(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078194
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】胚着床を促進し、流産を防ぐためのオキシトシンアンタゴニスト投与レジメン
(51)【国際特許分類】
A61K 31/40 20060101AFI20220517BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20220517BHJP
A61P 15/06 20060101ALI20220517BHJP
C07D 207/22 20060101ALI20220517BHJP
A61P 5/34 20060101ALI20220517BHJP
A61P 5/06 20060101ALI20220517BHJP
A61K 38/24 20060101ALI20220517BHJP
A61K 31/57 20060101ALI20220517BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220517BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220517BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220517BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220517BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20220517BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220517BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220517BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220517BHJP
A61K 38/12 20060101ALI20220517BHJP
A61K 35/54 20150101ALI20220517BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20220517BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61K31/40
A61P15/08
A61P15/06
C07D207/22
A61P5/34
A61P5/06
A61K38/24
A61K31/57
A61K9/48
A61K9/20
A61K9/14
A61K9/08
A61K9/10
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/10
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/22
A61K47/14
A61K45/00
A61K31/5377
A61K38/12
A61K35/54
G01N33/50 J
G01N33/68
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022032889
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2019502231の分割
【原出願日】2017-07-20
(31)【優先権主張番号】62/365,147
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/527,721
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516058551
【氏名又は名称】オブセヴァ エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ロウマイェ、アーネスト
(72)【発明者】
【氏名】ゴットランド、ジャン-ピエール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】胚着床時の子宮内膜受容性を高め、胚着床不全および流産の可能性を低減するための方法を提供する。
【解決手段】胚移植療法を受けている対象の治療において、とりわけ、置換ピロリジン-3-オンオキシム誘導体などのオキシトシンアンタゴニストを使用するための組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、例えば、体外受精(IVF)および卵細胞質内精子注入法(ICSI)胚移植処置後の子宮内膜受容性を改善し、胚着床不全および流産の可能性を低減させるために、とりわけ、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムを含むオキシトシンアンタゴニストを対象に投与するために使用され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化1】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物は、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植する前に前記対象に投与され、前記投与することは、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項2】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植することを含み、前記対象は、治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化2】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を予め投与されており、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物の投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項3】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、
a.前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化3】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b.前記化合物の投与後に、前記対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含み、
前記投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項4】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間前に、前記対象に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約8時間前に、前記対象に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3時間~約5時間前に、前記対象に投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4時間前に、前記対象に投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物が、単回用量で前記対象に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物が、複数回用量で前記対象に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~20回の用量で前記対象に投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~7回の用量で前記対象に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約1日~約14日間毎日前記対象に投与される、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約3日~約11日間毎日前記対象に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に7日間毎日前記対象に投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植と同時に前記対象にさらに投与される、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に前記対象にさらに投与される、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間後に前記対象にさらに投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~20回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~7回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約1日~約14日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約3日~約11日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に7日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化4】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物は、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植と同時に前記対象に投与され、前記投与することは、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項24】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植することを含み、前記対象は、治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化5】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を同時に投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物の投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項25】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、
a.前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化6】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b.前記化合物の投与と同時に、前記対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含み、
前記投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項26】
前記化合物が、単回用量で前記対象に投与される、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物が、複数回用量で前記対象に投与される、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化7】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物は、1つ以上の胚の前記対象の子宮への移植の後に前記対象に投与され、前記投与することは、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項29】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植することを含み、前記対象は、その後、治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化8】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記化合物の投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項30】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、
a.前記対象に治療有効量の式(I)によって表される化合物、
【化9】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を投与することを含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b.前記化合物の投与前に、前記対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含み、
前記投与は、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項31】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間後に、前記対象に投与される、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物が、単回用量で前記対象に投与される、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物が、複数回用量で前記対象に投与される、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~20回の用量で前記対象に投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~7回の用量で前記対象に投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約1日~約14日間毎日前記対象に投与される、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約3日~約11日間毎日前記対象に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に7日間毎日前記対象に投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植と同時に前記対象にさらに投与される、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に前記対象にさらに投与される、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間前に前記対象にさらに投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約8時間前に前記対象にさらに投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3時間~約5時間前に前記対象にさらに投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4時間前に前記対象にさらに投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~20回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項40~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~7回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1日~約14日前に毎日前記対象にさらに投与される、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約3日~約11日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に7日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記化合物の投与が、前記1つ以上の胚の前記移植の後に、前記対象が流産する可能性を低減させる、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記化合物が、約1μM~約20μMの前記対象における前記化合物の血漿濃度を達成するのに十分な量で前記対象に投与される、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記血漿濃度が、前記対象への前記化合物の投与から約1時間~約3時間以内に達成される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
1~2つの胚が前記対象に移植される、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
1つの胚が前記対象に移植される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
2つの胚が前記対象に移植される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記対象が哺乳動物であり、前記1つ以上の胚が哺乳動物の胚である、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記哺乳動物がヒトであり、前記1つ以上の哺乳動物の胚がヒトの胚である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記1つ以上の胚が、体外受精(IVF)によって体外で産生される、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記1つ以上の胚が、前記対象に由来する1つ以上の卵子のIVFによって体外で産生される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記1つ以上の胚が、卵細胞質内精子注入法(ICSI)によって体外で産生される、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上の胚が、前記対象に由来する1つ以上の卵子へのICSIによって体外で産生される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上の卵子が、前記対象から単離された1つ以上の卵母細胞に由来する、請求項59または61に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約1日~約7日前に前記対象から単離される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約2日前に前記対象から単離される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日前に前記対象から単離される、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約4日前に前記対象から単離される、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約5日前に前記対象から単離される、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記1つ以上の卵母細胞が、1~4つの成熟卵母細胞を含む、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストが、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離の前に前記対象に投与される、請求項62~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離の前に前記対象に投与される、請求項62~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記hCGが、単回静脈内注射によって前記対象に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
プロゲステロンが、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離後に前記対象に投与される、請求項62~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記プロゲステロンが膣内投与される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが前記対象に投与される、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記プロゲステロンが、毎日前記対象に投与され、好ましくは、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離から約24時間以内に開始し、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の後約6週間以上継続する、請求項72~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記1つ以上の卵子が前記対象から直接単離される、請求項59または61に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約1日~約7日前に前記対象から単離される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約2日前に前記対象から単離される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日前に前記対象から単離される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約4日前に前記対象から単離される、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約5日前に前記対象から単離される、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
GnRHアンタゴニストが、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の前に前記対象に投与される、請求項76~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
hCGが、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の前に前記対象に投与される、請求項76~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記hCGが、単回静脈内注射によって前記対象に投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
プロゲステロンが、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離後に前記対象に投与される、請求項76~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記プロゲステロンが膣内投与される、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが前記対象に投与される、請求項85または86に記載の方法。
【請求項88】
前記プロゲステロンが、毎日前記対象に投与され、好ましくは、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離から約24時間以内に開始し、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の後約6週間以上継続する、請求項85~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記1つ以上の胚が、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離と同じ月経周期の間に前記対象に移植される、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記1つ以上の胚が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離と同じ月経周期の間に前記対象に移植される、請求項76~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記1つ以上の胚が凍結されており、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に解凍される、請求項1~62、68~76、および82~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記1つ以上の胚がそれぞれ、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の直前に6~8個の卵割球を含む、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記卵割球が、視覚顕微鏡法によって評価されるときにほぼ等しいサイズである、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記化合物が式(II)によって表される、請求項1~93のいずれか一項に記載の方法。
【化10】
(II)
【請求項95】
前記化合物が結晶状態にある、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記化合物が、約7.05°2θ、約13.13°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈する、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記化合物が前記対象に経口投与される、請求項1~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記化合物が、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態で前記対象に投与される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記化合物が錠剤の形態で前記対象に投与される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記錠剤が分散性錠剤である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記分散性錠剤が、
a.約1~20重量%のケイ酸カルシウム、
b.約0.1~20重量%のPVP30K、
c.約0.01~5重量%のポロキサマー188、
d.約0.5~20重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1~90重量%の微結晶セルロース112、
f.約1~90重量%のラクトース一水和物、
g.約0.01~0.5重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約0.1~10重量%のグリセロールジベヘネートを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記分散性錠剤が、
a.約5重量%のケイ酸カルシウム、
b.約1重量%のPVP30K、
c.約2重量%のポロキサマー188、
d.約5重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1.5重量%の微結晶セルロース112、
f.約47.8重量%のラクトース一水和物、
g.約0.2重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約4重量%のグリセロールジベヘネートを含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記化合物が、約50mgの前記化合物を含む単位剤形で前記対象に投与される、請求項97~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記化合物が、約200mgの前記化合物を含む単位剤形で前記対象に投与される、請求項97~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
用量当たり約50mg~約950mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項1~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
用量当たり約50mg~約150mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
用量当たり約100mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
用量当たり約250mg~約350mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
用量当たり約300mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
用量当たり約850mg~約950mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項111】
用量当たり約900mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記化合物が前記対象に静脈内投与される、請求項1~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記対象が、前記対象への前記化合物の投与後に子宮収縮の頻度の低減を呈する、請求項1~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記低減が、前記化合物の前記対象への投与前に記録された前記対象の子宮収縮の頻度の測定値に対して、約1%~約20%である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に、320nM未満の血清プロゲステロン(P4)濃度を呈することが判定されており、任意に、前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前の24時間以内に、約320nM未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項1~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に、200nM~300nMの血清P4濃度を呈することが判定されており、任意に、前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前の24時間以内に、約200nM~約300nMの血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されており、任意に、前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1日~7日前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項1~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約2日前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3日前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4日前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117に記載の方法。
【請求項121】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約5日前に、2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117に記載の方法。
【請求項122】
前記対象が、前記対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の直前に、前記血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記対象が、前記対象へhCGを投与してから約1時間以内に、前記血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されており、任意に、前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1日~7日前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項117に記載の方法。
【請求項125】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約2日前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3日前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4日前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項124に記載の方法。
【請求項128】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約5日前に、1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項124に記載の方法。
【請求項129】
前記対象が、前記対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の直前に、前記血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項124~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記対象が、前記対象へhCGを投与してから約1時間以内に、前記血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記対象が、前記化合物の前記対象への投与後に子宮内膜プロスタグランジンF2α(PGF2α)の発現の増加を呈する、請求項1~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記対象が、前記対象への前記化合物の投与後にPGF2αシグナル伝達の低減を呈する、請求項1~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記対象が、前記化合物の前記対象への投与後に子宮内膜プロスタグランジンE2(PGE2)の発現の増加を呈する、請求項1~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に、少なくとも約14日間妊娠を維持する、請求項1~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に、少なくとも約6週間妊娠を維持する、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記対象が、前記対象から前記1つ以上の胚または卵子の回収後に、少なくとも約10週間妊娠を維持する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
妊娠が血液妊娠検査によって評価される、請求項134~136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記血液妊娠検査が、前記対象から単離された血液試料中のhCGを検出することを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
妊娠が子宮内胚心拍を検出することによって評価される、請求項135または136に記載の方法。
【請求項140】
前記対象が、前記化合物の前記対象への投与後に妊娠を維持し、生児出生を呈する、請求項1~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記対象が、少なくとも約24週の妊娠期間で前記生児出生を呈する、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
キットであって、添付文書と、式(I)によって表される化合物、
【化11】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩と、を含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
前記添付文書が、前記キットの使用者に請求項1~141のいずれか一項に記載の方法を実行するように指示する、キット。
【請求項143】
前記化合物が式(II)によって表される、請求項142に記載のキット。
【化12】
(II)
【請求項144】
前記化合物が前記対象への経口投与のために製剤化される、請求項142または143に記載のキット。
【請求項145】
前記化合物が、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液として製剤化される、請求項144に記載のキット。
【請求項146】
前記化合物が錠剤として製剤化される、請求項145に記載のキット。
【請求項147】
前記錠剤が散性錠剤である、請求項146に記載のキット。
【請求項148】
前記化合物が、約50mgの前記化合物を含む単位剤形で製剤化される、請求項142~147のいずれか一項に記載のキット。
【請求項149】
前記化合物が、約200mgの前記化合物を含む単位剤形で製剤化される、請求項142~147のいずれか一項に記載のキット。
【請求項150】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、前記方法が、
a.前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.前記対象から単離された前記試料中の前記P4の濃度が前記P4基準レベル未満である場合、前記対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、を含み、
1つ以上の胚が、前記対象の子宮に移植される、方法。
【請求項151】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、前記方法が、
a.前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.前記対象から単離された前記試料中の前記P4の濃度が前記P4基準レベル未満である場合、前記対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、
c.前記対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含む、方法。
【請求項152】
胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法であって、前記対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、前記方法が、前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、前記P4基準レベルに対して前記対象から単離された前記試料中の低減したP4の濃度が、前記対象が1つ以上の胚の前記対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いことを特定する、方法。
