(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078298
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】多標的キナーゼ阻害剤並びに生殖器管及び消化管の線維症での使用。
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4439 20060101AFI20220517BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20220517BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20220517BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20220517BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220517BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220517BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61K31/4439
A61K31/47
A61K31/506
A61P13/08
A61P15/00
A61P11/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039951
(22)【出願日】2022-03-15
(62)【分割の表示】P 2020530450の分割
【原出願日】2018-08-13
(31)【優先権主張番号】62/544,825
(32)【優先日】2017-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319008661
【氏名又は名称】アイビバ バイオファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ダン-シャ タン-リュー、ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ティファニー コンスタンス
(72)【発明者】
【氏名】デブライス、ジェラルド ウッドロー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生殖器管又は消化管の疾患又は障害に関連する線維症を予防及び/又は治療するための方法を提供する。
【解決手段】方法は、有効量の多標的キナーゼ阻害剤を治療を必要とする動物又はヒトに投与することを含む。多標的キナーゼ阻害剤は、アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、リオシグアト、又はこれらの塩を含む。生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮内手術、子宮内癒着、アッシャーマン症候群、胆管線維症、胆管硬化症、及び原発性胆汁性肝硬変をはじめとする、子宮類線維腫又は原発性硬化性胆管炎を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
良性前立腺過形成に関連する線維症を治療するための医薬であって、
前記医薬は多標的キナーゼ阻害剤を含み、前記多標的キナーゼ阻害剤は、アキシチニブ、レンバチニブ、リオシグアト、これらの多標的キナーゼ阻害剤のいずれかの塩、又は、これらの組み合わせである、
医薬。
【請求項2】
前記多標的キナーゼ阻害剤は、アキシチニブ又はその塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
前記多標的キナーゼ阻害剤は、レンバチニブ又はその塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
前記多標的キナーゼ阻害剤は、リオシグアト又はその塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項5】
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、病変内、病変周囲、管内、管周囲、経皮、筋肉内、子宮内、血管内の投与、又は、これらの組み合わせにより行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の医薬の製造における多標的キナーゼ阻害剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年8月12日出願の米国仮特許出願第62/544,825号の利益を主張し、当該出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、特定の成長因子及び/又はサイトカインシグナル伝達経路及び/又は線維化応答のフェーズに作用する、多標的キナーゼ阻害活性の特定スペクトルを有する化合物に関する。また、本開示は、線維症(子宮類線維腫をはじめとする生殖器管疾患及び障害、並びに、原発性硬化性胆管炎(PSC)をはじめとする消化管疾患及び障害など)と関連する病状及び/又は障害の予防及び/又は治療の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
線維症は、ヒトでの生殖器管及び/又は消化管に影響する多数の疾患及び/又は障害の、病因又は治療失敗に関与している。線維症は、修復プロセス又は反応プロセスの結果としての、臓器又は組織内での過剰な細胞外基質の形成である。こうした応答の複雑性は、抗線維化治療薬の開発の大きな難点となっていた。
【0004】
女性の生殖器管に影響する顕著な線維化疾患が子宮類線維腫である。子宮類線維腫(平滑筋腫)は、子宮筋層から生じる単クローン性腫瘍である。筋腫は頸部でも発達し得る。これらの類線維腫は、甚大な量の細胞外基質内に埋め込まれた無秩序な平滑筋細胞からなる良性新生物である。これらの類線維腫の正確な原因は現在のところ不明である。それらの成長は、ホルモン因子、遺伝因子、及び成長因子に依存することが報告されている。
【0005】
平滑筋腫は動物ではまれであり、一般的に受け入れられた実験モデルは存在しない。Ekerラットは類線維腫に似た腫瘍を発達させるものの、その成長はヒト組織の多量コラーゲン特性を示さない。ネズミ科モデルが報告されてはいるものの、これらは広く採用されてはこなかった。腫瘍又は腫瘍由来細胞の外科標本は、活性成長状態になかったり、そうでなくとも、取得時に老化した状態であったりする可能性がある。こうした複雑性のため、腫瘍発達における重要な分子経路の同定は、進んでおらず、医薬開発の課題となっていた。
【0006】
今日でも、出血、痛み、及び長期に渡り継続する類線維腫の成長をともなうほとんどの患者では、薬物治療の選択肢は限られており、役に立たないことも多い。薬物療法は短期にわたり類線維腫に関連する出血を減少させるのに役立つかもしれない。薬物療法の種類は、エストロゲン若しくはプロゲステロンの効果を遮断する又は卵巣でのこれらのホルモンの産生を減少若しくは排除するホルモンを含む。
【0007】
多数の成長因子が子宮類線維腫での細胞外基質の発達に重要な薬剤として同定されてきている。例えば、PDGFは、平滑筋腫細胞及び子宮筋細胞の両方でコラーゲン1を増加させることが報告されている。さらに、TGFベータスーパーファミリーは、平滑筋腫での細胞外基質の集積に関与していることが知られている。TGFベータは、子宮筋細胞及び平滑筋腫細胞でコラーゲン1mRNA発現を増加させ、また、これらの細胞でのフィブロネクチンmRNA発現を増加させる(Islam S等、同上)。成長因子受容体シグナル伝達の阻害は、類線維腫での細胞外基質形成に顕著な影響を与えるかもしれない。
【0008】
また、血管新生が平滑筋腫成長の制御に重要な役割を果たすかもしれないことが示唆されてきている。血管新生に関与する複数の成長因子が、子宮筋層と比べて、平滑筋腫では、差次的に発現している。こうした成長因子は、VEGF、塩基性FGF、PDGF、及びTGFベータを含む。血管新生を遮断するために血管新生性成長因子及び成長因子受容体を標的とすることは、子宮類線維腫治療への新たな治療アプローチである。
【0009】
