(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007807
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自転車用駐輪装置
(51)【国際特許分類】
B62H 3/08 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B62H3/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110996
(22)【出願日】2020-06-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】520234741
【氏名又は名称】藤永製作所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205512
【弁理士】
【氏名又は名称】出雲 暖子
(72)【発明者】
【氏名】藤永 正義
(57)【要約】
【課題】自転車に付属の自立用スタンドを使用することなく、色々な大きさや種類の自転車でも駐輪でき、駐輪までの動作が少なく簡単に駐輪でき、駐輪時に自転車に掛かる外的負荷が少ない自転車用駐輪装置を提供する。
【解決手段】 地面に載置される本体部3と、自転車13の前輪133及び後輪135を直線上に載置する車輪載置部5と、前記本体部3より上方に立設する柱状のフレーム支持部9と、を備える。前記本体部3と前記車輪載置部5とは固着されている。前記車輪載置部5は、自転車13の前輪133及び後輪135のタイヤ137の両側面を保持できる溝部7を備える。前記溝部7の幅は下方に向かうにつれて狭くなる。前記フレーム支持部9の下端部は前記本体部3に固着されている。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に載置される本体部と、自転車の前輪及び後輪を直線上に載置する車輪載置部と、前記本体部より上方に立設する柱状のフレーム支持部と、を備える自転車駐輪装置であって、
前記本体部と前記車輪載置部とは固着され、
前記車輪載置部は、自転車の前輪及び後輪のタイヤの両側面を保持できる溝部を備え、
前記溝部の短尺方向の幅は下方に向かうにつれて狭くなり、
前記フレーム支持部の下端部は前記本体部に固着されている、
自転車用駐輪装置。
【請求項2】
前記本体部と前記溝部とは一体に形成されている、
請求項1に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項3】
前記本体部は、上面部と、前記上面部から下方に向かう脚面部と、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項4】
前記フレーム支持部は前記上面部を貫通し、前記フレーム支持部の下端部は、固定手段を介して、前記脚面部に固定されている
請求項3に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項5】
前記本体部の底面は地面と接地する接地部を備える、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項6】
前記本体部の底面に対し鉛直な直線と、
前記フレーム支持部9における本体部の底面からの高さが500mm以上1000mm以下の位置と前記溝部の中央部とを結ぶ直線と、がなす鋭角の角度は4度以上30度以下である、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項7】
前記フレーム支持部は、前記本体部における前記車輪載置部と反対側の端部と、の間には間隔を備える、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項8】
前記本体部は、前記車輪載置部と反対側に荷物等載置部を備える、
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車に付属する自立用スタンドを使用することなく、色々な自転車が駐輪でき、駐輪までの動作が少なく簡単に駐輪でき、駐輪時に自転車に掛かる外的負荷が少ない自転車用駐輪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から自転車を駐輪する際に利用する駐輪装置は、例えば、先行文献1に開示されているように、自転車の前輪及び後輪を載置台に載置し、前記載置台に乗せた車輪を支持する支持手段を備えることにより自転車を駐輪させる装置が知られている。しかしながら、特許文献1の駐輪装置は、自転車を前又は後に押して前輪及び後輪を載置台に乗せた後、一方の車輪を支持手段に支持させ、他方の車輪をタイヤ止め手段に保持させなくてはならず、駐輪までの動作が多いという問題点がある。また、載置台に自転車の両輪を載せにくいという問題点がある。そして、駐輪時には、車輪で自転車の車体を支えるため、タイヤ、リム、スポーク、車軸等に外的負荷がかかるという問題点がある。