【請求項153】
胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定する方法であって、前記対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、前記方法が、前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、前記P4基準レベルに対して前記対象から単離された前記試料中の低減したP4の濃度が、前記対象が1つ以上の胚の前記対象への移植の前、それと同時、および/またはその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いことを特定する、方法。
【請求項154】
前記P4基準レベルに対して前記対象から単離された前記試料中の低減されたP4の濃度が検出された場合、前記方法が、治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを前記対象に投与することを含む、請求項152または153に記載の方法。
【請求項155】
前記投与することが胚着床不全の可能性を低減する、請求項150、151、および154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象の子宮への前記移植の前に前記対象に投与される、請求項150、151、154、および155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間前に、前記対象に投与される、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約8時間前に、前記対象に投与される、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3時間~約5時間前に、前記対象に投与される、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4時間前に、前記対象に投与される、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記オキシトシンアンタゴニストが、単回用量で前記対象に投与される、請求項156~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
前記オキシトシンアンタゴニストが、複数回用量で前記対象に投与される、請求項156~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~20回の用量で前記対象に投与される、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~7回の用量で前記対象に投与される、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約1日~約14日間毎日前記対象に投与される、請求項162~164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約3日~約11日間毎日前記対象に投与される、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約7日間毎日前記対象に投与される、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植と同時に前記対象にさらに投与される、請求項162~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に前記対象にさらに投与される、請求項162~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間後に、前記対象にさらに投与される、請求項168に記載の方法。
【請求項171】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~20回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項169または170に記載の方法。
【請求項172】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~7回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約1日~約14日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項170~172のいずれか一項に記載の方法。
【請求項174】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約3日~約11日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約7日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植と同時に前記対象に投与される、請求項150、151、154、および155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
前記オキシトシンアンタゴニストが単回用量で前記対象に投与される、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記オキシトシンアンタゴニストが複数回用量で前記対象に投与される、請求項176に記載の方法。
【請求項179】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に前記対象に投与される、請求項150、151、154、および155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項180】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間後に前記対象に投与される、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記オキシトシンアンタゴニストが単回用量で前記対象に投与される、請求項179または180に記載の方法。
【請求項182】
前記オキシトシンアンタゴニストが複数回用量で前記対象に投与される、請求項179または180に記載の方法。
【請求項183】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~20回の用量で前記対象に投与される、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に1日当たり1~7回の用量で前記対象に投与される、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約1日~約14日間毎日前記対象に投与される、請求項182~184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約3日~約11日間毎日前記対象に投与される、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に約7日間毎日前記対象に投与される、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植と同時に前記対象にさらに投与される、請求項182~187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に前記対象にさらに投与される、請求項182~188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約24時間前に、前記対象にさらに投与される、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約1時間~約8時間前に、前記対象にさらに投与される、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約3時間~約5時間前に、前記対象にさらに投与される、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の約4時間前に、前記対象にさらに投与される、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~20回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項189~193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に1日当たり1~7回の用量で前記対象にさらに投与される、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約1日~約14日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項183~195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約3日~約11日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項196に記載の方法。
【請求項198】
前記オキシトシンアンタゴニストが、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に約7日間毎日前記対象にさらに投与される、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記対象から単離された前記試料が、血液試料である、請求項150~198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
前記オキシトシンアンタゴニストの投与が、前記1つ以上の胚の前記移植の後に、前記対象が流産する可能性を低減させる、請求項150、151、および154~199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
前記胚移植療法が、1~2つの胚の前記対象への前記移植を含む、請求項150~200のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
1つの胚が前記対象に移植される、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
2つの胚が前記対象に移植される、請求項201に記載の方法。
【請求項204】
前記対象が哺乳動物であり、前記1つ以上の胚が哺乳動物の胚である、請求項150~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
前記哺乳動物がヒトであり、前記1つ以上の哺乳動物の胚がヒトの胚である、請求項204に記載の方法。
【請求項206】
前記1つ以上の胚が、IVFによって体外で産生される、請求項150~205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
前記1つ以上の胚が、前記対象に由来する1つ以上の卵子のIVFによって体外で産生される、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
前記1つ以上の胚が、ICSIによって体外で産生される、請求項150~205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
前記1つ以上の胚が、前記対象に由来する1つ以上の卵子へのICSIによって体外で産生される、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
前記1つ以上の卵子が、前記対象から単離された1つ以上の卵母細胞に由来する、請求項207または209に記載の方法。
【請求項211】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約1日~約7日前に前記対象から単離される、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約2日前に前記対象から単離される、請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日前に前記対象から単離される、請求項211に記載の方法。
【請求項214】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約4日前に前記対象から単離される、請求項211に記載の方法。
【請求項215】
前記1つ以上の卵母細胞が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約5日前に前記対象から単離される、請求項211に記載の方法。
【請求項216】
前記1つ以上の卵母細胞が、1~4つの成熟卵母細胞を含む、請求項210~215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
GnRHアンタゴニストが、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離の前に前記対象に投与される、請求項210~216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
hCGが、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離の前に前記対象に投与される、請求項210~217のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
前記hCGが、単回静脈内注射によって前記対象に投与される、請求項218に記載の方法。
【請求項220】
プロゲステロンが、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離後に前記対象に投与される、請求項210~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
前記プロゲステロンが膣内投与される、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが前記対象に投与される、請求項220または221に記載の方法。
【請求項223】
前記プロゲステロンが、毎日前記対象に投与され、好ましくは、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離から約24時間以内に開始し、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の後約6週間以上継続する、請求項220~222のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
前記1つ以上の卵子が前記対象から直接単離される、請求項207または209に記載の方法。
【請求項225】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約1日~約7日前に前記対象から単離される、請求項224に記載の方法。
【請求項226】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約2日前に前記対象から単離される、請求項225に記載の方法。
【請求項227】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日前に前記対象から単離される、請求項225に記載の方法。
【請求項228】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約4日前に前記対象から単離される、請求項225に記載の方法。
【請求項229】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約5日前に前記対象から単離される、請求項225に記載の方法。
【請求項230】
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストが、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の前に前記対象に投与される、請求項224~229のいずれか一項に記載の方法。
【請求項231】
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の前に前記対象に投与される、請求項224~230のいずれか一項に記載の方法。
【請求項232】
前記hCGが、単回静脈内注射によって前記対象に投与される、請求項231に記載の方法。
【請求項233】
プロゲステロンが、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離後に前記対象に投与される、請求項224~232のいずれか一項に記載の方法。
【請求項234】
前記プロゲステロンが膣内投与される、請求項233に記載の方法。
【請求項235】
用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが前記対象に投与される、請求項233または234に記載の方法。
【請求項236】
前記プロゲステロンが、毎日前記対象に投与され、好ましくは、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離から約24時間以内に開始し、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の後約6週間以上継続する、請求項233~235のいずれか一項に記載の方法。
【請求項237】
前記1つ以上の胚が、前記対象からの前記1つ以上の卵母細胞の単離と同じ月経周期の間に前記対象に移植される、請求項210~223のいずれか一項に記載の方法。
【請求項238】
前記1つ以上の胚が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離と同じ月経周期の間に前記対象に移植される、請求項224~236のいずれか一項に記載の方法。
【請求項239】
前記1つ以上の胚が凍結されており、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の前に解凍される、請求項150~238のいずれか一項に記載の方法。
【請求項240】
前記1つ以上の胚がそれぞれ、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の直前に6~8個の卵割球を含む、請求項150~239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項241】
前記卵割球が、視覚顕微鏡法によって評価されるときにほぼ等しいサイズである、請求項240に記載の方法。
【請求項242】
前記オキシトシンアンタゴニストが、式(I)によって表される化合物、
【化13】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩であり、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、請求項150~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項243】
前記オキシトシンアンタゴニストが、式(II)によって表される化合物である、請求項242に記載の方法。
【化14】
(II)
【請求項244】
前記化合物が結晶状態にある、請求項243に記載の方法。
【請求項245】
前記化合物が、約7.05°2θ、約13.13°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈する、請求項244に記載の方法。
【請求項246】
前記化合物が前記対象に経口投与される、請求項242~245のいずれか一項に記載の方法。
【請求項247】
前記化合物が、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態で前記対象に投与される、請求項246に記載の方法。
【請求項248】
前記化合物が錠剤の形態で前記対象に投与される、請求項247に記載の方法。
【請求項249】
前記錠剤が分散性錠剤である、請求項248に記載の方法。
【請求項250】
前記分散性錠剤が、
a.約1~20重量%のケイ酸カルシウム、
b.約0.1~20重量%のPVP30K、
c.約0.01~5重量%のポロキサマー188、
d.約0.5~20重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1~90重量%の微結晶セルロース112、
f.約1~90重量%のラクトース一水和物、
g.約0.01~0.5重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約0.1~10重量%のグリセロールジベヘネートを含む、請求項249に記載の方法。
【請求項251】
前記分散性錠剤が、
a.約5重量%のケイ酸カルシウム、
b.約1重量%のPVP30K、
c.約2重量%のポロキサマー188、
d.約5重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1.5重量%の微結晶セルロース112、
f.約47.8重量%のラクトース一水和物、
g.約0.2重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約4重量%のグリセロールジベヘネートを含む、請求項250に記載の方法。
【請求項252】
前記化合物が、約50mgの前記化合物を含む単位剤形で前記対象に投与される、請求項246~251のいずれか一項に記載の方法。
【請求項253】
前記化合物が、約200mgの前記化合物を含む単位剤形で前記対象に投与される、請求項246~251のいずれか一項に記載の方法。
【請求項254】
用量当たり約50mg~約950mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項242~253のいずれか一項に記載の方法。
【請求項255】
用量当たり約50mg~約150mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項254に記載の方法。
【請求項256】
用量当たり約100mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項255に記載の方法。
【請求項257】
用量当たり約250mg~約350mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項254に記載の方法。
【請求項258】
用量当たり約300mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
用量当たり約850mg~約950mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項254に記載の方法。
【請求項260】
用量当たり約900mgの前記化合物が前記対象に投与される、請求項259に記載の方法。
【請求項261】
前記化合物が前記対象に静脈内投与される、請求項242または243に記載の方法。
【請求項262】
前記オキシトシンアンタゴニストがエペルシバンである、請求項150~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項263】
前記オキシトシンアンタゴニストがレトシバンである、請求項150~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項264】
前記オキシトシンアンタゴニストがアトシバンである、請求項150~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項265】
前記オキシトシンアンタゴニストがバルシバンである、請求項150~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
前記オキシトシンアンタゴニストが前記対象に経口投与される、請求項262~265のいずれか一項に記載の方法。
【請求項267】
前記オキシトシンアンタゴニストが前記対象に静脈内投与される、請求項262~265のいずれか一項に記載の方法。
【請求項268】
前記P4基準レベルが、約1.0ng/ml~約2.0ng/mlである、請求項150~267のいずれか一項に記載の方法。
【請求項269】
前記P4基準レベルが1.5ng/mlである、請求項268に記載の方法。
【請求項270】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約1日~約7日前に前記対象から単離される、請求項268または269に記載の方法。
【請求項271】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約2日前に前記対象から単離される、請求項270に記載の方法。
【請求項272】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日前に前記対象から単離される、請求項270に記載の方法。
【請求項273】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約4日前に前記対象から単離される、請求項270に記載の方法。
【請求項274】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約5日前に前記対象から単離される、請求項270に記載の方法。
【請求項275】
前記試料が、前記対象からの1つ以上の卵母細胞の単離の最大24時間前に前記対象から単離される、請求項268~274のいずれか一項に記載の方法。
【請求項276】
前記試料が、前記対象からの1つ以上の卵母細胞の単離の直前に前記対象から単離される、請求項275に記載の方法。
【請求項277】
前記試料が、前記対象からの1つ以上の卵子の単離の最大24時間前に前記対象から単離される、請求項268~274のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
前記試料が、前記対象からの1つ以上の卵子の単離の直前に前記対象から単離される、請求項277に記載の方法。
【請求項279】
前記試料が、前記対象にhCGを投与してから約1時間以内に前記対象から単離される、請求項275~278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項280】
前記P4基準レベルが、約200nM~約400nMである、請求項150~267のいずれか一項に記載の方法。
【請求項281】
前記P4基準レベルが320nMである、請求項280に記載の方法。
【請求項282】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の最大24時間前に前記対象から単離される、請求項280または281に記載の方法。
【請求項283】
前記試料が、前記対象への前記1つ以上の胚の移植の直前に前記対象から単離される、請求項282に記載の方法。
【請求項284】
前記対象が、前記対象への前記オキシトシンアンタゴニストの投与後に子宮内膜PGF2αの発現の増加を呈する、請求項150、151、および154~283のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
前記対象が、前記対象への前記オキシトシンアンタゴニストの投与後にPGF2αシグナル伝達の低減を呈する、請求項150、151、および154~284のいずれか一項に記載の方法。
【請求項286】
前記対象が、前記対象への前記オキシトシンアンタゴニストの投与後にPGE2の発現の増加を呈する、請求項150、151、および154~285のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に、少なくとも約14日間妊娠を維持する、請求項150、151、および154~286のいずれか一項に記載の方法。
【請求項288】
前記対象が、前記1つ以上の胚の前記対象への前記移植の後に、少なくとも約6週間妊娠を維持する、請求項287に記載の方法。
【請求項289】
前記対象が、前記対象からの1つ以上の胚または卵子の回収後に、少なくとも約10週間妊娠を維持する、請求項288に記載の方法。
【請求項290】
妊娠が血液妊娠検査によって評価される、請求項287~289のいずれか一項に記載の方法。
【請求項291】
前記血液妊娠検査が、前記対象から単離された血液試料中のhCGを検出することを含む、請求項290に記載の方法。
【請求項292】
妊娠が子宮内胚心拍を検出することによって評価される、請求項288または289に記載の方法。
【請求項293】
前記対象が、前記化合物の前記対象への投与後に妊娠を維持し、生児出生を呈する、請求項150、151、および154~292のいずれか一項に記載の方法。
【請求項294】
前記対象が、少なくとも約24週の妊娠期間で前記生児出生を呈する、請求項293に記載の方法。
【請求項295】
添付文書およびオキシトシンアンタゴニストを含むキットであって、前記添付文書が、前記キットの使用者に請求項150~294のいずれか一項に記載の方法を実行するように指示する、キット。
【請求項296】
前記オキシトシンアンタゴニストが、式(I)によって表される化合物、
【化15】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩であり、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、請求項295に記載のキット。
【請求項297】
前記化合物が式(II)によって表される、請求項296に記載のキット。
【化16】
(II)
【請求項298】
前記オキシトシンアンタゴニストがエペルシバンである、請求項295に記載のキット。
【請求項299】
前記オキシトシンアンタゴニストがレトシバンである、請求項295に記載のキット。
【請求項300】
前記オキシトシンアンタゴニストがバルシバンである、請求項295に記載のキット。
【請求項301】
前記オキシトシンアンタゴニストがアトシバンである、請求項295に記載のキット。
【請求項302】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の式(II)によって表される化合物を前記対象に投与することを含み、
【化17】
(II)
前記化合物は、1つ以上の胚を前記対象の子宮に移植する3時間~5時間前に前記対象に投与され、前記化合物の投与が、胚着床不全の可能性を低減させる、方法。
【請求項303】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象の子宮への前記移植の約4時間前に、前記対象に投与される、請求項302に記載の方法。
【請求項304】
前記1つ以上の胚が、前記対象から単離された1つ以上の卵子を使用して、IVFまたはICSIによって体外で産生され、前記対象が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の最大24時間前に1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている、請求項302に記載の方法。
【請求項305】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日~約5日前に前記対象から単離される、請求項304に記載の方法。
【請求項306】
前記化合物が、前記1つ以上の胚の前記対象の子宮への前記移植の前に、100mg、300mg、または900mgの合計量で前記対象に投与される、請求項305に記載の方法。
【請求項307】
胚移植療法を受けている対象を治療する方法であって、前記対象から単離された血液試料中の前記P4の濃度が判定されており、前記方法が、
a.前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.前記対象から単離された前記試料中の前記P4の濃度が前記P4基準レベル未満である場合、前記対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、を含み、
1つ以上の胚が、前記対象の子宮に移植され、前記1つ以上の胚が、前記対象から単離された1つ以上の卵子を使用してIVFまたはICSIによって体外で産生され、前記P4基準レベルが1.5ng/mlであり、前記試料が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の最大24時間前に前記対象から単離される、方法。
【請求項308】
前記1つ以上の卵子が、前記対象への前記1つ以上の胚の前記移植の約3日~約5日前に前記対象から単離される、請求項307に記載の方法。
【請求項309】
胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法であって、前記対象から単離された血液試料中のP4の濃度が判定されており、前記方法が、前記P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、前記P4基準レベルに対して前記対象から単離された前記試料中の低減したP4の濃度が、前記対象が1つ以上の胚の前記対象への移植の前、それと同時、および/またはその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いことを特定し、前記1つ以上の胚が、前記対象から単離された1つ以上の卵子を使用してIVFまたはICSIによって体外で産生され、前記P4基準レベルが1.5ng/mlであり、前記試料が、前記対象からの前記1つ以上の卵子の単離の最大24時間前に前記対象から単離される、方法。
【請求項310】
前記オキシトシンアンタゴニストが、式(II)によって表される化合物である、請求項307または309に記載の方法。
【化18】
(II)
【請求項311】
前記オキシトシンアンタゴニストが、エペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバンからなる群から選択される、請求項307または309に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胚移植療法を受けている対象において子宮内膜受容性を高め、胚着床不全の可能性を低減するために、オキシトシンアンタゴニストを対象に投与するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生殖補助技術の最近の進歩にもかかわらず、体外受精(IVF)とそれに続く胚移植(IVF/ET)などのさらに高度な治療でさえも全体的な有効性は比較的低いままであり、治療サイクルあたり平均約30%の生児出生がもたらされる(Andersen et al.,Human Reproduction 24:1267-1287(2009))。さらに、胚着床成功率は年齢とともに減少する傾向がある。胚移植療法を受けている対象における胚移植の成功を促進するための多くの現在の治療戦略は、胚移植前の子宮収縮の抑制に焦点を合わせてきた。そのような治療法は、十分な臨床的利益を提供することが示されていないβ-アドレナリン受容体アゴニストおよび非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)の投与を含む(Bernabeu et al.,Human Reproduction 21:364-368(2006)、Moon et al.,Fertility and Sterility 82:816-820(2004)、およびTsirigotis et al.,Human Reproduction 15:10(2000))。例えば、生殖補助技術処置を受けている患者における胚移植時の子宮内膜受容性を高めることによって、成功した胚着床を促進するために使用され得る治療手順および投与レジメンの必要性がまだ存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、例えば、胚着床時の子宮内膜受容性を高め、胚着床不全および流産の可能性を低減するために、オキシトシンアンタゴニストを胚移植療法を受けている対象に投与する方法を提供する。本発明のいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはオキシトシン受容体の抑制剤である。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るオキシトシンアンタゴニストとしては、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムなどの置換ピロリジン-3-オンオキシム誘導体が挙げられる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るオキシトシンアンタゴニストのさらなる例としては、エペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバン、ならびにそれらの誘導体およびバリアントが挙げられる。本明細書に記載の組成物および方法を使用して、子宮内膜受容性を改善し、胚着床不全の可能性を低減するために、胚移植の前、それと同時、またはその後に、前述のようなオキシトシンアンタゴニストが対象に投与され得る。オキシトシンアンタゴニストは、様々な強度の用量または同じ強度の反復用量などの単回用量または複数回用量で対象に投与され得る。例えば、オキシトシンアンタゴニストは、オキシトシンアンタゴニストの最大血漿濃度(例えば、本明細書に記載されるように、約1μM~約20μMの式(I)または(II)によって表される化合物などの約1μM~約20μMの)を達成するために、単回高用量または複数回の低強度用量で胚移植を受けている対象に投与され得る。本発明の方法によると、本明細書に記載のものなどのオキシトシン受容体アンタゴニストは、例えば、体外受精(IVF)または細胞質内精子注入法(ICSI)処置によって体外で産生された1つ以上の胚の子宮内移植の前、それと同時、もしくはその後に対象に投与され得る。1つ以上の胚は、例えば、胚移植処置を受けている対象に由来する卵子の受精によって産生され得るか、または胚移植処置を受けていないドナーに由来し得る。
【0004】
第1の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物、
【化1】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することによって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0005】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0006】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植する前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0007】
別の態様では、本発明は、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することによって胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、対象は、式(I)によって表される化合物、
【化2】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストが予め投与されており、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0008】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0009】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚着床不全の可能性を低減する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、
a.式(I)によって表される化合物、
【化3】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することであって、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b. オキシトシンアンタゴニストの投与後に、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することと、によって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0012】
いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0013】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約24時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約12時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約12時間~約24時間前に対象に投与される。
【0014】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約10時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約9時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約8時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約7時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約6時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約5時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約4時間前に対象に投与される。
【0015】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約2時間~約6時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約3時間~約5時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、もしくは24時間、またはそれ以上前に対象に投与される。
【0016】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約4時間前に対象に投与される。
【0017】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植前に対象に投与される。
【0018】
本発明の上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の用量などの複数回用量で(例えば、複数回定期的用量)胚移植前に(すなわち、1つ以上の胚の対象の子宮への移植の前に)対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植前に24時間毎に20回を超える用量で対象に投与される。
【0019】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植前に対象に投与される。
【0020】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の用量で対象に投与される。
【0021】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の用量で対象に投与される。
【0022】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に1回の用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に2回の用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に3回の用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に4回の用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に5回の用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に6回の用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に7回の用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植前に対象に投与される。
【0023】
複数回用量は、例えば、胚移植の約1時間~約14日、またはそれ以上前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1時間~約7日、またはそれ以上前に開始して投与される。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1日~約14日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日~約11日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1日~約7日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約2日~約5日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日~約4日前に開始して投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、対象への胚移植の約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、またはそれ以上前に開始して投与され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約2日前に開始して投与される。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日前に開始して投与される。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約4日前に開始して投与される。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約5日前に開始して投与される。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約6日前に開始して投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約7日前に開始して投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数回投与は、対象への胚移植の日に終了する。いくつかの実施形態では、複数回用量は、1つ以上の胚の対象への移植と同時に(例えば、60分以内に)投与される最終用量のオキシトシンアンタゴニストで終了する。
【0031】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、複数回用量は胚移植後も続く。例えば、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植と同時に1つ以上の追加用量で対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約1週間以内、またはそれより長く(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上)投与される1回以上の追加用量などの、胚移植後1回以上の追加用量(例えば、複数の定期投与)で対象に投与される。
【0032】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で開始して1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量など、胚移植後に複数回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象にさらに投与される。
【0035】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の追加用量で対象に投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の追加用量で対象に投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の追加用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に1回の追加用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に2回の追加用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に3回の追加用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に4回の追加用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に5回の追加用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に6回の追加用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に7回の追加用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0039】
1回以上の追加用量のオキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に対象に投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0040】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の追加の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0041】
別の態様では、本発明は、式(I)によって表される化合物、
【化4】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することによって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)の対象の子宮への移植と同時に投与される。
【0042】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0043】
いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0044】
別の態様では、本発明は、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することによって胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、対象は、式(I)によって表される化合物、
【化5】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを同時に投与され、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0045】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0046】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚着床不全の可能性を低減する。
【0047】
さらなる態様では、本発明は、
a.式(I)によって表される化合物、
【化6】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することであって、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b.オキシトシンアンタゴニストの投与と同時に、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することとによって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供する。
【0048】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0049】
いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0050】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植と同時に対象に投与される。
【0051】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~20回の用量など、胚移植の間に開始(例えば、複数回定期的用量で)し、胚移植後に継続する複数回用量で対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、10~15回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続して対象に投与される。
【0052】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で開始して1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量など、胚移植後に複数回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象にさらに投与される。
【0055】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、化合物は、その後、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。
【0056】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の追加用量で対象に投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、化合物は、その後に、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の追加用量で対象に投与される。
【0058】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、以下の化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の追加用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に1回の追加用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に2回の追加用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に3回の追加用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に4回の追加用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に5回の追加用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に6回の追加用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に7回の追加用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0059】
1回以上の追加用量のオキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に対象に投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0060】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の追加の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0061】
別の態様では、本発明は、式(I)によって表される化合物、
【化7】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することによって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)の対象の子宮への移植後に対象に投与される。
【0062】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0063】
いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0064】
別の態様では、本発明は、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することによって胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供し、対象は、その後、式(I)によって表される化合物、
【化8】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与され、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0065】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0066】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚着床不全の可能性を低減する。
【0067】
別の態様では、本発明は、
a.式(I)によって表される化合物、
【化9】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などの治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することであって、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる、投与することと、
b. オキシトシンアンタゴニストの投与前に、1つ以上の胚(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の胚)を対象の子宮に移植することと、によって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を提供する。
【0068】
別の態様では、本発明は、本発明の先述の態様に記載の方法において、式(I)によって表される化合物などのオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とする。
【0069】
いくつかの実施形態では、投与は胚着床不全の可能性を低減する。
【0070】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に対象に投与される。
【0071】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で対象に投与される。
【0072】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植後に対象に投与される。
【0073】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、複数回定期的用量でなど、胚移植後に複数回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植後に1~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象に投与される。
【0074】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0075】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の用量で対象に投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回の用量、またはそれ以上で対象に投与される。
【0077】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に1回の用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に2回の用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に3回の用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に4回の用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に5回の用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に6回の用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)の24時間毎に7回の用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0078】
オキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に複数回用量で投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0079】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0080】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与は、対象が流産を有する可能性を低減する。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、少なくとも約24週の妊娠期間で、対象が生児(例えば、生存しているヒトの乳児)を出産するように胚移植のプロセス後に対象が流産を有する可能性を低減し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1μM~約20μMの対象におけるオキシトシンアンタゴニストの血漿濃度を達成するのに十分な量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、式(I)によって表される化合物(例えば、本明細書で式(II)によって表される化合物)であり、対象の子宮への胚移植時に対象が約1μM~約20μMの化合物の血漿濃度を呈するように対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、約5μM~約19μM、10μM~約18μM、14μM~約17μM、15μM~約16μM、1μM~約19μM、2μM~約18μM、3μM~約17μM、4μM~約16μM、5μM~約15μM、またはそれ以上の対象における化合物の血漿濃度(例えば、胚移植時)を達成するのに十分な量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、化合物の単回用量の投与から達成される最大血漿濃度などの血漿濃度は、対象への化合物の投与から約1時間から約3時間(例えば、約1時間、1.1時間、1.2時間、1.3時間、1.4時間、1.5時間、1.6時間、1.7時間、1.8時間、1.9時間、2時間、2.1時間、2.2時間、2.3時間、2.4時間、2.5時間、2.6時間、2.7時間、2.8時間、2.9時間、または3時間)以内に達成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、1~3つの胚が対象に移植される。いくつかの実施形態では、1~2つの胚が対象に移植される。例えば、いくつかの実施形態では、1つの胚が対象に移植される。いくつかの実施形態では、2つの胚が対象に移植される。いくつかの実施形態では、3つの胚が対象に移植される。
【0083】
いくつかの実施形態では、対象は、以前に、体外受精-胚移植(IVF-ET)または細胞質内精子注入法-胚移植(ICSI-ET)療法によってなど、1回以上のサイクル(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のサイクル)の不成功の胚移植療法を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、以前に胚移植療法を受けていない。
【0084】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物であり、1つ以上の胚は哺乳動物の胚である。例えば、いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトであり、1つ以上の哺乳動物の胚はヒトの胚である。
【0085】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象に由来する1つ以上卵子のIVFによってなど、体外受精(IVF)によって体外で産生される。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象に由来する1つ以上卵子へのICSIによってなど、細胞質内精子注入法(ICSI)によって体外で産生される。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、対象から単離された1つ以上の卵母細胞(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の卵母細胞)に由来する。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1~4つの卵子(成熟卵母細胞)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つの成熟卵母細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、2つの成熟卵母細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、3つの成熟卵母細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、4つの成熟卵母細胞を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、対象から直接単離される。
【0088】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約2日~約6日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日~約5日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞または卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に対象から単離される。
【0089】
いくつかの実施形態では、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストは、対象からの1つ以上の卵母細胞(例えば、1つ以上の成熟卵母細胞を含む)または卵子の単離の前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の前に対象に投与される。例えば、hCGは、単回用量で対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、hCGは、複数回用量で対象に投与される。hCGは、静脈内注射によってなど、対象に静脈内投与され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離後に対象に投与される。プロゲステロンは、膣内に投与され得、約300mg~約600mg(例えば、約300mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、またはそれ以上)の用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、用量当たり300mgのプロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、用量当たり600mgのプロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、プロゲステロンは毎日対象に投与され、好ましくは、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離から約24時間以内(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間以内)に開始し、対象への1つ以上の胚の移植後、約6週間以上(例えば、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、またはそれ以上などの、約6週間から約10週間)継続する。
【0091】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象の子宮に新たに移植される(すなわち、対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離と同じ月経周期の間に対象の子宮に移植される)。例えば、1つ以上の胚は、IVFまたはICSIに備えて対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の約1日~約7日後(例えば、約3日、4日、または5日などの、約3日~約5日)に対象の子宮に移植され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は凍結されており、1つ以上の胚の対象への移植前に解凍される。
【0093】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚はそれぞれ、1つ以上の胚の対象への移植直前に、6~8個の卵割球を含む。卵割球は、1つ以上の胚の対象への移植前に視覚顕微鏡検査によって評価される場合、ほぼ等しい大きさであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、桑実胚の形態を有する胚を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、胞胚(例えば、哺乳動物の胚盤胞)の形態を有する胚を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、式(II)によって表される(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムである。
【化10】
(II)
【0095】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物(すなわち、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム)は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載される核磁気共鳴(NMR)技術および/または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などであり、その開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、米国特許第9,670,155号に記載されるこの化合物の合成中に形成される副生成物など、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0097】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、その(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。例えば、化合物(II)は、15%未満の(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。例えば、化合物(II)は、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、またはそれより少ない(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0098】
いくつかの実施形態では、化合物は結晶状態にある。いくつかの実施形態では、化合物は、約7.05°2θ、13.13°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈する。例えば、化合物は、約7.05°2θ、約12.25°2θ、約13.13°2θ、約16.54°2θ、約18.00°2θ、約21.84°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈し得る。いくつかの実施形態では、化合物は、以下の表1に示されるように特徴的なX線粉末回折ピークを呈する。
表1.化合物(II)の結晶形の特徴的なX線粉末回折(XRPD)ピーク
【表1】
【0099】
いくつかの実施形態では、化合物は対象に経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物は対象に静脈内投与される。例えば、化合物は、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態で対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、分散性錠剤などの錠剤の形態で対象に投与される。分散性錠剤は、例えば、以下の構成成分のうちの1つ以上、またはすべてを有し得る。
a.約1~20重量%のケイ酸カルシウム、
b.約0.1~20重量%のPVP30K、
c.約0.01~5重量%のポロキサマー188、
d.約0.5~20重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1~90重量%の微結晶セルロース112、
f.約1~90重量%のラクトース一水和物、
g.約0.01~0.5重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約0.1~10重量%のグリセロールジベヘネート。
例えば、分散性錠剤は、以下の組成物を有し得る。
a.約5重量%のケイ酸カルシウム、
b.約1重量%のPVP30K、
c.約2重量%のポロキサマー188、
d.約5重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1.5重量%の微結晶セルロース112、
f.約47.8重量%のラクトース一水和物、
g.約0.2重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約4重量%のグリセロールジベヘネート。
【0100】
いくつかの実施形態では、化合物は、約25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、またはそれ以上の化合物を含む単位剤形など、約25mg~約250mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、約50mgの化合物を含む単位剤形など、約25mg~約75mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、約200mgの化合物を含む単位剤形など、約175mg~約225mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。
【0101】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約50mg~約950mgの化合物を投与される。例えば、対象は、用量当たり約50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg,585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、またはそれ以上の化合物を投与され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、または150mgの化合物など、用量当たり約50mg~約150mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約100mgの化合物を投与される。
【0103】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、または350mgの化合物など、用量当たり約250mg~約350mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約300mgの化合物を投与される。
【0104】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、または950mgの化合物など、用量当たり約850mg~約950mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約900mgの化合物を投与される。
【0105】
オキシトシンアンタゴニストの投与は、子宮収縮性の低減を引き起こす。いくつかの実施形態では、対象は、オキシトシンアンタゴニスト投与前に記録された対象の子宮収縮の頻度の測定値に対して約1%~約20%の低減(例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、またはそれ以上の低減)など、オキシトシンアンタゴニストの投与後の子宮収縮の頻度の低減を呈する。
【0106】
いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植前に、約320nM未満の血清プロゲステロン(P4)濃度を呈する。例えば、対象は、1つ以上の胚の対象への移植前に、約200nM~約300nMの血清P4濃度(例えば、約200nM、205nM、210nM、215nM、220nM、225nM、230nM、235nM、240nM、245nM、250nM、255nM、260nM、265nM、270nM、275nM、280nM、285nM、290nM、295nM、または300nMの血清P4濃度)を呈し得る。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植前24時間以内に、320nM未満の血清P4濃度(例えば、1つ以上の胚の対象への移植前1時間以内、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間以内)を呈することが判定されている。
【0107】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植前24時間以内に、約200nM~約300nMの血清P4濃度(例えば、1つ以上の胚の対象への移植前1時間以内、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間以内)を呈することが判定されている。
【0108】
いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0109】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約1日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約2日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0111】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0113】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0114】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約6日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約7日前に、約2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0116】
