IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青空株式会社の特許一覧

特開2022-78274定期配送サービス用の商品配送指示プログラム
<>
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図1
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図2
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図3
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図4
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図5
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図6
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図7
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図8
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図9
  • 特開-定期配送サービス用の商品配送指示プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078274
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】定期配送サービス用の商品配送指示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220517BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038694
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2018242088の分割
【原出願日】2018-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】518411707
【氏名又は名称】株式会社AoyamaLab
(74)【代理人】
【識別番号】100101982
【弁理士】
【氏名又は名称】久米川 正光
(72)【発明者】
【氏名】山中 卓
(57)【要約】      (修正有)
【課題】定期配送サービスにおける配送効率の向上を図りつつ、このサービスを利用するユーザの利便性を高める定期配送サービス用の商品配送指示プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末、定期ECサイト、随時ECサイト及び配送管理サーバを有する配送ネットワークシステムにおいて、配送管理サーバ5は、定期ECサイトからの要求を受け付け、配送データベース5gに登録する定期配送登録部5aと、随時ECサイトからの要求を受け付け、配送データベースに登録する随時配送登録部5bと、定期的なバッチ処理にて配送データベース5gを検索して、配送予定日に合致した配送案件を抽出した上で、配送手配を行う配送手配部5cと、配送手配に先立ち、定期配送先であるユーザに対して、定期配送の確認通知を送信する定期配送通知部5dと、配送案件の配送結果に応じて、配送データベース5gのステータスを変更する配送結果処理部5eと、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日用食品を含む商品の定期的な購入を受け付ける定期ECサイトで購入された商品を定期配送し、商品の随時的な購入を受け付ける随時ECサイトで購入された商品を随時配送すると共に、当該随時配送の一配送形態としてユーザが便乗配送を選択した場合、前記便乗配送に係る配送物を前記定期配送に便乗させる定期配送サービス用の商品配送指示プログラムにおいて、
前記随時ECサイトで購入した商品に関する前記随時配送の配送形態の選択肢として、配送予定日が予め設定された定期配送に紐付けられる便乗配送と、前記定期配送に紐付けられない通常配送とを含む第1の選択画面を表示する表示ステップと、
前記配送形態の選択肢に関するユーザ選択操作を受け付ける受付ステップと、
前記便乗配送を選択するユーザ選択操作を受け付けた場合、前記定期配送に便乗させて商品を配送すべき旨を外部システムに指示する第1の指示ステップと、
前記通常配送を選択するユーザ選択操作を受け付けた場合、前記定期配送に便乗させることなく商品を配送すべき旨を前記外部システムに指示する第2の指示ステップと
を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする定期配送サービス用の商品配送指示プログラム。
【請求項2】
前記第1の指示ステップは、
前記便乗配送の紐付け先の選択肢として、前記外部システムから取得され、かつ、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送を含む第2の選択画面を表示するステップと、
前記複数の定期配送のいずれかを選択するユーザ選択操作を受け付けるステップと、
前記ユーザ選択操作を受け付けた場合、前記ユーザ選択操作によって選択された定期配送を前記便乗配送の紐付け先として指定するステップと