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝臓内及び肝臓外の胆管の両方での炎症及び線維化を特徴とする慢性免疫媒介性肝疾患である。これは、胆樹全体の進行性線維性狭窄をもたらし、最終的には、肝硬変、門脈圧亢進症、及び末期肝疾患へとつながる。PSCの複雑な性質のため、単一の完全な実験的PSCモデルはこれからも作られないだろう可能性が極めて高いと思われる。薬物治療の試みは問題があることが立証されてきている。ウルソデオキシコール酸(UDCA)が原発性胆汁性肝硬変に有効であることが立証されてきているものの、PSCについてのその使用については議論が分かれている。PSCでの免疫抑制療法の使用は、長期の効能や末期疾患への進行の遅延についての証拠もなく、影響が僅かであることが示されてきている。タクロリムス、アザチオプリン、及びコルチコステロイドは、肝臓生化学のほどほど改善を示してきている。しかし、こうした効果は、持続せず、臨床的有益性は示さなかった。現在のところ、PSCについて認知された有効な医薬治療法は存在しない。肝臓移植がPSCの予後を変えると考えられる唯一の治療法である。明らかに、この患者集団には大幅な満たされぬ臨床的必要性が存在する。
【0010】
ヒトの子宮類線維腫及び原発性硬化性胆管炎に直接的に適用可能な子宮線維症及び/又はPSCの動物モデルは存在しない。一方、良性組織成長及び線維集積などの潜在的病態生理学の調査に基づく研究は、有効な治療戦略を開発するための重要な洞察を与え得る。子宮類線維腫及び原発性硬化性胆管炎の両方での線維化及び血管新生の役割などの共通性は、成長因子及び成長因子受容体の阻害がこうした生殖器管及び消化管疾患の治療及び/又は予防に役立つかもしれない可能性を指し示している。具体的には、これについて役立つ阻害活性の特定スペクトルを有する化合物が本開示では同定された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、多標的キナーゼ阻害剤活性の特定スペクトルを有し、そして、動物又はヒトでの生殖器管又は消化管の線維症に関連する病状及び/又は障害の治療法に相応に役立つ剤に関する。より具体的には、本開示は、また、こうした化合物又は組成物の治療的又は予防的使用、並びに、生殖器管又は消化管の線維症に関連する病状及び/又は障害の治療法に関する。こうした障害として、これらに限定されるわけではないが、子宮類線維腫(uterine fibroids)、子宮線維腫(uterine fibroma)、筋層内類線維腫(intramural fibroids)、漿膜下類線維腫(subserosal fibroids)、粘膜下類線維腫(submucosal fibroids)、有茎性類線維腫(pedunculated fibroids)、子宮平滑筋腫(uterine leiomyomas)、子宮筋腫(uterine myomas)、腺筋症(adenomyosis)、子宮線維筋腫(uterine fibromyoma)、子宮線維平滑筋腫(uterine fibroleiomyoma)、子宮頚部類線維腫(cervical fibroids)、子宮癒着(uterine synechiae)、アッシャーマン症候群(Asherman’s syndrome)、胆管線維症(biliary duct fibrosis)、胆管硬化症(biliary duct sclerosis)、原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)、及び 原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis)を挙げることができる。
【0012】
いくつかの実施形態は、こうした治療又は予防を必要とするヒト対象に、治療有効量の多標的キナーゼ阻害剤を投与することにより、子宮類線維腫又は原発性硬化性胆管炎を治療/予防する方法を含み、この多標的キナーゼ阻害剤として、これらに限定されるわけではないが、アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、及びリオシグアトが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ラットでのテストステロン及びフェニレフリンにより誘導された前立腺重量への試験薬剤の効果を示す。
【
図2】ラットでのテストステロン及びフェニレフリンにより誘導された線維増殖への試験薬剤の効果を示す。100倍の倍率の背側前立腺由来の代表的画像を示す。
【
図4】100倍の倍率の背側前立腺での腺過形成の代表的画像を示す。
【
図5】腹側前立腺での腺過形成の代表的画像を示す。腹側前立腺由来の代表的画像は100倍の倍率で示す。
【
図9】角膜縫合糸線維症モデルでの組織学的所見を示す。
【
図10】ウサギ皮膚創傷モデルでのTGFベータ1mRNA発現を示す。
【
図11】ブタ直線切断創傷モデルでの皮膚TGFベータ1レベル(総タンパク質(μg)当たりのTGFB1(pg))を示す。
【
図12】水及びビヒクルで処置されたマウス、LL37及びビヒクルで誘導されたマウス、並びに、LL37で誘導され且つレンバチニブで処置されたマウスについての、TGFb1 mRNA発現を示す。
【
図13】マウスでの皮内LL37誘導による処置群の炎症スコアを示す。
【
図14】マウスでの皮内LL37注射により誘導された炎症モデルにおける本明細書に記載の多標的キナーゼ阻害剤のいくつかにより処置した後のCD4+リンパ球スコアを示す。
【
図15】マウスでの皮内LL37注射により誘導された炎症モデルにおける本明細書に記載の多標的キナーゼ阻害剤のいくつかにより処置した後のCD8+リンパ球スコアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態は、キナーゼ阻害活性の特定スペクトルを有する多標的キナーゼ阻害剤に関する。こうした阻害剤は、複数のキナーゼを阻害でき、本明細書では『多標的キナーゼ阻害剤』と呼ぶ。本明細書に記載の多標的キナーゼ阻害剤は、動物又はヒトでの生殖器管又は消化管の病状及び/又は障害に関連する線維症の治療及び/又は予防に役立つ。こうした障害としては、これらに限定されるわけではないが、子宮類線維腫、子宮線維腫、筋層内類線維腫、漿膜下類線維腫、粘膜下類線維腫、有茎性類線維腫、子宮平滑筋腫、子宮筋腫、腺筋症、子宮線維筋腫、子宮線維平滑筋腫、胆管線維症 胆管硬化症、原発性胆汁性肝硬変、及び原発性硬化性胆管炎を挙げることができる。
【0015】
特に興味深いものは、子宮類線維腫、子宮線維腫、筋層内類線維腫、漿膜下類線維腫、粘膜下類線維腫、有茎性類線維腫、子宮平滑筋腫、子宮筋腫、腺筋症、子宮線維筋腫、子宮線維平滑筋腫、胆管線維症、胆管硬化症、原発性胆汁性肝硬変、及び原発性硬化性胆管炎の治療のための、アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、リオシグアト、又はこれらの組み合わせである。
【0016】
いくつかの実施形態では、ニンテダニブ(又は同様の活性を有する他の化合物)などの多標的キナーゼ阻害剤が、子宮筋腫(子宮寄生筋腫など)、腺筋症、子宮線維筋腫、子宮線維平滑筋腫、子宮内手術、アッシャーマン症候群、子宮腔癒着(intrauterine adhesions)、及び子宮内癒着(intrauterine synachiae)を治療するために用いられる。
【0017】
『治療する』又は『治療』という用語は、ヒト若しくは他の動物での、疾患の、診断、回復、緩和、又は予防をはじめとする任意の種類の治療活動、又は、ヒト若しくは他の動物の身体の構造又は任意の機能にその他のやり方で影響する任意の活動を広く含む。
【0018】
多標的キナーゼ阻害剤は、非経口経路などの任意の適切な経路により、例えば、注射により、投与されてもよい。例えば、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、リオシグアト、又はこれらの組み合わせなど)は、病変/類線維腫又はこれらの周囲にある若しくは隣接する組織内へ局所注射により投与されてもよい。例えば、多標的キナーゼ阻害剤は、針、装置、カテーテルなどを用いた子宮内注射により投与されてもよい。それは子宮内点滴又は灌流(浸漬)であってもよい。局所投与は、より全身的な投与と比べ減少した毒性であるという利点を有し得る。多標的キナーゼ阻害剤を投与するこの方法は、病変の大きさ及び数を減らし又は病変を排除し、病変/子宮類線維腫及び/若しくは子宮腔癒着の成長又は子宮内膜(endometrial lining)の破壊並びに/又は子宮瘢痕及び出血を予防するのに役立ち得る。