いくつかの実施形態では、対象は、対象へのhCGの投与の約1時間以下前など、対象へのhCGの投与の約1時間以内に2.0ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約1日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0119】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約2日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0120】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0121】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0122】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0123】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約6日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0124】
いくつかの実施形態では、対象は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の24時間以内、または直前など、1つ以上の胚の対象への移植の約7日前に、約1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0125】
いくつかの実施形態では、対象は、対象へのhCGの投与の約1時間以下前など、対象へのhCGの投与の約1時間以内に1.5ng/ml未満の血清P4濃度を呈することが判定されている。
【0126】
いくつかの実施形態では、血清P4濃度は、対象からの試料(例えば、血液血清試料)の単離の直後に評価される。いくつかの実施形態では、試料(例えば、血液血清試料)は、対象から採取され、プロゲステロン分析の前に保管または保存される。いくつかの実施形態では、(i)試料は、対象から採取され、(ii)試料中のプロゲステロン濃度の判定は、IVF-ETまたはICSI-ETを受けている対象などの対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の直前に行われる。例えば、いくつかの実施形態では、試料は、対象から採取され、血清P4濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に評価される。いくつかの実施形態では、試料は、対象から採取され、血清P4濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に評価される。いくつかの実施形態では、試料は、対象から採取され、血清P4濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に評価される。いくつかの実施形態では、試料は、対象から採取され、血清P4濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に評価される。いくつかの実施形態では、試料は、対象から採取され、血清P4濃度は、例えば、卵母細胞または卵子の回収に備えて、対象へのhCGの投与の約60分、55分、50分、45分、40分、35分、30分、25分、20分、15分、10分、5分前、またはそれより少ないなど、対象へhCGを投与する約60分、55分、50分、45分、40分、35分、30分、25分、20分、15分、10分、5分以内、またはそれより少ないなど、対象へのhCGの投与の約1時間以内に評価される。
【0127】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、本明細書に記載または当該技術分野で既知の質量分析および/または分光技術によって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に、子宮内膜および/または子宮筋層プロスタグランジンE2(PGE2)の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、本明細書に記載または当該技術分野で既知の質量分析および/または分光技術によって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に、子宮内膜および/または子宮筋層プロスタグランジンF2α(PGF2α)の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、ホスファチジルインソリトール-4,5-ビスホスフェート(PIP2)の濃度の増加、ならびに/またはジアシルグリセロール(DAG)、イノシトール-1,4,5-トリスリン酸(IP3)、および/もしくは筋小胞体などのCa2+ストアから放出される細胞内カルシウム(Ca2+)などの、PGF2αシグナル伝達に含まれる1つ以上の二次メッセンジャーの濃度の減少を検出することによって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの投与後に子宮内膜および/または子宮筋層PGF2αシグナル伝達の低減を呈する。例えば、対象は、例えば、子宮内膜および/または子宮筋層[DAG]、[IP3]、ならびに/もしくは[Ca2+]の低減から明らかなように、子宮内膜および/または子宮筋層PGF2αの発現の一時的増加、続いてこれらの組織におけるPGF2αシグナル伝達の低減を呈し得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植後、約14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後、約14日間妊娠を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後、少なくとも6週間妊娠を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、少なくとも10週間妊娠を維持する。
【0129】
いくつかの実施形態では、妊娠は、対象から単離された血液試料中のhCGの存在および/または量を検出することによってなど、血液妊娠検査によって評価される。いくつかの実施形態では、妊娠は、子宮内胚心拍を、例えば、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、約6週以上(例えば、約6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、約6週)で検出することによって評価される。
【0130】
いくつかの実施形態では、対象は、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に妊娠を維持し、生児出生を呈する。例えば、いくつかの実施形態では、対象は、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に妊娠を維持し、約24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の妊娠期間でなど、少なくとも約24週の妊娠期間で生児出生を呈する。
【0131】
別の態様では、本発明は、添付文書と、式(I)によって表される化合物、
【化11】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩などのオキシトシンアンタゴニストとを含むキットを提供し、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
添付文書は、キットの使用者に、本発明の前述の態様および実施形態のいずれかの方法を実行するように指示するものである。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは式(II)によって表される化合物である。
【化12】
(II)
【0132】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物(すなわち、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム)は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などであり、その開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、米国特許第9,670,155号に記載されるこの化合物の合成中に形成される副生成物など、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、その(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。例えば、化合物(II)は、15%未満の(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。例えば、化合物(II)は、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、またはそれより少ない(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0135】
いくつかの実施形態では、化合物は、対象への経口投与のために製剤化され、例えば、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態であり得る。いくつかの実施形態では、化合物は、分散性錠剤などの錠剤として製剤化される。化合物は、約25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、またはそれ以上の化合物を含む単位剤形など、約25mg~約250mgの化合物を含む単位剤形で製剤化され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、約50mgの化合物を含む単位剤形など、約25mg~約75mgの化合物を含む単位剤形で製剤化される。いくつかの実施形態では、化合物は、約200mgの化合物を含む単位剤形など、約175mg~約225mgの化合物を含む単位剤形で製剤化される。
【0136】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、エペルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、レトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、バルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0139】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、アトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0140】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度は、
a.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、によって判定されており、
1つ以上の胚が対象の子宮に移植される。
【0141】
別の態様では、本発明は、
a.対象から単離された試料中のP4の濃度を判定することと、
b.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
c.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、によって、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を特徴とし、
1つ以上の胚が対象の子宮に移植される。
【0142】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法におけるオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度は判定されており、方法は、
a.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、を含み、
1つ以上の胚が対象の子宮に移植される。
【0143】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法におけるオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とし、方法は、
a.対象から単離された試料中のP4の濃度を判定することと、
b.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
c.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、を含み、
1つ以上の胚が対象の子宮に移植される。
【0144】
いくつかの実施形態では、対象は、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定される。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度をP4基準レベルと比較すること、対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベルより低いことを判定すること、および治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、方法は、対象が、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定されていることを対象に知らせるステップを含む。
【0146】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度は、
a.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、
c.対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、によって判定されている。
【0147】
別の態様では、本発明は、
a.対象から単離された試料中のP4の濃度を判定することと、
b.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
c.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、
d.対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、によって、胚移植を受けている対象を治療する方法を特徴とする。
【0148】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法におけるオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度は判定されており、方法は、
a.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
b.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、
c.対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含む。
【0149】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象を治療する方法におけるオキシトシンアンタゴニストの使用を特徴とし、方法は、
a.対象から単離された試料中のP4の濃度を判定することと、
b.P4の濃度をP4基準レベルと比較することと、
c.対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベル未満である場合、対象に治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを投与することと、
d.対象の子宮に1つ以上の胚を移植することと、を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、対象は、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定される。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度をP4基準レベルと比較すること、対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベルより低いことを判定すること、治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与すること、および対象の子宮に1つ以上の胚を移植することを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、方法は、対象が、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定されていることを対象に知らせるステップを含む。
【0152】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法を特徴とし、対象から単離された試料中の前記P4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度が、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いとして対象を特定する。
【0153】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法を特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度を判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして対象を特定する。
【0154】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定するためのデータを収集する方法を特徴とし、対象から単離された試料中の前記P4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度が、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして対象を特定する。
【0155】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定するためのデータを収集する方法を特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度を判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして対象を特定する。
【0156】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法における使用のためのキットの製造において、P4を特異的に検出するためのプローブを特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度が、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして対象を特定する。
【0157】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを判定する方法における使用のためのキットの製造において、P4を特異的に検出するためのプローブを特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度が判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度が、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして対象を特定する。
【0158】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定する方法を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0159】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定する方法を特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度を判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0160】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定するためのデータを収集する方法を特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0161】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定するためのデータを収集する方法を特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度を判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0162】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定する方法における使用のためのキットの製造において、プロゲステロンを特異的に検出するためのプローブを特徴とし、対象から単離された試料中のP4の濃度が判定されており、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0163】
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いかどうかを判定する方法における使用のためのキットの製造において、プロゲステロンを特異的に検出するためのプローブを特徴とし、方法は、対象から単離された試料中のP4の濃度を判定すること、およびP4の濃度をP4基準レベルと比較することを含み、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減したP4の濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして対象を特定する。
【0164】
本発明の前述の12の態様のうちのいくつかの実施形態では、対象は、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定される。
【0165】
いくつかの実施形態では、方法は、対象が、P4基準レベルより低い、対象から単離された試料中のP4の濃度を有するとして特定されていることを対象に知らせるステップを含む。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性があるとして特定されていることを対象に知らせるステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象が、オキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性があるとして特定されていることを対象に知らせるステップを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、方法は、P4基準レベルに対して対象から単離された試料中の低減されたP4の濃度が検出された場合、治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、P4の濃度をP4基準レベルと比較すること、対象から単離された試料中のP4の濃度がP4基準レベルより低いことを判定すること、対象がオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いことを特定することおよび/または対象がオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容能を呈する可能性が高いことを特定すること、ならびに治療有効量のオキシトシンアンタゴニストを対象に投与することを含む。
【0167】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの投与は、対象における胚着床不全の可能性を低減する。
【0168】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象の子宮への移植前に対象に投与される。
【0169】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約24時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約12時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約12時間~約24時間前に対象に投与される。
【0170】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約10時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約9時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約8時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約7時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約6時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約5時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約4時間前に対象に投与される。
【0171】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約2時間~約6時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約3時間~約5時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、もしくは24時間、またはそれ以上前に対象に投与される。
【0172】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約4時間前に対象に投与される。
【0173】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植前に対象に投与される。
【0174】
本発明の上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の用量などの複数回用量で(例えば、複数回定期的用量)胚移植前に(すなわち、1つ以上の胚の対象の子宮への移植の前に)対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植前に24時間毎に20回を超える用量で対象に投与される。
【0175】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植前に対象に投与される。
【0176】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の用量で対象に投与される。
【0177】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の用量で対象に投与される。
【0178】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に1回の用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に2回の用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に3回の用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に4回の用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に5回の用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に6回の用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニスは、化合物(II)の24時間毎に7回の用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植前に対象に投与される。
【0179】
複数回用量は、例えば、胚移植の約1時間~約14日、またはそれ以上前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1時間~約7日、またはそれ以上前に開始して投与される。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1日~約14日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日~約11日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約1日~約7日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約2日~約5日前に開始して投与され得る。いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日~約4日前に開始して投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、対象への胚移植の約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、またはそれ以上前に開始して投与され得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約2日前に開始して投与される。
【0181】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約3日前に開始して投与される。
【0182】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約4日前に開始して投与される。
【0183】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約5日前に開始して投与される。
【0184】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約6日前に開始して投与される。
【0185】
いくつかの実施形態では、複数回用量は、胚移植の約7日前に開始して投与される。
【0186】
いくつかの実施形態では、複数回投与は、対象への胚移植の日に終了する。いくつかの実施形態では、複数回用量は、1つ以上の胚の対象への移植と同時に(例えば、60分以内に)投与される最終用量のオキシトシンアンタゴニストで終了する。
【0187】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、複数回用量は胚移植後も続く。例えば、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植と同時に1つ以上の追加用量で対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約1週間以内、またはそれより長く(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上)投与される1回以上の追加用量などの、胚移植後1回以上の追加用量(例えば、複数の定期投与)で対象に投与される。
【0188】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0189】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で開始して1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0190】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量など、胚移植後に複数回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象にさらに投与される。
【0191】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。
【0192】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の追加用量で対象に投与される。
【0193】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の追加用量で対象に投与される。
【0194】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の追加用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に1回の追加用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に2回の追加用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に3回の追加用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に4回の追加用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に5回の追加用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に6回の追加用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に7回の追加用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0195】
1回以上の追加用量のオキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に対象に投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0196】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の追加の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0197】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与される。
【0198】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植と同時に対象に投与される。
【0199】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~20回の用量など、胚移植の間に開始(例えば、複数回定期的用量で)し、胚移植後に継続する複数回用量で対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続する、10~15回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に、胚移植の間に開始し、胚移植後に継続して対象に投与される。
【0200】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0201】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で開始して1回以上の追加用量で対象に投与される。
【0202】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量など、胚移植後に複数回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象にさらに投与される。
【0203】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象にさらに投与される。
【0204】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の追加用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の追加用量で対象に投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後に、例えば、胚移植後、12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上の追加用量で対象に投与される。
【0206】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の追加用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に1回の追加用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に2回の追加用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に3回の追加用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に4回の追加用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に5回の追加用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に6回の追加用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に7回の追加用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0207】
1回以上の追加用量のオキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に対象に投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0208】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストはまず、1つ以上の胚の対象の子宮への移植と同時に対象に投与され、オキシトシンアンタゴニストは、その後、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の追加の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0209】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象の子宮への移植後に対象に投与される。
【0210】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約24時間以内に対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約12時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約12時間~約24時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約10時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約9時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約8時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約7時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約6時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約5時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間~約4時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約2時間~約6時間以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約3時間~約5時間以内に対象に投与される。
