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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078123
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】金属加工用高分子ポリリン潤滑添加剤
(51)【国際特許分類】
   C10M 153/04 20060101AFI20220517BHJP
   C08G 79/02 20160101ALI20220517BHJP
   C10N 40/20 20060101ALN20220517BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20220517BHJP
【FI】
C10M153/04
C08G79/02
C10N40:20 Z
C10N30:06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024311
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2019544900の分割
【原出願日】2018-02-20
(31)【優先権主張番号】62/461,084
(32)【優先日】2017-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/619,351
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518180320
【氏名又は名称】ドーヴァー ケミカル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Dover Chemical Corporation
【住所又は居所原語表記】3676 Davis Road N.W. Dover, OHIO 44622 THE UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ミック ジャクプカ
(72)【発明者】
【氏名】ドン スティーブンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヌスバウマー
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ ウェインガート
(57)【要約】      (修正有)
【課題】潤滑性に優れる金属加工液添加剤を提供する。
【解決手段】下記式の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3- 40アルキルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である、組成物。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【請求項2】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項1に記
載の組成物。
【請求項3】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の
組成物。
【請求項4】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の組
成物。
【請求項5】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の組
成物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む、方法。
【請求項7】
下記式:
【化2】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【請求項8】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項7に記
載の組成物。
【請求項9】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項7に記載の
組成物。
【請求項10】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項7に記載の組
成物。
【請求項11】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項7に記載の組
成物。
【請求項12】
請求項7に記載の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む、方法。
【請求項13】
下記式:
【化3】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【請求項14】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項13に
記載の組成物。
【請求項15】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項13に記載
の組成物。
【請求項16】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項13に記載の
組成物。
【請求項17】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項13に記載の
組成物。
【請求項18】
請求項13に記載の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む、方法。
【請求項19】
下記式:
【化4】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
各Zは、SおよびOからなる群から独立して選択され、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【請求項20】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項19に
記載の組成物。
【請求項21】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項19に記載
の組成物。
【請求項22】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項19に記載の
組成物。
【請求項23】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項19に記載の
組成物。
【請求項24】
請求項19に記載の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む、方法。
【請求項25】
下記式:
【化5】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
各Zは、SおよびOからなる群から独立して選択され、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【請求項26】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項25に
記載の組成物。
【請求項27】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項25に記載
の組成物。
【請求項28】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項25に記載の
組成物。
【請求項29】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項25に記載の
組成物。
【請求項30】
請求項25に記載の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む、方法。
【請求項31】
下記式:
【化6】

の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む方法であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキ
ル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C
3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択される
アルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アル
キルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
mは1~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、方法。
【請求項32】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項31に
記載の組成物。
【請求項33】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項31に記載
の組成物。
【請求項34】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項31に記載の
組成物。
【請求項35】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項31に記載の
組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本非仮特許出願は、次の2つの米国特許出願に対する優先権を主張する:
i)「金属加工液用のアルキルフェノール非含有高分子チオホスフェート」と題され
た米国仮特許出願第62461084号、
ii)「金属加工液用のアルキルフェノール非含有高分子ホスファイト」と題された
米国仮特許出願第62619351号。
双方の仮特許出願の主題は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
金属加工液はよく知られており、改良された金属加工液に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0003】
下記式:
【化1】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~
100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【0004】
下記式:
【化2】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~
100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【0005】
下記式:
【化3】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~
100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【0006】
下記式:
【化4】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Zは、
SおよびOからなる群から独立して選択され、mは1~100の範囲の整数であり、xは
1~1000の範囲の整数である、組成物。
【0007】
下記式:
【化5】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Zは、
SおよびOからなる群から独立して選択され、mは1~100の範囲の整数であり、xは
1~1000の範囲の整数である、組成物。
【0008】
下記式:
【化6】

の構造を有する化合物を含む組成物であって、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-2
メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、また
はY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Y
は、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラ
クトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~
100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である、組成物。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ティムケンの試験装置の写真である。
図2】ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験の結果を示すグラフである。
図3】ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験の結果を示すグラフである。
図4】ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験の結果を示すグラフである。
図5】ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、金属加工液添加剤として有用な化合物に関する。
【0011】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化7】

