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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078227
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】毛髪コンディショニング方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220517BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20220517BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20220517BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220517BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20220517BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/46
A61K8/89
A61Q5/02
A61K8/36
A61K8/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022034681
(22)【出願日】2022-03-07
(62)【分割の表示】P 2018559856の分割
【原出願日】2017-05-16
(31)【優先権主張番号】16171817.6
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】リー,ニンニン
(72)【発明者】
【氏名】マスカット,ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】サン-ジョージ,マリン・ポーリーン・シャーロット
(57)【要約】      (修正有)
【課題】未処理毛髪と比較して酸化処理毛髪の強化されたコンディショニング方法を提供する。
【解決手段】コンディショニングシャンプー組成物の適用による毛髪のコンディショニング方法であって、毛髪が酸化処理され、コンディショニングシャンプー組成物は、(i)洗浄用界面活性剤を含む水性連続相と、(ii)1マイクロメートル以下の平均液滴直径(D3,2)を有する不揮発性シリコーンの乳化液滴を含む分散相と、(iii)皮膚および/または毛髪用の可溶化油性液体コンディショニング剤とを含む、毛髪のコンディショニング方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンディショニングシャンプー組成物の適用による毛髪のコンディショニング方法であ
って、
前記毛髪が酸化処理された毛髪であり、
前記コンディショニングシャンプー組成物は、
(i)洗浄用界面活性剤を含む水性連続相と、
(ii)1マイクロメートル以下の平均液滴直径(D3,2)を有する不揮発性シリコ
ーンの乳化液滴を含む分散相と、
(iii)皮膚および/または毛髪用の可溶化油性液体コンディショニング剤と
を含み、
前記油性液体コンディショニング剤は、少なくとも1つの無機電解質と、一般式R(X
の化合物から選択される少なくとも1つのリンカー分子との組み込みを介して前記水
性連続相中のひも状ミセルに可溶化されており、式中、Rは、6~10個の炭素原子を有
するアリール環または3~14個の炭素原子を有する一価、二価または三価のアルキルま
たはヒドロキシアルキル鎖であり、nは1~3であり、各Xは独立して-OH、-COO
Hおよび-COO基から選択され、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアルカ
ノールアンモニウムカチオンであり、
前記コンディショニングシャンプー組成物中の可溶化油性液体コンディショニング剤の
レベルが、前記コンディショニングシャンプー組成物の総重量に対して0.45~3重量
%の範囲である、方法。
【請求項2】
前記酸化処理された毛髪が脱色された毛髪である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記油性液体コンディショニング剤が、40℃で3~5cS(mm.s-1)の動粘
度を有する軽質鉱油である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記軽質鉱油のレベルが、前記コンディショニングシャンプー組成物の総重量に対して
0.5~1.5重量%の範囲である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Rが、フェニル環または3~12個の炭素原子を有する一価、二価または三価の線状ア
ルキルまたはヒドロキシアルキル鎖である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記リンカー分子がカプリル酸である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カプリル酸のレベルが、前記組成物の総重量に対して0.05~0.15重量%の
