(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007806
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】保温材薄肉化工具
(51)【国際特許分類】
B26B 27/00 20060101AFI20220105BHJP
B26D 1/44 20060101ALI20220105BHJP
B26D 1/02 20060101ALI20220105BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B26B27/00 G
B26D1/44
B26D1/02 C
B26D3/00 603Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110995
(22)【出願日】2020-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000136686
【氏名又は名称】株式会社ブレスト工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】門脇 潤
(72)【発明者】
【氏名】桜井 宏
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA02
3C061AA10
3C061AA26
3C061BA05
3C061EE22
(57)【要約】
【課題】管を被覆する保温材の肉厚を薄くする作業負担を軽減し、効率化し、肉厚を均一な厚さに加工でき、しかも管を傷付けず安全な作業を可能とした保温材薄肉化工具を提供すること。
【解決手段】保温材薄肉化工具1は、管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための工具である。円筒体(外側円筒体)11は管とともに保温材を受容するために保温材の外径以上の内径を有する。円筒体の内側には、管に挿入されるために管の内径よりも短い外径を有するガイドポール17が、後端側において円筒体と同心で支持される。円筒体とガイドポールとの間には、保温材の先端側の一部分を半径方向に2分割するために先端に刃先を有する刃体(内側円筒体)13が後端側において円筒体に支持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための保温材薄肉化工具において、
前記管とともに前記保温材を受容するために前記保温材の外径以上の内径を有する円筒体と、
前記管に挿入されるために前記管の内径よりも短い外径を有し、前記円筒体の内側に後端側において前記円筒体と同心で支持されるガイドポールと、
前記円筒体と前記ガイドポールとの間に後端側において前記円筒体に支持され、前記保温材の先端側の一部分を半径方向に2分割するために先端に刃先を有する刃体とを具備する保温材薄肉化工具。
【請求項2】
管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための保温材薄肉化工具において、
前記管とともに前記保温材を受容するために前記保温材の外径以上の内径を有する円筒体と、
前記円筒体の内側に後端側において前記円筒体に支持され、前記保温材の先端側の一部分を半径方向に2分割するために先端に刃先を有する刃体とを具備する保温材薄肉化工具。
【請求項3】
管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための保温材薄肉化工具において、
前記管に挿入されるために前記管の内径よりも短い外径を有するガイドポールと、
前記ガイドポールの外側に後端側において前記ガイドポールに接続され、前記保温材の先端側の一部分を半径方向に2分割するために先端に刃先を有する刃体とを具備する保温材薄肉化工具。
【請求項4】
前記刃体は、円筒刃を有する請求項1乃至3のいずいれか一項記載の保温材薄肉化工具。
【請求項5】
前記円筒刃の刃先は、波状若しくはのこぎり刃状である請求項4記載の保温材薄肉化工具。
【請求項6】
前記保温材を周方向に切断するための切断刃と、
前記切断刃を進退自在に支持する切断刃ホルダとをさらに備える請求項1乃至3のいずいれか一項記載の保温材薄肉化工具。
【請求項7】
前記切断刃は諸刃である請求項6記載の保温材薄肉化工具。
【請求項8】
前記円筒体の先端が前記刃体の先端よりも突出するように前記円筒体は前記刃体よりも長い請求項1又は2記載の保温材薄肉化工具。
【請求項9】
前記刃体は前記円筒体に対して着脱自在である請求項1又は2記載の保温材薄肉化工具。
【請求項10】
前記円筒体の周面には中心軸と平行な少なくとも一のスリットが設けられる請求項1又は2記載の保温材薄肉化工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、銅管、アルミニウム管、合成樹脂管等の管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための保温材薄肉化工具に関する。
【背景技術】
【0002】
