(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078135
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】情報提供装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220517BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220517BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220517BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20220517BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/00 D
G08G1/0969
G09B29/00 F
G09B29/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025771
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2020217171の分割
【原出願日】2014-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500403929
【氏名又は名称】パイオニアシステムテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭裕
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 徹練
(72)【発明者】
【氏名】河村 宙
(72)【発明者】
【氏名】賀田 寛夫
(72)【発明者】
【氏名】小川 喬人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇治
(57)【要約】 (修正有)
【課題】休憩をすべき旨の案内を適切なタイミングで実行することが可能な情報提供装置を提供する。
【解決手段】端末装置100は、出力部11と、GPS受信機16と、制御部17とを備える。制御部17は、GPS受信機16から車両の現在位置に関する情報を取得する。制御部17は、連続運転時間が休憩用閾値の標準時間である2時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を出力部11に出力させる。そして、制御部17は、車両と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩用閾値を、標準時間の2時間から変化させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体と休憩施設との位置関係、及び前記移動体の連続した運転時間に基づいて、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、休憩情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、連続運転時間に応じて、休憩を促す音声案内を行う車載装置が存在する。例えば、特許文献1には、休憩すべき連続運転時間に達する所定時間前に、当該所定時間で走行可能な距離内に存在する休憩施設を検索し、運転者に対して提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上述の所定時間の設定が難しいという問題がある。具体的には、上述の所定時間を短く設定した場合には、休憩施設を検索する範囲が小さくなり、適切な休憩施設が検索できない虞があり、上述の所定時間を長くした場合には、休憩すべき連続運転時間よりも大幅に前に休憩を促す音声案内を行うことになる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、休憩をすべき旨の案内を適切なタイミングで実行することが可能な情報提供装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、情報提供装置であって、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得部と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供部と、を備え、前記提供部は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、情報提供装置が実行する制御方法であって、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得工程と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供工程と、を備え、前記提供工程は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータが実行するプログラムであって、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得部と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供部として前記コンピュータを機能させ、前記提供部は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】休憩案内の制御方法を表すフローチャートの一例である。
