(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078369
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】感圧部材及び圧力検出装置
(51)【国際特許分類】
G01L 1/20 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
G01L1/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019057498
(22)【出願日】2019-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 義尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦明
(72)【発明者】
【氏名】北村 恭志
(72)【発明者】
【氏名】管野 広之
(72)【発明者】
【氏名】渡部 弘也
(72)【発明者】
【氏名】徳地 直之
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出することができる感圧部材を提供する。
【解決手段】本発明に係る感圧部材は、少なくとも1つの電極を備える複数の基板と、前記複数の基板同士の間に配置され、前記電極と接触する感圧導電性部材と、を備え、前記電極は、前記基板の一面側に形成された一対の第1電極と、前記感圧導電性部材を挟んで形成された第2電極と、を有し、複数の前記基板の少なくとも1つが押圧力の作用で弾性変形する弾性基板を有し、前記感圧導電性部材は、前記弾性基板の弾性変形により弾性変形し、前記一対の第1電極間の電気抵抗値が変化すると共に、前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値が変化する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電極を備える複数の基板と、
前記複数の基板同士の間に配置され、前記電極と接触する感圧導電性部材と、を備え、
前記電極は、前記基板の一面側に形成された一対の第1電極と、前記感圧導電性部材を挟んで形成された第2電極と、を有し、
複数の前記基板の少なくとも1つが押圧力の作用で弾性変形する弾性基板を有し、
前記感圧導電性部材は、前記弾性基板の弾性変形により弾性変形し、
前記一対の第1電極間の電気抵抗値が変化すると共に、前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値が変化することを特徴とする感圧部材。
【請求項2】
前記弾性基板と、前記弾性基板と対向して配設された前記基板の第1基板と、を少なくとも1組有し、
前記弾性基板と前記第1基板との間に前記感圧導電性部材が配設され、
前記第1電極と前記第2電極が、前記弾性基板と前記第1基板との何れかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の感圧部材。
【請求項3】
少なくとも前記弾性基板を2つ有し、
複数の前記基板の少なくとも1つが前記弾性基板と対向して配設された第2基板であり、
前記弾性基板同士の間に前記感圧導電性部材が配設されると共に、前記弾性基板と前記第2基板との間に前記感圧導電性部材が配設され、
前記第1電極と前記第2電極が、前記弾性基板と前記第2基板との何れかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の感圧部材。
【請求項4】
前記弾性基板のうち、前記押圧力が作用する作用面が設けられた第1弾性基板であって、
前記第1弾性基板の前記作用面と反対側の伝達面には、前記第1電極を備えることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の感圧部材。
【請求項5】
前記基板と前記電極との間にトリアジン系化合物を含む接着層を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の感圧部材。
【請求項6】
前記複数の基板同士の間に粘着層を有することを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の感圧部材。
【請求項7】
前記感圧導電性部材が、エラストマーに導電性材料を含有する導電性エラストマーであることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の感圧部材。
【請求項8】
前記第1電極は、平面視において、前記感圧導電性部材の位置における形状が櫛歯状に形成されていることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の感圧部材。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の感圧部材と、
前記感圧部材からの信号を取り出す端子部と、
前記端子部に接続されて、前記信号を処理する検出部と、
を備えたことを特徴とする圧力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧部材及び圧力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
押圧力が加えられることにより抵抗値(電気抵抗値)が変化する抵抗変化検出型の感圧部材等を備える検出装置が広く知られている。このような検出装置は、構成が簡便であり、触れた時の感触も良いため、感圧センサとして、ロボットの触覚センサや携帯情報端末等の電子機器のタッチパネル等への応用が検討されている。
