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  • 特開-包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007810
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/16 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A47J47/16 P
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111000
(22)【出願日】2020-06-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】520234763
【氏名又は名称】堤 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(72)【発明者】
【氏名】堤康博
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066AB01
4B066AB04
4B066BA14
4B066EE05
4B066EE09
4B066EE48
(57)【要約】      (修正有)
【課題】調理中の頻繁な収納、取り出し操作を安全確実に行え、衛生的な包丁ホルダを提供する。
【解決手段】包丁ホルダ1は、包丁hの峰bhの頂部tを保持して包丁全体を吊支するホルダ体10と、ホルダ体10に取り付けられ間隔を設けて磁石52が2個以上列状に設けられて包丁hの峰bhの頂部tを着脱自在に磁力支持する磁石列50と、を含み、ホルダ体10の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列50が配置されている構成である。調理中などにある程度雑に包丁hをホルダ体10に出し入れしても確実に吊支させることができるとともに、壁面等に包丁hの側面が接触することがない上に、不意の包丁hの離脱等がなく安全上も優れる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包丁の峰の頂部を保持して包丁全体を吊支するホルダ体と、
ホルダ体に取り付けられ間隔を設けて磁石が2個以上列状に設けられて包丁の峰の頂部を着脱自在に磁力支持する磁石列と、を含み、
ホルダ体の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列が配置されていることを特徴とする包丁ホルダ。
【請求項2】
ホルダ体は、磁石列が取り付けられる薄肉部を含むことを特徴とする請求項1記載の包丁ホルダ。
【請求項3】
請求項1の包丁ホルダと、
該包丁ホルダを横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持するスタンド装置と、を含むことを特徴とする包丁ホルダ装置。
【請求項4】
包丁ホルダを横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持するスタンド装置の回動アームが上下又は横方向に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の包丁ホルダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包丁を保持する包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い我が国においても自粛した生活を余儀なくされることから、外食を控えて自宅で料理をする機会が増加している。調理はまず複数種類の食材を切りそろえ、煮る、焼く、炒める等の操作をほどこしながら食べやすくし、また、食味を向上させる技術である。調理に際しては、複数種のおかずや副食物を同時に作ることが多く、このため煮炊き、焼き、炒め等の作業工程をこなしながら他のおかず用の食材切り揃えを行う場合が通常である。この場合、台所で煮炊き、味の確認、調味料投入、煮炊き中の食材の攪拌等の煩雑な作業を同時並行して行わねばならず、特に食材の加熱中の場合には瞬間的な動作が要求される場合が多い。食材切り揃えのための包丁は調理中のそのような動作の度に流し台下の扉裏面や引出等の収容部に戻さざるを得ず、このため調理中の食材を器材外部にこぼしたり、誤って手指を傷つけたりする事故もあり得る。従来、特許文献1において、包丁の収容部を含む台所用殺菌収容具に関する提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3149759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の台所用殺菌収容具には、食器等の挿入開口を一面側に有する箱型の殺菌灯収容部の側部に側部用品収納部(3)(符合(3)は、先行文献の説明にのみ用いる。)として、包丁の収容ケースが設置されている。