IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナビジョン インターナショナル,エル.ピー.の特許一覧

特開2022-78038デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影
<>
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図1
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図2
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図3
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図4
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図5
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図6
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図7
  • 特開-デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078038
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】デジタル撮像素子のためのアナモルフィック撮影
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20220517BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20220517BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20220517BHJP
   G03B 19/02 20210101ALI20220517BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G02B13/00
G03B17/02
G03B11/00
G03B19/02
H04N5/225 400
H04N5/225 300
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016210
(22)【出願日】2022-02-04
(62)【分割の表示】P 2018535032の分割
【原出願日】2016-12-30
(31)【優先権主張番号】62/275,733
(32)【優先日】2016-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/394,401
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517102248
【氏名又は名称】パナビジョン インターナショナル,エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル キース ササキ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ウイリアム マッキントッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハルキ サダヒロ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デジタルカメラシステムの用途に、改良されたアナモルフィック系を提供する。
【解決手段】デジタルイメージセンサと、該デジタルイメージセンサ上の水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成された少なくとも1つの補正レンズ素子とを備えるデジタルカメラである。好ましくは、該デジタルイメージセンサは、デジタル65撮像素子のような大判のデジタル撮像素子である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルイメージセンサと;
光学軸に沿って配置されるレンズ群と
を備え、
該レンズ群は、
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモル
フィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間
に配置された少なくとも1つのパワーレンズ素子と;
該少なくとも1つのパワーレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間に配置され
、該デジタルイメージセンサ上の該水平または垂直方向の画像のぼけを低減する、または
、該水平および垂直方向における画質を実質的に等しくするために、該画像を該水平また
は垂直方向に分解するように構成された、少なくとも1つの補正レンズ素子と
を含む、デジタルカメラ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子を含む
、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つの複屈折材料を含む、請求項1
に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記デジタルイメージセンサが、約35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方
向に沿った幅の有効画像領域を備える、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記デジタルイメージセンサが、約20ミリメートルより大きい高さの有効画像領域を備
える、請求項4に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記デジタルイメージセンサは、光学ローパスフィルタを含み、前記少なくとも1つの
補正レンズ素子が、該光学ローパスフィルタによって引き起こされる前記デジタルイメー
ジセンサ上の前記水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成されている、請
求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子は、約1.29の圧縮比によって前記画
像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、請求項1に記載のデジタ
ルカメラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少な