【0019】
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝臓内及び肝臓外の胆管の両方での炎症及び線維化を特徴とする慢性免疫媒介性肝疾患である。これは、胆樹を侵し、多発性狭窄及び最終的には肝硬変をもたらす。組織学的所見は、胆管周囲線維化及び門脈周囲好酸球浸潤を含む。PSCについて提案される局所治療は、胆管内及び胆管周囲の治療、(経皮又は経肝などの)胆管造影を含んでもよい。
【0020】
特記のない限り、化合物(多標的キナーゼ阻害剤、例えば、アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、リオシグアトなど)へのいずれの言及も、医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、代替的固体形態(多形、溶媒和物、水和物など)、互変異性体、又は、任意の他の化学種であって当該化合物が本明細書に記載のとおり使用される条件下で本明細書に記載のある化合物に迅速に変換されるものを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、又は 少なくとも約20%だけ罹患組織の体積又は重量を減少させるのに有効である。
【0022】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、又は 少なくとも約40%だけ罹患組織の過形成スコアを減少させるのに有効である。
【0023】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、罹患組織の血管面積又は体積を、元々のその血管面積又は体積の、70%未満、50%未満、25%未満、20%未満、15%未満、又は10%未満まで減少させるのに有効である。
【0024】
多標的キナーゼ阻害剤の治療活性は、それらによるある種の成長因子及びサイトカイン(VEGF、PDGF、及び TGFベータなど)の阻害と相関性を有し得る。さらに、いくつかの多標的キナーゼ阻害剤は、炎症並びにCD4+及びCD8+リンパ球を減少させる効果を示した。
【0025】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は 少なくとも約99%だけVEGFの活性を阻害するのに有効である。
【0026】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は 少なくとも約99%だけPDGFの活性を阻害するのに有効である。
【0027】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は 少なくとも約99%だけTGFベータ(TGFb-1 mRNAの発現など)の活性を阻害するのに有効である。
【0028】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%だけ炎症を減少させるのに有効である。
【0029】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は 少なくとも約99%だけCD4+リンパ球を減少させるのに有効である。
【0030】
いくつかの実施形態では、多標的キナーゼ阻害剤(アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、又は リオシグアトなど)の投与は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は 少なくとも約99%だけCD8+リンパ球を減少させるのに有効である。
【0031】
通常、投与される多標的キナーゼ阻害剤の量は、治療される病変又は類線維腫の大きさに依存する。例えば、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgの多標的キナーゼ阻害剤が病変毎に投与されてもよい。
【0032】
前段落のこれらの量は、必要に応じて投与されてもよいし、又は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、約12週、約13週、約14週、約15週、約16週、約17週、約18週、約19週、約20週、約21週、約22週、約23週、約24週、約25週、約26週、約27週、約28週、約29週、約30週、約31週、約32週、約33週、約34週、約35週、約36週、約37週、約38週、約39週、約40週、約41週、約42週、約43週、約44週、約45週、約46週、約47週、約48週、約49週、約50週、約51週、約52週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、又は約12ヶ月の間隔をおいて投与されてもよい。
【0033】
前段落の治療は、必要とされる限り続けられてもよいし(1回のみなど)、少なくとも約2週、少なくとも約3週、少なくとも約4週、少なくとも約5週、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、又は少なくとも約20年にわたり続けられてもよい。
【0034】
多標的キナーゼ阻害剤がアキシチニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのアキシチニブが病変毎に投与されてもよい。上述のアキシチニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0035】
多標的キナーゼ阻害剤がニンテダニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのニンテダニブが病変毎に投与されてもよい。上述のニンテダニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0036】
多標的キナーゼ阻害剤がスニチニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのスニチニブが病変毎に投与されてもよい。上述のスニチニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0037】
多標的キナーゼ阻害剤がレンバチニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのレンバチニブが病変毎に投与されてもよい。上述のレンバチニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0038】
多標的キナーゼ阻害剤がレゴラフェニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのレゴラフェニブが病変毎に投与されてもよい。上述のレゴラフェニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0039】
多標的キナーゼ阻害剤がポナチニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのポナチニブが病変毎に投与されてもよい。上述のポナチニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0040】
多標的キナーゼ阻害剤がパゾパニブである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのパゾパニブが病変毎に投与されてもよい。上述のパゾパニブの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0041】