保温材で被覆された管として典型的には、冷媒を循環する銅管である。冷媒管は銅管とそれを被覆する保温材から構成される。空調機器の設置工事に際しては、室内機側の冷媒管を室外機側から配管された冷媒管に接続する作業が必要とされる。通常、室内機側の冷媒管の保温材は2本とも薄く、一方、接続側の冷媒管の保温材は2本の内1本は結露防止を考慮して2倍以上の厚みとなっている。そのため接続側の冷媒管の保温材の終端部分の肉厚を薄くして、室内機側の冷媒管の保温材の肉厚に同一とし、接続側の冷媒管の保温材と室内機側の冷媒管の保温材の両者保温材の外形と同じ径のカバーを被せ、さらに保護テープを巻き付けて保温補修している。
【0003】
銅管を被覆する保温材の終端部分を薄肉化するために、現場では作業員がカッターナイフで保温材の表層を削り落としている。この作業は作業員に多大な負担をかけるだけでなく、非常に非効率であり、周方向に厚みが不均一になり、作業員の技能に応じて仕上がりにばらつきが生じてしまう。しかも銅管に傷を付けてしまう危険性や作業員に切削事故を起こす要因となっている。なお、従来、特許文献1に例示されるように、保温材等の被覆材を除去する工具はあったものの、肉厚を薄くするための工具は存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、管を被覆する保温材の肉厚を薄くする作業負担を軽減し、効率化し、肉厚を均一な厚さに加工でき、しかも管に傷を付けることない安全な作業を可能とした保温材薄肉化工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る保温材薄肉化工具は、管を被覆する保温材の肉厚を薄くするための工具である。円筒体は管とともに保温材を受容するために保温材の外径以上の内径を有する。円筒体の内側には、管に挿入されるために管の内径よりも短い外径を有するガイドポールが、後端側において円筒体と同心で支持される。円筒体とガイドポールとの間には、保温材の先端側の一部分を半径方向に2分割するために先端に刃先を有する刃体が後端側において円筒体に支持される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本実施形態に係る保温材薄肉化工具の斜視図である。
【
図7】
図7は切断刃が下降した状態の保温材薄肉化工具の断面図である。
【
図9】
図9は
図1の内側円筒体とガイドポールの斜視図である。
【
図10】
図10は
図1の保温材薄肉化工具を使用して保温材を薄肉化する作業の第1工程を示す断面図である。
【
図16】
図16は
図1の保温材薄肉化工具を使用して薄肉化された冷媒管を示す斜視図である。
【
図17】
図17は変形例に係る保温材薄肉化工具の斜視図である。
【
図18】
図18は他の変形例に係る保温材薄肉化工具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る保温材薄肉化工具は、円筒形の銅管、アルミニウム管、合成樹脂管等の管を被覆する円筒形の保温材の肉厚を薄くする、換言すると保温材の先端部分を半径方向に2分割するための工具である。なお、ここでは説明の便宜上、冷媒を循環するための銅管と、それを被覆する円筒形の保温材とから構成される冷媒管を一例に説明する。
【0009】
図1乃至
図9に示すように、保温材薄肉化工具1は、外側円筒体11と、外側円筒体11の内側にそれと同心で固定される内側円筒体13とからなる二重円筒構造を備える。外側円筒体11と内側円筒体13とはABS樹脂、PC樹脂などの樹脂材や金属材で形成される。
【0010】
外側円筒体11は、先端側が開放され、後端側のみ底板16で閉じられた有底円筒形状に構成され、その内径ID11は、銅管とともに保温材をそのまま受容することができるように保温材の外径以上に構成される。例えば外側円筒体11の内径ID11は保温材の外径に一致する。それにより保温材に外側円筒体11を隙間無く差し込むことにより、外側円筒体11の中心軸Cを保温材及び銅管のそれに一致させることができる。
【0011】
外側円筒体11の外周面には中心軸Cと平行な複数の線条窪み(溝)12が周方向に並設されている。外側円筒体11の外周面の溝12は、保温材薄肉化工具1を使用するとき、作業員は保温材薄肉化工具1を把持し、軸回転するが、その滑り止めとして機能する。また外側円筒体11の外周面には、その下側に、つまり切断刃21及び切断刃ホルダ23を保持するブラケット27とは反対側に、中心軸Cと平行に細隙(スリット)22が開けられている。なお、複数のスリット22を外側円筒体11の外周に沿って互いに平行に並設するようにしてもよい。また一対のスリット22を中心軸Cを挟んで対称の位置に設けるようにしてもよい。作業員はスリット22に指等を差し入れて保温材の切屑を開口から容易に押し出し、取り除くことができる。
【0012】
外側円筒体11の先縁は先方に向かって拡がるように丸く面取りされている。それにより外側円筒体11を保温材に挿入し易くなる。
【0013】