を有することを特徴とする請求項1に記載された定期配送サービス用の商品配送指示プログラム。
【請求項3】
前記表示ステップは、前記第1の選択画面における前記便乗配送の配送予定日として、前記外部システムから取得した一の定期配送の配送予定日を表示し、
前記第1の指示ステップは、前記一の定期配送を前記便乗配送の紐付け先として指定することを特徴とする請求項1に記載された定期配送サービス用の商品配送指示プログラム。
【請求項4】
前記外部システムにログインする際に必要な認証を行う認証ステップをさらに有し、
2回目以降のログイン時には、1回目のログイン時にユーザによって入力された認証情報を用いることによって、ユーザの入力を省略することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された定期配送サービス用の商品配送指示プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定期配送サービス用の商品配送指示プログラムに係り、特に、ECサイトで購入された商品(配送物)の定期配送に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の配送物をまとめて配送する手法が提案されている。例えば、特許文献1には、宅配会社の提供する登録用ウェブにおいてユーザ登録することで、宅配会社と提携した各通信販売会社に発注された複数の商品を一括配送する宅配システムが開示されている。また、特許文献2には、顧客との間で通信を行なうことによって、顧客の商品配送に関する注文を集める商品一括配送準備装置が開示されている。具体的には、まず、配送を依頼する顧客、配送物、配送先、配送物の量に関する情報を含む運送依頼を顧客から取得して、これらの情報が受注情報記憶手段に蓄積される。つぎに、受注情報記憶手段を検索して、所定の配送先に関する配送物の量が予め定めた所定量になった場合、配送者に対して集荷情報が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-207800号公報
【特許文献2】特開2003-67653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般の家庭において、水、米、パン、牛乳、卵といった日用食品は、スーパーマーケットなどの実店舗で定期的に購入されることが多い。しかしながら、これらの日用食品を購入するためには実店舗に足を運ぶ必要があって面倒である。そこで、インターネット上の仮想店舗であるスーパーマーケットサイトで購入した日用食品を定期的に配送するサービスが存在すれば、ユーザの負担を軽減できる。しかしながら、このような定期配送を、他の電子商取引サイトで購入された商品の配送とは無関係に行う場合、同一のユーザに対する配送が同時期に重複するケースが生じるため、配送効率を改善する余地が残されている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、定期配送サービスにおける配送効率の向上を図りつつ、このサービスを利用するユーザの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、配送データベースと、定期配送登録部と、随時配送登録部と、配送手配部とを有し、配送物の配送を管理する配送管理サーバを提供する。配送データベースは、配送物の配送に関する情報を管理する。定期配送登録部は、配送予定日が予め設定された定期配送を配送データベースに登録する。随時配送登録部は、配送物の便乗配送の要求を受け付けた場合、この便乗配送を定期配送に紐付けた上で配送データベースに登録する。配送手配部は、第1の定期配送の手配時において、第1の定期配送に紐付けられた便乗配送が存在する場合、この便乗配送に係る配送物を第1の定期配送に便乗させる。
【0007】
ここで、第1の発明において、上記随時配送登録部は、配送物の通常配送の要求を受け付けた場合、定期配送に紐付けることなく、この通常配送を配送データベースに登録することが好ましい。この場合、便乗配送および通常配送の選択肢のうち、便乗配送を選択したユーザに対して、所定のインセンティブを付与する配送結果処理部をさらに設けてもよい。
【0008】
第1の発明において、上記定期配送登録部は、ユーザが商品を定期的に購入する電子商取引サイトから定期配送スケジュールを受け付けた場合、この定期配送スケジュールに従った配送予定日で、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送を配送データベースに登録してもよい。この場合、上記電子商取引サイトは、日用食品を販売するスーパーマーケットサイトであってもよい。また、これに代えて、上記定期配送登録部は、ユーザが操作するユーザ端末から定期配送スケジュールを受け付けた場合、この定期配送スケジュールに従った配送予定日で、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送を配送データベースに登録してもよい。
【0009】
第1の発明において、上記随時配送登録部は、便乗配送の配送IDとして、定期配送と同一の配送IDを付与することによって、便乗配送と定期配送とを紐付けてもよい。また、これに代えて、上記随時配送登録部は、便乗配送の配送IDと、便乗配送の配送IDとは異なる定期配送の配送IDとの対応関係を管理することによって、便乗配送と定期配送とを紐付けてもよい。