を有するポリ水素-ホスファイト化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C
2-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-
20メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、ま
たはY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各
Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキル
ラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1
~100の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である。
【0012】
いくつかのポリ水素-ホスファイトの実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレ
ン、またはカプリラクトン部分である。
【0013】
いくつかのポリ水素-ホスファイトの実施形態では、前記化合物は1000~3000
0ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのポリ水素-ホスファイトの実施形態では、
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのポリ水素-
ホスファイトの実施形態では、前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を
有する。
【0014】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化8】

を有するホスフェート化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22
ルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキ
シアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-O
H部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、C
-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクトン部
分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~100の
範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である。
【0015】
いくつかのホスフェートの実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレン、または
カプリラクトン部分である。
【0016】
いくつかのホスフェートの実施形態では、前記化合物は1000~30000ダルトン
の範囲の重量を有する。いくつかのホスフェートの実施形態では、前記化合物は400~
30000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのホスフェートの実施形態では、前
記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する。
【0017】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化9】

を有するチオホスフェート化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-2
アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20
トキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY
-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、
2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクト
ン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~10
0の範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である。
【0018】
いくつかのチオホスフェートの実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレン、ま
たはカプリラクトン部分である。
【0019】
いくつかのチオホスフェートの実施形態では、前記化合物は1000~30000ダル
トンの範囲の重量を有する。いくつかのチオホスフェートの実施形態では、前記化合物は
400~30000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのチオホスフェートの実施
形態では、前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する。
【0020】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化10】

を有するリン含有化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケ
ニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシア
ルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部
分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、C2-4
アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクトン部分で
ある、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Zは、SおよびOか
らなる群から独立して選択され、mは1~100の範囲の整数であり、xは1~1000
の範囲の整数である。
【0021】
いくつかのリン含有化合物の実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレン、また
はカプリラクトン部分である。
【0022】
いくつかのリン含有化合物の実施形態では、前記化合物は1000~30000ダルト
ンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有の実施形態では、前記化合物は400~3
0000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有の実施形態では、前記化合
物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する。
【0023】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化11】

を有するリン含有共重合体化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-2
アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20
トキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY
-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、
2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクト
ン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Zは、Sお
よびOからなる群から独立して選択され、mは1~100の範囲の整数であり、xは1~
1000の範囲の整数である。
【0024】
いくつかのリン含有共重合体化合物の実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレ
ン、またはカプリラクトン部分である。
【0025】
いくつかのリン含有共重合体化合物の実施形態では、前記化合物は1000~3000
0ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有化合物の実施形態では、前記化合
物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有化合物の実
施形態では、前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する。
【0026】
一実施形態は、以下の一般構造:
【化12】