しかしながら、特許文献1の側部用品収納部は、同収納部ケースの内壁上端隅部に磁石が取り付けられているため包丁の峰頂部より下側の包丁の側面部分を磁力吸着して取り付けるようにしている。このため、側部用品収納部自体は小形に形成できるもののそのぶん包丁の収納部への出し入れに注意を要し調理に集中しにくい。また、包丁の側面部分を磁石に密接させるから食材と収容具とが接触することとなり衛生上好ましくない、という欠点があった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、調理中の包丁の頻繁な収納、取り出し動作をラフな取り扱いでも安定して収容保持し得る包丁ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、包丁hの峰bhの頂部tを保持して包丁全体を吊支するホルダ体10と、ホルダ体10に取り付けられ間隔を設けて磁石52が2個以上列状に設けられて包丁の峰の頂部tを着脱自在に磁力支持する磁石列50と、を含み、ホルダ体10の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列50が配置されている包丁ホルダ1から構成される。
【0007】
その際、ホルダ体10は、磁石列50が取り付けられる薄肉部14を含むとよい。
【0008】
また、本発明は、請求項1の包丁ホルダ1と、該包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台31から所要の高さ位置で支持するスタンド装置30と、を含む包丁ホルダ装置20から構成される。
【0009】
さらに、包丁ホルダ装置20は、包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台31から所要の高さ位置で支持するスタンド装置30の回動アームが上下又は横方向に回動可能に設けられているとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置によれば、調理中の包丁の頻繁な収納、取り出しが必要な場合でも、ラフな素早い動作で包丁を所定位置で保持でき、また食材を器外にこぼしたり、また誤って手指を傷つけたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る包丁ホルダの概略平面図である。
図2図1の包丁ホルダの端面図である。
図3】包丁ホルダへの包丁の装着位置関係を示す斜視説明図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る包丁ホルダ装置の全体斜視説明図である。
図5図4の包丁ホルダ装置の縦断面図である。
図6図4の包丁ホルダ装置の平面図である。
図7図4の包丁ホルダ装置のホルダ体長手方向縦断面図である。
図8】包丁ホルダ装置の他の実施形態を示す斜視説明図である。
図9】包丁ホルダ装置の他の実施形態を示す斜視説明図である。
図10】包丁ホルダ装置の他の実施形態を示す斜視説明図である。
図11】ホルダ体を既設の厨房設備等の一部に直接取り付けた例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しつつ本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置の一実施形態について説明する。
【0013】
図1ないし図3は、本発明の包丁ホルダの概略構成を示しており、図において包丁ホルダ1は、ホルダ体10と、ホルダ体10に設けられた磁石列50と、を含む。
【0014】
ホルダ体10は、包丁ホルダの骨格部分を形成して包丁全体を吊支する包丁ホルダの本体部分であり、実施形態において、ホルダ体10は一方向に長い厚肉の板状体で構成されている。
【0015】
ホルダ体10には後述のように長手方向に沿って複数の磁石が取り付けられるが、ホルダ体10自体は磁性を有さず、かつ磁力を帯びない素材で構成されている。例えば硬質プラスチック、軽金属、セラミック、木・竹材質、その他の非磁性材料で構成することができる。
【0016】
ホルダ体10は、図2,3に示すように、板状体の板面を上下に配置した場合にそれぞれ上下の板面の中央部分が板状体の全長にわたって長手方向に溝状に凹設した凹部12を有している。したがって、図2に示すように端面側から見ると鉄亜鈴状に中央部分の上下の凹部12で挟まれた部分が薄肉部14を形成し、両端側が拡大部16を形成している。
【0017】
拡大部16はホルダ体10を横長状態で種々のスタンドや既存の台所の下部や設備等に取り付ける際、アングル金具や取付金具との連結基部となる。
【0018】
図2,3において、ホルダ体10の厚み内には薄肉部14を含んでホルダ体の長手方向に薄板状の孔18が開孔されている。そして、薄板状の孔18の一端開口側から例えば小形の永久磁石52を挿入して所要の間隔幅でホルダ体10内に磁石52を埋設させている。そして、各磁石52の磁界中心で包丁hの峰の頂部tを磁気吸着する。薄肉部内の永久磁石52により包丁の峰の頂部を確実に磁気吸着して包丁の刃の下向き状態での吊支を確実にすることができる。実施形態では図2,3において、下側の薄肉部14と拡大部16との接続部分は下向きに拡大方向に傾斜した壁面を有して台形状空間STを形成するので、その中央部において包丁の峰の頂部tを磁力吸着させたときにその両側に十分な空隙Sが形成され、ラフな取り扱いでも確実に設定位置に包丁を保持することが可能となる。