【0010】
第1の発明において、上記定期配送登録部は、定期配送の配送予定日が変更された場合、定期配送に紐付けられた便乗配送の配送予定日も変更することが好ましい。また、配送手配部における定期配送の配送手配に先立ち、定期配送先であるユーザに対して、この定期配送の確認通知を送信する定期配送通知部を設けてもよい。さらに、上記随時配送登録部は、定期配送への便乗配送の紐付けに際して、配送物全体の重量またはサイズが所定の上限を超える場合、所定の超過処理を行ってもよい。
【0011】
第2の発明は、以下のステップを有する処理をコンピュータに実行させる定期配送サービス用の商品配送指示プログラムを提供する。ここで、定期配送サービスとは、日用食品を含む商品の定期的な購入を受け付ける定期ECサイトで購入された商品を定期配送し、商品の随時的な購入を受け付ける随時ECサイトで購入された商品を随時配送すると共に、当該随時配送の一配送形態としてユーザが便乗配送を選択した場合、前記便乗配送に係る配送物を前記定期配送に便乗させるサービスをいう。表示ステップでは、随時ECサイトで購入した商品に関する随時配送の配送形態の選択肢として、配送予定日が予め設定された定期配送に紐付けられる便乗配送と、定期配送に紐付けられない通常配送とを含む第1の選択画面を表示する。受付ステップでは、配送形態の選択肢に関するユーザ選択操作を受け付ける。第1の指示ステップでは、便乗配送を選択するユーザ選択操作を受け付けた場合、定期配送に便乗させて商品を配送すべき旨を外部システムに指示する。第2の指示ステップでは、通常配送を選択するユーザ選択操作を受け付けた場合、定期配送に便乗させることなく商品を配送すべき旨を外部システムに指示する。
【0012】
ここで、第2の発明において、上記第1の指示ステップは、便乗配送の紐付け先の選択肢として、外部システムから取得され、かつ、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送を含む第2の選択画面を表示するステップと、複数の定期配送のいずれかを選択するユーザ選択操作を受け付けるステップと、ユーザ選択操作を受け付けた場合、ユーザ選択操作によって選択された定期配送を便乗配送の紐付け先として指定するステップとを有していてもよい。また、これに代えて、上記表示ステップは、第1の選択画面における便乗配送の配送予定日として、外部システムから取得した一の定期配送の配送予定日を表示し、上記第1の指示ステップは、当該一の定期配送を便乗配送の紐付け先として指定してもよい。
【0013】
第2の発明において、外部システムにログインする際に必要な認証を行う認証ステップをさらに設けてもよい。この場合、2回目以降のログイン時には、1回目のログイン時にユーザによって入力された認証情報を用いることによって、ユーザの入力を省略してもよい。
【発明の効果】
【0014】
第2の発明によれば、便乗配送に係る配送物を定期配送に便乗させることで、定期配送における配送効率の向上を図ることができる。それと共に、随時ECサイトで購入された商品に関する随時配送の配送形態として、通常配送および便乗配送のいずれかをユーザが選択できるようにすることで、定期配送サービスを利用するユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る配送ネットワークシステムの全体図
図2】配送管理サーバのブロック図
図3】配送データベースにおける定期配送レコードの論理構成の一例を示す図
図4】配送データベースにおける随時配送レコードの論理構成の一例を示す図
図5】配送データベースにおけるレコードの論理構成の別の一例を示す図
図6】配送指示プログラムのフローチャート
図7】第1の選択画面の一例を示す図
図8】第2の選択画面の一例を示す図
図9】第1の選択画面の別の一例を示す図
図10】第2の実施形態に係る配送ネットワークシステムの全体図
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る配送ネットワークシステムの全体図である。この配送ネットワークシステム1は、ユーザAが操作するユーザ端末2と、定期電子商取引サイト3(以下「定期ECサイト3」という。)と、複数の随時電子商取引サイト4(以下「随時ECサイト4」という。)と、配送業者Bによる配送物の配送管理を行う配送管理サーバ5とを有し、これらはインターネットによってネットワーク接続されている。基本的な配送スキームは従来と同様であり、ユーザAがECサイト3,4にて商品を購入すると、配送業者Bによって商品がユーザAの手元に届けられる。本実施形態の特徴は、定期配送スケジュールに基づいて、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送P1~P3が予め設定されており、随時ECサイト4での商品購入に応じた配送物b,cの配送を定期配送P1~P3のいずれかに便乗させることである。
【0017】
定期ECサイト3は、ユーザAによる商品の定期的な購入を受け付け、配送業者Bに対して、配送物a1~a3のそれぞれに対応した定期配送P1~P3を要求する。例えば、今週の土曜日の定期配送P1に配送物a1、翌週の土曜日の定期配送P2に配送物a2、翌々週の土曜日の定期配送P3に配送物a3をそれぞれ割り当てるといった如くである。定期配送の配送予定日(時間指定を含む。)は、定期ECサイト3上でユーザが設定した定期配送スケジュールに基づき設定される。定期配送は、定期配送P1~P3が毎週土曜日に配送日が設定されているように固定された日に定期的に配送されるような場合に限られず、定期的に配送される配送は定期配送に含まれる。所定期間に所定回数の条件内でユーザが設定した日に配送される配送、例えば、毎月2回までの範囲で、ユーザが設定した任意の日に配送される配送も定期配送に含まれる。