範囲である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
未処理毛髪と比較して酸化処理毛髪の改善されたコンディショニング用の、請求項1~
7のいずれか一項に記載のコンディショニングシャンプー組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪をコンディショニングする方法に関する。より詳細には、本発明は、傷
んだ毛髪を選択的にコンディショニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脱色の目的は、酸化剤とメラニン色素との反応によって天然の毛髪の色を除去または明
るくすることである。使用できる酸化剤の例は過酸化水素、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫
酸塩および過カルバミドのカリウム塩、ナトリウム塩またはアンモニウム塩およびそれら
の混合物である。
【0003】
脱色剤は、酸化染色処理中にも使用される。酸化性(または「永久」)色素組成物は、
毛髪中に拡散することができる小分子である「前駆体色素」を含む。これらの分子は、主
にジアミン、アミノフェノールおよびフェノールの芳香族化合物の3つのクラスに属する
。それらは、毛髪シャフトに拡散するのに十分に小さく、ここで、それらは、一旦過酸化
水素などの酸化剤によって活性化されると、他の前駆体とさらに反応してより大きな着色
複合体を形成する。
【0004】
毛髪の酸化処理は、光、シャンプーおよび汗によって比較的影響を受けない良好な結果
を提供するので、消費者にとって非常に人気がある。しかし、プロセスには欠点がないわ
けではない。長時間にわたり酸化処理を繰り返すと、毛髪が傷んだり弱くなったりして、
破損や光沢が低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリコーンは、しばしば毛髪の感触を改善するためのコンディショニング材料として用
いられる。しかし、酸化処理などの処理によって傷んだ毛髪の場合、このような材料は、
非酸化処理(未処理)毛髪用と同じ、毛髪コンディショニングにおける利益をもたらさな
い可能性がある。
【0006】
本発明はこの問題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、コンディショニングシャンプー組成物の適用による毛髪のコンディショニン
グ方法であって、毛髪が酸化処理された毛髪であり、コンディショニングシャンプー組成
物は、
(i)洗浄用界面活性剤を含む水性連続相と、
(ii)1マイクロメートル以下の平均液滴直径(D3,2)を有する不揮発性シリコ
ーンの乳化液滴を含む分散相と、
(iii)皮膚および/または毛髪用の可溶化油性液体コンディショニング剤と
を含み、
油性液体コンディショニング剤は、少なくとも1つの無機電解質と、一般式R(X)
の化合物から選択される少なくとも1つのリンカー分子との組み込みを介して水性連続相
中のひも状ミセルに可溶化されており、式中、Rは、6~10個の炭素原子を有するアリ
ール環または3~14個の炭素原子を有する一価、二価または三価のアルキルまたはヒド
ロキシアルキル鎖であり、nは1~3であり、各Xは独立して-OH、-COOHおよび
-COO基から選択され、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールア
ンモニウムカチオンであり、
コンディショニングシャンプー組成物中の可溶化油性液体コンディショニング剤のレベ
ルが、コンディショニングシャンプー組成物の総重量に対して0.45~3重量%の範囲
である、毛髪のコンディショニング方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、未処理毛髪と比較して酸化処理毛髪の改善されたコンディショニング用
の、上記のコンディショニングシャンプー組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中で使用される場合、用語「酸化処理毛髪」とは、毛髪を少なくとも1つの酸
化組成物と接触させる少なくとも1つの工程を含む、任意の処理を受けた毛髪を意味する
。ヒトの毛髪のための酸化処理の例は、脱色、染色またはパーマ処理である。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「酸化組成物」は、過酸化水素、過ホウ酸塩、過炭酸
塩、過硫酸塩および過カルバミドのカリウム塩、ナトリウム塩またはアンモニウム塩、お
よびそれらの混合物などの毛髪に使用するのに適した少なくとも1つの酸化剤を含む組成
物を意味する。そのような組成物の例は、酸化染料組成物および脱色組成物である。
【0011】
好ましくは、酸化処理毛髪は脱色された毛髪である。
【0012】
本明細書中で使用される場合、用語「水性連続相」とは、その基礎として水を有する連
続相を意味する。
【0013】
適切には、本発明における使用のための組成物は、(組成物の総重量に対する重量%で
