7dを介して取付けてあり、車軸7bの一端に設けた切り替え用のレバー7aによって車軸7bを回転させて車輪7を壁高欄1の上端面に接触さて設置台5の荷重を車輪7、7に受けさせ、設置台5を移動させ易くするものである。設置台5の荷重を車輪7、7が受けるので設置台5を押して次の切断区間に向かって移動させる。
ダイヤモンドワイヤソー駆動装置9が作動中で壁高欄1を切断している間は、車輪7、7は壁高欄1の上端面から浮いた状態であり、設置台5のコの字型のフック5cが壁高欄の上端面に接している状態である。
したがって、クレーン等を使用することなく設置台5を移動させることができるので次の区間の切断を迅速に行うことが可能である。
【0015】
壁高欄1の切断作業中、ワイヤソー駆動装置9は、壁高欄1の外側に設置されており、壁高欄の内側である走行車線側には壁高欄を切断するための機器が設置されていないので通行を制限する領域を狭くすることができ、また、作業員を危険にさらすことがない。
【0016】
レバー7aによって車輪7を出没させる方式を示したが、車輪7の出没手段を設けずに車輪7にストッパーを付設し、壁高欄切断中はストッパーを使用して設置台5が移動しないように固定し、所定区間の切断が終了して次の切断区間に移動する際にストッパーを外して設置台5を壁高欄1の上を車輪によって移動させてもよい。
水平切断が完了したら切断完了した区間の始点Sと終点Eにおいて壁高欄を垂直切断して構造体から切り離し、壁高欄1をクレーン等で吊り上げるための吊り穴を切断済の壁高欄1に削孔して、ワイヤーを掛けて吊り上げて撤去する。
【0017】
水平切削の進行に伴ってダイヤモンドワイヤソー3が壁高欄1から外側に抜け出てくる位置がダイヤモンドワイヤソー駆動装置9側に移動してくるので、切削の進行に伴ってプーリ4の位置を移動させるのが好ましい。しかしながら、人手によって一定間隔ごとにプーリ4の位置を移動させるのは、ダイヤモンドワイヤソーの駆動を停止して行うことになるので時間がかかり、切断作業を長引かせることになるので、壁高欄1の壁面にラチェットレール(図示しない)を設置し、このラチェットレールを移動可能な固定具にプーリ4を固定することにより、切削の進行に伴ってプーリ4が移動できるようにすると切削速度は向上し、施工時間を短縮することができる。
【0018】
更に、プーリ4の固定具とダイヤモンドワイヤソー3が壁高欄1から外部に抜け出してくる位置までの距離が所定の距離より長くなったら自動的に固定具がラチェットレールを所定距離移動するようにしてもよい。
水平に走行しているダイヤモンドワイヤソー3を壁高欄1に吊り下げられたワイヤソー駆動装置9に円滑に向かうように走行方向を縦方向に変換する縦方向変換プーリ4aが設置台5に設置してある。
【0019】
道路面のレベルで壁高欄1を水平切断する場合は必要ないが、床版も含めて壁高欄を水平切断する場合は、
図3(1)、(2)及び
図4に示すように、水平切断する深さに達するスリット6を切断区間(S-E)に渡って形成する。このスリット6はダイヤモンドワイヤソー3を走行させるので、ダイヤモンドワイヤソー3を収容できる幅とする。
また、スリット6と貫通穴2の接続部のコーナーにはコアドリルで穿孔し、コアを取り除かずに残置してコーナー円形切断部6aとし、ダイヤモンドワイヤソー3の方向変換が円滑に行われるようにする。
【0020】
図6及び
図7は出没可能な車輪の他の実施例であり、
図6の例は設置台のフックの上部にネジハンドル8を設け、このネジハンドルの回転によって車輪7を上下動させるものであり、
図6(1)は車輪7が最上位に引き上げられた状態であり、設置台5の荷重は設置台5のフック5cによって壁高欄1伝えられる。また、
図6(2)に示すようにハンドル8によって車輪をフック5cに対して降下させることによって設置台5及びダイヤモンドワイヤソー駆動装置9の荷重は車輪7が受けることになり、車輪7によって移動させることができる。
また、
図7に示す例は、水平なネジ棒82が設置台5の全幅に渡って設けてありネジ棒のネジは左右で逆ネジが形成してある。ネジ部にリンク81を介して車輪7、7が取り付けてあり、ハンドル8を回転させると車輪は左右端部に送りだされ、
図7(2)のようにリンク81によって設置台5が持ち上げられて
図6と同様に車輪7が荷重を受けることになる。
【符号の説明】
【0021】
1 壁高欄
10 地覆
2 貫通穴
2a 床版
2b 路面(舗装)
3 ダイヤモンドワイヤソー
4 プーリ
4a 縦方向変換プーリ
40 プーリ支持具
5 設置台
5a ベース材
5b 連結材
5c フック
6 スリット
6a コーナー円形切断部
7 車輪
7a レバー
7b 車軸
7c 軸支材
7d ブラケット
8 ハンドル
81 リンク
82 ネジ棒
9 ワイヤソー駆動装置
10 地覆
【手続補正書】
【提出日】2020-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断して撤去する方法であって、壁高欄の切断撤去区間外の壁高欄の外側に壁高欄の上端面を走行面とする車輪を有する設置台を壁高欄を跨いで壁高欄の外壁面側に設置し、壁高欄の外壁面側に位置する設置台にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置し、壁高欄の水平切断位置において、切断区間の始点及び終点に貫通穴を形成し、貫通穴にダイヤモンドワイヤソーを通して切断区間外に設置したダイヤモンドワイヤソー駆動装置まで引き回して切断区間を包囲して壁高欄を水平方向に切断し、始点と終点において壁高欄を鉛直切断して撤去する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項2】
請求項1において、水平切断位置が高架道路の路面の下の位置であって、始点と終点を結ぶ貫通穴に達するスリットを道路面に形成し、このスリットにダイヤモンドワイヤソーを収容設置して壁高欄を水平方向に切断する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項3】