【0211】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植後、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、またはそれ以上で対象に投与される。
【0212】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、単回用量での胚移植後に対象に投与される。
【0213】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、複数回定期的用量でなど、胚移植後に複数回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、胚移植後に1~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量、24時間毎に11回の用量、24時間毎に12回の用量、24時間毎に13回の用量、24時間毎に14回の用量、24時間毎に15回の用量、24時間毎に16回の用量、24時間毎に17回の用量、24時間毎に18回の用量、24時間毎に19回の用量、24時間毎に20回の用量などの、24時間毎に1~20回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後に24時間毎に20回を超える用量で対象に投与される。
【0214】
例えば、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~10回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、24時間毎に1回の用量、24時間毎に2回の用量、24時間毎に3回の用量、24時間毎に4回の用量、24時間毎に5回の用量、24時間毎に6回の用量、24時間毎に7回の用量、24時間毎に8回の用量、24時間毎に9回の用量、24時間毎に10回の用量などの、24時間毎に1~10回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0215】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~5回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~20回の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、10~15回の用量で対象に投与される。
【0216】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、例えば、胚移植後に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間毎、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回の用量、またはそれ以上で対象に投与される。
【0217】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に1回の用量など、24時間毎に1回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に2回の用量など、24時間毎に2回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に3回の用量など、24時間毎に3回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に4回の用量など、24時間毎に4回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に5回の用量など、24時間毎に5回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に6回の用量など、24時間毎に6回の用量で胚移植後に対象に投与される。いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、化合物(II)の24時間毎に7回の用量など、24時間毎に7回の用量で胚移植後に対象に投与される。
【0218】
オキシトシンアンタゴニストが、胚移植後に複数回用量で投与される場合、オキシトシンアンタゴニストの投与は、例えば、胚移植後約1時間~約14日以内、またはそれ以上で終了してもよい。例えば、オキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上で終了してもよい。
【0219】
したがって、いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植後約1日~約14日間、胚移植後の1日用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、1日用量は、胚移植後約3日~約11日間対象に投与される。いくつかの実施形態では、1日用量は、胚移植後7日間対象に投与される。
【0220】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与は、対象が、1つ以上の胚の対象への移植後に流産を有する可能性を低減する。
【0221】
いくつかの実施形態では、試料は血液試料である。
【0222】
いくつかの実施形態では、胚移植療法は、1~2つの胚の対象への移植を含む。いくつかの実施形態では、胚移植療法は、1つの胚の対象への移植を含む。いくつかの実施形態では、胚移植療法は、2つの胚の対象への移植を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物であり、1つ以上の胚は哺乳動物の胚である。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトであり、1つ以上の胚はヒトの胚である。
【0224】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象に由来する1つ以上卵子のIVFによってなど、IVFによって体外で産生される。
【0225】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象に由来する1つ以上卵子へのICSIによってなど、ICSIによって体外で産生される。
【0226】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、対象から単離された1つ以上の卵母細胞に由来する。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つ以上の胚の対象への移植の約2日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に対象から単離される。
【0227】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、1~4つの成熟卵母細胞(すなわち、1~4つの卵子)を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、GnRHアンタゴニストは、対象からの1つ以上の卵母細胞(例えば、1つ以上の成熟卵母細胞を含む)の単離の前に対象に投与される。
【0229】
いくつかの実施形態では、hCGは、例えば、最終的な卵胞成熟を誘導するために、単回静脈内注射によってなど、対象からの1つ以上の卵母細胞(例えば、1つ以上の成熟卵母細胞を含む)の単離の前に対象に投与される。
【0230】
いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵母細胞の単離後に対象に投与される。プロゲステロンは膣内投与され得る。いくつかの実施形態では、用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが対象に投与される。いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵母細胞の単離から約24時間以内に開始し、1つ以上の胚の対象への移植後約6週間以上継続するなど、毎日対象に投与される。
【0231】
いくつかの実施形態では、1つ以上の卵母細胞は、対象から直接単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約2日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の卵子は、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に対象から単離される。
【0232】
いくつかの実施形態では、GnRHアンタゴニストは、単回静脈内注射でなど、対象からの1つ以上の卵子の単離の前に対象に投与される。
【0233】
いくつかの実施形態では、hCGは、例えば、最終的な卵胞成熟を誘導するために、単回静脈内注射によってなど、対象からの1つ以上の卵子の単離の前に対象に投与される。
【0234】
いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵子の単離後に対象に投与される。プロゲステロンは膣内投与され得る。いくつかの実施形態では、用量当たり約300mg~約600mgのプロゲステロンが対象に投与される。いくつかの実施形態では、プロゲステロンは、対象からの1つ以上の卵子の単離から約24時間以内に開始し、1つ以上の胚の対象への移植後約6週間以上継続するなど、毎日対象に投与される。
【0235】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象からの1つ以上の卵母細胞の単離と同じ月経周期の間に対象に移植される。
【0236】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、対象からの1つ以上の卵子の単離と同じ月経周期の間に対象に移植される。
【0237】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は凍結されており、1つ以上の胚の対象への移植前に解凍される。
【0238】
いくつかの実施形態では、1つ以上の胚はそれぞれ、1つ以上の胚の対象への移植直前に、6~8個の卵割球を含む。卵割球は、1つ以上の胚の対象への移植前に視覚顕微鏡検査によって評価される場合、ほぼ等しい大きさであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、桑実胚の形態を有する胚を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、胞胚(例えば、哺乳動物の胚盤胞)の形態を有する胚を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、式(I)によって表される化合物、
【化13】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩であり、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0240】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II)によって表される(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムである。
【化14】
(II)
【0241】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物(すなわち、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム)は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などであり、その開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0242】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、米国特許第9,670,155号に記載されるこの化合物の合成中に形成される副生成物など、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0243】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、その(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。例えば、化合物(II)は、15%未満の(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。例えば、化合物(II)は、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、またはそれより少ない(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0244】
いくつかの実施形態では、化合物は結晶状態にある。いくつかの実施形態では、化合物は、約7.05°2θ、13.13°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈する。例えば、化合物は、約7.05°2θ、約12.25°2θ、約13.13°2θ、約16.54°2θ、約18.00°2θ、約21.84°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈し得る。いくつかの実施形態では、化合物は、上の表1に示されるように特徴的なX線粉末回折ピークを呈する。
【0245】
いくつかの実施形態では、化合物は対象に経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物は対象に静脈内投与される。例えば、化合物は、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態で対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、分散性錠剤などの錠剤の形態で対象に投与される。分散性錠剤は、例えば、以下の構成成分のうちの1つ以上、またはすべてを有し得る。
a.約1~20重量%のケイ酸カルシウム、
b.約0.1~20重量%のPVP30K、
c.約0.01~5重量%のポロキサマー188、
d.約0.5~20重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1~90重量%の微結晶セルロース112、
f.約1~90重量%のラクトース一水和物、
g.約0.01~0.5重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約0.1~10重量%のグリセロールジベヘネート。
例えば、分散性錠剤は、以下の組成物を有し得る。
a.約5重量%のケイ酸カルシウム、
b.約1重量%のPVP30K、
c.約2重量%のポロキサマー188、
d.約5重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1.5重量%の微結晶セルロース112、
f.約47.8重量%のラクトース一水和物、
g.約0.2重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約4重量%のグリセロールジベヘネート。
【0246】
いくつかの実施形態では、化合物は、約25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、またはそれ以上の化合物を含む単位剤形など、約25mg~約250mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、約50mgの化合物を含む単位剤形など、約25mg~約75mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、約200mgの化合物を含む単位剤形など、約175mg~約225mgの化合物を含む単位剤形で対象に投与される。
【0247】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約50mg~約950mgの化合物を投与される。例えば、対象は、用量当たり約50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、またはそれ以上の化合物を投与され得る。
【0248】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、または150mgの化合物など、用量当たり約50mg~約150mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約100mgの化合物を投与される。
【0249】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、または350mgの化合物など、用量当たり約250mg~約350mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約300mgの化合物を投与される。
【0250】
いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、または950mgの化合物など、用量当たり約850mg~約950mgの化合物を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、用量当たり約900mgの化合物を投与される。
【0251】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、エペルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0252】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、レトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0253】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、バルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0254】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、アトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0255】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは経口投与される。
【0256】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは非経口投与される。
【0257】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは静脈内投与される。
【0258】
いくつかの態様では、P4基準レベルは約1.0ng/ml~約2.0ng/mlである。例えば、P4基準レベルは、とりわけ、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、1.5ng/ml、1.6ng/ml、1.7ng/ml、1.8mg/ml、1.9ng/ml、または2.0ng/mlであり得る。いくつかの実施形態では、P4基準レベルは1.5ng/mlである。
【0259】
いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に対象から単離される。例えば、いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の約2日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の約3日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の約4日前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の約5日前に対象から単離される。
【0260】
いくつかの実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の卵母細胞(例えば、1つ以上の成熟卵母細胞を含む)の単離の最大24時間前(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間前)に対象に投与される。いくつかの実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の卵母細胞の単離の直前に対象から単離される。
【0261】
いくつかの実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の卵子の単離の最大24時間前(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間前)に対象に投与される。いくつかの実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の卵子の単離の直前に対象から単離される。
【0262】
いくつかの実施形態では、試料は、hCGを対象に投与してから約1時間以内に対象から単離される。
【0263】
いくつかの実施形態では、P4基準レベルは、約200nMから約400nMである。いくつかの実施形態において、P4基準レベルは320nMである。いくつかの実施形態では、試料は、胚移植の1時間~24時間前、胚移植の1時間~12時間前、胚移植の1時間~8時間前、胚移植の1時間~4時間前、または胚移植の直前~胚移植の1時間前など、1つ以上の胚の対象への移植の最大24時間前に対象から単離される。いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の胚の対象への移植の直前(すなわち、1つ以上の胚の対象への予定された移植の最大60分前)予定されて移植される60分前まで)に対象から単離される。
【0264】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、本明細書に記載または当該技術分野で既知の質量分析および/または分光技術によって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に、子宮内膜および/または子宮筋層PGE2の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、本明細書に記載または当該技術分野で既知の質量分析および/または分光技術によって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に、子宮内膜および/または子宮筋層PGF2αの発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、PIP2の濃度の増加、ならびに/またはDAG、IP3、および/もしくは筋小胞体などのCa2+ストアから放出される細胞内(Ca2+)などの、PGF2αシグナル伝達に含まれる1つ以上の二次メッセンジャーの濃度の減少を検出することによって評価されるとき、オキシトシンアンタゴニストの投与後に子宮内膜および/または子宮筋層PGF2αシグナル伝達の低減を呈する。例えば、対象は、例えば、子宮内膜および/または子宮筋層[DAG]、[IP3]、ならびに/もしくは[Ca2+]の低減から明らかなように、子宮内膜および/または子宮筋層PGF2αの発現の一時的増加、続いてこれらの組織におけるPGF2αシグナル伝達の低減を呈し得る。
【0265】
いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植後、約14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後、約14日間妊娠を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後、少なくとも6週間妊娠を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、少なくとも10週間妊娠を維持する。
【0266】
いくつかの実施形態では、妊娠は、対象から単離された血液試料中のhCGの存在および/または量を検出することによってなど、血液妊娠検査によって評価される。いくつかの実施形態では、妊娠は、子宮内胚心拍を、例えば、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、約6週以上(例えば、約6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、約6週)で検出することによって評価される。
【0267】
いくつかの実施形態では、対象は、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に妊娠を維持し、生児出生を呈する。例えば、いくつかの実施形態では、対象は、オキシトシンアンタゴニストの対象への投与後に妊娠を維持し、約24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の妊娠期間でなど、少なくとも約24週の妊娠期間で生児出生を呈する。
【0268】
別の態様では、本発明は、添付文書およびオキシトシンアンタゴニストを含むキットを提供し、添付文書は、キットの使用者に、本発明の前述の態様および実施形態のいずれかの方法を実行するように指示するものである。この態様のいくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、式(I)によって表される化合物、
【化15】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩であり、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II)によって表される。
【化16】
(II)
【0269】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物(すなわち、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム)は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などであり、その開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0270】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、米国特許第9,670,155号に記載されるこの化合物の合成中に形成される副生成物など、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0271】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、その(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。例えば、化合物(II)は、15%未満の(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。例えば、化合物(II)は、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、またはそれより少ない(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0272】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、エペルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0273】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、レトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0274】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、バルシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0275】
いくつかの実施形態では、オキシトシンアンタゴニストは、アトシバン、もしくはその塩、誘導体、バリアント、結晶形、またはそれらの製剤であり、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤であり、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0276】
本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、対象は、例えば、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳、23歳、24歳、25歳、26歳、27歳、28歳、29歳、30歳、31歳、32歳、33歳、34歳、35歳、36歳、37歳、38歳、39歳、40歳、41歳、42歳、43歳、または44歳のヒトの女性対象など、18歳~44歳のヒトの女性対象などの最大44歳のヒトの女性対象など、ヒトの女性対象である。本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、対象は、例えば、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳、23歳、24歳、25歳、26歳、27歳、28歳、29歳、30歳、31歳、32歳、33歳、34歳、35歳、36歳、37歳、38歳、39歳、40歳、41歳、または42歳のヒトの女性対象など、18歳~42歳のヒトの女性対象などの最大42歳のヒトの女性対象など、ヒトの女性対象である。本発明の上記態様のいずれかのうちのいくつかの実施形態では、対象は、例えば、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳、23歳、24歳、25歳、26歳、27歳、28歳、29歳、30歳、31歳、32歳、33歳、34歳、35歳、または36歳のヒトの女性対象など、18歳~36歳のヒトの女性対象などの最大36歳のヒトの女性対象など、ヒトの女性対象である。
【0277】
定義
本明細書で使用される場合、用語「約」とは、記載されている値の上下10%以内である値を指す。例えば、句「約50mg」は、45mgから55mgまでの間とそれらを含む値を指す。
【0278】
本明細書で使用される場合、用語「親和性」とは、リガンドおよび受容体などの2つの分子間の結合相互作用の強度を指す。用語「Ki」は、本明細書で使用される場合、目的の特定の分子に関するアンタゴニストの抑制定数を指すよう意図され、モル濃度(M)として表される。アンタゴニスト-標的の相互作用に関するKi値は、例えば、当該技術分野で確立されている方法を使用して判定することができる。分子標的に関するアンタゴニストのKiを判定するために使用することのできる方法としては、例えば、その開示がその全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,670,155号に記載の競合放射性リガンド結合アッセイなどの競合結合実験が挙げられる。用語「Kd」は、本明細書で使用される場合、例えば、2つの分子の解離速度定数(kd)の2つの分子の会合速度定数(ka)に対する比から得ることのできる解離定数を指すよう意図され、モル濃度(M)として表される。受容体-リガンドの相互作用に関するKd値は、例えば、当該技術分野で確立されている方法を使用して判定することができる。受容体-リガンド相互作用のKdを判定するために使用することのできる方法としては、例えば、BIACORE(登録商標)システムなどのバイオセンサシステムの使用による表面プラズモン共鳴が挙げられる。
【0279】
本明細書中で使用される場合、用語「生殖補助技術」または「ART」とは、1つ以上の雌性配偶子(卵子)および雄性配偶子(精子細胞)が体外で操作されて卵子受精および接合子または胚の形成を促進する不妊治療を指す。次いで、接合子または胚は、例えば、本明細書に記載の組成物および方法を使用して、女性対象の子宮に移植される。例示的な生殖補助技術手順としては、本明細書に記載され、当技術分野で既知の体外受精(IVF)および細胞質内精子注入法(ICSI)技術が挙げられる。
【0280】
本明細書中で使用される場合、胚移植療法を受けている対象の文脈における用語「利益」とは、対象の状態または胚着床および発達が成功する能力における任意の臨床的改善を指す。1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またその後にオキシトシンアンタゴニストで治療された対象の文脈においてなど、この文脈における例示的な利点は、限定されないが、子宮内膜受容性の増加、ならびに1つ以上の胚の対象への移植後の対象における流産の予防を含む。対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後に、対象における高められた子宮内膜受容性を観察することによって(例えば、本明細書に記載のプロスタグランジンF2α(PGF2α)シグナル伝達の低下を検出することによって評価される場合)および/もしくは少なくとも14日間、6週間、10週間、またはそれ以上の間妊娠を維持する対象の能力を評価することによって、ならびに/または1つ以上の胚の対象への移植の少なくとも24週間後に対象が生児を出産する能力を検出することによって、本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得ると判定され得る。追加的または代替的に、対象は、1つ以上の胚の対象への移植後の流産について対象を監視し、対象が流産をしていないことを観察することによって、本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得ると判定され得る。
【0281】
本明細書中で使用される場合、胚移植療法中の、本明細書中に記載されるオキシトシンアンタゴニストなどの治療剤の投与の文脈における用語「と同時」は、1つ以上の胚が対象の子宮に移植されるときに治療剤が実質的に同時に対象に投与されるプロセスを記載する。例えば、治療剤が、1時間以内(例えば、60分、55分、50分、45分、40分、35分、30分、25分、20分、15分、10分、5分、またはそれ以下)に対象に投与される場合、治療剤は、1つ以上の胚の移植と同時に対象に投与されると考えられる。
【0282】
本明細書中で使用される場合、用語「制御された卵巣過剰刺激」とは、例えば、体外受精(IVF)または細胞質内精子注入法(ICSI)によって、胚形成における使用のための卵母細胞または卵子の回収の前に、ヒト対象などの対象において排卵が誘導される手順を指す。制御された卵巣過剰刺激手順は、卵胞成熟を促進するために、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)および/またはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストの対象への投与を含み得る。制御された卵巣過剰刺激法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第7,405,197号および第7,815,912号に記載されており、その各々の開示は、それらが生殖補助技術と併せて卵胞成熟および排卵を誘導するための方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0283】
本明細書で使用される場合、用語「結晶性」または「結晶形態」とは、原子、イオン、分子、または分子集合体の規則的な三次元配列である物理的状態を有することを意味する。結晶形態は、明確に定義された対称性に従って配置され、三次元で繰り返される単位格子をなす、非対称ユニットと呼ばれる構成要素の格子配列を有する。対照的に、用語「非晶質」または「非晶質形態」とは、系統立てられていない(秩序のない)構造を指す。治療化合物の物理的状態は、x線回折、偏光顕微鏡法、熱重量分析、および/または示差走査熱量測定などの例示的な技術によって判定され得る。
【0284】
本明細書で使用されるように、対象に由来する細胞の文脈における用語「に由来する」とは、対象から単離されるか、また対象から単離された1つ以上の細胞の拡大、分裂、成熟、もしくは操作から得られるかのいずれか(例えば、体外拡大、分裂、成熟、または操作)の哺乳動物の卵子などの細胞を指す。例えば、卵子は、対象が胚移植処置を受ける約1日~約7日前に対象から単離された卵母細胞など(例えば、対象が胚移植処置を受ける約3日~約5日前に対象から単離された卵母細胞)、卵子が対象から直接単離されるか、または対象から単離された卵母細胞の成熟から得られる場合、本明細書に記載のように対象または卵母細胞「に由来する」。
【0285】
本明細書中で使用される場合、用語「分散性錠剤」とは、水中で急速に崩壊し得、対象によって飲み込まれるか、または水中で急速に崩壊され、その後、本明細書に記載される胚移植療法を受けている対象などの対象によって飲み込まれることを意図する錠剤を指す。
【0286】
本明細書で使用される場合、用語「用量」とは、生殖補助技術の文脈において子宮内膜受容性を高め、成功した胚着床を促進するためなど、障害または状態の治療のために対象に投与される、本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニストなどの治療剤の量を指す。本明細書に記載の治療剤は、単回用量または複数回用量で投与され得る。各場合において、治療剤は、治療剤の1つ以上の単位剤形を使用して投与され得る。例えば、100mgの治療剤の単回用量が、例えば、2つの50mgの治療剤の単位剤形を使用して投与され得る。同様に、300mgの治療剤の単回用量が、とりわけ、例えば、6つの50mgの治療剤の単位剤形または2つの50mgの治療剤の単位剤形および1つの200mgの治療剤の単位剤形を使用して投与され得る。同様に、900mgの治療剤の単回用量が、とりわけ、例えば、6つの50mgの治療剤の単位剤形および3つの200gの治療剤の単位剤形または10の50mgの治療剤の単位剤形および2つの200mgの治療剤の単位剤形を使用して投与され得る。
【0287】
本明細書中で使用される場合、用語「胚」とは、受精卵の多細胞の接合後誘導体を指す。胚は2つ以上の卵割球を含み得る。例えば、本発明の組成物および方法とともに使用するための胚は、6~8個の卵割球を含むものを含む。胚は、例えば、胚移植療法を受けている対象またはドナーから単離された卵子、または胚移植療法を受けている対象またはドナーから単離された卵母細胞の成熟によって産生され得る卵子など、卵子の体外受精(IVF)によって体外で産生され得る。胚は、例えば、胚移植療法を受けている対象またはドナーから単離された卵子、または胚移植療法を受けている対象またはドナーから単離された卵母細胞の成熟によって産生され得る卵子など、卵子の細胞質内精子注入法(ICSI)によって体外で産生され得る。胚は、卵子受精およびそれに続く接合子の有糸分裂から生じる様々な多細胞形態を有し得る。例えば、胚は、典型的には卵子受精の約3日~約4日後に形成され、球状配置で隣接して詰められた2個以上の細胞(2~16個の細胞など、例えば、6~8個の細胞)を含む、桑実胚の形態を有し得る。胚は、典型的には卵子受精の約5日~約7日後に形成される胞胚形(例えば、哺乳動物のまたは栄養外胚葉)の形態を有し得、内部細胞塊および液体で満たされた腔(例えば、哺乳動物の胞胚腔)を囲む細胞の外層(例えば、哺乳動物の栄養芽層または栄養芽層)を含む球状形態によって特徴付けられる。胚盤胞は、例えば、約20~約300個の細胞(例えば、約20個の細胞、25個の細胞、30個の細胞、35個の細胞、40個の細胞、45個の細胞、50個の細胞、55個の細胞、60個の細胞、65個の細胞、70個の細胞、75個の細胞、80個の細胞、85個の細胞、90個の細胞、95個の細胞、100個の細胞、105個の細胞、110個の細胞、115個の細胞、120個の細胞、125個の細胞、130個の細胞、135個の細胞、140個の細胞、145個の細胞、150個の細胞、155個の細胞、160個の細胞、165個の細胞、170個の細胞、175個の細胞、180個の細胞、185個の細胞、190個の細胞、195個の細胞、200個の細胞、205個の細胞、210個の細胞、215個の細胞、220個の細胞、225個の細胞、230個の細胞、235個の細胞、240個の細胞、255個の細胞、265個の細胞、270個の細胞、275個の細胞、280個の細胞、285個の細胞、290個の細胞、295個の細胞、または300個の細胞)またはそれ以上を含み得る。