【0003】
特許文献2の装置は、自転車のハンドルを載置することにより、自転車を駐輪させる自転車用スタンドが開示されている。しかしながら、自転車のハンドルを持ち上げて前記自転車用スタンドに載せなくてはならず、軽い自転車でなければ、駐輪に相当な力を要し、女性や子供などには駐輪しにくいという問題点がある。また、ドロップハンドルやフラットハンドル以外のハンドルの自転車は駐輪しにくいという問題点がある。そして、自転車を持ち上げた状態で駐輪するため、ハンドルで自転車の荷重を支えることとなり、ハンドル等に外的負荷がかかるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-143806号
【特許文献2】特開2016-47694号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自転車に付属の自立用スタンドを使用することなく、色々な大きさや種類の自転車が駐輪でき、駐輪までの動作が少なく簡単に駐輪でき、駐輪時に自転車に掛かる外的負荷が少ない自転車用駐輪装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は次の内容のものである。
【0007】
地面に載置される本体部と、自転車の前輪及び後輪を直線上に載置する車輪載置部と、前記本体部より上方に立設する柱状のフレーム支持部と、を備える自転車駐輪装置であって、
前記本体部と前記車輪載置部とは固着され、
前記車輪載置部は、自転車の前輪及び後輪のタイヤの両側面を保持できる溝部を備え、
前記溝部の短尺方向の幅は下方に向かうにつれて狭くなり、
前記フレーム支持部の下端部は前記本体部に固着されている。
【0008】
前記本体部と前記溝部とは一体に形成されている。
【0009】
前記本体部は、上面部と、前記上面部から下方に向かう脚面部と、を備える。
【0010】
前記フレーム支持部は前記上面部を貫通し、前記フレーム支持部の下端部は、固定手段を介して、前記脚面部に固定されている。
【0011】
前記本体部の底面は地面と接地する接地部を備える。
【0012】
前記本体部の底面に対し鉛直な直線と、
前記フレーム支持部9における本体部の底面からの高さが500mm以上1000mm以下の位置と前記溝部の中央部とを結ぶ直線と、がなす鋭角の角度は4度以上30度以下である。
【0013】
前記フレーム支持部と、前記本体部における前記車輪載置部と反対側の端部と、の間には間隔を備える。
【0014】
前記本体部は、前記車輪載置部と反対側に荷物等載置部を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自転車用駐輪装置は、自転車に付属の自立用スタンドを使用することなく、色々な大きさや種類の自転車が駐輪でき、駐輪までの動作が少なく簡単に駐輪でき、駐輪時に自転車に掛かる外的負荷が少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示す正面図である。
【
図2】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示す左側面図である。
【
図3】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示す平面図である。
【
図4】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示す底面図である。
【
図5】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示す背面図である。
【
図6】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すA-A断面図である。
【
図7】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すB-B断面図である。
【
図8】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すC-C断面図である。
【
図9】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すD-D断面図である。
【
図10】本発明の自転車用駐輪装置のフレーム支持部と本体部3を固定するための別の例を示す底面図である。
【
図11】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すB-B断面図における固定手段の部分拡大図である。
【
図12】本発明の自転車用駐輪装置の一例を示すD-D断面図における固定手段の部分拡大図である。
【
図13】本発明の自転車用駐輪装置の溝部、フレーム支持部等の位置関係を示す概略図である。
【
図14】本発明の自転車用駐輪装置の使用状態の一例を示す斜視図である。