【
図4】案内画像表示処理を示すフローチャートの一例である。
【
図5】直近SA/PAの案内画像を表示する際のディスプレイの表示例を示す。
【
図6】吹き出しが選択された場合のディスプレイの表示例を示す。
【
図7】直近SA/PA及び準直近SA/PAの案内画像を表示する際のディスプレイの第1表示例を示す。
【
図8】直近SA/PA及び準直近SA/PAの案内画像を表示する際のディスプレイの第2表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、情報提供装置は、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得部と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供部と、を備え、前記提供部は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させる。
【0011】
上記情報提供装置は、取得部と、提供部とを備える。取得部は、移動体の現在位置に関する情報を取得する。提供部は、移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する。「第1の時間」は、例えば、休憩が必要であると判断される連続運転時間の一般的な目安となる時間であり、例えば実験等に基づき設定される。そして、提供部は、移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩情報を提供する連続運転時間を、第1の時間から変化させる。このようにすることで、情報提供装置は、移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩情報を提供するタイミングを柔軟に変更し、運転者に休憩施設で好適に休憩させることができる。
【0012】
上記情報提供装置の一態様では、前記提供部は、前記運転時間が前記第1の時間を経過する前に、前記移動体が前記休憩施設から所定の範囲内に進入したことを検出した場合、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間よりも短い第2の時間に設定する。ここで、「所定の範囲」は、例えば、休憩施設に所定時間内に立寄り可能な範囲を指す。このように、情報提供装置は、休憩情報を提供する時間を適宜短くすることで、休憩施設を通りすぎる前に好適に休憩情報を運転者に提供することができる。
【0013】
上記情報提供装置の他の一態様では、前記提供部は、前記移動体が前記休憩施設から所定の範囲内に進入した場合に、直近にある前記休憩施設に関する案内画像を表示させる。ここで、「所定の範囲」は、例えば、移動体周辺の地図を表示する場合に、表示された地図内に休憩施設が存在するような範囲を指す。この態様により、情報提供装置は、直近にある休憩施設の存在をユーザに好適に認識させることができる。
【0014】
上記情報提供装置の他の一態様では、前記提供部は、前記直近にある休憩施設に関する案内画像を表示させる場合、当該休憩施設から第3の時間以内に通過することが可能な先の休憩施設に関する案内画像をさらに表示させる。この態様により、情報提供装置は、直近の休憩施設の他にも立寄り可能な休憩施設があることを好適に運転者に認識させることができる。
【0015】
上記情報提供装置の他の一態様では、前記提供部は、前記直近にある休憩施設よりも施設が充実している前記先の休憩施設が存在する場合に、当該先の休憩施設に関する案内画像を表示させる。この態様により、情報提供装置は、直近の休憩施設の先に施設が充実している休憩施設があることを好適に運転者に認識させることができる。
【0016】
上記情報提供装置の他の一態様では、前記提供部は、直近にある休憩施設及び当該休憩施設の先にある休憩施設についての施設の充実度に関する比較結果に応じて、前記休憩情報の内容を変える。この態様により、情報提供装置は、各休憩施設での施設の充実度に応じて、運転者に案内する内容を好適に変更することができる。
【0017】