)約50~約90%、好ましくは約55~約85%、より好ましくは約60~約85%、
最も好ましくは約65~約83%の水を含む。
【0014】
洗浄用界面活性剤は、1つ以上のアニオン性界面活性剤から適切に選択することができ
る。
【0015】
本発明における洗浄用界面活性剤として使用するための典型的なアニオン性界面活性剤
としては、それらの分子構造中に8~14個の炭素原子、好ましくは10~14個の炭素
原子を有する有機疎水性基;および好ましくは硫酸塩、スルホン酸塩、サルコシン酸塩お
よびイセチオン酸塩から選択される少なくとも1つの水可溶化基を含有する界面活性剤が
挙げられる。
【0016】
このようなアニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウ
レス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリメチルアミン、ラウレス硫酸トリメチルアミン
、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリメチルエタノールアミン、ラウ
リル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエ
タノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリドナトリウ
ム硫酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラ
ウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリ
ウム、ラウリルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、
ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫
酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、
トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コ
コイルイセチオン酸ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0017】
本発明における洗浄用界面活性剤としての使用に好ましいクラスのアニオン性界面活性
剤は、一般式:
R-O-(CHCH-O)n-SO
(式中、Rは10~14個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基であり、n
は、エトキシ化の平均の程度を表す数であり、1~5、好ましくは2~3.5の範囲であ
り、Mは、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムカチオン、好ま
しくはナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウムまたはトリエタノールアンモ
ニウムである。)のアルキルエーテル硫酸塩またはそれらの混合物である。
【0018】
このような好ましいアニオン性界面活性剤の具体例としては、C10~C12アルキル
硫酸塩およびC10~C12アルキルエーテル硫酸塩のナトリウム、カリウム、アンモニ
ウムまたはエタノールアミン塩(例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム)が挙げられる
【0019】
上述の材料のいずれかの混合物も使用し得る。
【0020】
本発明における使用のための典型的な組成物では、洗浄用界面活性剤のレベルは、一般
に(組成物の全重量に対する重量%で)5~26%の範囲である。
【0021】
本発明の目的上、用語「油性液体」とは、周囲条件下(1気圧、25℃)で自重で流動
することができる油を意味する。用語「油」とは、水(蒸留または等価物)と25℃で0
.1wt%の濃度で混和しない非水性化合物を意味する。
【0022】
本発明における使用に適した油性液体コンディショニング剤(iii)は、一般に40
℃で1000cS(mm.s-1)以下、好ましくは500cS(mm.s-1)以
下、より好ましくは50cS(mm.s-1)以下、最も好ましくは10cS(mm
.s-1)以下、例えば0.5~10cS(mm.s-1)の動粘度を有する。
【0023】
本発明における使用に適切な油性液体コンディショニング剤(iii)は、一般に化粧
品的に許容される油、例えばシリコーン油、炭化水素系油およびそれらの混合物から選択
され得る。
【0024】
本発明の目的のために、用語「シリコーン油」とは、少なくとも1つのケイ素原子、よ
り詳細には少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。用語「炭化水素系油」は、
炭素原子および水素原子から形成され、ならびに酸素および窒素原子から形成されてもよ
い、ケイ素またはフッ素原子を含まない油を意味する。これは、アルコール、エステル、
エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基を含み得る。これらの油は、植物
、鉱物または合成起源のものであってもよい。
【0025】
本発明における使用に適したシリコーン油の例としては、25℃で約0.65~約50
、好ましくは約1.5~約5cS(mm.s-1)の動粘度を有する線状または環状シ
リコーン油が挙げられる。このような材料としては、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタ
メチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデ
カメチルペンタシロキサンおよびそれらの混合物などの2~7個のシロキサン単位を有す
る線状または環状ポリジメチルシロキサンが挙げられる。3~5個のシロキサン単位を有
する直鎖状ポリジメチルシロキサンおよびそれらの混合物が好ましい。このような材料は
、例えばDow Corning(登録商標)200シリーズ液体として市販されている
【0026】
本発明における使用のための好ましい油性液体コンディショニング剤(iii)は、一
般に炭化水素系油から選択される。
【0027】
そのような材料の例としては、C-C50直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和脂肪
族または脂環式炭化水素などの油性液体炭化水素、およびそれらの混合物が挙げられる。
直鎖炭化水素は、好ましくは約12~約30個の炭素原子を含む。分枝鎖炭化水素は、よ
り多くの炭素原子を含むことができ、典型的には含み得る。約6~約16個の炭素、好ま
しくは約6~約12個の炭素を有する1-アルケンモノマーから誘導されたC2-6アル
ケニルモノマー(例えばポリイソブテン、ポリブテン)およびポリα-オレフィン油のポ
リマーなどのポリマー炭化水素も適している(例えば、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、およびそれらの混合物から誘導された
ポリマー)。本発明における使用のためのポリマー炭化水素は、直鎖または分枝鎖ポリマ
ーとすることができ、水素化されていてもよい。そのようなポリマー材料の数平均分子量
は広く変化することができるが、典型的には約200~約3000の範囲である。
【0028】
本発明における使用のための好ましい油性液体炭化水素としては、鉱油が挙げられる。
本発明の文脈における用語「鉱油」は、一般に、200℃を超える沸点を有する飽和炭化
水素の油性液体混合物を意味し、石油(すなわち、鉱物源)から得られる。鉱油飽和炭化
水素には、直鎖(パラフィン)、分枝鎖(イソパラフィン)および環状(ナフテン)構造
、ならびに炭化水素分子あたりの炭素原子の数が一般に約C15~約C50の3つの構造
全てを含む分子が挙げられる。本発明における使用に適した鉱油は、典型的には、様々な
精製工程(例えば、蒸留、抽出および/または結晶化)およびその後の精製(例えば、酸
処理および/または触媒水素化処理)によって石油から得られる。
【0029】
鉱油はまた、それらの粘度の点で特徴付けられ得る。「軽質」鉱油は、一般に40℃で
約34cS(mm.s-1)以下の動粘度を有し、「重質」鉱油は、一般に40℃で約
35cS(mm.s-1)~約240cS(mm.s-1)の範囲の動粘度を有する
【0030】
軽質鉱油(上記で定義した)は、本発明における使用に好ましい。より好ましくは、こ
のような軽質鉱油は、40℃で約10cS(mm.s-1)以下の動粘度を有する。最
も好ましくは、動粘度は40℃で約3~約5cS(mm.s-1)の範囲である。この
タイプの材料は、Lytol(登録商標)という商品名でSonneborn Inc.
から市販されている。
【0031】
本発明における使用に適した他の炭化水素系油としては、油性液体エステルが挙げられ
る。本発明における使用のための油性液体エステルは、一般に、少なくとも10個の炭素
原子を有することを特徴とし、直鎖または分枝鎖のいずれかであってもよい。エステルは
、脂肪酸またはアルコール(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、およびジ
-およびトリ-カルボン酸エステル)から誘導されたヒドロカルビル鎖を有してもよい。
ヒドロカルビル基は、アミドおよびアルコキシ部分(例えば、エトキシまたはエーテル結
合)などの他の適合する官能基を含む、またはそれらと共有結合していてもよい。
【0032】
本発明における使用のための油性液体エステルの例としては、
パルミチン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、プロピオン酸ミリスチル、イ
ソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、
パルミチン酸エチルヘキシル、酢酸セチル、プロピオン酸セチル、ステアリン酸セチル、
ネオペンタン酸イソデシル、オクタン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸
エチルヘキシルおよびこれらの混合物などのC-C22の直鎖または分枝鎖などの脂肪