【0003】
このような抵抗変化検出型の感圧部材として、感圧性の導電ゴムの表面側に電極を形成した検出装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、裏面に検出電圧を設けた電極基盤と、高抵抗ゴム層及び低抵抗ゴム層により構成される感圧抵抗体と、基材とを、押圧される側から基材順に積層したものが開示されている。感圧抵抗体を構成する高抵抗ゴム層及び低抵抗ゴム層は、導電性粒子を分散させたゴムにより構成され、柔軟性や弾力性を有しつつ導電性を備える。感圧抵抗体は、高抵抗ゴム層の少なくとも一部を低抵抗ゴム層よりも検出電極側に突出するように構成し、荷重に応じた抵抗値の変化率を好適としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、感圧抵抗体を、高抵抗ゴム層の体積抵抗値が低抵抗ゴム層の体積抵抗値よりも高くなるように設定して作製したり、高抵抗ゴム層と低抵抗ゴム層との高さが異なるように調整する等、感圧抵抗体の製造が複雑である。そのため、製造時の歩留まりが低くなり易く、広範囲に亘って抵抗値の変化を安定して検出できない可能性がある。
【0006】
本発明の一態様は、簡易な構成で、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出することができる感圧部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る感圧部材の一態様は、少なくとも1つの電極を備える複数の基板と、前記複数の基板同士の間に配置され、前記電極と接触する感圧導電性部材と、を備え、前記電極は、前記基板の一面側に形成された一対の第1電極と、前記感圧導電性部材を挟んで形成された第2電極と、を有し、複数の前記基板の少なくとも1つが押圧力の作用で弾性変形する弾性基板を有し、前記感圧導電性部材は、前記弾性基板の弾性変形により弾性変形し、前記一対の第1電極間の電気抵抗値が変化すると共に、前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値が変化する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る感圧部材の一態様は、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る弾性基板の構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る弾性基板を分解斜視図である。
【
図4】感圧部材が押圧されている状態の一例を示す説明図である。
【
図5】感圧導電性部材の下側に電極が配置された感圧部材が押圧されている状態の一例を示す説明図である。
【
図6】感圧部材を適用した圧力検出装置の斜視図である。
【
図7】感圧部材を適用した圧力検出装置の斜視図である。
【
図9】感圧部材の他の構成の一例を示す断面図である。
【
図10】感圧部材の他の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図11】第2の実施形態に係る感圧部材の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図12】
図11において、感圧部材の各部材を積層した状態のII-II断面図である。
【
図14】実施例1の圧力と抵抗との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、感圧部材の長さ方向をX軸方向、感圧部材の幅方向をY軸方向とし、感圧部材の高さ方向をZ軸方向とする。感圧部材の弾性基板側を+Z軸方向とし、その反対方向を-Z軸方向とする。以下の説明において、+Z軸方向を上といい、-Z軸方向を下という場合がある。本明細書において数値範囲を示すチルダ「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0011】
[第1の実施形態]
<感圧部材>
第1の実施形態に係る弾性基板について説明する。
図1は、一実施形態に係る弾性基板の構成の一例を示す斜視図であり、
図2は、一実施形態に係る弾性基板を分解斜視図であり、
図3は、
図1のI-I断面図である。
図1~
図3に示すように、感圧部材10Aは、基板である弾性基板11A及び11Bと、接着層12A及び12Bと、第1電極13A及び第2電極13Bと、粘着層14と、感圧導電性部材15とを備える。以下、感圧部材10Aを構成する各部材について説明する。
【0012】
弾性基板11A及び11Bは、
図1及び
図2に示すように、平面視において矩形状に形成された板状部材である。弾性基板11A及び11Bは、押圧力で弾性変形可能な基板であり、押圧力が作用することによって変形し、押圧力が除荷されると元の形状に回復する弾性を有する基板である。本実施形態では、弾性基板11Aは感圧部材10Aの上面側に設置されるので、第1弾性基板とし、弾性基板11Bは感圧部材10Aの下面側に配置されるので、第2弾性基板とする。弾性基板11A及び11Bは、互いに平行な一対の主面を有する。弾性基板11Aでは、押圧力の作用する主面が作用面111Aであり、作用面111Aとは反対側の主面が押圧力を伝える伝達面112Aである。弾性基板11Bでは、押圧力を伝える主面が伝達面111Bであり、伝達面111Bとは反対側の主面が支持面112Bである。
【0013】