【0018】
定期ECサイト3としては、典型的には、インターネット上の仮想店舗であるスーパーマーケットサイトが想定され、そこで販売される商品には、水、米、パン、果物、牛乳、卵、ジュース、ヨーグルト、納豆、豆腐といった日用食品が少なくとも含まれる。日用食品は、その特性として、家庭内でほぼ毎日消費されるといった高い定期購入性を有し、10~20種程度の食品は毎週同じものが定期的に購入される傾向がある。そこで、定期ECサイト3は、定期購入性の高い複数種の商品(日用食品を含む。)を提供し、ユーザAによって購入された商品の組み合わせを配送物a1~a3とした定期配送P1~P3を配送管理サーバに要求する。
【0019】
ここで、スーパーマーケットサイトのビジネス上の特徴としては、以下の点が挙げられる。第1に、例えば、毎週土曜日の10~12時といった如く、定期的に日用食品を宅配(ネット注文)する。これにより、ユーザAは実店舗に足を運ばなくても商品を入手できるため、ユーザの負担を軽減できる。なお、通常会員は10商品、プレミアム会員は20商品といった如く、一回当たりの定期配送で指定できる日用食品の個数に所定の上限を設けてもよい。第2に、インターネット上の仮想店舗であるため、実店舗のような販売マージンが発生せず、実店舗よりも安価に日用食品をユーザに提供できる。第3に、ユーザから会費を定期的に徴収し、定期配送の費用は会費にて賄われる。これにより、運営主体がビジネスを継続するのに必要な原資を確保できる。そして、第4に、1種類の商品は1つのブランドに厳選されている。これは、食品メーカにとって、顧客を継続的に確保できるメリットがあるほか、定期ECサイト4上に広告を掲載することで、長期優良顧客との直接的なコミュニケーションが可能になるといったメリットもある。
【0020】
複数の随時ECサイト4は、ユーザAによる商品の随時的(すなわち、非定期的)な購入を受け付け、配送業者Bに対して、配送物b,cのそれぞれに対応した随時配送(すなわち、定期購入性の低い商品の購入毎に発生する非定期的な配送)を要求する。定期購入性の低い商品としては、例えば、書籍、スポーツ用品、おもちゃ、カー用品などが挙げられる。また、随時配送の形態としては、「通常配送」および「便乗配送」の2つが存在する。本明細書において、「通常配送」とは、従来の配送と同様、購入した商品(配送物)をそれ単独で配送する配送形態をいい、「便乗配送」とは、購入した商品(配送物)を特定の定期配送に紐付け、定期配送に便乗させる配送形態をいう。
【0021】
配送管理サーバ5は、定期ECサイト3や複数の随時ECサイト4といった外部のシステムからの要求を受け付け、配送物の配送を管理・手配する。定期ECサイト3より定期配送スケジュールを受け付けた場合、この定期配送スケジュールに従って、時系列的に早い配送便の順で、定期配送P1、定期配送P2、定期配送P3が設定される。定期ECサイト3より複数の日用食品である配送物a1の配送要求を受け付け、その配送便として定期配送a1が指定された場合、配送物a1の配送便として定期配送P1が設定される。配送物a2,a3についても同様であり、配送物a2の配送便として定期配送p2、配送物a3の配送便として定期配送P3がそれぞれ設定される。
【0022】
随時ECサイト4より配送物b,cの配送要求を受け付け、その配送形態として通常配送が指定された場合、定期配送と紐付けることなく、それ単独で配送が手配される。一方、配送形態として便乗配送が指定された場合、この便乗配送に係る配送物b,cを定期配送P1~P3のいずれかに紐付けて便乗させる。例えば、ある随時ECサイト4から配送物bの便乗配送の要求を受け付け、その配送便として定期配送P1が指定された場合、配送物bの配送便として定期配送P1が設定される。また、別の随時ECサイト4から配送物cの便乗配送の要求を受け付け、その配送便として定期配送P1が指定された場合、配送物cの配送便として定期配送P1が設定される。そして、配送予定日に基づいて定期配送P1を実際に手配する段階で、定期配送P1に便乗配送が紐付けられている場合、これに応じた配送物のまとめ配送が行われる。その結果、1回の定期配送P1において、定期配送P1本来の配送物a1と、便乗配送として事後的に追加された配送物b,cとが一括で、ユーザAに配送されることになる。
【0023】
なお、随時ECサイト4(フロントエンド)の機能が限定されており、配送管理サーバ5(バックエンド)とのネットワーク上の連携が乏しい場合には、フロントエンドの業者が、別途バックエンドの配送システムに便乗配送の指定を入力する。これに代えて、電話やメールなどで配送業者に個別に連絡し、配送業者の方で便乗配送の指定を入力するようにしてもよい。また、随時ECサイト4のオペレータが、配送管理サーバ5に接続されたクライアントを操作することによって、配送管理サーバ5に対して、便乗配送の要求を行ってもよい。さらに、便乗配送の要求は、随時ECサイト4のみならず、ユーザが配送管理サーバ5に直接ログインして、ユーザ端末2から行ってもよい。
【0024】