族一価アルコールエステル、C-C18の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和アルキ
ルエステル、飽和または不飽和アルキルアルコール(エステル中の炭素原子の総数が少な
くとも10であると仮定する);
プロピレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリチルテトラオクタノエート、
トリメチロールプロパントリカプリレート/トリカプリレート、トリオクタノイン、ペン
タエリトリチルテトラペラルゴネート、ソルビタントリオレエート、カプリル/カプリン
トリグリセリド、ネオペンチルアルコールテトラオクタノエートおよびこれらの混合物な
どのC-C22直鎖または分枝鎖などの脂肪族多価アルコールエステル、C-C30
の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和アルキルエステル、飽和または不飽和ポリオール
(エステル中の炭素原子の総数は少なくとも10であると仮定する);
アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル、マレイン酸
ジオクチル、アジピン酸ジイソステアリル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジイソステア
リル、アジピン酸ジオクチルおよびこれらの混合物などのC-C22の直鎖または分枝
鎖などの脂肪族ポリカルボン酸ポリエステル、C-C10の直鎖または分岐鎖の飽和ま
たは不飽和アルキルジエステル、飽和または不飽和ジカルボン酸(エステル中の炭素原子
の総数は少なくとも10と仮定する);および/またはクエン酸トリオクチルドデシル、
クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリイソプロピルおよびそれらの混合物などのC
-C10の直鎖または分枝鎖のC-C22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和ア
ルキルトリエステル、飽和または不飽和トリカルボン酸(エステル中の炭素原子の総数は
少なくとも10と仮定する);および
安息香酸のC12-C15の分岐または不飽和アルキルエステルなどの芳香族酸の脂肪
族エステル
が挙げられる。
【0033】
本発明における使用のための好ましい油性液体エステルは、上記でより詳細に記載され
ている脂肪族一価アルコールエステルおよび/または多価アルコールエステルから選択し
得る。
【0034】
上述の材料のいずれかの混合物も使用し得る。
【0035】
本発明における使用のための組成物中の油性液体コンディショニング剤(iii)のレ
ベルは、使用される(1または複数の)特定の材料に依存するが、一般に、組成物の総重
量に対して約0.5~約3重量%の範囲である。
【0036】
本発明における使用のための好ましい組成物では、油性液体コンディショニング剤(i
ii)は、約0.45~約2%、より好ましくは約0.5~約1.5%(組成物の総重量
に対する重量)の範囲のレベルの油性液体炭化水素、油性液体エステルおよびそれらの混
合物から選択される。
【0037】
本発明における使用のための特に好ましい組成物では、油性液体コンディショニング剤
(iii)は、約0.5~約1.5%のレベル(組成物の総重量に対する重量)の軽質鉱
油(上記で定められる)である。
【0038】
本発明における使用のための組成物において、油性液体コンディショニング剤(iii
)は水性連続相(i)中のひも状ミセルに可溶化される。典型的には、可溶化油性液体コ
ンディショニング剤(iii)は、相分離に対して安定なマイクロエマルジョンを形成す
る。
【0039】
本発明の文脈における「ひも状ミセル」は、水中の界面活性剤分子の自己組織化によっ
て形成される細長い可撓性の凝集体である。閾値濃度を超えると、ひも状ミセルは一時的
なネットワークに絡み合い、ポリマー溶液を連想させ、粘弾性を示す。しかし、共有結合
したポリマー骨格とは異なり、ミセルは溶媒との熱力学的平衡状態にあり、ブラウン揺ら
ぎ下で永久的に破壊、改質される。これは、課されたせん断または伸張流のもとで変化し
得るミセルの長さの広範囲かつ動的な分布をもたらす。
【0040】
ひも状ミセルは、広範囲の長さスケールをカバーするいくつかの構造パラメータによっ
て完全に説明され得る。ミセルの全長は、輪郭長Lと呼ばれ、数(例えば、約1~10)
ナノメートルから数(例えば、約1または2)ミクロンまで変動する。Cryo-TEM
は、ミセルを直接的に可視化し、輪郭長を推定するために使用され得、一方で光および中
性子散乱はより正確な決定をもたらす。ひも状ミセルの半径は、典型的には、数(例えば
約1~10)nmである。ひも状ミセルの説明における別の重要な構造的パラメータは、
ミセルが剛性であると考えられる長さである、持続長lである。ひも状ミセルは非常に
柔軟性があり、マイクロメータ長であり得るものの、その大きな断面から、(lの桁の
)より小さい長さスケールでは、それらが剛体棒として振る舞うということが示唆される
