(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007819
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】吹きこぼれ防止具
(51)【国際特許分類】
A47J 36/16 20060101AFI20220105BHJP
A47J 36/20 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A47J36/16 Z
A47J36/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020123290
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】510194459
【氏名又は名称】高橋 晃世
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏彰
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055BA37
4B055BA53
4B055CA13
4B055CB03
4B055CB05
4B055CB07
4B055CC43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鍋の吹きこぼれを防止する吹きこぼれ防止具を提供する。
【解決手段】吹きこぼれ防止具10は、略円盤状の本体部20の外周部下面に泡押さえ部21と、この泡押さえ部21の内側下面に泡収集部22と、この泡収集部22の中心近傍に設けた泡噴出孔23とから構成されている。吹きこぼれ防止具10は、金属板で構成されるが、鋳鉄で形成するのが望ましい。本体部20は、円盤状に形成され、泡押さえ部21は円周近傍に下面が平面状に形成されている。泡収集部22は、泡押さえ部21の内側で、円形の凹部となるよう形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋の底に置いて吹きこぼれを防止する吹きこぼれ防止具であって、この吹きこぼれ防止具は、略円盤状の本体部の外周部下面に泡押さえ部と、この泡押さえ部の内側下面に泡収集部と、この泡収集部の中心近傍に設けた泡噴出孔とから構成され、この泡収集部は凹部にしたことを特徴とする吹きこぼれ防止具。
【請求項2】
請求項1に記載の吹きこぼれ防止具の本体部の外周下面に面取りを設けたことを特徴とする吹きこぼれ防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍋に煮物を入れて加熱する際に水蒸気の泡が多数発生して吹きこぼれるのを防止する吹きこぼれ防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
鍋に煮物を入れて加熱する際、水蒸気が発生して泡になり鍋の縁から吹きこぼれることがあった。特にスパゲッティや麺類等の成分等が溶け出すと、シャボン玉のように泡が潰れ難くなり鍋から泡があふれることがよくあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、特許技術1に示すように、板1の外周部に多数の穴2を開けて、泡を逃がす技術が開示されていた。しかし、この技術であっても特に多数の泡が鍋の縁付近に溢れて吹きこぼれる問題は解決されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鍋の底に置いて吹きこぼれを防止する吹きこぼれ防止具であって、この吹きこぼれ防止具は、略円盤状の本体部の外周部下面に泡押さえ部と、この泡押さえ部の内側下面に泡収集部と、この泡収集部の中心近傍に設けた泡噴出孔とから構成され、この泡収集部は凹部にしたことを特徴とする吹きこぼれ防止具。
【0006】
上記の吹きこぼれ防止具の本体部の外周下面に面取りを設けたことを特徴とする吹きこぼれ防止具。
【発明の効果】
【0007】
この発明により上記の問題点を解決し、鍋の吹きこぼれを防止する吹きこぼれ防止具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の実施形態の吹きこぼれ防止具を斜め下方から見た斜視図である。
【
図2】第一の実施形態の吹きこぼれ防止具の六面図である。背面図は正面図と同一に表れる。
【
図3】第一の実施形態の吹きこぼれ防止具のAA断面図である。
【
図4】第二の実施形態の吹きこぼれ防止具を斜め下方から見た斜視図である。
【
図5】第二の実施形態の吹きこぼれ防止具の六面図である。背面図は正面図と同一に表れる。
【
図6】第二の実施形態の吹きこぼれ防止具のAA断面図である。
【
図7】本発明の吹きこぼれ防止具の一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1、
図2、
図3により第一の実施形態の吹きこぼれ防止具10を説明する。吹きこぼれ防止具10は、略円盤状の本体部10の外周部下面に泡押さえ部21と、この泡押さえ部21の内側下面に凹部である泡収集部22と、この泡収集部22の中心近傍に設けた泡噴出孔23とから構成されている。
【0010】
吹きこぼれ防止具10は、金属板で構成されているが、鋳鉄で形成するのが望ましい。本体部20は、円盤状に形成され、泡押さえ部21は本体部20の円周近辺に下面が平面状に形成されている。泡収集部22は、泡押さえ部21の内側で、円形の凹部となるよう形成されている。
【0011】
泡噴出孔23は、本体部20の略中央部において、上下に貫通させてある。本体部20の外周下面には、面取り25が設けられている。また、本体部20の外周の一部にはリングを取り付ける取付孔24が設けられている。
【0012】
吹きこぼれ防止具10は、鍋の底の央付近に置いて使用する。鍋に水を入れて加熱し、スパゲッティや麺類の食材を入れてさらに過熱すると、鍋底から泡が発生してくる。従来技術では、食材から出た澱粉等で発生した泡が消え難くなり、多数の泡が鍋の縁に達して吹きこぼれが生じていた。
【0013】
この発明では、鍋底で発生した泡は、泡収集部22で集められ、中央付近に設けられた泡噴出孔23から勢いよく噴出し、上部に集積した泡に衝撃を当てて泡を潰す効果を奏することができる。このことにより、上部に集積した泡は増えることなく、吹きこぼれも防止することができる。
【0014】
本体部20の外周下面は面取り25がしてあるので、鍋底に置いた吹きこぼれ防止具10の面取り25に、箸やトングの先を差し込んで持ち上げることができる。
【0015】
図4、
図5、
図6は第二の実施形態であり、泡収集部22を小さくしたものである。泡の噴出速度が速すぎる場合、最適な速度まで落とすことができる。また、泡の噴出速度は泡噴出孔23の大きさでも調整することができる。
【実施例0016】
図7に示した一実施例について、試験結果を示す。
沸騰し始めてから吹きこぼれまでの時間
吹きこぼれ防止具が無い場合 10秒
市販の吹きこぼれ防止具が有りの場合 50秒
本発明の一実施例の吹きこぼれ防止具が有りの場合 7分
【0017】
試験条件
鍋: サイズ直径:200mm、 深さ:80mm 材質:ステンレス
水: 1200cc
素麺: 1人前