多標的キナーゼ阻害剤がリオシグアトである治療については、約0.0001-100mg、約0.001-10mg、0.0005-0.002mg、約0.002-0.003mg、約0.003-0.004mg、約0.004-0.005mg、約0.005-0.006mg、約0.006-0.007mg、約0.007-0.008mg、約0.008-0.009mg、約0.009-0.01mg、約0.01-0.011mg、約0.1-0.5mg、約0.5-1mg、約1-1.5mg、約1.5-2mg、約2-2.5mg、約2.5-3mg、約3-3.5mg、約3.5-4mg、約4-4.5mg、約4.5-5mg、約5-5.5mg、約5.5-6mg、約6-6.5mg、約6.5-7mg、約7-7.5mg、約7.5-8mg、約8-8.5mg、約8.5-9mg、約9-9.5mg、約9.5-10mg、約10-10.5mg、約10.5-11mg、約11-11.5mg、約11.5-12mg、約12-12.5mg、約12.5-13mg、約13-13.5mg、約13.5-14mg、約14-14.5mg、約14.5-15mg、約15-15.5mg、約15.5-16mg、約16-16.5mg、約16.5-17mg、約17-17.5mg、約17.5-18mg、約18-18.5mg、約18.5-19mg、約19-19.5mg、約19.5-20mg、約1-3mg、約3-5mg、約5-7mg、約7-9mg、約9-11mg、約11-13mg、約13-15mg、約15-17mg、約17-19mg、約19-21mg、約1-5mg、約5-10mg、約10-15mg、又は約15-20mgのリオシグアトが病変毎に投与されてもよい。上述のリオシグアトの用量は、必要に応じて続けられてもよいし、およそ毎週、およそ1月に2回、およそ毎月、およそ1ヶ月おき、およそ半年毎、又はおよそ毎年、投与されてもよい。治療は、一回でもよいし、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、又は少なくとも約5年にわたり続けられてもよい。
【0042】
本明細書に記載の医薬組成物の調製は、医薬製剤の調製のための一般的に受け入れられている手順に従って行うことができる。例えば、E.W.Martin編、「Remington’s Pharmaceutical Sciences 18th Edition」、Mack Publishing Co.、ペンシルベニア州、1990年)を参照されたい。注射による投与のための液体形態は、水溶液、水性又は油性懸濁液、乳液、マイクロビーズなどを含む。適切な添加剤として、溶媒及び/又は共溶媒;可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、又は増粘剤;キレート剤;抗酸化剤及び還元剤;抗菌性保存剤:バッファー及び/又はpH調整剤;増量剤;保護剤(protectant);等張化剤(tonicity adjustor)などをあげることができる。剤形は、液体として保存されてもよいし、使用時に再構築されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態が以下の特定の実施例を用いて示される。当業者であれば、本明細書に開示の実施例に基づき他の修正例及び変形例が可能であることから、これらの実施例が例示のみを目的とするものであり本発明の範囲を限定することを意図するわけではないことを理解するだろう。
【0044】
(実施例1)
子宮類線維腫は良性過形成である。子宮類線維腫及び良性前立腺過形成はともに良性の組織化形成として現れる。前者はエストロゲン及びプロゲステロンに依存性であり、後者は内因性テストステロンに依存性であることが示されている。また、これらの生殖器管異形成は、両疾患におけるVEGF及びTGFベータなどの成長因子についての実証された役割により結び付けられる(Tal,R.及びSegars,J.H.、Hum.Reprod Update、20:194-216、2014; Walsh,K.等、Prostate Cancer and Prostatic Dis.、5:119-122、2002;Soulitzis,N.等、 Int.J.Oncol.、29:305-314、2006)。
【0045】
形態学的には、良性前立腺過形成は、既存の管内の上皮組織の増殖を介した新構造の形成を特徴とする。間質細胞が上皮細胞恒常性における重要な傍分泌制御機能を果たすことを考えると、間質―上皮相互作用での後期の変化は子宮類線維腫への洞察を提供し得る。
【0046】
ラットのWistar系統及びSprague-Dawley系統は、外因性テストステロンによる処置後の良性前立腺過形成の発達を起こしやすく、内因性ホルモンにより誘導される過形成の、すなわち、雄ではBPH、雌では子宮類線維腫(UF)のモデルとして機能し得る。ラットでのテストステロン及びフェニレフリンにより誘導された良性前立腺過形成への試験化合物及びビヒクルの効果を確認するために研究を行った。雄のWistarラットは、1日目から28日目をとおして皮下注射により毎日投与されるテストステロン(2mg/kg)+フェニレフリン(5mg/kg)により誘導された。ビヒクル、又は、多標的試験化合物である、アキシチニブ(1%)、ソラフェニブ(1%)、ピルフェニドン(2.5%)、及びリオシグアト(1%)が、15日目及び29日目に前立腺内注射(0.2mL)により投与された。動物は42日目に安楽死させた。体重を求めた。前立腺を採取し重量を測った。研究デザインを以下の表1に示す。
【0047】
【0048】
各処置群毎に前立腺重量/体重100gを求めた(
図1)。アキシチニブ処置及びリオシグアト処置は、それらのビヒクル処置対照群、すなわち、それぞれ群1及び6に比べて、平均前立腺重量の減少をもたらした。ソラフェニブは、ビヒクル処置対照群(群1)に比べて、平均前立腺重量の減少を示さなかったが、これはすべての多標的キナーゼ阻害剤が機能するわけではないと考えられたことを示している。むしろ、特定の阻害スペクトルを有する多標的キナーゼ阻害剤のみが機能すると考えられた。
【0049】
死体解剖では、前立腺の背側葉及び腹葉を分けて半分に切った。左側の半分を、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、薄切し、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)で染色した。腺過形成は、正常に見える腺外形の中での上皮細胞の増加として見分けられ、上皮細胞の層化と上皮タフティング(epithelial tufting)及び乳頭状突起の増加した存在とに反映される(
図2)。間質変化を顕微鏡で観察した。これらの変化は炎症及び組織の線維増殖を含んでいた。各切片に0(存在なし)から5(重症)の範囲の重症度スコアを割り当てた。
【0050】
図2は、ラットでのテストステロン及びフェニレフリンにより誘導された線維増殖への試験薬剤の影響を示す。100倍の倍率での背側前立腺由来の代表的画像を示す。パネル(1)は、正常な(スコア=0)腺外形を示す群5(ビヒクル)のラットの画像を示す。パネル(2)は、僅かな(スコア=2)上皮過形成を有する群1(テストステロン及びフェニレフリン(TE+PE)により誘導され、ビヒクル処置された群)のラットを示す。パネル(3)は、最小の(スコア=1)上皮過形成を有する群2(TE+PEにより誘導され、アキシチニブ1%で処置された群)のラットを示す。パネル(4)は、僅かな(スコア=2)上皮過形成を有する群3(TE+PEにより誘導され、ソラフェニブ1%で処置された群)のラットを示す。パネル(5)は、最小の(スコア=1)上皮過形成を有する群4(TE+PEにより誘導され、ピルフェニドン2.5%で処置された群)のラットを示す。パネル(6)は、僅かな(スコア=2)上皮過形成を有する群6(TEで誘導された群)のラットを示す。パネル(7)は、最小の(スコア=1)上皮過形成を有する群7(TEで誘導され、リオシグアト1%で処置された群)のラットを示す。
【0051】
図3に示すように、アキシチニブ、ピルフェニドン、及びリオシグアトは、ビヒクル処置に比べて、過形成スコアの減少を示した。一方、ソラフェニブ処置は、ビヒクル群に比べて、過形成の減少をもたらさなかった。
【0052】
テストステロン及び/又はエピネフリンにより誘導された過形成の、アキシチニブ、ピルフェニドン、及びリオシグアトによる阻害は、これらの化合物が消化系及び生殖系での細胞増殖及び線維化から生じる良性の組織の過剰成長及び/又は障害の治療に有効であると考えられることを示している。この研究は、抗VEGFR及び抗PDGFR活性を有する多標的キナーゼ阻害剤のすべてがホルモン誘導性過形成の有効な阻害剤であるというわけではないことを示している。
【0053】
(実施例2)
(ラットでの前立腺内注射後のアキシチニブ及びソラフェニブの濃度)