上記情報提供装置の他の一態様では、前記提供部は、前記運転時間が前記第1の時間より長い第4の時間の経過以内に、前記移動体が前記休憩施設に通過することが可能であると予測される場合には、前記移動体が当該休憩施設から所定範囲内に進入した後に前記休憩情報を提供する。この態様により、情報提供装置は、休憩情報を提供する時間を柔軟に変更して休憩施設を運転者に好適に案内することができる。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、情報提供装置が実行する制御方法であって、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得工程と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供工程と、を備え、前記提供工程は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させる。情報提供装置は、この制御方法を実行することで、移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩情報を提供するタイミングを柔軟に変更し、運転者に休憩施設で好適に休憩させることができる。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態によれば、コンピュータが実行するプログラムであって、移動体の現在位置に関する情報を取得する取得部と、前記移動体の連続した運転時間が第1の時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を提供する提供部として前記コンピュータを機能させ、前記提供部は、前記移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、前記休憩情報を提供する前記運転時間を、前記第1の時間から変化させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩情報を提供するタイミングを柔軟に変更し、運転者に休憩施設で好適に休憩させることができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0021】
[全体構成]
図1は、本発明に係る情報提供装置が適用された端末装置100の正面図を示す。端末装置100は、利用者が持ち運び可能な携帯型端末であって、タッチパネル120が積層されたディスプレイ110を有する。端末装置100は、歩行者や車両等を対象にして、指定された目的地への経路案内を行う。
【0022】
図2は、端末装置100の概略構成を示す。
図2に示すように、端末装置100は、出力部11と、入力部12と、記憶部13と、通信部14と、カメラ15と、GPS受信機16と、制御部17と、を備える。端末装置100の各要素は、バス10を介して相互に接続され、各要素間で必要な情報が伝送可能なように構成されている。
【0023】
出力部11は、ディスプレイ110や音声を出力するスピーカ111などを備え、制御部17の制御に基づき、端末装置100の利用者の操作に応答するための情報を出力する。入力部12は、タッチパネル120を備え、端末装置100に対して端末利用者が行う必要な命令や情報の入力、即ち操作を受け付けるインタフェースである。例えば、入力部12は、目的地を指定する入力や、経路探索の条件を指定する入力などを受け付ける。なお、入力部12は、タッチパネル120に加え、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、音声入力装置等を有してもよい。
【0024】
記憶部13は、端末装置100の動作を制御するためのプログラムを保存したり、端末装置100の動作に必要な情報を保持したりする。例えば、記憶部13は、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データや、サービスエリア及びパーキングエリア(これらを総称して「SA/PA」とも呼ぶ。)などの各施設に関する施設情報などを含む。また、記憶部13は、高速道路の本線を示すリンクIDに、立ち寄り可能なSA/PAの情報を関連付けて記憶している。SA/PAは、本発明における「休憩施設」の一例である。
【0025】
通信部14は、所定のプロトコルに従い、他の装置とデータの送受信を行う。カメラ15は、制御部17の制御に基づき撮影した画像を生成し、制御部17に送信する。GPS受信機16は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波を受信することで、端末装置100の現在位置の情報を生成し、制御部17に送信する。
【0026】
制御部17は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、端末装置100内の各構成要素に対して種々の制御を行う。
【0027】