くとも1つの複屈折材との組み合わせを含む、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、前記少なくとも1つのパワーレン
ズ素子から離れるように構成されている、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記デジタルカメラは、アナモルフィックキャプチャモードと非アナモルフィックキャ
プチャモードとの間を変更するように構成されている、請求項1に記載のデジタルカメラ
【請求項11】
光学ローパスフィルタを含むデジタルイメージセンサと;
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモルフ
ィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と該光学ローパスフィルタとの間に光
軸に沿って配置され、該光学ローパスフィルタによって引き起こされる該デジタルイメー
ジセンサ上の該水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成された、少なくと
も1つの補正レンズ素子と;
を備える、デジタルカメラシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子は、前記光学ローパスフィルタによって引き起こ
される球面収差、コマ収差、像面湾曲、または非点収差のうちの1つ以上を補正するよう
に構成される、請求項11に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、複屈折材料を含む、請求項11に記載のデジタ
ルカメラシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子を含む
、請求項11に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、約1.29の圧縮比によって前記画
像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、請求項11に記載のデジタ
ルカメラシステム。
【請求項16】
約1.29の圧縮比で画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも
1つのアナモルフィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子によって圧縮された画像を受け取るよ
うに構成されたデジタルイメージセンサとセンサと;
を備える、デジタルカメラシステム。
【請求項17】
前記デジタルイメージセンサは、1.78:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように
構成される、請求項16に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項18】
前記デジタルイメージセンサは、2.2:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように構
成される、請求項16に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項19】
前記デジタルイメージセンサは、少なくとも4Kの解像度を有する、請求項16に記載のデ
ジタルカメラシステム。
【請求項20】
前記デジタルイメージセンサは、約35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方
向に沿った幅の有効画像領域を備える、請求項16に記載のデジタルカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年1月6日出願の米国仮特許出願第62/275,733号、2016年12月29日出願の
米国非仮特許出願第15/394,401に基づく優先権と利益を主張し、当該出願を参照するこ
とによりその全体を本明細書中に援用する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
小さなアスペクトを有するフィルム(例えば、35mm標準フィルム)上に、ワイドスク
リーンのアスペクト比の画像を撮像するために、アナモルフィックカメラシステムが利用
されている。例えば、標準的なPanavisionアナモルフィックシステムにおいては、アスペ
クト比2.4:1のワイドスクリーン画像を水平方向に2倍に圧縮し、アスペクト比1.2:1で3
5mmフィルムに撮像する。水平圧縮は、35mmフィルムにアスペクト比2.4:1が格納され
ている場合よりも高い解像度の画像を35mmフィルムに撮像することを可能にする。アナモ
ルフィックレンズ素子は、元画像を圧縮してフィルムに保存するために使用され、次いで
、映画などでの投影のために画像を拡大するため、再び使用される。
【0003】
デジタルカメラシステムの普及に伴い、そのようなデジタルカメラシステムのニーズに
対処するために、アナモルフィックシステムのさらなる開発が必要とされている。さらに
、デジタルイメージセンサによって利用されるアスペクト比に対応するためには、アナモ
ルフィック圧縮比に対する改良が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
(概要)
本明細書で開示されるシステム、装置、及び方法は、デジタルカメラシステムの用途に
、改良されたアナモルフィック系を提供することを意図する。また、本明細書に開示され
たアナモルフィック圧縮比の改良は、デジタルイメージセンサによって規定されるアスペ
クト比に対応している。
【0005】
1つの実施態様では、本出願は、デジタルイメージセンサと、光軸に沿って配置された
レンズ群とを含むデジタルカメラを開示する。該レンズ群は、画像を水平または垂直方向
に圧縮するように構成された少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と、該少なく
とも1つのアナモルフィックレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間に配置された
少なくとも1つのパワーレンズ素子と、該少なくとも1つのパワーレンズ素子と該デジタ
ルイメージセンサとの間に配置された少なくとも1つの補正レンズ素子とを備え、デジタ
ルイメージセンサ上の水平または垂直方向の画像のぼけを低減するか、または水平および
垂直方向の画像品質が実質的に等しくなるように、水平または垂直方向に画像を分解する
ように構成される。
【0006】
1つの実施態様では、本出願は、光学ローパスフィルタを含むデジタルイメージセンサ