この研究では、アキシチニブ及びソラフェニブの前立腺内注射を15日目及び29日目に行った。動物は42日目に安楽死させ、分析のために前立腺組織サンプルを採取した。組織サンプルを、Bead Ruptor homogenizerを用いて準備し、アセトニトリル及び高速遠心分離により抽出を行った。アキシチニブ及びソラフェニブの測定のためのLC-MS/MS法は、アキシチニブ-d3を内部標準として利用して開発した。
【0054】
42日目に、前立腺でのアキシチニブの平均濃度は718mg/gmであり、前立腺でのソラフェニブの平均濃度は892mg/gmであった。
【0055】
これらの組織濃度は両方ともVEGFR及びPDGFR活性の阻害に必要とされるものよりも高い。この研究の結果は、アキシチニブ及びソラフェニブとの間の前立腺での薬理活性の違いがそれらの薬物動態プロファイルの違いによるものではないことを示している。
【0056】
(実施例3)
この研究は、ラットでのテストステロン及びフェニレフリンにより誘導された良性前立腺過形成への多標的キナーゼ阻害剤及びビヒクルの効果を確認するために研究を行った。雄のWistarラットは、5日目から32日目をとおして皮下注射により毎日投与されるテストステロン(2mg/kg)+フェニレフリン(5mg/kg)により誘導された。ビヒクル、又は、試験化合物(すべて1%(w/v))である、ニンテダニブ、スニチニブ、又はレンバチニブ、及びドキサゾシンメシル酸塩が、1日目及び18日目に背側葉及び腹葉への前立腺内注射(0.4mL)により投与された。動物は32日目に安楽死させた。研究デザインを以下の表2に示す。
【0057】
死体解剖では、前立腺の腹葉及び背側葉を分けて半分に切った。左側の半分を、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、薄切し、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)で染色した。これらの切片での形態学的変化をスコア化した。上皮過形成は、正常に見える腺外形の中での上皮細胞の増加として見分けられ、上皮細胞の層化と上皮タフティング(epithelial tufting)及び乳頭状突起の増加した存在とに主に反映される。各サンプルに0(存在なし)から5(重症)の重症度を割り当てた。代表的画像を
図4及び5に示す。平均スコア(±SD)を
図6及び7に示す。
【0058】
【0059】
図4は、背側前立腺での腺過形成への試験薬剤の効果を示す。パネル(A)は、正常な(スコア=0)腺外形を示すビヒクル処置組織を示す。パネル(B)は、顕著な(スコア=4)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つビヒクル処置されたものを示す。パネル(C)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つニンテダニブ処置されたものを示す。パネル(D)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つスニチニブ処置されたものを示す。パネル(E)は、僅かな(スコア=2)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つレンバチニブ処置されたものを示す。パネル(F)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つドキサゾシン処置されたものを示す。
【0060】
図5は、腹側前立腺での腺過形成への試験薬剤の効果を示す。パネル(A)は、正常な(スコア=0)腺外形を示すビヒクル処置されたものを示す。パネル(B)は、顕著な(スコア=4)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つビヒクル処置されたものを示す。パネル(C)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つニンテダニブ処置されたものを示す。パネル(D)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つスニチニブ処置されたものを示す。パネル(E)は、僅かな(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つレンバチニブ処置されたものを示す。パネル(F)は、中程度の(スコア=3)上皮過形成を有するTE+PEにより誘導され且つドキサゾシン処置されたものを示す。
【0061】
背側及び腹側前立腺内での腺過形成への、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、及びドキサゾシンの効果についての平均スコアを、
図6及び7に示す。
【0062】
この研究は、ニンテダニブ及びレンバチニブがラットでのテストステロン/フェニレフリン誘導良性前立腺過形成モデルにおける細胞増殖の有効な阻害剤であることを示している。
【0063】
上述の2つの研究での、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、及びドキサゾシンによる良性前立腺過形成の阻害は、これらの化合物が消化系及び生殖系での細胞増殖及び線維化から生じる良性の組織の過剰成長及び/又は障害の治療に有効であろうことを示している。
【0064】
(実施例4)
線維増殖は、一般的に、疾患、外傷、遺伝子障害、又は感染症に関連する組織での遅発相の反応性応答及び/又は修復応答である。関与する臓器又は組織によらず病態生理学の重複が大きいので、例えば眼組織での観察結果が生殖器管及び/又は消化管の疾患及び/又は障害と関連し得る。
【0065】
ウサギでの縫合糸誘導性眼線維症モデルにおける試験化合物及びビヒクルの局所投与の潜在的有益効果を確認するために研究を行った。縫合糸を顕微鏡下でウサギの角膜における実質内に配置した。それぞれの眼において、一本目の9.0シルク縫合糸を角膜の中心に対して側頭側にある垂直位置に配置し、二本目の縫合糸を角膜中心に対して鼻側に配置した。それぞれの縫合糸は角膜縁から約2mmの実質内侵入が2箇所あった。多標的キナーゼ阻害活性の特定スペクトルを有する試験化合物又はビヒクルを、手術日後10日にわたり毎日3回眼内に局所的に滴下(35μL/眼)した。処置群は、ビヒクル、アキシチニブ(0.3%)、ニンテダニブ(0.3%)、ピルフェニドン(1%)、リオシグアト(0.3%)、ソラフェニブ(0.3%)、及びレンバチニブ(0.3%)を含む。それぞれの処置群で6個の左目を用いた。
【0066】
インライフフェイズ(in-life phase)中、眼の巨視的観察から極僅かなものから中程度のものまでの結膜充血及び腫れがビヒクル対象群を含む群間で同様にみられた。動物は11日目に屠殺し、眼を摘出し、組織病理学的評価のために解剖した。
【0067】
結果は、アキシチニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、及びソラフェニブが角膜表面での新生血管形成面積の減少に有効であったことを示している(
図8)。さらに、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブは、組織学的染色により明らかなように、線維増殖及び/又はコラーゲン密度を顕著に減少させた。対照的に、ソラフェニブは、線維増殖又はコラーゲン形成への僅かな又は零の効果しか示さなかった。さらに、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブは、免疫組織化学的分析から求めたところ、αSMA染色を顕著に減少させ、一方、ソラフェニブは、ビヒクル処置と比べたときのαSMAへの効果を示さなかった(
図9)。
【0068】
研究結果は、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブによる、新生血管形成、線維増殖、コラーゲン関連物質、及びSMAにおける、組織学的減少を示している。また、この研究の結果は、すべての多標的キナーゼ阻害剤が線維性組織応答の治療に有効であるわけではないであろうことを示している。
【0069】
(実施例5)