図2は、配送管理サーバ5のブロック図である。この配送管理サーバ5は、その機能的なブロックとして、定期配送登録部5aと、随時配送登録部5bと、配送手配部5cと、定期配送通知5dと、配送結果処理部5eとを有する。また、配送管理サーバ5は、配送物の配送管理を行う上で必要な情報を記憶する記憶部として、ユーザデータベース5f、配送データベース5gなどを備えている。ユーザデータベース5fは、ユーザに関する情報として、氏名、住所、電話番号、ユーザ認証情報などをユーザ毎に管理する。また、配送データベース5gは、配送物の配送に関する情報として、配送先の住所、氏名、電話番号、配送日、配送物に関する情報、配送状況を示すステータスなどを配送案件毎に管理する。
【0025】
定期配送登録部5aは、定期ECサイト3からの要求を受け付け、複数の定期配送を配送データベース5gに登録する。これらの定期配送の配送予定日は、互いに異なっており、定期ECサイト3より受信した定期配送スケジュールに基づいて設定される。このスケジュールは、定期ECサイト3の設定画面上でユーザが配送予定日等を入力することによって決定される。また、ユーザは、定期配送の配送予定日の数日前(締切日)までに、購入する日用食品の組み合わせ(配送物)を決定する。ユーザによって決定された配送物に関する情報は、定期ECサイト3から配送管理サーバ5(定期配送登録部5a)に通知される。
【0026】
定期配送の登録は、配送データベース5gに定期配送レコードを新規に追加することによって行われる。図3は、定期配送レコードの論理構成の一例を示す図である。定期配送レコードは、「配送ID」、「配送予定日」、「配送先」、「配送住所」、「配送物」、「配送物情報」、「定期配送」、「ステータス」などのフィールドで構成されている。「配送ID」には、定期配送毎に個別に採番された識別情報が記入される。「配送予定日」には、上述した定期配送スケジュールに応じた年月日と配送時間の指定とが記入される。「配送先」には、配送先となるユーザ名が記入される。「配送住所」には、配送すべき住所が記入される。この住所は、通常、ユーザデータベース5fに保持されている住所がそのまま転記されるが、ユーザによって別の住所が指定された場合には、指定された住所が記入される。「配送物」には、配送対象となる配送物が記入され、「配送物情報」には、この配送物に関する情報、例えば、配送物の重量やサイズなどが記入される。また、「定期配送」には、配送形態が定期配送である場合のみ、配送形態が定期配送であることを示すフラグ(定期配送フラグ)がセットされる。さらに、「ステータス」には、「未配送」、「配送中」、「配送済」などが記入され、これらは配送案件の配送状況に応じて随時変更される。
【0027】
同図は、「ユーザA」を配送先とした定期配送として、「配送予定日」が互いに異なる3つの定期配送レコード(配送ID=「P1」~「P3」)が追加された例を示している。1番目の定期配送レコード(配送ID=「P1」)の配送物は「a1」、2番目の定期配送レコード(配送ID=「P2」)の配送物は「a2」、3番目の定期配送レコード(配送ID=「P3」)の配送物は「a3」である。ただし、後述する随時配送レコードとは異なり、定期配送レコードに関しては、レコードの追加時点(換言すれば、定期配送スケジュールの設定時点)で「配送物」や「配送物情報」をブランクとすることが許容されており、その後、配送物が決定した段階でこれらに必要な情報が事後的に記入される。
【0028】
随時配送登録部5bは、随時ECサイト4からの要求を受け付け、随時配送(通常配送または便乗配送)を配送データベース5gに登録する。随時配送の登録は、配送データベース5gに随時配送レコードを新規に追加することによって行われる。図4は、随時配送レコードの論理構成の一例を示す図である。随時配送レコードも上述した定期配送レコードと同様の論理構成を有するが、以下の点において定期配送とは取り扱いが異なる。まず、通常配送および便乗配送の別を問わず、随時配送レコードについては、定期配送レコードと区別するために、「定期配送」に定期配送フラグはセットされない。また、通常配送の場合には、「配送ID」として、通常配送毎に個別に採番された識別情報が記入され、「配送予定日」なども独自に設定される。一方、便乗配送の場合には、「配送ID」として、識別番号を採番することなく、便乗先となる定期配送の識別情報が引用され、「配送予定日」も便乗先となる定期配送の情報が引用される。
【0029】
なお、随時ECサイト4より指定された便乗配送の配送先がユーザの職場などの場合、定期配送の配布先と一致しないケースが想定される。このような場合、便乗配送の利用促進を図るべく、ユーザの了承を条件として、便乗配送の配送先を定期配送のそれに変更するといった調整を可能にすることが好ましい。具体的な処理の流れとしては、まず、配送管理サーバ5(随時配送登録部5b)において、随時ECサイト4より受信した便乗配送の配送住所と、ユーザデータベース5fに保持されている「配送住所」(すなわち、定期配送の配送住所)とが一致しているか否かが照合される。両者が一致していない場合には、配送管理サーバ5から随時ECサイト4に、便乗配送の配送先を「配送住所」に変更してもよいかどうかの確認通知が送信される。そして、この確認通知に基づくユーザの承認が得られたことを以て、配送管理サーバ5は、便乗配送の配送先を「配送住所」に変更した上で、随時配送(便乗配送)を配送データベース5gに登録する。なお、両者が一致していない場合には、ユーザに対し両者が一致していないことを知らせる何らかの通知がされればよく、上記のような、配送管理便乗配送の配送先を「配送住所」に変更してもよいかどうかの確認通知が送信されるのではなく、単に、両者が一致していない旨の通知であってもよい。