例えば、制御部17は、入力部12により目的地を指定する入力を受け付け、指定された目的地までのルート(「案内ルート」とも呼ぶ。)を設定し、現在位置周辺の地図上に案内ルートを表示する。また、制御部17は、高速道路の走行時に、SA/PA内の施設を案内する画像(「案内画像Im」とも呼ぶ。)を表示させる。さらに、制御部17は、車両Veの連続運転時間を計測し、連続運転時間に応じて運転者に休憩を促す音声案内を行う。
【0028】
そして、制御部17は、本発明における「取得部」、「提供部」、及びプログラムに基づき動作するコンピュータの一例である。また、制御部17がスピーカ111に出力させる休憩を促す音声内容は、本発明における「休憩情報」の一例である。
【0029】
[休憩案内の実行方法]
次に、制御部17が実行する休憩案内の実行方法について説明する。概略的には、制御部17は、現在位置とSA/PAとの位置関係に応じて、休憩案内を行う車両Veの連続運転時間(「休憩用閾値Tth」とも呼ぶ。)を柔軟に変更することで、SA/PAでの休憩を好適に促進する。また、制御部17は、立寄り可能なSA/PAが複数存在する場合に、施設の充実度に応じて休憩するのに好適なSA/PA(「推奨SA/PA」とも呼ぶ。)を決定し、休憩案内の音声出力や案内画像Imの表示に反映させる。
【0030】
(1)処理概要
図3は、制御部17が実行する休憩案内の制御方法を表すフローチャートの一例である。
図3のフローチャートでは、制御部17は、休憩用閾値Tthの標準時間を2時間とし、現在位置とSA/PAとの位置関係に応じて車両VeがなるべくSA/PAで休憩できるように、休憩用閾値Tthを1.5時間から2時間半の間に柔軟に変動させる。上述の2時間は、本発明における「第1の時間」の一例である。
【0031】
まず、制御部17は、車両Veが高速道路を走行中であるか否か判定する(ステップS101)。この場合、制御部17は、GPS受信機16等により計測した現在位置と記憶部13が記憶する道路データとに基づき、車両Veの走行中の道路(「走行道路」とも呼ぶ。)を認識し、走行道路が高速道路であるか否か判定する。そして、車両Veが高速道路を走行中の場合(ステップS101;Yes)、制御部17は、ステップS102へ処理を進める。
【0032】
一方、車両Veが高速道路を走行中でない場合(ステップS101;No)、制御部17は、連続運転時間が休憩用閾値Tthである2時間に達しているか否か判定する(ステップS103)。そして、連続運転時間が2時間に達している場合(ステップS103;Yes)、制御部17は、2時間運転したことから安全運転のために近々休憩すべきである旨の休憩案内の音声出力を行う(ステップS109)。即ち、この場合、制御部17は、運転者に休憩が必要であり、かつ、SA/PAに立ち寄って休憩するのは困難であることから、SA/PAを案内することなく休憩案内の音声出力を行う。一方、連続運転時間が2時間に達していない場合(ステップS103;No)、制御部17は、まだ休憩案内を行う必要がないと判断し、ステップS101へ処理を戻す。
【0033】
次に、ステップS102では、制御部17は、走行道路から立ち寄り可能なSA/PAが存在するか否か判定する(ステップS102)。例えば、制御部17は、地図データを参照し、走行道路である高速道路の本線のリンクIDと関連付けられているSA/PAが存在するか否か判定する。この場合、好適には、制御部17は、現在位置から30分以内に到着することが可能であると予測されるSA/PAに限り、走行道路から立ち寄り可能なSA/PAであると判定するとよい。
【0034】
そして、制御部17は、走行道路から立ち寄り可能なSA/PAが存在すると判断した場合(ステップS102;Yes)、連続運転時間が1.5時間経過しているか否か判定する(ステップS104)。そして、制御部17は、連続運転時間が1.5時間経過している場合(ステップS104;Yes)、推奨SA/PAを決定して案内画像Imの表示を行う案内画像表示処理を行う(ステップS106)。案内画像表示処理については、
図4を参照して後述する。そして、制御部17は、例えば、車両Veから直近にあるSA/PA(「直近SA/PA」とも呼ぶ。)から所定距離以内に車両Veが近付いた場合に、直近SA/PA又は推奨SA/PAで休憩すべき旨の音声出力を行う(ステップS109)。
【0035】
このように、制御部17は、連続運転時間が1.5時間経過し、かつ、立寄り可能なSA/PAが存在する場合には、休憩用閾値Tthを2時間から最大30分短縮して休憩案内を行う。これにより、制御部17は、立寄り可能なSA/PAを通り過ぎた後に休憩案内を行うのを防ぎ、SA/PAで好適に運転者に休憩させることができる。なお、2時間から短縮させた後の休憩用閾値Tthは、本発明における「第2の時間」の一例である。
【0036】
一方、制御部17は、連続運転時間が1.5時間経過していない場合(ステップS104;No)、直近SA/PAの案内画像Imを表示する(ステップS105)。なお、制御部17は、この場合、表示した地図上に直近SA/PAが存在する場合に限り、直近SA/PAの案内画像Imを表示してもよい。そして、制御部17は、ステップS109を実行することなく、ステップS101へ処理を戻す。即ち、この場合、制御部17は、まだ休憩する必要性が低いと判断し、休憩すべき旨の音声案内を行わず、直近SA/PAの存在のみを案内画像Imにより視認させる。