線維症は、疾患、外傷、遺伝子障害、又は感染症に関連する組織での遅発相の反応性応答及び/又は修復応答である。関与する臓器又は組織によらず線維化の病態生理学の重複が大きいので、例えば皮膚創傷での観察結果が生殖器管及び/又は消化管の線維症と関連し得る。これは、VEGF、PDGF、FGF、及び/又はTGFベータなどの成長因子の役割を調べることを含む。特に、TGFベータは、皮膚創傷治癒及び瘢痕化に重要であることが示されており、消化管及び生殖器管の線維化反応への明らかな寄与因子であると考えられている。
【0070】
試験化合物をウサギの全層皮膚創傷で調べた。この研究では、7匹のニュージーランド白ウサギ(体重の範囲は3.03から3.40kg)を用いた。8mmの皮膚パンチ生検を用いて両耳の腹側表面上に4つの創傷を施した。アキシチニブ(1.0%)、ニンテダニブ(1.0%)、レンバチニブ(1.0%)、ソラフェニブ(1.0%)、及びスニチニブ(1.0%)を、術後15日目及び29日目に皮内又は病変内注射により投与した。動物は42日目に安楽死させ、外傷部位を採取して、半分に分割した。一方の半分を組織学的検査のためにホルマリンで保存し、他方の半分をTGFベータ分析のために凍結させた。
【0071】
組織H&E染色を炎症及び新生血管形成について半定量的に評価した。組織の線維化及びコラーゲンの組織化をマッソントリクローム染色(Mason’s trichrome staining)により評価した。各ウサギ毎に試験物を受けた4箇所の皮内部位についてのスコアの平均を求めた。大部分の瘢痕組織は、新生血管形成、線維芽過形成、コラーゲン無秩序化、及び再上皮化から構成される。
【0072】
アキシチニブ(表3)は、未処置創傷よりも少ない新生血管形成を示した。試験創傷の平均合計スコアは、未処置創傷よりも1.4低かった。
【0073】
表3:1%アキシチニブの皮内投与により処置したウサギ耳創傷の組織病理学的所見
【表3】
【0074】
ニンテダニブ(表4)は、ずっと低い新生血管形成と、未処置創傷とほぼ同じ線維化を示した。試験創傷の平均合計スコアは、未処置創傷よりも1.5低かった。全体的に試験部位は対照部位と比べて瘢痕形成が少なかった。
【0075】
表4:1%ニンテダニブの皮内投与により処置したウサギ耳創傷の組織病理学的所見
【表4】
【0076】
ソラフェニブ(表5)は、対照部位に比べて、若干増加した新生血管形成と、同様の又は増加した線維化とを示した。全体的に試験物は未処置創傷部位に比べて減少した瘢痕形成を示したようにはみえなかった。
【0077】
表5:1%ソラフェニブの皮内投与により処置したウサギ耳創傷の組織病理学的所見
【表5】
【0078】
スニチニブ(表6)は、未処置対照部位に比べて、若干増加した新生血管形成と、増加した線維化とを示した。全体的に試験物は未処置創傷部位に比べて減少した瘢痕形成を示したようにはみえなかった。
【0079】
表6:1%スニチニブの皮内投与により処置したウサギ耳創傷の組織病理学的所見
【表6】
【0080】
レンバチニブ(表7)は、対照創傷部位に比べて、減少した線維化を示したようにみえた。合計スコアは対照創傷よりも0.5低かった。
【0081】
表7:1%レンバチニブの皮内投与により処置したウサギ耳創傷の組織病理学的所見
【表7】
【0082】
アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブにより処置された外傷部位についての組織病理学的データは、減少した血管新生及び線維化を示した。対照的に、ソラフェニブ又はスニチニブにより処置された部位に由来するサンプルは、血管新生及び線維化の減少を示さなかった。
【0083】
処置外傷サンプルでのTGFベータmRNA発現を未処置サンプルでの発現と比較した。概して、処置サンプルでのTGFベータ発現は未処置外傷サンプルと比べて低かった。
【0084】
アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブにより処置されたサンプルでのTGFベータmRNA発現の平均倍率は、未処置外傷サンプルでの発現レベルよりも低い。対照的に、ソラフェニブ又はスニチニブなどの他の多標的キナーゼ阻害剤により処置された動物由来のサンプルは、未処置外傷サンプルと顕著に異なる平均TGFベータ発現レベルを示さなかった(
図10)。
【0085】
これらのデータは、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブが、線維症に関連する、病状、障害、及び外科手術の治療に必要な多標的キナーゼ阻害剤活性の特定スペクトルを有していることを支持している。多標的キナーゼ阻害の特定スペクトルはTGFベータのシグナル伝達経路に関与しているかもしれない。
【0086】
(実施例6)
線維化及びコラーゲン沈着の阻害は、TGFベータmRNA発現の増加を鈍化させる多種キナーゼ(multikinase)の能力と相関性を有しているようである。TGFベータの組織レベルは、新規タンパク質合成のみならず、成長因子の貯蔵量及び処理量の両方を反映するので、我々はミニブタを用いて二次皮膚創傷応答でのTGFベータタンパク質レベルを測定した。
【0087】
1日目に全層直線切断創傷をゲッチンゲンミニブタに施した。長さ凡そ3cmで少なくとも5cm間隔の10個の創傷を動物の背面上に背骨と直角に施した。試験薬剤は、ニンテダニブ(2%)、レンバチニブ(2%)、ソラフェニブ(1%)、アキシチニブ(2%)、及びビヒクル対照を含んでいた。試験薬剤を創傷形成直後に皮内注射により投与した。ニンテダニブ、レンバチニブ、ソラフェニブ、又はアキシチニブの用量は、創傷部位毎に16mgであった。3匹のミニブタに同様の方法で投薬した。4日目、7日目、及び9日目に、それぞれ一匹ずつ、ミニブタを屠殺した。
【0088】
屠殺時、創傷部位の各面から2つの皮膚パンチ生検(4mm)を採取した。タンパク質抽出及びELISA(酵素免疫吸着測定法)分析による処理の前に、2つの生検を、液体窒素で急速冷凍し、-80℃で保存した。TGFベータタンパク質レベルを、4日目、7日目、及び9日目に測定した。
【0089】
図11は、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブがブタ直線切断創傷モデルにおいてTGFベータ1タンパク質レベルの時間依存的阻害を奏したことを示している。ソラフェニブは皮膚創傷治癒のこのモデルにおいて有効性がずっと低かった。
【0090】
(実施例7)
ヒトカテリシジンLL-37及びそのマウスオルソログは、結核でのビタミンD欠乏における、インビトロでの細菌及びウイルス感染への宿主防御における、及び、マウスモデルにおける、気道上皮内のいくつかの部位での粘膜免疫に関連している。胃腸管では、LL-37レベルは潰瘍性結腸炎及び胃のヘリコバクター・ピロリ感染で上昇する。結腸上皮は炎症を起こした結腸の生検よりも高いレベルでヒトカテリシジンLL-37を発現する。酒さを有する個体は、カテリシジンを高レベルで発現するのみならず、白血球遊走、血管新生、及び細胞外基質成分発現を促進するカテリシジンペプチドの複数の形態を産生する。これらのペプチドをマウスの皮膚に注射すると酒さ患者でみられる病理学的変化と似た皮膚炎症がもたらされることが示されている。カテリシジン由来ペプチドLL-37はマウスで酒さ様応答を誘導するために用いられている。
【0091】
我々の研究では、マウスに40μLのLL-37(3.3mg/mL)を皮下注射して、炎症反応を誘導した。LL-37注射の直後に、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブを、単回皮内注射(1.6mg)により個別に投与した。LL-37注射は12時間毎に合計4回まで繰り返した。陰性対照群及び陽性対照群として、それぞれ、無エンドトキシン水及びデキサメタゾン(3mg/kg、腹腔内注射、2回)を用いた。
【0092】
最初のLL-37注射の48時間後に、背面皮膚を写真撮影し、皮膚病変の重症度を、赤みに基づいてスコア化し、病変部について測定した。
【0093】
最初のLL-37注射の48時間後に、背面皮膚を写真撮影し、皮膚病変の重症度を、赤みに基づいてスコア化し、病変部について測定した。
【0094】
図12に示すように、すべての処置群のなかで、レンバチニブ(AIV007)が最も低いTGFb-1 mRNA発現を示した。LL37で誘導され且つレンバチニブで処置されたマウスでのTGFb1 mRNA発現は、LL37単独でチャレンジした(すなわち、処置なしの)ものの79%であった。