を備えるデジタルカメラシステムを開示する。該システムは、水平または垂直方向に画像
を圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子を含む。該
システムは、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と光学ローパスフィルタとの
間に光軸に沿って配置され、該光学ローパスフィルタによって生じるデジタルイメージセ
ンサ上の水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成された、少なくとも1つ
の補正レンズ素子を含む。
【0007】
1つの実施態様では、本出願は、約1.29の圧縮比によって画像を水平または垂直方向に
圧縮するように構成された少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子を含むデジタル
カメラシステムを開示する。該システムは、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素
子によって圧縮された画像を受け取るように構成されたデジタルイメージセンサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書で開示されるシステム、装置、及び方法の特徴及び利点は、明細書、特許請求
の範囲、及び添付図面を参照することによりさらに深く理解されることが分かるであろう
【0009】
図1】フィルム上に物体画像を撮像するカメラの概略図を示す。
【0010】
図2】球面レンズ素子を用いた場合の画像のぼけの図を示す。
【0011】
図3】アナモルフィックレンズ素子を用いた場合の画像のぼけの図を示す。
【0012】
図4】変調伝達関数(MTF)の図を示す。
【0013】
図5】本開示の実施態様による、フィルム上に物体画像を撮像するカメラの概略図を示す。
【0014】
図6】本開示の実施態様による、少なくとも1つの補正レンズ素子の概略図を示す。
【0015】
図7】本開示の実施態様によるデジタルカメラの光学系の図を示す。
【0016】
図8】本開示の実施態様による、圧縮比1.29の使用時の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
図1は、フィルム14上に物体12の画像を撮像するために、アナモルフィックプロセスを
利用するカメラ10の概略図を示す。アナモルフィックプロセスは、ワイドスクリーン撮像
を提供するとともに、フィルムの画像領域の利用を向上させるため、映画用途、すなわち
映画およびテレビ映画の撮影に使用されてきた。アナモルフィックプロセスは、画像がフ
ィルム上に記憶されるときに画像のアスペクト比を減少させ、画像を水平方向または垂直
方向に圧縮することを含む。後に撮像されたフィルムが投影されるときに、元の非圧縮画
像を再現するために、画像を水平または垂直方向に拡大するために逆のプロセスが使用さ
れる。
【0018】
ウルトラ パナビジョン(Ultra Panavision)と呼ばれるシステムにおいて、65ミリメ
ートル(mm)のフィルム上に画像を撮像するためにアナモルフィックプロセスが使用され
ている。ウルトラ パナビジョンシステムは、アナモルフィックレンズ群16と、パワーレ
ンズ群18と、画像を記憶するための65mmフィルム14とを有するカメラ10を含む。アナモル
フィックレンズ群16は、複数のアナモルフィックレンズ素子22を含む。アナモルフィック
レンズ素子22は、1.19~1.30(例えば、1.25、1.255)の圧縮比で、所定の方向(例えば
、水平または垂直方向)に画像を圧縮するように構成される。圧縮比とは、非圧縮画像の
アスペクト比と圧縮画像のアスペクト比の比である。アナモルフィックレンズ素子22は、
弱い負のアフォーカル系を含んでもよい。アナモルフィックレンズ素子22は、水平または
垂直方向に圧縮を生じさせるために、シリンドリカルレンズ素子および/またはプリズム
レンズ素子を含んでもよい。アナモルフィックレンズ素子22は、引用により本明細書中に
全ての内容が組み込まれている、Wallinの米国特許第2,890,622号「Anamorphosing Syste
m」(1959年6月16日発行)に開示されている、可変非点レンズに類似する非点レンズを含
んでもよい。可変非点レンズには、焦点を合わせるときに、パワー軸と非パワー軸の軸上
の焦点位置を一致させる弱い異方性シリンダ(例えば、一方が正で他方が負、両方が正、
または両方が負)を利用することができる。
【0019】
パワーレンズ群18は、アナモルフィックレンズ群16によって生成されたアフォーカル画
像を収束および/または発散する球面レンズ素子24を含んでもよい。パワーレンズ群18は
、画像の焦点を合わせるために利用されてもよい。パワーレンズ群18は、同様の方法で動
作し、Wallinの米国特許第2,890,622号に開示された集束レンズと同様の素子を含んでも
よい。パワーレンズ群18は、アナモルフィックレンズ群16とフィルム14との間に、光軸26
に沿って配置されてもよい。
【0020】
65mmフィルム14は、約48.62mmの水平または垂直方向の幅と、垂直または水平方向にそ
れぞれ対応する約22.10mmの高さを有する撮像領域を含む。フィルム14のアスペクト比は
、約2.20:1である。圧縮比1.25または1.255とすることによって、システムが、2.20:1
のアスペクト比を有するフィルム上で約2.76:1のアスペクト比で画像を撮像することが
可能となる。元のワイドスクリーンアスペクト比2.76:1は、後に、撮影したフィルムの
投影時に再現される。65mmフィルムの画質は、2.76:1のワイドスクリーンアスペクト比
と協働して、ほとんどの映画館で見られる標準のワイドスクリーン画像に比べて優れた視
聴体験を提供する。
【0021】
デジタルカメラ、特に大判デジタルカメラで使用されるアナモルフィックプロセスは、
通常のフィルムエマルジョン撮像では見られない問題を引き起こすことが判明している。
デジタルカメラにおけるデジタルイメージセンサの使用は、特にアナモルフィック圧縮の
方向において、望ましくない画像のぼけを生じさせる。デジタルイメージセンサは、主光
線および関連する光束が通過しなければならない補助フィルタを有する光学ローパスフィ
ルタを含み、カメラ光学系によって提供される通常の画像補正の過剰補正/過小補正を引
き起こす可能性がある。カメラ内のフィルタパックは、軸上収差を過剰補正し、横収差を
過小補正にする可能性がある。水平方向のぼけは、球面収差、コマ収差、および非点収差
を含むことがある。
【0022】
図2は、球面レンズ素子28を使用するデジタルカメラで生じる画像のぼけを示している
。球面レンズ素子28は元画像を圧縮するが、デジタルイメージセンサ上に結像されるため