弾性基板11A及び11Bは、エラストマーや合成樹脂を用いて形成することができる。エラストマーを形成する材料としては、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステルゴム、フッ素ゴム、及びこれらの変性体等を用いることができる。合成樹脂としては、柔軟性エポキシ樹脂等を用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムを用いることで、弾性基板11A及び11Bは、弾性が高く、接着層12A及び12Bとの密着性を良好とすることができる。また、弾性基板11Aは、押圧力の作用点で弾性基板11Aが変形し、作用点が移動することなく押圧力を受け止めることができるので、押圧力は伝達面112Aから第1電極13A及び第2電極13Bと感圧導電性部材15に的確に伝達される。
【0014】
弾性基板11A及び11Bの厚さは、10μm~100μmであることが好ましく、20μm~75μmであることがより好ましく、25μm~50μmであることがさらに好ましい。弾性基板11A及び11Bの厚さが10μm~100μmの範囲内であれば、弾性基板11A及び11Bは十分な強度を有すると共に、弾性を有することができる。
【0015】
接着層12A及び12Bは、
図3に示すように、弾性基板11A及び11Bの伝達面112A及び111Bに設けられる。接着層12Aは、弾性基板11Aと第1電極13Aとの間に設けられ、接着層12Bは、弾性基板11Bと第2電極13Bとの間に設けられる。接着層12A及び12Bは、弾性基板11A及び11Bと第1電極13A及び第2電極13Bとの接着力を高める機能を有し、第1電極13A及び第2電極13Bを固着する。
【0016】
接着層12A及び12Bは、トリアジン系化合物を含む。接着層12A及び12Bとしては、トリアジン系化合物を含む分子接着剤を用いて形成される。
【0017】
トリアジン系化合物としては、トリアジンチオール化合物を用いることができる。トリアジンチオール化合物として、例えば、トリアジン環にチオール基(-SH基)又はチオール基のアルカリ金属塩がついたものを用いることができる。官能基の何れか一つは、ジブチルアミノ基、アニリノ基等の他の構造を有していてもよい。トリアジンチオール化合物の具体例としては、例えば、2-トリエトキイシルプロオピラミイノ-4-チオール-6-チオール-1,3,5-トリアジン、2-トリエトキイシルプロオピラミイノ-4-アジド-6-アジド-1,3,5-トリアジン、2-トリエトキイシルプロオピラミイノ-4-アミノエチラミノ-6-アミノエチラミノ-1,3,5-トリアジン、2-トリヒドロキシルプロオピラミイノ-4-チオール-6-チオール-1,3,5-トリアジン、2-トリヒドロキシルプロオピラミイノ-4-アジド-6-アジド-1,3,5-トリアジン、2-トリヒドロキシルプロオピラミイノ-4-アミノエチラミノ-6-アミノエチラミノ-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)一1,3,5-トリアジン、2-(4-エトキシカルボニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(モノクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ジクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-n-プロピル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(α,α,β-トリクロロエチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-エポキシフェニル)-4、6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-〔1-(p-メトキシフェニル)-2,4-ブタジエニル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-スチリル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(p-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(p-i-プロピルオキシスチリル)-4、6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニルチオ-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-ベンジルチオ-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、4-(o-ブロモ-p-N,N-(ジエトキシカルボニルアミノ)-フェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ジブロモメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メトキシ-4,6-ビス(トリブロモメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、2-アニリノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジンモノナトリウム塩及び2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジンナトリム塩等が挙げられる。なお、1,3,5-トリアジンは、s-トリアジンともいう。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0018】