請求項1または2において、壁高欄の外側の貫通穴の高さにラチェットレールを配設すると共にワイヤソーの案内プーリをラチェットレール上を移動可能とし、ダイヤモンドワイヤソーによる水平方向切断の進行にともなってプーリを切断方向に移動させる壁高欄の切断撤去方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、壁高欄に形成する貫通穴を路面のカント、もしくは、路面の横断方向の排水勾配に合わせて傾斜させて形成する壁高欄の切断撤去方法。
【請求項5】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断撤去するためのダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄の外側に設置するための設置台であって、搭載するダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置するベース材と、このベース材を壁高欄に引掛ける少なくとも2本のフックと、このフックに上下方向に出没または起伏可能な車輪が設けてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【請求項6】
請求項5において、車輪がネジによって上下動可能としてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【請求項7】
請求項5において、車輪の支持軸がレバーの回動によって車輪を上下方向に起伏可能としてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【請求項8】
請求項5において、ハンドルで回転可能な水平なネジ棒が設けてあり、このネジ棒に車輪がリンクを介してネジ棒の回転によって左右方向に移動可能に取り付けてあり、ネジ棒の回転によるリンクの伸縮によって車輪が上下方向に出没可能としてあるダイヤモンドワイヤソー設置台。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は高架道路、特に都市に建設された高架高速道路の壁高欄を安全にかつ騒音を発することなく切断撤去する方法及びその方法に使用する設置台に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断して撤去する方法であって、壁高欄の切断撤去区間外の壁高欄の外側に壁高欄の上端面を走行面とする上下方向に出没または起伏自在な車輪を有する設置台を壁高欄を跨いで設置し、壁高欄の外壁面側に位置する設置台にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置し、壁高欄の水平切断開始位置及び終了位置において、壁高欄の切断区間の始点及び終点に壁高欄の内外に通ずる貫通穴を形成し、貫通穴にダイヤモンドワイヤソーを通して切断区間外に設置したダイヤモンドワイヤソー駆動装置まで引き回して壁高欄の切断区間をダイヤモンドワイヤソーで包囲して壁高欄を水平方向に切断し、始点と終点において壁高欄を鉛直切断する壁高欄の切断撤去方法である。
また、水平切断位置が高架道路の路面よりも深い位置である場合は、始点と終点を結ぶ貫通穴に達するスリットを道路面に形成してこのスリットにダイヤモンドワイヤソーを収容設置させて壁高欄を水平方向に切断する壁高欄の切断撤去方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
高架道路のコンクリート壁高欄を切断撤去するためのダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄の外側に設置するための設置台であって、搭載するダイヤモンドワイヤソー駆動装置を載置するベース材と、このベース材を壁高欄に引掛けて支持するフックと、このフックに上下方向に出没または起伏可能な車輪が設けてあるダイヤモンドワイヤソー駆動装置の設置台である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
高架道路のコンクリート壁高欄の切断撤去において、切断撤去区間外の壁高欄の外側にダイヤモンドワイヤソー駆動装置を壁高欄に吊るして設置することによって、交通流の激しい道路側に切断用機器を設置する領域を確保する必要がなく、通行止めにする車線を最小にとどめることができ、都市交通に与える影響を小さくすることができる。
また、任意の傾斜面で水平方向切断をおこなうことが可能であるので、曲線部においては道路のカントまたは路面の排水勾配に合わせて切断できるようにすることを可能にしたので、撤去後に新設プレキャストコンクリート壁高欄の設置が容易であって施工時間の短縮が図られるので通行止めの時間を短くすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
設置台5の左右の端部のコの字型フック5cの外側部にはレバー7aによって出没・起伏可能とした車輪7、7が設けてある。この車輪7は切断作業時には壁高欄の上端面には接触しておらず浮いた状態としてある。
切断作業が完了して次の切断区間を切断するために壁高欄1の上部端面を車輪7によって移動するためのものであって、フック5cの側面部に間隔を空けて軸支材7c、7cが設けてあり、この軸支材7cの間に軸7bが軸支材7c、7cに対して回転可能に設けてあり、車軸7bには車輪7、7がブラケット7dを介して取付けてあり、車軸7bの一端に設けた切り替え用のレバー7aによって車軸7bを回転させて車輪7を壁高欄1の上端面に接触させて設置台5の荷重を車輪7、7に受けさせ、設置台5を移動させ易くするものである。設置台5の荷重を車輪7、7が受けるので設置台5を押して次の切断区間に向かって移動させる。
ダイヤモンドワイヤソー駆動装置9が作動中で壁高欄1を切断している間は、車輪7、7は壁高欄1の上端面から浮いた状態であり、設置台5のコの字型のフック5cが壁高欄の上端面に接している状態である。
したがって、クレーン等を使用することなく設置台5を移動させることができるので次の区間の切断を迅速に行うことが可能である。