画像全体にわたって一様なぼけが生じる。
【0023】
図3は、アナモルフィックレンズ素子30、すなわち、水平または垂直方向32に画像を圧
縮するように構成されたシリンドリカルレンズ素子を使用したデジタルカメラで生じる画
像のぼけを示している。デジタルイメージセンサ素子は、アナモルフィック圧縮の水平ま
たは垂直方向の画像のぼけを強調させる。
【0024】
該デジタルイメージセンサは、複屈折材料を含む光学ローパスフィルタを含んでもよく
、複屈折材料に限定されない光学ローパスフィルタを含んでもよい。デジタルカメラはフ
ィルムカメラとは異なり、画像がイメージセンサ上の画素に分割されるため、光学ローパ
スフィルタは、デジタルカメラに特有のものである。光学ローパスフィルタは、特に、セ
ンサ上の画素によって分解できない空間周波数を遮断するが、これは一般的なデジタル画
像のアーチファクトを防止するために不可欠である。複屈折材料は、画像のアナモルフィ
ック圧縮の方向における不均衡な倍率と協働し、アナモルフィック圧縮の方向の変調伝達
関数(MTF)が、直交する垂直方向または水平方向と比較して、圧縮比の倍率分だけ減少
するという結果を生じさせる。図4は、アナモルフィック圧縮がない方向(アナモルフィ
ック圧縮の小さい方の方向)の例示的なMTFを示している。したがって、画像は、デジタ
ルイメージセンサ上のアナモルフィック圧縮の方向において、対応する直交する垂直また
は水平方向のぼけよりも大きな量でぼける。アナモルフィック圧縮が水平方向にある実施
形態では、得られる画像は垂直方向と同じくらい水平方向に鮮明ではない。
【0025】
図5は、デジタルイメージセンサ38によって生成されたアナモルフィック圧縮の方向の
ぼけに対処するように設計されたデジタルカメラ36の実施形態を示す。デジタルカメラ36
は、デジタルイメージセンサ38、アナモルフィックレンズ群16、パワーレンズ群18、およ
び補正レンズ群40を含んでもよい。
【0026】
デジタルイメージセンサ38は、有効撮像領域42および光学ローパスフィルタ44を含んで
もよい。1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38は、約2K超の解像度を有するデ
ジタルセンサとして構成されてもよく、1つの例示の実施形態では、4K解像度デジタルセ
ンサであってもよく、他の実施形態では(2k)よりも小さい、または4Kよりも大きい所望
の解像度を利用することができる。1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38はデ
ジタル65フォーマットを有することができる。デジタルカメラ36において、フィルムカメ
ラの光学系がデジタルイメージセンサ38に適用されてもよい。デジタルカメラ36の光学系
は、65mmフィルムと同様に約48.62mm×22.1mmのサイズを有するが、4kのデジタル解像度
で画像を撮像することができる。
【0027】
1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38は、65mmフィルムの48.62mm×22.1mmフ
ォーマットにほぼ等しい、または65mmフィルムのフォーマットよりも面積の大きい有効撮
像領域42を有するように構成することができる。1つの実施形態では、デジタルイメージ
センサ38は、水平または垂直方向に沿って35mmより大きい幅を有する有効撮像領域を有す
るように構成することができる。1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38は、水
平または垂直方向に沿って50mmより大きい幅を有する有効撮像領域を有するように構成す
ることができる。1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38は、水平または垂直方
向に沿って約50mm~70mmの幅を有する有効撮像領域を有するように構成することができる
【0028】
1つの実施形態では、デジタルイメージセンサ38は、垂直または水平方向に沿って約20m
mより大きい高さを有する有効撮像領域を有するように構成することができる。1つの実施
形態では、デジタルイメージセンサ38は、垂直または水平方向に沿って約30mmより大きい
高さを有する有効撮像領域を有するように構成することができる。1つの実施形態では、
デジタルイメージセンサ38は、垂直または水平方向に沿って約25mm~35mmの高さを有する
有効撮像領域を有するように構成することができる。1つの実施形態では、デジタルイメ
ージセンサ38は、約2.2:1のアスペクト比を有するように構成することができる。1つの
実施形態では、デジタルイメージセンサ38の高さおよび幅は、必要に応じて異なるアスペ
クト比に組み合わせ、または変更することができる。好ましくは、大判デジタルイメージ
センサ38が使用されるが、他の実施形態では、必要に応じて他のフォーマットのデジタル
イメージセンサ38を使用することができる。光学ローパスフィルタ44は、単一の層または
種類の材料、または複数の層または種類の材料から構成することができる。
【0029】
アナモルフィックレンズ群16は、図1において説明したアナモルフィックレンズ群16と
同様に構成することができる。アナモルフィックレンズ群16は、複数のアナモルフィック
レンズ素子を含むことができ、または少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子22を
含んでもよい。少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子22は、画像を水平または垂
直方向に圧縮するように構成することができる。アナモルフィックレンズ群16は、レンズ
群の残りの部分と一体的に構成されていてもよく、また着脱自在に構成されていてもよい
。レンズ群16が着脱自在である実施形態では、デジタルカメラ36は、アナモルフィックキ
ャプチャモードと非アナモルフィックキャプチャモードとの間で変更できるように構成す
ることができる。
【0030】
パワーレンズ群18は、図1において説明したパワーレンズ群18と同様に構成することが
できる。パワーレンズ群18は、複数のパワーレンズ素子24を含んでもよく、または少なく
とも1つのパワーレンズ素子24を含んでもよい。パワーレンズ素子24は、球面レンズ素子
を含んでもよい。球面レンズ素子は、アナモルフィックレンズ群16からの画像の倍率を全
方向で変化させるように構成することができる。パワーレンズ群18は、少なくとも1つの
アナモルフィックレンズ素子22とデジタルイメージセンサ38の間に配置されてもよい。パ
ワーレンズ群18は、レンズ群の残りの部分と一体的に構成されていてもよく、着脱自在に