接着層12A及び12Bは、トリアジン系化合物を含む分子接着剤を用いて形成する場合には、接着層12A及び12Bの厚さは、1nm~100nm程度が好ましい。なお、接着層12A及び12Bは、一般的な接着剤を用いて形成してもよい。この場合、接着層12A及び12Bの厚さは、1μm~20μmであることが好ましく、3μm~15μmであることがより好ましく、5μm~10μmであることがさらに好ましい。
【0019】
一対の第1電極13A及び第2電極13Bは、
図1及び
図2に示すように、弾性基板11A及び11Bとの間に設けられる。
図3に示すように、第1電極13Aは、接着層12Aの下面(-Z軸方向の面)に設けられ、弾性基板11Aの伝達面112Aに接着層12Aを介して設けられる。第2電極13Bは、接着層12Bの上面(+Z軸方向の面)に設けられ、弾性基板11Bの伝達面111Bに接着層12Bを介して設けられる。
【0020】
第1電極13Aは、
図1及び
図2に示すように、互いに絶縁されて対向して設けられた一対の第1電極13A-1及び13A-2で構成されている。
【0021】
一対の第1電極13A-1及び13A-2は、互いに絶縁された状態で対向して設けられており、その先端が櫛歯状に形成された櫛歯電極を有している。第1電極13A-1及び13A-2は、X軸方向に直線状に形成された本体部131A-1及び131A-2と、櫛歯状に形成された先端部132A-1及び132A-2(櫛歯電極)と、外部の配線が連結される端子部133A-1及び133A-2とを有する。
【0022】
本体部131A-1及び131A-2は、細長いパターン状に形成され、弾性基板11AのY軸方向の辺の中間を通り、かつ弾性基板11AのX軸方向の辺(Y軸方向の辺に直交する辺)に平行な中心線に対して略対称となるように設けられている。その両端側には、先端部132A-1及び132A-2と端子部133A-1及び133A-2とが電気的に接続されて形成されている。
【0023】
先端部132A-1及び132A-2は、平面視において+X軸方向側であって感圧導電性部材15の位置に設けられ、先端部132A-1及び132A-2の、複数の櫛歯がX軸方向に沿って、交互に配列されて、互いに絶縁されるように配置されている。この櫛歯間のギャップは狭い間隔となっている。
【0024】
端子部133A-1及び133A-2は、矩形の形状に形成され、平面視において、-X軸方向側の弾性基板11Aの端部の位置に設けられる。この端子部133A-1及び133A-2には、粘着層14が被覆されていない。
【0025】
本体部131A-1及び131A-2の大部分は、弾性基板11Aと粘着層14との間に配置され、先端部132A-1及び132A-2は、弾性基板11Aと感圧導電性部材15との間に配置される。すなわち、第1電極13A-1及び13A-2の本体部131A-1及び131A-2の大部分と先端部132A-1及び132A-2は、これらを挟持するように弾性基板11Aと粘着層14又は感圧導電性部材15との間に配置されている。
【0026】
第2電極13Bは、X軸方向に直線状に形成された本体部131Bと、先端部132Bと、外部の配線が連結される端子部133Bとを有する。
【0027】
本体部131Bは、細長いパターン状に形成され、弾性基板11AのY軸方向の辺の中間を通り、かつ弾性基板11AのX軸方向の辺(Y軸方向の辺に直交する辺)に平行な中心線を通るように設けられている。その両端側には、先端部132Bと端子部133Bとが電気的に接続されて形成されている。
【0028】
先端部132Bは、平面視において+X軸方向側であって感圧導電性部材15の位置に設けられ、平面視において略矩形にされ、角部が面取りされている。
【0029】
端子部133Bは、矩形の形状に形成され、平面視において-X軸方向側の弾性基板11Bの端部の位置に設けられる。この端子部133Bには、粘着層14が被覆されていない。
【0030】
本体部131Bの一部及び端子部133Bは、弾性基板11Bの伝達面111Bに接着層12Bを介して設けられ、端子部133Bの大部分と及び先端部132Bは、弾性基板11Bと感圧導電性部材15との間に配置される。すなわち、本体部131Bの大部分は、弾性基板11Bと粘着層14との間に弾性基板11B及び粘着層14に挟持されるように配置される。先端部132Bは粘着層14と感圧導電性部材15との間に粘着層14及び感圧導電性部材15に挟持されるように配置される。
【0031】
第1電極13A及び第2電極13Bを形成する材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、鉛(Pb)、クロム(Cr)及びコバルト(Co)等の各種金属;これらの合金;カーボンブラック、グラファイト(黒鉛)、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー(炭素繊維)、及びフラーレン等の炭素系材料等が挙げられる。第1電極13A及び第2電極13Bを形成する材料は、これらを、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、接続の安定性、製造コストの低減、及び作製のし易さ等の点から、第1電極13A及び第2電極13Bを形成する材料としては、Ag又はCuを用いることが好ましい。第1電極13A及び第2電極13Bは、1つの金属層で形成されていてもよいし、複数の金属層を積層して構成されていてもよい。