。レオロジー、光および中性子散乱および流動複屈折などの技術は、lならびにシミュ
レーションを推定するために使用されてきた。実験的には、約10~約40nmの持続長
が中性系で報告されている。荷電ひも状ミセルの場合、持続長は、界面活性剤の構造、対
イオンおよび塩濃度によって顕著に変動するが、典型的には数十ナノメートル(例えば、
約30~約100nm)である。
【0041】
油性液体コンディショニング剤(iii)は、少なくとも1つの無機電解質および上記
で定められるような一般式R(X)の少なくとも1つのリンカー分子の組み込みを介し
て水性連続相中においてひも状ミセルに可溶化される。
【0042】
本発明の文脈における「リンカー分子」は、界面活性剤-油または界面活性剤-水の相
互作用を促進する界面活性剤系で使用される化学添加物である。親油性リンカーは、界面
活性剤の尾部に近い界面の油側付近で分離する。親油性リンカーの存在は、界面活性剤の
油相への影響をより深く拡張し、油分子のさらなる配向を促進し得る。親水性リンカーは
、油/水界面で界面活性剤と共吸着する界面活性剤様の分子であるが、油分子との相互作
用は僅かである。油/水界面での親水性リンカーの吸着によって、全界面面積が増加する
【0043】
上記一般式R(X)におけるRは、好ましくは、フェニル環または3~12個の炭素
原子を有する一価、二価または三価の線状アルキルまたはヒドロキシアルキル鎖である。
【0044】
本発明における使用のための好ましいリンカー分子としては、
上記で定められるような式R(X)の芳香族カルボン酸(Rがフェニル環である;n
は1または2であり、各Xは-COOHおよび-COO基から独立して選択され、
ここで、Mは上記で定められる通りであり、好ましくはナトリウムまたはカリウムである
);
上記で定められる式R(X)の直鎖脂肪族モノ、ジまたはトリカルボン酸(Rは、3
~12個、好ましくは6~10個の炭素原子を有する一価、二価または三価の線状、アル
キルまたはヒドロキシアルキル鎖であり、各Xは独立して-COOHおよび-COO
基から選択され、ここで、Mは上記で定められる通りであり、好ましくはナトリウムま
たはカリウムである)、および
上記定められる式R(X)の直鎖脂肪族ジオール(Rは3~12個の炭素原子を有す
る二価直鎖アルキル鎖である)
が挙げられる。
【0045】
本発明における使用のための好ましいリンカー分子の例としては、安息香酸、クエン酸
、フタル酸、カプリル酸、ラウリン酸、アゼライン酸(および/またはそれらのナトリウ
ム塩もしくはカリウム塩)および1,12-ドデカンジオールが挙げられる。
【0046】
上記の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0047】
本発明における使用のための組成物中の(上記で定められる)リンカー分子のレベルは
、本組成物の総重量に対して、好ましくは約0.01~約1重量%、より好ましくは約0
.02~約0.5重量%、最も好ましくは約0.05~約0.15重量%の範囲である。
【0048】
本発明における使用のための組成物中の可溶化油性液体コンディショニング剤(iii
)のリンカー分子(上記で定められる)に対する重量比は、一般に、約15:1~約1:
1、好ましくは約12:1~約6:1、より好ましくは約10:1~約8:1の範囲であ
る。
【0049】
本発明における使用のための特に好ましい組成物は、リンカー分子としてのカプリル酸
を、可溶化油性液体コンディショニング剤(iii)としての軽質鉱油と組み合わせて、
上記の量および比率で含む。
【0050】
本発明における使用のための組成物は、少なくとも1つの無機電解質を含む。無機電解
質は、油性液体コンディショニング剤(iii)の可溶化を補助し、組成物に粘度を付与
するために使用される。
【0051】
30℃でBrookfield V2粘度計(スピンドルRTV5、1分、20rpm
)を用いて測定した場合、本発明における使用のための組成物の粘度は、適切には、3,
000~10,000mPa.s、好ましくは4,000~9,000mPa.sの範囲
である。
【0052】
適切な無機電解質としては、金属塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄および塩化アルミニウムなど)および金
属硫酸塩(硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウムなど)が挙げられる。
【0053】
本発明における使用のための好ましい無機電解質の例としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
上記の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0055】
本発明における使用のための組成物中の無機電解質のレベルは、使用される特定の油性
液体コンディショニング剤(iii)に依存するが、一般に、(本組成物の総重量に対す
る総重量無機電解質で)約1~約25%、好ましくは約1.5~約20%の範囲である。
【0056】