構成されていてもよい。
【0031】
補正レンズ群40は、パワーレンズ群18とデジタルイメージセンサ38との間に配置されて
もよい。補正レンズ群40は、デジタルイメージセンサ38上のアナモルフィック圧縮の方向
における画像のぼけを低減するように構成された、または、アナモルフィック圧縮の方向
と対応する直交する水平または垂直方向において性能を一致させる、または2つの直交す
る方向の画質を実質的に等しくするために、対応する直交する水平または垂直方向に画像
を分解するように構成された、少なくとも1つの補正レンズ素子48を含んでもよい。ぼけ
の低減は、好ましい大判のデジタルイメージセンサ38を構成することができる。補正レン
ズ群40は、アナモルフィックレンズ群16に対して像側レンズ群として配置されてもよく、
デジタルイメージセンサ38の前の最後の光学系を構成する後段レンズ群として提供されて
もよい。補正レンズ群40は、レンズ群の残りの部分と一体的に構成されていてもよく、着
脱自在に構成されていてもよい。レンズ群16と補正レンズ群40とが着脱自在である実施形
態では、デジタルカメラ36は、アナモルフィックキャプチャモードと非アナモルフィック
キャプチャモードとの間で変更できるように構成することができる。
【0032】
少なくとも1つの補正レンズ素子48は、光学ローパスフィルタ44によって引き起こされ
るぼけを含む、デジタルイメージセンサ38によって引き起こされる非対称なぼけを等しく
するように機能する、弱い補償要素を含んでもよい。1つの実施形態では、少なくとも1つ
の補正レンズ素子48は、シリンドリカルレンズ素子を含んでもよく、トロイダルレンズ素
子であってもよい。少なくとも1つの補正レンズ素子48は、自己完結型で自己相殺型であ
ってもよいが、円筒状のパワーを発生することができる。シリンドリカルレンズ素子は、
複屈折光学ローパスフィルタ44を通って画像化されたとき、アナモルフィック圧縮の方向
と対応する直交する水平または垂直方向との間の画像MTFの不均衡なコンボリューション
を相殺するように構成することができる。1つの実施形態では、シリンドリカルレンズ素
子のパワーは、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子22によって提供されるパワ
ーに依存してもよい。前側と後側のシリンドリカル群は、所望の大判フォーマットでの光
学的補正のために互いに依存していてもよい。このように、少なくとも1つの補正レンズ
素子48は、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子22と組み合わせて機能してもよ
く、少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子22に依存してもよい。後側のシリンド
リカルレンズ素子は、光学ローパスフィルタ44による球面収差、コマ収差、像面湾曲、非
点収差を補正するように構成されていてもよい。
【0033】
1つの実施形態では、少なくとも1つの補正レンズ素子48は、複屈折材料を含んでもよい
。複屈折材料は、光学ローパスフィルタ44によって引き起こされるぼけを含む、デジタル
イメージセンサ38によって引き起こされる非対称なぼけを低減させるように機能する補正
レンズ群40の中で配向性を有することができる。複屈折材料は、圧縮比の関数となり得る
、計算された量の画像分解を提供することによって、非対称なぼけを相殺するように構成
されてもよい。必要に応じて、単一の層または種類の複屈折材料、または複数の層または
種類の複屈折材料を利用することができる。複屈折材料は、光学ローパスフィルタ44に起
因する球面収差、コマ収差、像面湾曲及び非点収差を補正するように構成することができ
る。
【0034】
1つの実施形態では、少なくとも1つの補正レンズ素子48は、トロイダルレンズ素子など
のシリンドリカルレンズ素子と複屈折材との組み合わせを含んでもよい。1つの実施形態
では、補正レンズ群40は、アナモルフィックレンズ群16の像側に配置された適応光学系の
群として構成されてもよい。1つの実施形態では、アナモルフィックレンズ群16は、補正
レンズ群40の適応光学系と組み合わせて機能するシリンドリカルレンズ群として構成する
ことができる。
【0035】
図6は、複屈折材料48aを含む少なくとも1つの補正レンズ素子48の実施形態を示す。1つ
の実施形態では、複屈折材料は石英を含んでもよいが、他の実施形態では、必要に応じて
異なる材料を利用することができる。複屈折材料は、パワーを与えられた方向に対して直
角に配置されてもよい。図6は、シリンドリカルレンズ素子(例えば、トロイダルレンズ
素子48b)を含む少なくとも1つの補正レンズ素子48の実施形態を示す。トロイダルレンズ
素子は、補正レンズ群40の物体側に面する弱いトロイダル面を備えてもよい。
【0036】
図7は、少なくとも1つの補正レンズ素子48による補正前後のデジタルカメラ36の光学系
の上面図を示す。アナモルフィック圧縮の方向にぼけが低減している。
【0037】
アナモルフィックレンズ群16、パワーレンズ群18、および補正レンズ群40は、共に、光
軸26に沿って配置されたレンズ群を含んでもよい。アナモルフィックレンズ群16および補
正レンズ群40は、パワーレンズ群18の前側及び後側で機能してもよい。
【0038】
1つの実施形態では、アナモルフィックレンズ群16の圧縮比は、例えば、標準の2.4:1
のパナビジョン(Panavision)ワイドスクリーンアスペクト比が求められる実施形態にお
いて(1.2:1のアスペクト比の撮像のために)において、2となり得る。1つの実施形態で
は、アナモルフィックレンズ群16の圧縮比は、例えば、1.78のアスペクト比の撮像が望ま
しい実施形態において、引用により本明細書中に全ての内容が組み込まれている、Miyagi
shimaらの米国特許第7,148,947号「Anamorphic Three-Perforation Imaging System」(2
006年12月12日発行)に記載されている、約1.34に設定することができる。1つの実施形態
では、アナモルフィックレンズ群16の圧縮比は、必要に応じて変更することができる。
【0039】
図8に示すように、1つの実施形態では、1.29の圧縮比を有するアナモルフィックレンズ
群16bを提供するために、アナモルフィックレンズ群16aの圧縮比は、1.25または1.255の
約3%だけ変更され得る。1つの実施形態では、3%の調整は、アナモルフィックレンズ群1
6bの前側要素と非点レンズとの間に空隙を入れるか、空隙のサイズを拡大することによっ
て達成することができる。
【0040】
1.29の圧縮比は、デジタル65デジタルイメージセンサおよびスーパー35デジタルイメー
ジセンサの両方で利用することができる。デジタル65デジタルイメージセンサが使用され