【0288】
本明細書中で使用される場合、用語「胚移植療法」は、1つ以上の胚の対象の子宮内膜への着床を促進するために、哺乳動物対象(例えば、ヒト対象)のなどの対象の子宮に1つ以上の胚が投与される処置を指す。胚は、例えば、体外受精(IVF)または細胞質内精子注入法(ICSI)によって体外で産生され得、任意に、対象に由来する1つ以上の卵子(例えば、対象から単離された1つ以上の卵母細胞の成熟か得られた1つ以上の卵子)を使用するか、またはドナーに由来する1つ以上の卵子(例えば、ドナーから単離された1つ以上の卵母細胞の成熟から得られた1つ以上の卵子)を使用する。胚は、例えば、受精によって産生された1つ以上の胚を使用して、対象またはドナーからの卵母細胞の回収から約3日~約5日以内など、約1日~約7日以内に子宮内胚移植を行うことによって、対象に新たに移植され得る。対象からの卵巣過剰刺激および卵子/卵母細胞の回収が対象への胚移植と同じ月経周期の間に行われる場合、胚移植は「新鮮」と考えられる。代替的には、胚は、長期保存のために凍結保存され、その後、胚移植前に解凍され得る。このプロセスは、本明細書において凍結胚移植(FET)と称される。
【0289】
本明細書で使用される場合、用語「内因性」とは、特定の生物(例えば、ヒト)または生物内の特定の位置(例えば、器官、組織、またはヒト細胞などの細胞)に自然に見出される分子(例えば、ポリペプチド、核酸、または補助因子)を説明するものである。
【0290】
本明細書中で使用される場合、用語「子宮内膜受容性」とは、卵子(例えば、胚移植処置療法を受けている対象から直接、もしくは胚移植処置を受けている対象から得られた1つ以上以上の卵母細胞の成熟によって得られて卵子、または胚移植処置を受けていないドナーから直接、もしくは胚移植処置を受けていないドナーから得られた1つ以上の卵母細胞の成熟によって得られた卵子)の体外受精またはそれへの細胞質内精子注入によって、体外で産生された胚などの胚の適切な着床および発達を促進する最適条件を提供する子宮の能力を指す。子宮内膜受容性は、本明細書に記載の組成物および方法を使用して、例えば、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またはその後に胚移植療法を受けている対象へのオキシトシンアンタゴニストの投与によって、高められ得る(すなわち、増加される)。高められた子宮内膜受容性は、1つ以上の方法で臨床的に明らかになり得る。例えば、高められた子宮内膜受容性を呈する対象(例えば、1つ以上の胚の対象へ移植の前、それと同時、および/またはその後にオキシトシンアンタゴニストでの治療に応答して)は、対象の子宮内膜および/または子宮内膜組織中で減少したプロスタグランジンF2α(PGF2α)シグナル伝達を呈し得る。例えば、対象が、ジアシルグリセロール(DAG)、イノシトール-1,4,5-トリスリン酸(IP3)、および/もしくは筋小胞体などのCa2+ストアから放出される細胞内カルシウム(Ca2+)などの、PGF2αシグナル伝達に含まれる1つ以上の二次メッセンジャーの低減された濃度を示す場合、対象は、オキシトシンアンタゴニスト投与に応じて高められた子宮内膜受容性を呈することが判定され得る。例えば、対象は、オキシトシンアンタゴニストの投与の前の二次メッセンジャーの測定に対して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上の、対象の子宮内膜および/または子宮筋層から単離された組織試料、細胞試料、または血液試料中の前述の二次メッセンジャーのうちの1つ以上の濃度の減少を検出することによって、本明細書に記載されるようにオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈することが判定され得る。胚移植療法を受けている対象における高められた子宮内膜受容性はまた、対象の子宮への胚移植後の期間にわたって妊娠を維持する対象の能力を評価することによって観察され得る。例えば、オキシトシンアンタゴニスト療法に応じて高められた子宮内膜受容性を呈する対象は、例えば、当該技術分野で既知の、および/または本明細書に記載のhCG試験を使用して対象から単離された血液試料中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の存在および/または量を検出することによってなど、血液妊娠検査によって評価されるとき、1つ以上の胚の対象への移植後に少なくとも14日間妊娠を維持し得る。オキシトシンアンタゴニスト療法に応じて高められた子宮内膜受容性を呈する対象は、例えば、子宮内胚心拍を検出することによって評価されるとき、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上卵母細胞または卵子の回収後に、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、または40週間など、少なくとも6週間妊娠を維持し得る。オキシトシンアンタゴニスト療法に応じて高められた子宮内膜受容性を呈する対象は、例えば、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、または40週の妊娠期間で、少なくとも24週の妊娠期間で生児を出産し得る。
【0291】
本明細書で使用される場合、用語「外因性」とは、特定の生物(例えばヒト)または生物内の特定の位置(例えば、器官、組織、またはヒト細胞などの細胞)に自然に見出されない分子(例えば、ポリペプチド、核酸、または補助因子)を説明するものである。外因性物質には、外部源から生物または生物から抽出された培養物に提供されるものが含まれる。
【0292】
本明細書で使用される場合、用語「妊娠期間」とは、特定の妊娠がどれだけ進んでいるかを説明するものであり、妊娠中の女性対象の最後の月経周期の初日から現在日まで測定される。本明細書で使用される場合、用語「分娩」(出生と呼ばれることもある)とは、妊娠中の女性対象の子宮からの胎児および胎盤の娩出に関する。正常な妊娠の場合、分娩は、約40週間の妊娠期間で起こり得る。本明細書で使用される「早期分娩」とは、通常は約40週である妊娠満期の3週間より前に分娩が始まる状況を指す。すなわち、早期分娩は、例えば、妊娠38週間より前のいずれかの段階で起こる。通常、早期分娩は、処置されなければ、妊娠中の女性対象における分娩の発生または分娩に関連する生理学的変化につながる。早期分娩は、膣出血または子宮膜の破裂に関連する場合もしない場合もある。早期分娩(Preterm labor)は、早産(premature labor)と呼ばれる場合もある。対象の早期分娩の回避は、妊娠期間を延長させ、したがって早産を回避し、ひいては新生児の死亡および病的状態のリスクを低減させ得る。
【0293】
本明細書で使用される場合、用語「ゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト」または「GnRHアンタゴニスト」は、例えば、1つ以上のゴナドトロピンの放出(卵胞刺激ホルモンおよび黄体形成のような)が抑制されるように、ゴナドトロピン放出ホルモン受容体を抑制できる化合物を指す。GnRHアンタゴニストとしては、2-フェニルエチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン誘導体、例えば、米国特許第7,056,927号、第7,176,211号、または第7,419,983号に記載されているものなどが挙げられ、それらのそれぞれの開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。例示的なGnRHアンタゴニストとしては、とりわけ、エラゴリックス、レルゴリックス、ASP-1707、およびSKI2670が挙げられる。
【0294】
本明細書で使用される場合、用語「IC50」とは、参照アゴニストの有効性または生物学的標的の恒常的活性を、例えば、競合リガンド結合アッセイまたはCa2+動員アッセイなどの細胞に基づく機能的アッセイで測定した場合に50%低減させる、物質(アンタゴニスト)の濃度を指す。オキシトシンアンタゴニストのIC50を判定するために使用され得る例示的なCa2+動員アッセイは、米国特許第9,670,155号に記載されているものなどの蛍光イメージングアッセイを含み、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0295】
本明細書で使用される場合、用語「体外受精」(IVF)とは、卵子の受精および接合体形成を促進するために、ヒトの卵子などの卵子が1つ以上の精子細胞と体外で接触されるプロセスを指す。卵子は、胚移植療法を受けているヒト対象などの対象に由来し得る。例えば、卵子は、対象から単離された1つ以上の卵母細胞の成熟から、例えば、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前(対象への胚移植の約3日~約5日前など)に得ることができる。卵子はまた、例えば、当該分野で既知の経膣卵子回収手順によって対象から直接回収され得る。代替的には、卵子は、ドナーに由来するかまたはドナーから単離され得る。
【0296】
本明細書中で使用される場合、用語「細胞質内精子注入法」(ICSI)とは、卵子の受精および接合体形成を促進するために、精子細胞がヒト卵子などの卵子に直接注入されるプロセスを指す。精子細胞は、例えば、精子細胞を卵子の細胞質に直接送達するために、卵細胞膜をマイクロインジェクターで貫通することによって卵子内に注入され得る。本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて有用なICSI手順は、当該技術分野において既知であり、例えば、とりわけ、国際公開第2013/158658号、国際公開第2008/051620号、および国際公開第2000/009674号に記載されており、それらの開示は、それらが細胞質内精子注入を行うための組成物および方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0297】
本明細書中で使用される場合、用語「流産」とは、胚または胎児が母親とは無関係に生存することができない段階での妊娠の自然発生的な自発的終了を指す。例えば、ヒト対象において、胎または胎児は、約20週未満の妊娠期間(例えば、約1週間、2週間、3週間、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、または20週の妊娠期間)で母親とは無関係に生存することができない場合がある。
【0298】
本明細書で使用される場合、用語「経口バイオアベイラビリティ」とは、哺乳動物(例えばヒト)などの対象に投与された化合物のうち、対象の体循環に達するもので、非標的器官内に隔離されることも消化管に吸収されずに排泄されることもない割合を指す。この用語は、経時的に組み込まれる血漿濃度を指し、通常、経口投与された用量に対する百分率として表される。
【0299】
本明細書中で使用される場合、用語「卵子」および「成熟卵母細胞」とは、成熟一倍体女性の生殖細胞または配偶子を指す。本明細書中に記載されるような生殖補助技術の文脈において、卵子は、胚移植療法を受けている対象から単離された1つ以上の卵母細胞の成熟によって体外で産生され得る。卵子はまた、例えば、本明細書に記載されているか、または当該技術分野において既知の経膣卵子回収方法によって対象から直接単離され得る。
【0300】
本明細書で使用される場合、用語「オキシトシンアンタゴニスト」または「OTアンタゴニスト」とは、例えば、オキシトシンシグナル伝達カスケードにおける1つ以上の下流シグナル伝達分子の活性が抑制されるように、オキシトシン受容体を阻害することのできる化合物を指す。本明細書に記載の組成物および方法とともに使用するためのオキシトシンアンタゴニストには、米国特許第7,115,754号に記載されているものなどのピロリジン-3-オンオキシム誘導体が挙げられ、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。例えば、オキシトシンアンタゴニストには、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されているように、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムが挙げられ、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。オキシトシンアンタゴニストのさらなる例としては、とりわけ、アトシバン、レトシバン、バルシバン、およびエペルシバン、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。例えば、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るオキシトシンアンタゴニストには、エペリバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るさらなるオキシトシンアンタゴニストには、レトシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、バルシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤がさらに挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、アトシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤がさらに挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0301】
本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、胚移植を受けている対象における胚着床不全の可能性を低減するなど、影響を及ぼしているまたは影響を及ぼし得る特定の疾患または状態を防止し、処置、または制御するために、哺乳動物、例えばヒトなどの対象に投与される本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニストなどの治療化合物を含有する混合物を指す。
【0302】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」とは、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、および他の問題となる合併症を伴わずに哺乳動物(例えばヒト)などの対象の組織と接触させるのに好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
【0303】
本明細書中で使用される場合、用語「プローブ」とは、目的の分析物に特異的に結合し、その存在を検出することができる、抗体などの薬剤を指す。プロゲステロンの検出において使用するための例示的なプローブとしては、米国特許第4,720,455号に記載のATCC受託番号HB8886によって製造および放出されるものなどの、本明細書に記載のおよび当該技術分野において既知のモノクローナル抗体が挙げられ、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0304】
本明細書中で使用される場合、用語「プロスタグランジンF2αシグナル伝達」または「PGF2αシグナル伝達」とは、1つ以上の生物学的応答をもたらすためにPGF2αがPGF2α受容体の細胞内活性を増強する内因性シグナル伝達カスケードを指す。PGF2αシグナル伝達は、Gqタンパク質の活性化をもたらし、次にホスホリパーゼC(PLC)、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)、ならびに細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)1および2をもたらす、PGF2α受容体(FP)、Gタンパク質共役受容体のPGF2α媒介刺激を包含する。PGF2αシグナル伝達は、ホスファチジルインソリトール-4,5-ビスホスフェート(PIP2)の濃度の増加、ならびに/またはジアシルグリセロール(DAG)、イノシトール-1,4,5-トリスリン酸(IP3)、および/もしくは筋小胞体などのCa2+ストアから放出される細胞内カルシウム(Ca2+)などの、PGF2αシグナル伝達に含まれる1つ以上の二次メッセンジャーの濃度の減少を観察することによって検出され得る。PGF2αシグナル伝達カスケードは、例えば、Xu et al.,Reproduction 149:139-146(2015)に詳細に記載されており、その開示は、それがPGF2αシグナル伝達に含まれるタンパク質およびメッセンジャーに関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0305】
本明細書中で使用される場合、用語「プロゲステロン基準レベル」および「P4基準レベル」は、哺乳動物対象(例えば、胚移植処置を受けているヒト対象)内、またはこれより以下で、対象の子宮への1つ以上の胚の移植と同時に、および/もしくはその後に、対象がオキシトシンアンタゴニストから利益を得る可能性が高いことを示す、哺乳動物対象から単離された試料(血清試料など)内に存在するプロゲステロンの濃度を指す。本明細書中に記載されるように、P4基準レベルは、患者の血清プロゲステロンレベルが評価される時点に応じて異なる値を有し得る。例えば、胚移植処置の日にヒト対象の血清中に存在するP4の濃度と比較する場合、約320nMのP4基準レベルは、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る。別の実施例では、卵母細胞または卵子の対象からの回収日にヒト対象の血清中に存在するP4の濃度と比較する場合、約1.5ng/mlのP4基準レベルは、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得る。
【0306】
本明細書で使用される場合、用語「試料」とは、対象から単離された検体(例えば、血液、血液成分(例えば、血清または血漿)、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、組織(例えば、胎盤組織または皮膚組織)、膵液、絨毛膜絨毛試料、および/または細胞)を指す。
【0307】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」および「結合する」という表現は、例えば、特殊性のあるリガンドによって認識されるタンパク質および他の生物学的分子の異種集団における特定のタンパク質の存在を判定する結合反応を指す。タンパク質に特異的に結合するリガンド(例えば、タンパク質、ペプチド、または小分子)は、例えば、100nM未満のKDでそのタンパク質に結合する。例えば、タンパク質に特異的に結合するリガンドは、最大100nM(例えば、1pM~100nM)のKDでそのタンパク質に結合し得る。タンパク質またはそのドメインに対して特異的な結合を呈さないリガンドは、その特定のタンパク質またはそのドメインに対して100nM超(例えば、200nM、300nM、400nM、500nM、600nm、700nM、800nM、900nM、1μM、100μM、500μM、または1mM超)のKDを呈し得る。特定のタンパク質に対するリガンドの親和性を判定するためには、様々なアッセイ形式が使用され得る。例えば、固相ELISAアッセイは、標的タンパク質に特異的に結合するリガンドを特定するために日常的に使用されている。特定のタンパク質の結合を判定するために使用され得るアッセイ形式および条件の説明に関しては、例えば、Harlow & Lane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,New York(1988)およびHarlow & Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,New York(1999)を参照されたい。
【0308】
本明細書で使用される場合、用語「対象」および「患者」は互換的であり、本明細書に記載される特定の疾患または状態の処置を受ける生物を指す。対象および患者の例としては、胚移植療法の性ホルモン依存性疾患の前、その間、または後に胚着床不全の可能性を低減するためなど、疾患または状態の処置を受けている、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
【0309】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に純粋な」は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載される核磁気共鳴(NMR)および/または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)技術を使用して評価されるとき、少なくとも85%の純度を有する化合物を指す。
【0310】
本明細書で使用されるとき、用語「t最大」とは、化合物が対象の血液(例えば、血清または血漿)中で最大濃度を呈する対象への化合物の投与後の時間を指す。
【0311】
本明細書に記載される化合物、塩形態、結晶多形、治療剤、または他の組成物は、図に「実質的に示されているような」グラフデータを特徴とするものとして参照される場合がある。そのようなデータとしては、限定されないが、とりわけ粉末X線ディフラクトグラム、NMRスペクトル、示差走査熱量測定曲線、および熱重量分析曲線を挙げることができる。当該技術分野では既知であるように、そのようなグラフデータは、化合物、塩形態、結晶多形、治療剤、または他の組成物をさらに定義するための追加の技術的情報を提供し得る。当業者には理解されているように、そのようなデータのグラフ表現は、機器の応答の変動ならびに試料濃度および純度の変動などの要因のために、例えば、ピーク相対強度およびピーク位置のわずかな変動の影響を受ける場合がある。とはいえ、当業者であれば、本明細書の図面におけるグラフデータを、化合物、塩形態、結晶多形、治療剤、または他の組成物に関して生成されたグラフデータと比較し、2組のグラフデータが同じ物質を特徴付けているか2つの異なる物質を特徴付けているかを確認することは、容易に行えよう。例えば、図に「実質的に示されているような」図形データによって特徴付けられるものとして本明細書中で参照される(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムの結晶形は、したがって、1つ以上の小さい変形、例えば、上記のまた当業者に既知の1つ以上の変形を任意に有する、図形データによって特徴付けられる(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムの任意の結晶形を含むと理解されるであろう。
【0312】
本明細書中で使用される場合、胚移植療法を受けている対象の文脈における用語「治療する」または「治療」とは、例えば、子宮内膜受容性を高め、それによって胚着床不全の可能性を低減し、対象の妊娠を促進する目的での、オキシトシンアンタゴニストの投与による治療を指す。治療を必要とするものには、例えば、卵母細胞または卵子の回収とそれに続く体外受精または細胞質内精子注入、およびその後の胚移植を受けている対象などの胚移植療法を受けている、女性のヒト対象などの雌哺乳動物対象が挙げられる。治療を必要とするものには、例えば、ドナーに由来する1つ以上の卵子(例えば、経膣卵子回収によって、またはドナーから直接得られた1つ以上の卵母細胞の成熟によって、ドナーから直接単離される)の体外受精または卵細胞質内精子注入法によって体外で産生された胚を使用して、胚移植療法を受けている、女性のヒト対象などの雌哺乳動物対象もまた挙げられる。対象は、新鮮胚移植または凍結胚移植を受けていてもよく、本明細書に記載の方法に従って、例えば、1、2、3、またはそれ以上の胚を移植されてもよい。対象は、以前に、成功または不成功の胚移植を受けているものであって、以前に1回以上のサイクル(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のサイクル)の不成功の胚移植療法を受けている対象を含む。対象が治療剤の投与後に子宮内膜受容性を呈する場合、対象は、例えば、本明細書に記載の方法によるオキシトシンアンタゴニストの投与によって治療されたと考えられ得る。子宮内膜受容性は、1つ以上の胚の対象への移植後および/または対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の回収後、約14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、またはそれ以上の間など、オキシトシンアンタゴニストの投与後のプロスタグランジンF2α(PGF2α)シグナル伝達の低減、対象の子宮内膜への胚の成功した着床、ならびに肺移植後に妊娠を達成および維持する対象の能力を含む様々な臨床症状において観察され得る。妊娠は、対象から単離された血液試料中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を検出および/もしくは定量化することによって、ならびに/または子宮内胚心拍を検出することによってなど、本明細書に記載の、または当該技術分野で既知の方法を使用して評価され得る。
【0313】
本明細書中で使用される場合、用語「単位剤形」とは、本明細書に記載の胚移植療法を受けている対象などの対象への投与に適切な様式で製剤化される、本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニストなどの治療剤含む単一組成物を指す。単位剤形には、錠剤(例えば、分散性錠剤)、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、ならびに液体懸濁液などの固体および液体製剤が挙げられる。対象は、1つ以上の単位剤形の投与によって治療剤の単回用量を投与され得る。例えば、100mgの治療剤の単回用量が、2つの50mgの治療剤の単位剤形を使用して投与され得る。
【0314】
本明細書で使用する場合、用語「アシル」とは、Rが、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-C(O)Rを指す。
【0315】
本明細書で使用する場合、用語「アシルアミノ」とは、RおよびR'の各々が独立して、水素、C1~C6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-NRC(O)R'を指す。
【0316】
本明細書で使用する場合、用語「アシルオキシ」とは、Rが、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-OC(O)Rを指す。
【0317】
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」とは、Rが、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-O-Rを指す。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどが挙げられる。
【0318】
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシカルボニル」とは、Rが、水素、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-C(O)ORを指す。
【0319】
本明細書で使用される場合、用語「アミノ」とは、RおよびR'の各々が独立して、水素、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、C1~C6アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはRおよびR'は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~8員のヘテロシクロアルキル環を任意に形成することができる化学的部分-NRR'を指す。
【0320】
本明細書で使用される場合、用語「アミノカルボニル」とは、RおよびR'の各々が独立して、水素、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-C(O)NRR'を指す。
【0321】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」とは、単環(例えば、任意に置換されたフェニル)または複数の縮合環(例えば、任意に置換されたナフチル)を有する6~14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を指す。例示的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「アリール」とは、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~C6アルキルアリール、C1~C6アルキルヘテロアリール、C1~C6アルキルシクロアルキル、C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル、アミノ、アンモニウム、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ウレイド、カルバメート、アリール、ヘテロアリール、スルフィニル、スルホニル、アルコキシ、スルファニル、ハロゲン、カルボキシ、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、またはニトロ置換基などを含むアリール部分などの置換アリール置換基を含む。例示的な置換アリール基としては、ビフェニルおよび置換ビフェニル置換基が挙げられる。
【0322】
本明細書で使用する場合、用語「C1~C6アルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシルなどの1~6個の炭素原子を有する任意に分岐したアルキル部分を指す。
【0323】
本明細書中で使用される場合、用語「C2~C6アルケニル」とは、ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、2-メチルアリルなどの2~6個の炭素原子を有する任意に分岐したアルケニル部分を指す。
【0324】
本明細書で使用する場合、用語「C2~C6アルキニル」とは、エチニル、2-プロピニルなどの2~6個の炭素原子を有する任意に分枝したアルキニル部分を指す。
【0325】
本明細書で使用される場合、用語「カルボキシ」とは、化学部分-C(O)OH、ならびにそのイオン化形態、-C(O)O-、およびその塩を指す。
【0326】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの、例えば、3~8個の炭素原子を有する単環式シクロアルキル基を指す。
【0327】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を指す。
【0328】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、単環式ヘテロ芳香族、または二環式もしくは三環式の縮合環ヘテロ芳香族基を指す。例示的なヘテロアリール基としては、任意に置換されたピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジア-ゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリルなどが挙げられる。
【0329】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの1個以上のヘテロ原子を有し、かつ任意に1個以上のオキソ基を有する3~8員ヘテロシクロアルキル基を指す。例示的なヘテロシクロアルキル置換基としては、ピロリジニル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、1-メチルピペラジニル、オキソピペラジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジオキソチアゼパニル、アゾカニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルなどが挙げられる。
【0330】
本明細書で使用される場合、用語「スルファニル」とは、Rが、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-S-Rを指す。例示的なスルファニル基としては、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどが挙げられる。
【0331】
本明細書で使用される場合、用語「スルフィニル」とは、Rが、水素、C1~C6アルキル、-SO-CF3置換基などの1つ以上のハロゲンで置換されているC1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-S(O)-Rを指す。
【0332】
本明細書で使用される場合、用語「スルホニル」とは、Rが、水素、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキル、-SO2-CF3置換基などの1つ以上のハロゲンで置換されているC1~C6アルキル、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-SO2-Rを指す。
【0333】
本明細書で使用される場合、用語「スルホニルアミノ」とは、RおよびR'の各々が独立して、水素、C1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-NRSO2-R'を指す。
【0334】
本明細書で使用される場合、用語「スルホニルオキシ」とは、Rが、水素、C1~C6アルキル、-OSO2-CF3置換基などの1つ以上のハロゲンで置換されているC1~C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、またはC1~C6アルキルヘテロアリールである化学的部分-OSO2-Rを指す。
【0335】
本明細書で使用する場合、用語「ウレイド」とは、化学的部分-NRC(O)NR'R"を指し、R'およびR"の各々が独立して、水素、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~C6アルキルアリール、C1~C6アルキルヘテロアリール、C2~C6アルケニルアリール、C2~C6アルケニルヘテロアリール、C2~C6アルキニルアリール、C2~C6アルキニルヘテロアリール、C1~C6アルキルシクロアルキル、もしくはC1~C6アルキルヘテロシクロアルキルであるか、またはR'およびR"は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~8員のヘテロシクロアルキル環を任意に形成することができる。
【0336】
個々の置換基の定義によって特に制限されない限り、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、および「ヘテロアリール」基などの前述の化学的部分は、例えば、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~C6アルキルアリール、C1~C6アルキルヘテロアリール、C1~C6アルキルシクロアルキル、C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル、アミノ、アンモニウム、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ウレイド、カルバメート、アリール、ヘテロアリール、スルフィニル、スルホニル、アルコキシ、スルファニル、ハロゲン、カルボキシ、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどからなる群から選択される1~5つの置換基で任意に置換され得る。置換は、隣接する置換基は、隣接する官能基置換基の閉環などの閉環を受けて、例えば、ラクタム、ラクトン、環状無水物、アセタール、ヘミアセタール、チオアセタール、アミナール、およびヘミナミナールを形成する、閉環によって形成される置換基を含み、例えば、保護基を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0337】
【
図1】胚移植療法に備えて対象からの卵母細胞を回収した3日後の、100mg(上から3番目の曲線)、300mg(上から2番目の曲線)、900mg(上から1番目の曲線)の化合物(II)のヒト対象への投与後のこの化合物の算出血漿濃度を示すグラフである。これらの薬物動態プロファイルは、胚移植療法に備えて卵母細胞を回収した3日後のアトシバンの投与後のヒト対象におけるアトシバンの算出血漿濃度(下から最初の曲線)とは対照的である。示された用量の化合物(II)は、ヒト対象に経口投与された。アトシバンは、6.75mgのボーラス注入として静脈内にヒト対象に投与され、続いて0~1時間の間18mg/時間の注入、その後、1~3時間の間6mg/時間が投与された。
【
図2】
図1に示される算出薬物動態プロファイルの拡大図である。明確にするために、x軸は、卵母細胞回収の2.9日~3.5日後の値に制限される。
【
図3】以下の実施例1に記載のように、胚移植の訳4時間前にプラセボ(左列)、または100mg、300mg、もしくは900mgの化合物(II)(それぞれ、右の1列目、2列目、および3列目)での治療後の妊娠終了時に、生児出生を呈した(黒丸)ヒト対象、および呈しなかった(白丸)ヒト対象数を示す図表である。生児出生を呈した対象、および呈しなかった対象の数は、胚移植の日の各対象の治療前血清プロゲステロン濃度に対してプロットされ、y軸にnM単位で示される。各列を通る水平線は、すべての対象のうち、胚移植の日に投与前の血清プロゲステロン濃度の第1(25番目の百分位数)、第2(中央値)、および第2(75番目の百分位数)の四分位数を示す。
【
図4】実施例1に記載の研究において、卵母細胞の回収の10週後に妊娠中の陽性と判定されたヒト対象(黒いバー)と、少なくとも24週で生児出生を呈した対象(灰色のバー)との百分率を示すグラフである。これらの特徴を示した対象の割合は、胚移植の日に測定されたときに、x軸上に示される治療前血清プロゲステロン濃度の四分位数の関数としてプロットされる。
【
図5】実施例1に記載の研究において、卵母細胞の回収の10週後に妊娠中の陽性と判定されたヒト対象(黒いバー)と、少なくとも24週で生児出生を呈した対象(灰色のバー)との百分率を示すグラフである。
図5にプロットされた割合は、この測定基準の上位四分位数において胚移植の日に治療前血清プロゲステロン濃度を呈した対象からのデータを除外している。
【発明を実施するための形態】
【0338】
本発明は、生殖補助技術と組み合わせて使用するための組成物および方法を特徴とする。例えば、本明細書に記載の組成物および方法は、対象の子宮内膜受容性を高め、胚着床不全の可能性を低減するために、オキシトシンアンタゴニストを対象に投与することによって胚移植療法を受けている対象を治療するために使用され得る。本明細書に記載の組成物および方法は、胚移植療法を受けた対象における流産の可能性を同様に低減することができる。本明細書に記載される方法を使用して、オキシトシンアンタゴニストは、成功した胚移植および維持される妊娠を促進するために、対象の子宮への1つ以上の胚の移植の前、その間、および/または後に対象に投与され得る。オキシトシンアンタゴニストは、様々な強度の用量または同じ強度の反復用量などの単回用量または複数回用量で投与され得る。例えば、オキシトシンアンタゴニストは、オキシトシンアンタゴニストの最大血漿濃度を達成するために、単回高用量または複数回の低強度用量で投与され得る。本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて有用なオキシトシンアンタゴニストは、式(I)によって表されるピロリジン-3-オンオキシム化合物