本発明における使用のための特に好ましい組成物は、無機電解質としての塩化ナトリウ
ムを上記の量で含む。
【0057】
本発明における使用のための組成物は、1マイクロメートル以下の平均液滴直径(D3
,2)を有する不揮発性シリコーンの乳化液滴を含む分散相(ii)を含む。
【0058】
好ましくは、平均液滴直径(D3,2)は1マイクロメートル以下、より好ましくは0
.5マイクロメートル以下、最も好ましくは0.25マイクロメートル以下である。
【0059】
平均液滴直径(D3,2)を測定する適切な方法は、Malvern Masters
izerなどの機器を用いたレーザー光散乱によるものである。
【0060】
本発明の文脈における用語「不揮発性シリコーン」は、25℃で1000Pa未満の蒸
気圧を有するシリコーンを意味する。
【0061】
本発明における使用のための適切なシリコーンとしては、ポリジオルガノシロキサン、
特にポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチル
シロキサン(ジメチコノール)およびアミノ官能性ポリジメチルシロキサン(アモジメチ
コン)が挙げられる。
【0062】
適切なシリコーンは、好ましくは100,000を超える分子量、より好ましくは25
0,000を超える分子量を有する。
【0063】
本明細書で使用される全ての分子量は、別段の指定がない限り、重量平均分子量である
【0064】
適切なシリコーンは、好ましくは50,000cS(mm.s-1)を超える動粘度
、より好ましくは500,000cS(mm.s-1)を超える動粘度を有する。本発
明の文脈におけるシリコーン動粘度は、25℃で測定され、Dow Corning C
orporate Test Method CTM004 July 20,1970
にさらに記載されるようなガラス毛細管粘度計によって測定し得る。
【0065】
本発明における使用のための適切なシリコーンは、Dow CorningおよびGE
Siliconesなどの供給元から予め形成されたシリコーンエマルジョンとして入
手可能である。このような予め形成されたシリコーンエマルジョンの使用は、処理の容易
さおよびシリコーン粒径の調節のために好ましい。このような予め形成されたシリコーン
エマルジョンは、典型的には、適切な乳化剤をさらに含み、エマルジョン重合などの化学
乳化工程によって、または高せん断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製され得る
。0.15マイクロメートル未満の平均液滴直径(D3,2)を有する予め形成されたシ
リコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0066】
適切な予め形成されたシリコーンエマルジョンの例としては、全てDow Corni
ngから入手可能である、エマルジョンDC2-1766、DC2-1784、DC-1
785、DC-1786、DC-1788、DC-1310、DC-7123およびマイ
クロエマルジョンDC2-1865およびDC2-1870が挙げられる。これらは、全
てジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。また、DC939(D
ow Corningより)およびSME253(GE Siliconesより)など
のアモジメチコンエマルジョンも適切である。
【0067】
上述のシリコーンエマルジョンのいずれの混合物も使用し得る。
【0068】
本発明における使用のための組成物中の乳化不揮発性シリコーンの量は、(本組成物の
総重量に対する総重量シリコーンで)適切には0.05~10%、好ましくは0.2~8
%の範囲であり得る。
【0069】
本発明における使用のための組成物は、好ましくは、1つ以上のカチオン性ポリマーを
含む。このようなポリマーは、コンディショニング剤の送達を促進し、それによって、得
られるコンディショニング効果を向上させ得る。
【0070】
カチオン性ポリマーは、典型的には、カチオン性窒素含有基、例えば4級アンモニウム
またはプロトン化アミノ基を含有する。カチオン性プロトン化アミンは、1級、2級また
は3級アミン(好ましくは2級または3級)であり得る。カチオン性ポリマーの平均分子
量は好ましくは5,000~1,000万である。カチオン性ポリマーは、好ましくは0
.2meq/gm~7meq/gmのカチオン電荷密度を有する。
【0071】
本発明の文脈における用語「カチオン電荷密度」は、ポリマーが構成されるモノマー単
位上の正電荷の数とモノマー単位の分子量との比を指す。電荷密度にポリマー分子量を乗
じることによって、所与のポリマー鎖上の正に荷電した部位の数が得られる。
【0072】
カチオン性ポリマーのカチオン性窒素含有部分は、一般に、その反復単位の全てまたは
より典型的には一部に置換基として存在する。カチオン性ポリマーは、非カチオン性反復
単位と組み合わせてもよい、4級アンモニウムまたはカチオン性アミン置換反復単位のホ
モポリマーまたはコポリマーであり得る。本発明における使用のための特に適切なカチオ