る実施形態では、圧縮率の変化は、アナモルフィックレンズ群16b内(例えば、非点レン
ズ内)に既に存在する圧縮比許容誤差内にあるので、本質的に無視できる。従って、2.76
:1のアスペクト比は、依然として展開時に生じる可能性がある。
【0041】
スーパー35デジタルイメージセンサが使用される実施形態では、1.29の圧縮比は、有効
画像領域の使用の約4%の損失のみで、1.78:1のアスペクト比で2.4:1の画像を撮像する
ことを可能にする。センサの全幅を使用することができ、これにより、真の4k解像度ハイ
ブリッド2.4:1アスペクト比アナモルフィックスキャンが可能となる。これは、現在2kの
解像度に制限されている、圧縮比:2の従来のアナモルフィック撮像よりも改善されてい
る。
【0042】
撮像された1.78のアスペクト比(スーパー35)または撮像された2.20のアスペクト比(
デジタル65)は、Miyagishimaらの米国特許第7,148,947号に記載されている方法で他の所
望のアスペクト比に変換することができる。
【0043】
所定の圧縮比で画像を取り込むという、本明細書に開示されたプロセスは、本出願の範
囲内の一方法として実施することができる。さらに、本明細書に開示された少なくとも1
つの補正レンズ素子48の使用は、本出願の範囲内の一方法として実施することができる。
本明細書に開示される他の方法が、本出願の範囲内で実施されてもよい。さらに、少なく
とも1つの補正レンズ素子48は、本明細書で開示される光学系とは別の光学系と組み合わ
せて、または別個に、本出願の範囲内の独立型の特徴を備えることができる。
【0044】
締めくくりとして、本明細書の態様は具体的な実施態様を参照して強調されているが、
当業者であれば、これらの開示されている実施態様は、本明細書に開示されている主題の
原理の単に例示であることが容易に分かるであろうことを理解すべきである。従って、開
示されている主題は、決して本明細書に記載されている特定の方法論、手順、及び/又は
試薬などに限定されないことを理解すべきである。従って、本明細書の趣旨から逸脱する
ことなく、本明細書中の教示に従って、開示されている主題に対する様々な修正又は変更
又はそれらの他の構成が可能である。最後に、本明細書中で使用されている専門用語は、
単に特定の実施態様を記述するためのものであり、本明細書に開示されているシステム、
装置、及び方法の範囲を限定するものではく、特許請求の範囲によってのみ定義される。
従って、システム、装置、及び方法は、詳細に図示及び記載されているものに限定されな
い。
【0045】
本発明者らに知られている本発明を実施するための最良の形態を含むシステム、装置、
及び方法の特定の実施態様が、本明細書に記載されている。当然のことながら、これらの
記載されている実施態様の変形形態は、上記記載を読めば当業者には明らかである。本発
明者は、当業者がそのような変形形態を適宜用いることを想定しており、本発明者らは、
本明細書に具体的に記載されているものとは異なる方法でシステム、装置、及び方法が実
施されることを企図している。従って、システム、装置、及び方法は、本明細書に添付さ
れている特許請求の範囲に列挙されている主題の全ての変形形態及び均等物を適用法によ
り認められるものとして含むものである。さらに、本明細書に特に明記しない限り、ある
いは文脈に明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上記実施態様の
任意の組み合わせがシステム、装置、及び方法により包含される。
【0046】
システム、装置、及び方法の他の実施態様、要素、又は工程のグループ化は、本発明を
限定するものとして解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個々に、あるい
は本明細書に開示されている他のグループの構成要素との任意の組み合わせで参照及び特
許請求することができる。グループの1つ以上の構成要素は、利便性及び/又は特許性を理
由に、グループに含めたり、そこから削除したりすることができるものと想定される。任
意のそのような包含又は削除が生じた場合、本明細書は、そのグループを修正されたもの
として含めるものとし、従って、添付の特許請求の範囲に使用されている全てのマーカッ
シュ群の記載を満たすものとする。
【0047】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用されている特性、項目、量、
パラメータ、性質、用語などを表わす全ての数は、「約」という用語により、全ての場合
に修正されるものとして理解されるべきである。本明細書で使用される「約」という用語
は、そのように定量された特性、項目、量、パラメータ、性質又は用語が、変動し得る近
似値を包含することを意味する。「おおよそ[で]」及び「実質的[に]」という用語は、指
定した量から変化し得る量を表すが、本明細書に記載された所望の操作又はプロセスを実
施することが可能である。
【0048】
システム、装置、及び方法を記載する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)に使用
される「1つの(a)」「1つの(an)」「その(前記)(the)」という用語及び同様の指
示物は、本明細書に特に明記しない限り、あるいは文脈に明らかに矛盾しない限り、単数
及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。本明細書に記載されている全て
の方法は、本明細書に特に明記しない限り、あるいは文脈に明らかに矛盾しない限り、任
意の好適な順序で実施することができる。本明細書に提供されているありとあらゆる例又
は例を表わす言葉(例えば、「など」)の使用は、システム、装置、及び方法を単により
良く理解するためのものであり、特許請求の範囲に別段の記載がない限り、システム、装
置、及び方法の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいずれの言葉も、システム
、装置、及び方法の実施に必須なあらゆる特許請求されていない要素を示すものとして解
釈されるべきではない。
【0049】
本明細書で参照及び特定されている全ての特許、特許公開公報、及び他の刊行物の開示
内容全体が、例えば、システム、装置、及び方法に関して使用され得るそのような刊行物
に記載されている組成物及び方法論を記載及び開示するために、個々に、かつ明確に参照
により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は単に、本出願の出願日より前のそれら
の開示のために提供されている。この点に関してはいずれも、本発明者らが、先願発明に
