IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中鉢 照雄の特許一覧

<>
  • 特開-荷台 図1
  • 特開-荷台 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007830
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】荷台
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/027 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B62D33/027 G
B62D33/027 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020124751
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】598108124
【氏名又は名称】中鉢 照雄
(72)【発明者】
【氏名】中鉢 照雄
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で積載面の四方を囲んだ状態で、トラックの荷台を後方に延長する手段を提供する。
【解決手段】 後あおり3の幅方向の両端に、後あおり3の面に垂直に、かつ側あおり2に対向する側に一対の板状部材4を設け、さらに後あおり3の記積載面1側に配されてなる辺と対向する辺に、ヒンジを介して設けられてなる回動可能な第二の後あおり5を取り付ける。後あおり3を水平方向に倒すと、後あおり3が積載面1の延長部を形成するとともに、板状部材4が側あおり2の延長部を形成し、さらに後あおり3を倒した状態で、第二の後あおり5を起立させて通常の後あおり3と同様の構造を形成する。これによって、後あおり3の高さの分だけ、荷台を後方に延長できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の積載面と、一対の側あおりと、後あおりを有する荷台において、前記荷台は、前記後あおりとの接合部位に、前記後あおりを前記積載面と平行な方向に固定する手段を有し、前記後あおりは、幅方向の両端に前記後あおりの面に垂直に、かつ前記側あおりに対向する側に設けられてなる一対の板状の部材を有することを特徴とする荷台。
【請求項2】
前記後あおりは、前記積載面側に配されてなる辺と対向する辺に設けられてなる軸を介して回動可能な第二の後あおりを有し、前記第二の後あおりを、前記後あおりと垂直な位置に固定する手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役に供されるトラックなどの荷台に関するもので、特に長さを一定範囲で後側に延長可能な機構を備えた荷台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陸上の物流には、その利便性からコンテナが用いられているが、通常の荷台を備えたトラックなどの自動車も使用されている。これらの荷台は、貨物を積載するための平板状の積載面が、運転席後部の外壁と、積載面の幅方向の両端にヒンジを介して設けられた、一対の側あおりと、積載面の後端にヒンジを介して設けられた後あおりとで四方を囲まれた構成となっている。
【0003】
一方、従来のトラックは、運転席のシートが上下、前後共に調節できない状態に固定されていることが多かったが、運転手の利便性を考慮して、前記の調整を可能としたものも上市されている。運転席の位置を前後に調整可能とすると、運転席部が車両内で占める面積が広くなり、その分だけ荷台の長さが減少することになる。また、トラックに積載する対象物によっては、荷台からはみ出した状態で運搬することもあり、一時的に荷台を後方に延長する機構が必要とされている。
【0004】
このような場合に対処する構成のトラックの荷台の例として、特許文献1には、トラックの荷台の起倒自在の後板の側端上部に回転自在に設けられ、該荷台の側板の後端面より突出するフックとの係合によって該後板を傾倒不能にするL形レバーにおいて、このL形レバーの先端側非軸部を延長してその先端に二股部を設け、この二股部に、上部フックに係脱されるピンと該ピンの周りで揺動して上記フックに嵌脱されるU形金具とを設け、上記非軸部の長さを上記後板の下端からL形レバー取付位置までの長さの約2の平方根倍にしたことを特徴とする、トラックの荷台の後板の固定用レバーが開示されている。
【0005】
ここに開示されているトラックの荷台の後板の固定用レバーを用いることにより、該荷台を、後板、つまり後あおりの長さの分だけ、荷台の長さを延長することが可能となる。しかし、このような構成による荷台の長さの延長は、後あおりをなくすことを意味するので、トラックの走行中の積載物の滑落防止のため、積載物の固定を、より強固にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61-145085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記の課題に鑑み、簡単な構造で積載面の四方を囲んだ状態で、トラックの荷台を後方に延長する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記の課題解決のため、従来のトラックの後あおりの構造を再検討した結果、なされたものである。