を有するホスファイト化合物に関し、式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22
ルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキ
シアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-O
H部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、各Yは、C
-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクトン部
分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、mは1~100の
範囲の整数であり、xは1~1000の範囲の整数である。
【0027】
いくつかのホスファイトの実施形態では、前記の各Yはエチレン、プロピレン、または
カプリラクトン部分である。
【0028】
いくつかのリン含有共重合体化合物の実施形態では、前記化合物は1000~3000
0ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有共重合体化合物の実施形態では、
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する。いくつかのリン含有共
重合体化合物の実施形態では、前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を
有する。
【0029】
ホスファイト化合物、ポリ水素ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、チオホスフ
ェート酸化合物、およびチオホスファイト-ホスフェート共重合体化合物の製造方法は、
過度の実験を行うことなく、当業者によって決定され得る。製造方法の非限定的な例は、
以下の実施例に見出すことができる。
【0030】
金属加工添加剤はよく知られており、上記の化合物のいずれかは、単独または任意の組
み合わせで、金属加工液用添加剤として使用することができる。上記の化合物のいずれか
は、単独または任意の組み合わせで、当業者によって決定され得る有用な量で金属加工液
用添加剤として使用することができる。非限定的な例として、単独または任意で組み合わ
せた上記化合物の有用な量は、金属加工液の5~10重量%の範囲である。さらなる非限
定的な例では、単独または任意で組み合わせた上記化合物の有用な量は、金属加工液の0
.5~20重量%の範囲である。
【0031】
上記の硫黄含有化合物のいずれにおいても、化合物内の硫黄の量は、化合物内のリンの
量に対して50~100モル%の範囲であり得る;別の言い方をすれば、上記の硫黄含有
化合物のいずれにおいても、リン原子のうちの半分からすべてが硫黄原子に結合している
。別の実施形態では、化合物内の硫黄の量は、化合物内のリンの量に対して90~100
モル%の範囲であり得る。別の実施形態では、化合物内の硫黄の量は、化合物内のリンの
量に対して100モル%である。
【実施例0032】
(実施例I)
TNPP-T(トリスノニルフェニルチオホスフェート)
メカニカルスターラーを備え、窒素でパージした250mLの三つ口フラスコに、0.
39gの2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(0.0026モル)とと
もに、ノニルフェノールの総含有量が0.05%~0.5%であり、0.1%がターゲッ
トとなるように、75.83gのトリスノニルフェノールホスファイト(0.110モル
)を添加した。混合物を十分に混合し、240°Fの反応温度まで加熱した。次に、この
温度で単体硫黄3.37g(0.130モル)を添加した。1時間後に、反応温度を28
0°Fに上げ、16~24時間保持する。この反応は窒素ブランケット下で行われる。得
られたチオホスフェートの分析結果は以下の通りであった:
【0033】
【表1】
【0034】
LGP-11-T(アルキルフェノール非含有高分子ポリホスファイト)、米国特許第
8,563,637号明細書
メカニカルスターラーを備え、窒素でパージした250mLの三つ口フラスコに、分子
量が約9100のアルキルフェノール非含有液体高分子ホスファイト(米国特許第8,5
63,637号明細書の実施例2)75.83gと、0.39gの2,5-ジメルカプト
-1,3,4-チアジアゾール(0.0026モル)とを加えた。混合物を十分に混合し
、240°Fの反応温度まで加熱した。次に、単体硫黄3.51g(0.109モル)を
添加した。1時間後に、反応温度を280°Fに上げ、16~24時間保持する。この反
応は窒素ブランケット下で行われる。得られたアルキルフェノール非含有高分子チオホス
フェートの分析結果は以下の通りであった:
【0035】
【表2】
【0036】
LGP-12-T(アルキルフェノール非含有脂環式ポリホスファイトおよびアルキル
フェノール非含有脂環式コポリホスファイト)、米国特許第8,981,042号明細書
メカニカルスターラーを備え、窒素でパージした250mLの三つ口フラスコに、分子
量範囲が約14,000の脂環式ポリホスファイト(米国特許第8,981,042号明