より、あるいはあらゆる他の理由のために、そのような開示に先行する権利がないという
ことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文献の日付に関する全ての記
載又は内容に関する表現は、本出願人に利用可能な情報に基づくものであり、これらの文
献の日付又は内容の正確性に関するいかなる承認も構成するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ローパスフィルタを含むデジタルイメージセンサと;
光学軸に沿って配置されるレンズ群と
を備え、
該レンズ群は、
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモル
フィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間
に配置された少なくとも1つのパワーレンズ素子と;
少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少なくとも1つの複屈折材とを含み、該少な
くとも1つのパワーレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間に配置され、該光学ロ
ーパスフィルタによって引き起こされる該デジタルイメージセンサ上の該水平または垂直
方向の画像のぼけを低減する、または、該水平および垂直方向における画質を実質的に等
しくするために、該画像を該水平または垂直方向に分解するように構成された、少なくと
も1つの補正レンズ素子と
を含む、
デジタルカメラ。
【請求項2】
前記デジタルイメージセンサが、35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方向
に沿った幅の有効画像領域を備える、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記デジタルイメージセンサが、約20ミリメートルより大きい高さの有効画像領域を備
える、請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子は、1.19~1.30の圧縮比によって前
記画像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、請求項1に記載のデ
ジタルカメラ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少な
くとも1つの複屈折材との組み合わせを含む、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、前記少なくとも1つのパワーレン
ズ素子から離れるように構成されている、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記デジタルカメラは、アナモルフィックキャプチャモードと非アナモルフィックキャ
プチャモードとの間を変更するように構成されている、請求項1に記載のデジタルカメラ
【請求項8】
光学ローパスフィルタを含むデジタルイメージセンサと;
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモルフ
ィックレンズ素子と;
少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少なくとも1つの複屈折材とを含み、該少なく
とも1つのアナモルフィックレンズ素子と該光学ローパスフィルタとの間に光軸に沿って
配置され、該光学ローパスフィルタによって引き起こされる該デジタルイメージセンサ上
の該水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成された、少なくとも1つの補
正レンズ素子と;
を備える、
デジタルカメラシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの補正レンズ素子は、前記光学ローパスフィルタによって引き起こ
される球面収差、コマ収差、像面湾曲、または非点収差のうちの1つ以上を補正するよう
に構成される、請求項8に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、1.19~1.30の圧縮比によって前
記画像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、請求項8に記載のデ
ジタルカメラシステム。
【請求項11】
約1.29の圧縮比で画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも
1つのアナモルフィックレンズ素子と;
光学ローパスフィルタを含み、該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子によっ
て圧縮された画像を受け取るように構成されたデジタルイメージセンサと;
少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少なくとも1つの複屈折材とを含み、該少なく
とも1つのアナモルフィックレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間に光軸に沿っ
て配置され、該水平および垂直方向における画質を実質的に等しくするために、該光学ロ
ーパスフィルタによって引き起こされる該デジタルイメージセンサ上の該水平または垂直
方向の画像のぼけを低減するように構成された、補正レンズ素子と;
を備える、
デジタルカメラシステム。
【請求項12】
前記デジタルイメージセンサは、1.78:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように
構成される、請求項11に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項13】
前記デジタルイメージセンサは、2.2:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように構
成される、請求項11に記載のデジタルカメラシステム。
【請求項14】
前記デジタルイメージセンサは、少なくとも4Kの解像度を有する、請求項11に記載のデ
ジタルカメラシステム。
【請求項15】
前記デジタルイメージセンサは、35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方向
に沿った幅の有効画像領域を備える、請求項11に記載のデジタルカメラシステム。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
本明細書で参照及び特定されている全ての特許、特許公開公報、及び他の刊行物の開示