【
図15】本発明の自転車用駐輪装置が荷物等載置部を備える場合の使用状態の一例を示す斜視図である。
【
図16】本発明の自転車用駐輪装置であって、車輪載置部を2か所備える場合の一例を示す正面図である。
【
図17】本発明の自転車用駐輪装置であって、車輪載置部を2か所備える場合の一例を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の例について図を参照しながら説明する。尚、本発明は、以下の形態の例に限定されるものではない。
【0018】
本発明の自転車用駐輪装置1は地面に載置される本体部3と、自転車13の前輪133及び後輪135を直線上に載置する車輪載置部5と、前記本体部3より上方に立設する柱状のフレーム支持部9と、を備える。前記本体部3と前記車輪載置部5とは固着されている。前記車輪載置部5は、自転車13の前輪133及び後輪135のタイヤ137の両側面を保持できる溝部7を備える。前記溝部7の短尺方向の幅は下方に向かうにつれて狭くなる。前記フレーム支持部9の下端部91は前記本体部3に固着されている(
図1、2)。
【0019】
本発明の自転車駐輪装置1は、自転車13の前輪133及び後輪135を車輪載置部5に載置した後、自転車13のフレーム139をフレーム支持部9に立て掛けるだけで、自転車13を駐輪することができ、駐輪のための動作が少なく簡単に駐輪できる。自転車13は、自転車13に付属の自立用スタンドを使用することなく駐輪できるので、自転車用スタンドを備えない自転車であっても駐輪できる。車輪載置部5に載置された自転車13の重さで本体部を支えることが出来るため、自転車13をフレーム支持部9に立て掛けた際に自転車駐輪装置1が転倒することがなく、自転車13を安定した状態で駐輪できる(
図14)。
【0020】
本体部3は、車輪載置部5及びフレーム支持部9を固定して、自転車駐輪装置1を支える機能を備えるものであれば、形状に特に限定はなく、例えば、板状体にすることもできる。一例として、本体部3は、上面部31と、前記上面部31から下方に向かう脚面部とを備えさせてもよい。脚面部は、長尺方向の脚面部33aと短尺方向の脚面部33bと、を備えさせる。脚面部は、本体部3の自転車駐輪装置1を支えるという機能を損なわないようにする必要があり、脚面部33a、bは、上面部31の外周又は外周部付近に沿わせるものとする。外周部付近とは、好ましくは、上面部の外周端より100mm以内とする(
図1~5)。
【0021】
本体部3に、上面部31と前記上面部31から下方に向かう脚面部33a、bとを備えさせることにより、上面部31を貫通させたフレーム支持部9の下端部91を、固定手段11を介すなどして脚面部33に固定することが可能となり、本体部3とフレーム支持部9との固定を強固にすることができる。本体部3とフレーム支持部9との固定を強固にすることにより、自転車用駐輪装置1に駐輪した自転車13の安定性は向上する。フレーム支持部9の下端部91の固定についての詳細は、後述する。
【0022】
本体部3と車輪載置5とを強固に固定することにより、自転車用駐輪装置1に駐輪した自転車13の安定性は向上する。一例として、本体部3の長尺方向の長さと車輪載置部5の長さとをほぼ同じにすることにより、本体部3と車輪載置5との固定範囲を広くすることができる。また、本体部3と車輪載置部5とを一体に形成してもよい(
図1~5)。
【0023】
本体部3と車輪載置部5の溝部7とは、一体に形成することにより、更に、本体部3と車輪載置5との固定は強固となり、自転車用駐輪装置1に駐輪した自転車13の安定性は向上する。
【0024】
本体部3と車輪載置部5の溝部7とは、一体に形成する方法としては、一例として、本体部3は、上面部31と、前記上面部31から下方に向かう脚面部とを備えるものとし、本体部3は長尺方向の脚面部33aを斜め形成することにより、溝部7の一方の面とする(
図1、2)。
【0025】
本体部3と車輪載置部5の溝部7とは、一体に形成する方法の別の例として、本体部3を地面に接地する柱状体とする。柱状体の長尺方向の長さは車輪載置部5の長尺方向の長さと同じにする。本体部3の短尺方向の断面が台形(上底は下底より短い台形とする)となるようにし、その斜辺となる長尺方向の斜面を溝部7の一方の面とするとすることにより、本体部3と溝部7とが一体に形成されるものとなる。
【0026】
一例として、前記本体部3の底面は地面に接する接地部35を備える。接地部35を備えることにより本体部3の接地面積が広くなり、自転車13をフレーム支持部9に立て掛けた際に、自転車駐輪装置1がガタついたり、揺れたりすることなく、安定して自転車13を駐輪することができる。接地部35は、本体部3の底面であれば、どの位置に備えさせても良い。一例として、接地部35の長尺方向の長さは本体部3の長尺方向の長さと同じにし、接地部35の短尺方向の長さは10mm以上とする。脚面部33a、bの下部を、地面に接するように水平に折り曲げ、接地部35としてもよい(