【0037】
一方、ステップS102において、制御部17は、走行道路から立ち寄り可能なSA/PAが存在しないと判断した場合(ステップS102;No)、連続運転時間が2時間に達しているか否か判定する(ステップS107)。そして、連続運転時間が2時間に達している場合(ステップS107;Yes)、制御部17は、案内ルート上で30分以内に到着可能なSA/PAが存在するか否か判定する(ステップS108)。上述の30分は、例えば、運転疲労による集中力低下の観点から、休憩用閾値Tthの標準時間である2時間を超過可能な許容時間の一例である。一方、制御部17は、連続運転時間が2時間に達していない場合(ステップS107;No)、まだ休憩案内を行う必要はないと判断し、ステップS102へ処理を戻す。
【0038】
そして、制御部17は、30分以内に到着可能なSA/PAが存在すると判断した場合(ステップS108;Yes)、再びステップS102に処理を戻す。即ち、この場合、制御部17は、休憩用閾値Tthの標準時間である2時間を許容範囲内で超過した場合であっても、次のSA/PAで休憩するのが適当であると判断し、休憩案内を現時点では行わない。その後、制御部17は、SA/PAから所定距離以内に近付いた場合に、当該SA/PAを対象として、ステップS105又はS106で案内画像Imを表示し、かつ、ステップS109で休憩案内の音声出力を行う。このように、制御部17は、休憩用閾値Tthを柔軟に延長することで、SA/PAに立寄ることが可能なタイミングで休憩案内の音声出力を好適に行うことができる。なお、この場合、延長された後の休憩用閾値Tthは、本発明における「第4の時間」の一例である。
【0039】
一方、制御部17は、30分以内に到着可能なSA/PAが存在しないと判断した場合(ステップS108;No)、連続運転時間が休憩用閾値Tthである2時間に達したことから休憩が必要である旨の音声案内を出力する(ステップS109)。即ち、この場合、制御部17は、休憩用閾値Tthとして設定可能な上限値である2時間半を超えてもSA/PAを通過する予定がないと判断し、運転者に自主的な休憩を促す。
【0040】
(2)案内画像表示処理
次に、
図3のステップS106で実行する案内画像表示処理について説明する。
図4は、案内画像表示処理を示すフローチャートの一例である。
【0041】
まず、制御部17は、直近SA/PAの先にあるSA/PA(「準直近SA/PA」とも呼ぶ。)を認識する(ステップS200)。具体的には、この場合、制御部17は、直近SA/PAから所定時間以内で到着することが可能なSA/PAを認識する。上述の所定時間は、本発明における「第3の時間」の一例であり、例えば30分に設定される。なお、好適には、制御部17は、準直近SA/PAを2つ以内になるように限定してもよい。
【0042】
次に、制御部17は、直近SA/PA及び準直近SA/PAの各々の施設の充実度を算出する(ステップS201)。例えば、制御部17は、地図データの施設情報を参照し、各SA/PAに収容されている施設(店舗)の数をカウントし、カウントした施設数を当該SA/PAの充実度として算出する。なお、制御部17は、各SA/PAに収容されている施設(店舗)のうち、休憩可能な施設(例えばレストラン、フードコード、喫茶店等)の数のみをカウントし、カウントした施設数を充実度として定めてもよい。
【0043】
次に、制御部17は、直近SA/PAより充実度が高い準直近SA/PAが存在するか否か判定する(ステップS202)。そして、直近SA/PAより充実度が高い準直近SA/PAが存在する場合(ステップS202;Yes)、制御部17は、当該準直近SA/PAを推奨SA/PAとして認識し、直近SA/PAと共に、これらの案内画像Imを表示する(ステップS203)。ここで、制御部17は、直近SA/PAよりも充実度が高い準直近SA/PAが複数存在する場合、これらのうち最も充実度が高い準直近SA/PAを推奨SA/PAと定め、当該推奨SA/PA及び直近SA/PAの案内画像Imを表示させてもよい。そして、制御部17は、直近SA/PA又は推奨SA/PAから所定距離以内に近付いた場合に、直近SA/PAよりも準直近SA/PAの方が充実している旨の音声案内を出力する(ステップS204)。その後、制御部17は、
図3のステップS109で、直近SA/PA又は準直近SA/PAで休憩すべき旨の音声案内を行う。
【0044】
このように、ステップS203及びステップS204では、制御部17は、直近SA/PAよりも施設が充実した準直近SA/PAを、推奨SA/PAとして積極的に運転者に案内する。これにより、制御部17は、施設が充実しているSA/PAで運転者に好適に休憩させることができる。
【0045】