【化17】
(I)
またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは塩を含み、
式中、nは、1~3の整数であり、
R
1は、水素およびC
1~C
6アルキルからなる群から選択され、
R
2は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、ヘテロアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルケニルアリール、C
2~C
6アルケニルヘテロアリール、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6アルキニルアリール、C
2~C
6アルキニルヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルシクロアルキル、C
1~C
6アルキルヘテロシクロアルキル、C
1~C
6アルキルカルボキシ、アシル、C
1~C
6アルキルアシル、C
1~C
6アルキルアシルオキシ、C
1~C
6アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル、C
1~C
6アルキルアシルアミノ、C
1~C
6アルキルウレイド、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、スルホニルオキシ、C
1~C
6アルキルスルホニルオキシ、スルホニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、スルフィニル、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、およびC
1~C
6アルキルスルホニルアミノからなる群から選択され、
R
3は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
Xは、酸素およびNR
4からなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルアリール、C
1~C
6アルキルヘテロアリール、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
2およびR
4は、それらが結合する窒素と一緒に、5~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成することができる。この属の化合物は、例えば、米国特許第7,115,754号に記載されており、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。例えば、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るオキシトシンアンタゴニストは、以下の化合物(II)によって表される(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムを含む。
【化18】
(II)
【0339】
本明細書に記載の方法を使用して、高められた子宮内膜受容性を促進し、胚着床不全の可能性を低減し、および/または対象の子宮への1つ以上の胚の移植後の対象における流産を防止するために、化合物(I)または化合物(II)などのオキシトシンアンタゴニストを、哺乳動物対象(例えば、女性のヒト対象)などの対象に投与することができる。本明細書に記載の方法によれば、化合物(II)などの式(I)の化合物は、例えば、約1μM~約20μMの化合物の血清濃度を達成するために、対象の子宮への1つ以上の胚の移植の前、それと同時、および/またはその後に対象に投与され得る。
【0340】
本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るさらなるオキシトシンアンタゴニストとしては、とりわけ、エペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバン、ならびにそれらの誘導体およびバリアントが挙げられる。例えば、本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るオキシトシンアンタゴニストには、エペリバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて使用され得るさらなるオキシトシンアンタゴニストには、レトシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、バルシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤がさらに挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、アトシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤がさらに挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の方法を使用して、胚着床不全の可能性を低減するために、哺乳動物対象(例えば、女性のヒト対象)などの対象に、前述のオキシトシンアンタゴニストのうちの1つを投与することができる。本明細書に記載の方法によれば、高められた子宮内膜受容性を促進し、胚着床不全の可能性を低減し、および/または対象の子宮への1つ以上の胚の移植後の対象における流産を防止するために、前述のオキシトシンアンタゴニストのうちの1つは、対象の子宮への1つ以上の胚の移植の前、それと同時、および/またはその後に、対象に投与され得る。
【0341】
対象は、以前に1回以上の成功または失敗した胚移植処置を受けたことがある対象であってもよい。代替的には、対象は、以前の胚移植サイクルを受けていない対象であってもよい。本明細書に記載の方法によれば、対象に最終的に移植される1つ以上の胚は、例えば、対象またはドナーから単離されたまたはそれらに由来する卵子の体外受精(IFV)または細胞質内精子注入法(ICSI)によって得ることができる。卵子が対象から単離されるかまたはそれに由来する場合、卵子は、直接対象から単離され得るか、または対象から単離された1つ以上の卵母細胞の成熟を誘導することによって体外で産生され得る。卵子または卵母細胞は、例えば、胚移植の約1日~約7日前に対象から単離され得る。いくつかの実施形態では、卵子または卵母細胞は、胚移植の約2日~約5日前(例えば、胚移植の2日、3日、4日、または5日前)に対象から単離される。1つ以上の精子細胞との接触による卵子の受精後、続いて形成される接合体は、桑実胚または胞胚(例えば、哺乳動物の胚盤胞)などの胚を産生するために、体外で成熟され、次いで、子宮内膜への着床のために対象の子宮に移植され得る。本明細書に記載の方法を使用して実施され得る胚移植は、胚生成に使用される卵子または卵母細胞が対象から回収され、その後の胚が同じ月経周期中に対象に移植される新鮮胚移植を含む。代替的には、胚は、対象への移植の前に産生され、長期保管のために凍結保存され得る。
【0342】
本発明は、式(I)もしくは式(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニスト、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、変異体、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストで肺移植療法を受けている対象に適用され得る投与レジメンをさらに特徴とする。本明細書に記載の方法を使用して、子宮内膜受容性を高め、成功した胚着床を促進し、および/または対象における流産の発生を予防するために、胚移植の前、その間、またはその後に、前述の薬剤の1つなどのオキシトシンアンタゴニストが対象に投与され得る。
【0343】
例えば、式(I)または式(II)の化合物は、例えば、対象への約100mg、300mg、もしくは900mgの単回用量で、またはより低い強度の複数回用量で、例えば、各約100mgの反復用量で、対象の子宮への1つ以上の胚の移植の約1時間~約24時間前など、胚移植の数時間前に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、胚移植の約4時間前など、胚移植の約1時間か~約12時間前に対象に投与される。本明細書に記載の方法を使用して、式(I)または式(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニストは、例えば、対象への約100mg、300mg、もしくは900mgの単回用量で、またはより低い強度の複数回用量で、例えば、各約100mgの反復用量で、胚移植から60分以内など、対象の子宮への1つ以上の胚の移植と同時に対象に投与され得る。追加的または代替的に、オキシトシンアンタゴニストは、胚移植の約1時間~約24時間後など、胚移植後に対象に投与され得る。例えば、オキシトシンアンタゴニストは、対象への約100mg、300mg、もしくは900mgの単回用量で、またはより低い強度の複数回用量で、例えば、各約100mgの反復用量で胚移植後に投与され得る。オキシトシンアンタゴニストが複数回用量で投与される投与レジメンでは、化合物(例えば、化合物(I)または化合物(II))が、1日当たり1回の用量~7回の用量など、1日当たり複数回用量で投与され得る。投与は、例えば、対象への胚移植の日に終了してもよく、または胚移植後に継続してもよい。
【0344】
以下の部分は、高められた子宮内膜受容性を促進し、胚着床不全の可能性を低減し、および/または生殖補助処置を受けている対象における流産の発生を防止するために、本発明によって提供される組成物および方法と併せて有用な様々なオキシトシンアンタゴニストの説明、ならびに対象へのオキシトシンアンタゴニストの投与を指導し得る投与レジメンの説明を提供する。
【0345】
(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム(化合物II)
上記の式(II)によって表される(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムなどの式(I)の化合物は、子宮内膜受容性を高め、成功した胚着床を促進し、胚移植療法を受けているまたは受けた対象における流産の可能性を低減するために使用され得る非ペプチド性オキシトシンアンタゴニストである。特に、化合物(II)は、ヒトオキシトシン受容体を52nMのKiで抑制し、培養HEK293EBNA細胞におけるCa2+動員を81nMのIC50で抑制することができる経口活性オキシトシンアンタゴニストである。さらに、化合物(II)がバソプレシンVIa受容体を120nMのKiで抑制するため、化合物(II)は、バソプレシンVIa受容体よりもオキシトシン受容体を選択的に抑制する。この化合物は、42~100%の経口バイオアベイラビリティを呈するため、化合物(II)は、11~12時間の血清半減期および約1~4時間のt最大で、様々な好ましい薬物動態特性をさらに示す。さらに、化合物(II)は、例えば、最大1500mgの用量で、ヒト対象において安全に耐容性がある。化合物(II)の前述の生化学的性質、ならびにこの化合物の合成および精製方法は、例えば、米国特許第9,670,155号に詳細に記載されており、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0346】
化合物(II)の合成
化合物(II)の合成のための例示的な手順は、以下のスキーム1に示される。
スキーム1.化合物(II)の例示的な合成
【化19】
【0347】
化合物(II)の純度
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物(すなわち、(3Z,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシム)は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などであり、その開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0348】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、米国特許第9,670,155号に記載されるこの化合物の合成中に形成される副生成物など、この化合物のジアステレオマーおよびこの化合物の合成中に形成され得る他の副生成物に関して、85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0349】
いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、その(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、式(II)によって表される化合物は、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して85%~99.9%またはそれ以上の純度(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、またはそれ以上の純度)など、少なくとも85%の純度を有する。例えば、化合物(II)は、15%未満の(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。例えば、化合物(II)は、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、またはそれより少ない(3E)ジアステレオマーを含む組成物(例えば、分散性錠剤などの錠剤、カプセル、ジェルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液)の形態で投与され得る。式(II)によって表される化合物の純度は、例えば、当技術分野で周知であり、本明細書に記載されるNMR技術および/またはHPLC手順などのクロマトグラフィー方法を使用して評価され得、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されるそれらの技術などである。
【0350】
治療活性
本発明は、化合物(II)のような式(I)の化合物が、この化合物で治療されていない対象に対して、女性のヒト対象における移植された胚の成功した子宮内膜着床を促進し、妊娠期間を延長することができるという発見に部分的に基づく。具体的には、化合物(II)は、以前に卵巣過剰刺激および卵母細胞回収を受けたヒト対象で実施された臨床試験において、胚着床不全の危険性を低減させることが見出された。化合物(II)などの式(I)の化合物は、様々な測定基準によって評価されるように、成功した胚着床の割合を増加させることが発見された。これらの徴候は、胚移植および/または卵母細胞回収後14日、6週、および10週での陽性妊娠検査の割合の増加、ならびに少なくとも24週の妊娠期間での生児出生率の増加を含むことが見出されている。
【0351】
驚くべきことに、式(I)および(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニストならびに本明細書に記載の他のオキシトシンアンタゴニストは、プロゲステロン(P4)の高められた血清濃度を呈さない対象において特に有効である。例えば、以下の実施例1に詳細に記載されるように、化合物(II)は、成功した胚移植率(例えば、上記の測定基準によって評価されるように)を用量依存的様式で改善することが見出された。この用量依存的応答は、約200nM~約300nM以下などの320nM未満の治療前血清P4濃度を呈した対象において特に強いことが見出された。前述のP4濃度は、1つ以上の胚の対象への移植の日に測定された。これらの高められたP4レベルは、1.0ng/ml~2.0ng/mlのP4濃度(例えば、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、1.5ng/ml、1.6ng/ml、1.7ng/ml、1.8ng/ml、1.9ng/ml、または2.0ng/ml ml、および特に1.5ng/mlのP4濃度)などの対象からの卵母細胞または卵子の回収日の高められたP4濃度を示す。したがって、式(I)もしくは式(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニスト、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、アトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、変異体、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストでの治療から利益を得るという対象の傾向がP4の対象の治療前血清レベルに基づいて判定され得ることが発見されている。
【0352】
本明細書に記載の組成物および方法を使用して、当業者は、オキシトシンアンタゴニストでの治療の前に対象の血清P4濃度を判定することによって、患者の血清P4濃度を決定する前にオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を受ける(例えば、その治療に応答して高められた(すなわち、増加された)子宮内膜受容性を経験する)対象の可能性を評価することができる。対象が、胚移植の日に(例えば、予定された胚移植の直前など、予定された胚移植の最大24時間前)320nM未満の血清P4濃度などの基準レベル未満の血清P4濃度、または卵母細胞もしくは卵子の回収日に(例えば、IVF-ET手順を受けている患者の胚移植の3日~5日前など、IVF-ET手順を受けている患者の胚移植の1日~7日前)1.5ng/ml未満の血清P4濃度を示す場合、対象は、例えば、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またはその後にオキシトシンアンタゴニストを投与され得る。対象が、胚移植の日に(例えば、予定された胚移植の直前など、予定された胚移植の最大24時間前)320nM超の血清P4濃度などの基準レベル超の血清P4濃度、または卵母細胞もしくは卵子の回収日に(例えば、IVF-ET手順を受けている患者の胚移植の3日~5日前など、IVF-ET手順を受けている患者の胚移植の1日~7日前)1.5ng/ml超の血清P4濃度を示す場合、当該技術分野の医師は、対象が、オキシトシンアンタゴニストを投与されない、および/または対象が、対象の血清P4濃度がP4基準レベル未満に低下するようなときまでに、卵母細胞もしくは卵子の回収または胚移植の予定を変更されることを判定し得る。
【0353】
さらに、メカニズムによって制限されることなく、式(I)および(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニスト、ならびに本明細書に記載の他のオキシトシンアンタゴニストは、プロスタグランジンF2α(PGF2α)およびプロスタグランジンE2(PGE2)の一過性過剰発現を促進し得、その後にPGF2αシグナル伝達の伝播を抑制する。PGF2αシグナル伝達の減弱化は、例えば、PGF2α分泌の初期のフレアに応答してPGF2α受容体の脱感作によって起こり得る。このパターンの(i)PGF2αの過渡的に高められた発現、その後の(ii)式(I)および(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニスト、ならびに本明細書に記載の他のオキシトシンアンタゴニストによって誘発されるPGF2αシグナル伝達の低減は、次に、1つ以上の外因性胚に対する子宮内膜の受容性を高めることができ、それによって子宮内膜移植を促進し、胚移植不全の可能性を低減する。特に、P4は、PGF2α発現の負の調節因子であり、それは、式(I)および(II)の化合物などのオキシトシンアンタゴニスト、とりわけ本明細書に記載の他のオキシトシンアンタゴニストが、高められた治療前血清P4濃度を呈さない対象に対して特に強い治療的効果を有し得る。そのような対象には、以下の実施例1および2に記載されるとおり、胚移植の日に320nM以上の治療前血清P4濃度および/または卵母細胞もしくは卵子の回収日に1.5ng/ml以上の治療前血清P4濃度を呈さない対象が挙げられる。
【0354】
前述の発見は、本明細書に記載のオキシトシンアンタゴニスト投与レジメンのための重要な基礎を形成する。1つ以上の移植された胚に対する子宮内膜受容性を最適に高めるために、式(I)および(II)の化合物、ならびにエペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバン、またはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、もしくは製剤などの、本明細書に記載され、当該技術分野において既知のさらなるオキシトシンアンタゴニストは、オキシトシン受容体を飽和させ、胚移植時に受容体の完全な(すなわち、100%)抑制を達成するように対象に投与され得る。これは、例えば、式(I)もしくは(II)の化合物、あるいはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバン、またはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、もしくは製剤などの、本明細書に記載されているか、または当該技術分野において既知の別のオキシトシンアンタゴニストを、化合物の最大血漿濃度が胚移植時に到達されるように、胚移植療法を受けている対象に投与することによって達成され得る。
【0355】
例えば、式(I)または(II)の化合物は、胚移植時に化合物の最大血漿濃度を達成するために、胚移植の約1時間~約8時間前など、胚移植の約1時間~約24時間前に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、様々な用量の化合物(II)の経口投与が化合物の投与後約1時間~約4時間で化合物のピーク血漿濃度をもたらすことが発見されているため、化合物は胚移植の約4時間前に投与される。式(I)または(II)の化合物は、例えば、以下に記載されるように、子宮内膜受容性を高め、成功した胚着床を促進するため、胚移植の前、その間、および/またはその後に投与され得る。
【0356】
以下の部分は、本発明の組成物および方法と併せて使用され得るさらなるオキシトシンアンタゴニスト、ならびに胚移植療法を受けている対象へのオキシトシンアンタゴニストの投与のための投与スケジュール、および対象が対象の治療前プロゲステロンレベル(複数可)に基づいて、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性が高いかどうかを評価する方法をさらに詳細に記載する。
【0357】
オキシトシンアンタゴニスト投与レジメン
胚移植療法を受けているまたは受けた対象における子宮内膜受容性および成功した胚着床を促進し、流産の可能性を低減するために、式(I)もしくは(II)の化合物、または本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストが、胚移植の前、その間、またはその後に対象(例えば、ヒト対象)に投与され得る。各場合において、胚移植前、胚移植時、および/また胚移植の後にオキシトシン受容体を飽和させ、受容体の抑制を達成(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%阻害)するために、式(I)もしくは(II)の化合物、または本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストが対象に投与され得る。
【0358】
胚移植療法の前に開始する投与
式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストは、1つ以上の胚の対象への移植の約1時間~約24時間前など、胚移植前に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、胚移植時に化合物の最大血漿濃度を達成するために化合物が対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、胚移植の約4時間前など、胚移植の約1時間~約8時間前に対象に投与される。
【0359】
式(I)または(II)の化合物は、約100mg、300mg、または900mgの化合物の単回用量などの単回用量で、または複数回用量で胚移植療法を受けている対象に投与され得る。化合物の複数回用量が投与される場合、化合物は、同じ強度の複数回反復用量(例えば、約100mg、300mg、または900mgの化合物の連続用量)で、または様々な強度の複数回用量(例えば、約100mgの化合物の1回以上の用量、続いて約300mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;約300mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;または約900mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約300mgの化合物の1回以上の用量)で投与され得る。複数回用量が投与される場合、化合物は、約100mgまたは300mgの複数回用量でなど、より低量で投与され得る。いくつかの実施形態では、約900mgの化合物など、より高量の複数回用量が、胚移植療法の前に対象に投与され得る。
【0360】
式(I)または(II)の化合物は、胚移植前に単回用量でまたは複数回用量で対象に投与され得る。例えば、胚移植に備えて、対象は、例えば、胚移植前に12時間毎、24時間毎、36時間毎、48時間毎、60時間毎、72時間毎、84時間毎、96時間毎、108時間毎、120時間、132時間毎、144時間毎、156時間毎、168時間毎、またはそれより長く、1~20回の用量を投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、24時間毎に化合物(II)の最大7回x100mgの用量など、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で胚移植前に対象に投与される。複数回用量は、胚移植の訳1時間~7時間、またはそれ以上前など、胚移植前の様々な時点で開始して投与され得る。例えば、いくつかの例では、複数回用量は、胚移植の約1日~約7日前に開始して投与される。追加的にまたは代替的に、式(I)または式(II)の化合物は、胚移植療法に備えて、最大2週間、3週間、4週間、またはそれ以上対象に投与され得る。対象への化合物の投与は、例えば、対象からの卵母細胞または卵子の回収日に開始することができ、それは、例えば、胚移植の約2日~約5日前など、胚移植の約1日~約7日前に起こり得る。対象は、低量の高強度用量(例えば、1回用量当たり約300mgまたは900mgでの、式(I)または(II)の化合物の1回以上の用量)を投与され得る。追加的にまたは代替的に、対象は、より高量の低強度用量(例えば、約100mgで、式(I)または(II)の化合物の2回以上の用量)を投与され得る。
【0361】
胚移植に備えて複数回用量のオキシトシンアンタゴニストが対象に投与される場合、複数回用量は、例えば、対象への胚移植の日に終了してもよい。いくつかの実施形態では、複数回用量は、1つ以上の胚の対象への移植と同時に(例えば、60分以内に)投与される最終用量の化合物で終了する。代替的には、化合物(I)または(II)の複数回用量は胚移植後も継続し得る。例えば、化合物は、胚移植後に1回以上の追加用量で、例えば、複数回反復用量または様々な強度の用量で対象に投与され得る。化合物は、1つ以上の胚の対象への移植後、例えば、約1時間~約1週間以内、またはそれより長く(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上)投与される1回以上の追加用量で対象に投与され得る。化合物(I)または化合物(II)の複数回用量が、胚移植後に対象に投与される場合、対象は、例えば、定期的に追加用量を投与され得る。式(I)または式(II)の化合物は、例えば、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量で胚移植療法後に対象に投与され得る。例えば、化合物は、24時間毎に100mgの化合物(II)の最大7回の用量でなど、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で、胚移植後に対象に投与され得る。
【0362】
胚移植療法中の投与開始
式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストは、対象の子宮への胚の移植から約60分以下以内など、胚移植の間に対象に投与され得る。そのような場合、化合物は、約100mg、300mg、または900mgの式(I)または(II)の化合物の単回用量などの単回用量で、または複数回投与で対象に投与され得る。化合物の単回用量は、例えば、胚移植処置の開始時に投与され得る。例えば、式(I)または(II)の化合物は、対象に移植されるべき1つ以上の胚を含むカテーテルなどの胚送達装置の対象の膣管内への進入時に対象に投与され得る。追加的または代替的に、化合物は、胚送達装置が頸部を超えて対象の子宮内に入ると同時に対象に投与されてもよい。化合物は、胚送達装置から移植されるべき1つ以上の胚の排除時に、および/または対象の子宮もしくは膣管からの胚送達装置の除去時に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、胚移植プロセスの期間中、複数回用量の化合物が投与され得る。式(I)または(II)の化合物は、胚移植プロセス全体を通して、例えば、連続静脈内投与によって連続的に投与され得る。
【0363】
化合物(I)または化合物(II)の複数回用量が、胚移植プロセスの間に開始して対象に投与される場合、複数回用量は、複数回反復用量(例えば、約100mg、300mg、または900mgの化合物の連続用量)で、または様々な強度の複数回用量(例えば、約100mgの化合物の1回以上の用量、続いて約300mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;約300mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;または約900mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約300mgの化合物の1回以上の用量)を含み得る。複数回用量が投与される場合、化合物は、約100mgまたは300mgの複数回用量でなど、より低量で投与され得る。いくつかの実施形態では、約900mgの化合物など、より高量の複数回用量が対象に投与され得る。
【0364】
胚移植中(例えば、胚移植~60分以下以内)に開始したオキシトシンアンタゴニストの投与は、胚移植後も継続し得る。例えば、化合物は、胚移植後に1回以上の追加用量で、例えば、複数回反復用量または様々な強度の用量で対象に投与され得る。化合物は、1つ以上の胚の対象への移植後、例えば、約1時間~約1週間以内、またはそれより長く(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上)投与される1回以上の追加用量で対象に投与され得る。化合物(I)または化合物(II)の複数回用量が、胚移植後に対象に投与される場合、対象は、例えば、定期的に追加用量を投与され得る。式(I)または式(II)の化合物は、例えば、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎、またはそれより長く、1~20回の追加用量で胚移植療法後に対象に投与され得る。例えば、化合物は、24時間毎に100mgの化合物(II)の最大7回の用量でなど、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で、胚移植後に対象に投与され得る。
【0365】
胚移植療法後の投与開始
オキシトシンアンタゴニスト(例えば、式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニスト)の投与は、胚移植プロセスの完了後に開始してもよい。例えば、式(I)または(II)の化合物は、複数回反復用量(例えば、約100mg、300mg、または900mgの化合物の連続用量)で、または様々な強度の複数回用量(例えば、約100mgの化合物の1回以上の用量、続いて約300mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;約300mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約900mgの化合物の1回以上の用量;または約900mgの化合物の1回以上の用量、続いて約100mgの化合物の1回以上の用量および/もしくは約300mgの化合物の1回以上の用量)など、単回用量でまたは複数回用量で胚移植後に対象に投与され得る。複数回用量が投与される場合、化合物は、約100mgまたは300mgの複数回用量でなど、より低量で投与され得る。いくつかの実施形態では、約900mgの化合物など、より高量の複数回用量が胚移植療法後に対象に投与され得る。
【0366】
化合物は、1つ以上の胚の対象への移植後、例えば、約1時間~約1週間以内、またはそれより長く(例えば、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以内、またはそれ以上)投与される1回以上の用量で対象に投与され得る。化合物(I)または化合物(II)の複数回用量が、胚移植後に対象に投与される場合、対象は、例えば、定期的に用量を投与され得る。式(I)または式(II)の化合物は、例えば、1日、1週間、1ヶ月、またはそれより長い期間に1回~20回の用量で、胚移植療法後に対象に投与され得る。例えば、化合物は、24時間毎に100mgの化合物(II)の最大7回の用量でなど、24時間毎に最大7回の用量(例えば、1、2、3、4、5、6、または7回の用量)で、胚移植後に対象に投与され得る。
【0367】
さらなるオキシトシンアンタゴニスト
式(I)および(II)の化合物に加えて、本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて使用され得るオキシトシンアンタゴニストには、エペルシバン、レトシバン、バルシバン、およびアトシバン、ならびにそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、および製剤が挙げられる。以下の部分は、これらの薬剤の説明、ならびにこれらのオキシトシンアンタゴニストの調製のための合成方法を提供する。
【0368】
エペルシバン
本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストとしては、エペルシバン((3R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-[(1R)-1-(2,6-ジメチル-3-ピリジニル)-2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5-ピペラジンジオン)、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第7,550,462号、第7,919,492号、第8,202,864号、第8,742,099号、第9,408,851号、第8,716,286号、または第8,815,856号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。エペルシバンは、以下の構造式(III)に図式的に示される。
【化20】
(III)
【0369】
エペルシバンの調製のための例示的な方法は、例えば、米国特許第8,742,099号に記載されており、以下のスキーム2に示される。
スキーム2.エペルシバンの合成のための例示的な方法
【化21】
(式中、Xは、酸素または硫黄を表す。)前述の化合物は、代替の方法、例えば、前述のスキームに示されるアミド結合形成剤の1つを本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の別のアミド結合形成剤で置き換えることによって合成され得ることが理解されるべきである。
【0370】
レトシバン
本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、レトシバン((3R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-1-[(1R)-1-(2)-メチル-1,3-オキサゾール-4-イル)-2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5-ピペラジンジオン)、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第7,514,437号、第8,367,673号、第8,541,579号、第8,071,594号、第8,357,685号、第8,937,179号、または第9,452,169号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。レトシバンは、以下の構造式(IV)に図式的に示される。
【化22】
(IV)
【0371】
レトシバンの調製のための例示的な方法は、例えば、米国特許第8,937,139号に記載されており、以下のスキーム3に示される。
スキーム3.レトシバンの合成のための例示的な方法
【化23】
前述の化合物は、代替の方法、例えば、前述のスキームに示されるアミド結合形成剤の1つを本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の別のアミド結合形成剤で置き換えることによって合成され得ることが理解されるべきである。
【0372】
バルシバン
本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、バルシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第6,143,722号、第7,091,314号、第7,816,489号、もしくは第9,579,305号、または国際公開第2017/060339号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。バルシバンは、以下の構造式(V)に図式的に示される。
【化24】
(V)
【0373】
バルシバンを調製するための例示的な方法は、例えば、国際公開第2017/060339号に記載されており、固相ペプチド合成、ならびに例えば、チオエーテル化による液相環化を含み得る。前述の化合物は、代替の方法、例えば、国際公開第2017/060339号に示されるアミド結合形成剤の1つを本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の別のアミド結合形成剤で置き換えることによって合成され得ることが理解されるべきである。
【0374】
アトシバン
本明細書に記載の組成物および方法と併せて有用なオキシトシンアンタゴニストには、アトシバン、ならびに塩、誘導体、バリアント、結晶形、およびそれらの製剤、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に記載の塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤が挙げられ、その各々の開示は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。アトシバンは、以下の構造式(VI)に図式的に示される。
【化25】
(VI)
【0375】
アトシバンを調製するための例示的な方法は、例えば、米国特許第4,504,469号および第4,402,942号に記載されており、固相ペプチド合成、ならびに例えば、ジスルフィド結合形成による液相環化を含み得る。前述の化合物は、代替の方法、例えば、米国特許第4,504,469号または第4,402,942号に示されるアミド結合形成剤の1つを本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の別のアミド結合形成剤で置き換えることによって合成され得ることが理解されるべきである。