【0009】
本発明によれば、荷物の積載面と、一対の側あおりと、後あおりを有する荷台において、前記荷台は、前記後あおりとの接合部位に、前記後あおりを前記積載面と平行な方向に固定する手段を有し、前記後あおりは、幅方向の両端に前記後あおりの面に垂直に、かつ前記側あおりに対向する側に設けられてなる一対の板状の部材を有することを特徴とする荷台が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、前記後あおりが、前記積載面側に配されてなる辺と対向する辺に設けられてなる軸を介して回動可能な第二の後あおりを有し、前記第二の後あおりを、前記後あおりと垂直な位置で、かつ前記板状の部材側に固定する手段を有することを特徴とする、前記の荷台が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る荷台は、後あおりを荷物の積載面と平行な方向に倒した際に、後あおりの幅方向の両端に、後あおりの面に垂直に、かつ、側あおりに対向する側に設けられてなる一対の板状の部材が、後あおりが倒れることによって形成される、積載面の延長部分の両端に配されるので、結果的に側あおりを延長した状態となる。
【0012】
また、本発明に係る後あおりには、後あおりの積載面側に配されてなる辺と対向する辺に設けられてなる軸を介して、回動可能な第二の後あおりが設けられているので、後あおりが倒れた状態で、第二の後あおりを上方に向け固定すると、これが通常の後あおりと同じ機能を発現することになり、前述の一対の板状の部材と協働して積載面全体の周囲を囲むことが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る板状部材と第二の後あおりは、既存のトラックの後あおりに追加する加工を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】 本発明に係る荷台の内部の一例を示す図、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図。
図2】 本発明に係る荷台を延長する状態の一例を示す図、図1(a)は、後あおりを後方に倒す途中の状態、図2(b)は、後あおりを積載面と平行に固定した状態、図2(b)は、第二の後あおりを積載面に垂直に立ち上げた状態。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の携帯について。具体的な図を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る荷台の内部の一例を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図である。ここに示したように、本発明に係る荷台は、図示していない運転席後部の外壁と、一対の側あおり2と、後あおり3とで、四方を囲まれた積載面1を備えている。
【0017】
そして、後あおり3は、積載面1の後端、つまり、図における右側の端に、積載面と後あおりとを接合する軸、つまり第一のヒンジ6を介して、積載面1に回動可能に接合され、幅方向の両端には、後あおり3の面に垂直に、かつ側あおり2に対向する側に設けられてなる一対の板状4の部材が接合されている。
【0018】
また、後あおり3の第一のヒンジが設けられている辺と対向する辺には、後あおりと第二の後あおりを接合する軸、つまり第二のヒンジ7を介して回動可能な状態で、第二後あおり5が接合されている。
【0019】
図2は、本発明に係る荷台を延長する状態の一例を示す図であり、図1(a)は、後あおりを後方に倒す途中の状態、図2(b)は、後あおりを積載面と平行に固定した状態、図2(b)は、第二の後あおりを積載面に垂直に立ち上げた状態である。
【0020】
ここに示したように、後あおり3を後方に倒し、積載面1と平行な方向、つまり水平方向に固定すると、積載面1は、後あおり3の高さ分だけ後方に延長され、一対の板状部材4により、側あおり2の延長部が形成される。なお、ここでは特に図示しないが、レバー、フック、ピンなどからなる、後あおりを水平方向に固定する固定手段が設けられている。
【0021】
そして、後あおり3を水平方向に固定した後、第二の後あおり5を第二のヒンジ7を介して回動させ、後あおり3と垂直な方向にことにより、積載面1の四方を囲うことができる。なお、ここでも特に図示しないが、第二の後あおりを、前記後あおりと垂直な位置に固定する前期と同様の固定手段が設けられている。また、図2(c)に示したように、側あおり3と板状部材4との間に空隙が生じる際は、隙間閉塞板8を用いて閉塞することが可能である。
【0022】
以上に、説明したように。本発明によれば、既存のトラックに簡単な構造を追加することで、長さを延長可能な荷台を提供できる。これによってトラックの用途と有用性を拡充できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0023】
1・・・積載面 2・・・側あおり
3・・・後あおり 4・・・板状部材
5・・・第二の後あおり 6・・・第一のヒンジ
7・・・後あおりと第二の後あおりを接合する第二のヒンジ
8・・・隙間閉塞板
図1
図2