【0095】
組織サンプルを炎症特性について分析した。組織病理学的評価項目は、炎症と、CD4+及びCD8+のTリンパ球の免疫染色とを含んでいた。炎症スコアのために、組織を、組織学的に調べ、炎症細胞浸潤に関してスコア化した。
図13に示すように、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブは、炎症のスコアの目覚ましい減少を示した。こうした結果は、ここに列記の多標的キナーゼ阻害剤が炎症により生じた又は炎症に関連する疾患を予防又は治療するための有効な治療剤となるであろうことを示している。
【0096】
図14に示すように、多標的キナーゼ阻害剤である、オアキシチニブ、ニンテダニブ、及びレバチニブは、皮内LL37注射により誘導した炎症のマウスモデルでのCD4+リンパ球スコアの減少にも有効である。減少は約30%から約40%の範囲である。
【0097】
同様に、
図15に示すように、多標的キナーゼ阻害剤である、アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレバチニブは、皮内LL37注射により誘導した炎症のマウスモデルでのCD8+リンパ球スコアの減少にも有効である。減少は約40%から約55%の範囲である。
【0098】
まとめると、ここに列記の化合物のいくつかはLL37誘導性炎症に阻害効果を示した。さらに、これらの化合物は、TGFベータmRNA発現も制御した。これらの結果は、これらの化合物が炎症を特徴とする疾患(子宮類線維腫、子宮線維腫、筋層内類線維腫、漿膜下類線維腫、粘膜下類線維腫、有茎性類線維腫、子宮平滑筋腫、子宮筋腫、腺筋症、子宮線維筋腫、子宮線維平滑筋腫、子宮頚部類線維腫、子宮癒着、アッシャーマン症候群、胆管線維症、胆管硬化症、原発性胆汁性肝硬変、及び原発性硬化性胆管炎、又はこれらの組み合わせなど)の予防又は治療に必要な阻害プロファイルを有するという考えを支持している。
【0099】
これらのデータは、前述の事前研究と一貫している。アキシチニブ、ニンテダニブ、及びレンバチニブをはじめとする特定の多標的キナーゼ阻害剤が、細胞増殖及び線維化の有効な制御因子であることが示された。さらに、これらの活性がそれらによるTGFベータなどの特定の成長因子の阻害と相関性を有している。
【0100】
特記のない限り、本明細書で用いられる、用量や過形成スコアなどの、量又は性質を表す数字のすべては、すべての場合において、『約』という用語で修飾されたものとして解釈されたい。各数値パラメーターは、少なくとも、報告された有効数字を鑑み、通常の丸め手法を適用して解釈されるべきである。従って、矛盾する記載のない限り、数値パラメーターは、達成すべき所望の性質に応じて修正されてもよく、そして、本開示の一部とみなされるべきである。最低限、本明細書に示した実施例は、例示を目的とするに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0101】
本開示の実施形態を記載するにあたって(特に特許請求の範囲の記載について)用いられた単数の言及は、本明細書に特記がなく且つ文脈と明白に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されたい。本明細書に記載の方法のすべては、本明細書に特記がなく且つ文脈と明白に矛盾しない限り、任意の適切な順番で行うことができる。本明細書で提供した例示及び例示的表現(例えば、「など」)のいかなる使用も、本開示の実施形態をより良く示すことを意図するに過ぎず、いかなる請求項の範囲にも制限を課すものではない。本明細書の表現は、本開示の実施形態の実施のために必須であるが請求項には記載されていない要素を示すものと解釈されてはならない。
【0102】
本明細書に記載の選択的要素又は実施形態からなる集合は制限として解釈されるべきではない。各集合要素は、個別に、又は、当該集合の他の要素若しくは本明細書にある他の要素との任意の組み合わせで、参照されてもよい。ある集合の1つ以上の要素が利便性及び/又は特許性を理由にある集合に含められたり又はある集合から除外されたりしてもよい。
【0103】
特定の実施形態が本明細書に記載されており、これらは当該実施形態を実施するにあたり発明者が知る限り最良の形態を含んでいる。当然ながら、記載したこれらの実施形態についての変形例は前述の記載を読んだ当業者にとって明らかなはずである。発明者は、当業者であればこうした変形例を適切に採用すると期待して、本開示の実施形態が本明細書に具体的に記載したもの以外の方法で実施されることを意図したものである。従って、請求項は、該当法が許容する限り、当該請求項に記載の主題のすべての修正例及び等価物を包含する。さらに、本明細書に特記がなく且つ文脈と明白に矛盾しない限り、上述の要素の可能な全ての変形例における当該要素の任意の組み合わせが考えられる。
【0104】
最後に、本明細書に記載の実施形態は請求項の原理の例示であると理解されたい。採用可能な他の修正例も請求項の範囲内である。そのため、例えば、これに限定されるわけではないが、本明細書の起用時に従って代替的実施形態を用いることもできる。従って、請求項は図示及び記載したとおり正確に実施形態に限定されるというわけではない。
【0105】
[付記]
[付記1]
有効量の多標的キナーゼ阻害剤を治療を必要とする動物又はヒトに投与することを含む、生殖器管又は消化管の疾患又は障害に関連する線維症を治療する方法。
【0106】
[付記2]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、アキシチニブ、ニンテダニブ、スニチニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、パゾパニブ、リオシグアト、これらの多標的キナーゼ阻害剤のいずれかの塩、又は、これらの組み合わせである、付記1に記載の方法。
【0107】
[付記3]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、アキシチニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0108】
[付記4]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、ニンテダニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0109】
[付記5]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、レンバチニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0110】
[付記6]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、レゴラフェニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0111】
[付記7]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、ポナチニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0112】
[付記8]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、パゾパニブ又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0113】
[付記9]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、リオシグアト又はその塩である、付記1に記載の方法。
【0114】
[付記10]
前記多標的キナーゼ阻害剤は、ヒトに投与される、付記1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
[付記11]
前記線維症は、生殖器管の疾患又は障害に関連する、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
[付記12]
前記線維症は、消化管の疾患又は障害に関連する、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