【0376】
血清プロゲステロン濃度を評価する方法
本明細書に記載の組成物および方法を使用して、当業者は、胚移植療法を受けている対象(例えば、ヒト対象)が、対象の血清プロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルと比較することによって、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性を評価し得る。例えば、当該技術分野の医師は、生殖補助医療プロセスの間に複数の時点のうちの1つで胚移植療法を受けている対象から試料を引き出すことができる。対象の血清プロゲステロン濃度を適切なプロゲステロン基準レベルの濃度と比較すると、対象がプロゲステロン基準レベルと比較して低減された血清プロゲステロン濃度を呈するという判定は、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時、および/またはその後の、式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバンなどの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストなどの、オキシトシンアンタゴニストでの治療に対して対象が特に十分に適しており、それから利益を得る(例えば、治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈する可能性が高い)可能性が高いことを示す。
【0377】
例えば、試料は、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、卵母細胞または卵子の回収日に対象から採取され得る。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、1.5ng/ml、1.6ng/ml、1.7ng/ml、1.8ng/ml、1.9ng/ml、または2.0ng/mlなど、1.0ng/ml~2.0ng/mlであり得る。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、例えば、1.5ng/mlであり得る。次いで、医師は、対象から単離された試料(例えば、血清試料)中のプロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルの濃度と比較し得る。対象がプロゲステロン基準レベルと比較して低減された血清プロゲステロン濃度を呈するという判定は、オキシトシンアンタゴニストでの治療に対して対象が特に十分に適しており、それから利益を得る(例えば、治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈する可能性が高い)可能性が高いことを示す。
【0378】
追加的または代替的に、試料は、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、胚移植処置の日に(例えば、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、卵母細胞または卵子の回収後)対象から採取され得る。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、320nMなど、200nM~300nMまたはそれ以上であり得る。次いで、医師は、対象から単離された試料(例えば、血清試料)中のプロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルの濃度と比較し得る。対象がプロゲステロン基準レベルと比較して低減された血清プロゲステロン濃度を呈するという判定は、オキシトシンアンタゴニストでの治療に対して対象が特に十分に適しており、それから利益を得る(例えば、治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈する可能性が高い)可能性が高いことを示す。
【0379】
対象から単離された試料(例えば、血清試料)中のプロゲステロンの濃度を定量化する方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第9,201,077号に記載されるものなどの競合的酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を含み、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。プロゲステロンに特異的に結合することができ、プロゲステロン検出アッセイと組み合わせて使用され得る抗体は、米国特許第4,720,455号に記載されているようにATCC受入番号HB8886によって製造および放出されるものを含み、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0380】
卵胞の成熟および卵胞細胞/卵子の回収
本明細書に記載の組成物および方法と併せて、卵胞成熟を誘導し、卵母細胞(例えば、成熟卵母細胞)の回収を行うために、様々な方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、卵子または卵母細胞は、胚移植の約2日~約5日前など、1つ以上の胚の対象への移植の約1日~約7日前に対象から単離される。対象から単離された卵子または卵母細胞は、1つ以上の精子細胞との接触時に受精の準備ができている1~4個の成熟卵母細胞など、成熟卵母細胞を含み得る。卵子または卵母細胞は、家族ドナーなど、胚移植療法を受けている対象から単離され得る。
【0381】
胚移植療法を受けている対象、またはドナーは、例えば、本明細書に記載されるかまたは当該技術分野において既知の方法に従って、制御卵巣過剰刺激による卵子または卵母細胞の回収のために準備され得る。例えば、黄体形成ホルモン(LH)の血清濃度の早期の増加を防ぐために、対象またはドナーは、GnRHアンタゴニストを投与され得る。追加的または代替的に、最終的な卵胞成熟は、1つ以上卵子または卵母細胞の単離の前に、対象またはドナーへのhCGの投与によって達成され得る。例えば、hCGは、例えば、当該技術分野において既知の手順による静脈内注射によって、単回用量または複数回用量で対象に投与され得る。
【0382】
いくつかの実施形態では、卵子または卵母細胞の回収後に黄体支持体が対象またはドナーに提供される。これは、例えば、回収手順後にプロゲステロンを対象またはドナーに投与することによって行われ得る。例えば、プロゲステロンは、約300mg~約600mgの用量で対象またはドナーに膣内投与され得る。プロゲステロンは、単回用量でまたは複数回用量で対象に投与され得る。例えば、プロゲステロンは、回収から12時間以内など、1つ以上の卵子または卵母細胞の単離から約24時間以内に開始し、1つ以上の胚の対象への移植後約6週間以上継続して、規則的な間隔で対象に投与され得る。
【0383】
胚の品質と状態
本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて使用するための胚は、例えば、胚の発達の桑実胚または胞胚期にあるものを含む。例えば、本明細書中に記載されるように対象に移植され得る胚は、1つ以上の胚の対象への移植の直前に6~8個の卵割球を含むものを含む。卵割球は、1つ以上の胚の対象への移植前に視覚顕微鏡検査によって評価される場合、ほぼ等しい大きさであり得る。
【0384】
本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて使用するための胚は、例えば、当該技術分野で既知のIVFまたはICSI法によって形成されたものを含む。いくつかの実施形態では、胚は、例えば、IVFまたはICSIのための対象からの1つ以上の卵母細胞または卵子の単離の約1日から約7日(例えば、約2日から約5日)後に、対象の子宮に新たに移植される。いくつかの実施形態では、1つ以上の胚は、解凍して対象への移植前に、凍結し、長期保管のために凍結保存される。胚の凍結保存のための方法は当該技術において既知であり、例えば、国際公開第1991/003935号および国際公開第2010/011766号に記載されており、それらの各々の開示は、それらが凍結保存のための組成物および手順に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0385】
妊娠を評価する方法
本明細書に記載の組成物および方法と組み合わせて使用するための妊娠を評価するための技術は、血液または尿の試料などの、対象から単離された試料の定性的および定量的評価を含む。妊娠を評価するための方法は、対象から単離された試料中のhCGの存在および/または量を検出することを含む。これは、例えば、hCGの検出について米国特許第4,094,963号に記載されている競合放射性リガンド結合アッセイの使用を通してなど、当該技術分野において既知の従来の受容体-リガンド結合アッセイを使用して達成され得、その開示は、それが妊娠を評価するための対象試料におけるhCGを検出する方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。追加的または代替的に、例えば、米国特許第7,989,217号に記載されているように、試験片は、hCG濃度を判定するために使用され得、その開示は、それが妊娠を評価するための対象試料におけるhCGを検出する方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。例えば、米国特許第4,315,908号に記載されているように、対象から単離された尿試料は、妊娠を判定するためにさらに分析され得、その開示は、それが妊娠を評価するための対象試料におけるhCGを検出する方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0386】
追加的または代替的に、妊娠は、胚の心拍などの子宮内心拍を検出すること、または成功した胚着床後に胎児を発達させることによって評価され得る。胚の心拍および胎児の心拍を検出するための組成物および方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第3,780,725号および第4,437,467号に記載されており、それらの各々の開示は、それらが対象の妊娠を評価するための心拍を検出する方法に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0387】
例えば、本明細書に記載されるように、胚移植後、対象は、例えば、前述の手順のうちの1つ以上を使用して、1つ以上の妊娠検査の対象となり得る。対象は、胚移植および/または卵母細胞回収後の約14日、約6週間、約10週間、またはそれ以上でなど、胚移植療法後の1つ以上の時点で妊娠について検査され得る。
【0388】
薬学的組成物
本発明の組成物および方法と共に使用するためのオキシトシンアンタゴニストは、インビボでの投与に好適な生体適合性形態で、女性ヒト対象などの対象に投与するための薬学的組成物へと製剤化され得る。オキシトシンアンタゴニスト(例えば、上記の式(I)または(II)の化合物)を含む薬学的組成物は、好適な希釈剤、担体、または賦形剤をさらに含み得る。オキシトシンアンタゴニストは、例えば、経口または静脈内注射によって対象に投与され得る。通常の保管および使用条件下において、薬学的組成物は、例えば、微生物の増殖を防止するために、防腐剤を含有してもよい。好適な製剤の選択および調製のための従来の手順および成分は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2012,22nd ed.)およびThe United States Pharmacopeia:The National Formulary(2015,USP 38 NF 33)に記載されており、それらの各々の開示は、それらが薬学的組成物の薬学的に許容される製剤に関係するため参照により本明細書に組み込まれる。
【0389】
いくつかの実施形態では、化合物(II)は、本明細書に記載の方法に従って結晶形で対象に投与される。例えば、化合物(II)は、約7.05°2θ、13.13°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈する結晶系で、胚移植療法を受けている対象に投与され得る。例えば、化合物は、約7.05°2θ、約12.25°2θ、約13.13°2θ、約16.54°2θ、約18.00°2θ、約21.84°2θ、および約23.34°2θにおける特徴的なX線粉末回折ピークを呈し得る。いくつかの実施形態では、化合物は、以下の表1に示されるように特徴的なX線粉末回折ピークを呈する。
【0390】
使用化合物
別の態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象の治療における使用のための、式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストを提供し、化合物は、1つ以上の胚を対象の子宮に移植する前に対象に投与され、投与することは、胚着床不全の可能性を低減させる。
【0391】
薬
さらなる態様では、本発明は、胚移植療法を受けている対象の治療のための薬の調製において、式(I)もしくは(II)の化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、バリアント、結晶形、または製剤などの本明細書に記載の別のオキシトシンアンタゴニストを提供し、薬は、1つ以上の胚を対象の子宮に移植する前に対象に投与され、投与することは、胚着床不全の可能性を低減させる。
表1.化合物(II)の結晶形の特徴的なX線粉末回折(XRPD)ピーク
【表2】
【0392】
前述の結晶形は、水性媒体および物理的応力に対する高められた安定性を呈することが示されており、例えば、米国特許公開第2016/0002160号明細書に詳細に記載されており、その開示は、その全体において参照により明細書に組み込まれる。
【0393】
式(I)または(II)の化合物は、経口または静脈内などの様々な経路によって投与され得る。経口投与用に製剤化される場合、化合物は、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、粉末、液体溶液、または液体懸濁液の形態で投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、分散性錠剤などの錠剤の形態で対象に投与される。分散性錠剤は、例えば、以下の構成成分のうちの1つ以上、またはすべてを有し得る。
a.約1~20重量%のケイ酸カルシウム、
b.約0.1~20重量%のPVP30K、
c.約0.01~5重量%のポロキサマー188、
d.約0.5~20重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1~90重量%の微結晶セルロース112、
f.約1~90重量%のラクトース一水和物、
g.約0.01~0.5重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約0.1~10重量%のグリセロールジベヘネート。
例えば、分散性錠剤は、以下の組成物を有し得る。
a.約5重量%のケイ酸カルシウム、
b.約1重量%のPVP30K、
c.約2重量%のポロキサマー188、
d.約5重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e.約1.5重量%の微結晶セルロース112、
f.約47.8重量%のラクトース一水和物、
g.約0.2重量%のサッカリンナトリウム、および
h.約4重量%のグリセロールジベヘネート。
【0394】
化合物(II)の前述の製剤は、対象への投与時に急速な吸収動態を呈することが示されており、例えば、米国特許公開第2015/0164859号明細書に詳細に記載されており、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0395】
化合物(I)または(II)の薬学的組成物は、無菌の水溶液、分散液、または粉末、例えば、無菌溶液もしくは分散液の即時調製のためのものを含み得る。全事例において、その形態は、当該技術分野で既知の技術を使用して滅菌することができ、処置を必要とする対象に容易に投与され得る程度まで流動化することができる。
【実施例0396】
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物および方法がどのように使用、作製、および評価され得るかの説明を当業者に提供するために記述され、純粋に本発明の例示であることを意図し、本発明者らが自身の発明とみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。
【0397】
実施例1.化合物(II)の経口投与は、胚移植療法を受けている対象において成功した胚着床を促進し、妊娠を延長する。
材料および方法
ヒトにおける子宮内膜受容性を高めることおよび成功した胚移植を促進することにおける化合物(II)の有効性について、無作為化二重盲検並行群の第2相臨床研究では、この化合物を様々な強度の用量で胚移植療法を受けている対象に経口投与した。様々な選択基準に基づいて、合計247人の女性対象を治療のために選択した。これらのうち、244人の対象が研究を完了した。研究は、胚移植の日に均一なサイズおよび形状の6~8個の卵割球を有する胚、粒状性を有さない卵細胞質、多核化がないこと、および最大10%の断片化として定義された、良質の少なくとも1つの胚の移植にもかかわらず、hCG検出によって評価された場合に陰性妊娠検査をもたらした最大1回のIVFまたはICSIサイクルを以前に受けた18~36歳の健康な女性ボランティアに開かれていた。研究に含まれる対象は、少なくとも1つの機能的卵巣を有し、研究者および研究スタッフと連絡をとり、研究プロトコルの要件を順守することができた。研究に含まれた対象の人口統計学的要約は以下の表2に示される。データは平均(標準偏差)の形式で表されている。
表2.研究に含まれる対象の人口統計学的要約
【表3】
【0398】
研究に含まれた対象は、対象からの卵母細胞回収日の最大12週間前に開始する最初のスクリーニング期間を受けた。この12週間の期間中、対象は、卵母細胞回収に備えて身体的および婦人科検査を受けた。この分析は、対象のバイタルサインの記録、対象から採取した血液サンプルの血液学的および生化学的分析、尿分析、ならびに対象の病歴の包括的な概評を含んだ。
【0399】
スクリーニング期間の終わりに、対象は、血清LH濃度の早期上昇を防ぐために、GnRHアンタゴニストの投与による制御された卵巣過剰刺激を受けた。制御された卵巣過剰刺激の前に経口避妊薬を用いた同時の前治療が認められたが、必須ではなかった。最終的な卵胞成熟を、対象へのhCGの単回投与で行った。黄体支持を、卵母細胞回収の6~24時間以内に開始して、毎日600mg(3x200mg剤形)の用量で微粉化天然プロゲステロンの膣内投与によって行った。プロゲステロン投与を、胚移植後14日で妊娠が陽性と判定された対象について、胚移植後少なくとも6週間継続した。回収された卵母細胞は、少なくとも1~4個の成熟卵母細胞(すなわち卵子)を含み、これらはその後胚生成のためのIVFまたはICSIに使用された。
【0400】
胚移植処置を卵母細胞回収日の3日後に行った(OPU+3日)。処置を開始する前に、胚移植を受けている対象を監視した。この分析は、バイタルサインの記録、ならびに子宮収縮率および子宮内膜の厚さを評価するための経膣的超音波を含んだ。子宮収縮率が1分当たり1.5収縮以上であることが判明した場合、対象は胚移植に適格であるとみなされた。その後、適格な対象は、治療前血清E2およびP4レベルを判定するために血液試料分析を受けた。
【0401】
適格性を確認した時点で、対象を4つの治療群:単回100mg用量の化合物(II)、単回300mg用量の化合物(II)、単回900mg用量の化合物(II)、またはプラセボのうちの1つに無作為に割り付けた。100mg用量の化合物(II)を投与された対象には、2×50mgの分散性錠剤を投与した。300mg用量の化合物(II)を投与された対象には、2×50mgの分散性錠剤および1×200mgの分散性錠剤を投与した。900mg用量の化合物(II)を投与された対象には、2×50mgの分散性錠剤および4×200mgの分散性錠剤を投与した。化合物(II)で治療されていない対象には、例えば、2×50mgの分散性錠剤および4×200mgの分散性錠剤でプラセボを投与した。対象は、投与前2時間および投与後1時間、水を除いて食物または液体を摂取しなかった。
【0402】
胚移植の約4時間前に、対象に示された用量の化合物(II)またはプラセボを投与した。胚移植の約30分前(化合物(II)またはプラセボの投与から約3.5時間後)に、子宮収縮率を記録するために経膣超音波検査を実施し、血液試料分析を行い、化合物(II)、E2、およびP4の血清濃度の治療後測定値を得た。化合物(II)またはプラセボでの治療後4時間で、対象は従来の手順に従って超音波誘導胚移植を受けた。良質の1~2個の胚を各対象に移植した。胚移植時の子宮収縮を低減させるために、軟質または超軟質カテーテルを使用し、子宮底との接触を避けた。子宮の探査または子宮頸管の拡張が必要な場合、より硬いカテーテルが必要な場合、またはカテーテルの任意の部分に血液が見つかった場合などを含む、胚移植処置中に発生したあらゆる困難を記録した。
【0403】
胚移植の約1時間後、対象は最終的な理学的検査を受け、その後、卵母細胞回収の約14日後(OPU+14日)に行われた最初の追跡来院まで臨床部門から退院した。この時点で、対象は、hCGの検出によって妊娠を評価するために、身体検査ならびに血液試料分析を受けた。妊娠検査が陽性の対象は、研究を継続し、胚移植後約6週間および卵母細胞回収後約10週間(OPU+10週間)で追跡検査を予定していた。胚移植後約6週間で検査のために再来した対象は超音波分析を受けた。妊娠状況を、胚の心拍を検出することによって監視した。研究中に生児出生を呈した対象は、対象の身体的状態を評価するための追跡診察を受ける予定であった。
【0404】
統計分析
この研究から収集されたデータの分析には、両側第1種過誤率0.1(片側第1種過誤率0.05に対応する)を用いた。卵母細胞回収後14日で血液妊娠検査が陰性であった対象は、その後の有効性評価項目について陰性とみなされた(例えば、胚移植後6週および卵母細胞回収後10週での妊娠検査、ならびに生児出生率)。
【0405】
胚移植後6週での妊娠率の分析を、比例尺度変数としてすべての治療群を用いて、比例の直線傾向のCochran-Armitage検定によって実施した。共変量として用量を用いてロジスティック回帰モデルをフィッティングさせ、勾配がゼロに等しいかどうかを試験することによって二次分析を行った。より高い妊娠率が移植された胚の数の増加とともに生じる可能性があるため、有効性に対する移植された胚の数の潜在的な影響を、例えば、共変量としての胚移植率を使用することによって調査した。さらに、潜在的な投与時間の胚移植率の相互作用を調査した。有効性に対する胚移植の困難さのいかなる潜在的な影響もまた調査した。いかなる可能性のあるサイト間効果も同様に調査した。
【0406】
個々の用量対プラセボの比較を、Fisherの正確確率検定によって、およびロジスティック回帰モデル内の対比として検定した。対応する信頼区間を生成した。これらの個々の比較について多重度調整は計画されなかった。
【0407】
卵母細胞回収後14日での陽性血液妊娠検査および卵母細胞回収後10週での陽性胚心拍を、上記と同様の様式で評価した。ベースラインから胚移植の時期までの子宮収縮率の変化を、各用量に関連する子宮収縮率をプラセボ処置対象で観察されたものと比較することによって、ウィルコクソン順位和検定によって分析した。
【0408】
化合物(II)、E2、およびP4の血漿濃度の記述統計量のために、定量限界(LOQ)未満の濃度にゼロの値を割り当て、時点あたりの血漿値の少なくとも2/3がLOQを上回っていた場合に結果を提供した。
【0409】
結果
試験に参加した対象の全体にわたる臨床試験の結果の要約は以下の表3に示される。対象の主なパラメータは、子宮収縮性の相対的変化、胚移植後約14日および6週間での陽性妊娠率、卵母細胞回収後10週間での陽性妊娠率、ならびに少なくとも24週の妊娠期間での生児出生率を含んだ。
表3.臨床試験に参加した全対象における化合物(II)治療の結果
【表4】
*ロジスティックモデル:従属変数としての終点ならびに独立変数としての治療、部位、および胚移植率
**ロジスティックモデルII:従属変数としての終点および独立変数としての治療
【0410】
分析の過程で、300mgの化合物(II)治療群における対象は、研究した残りの対象と比較して高められた治療前血清P4濃度を呈したことが注目された(表2)。これらの高められたP4レベルは、対象からの卵母細胞の回収日の高められたP4濃度を示し、卵母細胞の回収日の1.5ng/mlのP4濃度など、1.0ng/ml~2.0ng/mlのP4濃度を示す。胚移植時に高められた血清P4濃度を呈さなかった対象の間で化合物(II)の効果が特に強く、したがって、卵母細胞回収日に1.5ng/ml以上のレベルでP4濃度を示さなかった可能性が高いことが発見された。以下の表4は、各治療前血清P4濃度四分位数からの対象によって呈される胚移植後6週での妊娠率の要約を提供する。
表4.治療前血清P4濃度四分位数による胚移植後約6週での妊娠率
【表5】
【0411】
以下の表5は、(i)すべての対象によって呈され、(ii)この測定基準の上位四分位数からの治療前血清P4濃度を呈した対象を除く、少なくとも24週の妊娠期間での生児出生率の要約を提供する。
表5.すべての治療前血清P4四分位数からの、およびこの測定基準の上四分位数からの対象を除く対象のうち、少なくとも24週の妊娠期間の生児出生率
【表6】
【0412】
まとめると、これらのデータは、投与前血清P4濃度が高められた対象の間で、より低い全体的な妊娠率が観察されたことを示す。投与前血清P4濃度四分位数1~3からの対象に関して収集したデータを事後分析したところ、化合物(II)の高められた治療効果が観察された(
図3~5)。この分析は以下の表6に要約される。まとめると、これらのデータは、化合物(II)による治療が、有意な用量依存様式(p<0.02)でプラセボ群に対して治療群において妊娠および生児出生率の全体的な増加をもたらすことを示す。
表6.治療前血清P4濃度Q4から対象を除いた化合物(II)治療の結果
【表7】
【0413】
この事後解析は、胚移植の日に血清P4濃度の上昇を示した対象もまた、1.5ng/mlの閾値レベルを超える血清P4濃度など、卵母細胞の回収日に高められた血清P4濃度を呈したことを明らかにした。以下の表7は、最終的な卵胞成熟を誘導するためのhCGの投与前の卵母細胞回収日に1.5ng/mlを超える血清P4濃度を呈したデータが利用可能であった対象の量を要約する。
表7.hCG投与前の卵母細胞回収日に1.5ng/mlを超える血清P4濃度を呈した対象
【表8】
【0414】
表7に示されるように、300mgの治療群は、hCG投与前の卵母細胞回収日に1.5ng/mlを超える血清P4濃度を有する対象の最も高い割合を含んだ。上記の表2は、300mg治療群の対象が、同様に胚移植の日に高められた血清P4濃度(例えば、約320nMの平均血清P4濃度)を呈したことを示す。まとめると、これらのデータは、胚移植の日に320nM以上などの高められた血清P4濃度を呈する対象が、卵母細胞の回収日には1.5ng/ml以上などの高められた血清P4濃度も呈することを示す。
【0415】
上記に記載のように、分析からの上位血清P4四分位数からの対象の除去は、化合物(II)の特に強い治療効果を明らかにした。臨床妊娠の負の予測因子として役立つ胚移植の日の治療前血清プロゲステロン濃度の能力を定量化するために回帰分析を行った。この回帰分析は以下の表8に要約される。
表8.臨床妊娠の負の予測因子としての治療前血清P4の有用性の回帰モデル
【表9】
【0416】
表8に示すように、治療前血清プロゲステロン濃度と臨床妊娠率との間に有意な負の関係が特定された。
【0417】
例えば、PGF2α受容体の脱感作によって、化合物(II)がPGF2αの一過性の過剰発現およびそれに続くPGF2αシグナル伝達の下方制御を促進し得ることが現在発見されている。PGF2αのこの高められた発現およびそれに続くPGF2αシグナル伝達の減衰は、次に、外因的に投与された胚に対する子宮内膜の受容性を高めることができる。特に、P4は、PGF2α発現の負の調節因子であり、それは化合物(II)が高められた治療前血清P4濃度を呈さない対象に対して特に強い治療効果を有する理由を説明し得る。
【0418】
まとめると、この研究から得られたデータは、化合物(II)が子宮内膜受容性を促進し、胚移植療法を受けている対象における胚着床不全の可能性を低減し、様々な妊娠期間を通してそのような対象において妊娠を延長する能力、ならびに生殖補助技術処置の過程でオキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得るという対象の傾向の予測指標として役立つ治療前血清P4濃度の能力を示す。
【0419】
実施例2.対象の治療前血清プロゲステロンレベルに基づく胚移植療法を受けている対象へのオキシトシンアンタゴニストの投与
本明細書に記載の組成物および方法を使用して、熟練した実践者は、胚移植療法を受けているヒト対象が、対象の血清プロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルと比較することによって、オキシトシンアンタゴニスト治療から利益を得る可能性を評価し得る。例えば、対象の治療前血清プロゲステロン濃度に基づいて、当該技術分野の実践者は、対象がオキシトシンアンタゴニスト治療に応答して増加された子宮内膜受容性を呈する可能性が高いかどうかを判定することができる。この判定は、その後、式(I)もしくは(II)のピロリジン-3-オンオキシム化合物、またはエペルシバン、レトシバン、バルシバン、もしくはアトシバン、あるいはそれらの塩、誘導体、変異体、結晶形、または製剤などの本明細書に記載のもしくは当該技術分野で既知の別のオキシトシンアンタゴニストなどの、オキシトシンアンタゴニストを対象に投与するかどうかの実践者の決定を知らせる。
【0420】
例えば、当該技術分野の医師は、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、卵母細胞または卵子の回収日に胚移植療法を受けている対象から試料を採取することができる。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、1.0ng/ml、1.1ng/ml、1.2ng/ml、1.3ng/ml、1.4ng/ml、1.5ng/ml、1.6ng/ml、1.7ng/ml、1.8ng/ml、1.9ng/ml、または2.0ng/mlなど、1.0ng/ml~2.0ng/mlであり得る。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、例えば、1.5ng/mlであり得る。次いで、医師は、対象から単離された試料(例えば、血清試料)中のプロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルの濃度と比較し得る。対象がプロゲステロン基準レベルと比較して低減された血清プロゲステロン濃度を呈するという判定は、オキシトシンアンタゴニストでの治療に対して対象が特に十分に適しており、それから利益を得る(例えば、治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈する可能性が高い)可能性が高いことを示す。そのような判定を下すと、医師は続いて対象にオキシトシンアンタゴニストを投与し得る。オキシトシンアンタゴニストを、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時に、および/またはその後に対象に投与してもよい。
【0421】
追加的または代替的に、医師は、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、胚移植処置の日に(例えば、胚の体外産生のために自己配偶子を使用する対象の場合、卵母細胞または卵子の回収後)対象から試料(例えば、血清試料)を採取してもよい。そのような場合、プロゲステロン基準レベルは、320nMなど、200nM~300nMまたはそれ以上であり得る。次いで、医師は、対象から単離された試料(例えば、血清試料)中のプロゲステロン濃度をプロゲステロン基準レベルの濃度と比較し得る。対象がプロゲステロン基準レベルと比較して低減された血清プロゲステロン濃度を呈するという判定は、オキシトシンアンタゴニストでの治療に対して対象が特に十分に適しており、それから利益を得る(例えば、治療に応答して高められた子宮内膜受容性を呈する可能性が高い)可能性が高いことを示す。そのような判定を下すと、医師は続いて対象にオキシトシンアンタゴニストを投与し得る。オキシトシンアンタゴニストを、1つ以上の胚の対象への移植の前、それと同時に、および/またはその後に対象に投与してもよい。
【0422】
実施例3.化合物(II)の有益なオキシトシンアンタゴニスト作用および代謝プロファイル
本明細書に記載の組成物および方法を使用して、高められた子宮内膜受容性を促進し、胚着床不全の可能性を低減し、および/または対象の子宮への1つ以上の胚の移植後の対象における流産を防止するために、当業者は、式(I)によって表されるオキシトシンアンタゴニスト、例えば、化合物(II)など、胚移植処置を受けている対象にオキシトシンアンタゴニストを投与することができる。化合物(II)をオキシトシンアンタゴニストとして投与する場合、15%未満、10%未満、5%未満、または0.1%未満の(3E)ジアステレオマーを含有する形態でなど、化合物(II)をその(3E)ジアステレオマー、(3E,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-[(2'-メチル-1,1'-ビフェニル-4-イル)カルボニル]ピロリジン-3-オンO-メチルオキシムに関して実質的に純粋な形態で投与することが特に有利であり得る。この利点は、実質的に純粋な化合物(II)が実質的に純粋な(3E)ジアステレオマーと比較して自発性子宮収縮を抑制する優れた能力を呈するという発見に由来する。子宮収縮性は、子宮内膜受容性の一構成要素であり、高められた子宮収縮性は、子宮からの胚の排除および失敗した胚着床につながり得る。化合物(II)とその(3E)ジアステレオマーとの間の子宮収縮抑制におけるこの驚くべき相違は、例えば、米国特許第9,670,155号に記載されている。そこに記載されているように、実質的に純粋な化合物(II)を麻酔した後期妊娠ラットに10、30、および60mg/kgで投与すると、自発的子宮収縮の用量依存的な低減が存在する。実質的に純粋な化合物(II)の経口投与後5~15分で約10%~約20%の自発的子宮収縮の抑制が観察され、60mg/kgの用量で実質的に純粋な化合物(II)の経口投与後170~180分で約42%の抑制が観察された。子宮収縮に関する実質的に純粋な化合物(II)の抑制活性は、同じビヒクルを用いて同じモデル生物において実質的に純粋な(3E)ジアステレオマーのそれよりも著しく高いことが見出された。
【0423】
実質的に純粋な化合物(II)を(3E)ジアステレオマーまたは両方の化合物の異性体混合物と比較してより低い治療有効用量で対象に投与することができるので、抑制活性におけるこの差は重要な臨床的利益をもたらす。
【0424】
異なる抑制効力を呈することに加えて、実質的に純粋な化合物(II)は、その(3E)ジアステレオマーと比較して優れた代謝特性を呈する。実質的に純粋な化合物(II)がチトクロームP450アイソフォーム3A4(CYP3A4)によって優先的に代謝され、一方、実質的に純粋な(3E)ジアステレオマーは、チトクロムP450アイソフォーム2D6(CYP2D6)および2C19(CYP2C19)によって優先的に代謝されることが発見されている。
【0425】
実質的に純粋な化合物(II)およびその(3E)ジアステレオマーの代謝特性を測定するために、ミクロソーム安定性アッセイを実施した。これらの実験を、チトクロームP450単独(CYP)によってまたはウリジン5'-ジホスホグルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)と組み合わせて、実質的に純粋な化合物(II)およびその(3E)ジアステレオマーの代謝を調査するために設計した。実質的に純粋な化合物(II)およびその(3E)ジアステレオマーをそれぞれ、プールした肝臓ミクロソームおよびチトクロームP450単独またはUGTとの組み合わせのいずれかに適切な補因子とともに3μMの濃度でインキュベートした。45分の実験の過程にわたる5つの時点で、化合物を液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析(LC-MS/MS)によって分析した。標準誤差(SE CL
int)および代謝半減期(t
1/2)を伴う固有クリアランス値(CL
int)を計算し、以下の表9に示す。
表9.チトクロームP450単独またはUGTと組み合わせた実質的に純粋な(3Z)および(3E)異性体の代謝
【表10】
【0426】
表9に示されるように、チトクロームP450活性に必要な補因子の存在下での実質的に純粋な化合物(II)およびその(3E)ジアステレオマーのそれぞれの代謝安定性は、組み合わされたシトクロムP450およびUGT活性に必要な共異性体の存在下での各異性体のそれと類似しており、シトクロムP450が各異性体の代謝的分解の主な原因であることを示している。
【0427】
シトクロムP450のCYP3A4、CYP2D6、およびCYP2C19アイソフォームのそれぞれの選択性を判定するために、実質的に純粋な化合物(II)およびその(3E)ジアステレオマーをそれぞれ、5μMの濃度でCYP3A4、CYP2C19、およびCYP2D6アイソフォームのそれぞれを用いてインキュベートした。45分の実験の過程にわたる5つの時点で、化合物をLC-MS/MSによって分析した。各シトクロムP450アイソフォームの存在下での各化合物の代謝半減期とともに、各時点で残存する各化合物の百分率を以下の表10~12に示す。
表10.CYP3A4アイソフォームによる実質的に純粋な(3Z)および(3E)異性体の代謝
【表11】
aスチューデントのt検定:p=0.37
表11.CYP2D6イソ型による実質的に純粋な(3Z)および(3E)異性体の代謝
【表12】
bスチューデントのt検定:p<0.0001
表12.CYP2C19アイソフォームによる実質的に純粋な(3Z)および(3E)異性体の代謝
【表13】
cスチューデントのt検定:p=0.016
【0428】
表10~12に示されるデータは、実質的に純粋な化合物(II)がチトクロームP450のCYP3A4アイソフォームによって優先的に代謝され、一方、実質的に純粋な(3E)ジアステレオマーは、チトクロムP450のCYP2D6およびCYP2C19アイソフォームによって優先的に代謝されることを示す。これらのシトクロムP450アイソフォームによって呈される選択性は、重要な臨床的利益を提供する。CYP2D6およびCYP2D19アイソフォームにおける対立遺伝子変異は、集団の特定のセグメントにおける体内での低減された薬物代謝と相関している(例えば、Lynch et al.,Am.Fam.Physician 76:391-396,2007を参照されたく、その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる)。例えば、Lynchによると、白人の7%および黒人の2~7%が、CYP2D6に依存する薬物の代謝不良者であり、アジア人の5人に1人が、CYP2C19に依存する薬物の代謝不良者である。実質的に純粋な化合物(II)がCYP3A4によって優先的に代謝されるという発見を考慮すると、この化合物は、実質的に純粋な(3E)ジアステレオマーよりもより均一な治療および毒性プロフィールを呈すると予想される。
【0429】
他の実施形態
本明細書において言及されるすべての公開文献、特許、および特許出願は、独立した公開文献または特許出願のそれぞれが参照により組み込まれるものと明確かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0430】
本発明をその特定の実施形態との関連で説明したが、さらなる修正が可能であること、また、本出願は、本発明の原理に概ね従い、かつ本発明が属する当該技術分野で既知または慣習的な行為の範囲内であり、上文に記述された本質的な特徴に適用され得る本発明からの発展形態を含め、本発明のあらゆる変化形態、使用、または適応形態を対象とするよう意図され、また特許請求の範囲に倣うことは理解されよう。
【0431】
他の実施形態が特許請求の範囲内である。