内側円筒体13は外側円筒体11の内側であって、ガイドポール17の外側に配置される。つまり内側円筒体13は外側円筒体11とガイドポール17との間に配置される。内側円筒体13は、外側円筒体11と同様に先端側が開放され、後端側のみ底板18で閉じられた有底円筒形状に構成され、外側円筒体11とともに軸回転するために外側円筒体11の内側にそれと同心で固定されている。好ましくは内側円筒体13の底板18は、外側円筒体11の底板16に対してネジ19により螺着される。ネジ19を緩めることにより内側円筒体13を外側円筒体11とから取り外すことができる。このように内側円筒体13を外側円筒体11に対して着脱自在に設けることにより、内側円筒体13に刃こぼれが生じたときに、新しい内側円筒体13に交換することができる。また内側円筒体13を、薄肉厚を変更するために外径や内径の異なる他の内側円筒体に交換することもできる。勿論、内側円筒体13を外側円筒体11とから取り外すことができないように、内側円筒体13を外側円筒体11に接着し、又はそれらを一体成型するものであってもよい。
【0014】
また内側円筒体13にはガイドポール17が一体成形されている。内側円筒体13とともにガイドポール17を外側円筒体11に対して着脱することができる。ガイドポール17を内側円筒体13とともに、銅管の内径に合わせて外径の異なる他のガイドポール17に交換することもできる。
【0015】
内側円筒体13の外径OD13は、外側円筒体11の内径ID11は勿論、保温材の外径よりも短い。また内側円筒体13の内径ID13は、銅管の外径よりも長く設定されている。実際には、内側円筒体13の内径ID13は、薄肉化された保温材の先端部分の外径に一致する寸法に構成されている。
【0016】
作業員が外側円筒体11の外周面を把持し、それを軸回転させながら保温材に差し込むことにより、保温材を円形に切削することができるように、内側円筒体13の先端縁14は、円筒刃状に形成されている。なお、軸回転させながら保温材に差し込むと細かいゴミの量が少なくなるが、回転させずに内側円筒体13を保温材に押し込んでも切削することが出来る。なお、内側円筒体13の先端縁14に別体としての円筒刃が付設される構造であってもよい。また円筒刃形状としては図示した波形刃に限定されることはなく、のこぎり刃形状又は他の刃形状であってもよい。
【0017】
内側円筒体13は、保温材を円形に切削するための刃体であり、軸回転させながら保温材を円形に切削することができるのであれば、円筒体及び円筒刃に限定されることはない。例えば刃体として先端に刃先が設けられた短冊状の板体であってもよい。短冊状の板体は中心軸Cと平行に設けられ、その後端は外側円筒体11やガイドポール17の底部に接続される。
【0018】
保温材薄肉化工具1を持ち運ぶ際に、内側円筒体13の先端縁14の円筒刃が他に衝突して刃こぼれ等が生じることがないように、また安全のため、外側円筒体11の先端が内側円筒体13の先端よりも突出する、換言すると内側円筒体13の先端が外側円筒体11の先端よりも内側に引っ込むように、外側円筒体11は内側円筒体13よりも少し長い、換言すると内側円筒体13は外側円筒体11よりも少し短い。
【0019】
なお、内側円筒体13の底板18を外側円筒体11の底板16の内側にあてがったときに、外側円筒体11と同心に誘導されるように、内側円筒体13には外側円筒体11の内周面に沿うように同径の円弧翼形のフランジ15が設けられている。
【0020】
当該保温材薄肉化工具1を銅管及び保温材に差し込む際に、銅管及び保温材の中心軸に当該保温材薄肉化工具1の中心軸Cが一致するように当該保温材薄肉化工具1を案内するためのガイドポール17が内側円筒体13の内側後端の底板18に内側円筒体13と同心で支持される。ガイドポール17は銅管に挿入されるために銅管の内径よりも若干短い外径OD17を有する。ガイドポール17の先縁は銅管への挿入を容易にするために先方に向かって細くなるテーパー形状に形成されている。
【0021】
保温材薄肉化工具1は、さらに内側円筒体13の円筒刃で切削された保温材の先端部分をその後端において分断するために、保温材を円筒刃の切削深度と同じ深度で周方向に切断するための切断刃21を装備している。なお図示しないが、外側円筒体11の一部にはスリットが開口されており、このスリットを介して切断刃21の切っ先が外側円筒体11の内周面から突き出て、また引っ込む。
【0022】
保温材に対して保温材薄肉化工具1を両方向いずれの向きで軸回転させても保温材に周方向に切れ込みを入れることができるように、切断刃21は両辺に刃がついている諸刃(両刃ともいう)であることが好ましいが、それに限定されず片辺だけに刃がついている片刃であってもよい。また外側円筒体11のスリットから突き出た部分の全てで保温材を切断できるように切断刃21は、当該突き出た部分の長さと同じ又はそれ以上の刃長を有している。
【0023】