【0030】
同図は、「ユーザA」を配送先とした随時配送として、3つの随時配送レコード(配送ID=「P1」,「P1」,「N6」)が追加された例を示している。まず、1番目の随時配送レコード(配送ID=「P1」)の配送物は「b」である。この随時配送レコードには、図3に示した1番目の定期配送レコードと同一の配送ID「P1」が付与されていることから、この定期配送レコードに紐付けられた便乗配送レコードであることが識別される。これは、配送物「b」を「P1」の定期配送に便乗させることを意味する。また、2番目の随時配送レコード(配送ID=「P1」)の配送物は「c」である。この随時配送レコードには、図3に示した1番目の定期配送レコードと同一の配送ID「P1」が付与されていることから、この定期配送レコードに紐付けられた便乗配送レコードであることが識別される。これは、配送物「c」を「P1」の定期配送に便乗させることを意味する。さらに、3番目の随時配送レコード(配送ID=「N6」)の配送物は「d」である。同一の配送ID「N6」を有する定期配送レコードは存在しないことから、この随時配送レコードは、定期配送レコードに紐付けられていない通常配送レコードであることが識別される。これは、配送物「d」を如何なる定期配送にも紐付けることなく、単独で配送されることを意味する。
【0031】
便乗配送と定期配送との紐付けは、上述したような同一の配送IDの重複付与を行う手法以外に、例えば図5に示すようなレコードの論理構成を採用することよっても可能である。同図は、図3および図4と同様の管理内容を有しているが、便乗配送レコードに対して固有の配送ID「N4」,「N5」が付与されている点が大きく異なる。また、レコード中に「紐付け先」が追加されており、便乗先となる定期配送の配送IDが記入される。これにより、配送ID「N4」,「N5」のレコードは、「P1」の定期配送レコードに紐付けられた便乗配送レコードであることが識別される。このように、同一の配送IDの重複付与を行わなくても、便乗配送の配送IDと、定期配送の配送IDとの対応関係を保持・管理すれば、両者の紐付けを行うことができる。本手法は、特に、中小のEC事業者にとって大きなメリットがあり、このような事業者の本サービスへの加入促進を図る上で有利である。中小のEC事業者が多く使用している簡易なECシステムは、フロントエンド(商品の発注まで)の機能に限定されているものが多く、極端な事例では、宅配便の送り状はEC事業者側が手書き作成するケースも存在する。このようなケースでは、配送管理サーバ5側で、配送IDが同一になるように調整することは必ずしも容易ではない。本手法によれば、配送IDの調整を必要としないので、かかる問題を解消できる。
【0032】
なお、配送データベース5gとは別に、レコード間の紐付けの対応関係を記述したインデックステーブルを別途用意し、対応関係を取得する際、インデックステーブルを参照するようにしてもよい。これにより、配送データベース5g全体をその都度検索する場合と比較して、配送管理サーバ5の処理負荷を有効に軽減できる。
【0033】
また、随時配送登録部5bは、定期配送への便乗配送の紐付けに際して、配送物全体の重量またはサイズが所定の上限を超える場合、所定の超過処理を行う。個々の配送物の重量やサイズは、配送データベース5gの「配送物情報」より特定することができる。超過処理としては、例えば、超過分に対する割増配送料の発生、超過を引き起こす便乗配送の拒否などが想定される。
【0034】
ユーザは、所定の時期的範囲内であれば、一旦設定した定期配送スケジュールを事後的に変更することができる。この場合、定期配送登録部5aは、定期配送登録部5a(またはユーザ端末2)からの変更要求に基づいて、配送データベース5gにおける定期配送の「配送予定日」を変更すると共に、定期配送に紐付けられた便乗配送の「配送予定日」も自動的に変更する。
【0035】
配送手配部5cは、定期的なバッチ処理にて配送データベース5gを検索して、検索対象として指定した「配送予定日」に合致した配送案件を抽出した上で、実際に配送手配を行う。また、ある定期配送の手配時において、この定期配送に紐付けられた便乗配送が存在する場合、この便乗配送に係る配送物を定期配送に便乗させる。配送手配を行った配送案件については、配送データベース5gの「ステータス」が「未配送」から「配送中」に変更される。
【0036】
定期配送通知部5dは、配送手配部5cにおける定期配送の配送手配に先立ち、この定期配送先であるユーザに対して、定期配送の確認通知、すなわち、定期配送を「配送予定日」どおりに行う旨のリマインドを送信する。この確認通知は、定期配送先のメールアドレスとして予め登録されたアドレス宛にメールを配信する形態、SNSやLINEを利用する形態、あるいは、ユーザ端末2にインストールされたアプリケーションの通知機能を利用する形態のいずれであってもよい。また、確認通知は、配送予定日の数日前に送付される。確認通知を事前に送付することで、ユーザの失念を防止して、不在による配送効率の低下を抑制できる。なお、確認通知を送信する主体は、配送管理サーバ5の代わりに、定期ECサイト3が行ってもよい。
【0037】