一方、直近SA/PAより充実度が高い準直近SA/PAが存在しない場合(ステップS202;No)、制御部17は、直近SA/PAの案内画像Imを表示させる(ステップS205)。即ち、この場合、制御部17は、直近SA/PAの他に運転者に注目させるべきSA/PAは存在しないと判断し、直近SA/PAの案内画像Imのみを表示させる。その後、制御部17は、
図3のステップS109では、直近SA/PAに所定距離以内に近付いたときに、直近SA/PAで休憩すべき旨の音声出力を行う。
【0046】
(3)表示例
次に、案内画像Imの表示例について説明する。まず、直近SA/PAの案内画像Imのみを表示する例について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0047】
図5は、
図3のステップS105又は
図4のステップS205で直近SA/PAの案内画像Imを表示する際のディスプレイ110の表示例を示す。
図5の例では、現在位置マーク21が示す車両は、地点22Aに存在するパーキングエリア「××PA」及び地点22Bに存在するサービスエリア「○○SA」と接続する下り車線の道路20上を走行しているものとする。
【0048】
図5では、制御部17は、現在位置の周辺地図上に、立ち寄り可能な直近SA/PAであるパーキングエリア「××PA」の位置を指し示す吹き出し23Aを、案内画像Imとしてディスプレイ110上に表示させている。吹き出し23Aには、パーキングエリア「××PA」に収容された施設を表す施設アイコン25Aが並べて表示されている。このように、制御部17は、休憩案内を行わない場合、又は、直近SA/PAを推奨SA/PAとして休憩案内する場合には、直近SA/PAの位置及び収容施設を示す簡易的な表示である吹き出し23Aを、案内画像Imとして表示させる。
【0049】
図6は、
図5の例において、吹き出し23Aが選択された場合のディスプレイ110の表示例を示す。
図6の表示例では、制御部17は、吹き出し23Aが指等によりタッチされたことをタッチパネル120により検知し、パーキングエリア「××PA」の各施設の配置を施設マークと共に示した詳細表示ウィンドウ29Aをディスプレイ110の下部に表示している。このように、制御部17は、運転者が吹き出し23Aを選択した場合、パーキングエリア「××PA」内の詳細な情報を、案内画像Imとして表示する。
【0050】
なお、制御部17は、ステップS205で推奨SA/PAとして直近SA/PAの案内画像Imを表示する場合、
図5の吹き出し23Aに代えて、
図6の詳細表示ウィンドウ29Aを直ちに表示させてもよい。これにより、制御部17は、これから休憩のために立寄ることが予想される直近SA/PAの詳細な情報を、好適に運転者に認識させることができる。
【0051】
次に、準直近SA/PAを推奨SA/PAとした場合のステップS203でのディスプレイ110の表示例(第1表示例、第2表示例)について、
図7及び
図8を参照して説明する。
【0052】
図7は、ステップS203で直近SA/PAと共に準直近SA/PAの案内画像Imを表示する際のディスプレイ110の第1表示例を示す。この場合、制御部17は、直近のパーキングエリア「××PA」よりも、その先にあるサービスエリア「○○SA」の方が、収容する施設数が多く、施設の充実度が高いと判断し、サービスエリア「○○SA」を推奨SA/PAとして認識する。そして、この場合、制御部17は、サービスエリア「○○SA」の詳細情報を示す詳細表示ウィンドウ29Bを表示すると共に、直近SA/PAであるパーキングエリア「××PA」の詳細情報を示す詳細表示ウィンドウ29Aを地図上に表示する。
【0053】
このように、
図7に示す第1表示例では、制御部17は、直近SA/PAの詳細表示ウィンドウ29Aと共に、直近SA/PAよりも施設が充実している準直近SA/PAの詳細表示ウィンドウ29Bを並べて表示させる。これにより、制御部17は、直近SA/PAと直近SA/PAよりも施設が充実している準直近SA/PAとのいずれを休憩場所とするかを、運転者に好適に選択させることができる。
【0054】
図8は、ステップS203で直近SA/PAと共に準直近SA/PAの案内画像Imを表示する際のディスプレイ110の第2表示例を示す。この場合、制御部17は、直近SA/PAであるパーキングエリア「××PA」の簡易情報を示す吹き出し23Aを表示すると共に、パーキングエリア「××PA」よりも施設が充実しているサービスエリア「○○SA」の簡易情報を示す吹き出し23Bを表示する。また、制御部17は、サービスエリア「○○SA」が推奨SA/PAであることから、サービスエリア「○○SA」に対する吹き出し23Bに対して、当該吹き出し23Bが推奨SA/PAであることを示す強調画像30を表示させている。
【0055】
このように、
図8に示す第2表示例では、制御部17は、直近SA/PAに対する吹き出し23Aと共に、直近SA/PAよりも施設が充実している準直近SA/PAに対する吹き出し23Bを表示させ、かつ、吹き出し23Bを強調表示する。これにより、直近SA/PAよりも施設が充実している準直近SA/PAの存在を、運転者に好適に視認させることができる。