図4、8~10)。
【0027】
一例として、本体部3には、自転車駐輪装置1を設置場所に固定するための固定手段を設ける。固定手段は、アンカーボルト等を打ち込むなど、一般的に用いられる手段を使用すればよく、一例として、接地部35にアンカーボルト等を貫通させるための透孔47を備えさせる(
図4、8~10)。
【0028】
車輪載置部5は、前輪133及び後輪135が直線に載置できる形状とし、自転車13の前輪133及び後輪135のタイヤ137の両側面を保持できる溝部7を備えさせる。溝部7は、前輪133を載置する溝部と後輪135を載置する溝部とを別々に設けてもよいが、大人用の自転車13の車体の長さとほぼ同じ長さの溝部7にし、前輪133が載置される溝部と後輪135が載置される溝部とを一体の溝部7とするのが好ましい。一体の溝部7とすることにより、前輪133と後輪135との間隔が色々な自転車(例えば、子供用自転車のように前輪133と後輪135との間隔が狭い自転車など)を駐輪することができる。また、自転車13の前輪133及び後輪135を載置する位置を気にすることなく、自転車13を駐輪することができ、少ない動作で簡単に駐輪できる(
図14)。
【0029】
溝部7の幅は下方に向かうにつれて狭くなるようにすることにより、自転車13のタイヤ137の幅がどのような大きさであっても、タイヤ137の両側面が溝部7の内面に接するものとなる。そのため、色々な大きさ及び種類の自転車を駐輪できる。溝部7の側断面形状は、一例として、テーパ状、V字状などとし、好ましくは、V字状とする。V字状とすることにより、溝部7に載置したタイヤ137の底面が溝部7の内面に接することが少なくなり、溝部7でのタイヤ137が安定し、タイヤに掛かる外的負荷を少なくすることができる(
図1、2)。
【0030】
本体部3、車輪載置部5、溝部7の好ましい例について、説明する。本体部3、長尺方向の一対の脚面部33aと長尺方向の接地部35と溝部7と、を1枚の金属板を折り曲げることにより形成する。短尺方向の脚面部33bは、本体部3の開口部を塞ぐ形状の金属板を、開口部に溶接するなどして備えさせる。脚面部33bは、上面部31の短尺方向の端部から内側の入った位置に備え、底部を外方に折り曲げ、接地部35とする。脚面部33bと一体となっている接地部35には、アンカーボルト等を貫通させるための透孔を設けてもよい(
図1~9)。
【0031】
フレーム支持部9は、本体部3より上方に立設する柱状体であり、自転車13のフレーム139であれば、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブのいずれのフレームであっても支持させることができる。フレームが短い子供用自転車や、トップチューブのないシティサイクル等でも駐輪することができ、色々な大きさや種類の自転車を駐輪できる。フレーム支持部9は、立て掛けた自転車13の重さに耐えられる強度を有する必要がある(
図14)。
【0032】
一例として、フレーム支持部9は外面に緩衝材97を備えさせることにより、自転車13のフレーム139を立て掛けた際の衝撃により、フレーム139がゆがんだり、へこんだり、傷がついたりするなどの損傷を受けることを防止できる。緩衝材97は、通常緩衝材として用いられるものを使用することができ、フレーム139が受ける外的負荷を少なくすることができる。一例として、ウレタン素材、低反発素材、発砲ポリエチレン等を用いる(
図1、2、14、15)。
【0033】
一例として、フレーム支持部9には、自転車13に鍵をかけるロックチェーンを通すことができる貫通孔99を備えさせる。鍵をかける手段が付属していない自転車、例えば、ロードバイクや子供用自転車等であっても簡単にロックチェーンを使って鍵をかけることができ、盗難被害の心配をすることなく、色々な大きさや種類の自転車を駐輪できる(
図2、6、7)。
【0034】
フレーム支持部9と本体部3とは、強固に固定することにより、フレーム支持部9の上部に自転車13を立て掛けた際の自転車13の重さに耐えることができる。フレーム支持部がガタつくなど安定性を欠くことを防止して、駐輪した自転車13への外的負荷を少なくすることができる。
【0035】
フレーム支持部9と本体部3を強固に固定するための一例として、前記フレーム支持部9は前記上面部31を貫通させ、前記フレーム支持部9の下端部91は、固定手段11を介して脚面部33に固定されるものとする。フレーム支持部9の下端部91を固定する脚面部は、長尺方向の脚面部33aと短尺方向の脚面部33bの内、少なくとも一つの脚面部とし、好ましくは、長尺方向の脚面部33aとする。長尺方向の脚面部33aに固定することにより、短尺方向の脚面部33bに固定する場合に比べて、固定手段11をコンパクトにすることができ、固定強度も増す。
【0036】
固定手段11の一例を、