確認通知を受信したユーザは、必要に応じて、定期配送の「配送予定日」を変更することができる。具体的なフローとしては、例えば、定期ECサイト3がユーザに配送確認を通知し、定期ECサイト3がユーザから配送日の変更を受け付け、定期ECサイト3が配送管理サーバ5に対して配送予定日の変更を要求するといったパターンが考えられる。また、配送管理サーバ5とユーザとの間において、配送確認の通知と、配送予定日の変更とを直接やり取りするパターンも考えられる。「配送予定日」の変更対象は、確認通知に係る直近の定期配送に限ってもよいし、今後の定期配送のすべてであってもよい。
【0038】
配送結果処理部5eは、配送案件の配送結果に応じて、配送データベース5gの「ステータス」を「配送中」から「配送済」に変更する。また、配送結果処理部5eは、便乗配送付きの定期配送が完了した場合、便乗配送を指定・選択したユーザに対して、例えばポイントなどのインセンティブを付与する。ユーザは、所定数のポイントを貯めることで、各種のサービスを受けることができる。なお、便乗配送のインセンティブを付与する主体は、配送管理サーバ5であってもよいが、随時ECサイト4であっても構わない。
【0039】
また、不在などの理由で定期配送が完了できなかった場合、定期ECサイト3などを介して、ユーザに再配送料などの追加の費用を科してもよい。その際、定期配送が便乗配送を伴う場合には、それぞれの配送物の発送者(定期ECサイト3および随時ECサイト4)を特定し、それぞれの発送者に対して、追加の費用を按分して請求する。例えば、図1に示した定期配送P1が完了できなかった場合、追加の費用の請求先として、配送物a1の発送者(定期ECサイト3)と、配送物bの発送者(随時ECサイト4)と、配送物cの発送者(随時ECサイト4)とが特定される。そして、例えば、配送物a1の発送者が50%、配送物bの発送者が25%、配送物cの発送者が25%といった如く、追加の費用が按分される。各発送者に対してどのような割合で按分するかは、配送管理サーバ5が備える按分テーブルなどによって、予め定められている。
【0040】
図6は、随時ECサイト4において実行される商品配送指示プログラムのフローチャートである。このプログラムは、フロントエンドの随時ECサイト4にAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)として実装され、ユーザ端末2との間やバックエンドの配送管理サーバ5との間を取り持つ。
【0041】
随時ECサイト4において商品が購入・注文されると、まず、ステップ1において、第1の選択画面が表示される。図7に示すように、第1の選択画面には、随時ECサイト4で購入した商品の配送形態の選択肢が表示される。選択肢としての配送形態は、「通常配送」および「便乗配送」の2つに大別され、「通常配送」は更に「お急ぎ便」、「日時指定あり」および「日時指定なし」の3つに細分化されている。3種類の「通常配送」は、それ自体、既存のECサイトで採用されている既知の仕組みである。ユーザは、4つの選択肢の中から所望のものを選択する。
【0042】
ステップ2において、ステップ1で提示した配送形態の選択肢に関するユーザ選択操作が受け付けられ、ユーザによって「便乗配送」が選択されたか否かが判断される(ステップ3)。「便乗配送」ではなく「通常配送」が選択された場合には、ステップ4に進み、通常配送の指示、すなわち、定期配送に便乗させることなく商品を配送すべき旨の指示が配送管理サーバ5に送信される。そして、ステップ9において、ステップ4の通常配送の指示に対する処理結果を配送管理サーバ5より取得し、これに基づく必要な処理が行われた上で、一連の処理が終了する。
【0043】
これに対して、「便乗配送」が選択された場合には、ステップ5に進み、配送管理サーバ5にログインする際に必要なユーザ認証が行われる。なお、ユーザ認証を定期ECサイト3のIDにて行ってもよく、この場合には、配送管理サーバ5ではなく、定期ECサイト3にログインすることで、必要なユーザ認証が行われる。ユーザ認証に際して、ユーザは、ユーザ端末2を操作して認証情報(ユーザID、パスワードなど)を入力する。認証情報は、配送管理サーバ5に送信され、ユーザデータベース5fに保持されているユーザ認証情報と照合され、認証の可否が判断される。なお、例えばフェイスブックIDのように、特定のSNSにログインできたことを以て、認証成功としてもよい。
【0044】
ここで、ステップ5のユーザ認証において、2回目以降の配送管理サーバ5へのログイン時には、1回目のログイン時にユーザによって入力された認証情報を用いることによって、ユーザの入力を省略してもよい。典型的には、認証情報は、WebサーバからユーザのWebブラウザに送られる、ユーザデータを保存しておくためのファイル、すなわち、cookieより特定することができる。2回目以降の配送管理サーバ5へのログイン時には、ユーザの認証情報の入力を省略することにより、随時ECサイト4にログインをすることで、配送管理サーバ5へのユーザの認証情報を入力することなく、配送管理サーバ5にログインすることが可能となり、ユーザの手間が省略される。また、2回目以降の配送管理サーバ5へのログイン時には、配送管理サーバ5へのユーザの認証情報を入力することなく、随時ECサイト4の選択画面に、図8又は図9のように配送管理サーバ5より取得する情報を表示することができる。
【0045】
ユーザ認証が成功した場合には、配送データベース5gが検索され、このユーザの定期配送に関する情報が配送管理サーバ5(または、定期ECサイト3)より取得され、第2の選択画面が表示される(ステップ6)。図8に示すように、第2の選択画面には、便乗配送の紐付け先(便乗先)の選択肢として、配送予定日が互いに異なる複数の定期配送P1~P3が表示される。