ン性ポリマーとしては、カチオン性多糖ポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体、
カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体などが含まれる。
【0073】
使用し得る特に適切なタイプのカチオン性多糖ポリマーは、カチオン性グアーガム誘導
体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドである。(Rho
dia(登録商標)からJAGUAR(登録商標)商標シリーズで市販されている。)。
このような材料の例は、JAGUAR(登録商標)C13S、JAGUAR(登録商標)
C14、JAGUAR(登録商標)C15およびJAGUAR(登録商標)C17である
【0074】
上記のカチオン性ポリマーのいずれかの混合物も使用し得る。
【0075】
含まれる場合、本発明における使用のための組成物中のカチオン性ポリマーの総レベル
は、本組成物の総重量に対して、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.1
~0.5重量%である。
【0076】
本発明における使用のための組成物は、好ましくは、1つ以上の両性界面活性剤を含む
。適切な両性界面活性剤は、ベタイン、例えば一般式R(CHCHCOO
(式中、Rはアルキルまたはアルキルアミドアルキル基であり、アルキル基は好ましくは
10~16個の炭素原子を有する。)を有するものなど、である。特に適切なベタインは
、オレイルベタイン、カプリルアミドプロピルベタイン、ラウロアミドプロピルベタイン
、イソステアリルアミドプロピルベタインおよびココアミドプロピルベタインである。
【0077】
含まれる場合、両性界面活性剤の総レベルは一般に、本組成物の総重量に対して、0.
1~20重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは1~5重量%である。
【0078】
本発明における使用のための組成物は、好ましくは1つ以上の懸濁化剤を含む。適切な
懸濁化剤としては、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モ
ノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーおよびアクリルエステルのコポリマー、
アクリル酸およびアクリルエステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖
アシル誘導体が挙げられる。
【0079】
上記懸濁化剤のいずれかの混合物を使用し得る。アクリル酸および結晶性長鎖アシル誘
導体の架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0080】
含まれる場合、懸濁化剤の総レベルは一般に、本組成物の総重量に対して、0.1~1
0重量%、好ましくは0.5~6重量%、より好ましくは0.9~4重量%である。
【0081】
本発明における使用のための組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるた
めにさらなる任意の成分を含有し得る。このような成分の例としては、香料、染料および
顔料、pH調整剤および防腐剤または抗菌剤が挙げられる。これらの成分のそれぞれは、
その目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意の成分は、個々に本
組成物の総重量に対して最大5重量%のレベルで含まれる。
【0082】
典型的には、本発明における使用のための組成物は、毛髪に局所適用され、次いで、毛
髪および頭皮に揉み込まれる。次いで、毛髪を乾燥させる前に、毛髪および頭皮から本組
成物を水で洗い流す。
【0083】
以下の非限定的な実施例によって本発明をさらに説明するが、引用されるパーセンテー
ジは全て、別段の明記がない限り、総重量に対する重量%である。
【0084】
[実施例]
表1で示されるような成分を有する毛髪洗浄シャンプー処方物を調製した。実施例1~
4は、本発明の処方物を示す。
【表1】
【0085】
シリコーン沈着の測定
表1に記載された処方物を、以下のプロトコルを使用して酸化処理した毛髪上へのそれ
らのシリコーン沈着について評価した:試験処方物0.25gを、二重脱色ヨーロピアン
毛髪の湿潤2.5g/6インチのスイッチに適用する。試験処方物をスイッチ上で30秒
間揉み込んだ後、温水で30秒間すすぐ。この処理を2回繰り返す。シリコーン沈着は、
X線蛍光(XRF)によって測定される。試験製剤ごとに5つのレプリカを作製した。測
定したシリコーン沈着の平均を表2に示す。
【表2】
【0086】
結果は、実施例1~4が対照よりも有意に多くのシリコーンを沈着させることを示して
いる。この改善されたシリコーン沈着は、t検定によって統計学的に有意であることが確
認された。
【0087】
シリコーン沈着の改善は、二重脱色スイッチの代わりに未処理ダークブラウンヨーロピ
アン(DBE)毛髪スイッチを用いて試験を繰り返したときに得られた結果よりも優れて
いることが観察された。
【外国語明細書】