【0019】
磁石列50は、包丁hの峰bhの頂部tを着脱自在に磁力支持する磁石手段であり、該磁石列50は、ホルダ体10に取り付けられてホルダ体10の下面側で包丁hの刃bを下に向けた状態で吊支する。磁石列50は、間隔を設けて磁石が2個以上列状に設けられて包丁hの峰bhの頂部tを着脱自在に磁力支持する。実施形態において、磁石列50として2個の永久磁石52が間隔Dをあけて取り付けられている。なお、54は包丁のグリップ、56は包丁本体をグリップ54に取り付ける口金である。
【0020】
さらに、本実施形態において、ホルダ体10の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列50が配置されている。これによって、包丁hの峰bhの頂部tを磁力吸着して包丁の刃bを下側に向けて吊支する際に包丁の身byの両側に十分な空隙Sができ大まかな包丁の出し入れ動作の際にも包丁の身が周囲の壁面や設備機器等に接触することなく、包丁を使用することができる。
【0021】
包丁ホルダ1は、ホルダ体10を支持する支持スタンドやフレームを利用して台所の大部分に設置して使用するができる。また、通常、包丁を収納する空間の壁部や設備等を利用して図11のように既設壁面や設備自体に直接に取り付けてもよい。
【0022】
次に、図4図10において本発明の第2の実施形態に係る包丁ホルダ装置20について説明する。包丁ホルダ装置20は、第1実施形態で説明した包丁ホルダ1と、包丁ホルダ1を所要の高さ位置で支持するスタンド装置30と、を含む。
【0023】
スタンド装置30は、包丁ホルダ1を横方向に長い状態で基台31から所要の高さ位置で支持する高さ支持手段であり、少なくとも一般的な和包丁の刃先から峰の直線長さ(身幅)よりも高い高さで支持する。基台31は台所の調理台や流し台等装置を載置する台である。
【0024】
図4図7において、スタンド装置30は、台板32上に平行板34を平行に立設固定し、同平行板34間の上部側で包丁ホルダ1を挟みつけるようにして固定支持している。このとき、包丁ホルダ1の拡大部16を平行版34の内壁に接着、嵌合、ビス固定等の所要の手段により固定している。この装置では包丁hの峰頂部tが包丁ホルダ1の幅方向中央部で磁力吸着され、そのときの包丁の両側は空間が確保されるから包丁の刃や身部分が平行板34の内壁部分に直接に接触することがなく、衛生状態を保持できる上に、ラフな動作で平行板間の空隙に対して包丁を出し入れしても確実に刃を下に向けた状態で包丁を保持できるから、調理作業を中断させることがなく、作業を円滑に継続できる。また、手指等を誤って傷つけたりすることがない。
【0025】
スタンド装置30は、図8に示すように台板32上に立設固定したく字状のアーム36間の先端部側で固定支持する構成、図9に示すように台板32上に突設した基柱37に横軸回りに上下方向に回動可能な回動アーム38に取り付け支持する構成、図10に示すように中空ケース40の内壁上面側に包丁ホルダ1を取り付けた構成とすることができる。
【0026】
上記の包丁ホルダ1は、ホルダ体10と磁石列50と、を含み、ホルダ体の一端側からみて幅方向略中央位置に磁石列50を配置することで、磁石列の列方向に沿って包丁の峰の頂部が磁力支持され、このとき包丁の身の両側に空隙が形成される結果、調理中などにある程度雑に包丁をホルダ体に出し入れしても確実に吊支させることができるとともに、壁面等に包丁の側面が接触することがない上に、不意の包丁の離脱等がなく安全上も優れる。
【0027】
また、上記の包丁ホルダ装置によれば、スタンド装置により包丁ホルダを横方向に長い状態で基台から所要の高さ位置で支持するから、台所、調理台等の台上に該包丁ホルダ装置を載置させた状態で独立した包丁置き、として利用することができる。また、調理中などにある程度雑に包丁をホルダ体に出し入れしても確実に吊支させることができるとともに、壁面等に包丁の側面が接触することがない上に、不意の包丁の離脱等がなく安全上も優れる。
【0028】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、他の実施形態を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の包丁ホルダ及び包丁ホルダ装置は、日常使いの台所、調理台周り等に設置して食材の調理時に有効に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 包丁ホルダ
10 ホルダ体
14 薄肉部
20 包丁ホルダ装置
30 スタンド装置
50 磁石列
52 永久磁石
h 包丁
bh 峰
t 頂部
b 刃
by 身
S 空隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11