細書の実施例2)75.83gと、0.39gの2,5-ジメルカプト-1,3,4-チ
アジアゾール(0.0026モル)とを加えた。混合物を十分に混合し、240°Fの反
応温度まで加熱した。次に、単体硫黄5.52g(0.172モル)を添加した。1時間
後に、反応温度を280°Fに上げ、16~24時間保持する。この反応は窒素ブランケ
ット下で行われる。得られたフェノール非含有脂環式アルキル化ポリチオホスフェートの
分析結果は以下の通りであった:
【0037】
【表3】
【0038】
LGP(DPG)-11-T、米国特許第8,563,637号明細書
メカニカルスターラーを備え、窒素でパージした250mLの三つ口フラスコに、分子
量が約1200のアルキルフェノール非含有液体高分子ホスファイト(米国特許第8,5
63,637号明細書の実施例3)75.83gと、0.39gの2,5-ジメルカプト
-1,3,4-チアジアゾール(0.0026モル)とを加えた。混合物を十分に混合し
、240°Fの反応温度まで加熱した。次に、単体硫黄6.29g(0.196モル)を
添加した。1時間後に、反応温度を280°Fに上げ、16~24時間保持する。この反
応は窒素ブランケット下で行われる。得られたアルキルフェノール非含有高分子チオホス
フェートの分析結果は以下の通りであった:
【0039】
【表4】
【0040】
DP-6T(トリイソデシルホスファイト)Doverphos6
メカニカルスターラーを備え、窒素でパージした250mLの三つ口フラスコに、分子
量が約500のトリイソデシルホスファイト75.83gと、0.39gの2,5-ジメ
ルカプト-1,3,4-チアジアゾール(0.0026モル)とを加えた。混合物を十分
に混合し、240°Fの反応温度まで加熱した。次に、単体硫黄4.87g(0.152
モル)を添加した。1時間後に、反応温度を280°Fに上げ、16~24時間保持する
。この反応は窒素ブランケット下で行われる。得られたアルキルフェノール非含有チオホ
スフェートの分析結果は以下の通りであった:
【0041】
【表5】
【0042】
試験方法
四球摩耗:この試験は、摩擦低減性および耐摩耗性の流体の評価に使用される。試験に
は、スチールカップに固定された3つの固定スチールボールと、3つの固定ボールと接触
するように下げられた4番目のスチールボールが含まれる。試験対象の流体をカップに注
ぐ。4番目のボールは、スピンする唯一のボールである。ボールの典型的なrpmは12
00rpmである。単一のボールは、40kgの一定の負荷で、3つの固定ボールと接触
して回転する。通常の実行時間は1時間である。下方の3つのボールの摩耗が測定され、
mm単位で報告される。最小の摩耗痕を生成する流体が、最高の性能を有する。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
試験結果は、アルキルフェノール非含有高分子ポリホスファイトが、優れた色度を有す
る市販のトリスノニルフェニルチオホスフェートよりも優れた結果をもたらすことを明確
に示している。また、最終産物中にアルキルフェノールは存在しない。
【0046】
ティムケン試験:ティムケン試験は、ホイールに接触しているブロックに圧力を加える
レバーに重量を加えることで実施した。ホイールの下部は、試験対象の流体に浸されてい
る。ホイールが回転すると、潤滑剤がブロックとホイールの界面に運ばれる。13ポンド
の最大値まで、毎分1ポンドの重量がレバーに追加される。ブロック上の摩耗痕はミリメ
ートル単位で測定および報告される。図1を参照されたい。
【0047】
【表8】
【0048】
試験結果は、アルキルフェノール非含有高分子ポリホスファイトが、優れた色度を有す
る市販のトリスノニルフェニルチオホスフェートよりも優れた結果をもたらすことを明確
に示している。また、最終産物中にアルキルフェノールは存在しない。
【0049】
(実施例II)
下記の処方をさまざまなマシン試験用に準備した:
【0050】
【表9】
【0051】
水ベースの処方
水ベースの処方は、市販の半合成物を使用して調製した。添加剤は、半合成物を水で希
釈する前のスーパーコンセントレート(SC)に添加したか、または半合成物を水で50
%希釈した後のコンセントレートに添加した。水で50%希釈した後、すべての試験は、
水で5%に希釈された半合成物で実施した。
【0052】
【表10】
【0053】
試験方法
【0054】
オイルベースの試験
四球摩耗:この試験は、摩擦低減性および耐摩耗性の流体の評価に使用される。試験に
は、スチールカップに固定された3つの固定スチールボールと、3つの固定ボールと接触
するように下げられた4番目のスチールボールが含まれる。試験対象の流体をカップに注
ぐ。4番目のボールは、スピンする唯一のボールである。ボールの典型的なrpmは12
00rpmである。単一のボールは、40kgの一定の負荷で、3つの固定ボールと接触
して回転する。通常の実行時間は1時間である。下の3つのボールの摩耗が測定され、m
m単位で報告される。最小の摩耗痕を生成する流体が、最高の性能を有する。
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
垂直ドロービード:垂直ドロービードは、流体の金属片形成能を決定するために使用さ
れる機械である。垂直ドロービードは、コーティングされた金属ストリップに圧力をかけ