[付記13]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮類線維腫、子宮線維腫、筋層内類線維腫、漿膜下類線維腫、粘膜下類線維腫、有茎性類線維腫、子宮平滑筋腫、子宮筋腫、腺筋症、子宮線維筋腫、子宮線維平滑筋腫、子宮頚部類線維腫、子宮癒着、アッシャーマン症候群、胆管線維症、胆管硬化症、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、又はこれらの組み合わせを含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
[付記14]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
[付記15]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
[付記16]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、筋層内類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
[付記17]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、漿膜下類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
[付記18]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、粘膜下類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
[付記19]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、有茎性類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
[付記20]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮平滑筋腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
[付記21]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮筋腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
[付記22]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、腺筋症を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
[付記23]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮線維筋腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
[付記24]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮線維平滑筋腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
[付記25]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮頚部類線維腫を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
[付記26]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮癒着を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
[付記27]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、アッシャーマン症候群を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
[付記28]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、胆管線維症を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
[付記29]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、胆管硬化症を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
[付記30]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、原発性胆汁性肝硬変を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
[付記31]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、原発性硬化性胆管炎を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
[付記32]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮内手術に関連する、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
[付記33]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮腔癒着を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
[付記34]
前記生殖器管又は消化管の疾患又は障害は、子宮内癒着を含む、付記1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
[付記35]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、病変内、病変周囲、管内、管周囲、経皮、筋肉内、子宮内、血管内の投与、又は、これらの組み合わせにより行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
[付記36]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、病変内投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
[付記37]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、病変周囲投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
[付記38]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、管内投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
[付記39]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、管周囲投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
[付記40]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、経皮投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
[付記41]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、筋肉内投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
[付記42]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、子宮内投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
[付記43]
前記多標的キナーゼ阻害剤の投与は、血管内投与により行われる、付記1から34のいずれか1つに記載の方法。