切断刃21は切断刃ホルダ23に取り付けられる。切断刃ホルダ23には作業員が操作するためのレバー24が中心軸Cと平行に突出して設けられている。外側円筒体11の外周にはブラケット27が中心軸Cに垂直に、換言すると半径方向と平行に取り付けられている。ブラケット27には半径方向と平行にレール25が設けられ、このレール25に切断刃ホルダ23が移動自在に挿入されている。これら構造により切断刃21は外側円筒体11の半径方向に進退自在に支持される。切断刃ホルダ23の移動範囲は、レール25内の図示しない一対のストッパ突起により制限されている。切断刃ホルダ23が外側円筒体11の外周面から最も離れた位置(待機位置)にあるとき、切断刃21の刃先は外側円筒体11のスリットから内周面より内側に突き出ることなく、内周面より外側に位置する。切断刃ホルダ23が外側円筒体11の外周面から最も接近した位置(切断位置)にあるとき、切断刃21の刃先は外側円筒体11のスリットを通過して内周面から中心軸Cに向かって突き出て、内側円筒体13の外周面と同深度の位置まで達する。
【0024】
次に
図10乃至
図16を参照して本実施形態に係る保温材薄肉化工具1を使用した薄肉化作業手順について説明する。まず、切断刃ホルダ23を待機位置に位置し、切断刃21の刃先が外側円筒体11の内周面から突き出ることのない状態で、外側円筒体11を保温材33に、ガイドポール17を銅管31に挿入しながら、内側円筒体13の先端縁14の円筒刃の刃先を保温材33の端面に差し込み銅管31とともに保温材33を固定した状態で保温材薄肉化工具1を軸回転させながら、少しずつ保温材33に円形の切れ込みを中心軸に沿って深く進めていく(
図10、
図11)。
【0025】
保温材33の端面が内側円筒体13の底板18に当接した時点で、保温材薄肉化工具1の軸回転を停止し(
図12)、レバー24を待機位置から切断位置まで押し下げて、保温材33に切断刃21をその半径方向に刺入する(
図13)。切断刃21を保温材33に刺入した状態のままで、銅管31とともに保温材33を固定した状態で保温材薄肉化工具1を軸回転させながら、少しずつ保温材33を周方向に切断していく(
図14)。保温材33を切断刃21で1周分切断した時点で、保温材薄肉化工具1を保温材33から引き抜く(
図15)。それにより保温材33の先端部分35は薄肉化され、切断した円筒形の部分は切屑36として保温材薄肉化工具1内に残留する。切断刃21を引き戻して、スリット22から指等を挿入して保温材薄肉化工具1の先端開口から切屑36を適宜取り除く。以上で
図16に示すように銅管31を被覆する保温材33の先端部分35を薄肉化する作業は完了である。
【0026】
このように本実施形態に係る保温材薄肉化工具1によれば、非常に効率的に、作業員の技能の差異にかかわらず均一な仕上がり、誰が作業しても同じ厚さに薄くしかも周方向に均一に円筒形状に保温材の先端部分を薄肉化することができる。しかも銅管を不用意に傷付けてしまう危険性解消、安全な作業を可能とする。またカッターで切ると多数の切屑は生じるが、本実施形態に係る保温材薄肉化工具1で切断するとその切屑36は単一の塊になり、後処理が容易になる。
【0027】
また本実施形態に係る保温材薄肉化工具1によれば、様々な太さの冷媒管に柔軟に適応することができる。外側円筒体11と保温材との間に間隙が生じる程度に冷媒管が比較的細い場合、銅管にガイドポール17を挿入し、その案内により、冷媒管の中心軸に対して保温材薄肉化工具1の中心軸を容易に整合させることができる。また外側円筒体11と保温材との間に間隙がほとんど無い程度に冷媒管が比較的太い場合、保温材に外側円筒体11を挿入し、また銅管にガイドポール17を挿入し、それらの案内により、冷媒管に対して保温材薄肉化工具1の中心軸を整合させることができる。さらに銅管とガイドポール17との間に間隙が生じる程度に銅管が比較的細い場合、保温材に外側円筒体11を挿入し、その案内により、冷媒管に対して保温材薄肉化工具1の中心軸を整合させることができる。このように本実施形態に係る保温材薄肉化工具1によれば、外側円筒体11に挿入できる太さの保温材であれば、またガイドポール17を挿入できる太さの銅管であれば、それら条件を満たす様々な太さの冷媒管に柔軟に適応することができる。
【0028】
なお、上述したようにガイドポール17は保温材薄肉化工具1を銅管及び保温材に差し込む際に、銅管及び保温材の中心軸に当該保温材薄肉化工具1の中心軸Cが一致するように当該保温材薄肉化工具1を案内する機能を果たしており、当該機能は外側円筒体11でも果たすことができる。この場合、
図17に示すように、保温材薄肉化工具1からガイドポール17を排除することができる。
【0029】
また上述したように外側円筒体11は作業員が把持する機能とともに、切断刃21のブラケット27を支持する機能を果たしている。
図18に示すように内側円筒体13の後端に円筒形の把持部28を連結するとともに、ブラケット27を内側円筒体13の外周面から一定距離を隔てて内側円筒体13の後端から片持ちで支持するアーム29を取り付けることにより、両機能を果たすことができる。この場合、保温材薄肉化工具1から外側円筒体11を排除することができる。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1…保温材薄肉化工具、11…外側円筒体、12…線条窪み(溝)、13…内側円筒体、14…先端縁(円周刃)、17…ガイドポール、21…切断刃、23…切断刃ホルダ、27…ブラケット