ることで機能する。試験対象の処方は、2つのダイの間に浮き上がった24インチの金属
ストリップに塗布される。ダイは、前記ストリップの底部に500psiの圧力をかける
。コーティングされたストリップは、2つのダイの間で引っ張られる。ダイの間でストリ
ップを引っ張るのに必要な力の量がX-Yプロッターによってプロットされ、この曲線か
ら力が計算される。すべての場合において、効率%が高いことは、流体の性能が優れてい
ることを意味する。
この試験では、すべての処方は1018スチールおよび316ステンレススチールで評
価した。
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
マイクロタップタップ&トルク試験:マイクロタップ試験は、流体の金属除去能を決定
するために使用される1つの方法である。事前に穴が開けられた金属棒は、万力に固定さ
れる。タップと金属棒は、試験対象の流体でコーティングされる。タップが回転して、事
前に開けられた穴をタップアウトする。穴をタップするのに必要な力はコンピュータで測
定され、トルクとしてニュートンセンチメートルで報告される。すべての場合において、
効率%が高いことは、流体の性能が優れていることを意味する。
【0061】
この試験では、すべての処方は1018スチールで評価した。
【0062】
【表15】
【0063】
ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験:ファレックスピン&Vブロックは
、冷間圧造などのより厳しい操作における流体の性能を測定するものであるが、研削操作
にも適用することができる。ピンは、真鍮製のせん断ピンを使用して固定される。2つの
Vブロックがピン上にクランプされる。ピンおよびVブロックは、試験対象の流体に浸さ
れる。Vブロックからピンに加えられる負荷は250ポンドから始まる。ピンが2つのV
ブロックの間を回転するときに、ラチェットアームによって負荷が自動的に増加する。ピ
ンへの負荷によって生成されるトルクは、250ポンドの負荷で読み取られ、4500ポ
ンドの最終負荷に達するか、障害が発生するまで250ポンドごとに記録される。障害は
、ピンまたはせん断ピンが破損したことを示唆する。図2および図3を参照されたい。
【0064】
水ベースの試験:
【0065】
マイクロタップタップ&トルク試験
マイクロタップ試験は、流体の金属除去能を決定するために使用される1つの方法であ
る。事前に穴が開けられた金属棒は、万力に固定される。タップと金属棒は、試験対象の
流体でコーティングされる。タップが回転して、事前に開けられた穴をタップアウトする
。穴をタップするのに必要な力はコンピュータで測定され、トルクとしてニュートンセン
チメートルで報告される。すべての場合において、効率%が高いことは、流体の性能が優
れていることを意味する。
【0066】
この試験では、すべての処方は1018スチールおよび316ステンレススチールで評
価した。
【0067】
【表16】
【0068】
【表17】
【0069】
ファレックス(Falex)ピン&Vブロック試験:ファレックスピン&Vブロックは
、冷間圧造などのより厳しい操作における流体の性能を測定するものであるが、研削操作
にも適用することができる。ピンは、真鍮製のせん断ピンを使用して固定される。2つの
Vブロックがピン上にクランプされる。ピンおよびVブロックは、試験対象の流体に浸さ
れる。Vブロックからピンに加えられる負荷は250ポンドから始まる。ピンが2つのV
ブロックの間を回転するときに、ラチェットアームによって負荷が自動的に増加する。ピ
ンへの負荷によって生成されるトルクは、250ポンドの負荷で読み取られ、4500ポ
ンドの最終負荷に達するか、障害が発生するまで250ポンドごとに記録される。障害は
、ピンまたはせん断ピンが破損したことを示唆する。図4および図5を参照されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

の化合物を金属加工液添加剤として使用する工程を含む方法であって、
式中、各Rは、C1-20アルキル、C2-22アルケニル、C6-40シクロアルキル、C7-40シクロアルキレン、C3-20メトキシアルキルグリコールエーテル、C3-20アルキルグリコールエーテル、またはY-OH部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
各Yは、C2-40アルキレン、C7-40シクロアルキレン、またはC3-40アルキルラクトン部分である、独立して選択されるアルキルフェノール非含有部分であり、
mは2~100の範囲の整数であり、
xは1~1000の範囲の整数である、方法。
【請求項2】
前記の各Yはエチレン、プロピレン、またはカプリラクトン部分である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物は1000~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記化合物は400~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記化合物は500~30000ダルトンの範囲の重量を有する、請求項1に記載の組成物。
【外国語明細書】