図4、6、7、9、11、12に示す。本体部3の上面部31に貫通孔45を備えさせ、貫通孔45にフレーム支持部9の下端部91を貫通させる。フレーム支持部9の底面は、本体部3の接地部35の上面に接するように貫通させることにより、フレーム支持部9の底面が接地部35の上面に接してフレーム支持部9を支えるため、フレーム支持部9の固定強度が上がり、本体部3の強度も増す。フレーム支持部9の下端部91を囲むように固定板113を備えさせる。固定板113は、下端部9と少なくとも3か所で接するように備えさせる。前記3か所の内2か所は、下端部91の短尺方向の各脚面部33bに近い側、好ましくは、各脚面部33bに最も近い位置に1か所ずつ備えさせる。残りの1か所は、車輪載置部5に近い側、好ましくは、車輪載置部5に最も近い位置に設ける。固定板113は、両方の端部115を長尺方向の脚面部33aに接するように折り曲げ、固定板113と脚面部33aとを固定する。そして、固定板113とフレーム支持部9の下端部91とを固定する。
【0037】
固定手段11の別の例を、
図10に示す。本体部3の上面部31に貫通孔45を備えさせ、貫通孔45にフレーム支持部9の下端部91を貫通させる。フレーム支持部9の底面は、脚面部33a、33bの下面と同じ位置まで貫通させることにより、自転車駐輪装置1を設置した際に、フレーム支持部9の底面が地面等に接してフレーム支持部9を支えるため、フレーム支持部9の固定強度が上がり、本体部3の強度も増す。フレーム支持部9の下端部91における短尺方向の各脚面部33b側には、固定板113を下端部91に接するように備えさせる。固定板113の一方の端部115は、長尺方向の脚面部33aに接するように折り曲げ、固定板113と車輪載置部5から遠い脚面部33aとを固定する。そして、固定板113とフレーム支持部9の下端部91とを固定する。固定板113を固定していない脚面部33aと、フレーム支持部9の下端部91とを、金物等の連結手段123を介して固定する。
【0038】
固定板113とフレーム支持部9の下端部91との固定方法を説明する。固定板113の両方の端部115と脚面部33aとを固定する方法、フレーム支持部9の下端部9と固定板とを固定する方法は、特に限定はなく、一例として、ボルト117を貫通させてナット119で固定する。フレーム支持部9を筒状体にする場合は、筒状体の中空部に位置するボルト117の外方にフレーム支持部9の中空部の内径とほぼ同じ長さの筒状体121を備えさせる。筒状体121を備えさせることにより、ナットを締めたときに、フレーム支持部9が変形することを防止でき、フレーム支持部9を強固に固定できる。
【0039】
好ましくは、フレーム支持部9は、筒状体とする。筒状体とすることにより、フレーム支持部9の下端部91を固定する固定手段11を備えさせることが容易になる。また、自転車駐輪装置1の軽量化を実現できる。フレーム支持部9を筒状体とする場合は、一例としてフレーム支持部9の上部は蓋部95を備えさせる。
【0040】
好ましくは、前記フレーム支持部9と、前記本端部3における車輪載置部5から遠い側の端部41との間には間隔103を備えさせる。間隔101を備えることにより、フレーム支持部9は本体部3に固定しやすくなる。また、本体部3が上面部31と脚面部31a、bを備える場合であって、フレーム支持部9が上面部31を貫通する場合、ある程度の間隔103を備えさせなければ、フレーム支持部9を固定することが困難となる。間隔103が短すぎると、上面部31にフレーム支持部9を貫通させるための貫通孔を設けた場合、上面部31がめくれ上がり、フレーム支持部9を固定できなくなってしまうからである。間隔101は、好ましくは10mm以上とする。間隔101の上限は特に限定はなく、自転車駐輪装置1を設置する場所に応じて決めればよいが、例えば1m以内とする(
図13)。
【0041】
一例として、本体部3の底面37に対して鉛直な直線Xと、前記フレーム支持部9における本体部3の底面37からの高さが500mm以上1000mm以下の位置93と前記溝部7の中央部73とを結ぶ直線Yと、がなす鋭角の角度75は4度以上30度以下になるように、フレーム支持部9の高さやフレーム支持部9と溝部7との間隔を調整する。角度75を4度以上30度以下にすることで、自転車駐輪装置1に駐輪した自転車13の傾きの角度もおおよそ4度以上30度以下となる。走行時の自転車に近い状態で自転車13を駐輪することができ、自転車13が受ける外的負荷を少なくすることができる(
図14)。
【0042】
一例として、前記本体部3は、前記車輪載置部5と反対側に荷物等載置部43を備える。荷物等載置部43は、本体部3の短尺方向を長くすることにより形成する。フレーム支持部9に自転車13を立て掛けた場合に、フレーム支持部13を挟んで自転車13の反対側に荷物載置部43が備わるものとなる。荷物載置部43には、例えば、荷物の他に、座って休憩してもよい。ロードバイク等で遠出をし、自転車を停めて休憩する場合などに、荷物や飲み物を置き、座って休憩することができ、便利である。
【0043】