【0056】
以上説明したように、本実施例に係る端末装置100は、出力部11と、GPS受信機16と、制御部17とを備える。制御部17は、GPS受信機16から車両Veの現在位置に関する情報を取得する。制御部17は、連続運転時間が休憩用閾値Tthの標準時間である2時間を経過した場合に、運転者に対して休憩を促すための休憩情報を出力部11に出力させる。そして、制御部17は、車両Veと休憩施設との位置関係に基づいて、休憩用閾値Tthを、標準時間の2時間から変化させる。このようにすることで、端末装置100は、移動体と休憩施設との位置関係に基づいて、休憩情報を提供するタイミングを柔軟に変更し、運転者に休憩施設で好適に休憩させることができる。
【0057】
[変形例]
以下、上述の実施例に好適な各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用することが可能である。
【0058】
(変形例1)
端末装置100に代えて、ネットワークを介して接続したサーバ装置が制御部17の処理の一部を実行してもよい。
【0059】
図9は、変形例に係るシステムの構成例を示す。
図9に示すように、端末装置100は、ネットワーク150を介してサーバ装置200と接続している。そして、端末装置100は、サーバ装置200から経路案内に必要な情報を受信することで経路案内等を行う。
【0060】
図10は、サーバ装置200の概略構成を示す。
図10に示すように、サーバ装置200は、通信部202と、記憶部203と、制御部204とを有する。通信部202、記憶部203、及び制御部204は、バスライン201を介して相互に接続されている。
【0061】
通信部202は、制御部204の制御に基づき、ネットワーク150を介し、各種データの送信及び受信を行う。記憶部203は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどの経路探索等に必要なデータを記憶する。制御部204は、CPUやROM及びRAMなどのメモリを有し、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、サーバ装置200の全般的な制御を行う。
【0062】
この場合、制御部204は、端末装置100から送信される現在位置情報及び目的地の情報等に基づき、車両Veが走行すべき案内ルートの探索処理を行い、探索した案内ルートの情報を端末装置100へ送信する。また、制御部204は、端末装置100から送信される現在位置情報等に基づき、
図3及び
図4の処理を行い、休憩案内及び案内画像Imの出力タイミング及び出力内容を決定し、休憩案内の音声出力や案内画像Imの表示を指示する信号を端末装置100に送信する。なお、制御部204は、ディスプレイ110に表示すべき画面の表示情報を生成して端末装置100に送信することで、
図5~
図8に示される各表示画面をディスプレイ110に表示させてもよい。同様に、制御部204は、スピーカ111に出力させるべき音声データを生成して端末装置100に送信することで、ステップS109及びステップS204の音声出力を実行させてもよい。
【0063】
このように、サーバ装置200が制御部17の処理の一部を実行した場合であっても、端末装置100は、休憩案内を適切に実行することができる。なお、サーバ装置200の処理を、複数のサーバ装置からなるサーバシステムが実行してもよい。そして、本変形例では、サーバ装置200は、本発明における「情報提供装置」として機能し、制御部204は、本発明における「取得部」、「提供部」、及びプログラムを実行するコンピュータとして機能する。
【0064】
(変形例2)
端末装置100は、
図1に示すようなスマートフォンなどの携帯型端末に限らず、車両に設置される据置型のナビゲーション装置であってもよい。この場合、ナビゲーション装置の制御部は、ナビゲーション装置のディスプレイ及びスピーカに対し、制御部17と同様の出力制御を行う。
【0065】
(変形例3)
休憩案内及び案内画像Imの表示対象となる休憩施設は、SA/PAに限定されない。これに代えて、端末装置100は、道の駅やショッピングモールなどの複合施設、その他の車両Veが立寄り可能な休憩施設を対象に、案内画像Imを表示したり、休憩案内の音声出力を行ったりしてもよい。従って、この場合、端末装置100は、
図3のステップS101で高速道路を走行中であるか否かの判定結果によらず、ステップS102で立寄り可能な休憩施設の有無を判定するとよい。
【0066】
(変形例4)
端末装置100は、休憩案内をスピーカ111に出力させるのに代えて、又はこれに加えて、ディスプレイ110上に表示させてもよい。即ち、この場合、端末装置100は、連続運転時間が休憩用閾値Tthに達した場合に、休憩すべき旨を示した文字列をディスプレイ110に表示させてもよい。