【0046】
ステップ7において、ステップ6で提示した複数の定期配送P1~P3(便乗先)のいずれかを選択するユーザ選択操作が受け付けられる。そして、ステップ8において、ユーザ選択操作によって選択されたいずれかの定期配送(例えばP1)を便乗配送の紐付け先として指定した上で、便乗配送の指示、すなわち、定期配送P1に便乗させて商品を配送すべき旨が配送管理サーバ5に指示される。これにより、配送データベース5gにおいて、便乗配送が定期配送P1と紐付けた上で登録される。そして、ステップ9において、ステップ8の便乗配送の指示に対する処理結果を配送管理サーバ5より取得し、これに基づく必要な処理が行われた上で、一連の処理が終了する。
【0047】
なお、上述した商品配送指示プログラムでは、第1の選択画面の表示および第2の選択画面の表示という2つの段階を経て、便乗配送の紐付け先(定期配送)が決定されるが、例えば、図9に示すような、一の定期配送を便乗配送する定期配送(便乗先)として表示する第1の選択画面を表示すれば、1つの段階で紐付け先を決定することができる。この選択画面が図7のそれと異なる点は、「便乗配送」の紐付け先は、ユーザの選択に委ねるのではなく、「直近の定期配送」(例えば、2018年12月3日 18~20時)に限定されている点、および、「便乗配送」の配送予定日として、「直近の定期配送」における配送予定日(2018年12月3日 18~20時にお届け)が表示される点である。
【0048】
ここで、「直近の定期配送」は、便乗配送に係る商品が必ずしも直ぐに出荷できるとは限らないため、便乗配送に係る商品の出荷スケジュールを考慮した上で決定される。例えば、定期配送P1(2018年12月3日 18~20時)、定期配送P2(2018年12月10日 18~20時)、定期配送P3(2018年12月17日 18~20時)が設定されている状態で、便乗配送に係る商品が即日で出荷可能ゆえに、定期配送P1にて対応可能な場合、「直近の定期配送」は定期配送P1となる。また、便乗配送に係る商品の出荷に1週間程度を要するがゆえに、定期配送P1には間に合わず、定期配送P2にて対応可能な場合、「直近の定期配送」は定期配送P2となる。配送予定日を含む直近の定期配送に関する情報は、随時ECサイト4からの要求に基づいて、配送管理サーバ5から取得される。この場合、ステップ2における便乗配送を選択するユーザ選択操作の受け付けを以て、直近の定期配送が便乗配送の紐付け先として指定されることになる。
【0049】
このように、本実施形態によれば、便乗配送に係る配送物を定期配送に便乗させることで、定期配送における配送効率の向上を図ることができる。ユーザにとっては、面倒な日用食品の購買から解放され、複数の随時ECサイト4で購入した商品を定期配送でまとめて受け取ることができるというメリットがある。また、配送業者にとっては、定期配送の普及により配送効率が向上し、再配達の頻度を減少できるというメリットがある。
【0050】
また、本実施形態によれば、随時ECサイト4で購入された商品(配送物)の配送形態として、通常配送および便乗配送のいずれかをユーザが選択できるようにすることで、ユーザの利便性を高めることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、便乗配送を選択したユーザに対して、所定のインセンティブを付与することで、便乗配送の利用を促進し、定期配送の配送効率を一層高めることができる。
【0052】
さらに、本実施形態によれば、定期配送の配送手配に先立ち、定期配送先であるユーザに対して定期配送の確認通知(リマインド)を送信することで、ユーザの失念による不在などに起因した配送効率の低下を抑制できる。
【0053】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る配送ネットワークシステム1の全体図である。第1の実施形態と異なり、定期配送スケジュールの送受信は、定期ECサイト3が介在することなく、ユーザAと配送業者Bとの間で直接的に行われる。すなわち、ユーザは、定期ECサイト3ではなく、配送管理サーバ5に直接アクセスして、定期配送スケジュールを登録する。配送管理サーバ5の定期配送登録部5aは、ユーザが操作するユーザ端末2から定期配送スケジュールを受け付けた場合、このスケジュールに従った配送予定日で、複数の定期配送を配送データベース5gに登録する。これ以外の点については、第1の実施形態と同様なので、同一の符号を付してここでの説明を省略する。
【0054】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、定期配送における配送効率の向上などの作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0055】
1 配送ネットワークシステム
2 ユーザ端末
3 定期電子商取引サイト(定期ECサイト)
4 随時電子商取引サイト(随時ECサイト)
5 配送管理サーバ
5a 定期配送登録部
5b 随時配送登録部
5c 配送手配部
5d 定期配送通知部
5e インセンティブ処理部
5f ユーザデータベース
5g 配送データベース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10