その他の例として、前述の本体部3の長尺方向の両側にそれぞれ前述の車輪載置部5を設け、本体部3より上方に前述のフレーム支持部9を備えさせる。前述のとおり、前記本体部3と前記車輪載置部5とは固着されている。前記車輪載置部5は、自転車13の前輪133及び後輪135のタイヤ137の両側面を保持できる溝部7を備える。前記溝部7の幅は下方に向かうにつれて狭くなる。前記フレーム支持部9の下端部91は前記本体部3に固着されている。フレーム支持部9は2本備えさせても良く、その場合、2本のフレーム支持部9は間隔をあけて備えさせることが好ましい。
【0044】
前述のとおり、本体部3は、上面部31と、前記上面部31から下方に向かう脚面部とを備えさせてもよい。前述のとおり、本体部3と車輪載置部5の溝部7とは、一体に形成してもよい。前述のとおり、本体部3は、上面部31と、前記上面部31から下方に向かう脚面部とを備えさせてもよい。前述のとおり、前記本体部3の底面は地面に接する接地部35を備えさせてもよい(
図16、17)。
【0045】
車輪載置部を両側に設けることにより、自転車駐輪装置1のどちら側からでも駐輪できる。また、フレーム支持部9は2本備えさせることにより、それぞれの車輪載置部5に1台ずつ自転車の前後輪を載置し、それぞれの自転車のフレームを別々のフレーム支持部9に立て掛けることにより、1台の自転車駐輪装置1を使用して2台の自転車を駐輪することができる。
【0046】
本発明の自転車駐輪装置1は、地面等に固定しなくても設置場所に置くだけで、安定して自転車13を駐輪することができるので、屋内でも使用できる。近年、自転車の盗難防止や、高級自転車の普及により、自転車を屋内にて保管したいという要求を満たすことができる。自転車の駐輪場所を簡単に所望の位置に移動できるので、店舗や自宅等で、自転車をディスプレイとして展示したりする場合に非常に便利である。更に、前記本体部3に光沢のある金属を使用するなどすることにより、載置した自転車13の底面視が本体部3に写るようすることにより、展示する場合の趣向を凝らすことなどができる。
【符号の説明】
【0047】
1 自転車用駐輪装置
3 本体部
31 上面部
33a、b 脚面部
35 接地部
37 底面
39 直交する線
41 端部
43 荷物等載置部
45 貫通孔
47 透孔
5 車輪載置部
7 溝部
71 中央部
73 角度
9 フレーム支持部
91 下端部
93 位置
95 蓋部
97 緩衝材
99 貫通孔
101 間隔
1 固定手段
111 貫通孔
113 固定板
115 端部
117 ボルト
119 ナット
121 スペーサー
123 連結手段
13 自転車
133 前輪
135 後輪
137 タイヤ
139 フレーム
X、Y 直線
【手続補正書】
【提出日】2020-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に載置される本体部と、自転車の前輪及び後輪を直線上に載置する車輪載置部と、前記本体部より上方に立設する柱状のフレーム支持部と、を備える自転車駐輪装置であって、
前記本体部と前記車輪載置部とは固着され、
前記本体部の長尺方向の長さと前記車輪載置部の長さとは略同一であり、
前記本体部は、上面部と、前記上面部から下方に向かう脚面部と、を備え、
前記車輪載置部は、自転車の前輪及び後輪のタイヤの両側面を保持できる溝部を備え、
前記溝部の短尺方向の幅は下方に向かうにつれて狭くなり、
前記フレーム支持部の下端部は前記本体部に固着されている、
自転車用駐輪装置。
【請求項2】
前記本体部と前記溝部とは一体に形成されている、
請求項1に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項3】
前記フレーム支持部は前記上面部を貫通し、前記フレーム支持部の下端部は、固定手段を介して、前記脚面部に固定されている
請求項1又は請求項2に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項4】
前記本体部の底面は地面と接地する接地部を備える、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項5】
前記本体部の底面に対し鉛直な直線と、
前記フレーム支持部9における本体部の底面からの高さが500mm以上1000mm以下の位置と前記溝部の中央部とを結ぶ直線と、がなす鋭角の角度は4度以上30度以下である、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項6】
前記フレーム支持部は、前記本体部における前記車輪載置部と反対側の端部と、の間には間隔を備える、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項7】
前記本体部は、前記車輪載置部と反対側に荷物等載置部を備える、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自転車用駐輪装置。