内容全体が、例えば、システム、装置、及び方法に関して使用され得るそのような刊行物
に記載されている組成物及び方法論を記載及び開示するために、個々に、かつ明確に参照
により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は単に、本出願の出願日より前のそれら
の開示のために提供されている。この点に関してはいずれも、本発明者らが、先願発明に
より、あるいはあらゆる他の理由のために、そのような開示に先行する権利がないという
ことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文献の日付に関する全ての記
載又は内容に関する表現は、本出願人に利用可能な情報に基づくものであり、これらの文
献の日付又は内容の正確性に関するいかなる承認も構成するものではない。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
デジタルイメージセンサと;
光学軸に沿って配置されるレンズ群と
を備え、
該レンズ群は、
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモル
フィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間
に配置された少なくとも1つのパワーレンズ素子と;
該少なくとも1つのパワーレンズ素子と該デジタルイメージセンサとの間に配置され
、該デジタルイメージセンサ上の該水平または垂直方向の画像のぼけを低減する、または
、該水平および垂直方向における画質を実質的に等しくするために、該画像を該水平また
は垂直方向に分解するように構成された、少なくとも1つの補正レンズ素子と
を含む、デジタルカメラ。
(構成2)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子を含む
、構成1に記載のデジタルカメラ。
(構成3)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つの複屈折材料を含む、構成1に
記載のデジタルカメラ。
(構成4)
前記デジタルイメージセンサが、約35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方
向に沿った幅の有効画像領域を備える、構成1に記載のデジタルカメラ。
(構成5)
前記デジタルイメージセンサが、約20ミリメートルより大きい高さの有効画像領域を備
える、構成4に記載のデジタルカメラ。
(構成6)
前記デジタルイメージセンサは、光学ローパスフィルタを含み、前記少なくとも1つの
補正レンズ素子が、該光学ローパスフィルタによって引き起こされる前記デジタルイメー
ジセンサ上の前記水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成されている、構
成1に記載のデジタルカメラ。
(構成7)
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子は、約1.29の圧縮比によって前記画
像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、構成1に記載のデジタル
カメラ。
(構成8)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子と少な
くとも1つの複屈折材との組み合わせを含む、構成1に記載のデジタルカメラ。
(構成9)
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、前記少なくとも1つのパワーレン
ズ素子から離れるように構成されている、構成1に記載のデジタルカメラ。
(構成10)
前記デジタルカメラは、アナモルフィックキャプチャモードと非アナモルフィックキャ
プチャモードとの間を変更するように構成されている、構成1に記載のデジタルカメラ。
(構成11)
光学ローパスフィルタを含むデジタルイメージセンサと;
画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも1つのアナモルフ
ィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子と該光学ローパスフィルタとの間に光
軸に沿って配置され、該光学ローパスフィルタによって引き起こされる該デジタルイメー
ジセンサ上の該水平または垂直方向の画像のぼけを低減するように構成された、少なくと
も1つの補正レンズ素子と;
を備える、デジタルカメラシステム。
(構成12)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子は、前記光学ローパスフィルタによって引き起こ
される球面収差、コマ収差、像面湾曲、または非点収差のうちの1つ以上を補正するよう
に構成される、構成11に記載のデジタルカメラシステム。
(構成13)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、複屈折材料を含む、構成11に記載のデジタル
カメラシステム。
(構成14)
前記少なくとも1つの補正レンズ素子が、少なくとも1つのトロイダルレンズ素子を含む
、構成11に記載のデジタルカメラシステム。
(構成15)
前記少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子が、約1.29の圧縮比によって前記画
像を前記水平または垂直方向に圧縮するように構成されている、構成11に記載のデジタル
カメラシステム。
(構成16)
約1.29の圧縮比で画像を水平または垂直方向に圧縮するように構成された、少なくとも
1つのアナモルフィックレンズ素子と;
該少なくとも1つのアナモルフィックレンズ素子によって圧縮された画像を受け取るよ
うに構成されたデジタルイメージセンサとセンサと;
を備える、デジタルカメラシステム。
(構成17)
前記デジタルイメージセンサは、1.78:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように
構成される、構成16に記載のデジタルカメラシステム。
(構成18)
前記デジタルイメージセンサは、2.2:1のアスペクト比で前記画像を受け取るように構
成される、構成16に記載のデジタルカメラシステム。
(構成19)
前記デジタルイメージセンサは、少なくとも4Kの解像度を有する、構成16に記載のデジ
タルカメラシステム。
(構成20)
前記デジタルイメージセンサは、約35ミリメートルより大きい、前記水平または垂直方
向に沿った幅の有効画像領域を備える、構成16に記載のデジタルカメラシステム。
【外国語明細書】