【0032】
また、第1電極13A及び第2電極13Bは、第1電極13A及び第2電極13Bを形成する材料を導電性部材として用い、合成樹脂等のバインダーに分散させたコンポジット皮膜で構成してもよい。その際に、バインダーとして合成樹脂を用いる場合は、弾性基板11A及び11Bと同様なエラストマーを用いるのが好適である。これにより、弾性基板11A及び11Bの局所的な変形に追従し易い先端部132A-1及び132A-2、または先端部132Bを有する第1電極13A及び第2電極13Bが得られる。
【0033】
第1電極13A及び第2電極13Bの厚さは、1μm~50μmであることが好ましく、5μm~30μmであることがより好ましく、10μm~20μmであることがさらに好ましい。第1電極13A及び第2電極13Bの厚さが1μm~50μmの範囲内であれば、導電性を十分確保できる。また、第1電極13A及び第2電極13Bの厚さは、流す電流の大きさに対応して決められるが、50μm以上にしてもよい。
【0034】
粘着層14は、弾性基板11Aの伝達面112Aと弾性基板11Bの伝達面111Bとの間に設けられる。粘着層14は、感圧導電性部材15が貫通可能な貫通孔14aを有する。
【0035】
粘着層14としては、例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、及びウレタン系粘着剤等を用いることができる。粘着層14は、上記の何れかの粘着材を用いて形成された両面粘着シートや上記の何れかの粘着材と不織布からなる両面粘着テープ等を用いることが好ましい。粘着層14を両面粘着シートや両面粘着テープとすることで、弾性基板11Aの伝達面112Aと弾性基板11Bの伝達面111Bとの密着性を向上させることができる。
【0036】
感圧導電性部材15は、第1電極13A及び第2電極13Bの間に配置される。感圧導電性部材15は、第1電極13A-1及び13A-2の先端部132A-1及び132A-2と第2電極13Bの先端部132Bとの間に設けられ、その部分の抵抗値が低下する機能を有する。そして、この感圧導電性部材15に接触している第1電極13A-1及び13A-2同士が通電するようになると共に、第1電極13Aと第2電極13Bが通電するようになる。すなわち、押圧力の変化に応じて、感圧導電性部材15の抵抗値が変化すると共に、感圧導電性部材15と第1電極13A及び第2電極13Bとの接触抵抗も変化するので、押圧力の変化を抵抗値変化として捉えることができる。
【0037】
すなわち、感圧導電性部材15は、弾性変形可能であり、押圧力の変化により弾性変形して、第1電極13A-1及び13A-2の間と、第1電極13A及び第2電極13Bの間の電気抵抗値が変化する。これにより、感圧導電性部材15は、第1電極13A-1及び13A-2同士を通電すると共に、第1電極13A及び第2電極13B同士を通電する機能を有する。
【0038】
感圧導電性部材15は、円錐台形(切頭円錐形)に形成され、大きい面が第1電極13Aと接し、小さい面が第2電極13Bと接するように配置されている。これにより、押圧力が加えられる面積を広くできると共に、第2電極13Bの先端部132Bへの単位面積当たりの荷重が強まる。
【0039】
感圧導電性部材15は、平面視においてその上面が第1電極13A-1及び13A-2の先端部132A-1及び132A-2を覆う大きさとなるように形成される。感圧導電性部材15の上面が先端部132A及び132Bの全面を覆うように形成されることで、弾性基板11Aに加えられた押圧力を感圧導電性部材15に確実に伝えられる。
【0040】
感圧導電性部材15は、粒子状の導電性材料151をエラストマー152に含有する導電性エラストマーを用いて形成できる。感圧導電性部材15が、導電性材料151を含有する導電性エラストマーであれば、導電性材料151による導通に加え、押圧力に対して変形及び復元がし易い。感圧導電性部材15は、導電性材料151をエラストマー152中にほぼ均一に分散させて含むことが好ましい。
【0041】
導電性材料151としては、金属粒子や炭素系材料等の導電性を有する材料を用いることができる。金属粒子や炭素系材料としては、上述の第1電極13A及び第2電極13Bと同様の材料を用いることができる。
【0042】
導電性材料151の平均粒子径としては、0.05μm~200μmが好ましく、0.5μm~60μmがより好ましく、1.0μm~30μmがさらに好ましい。導電性材料151の平均粒子径が0.05μm~200μmの範囲内であれば、導電性材料151の凝集を抑えてエラストマー152内での分散性を高めることができる。また、感圧導電性部材15が弾性変形した際に、導電性材料151の感圧導電性部材15内での移動が相対的に小さくなることを抑えることで、弾性変形による抵抗の変化が緩慢になるのを低減できる。なお、平均粒子径とは、有効径による体積平均粒径をいい、平均粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法又は動的光散乱法等によって測定される。
【0043】
エラストマー152としては、弾性基板11A及び11Bと同様のエラストマーを用いることができる。
【0044】
感圧導電性部材15は、
図4に示すように、押圧部材等による押圧力が作用していない状態では、互いに接触する導電性材料151の数は少なく、導電経路がほとんど形成されていない(
図4中、白丸参照)ので、感圧導電性部材15は、非常に大きな抵抗値を有する。そして、感圧導電性部材15に押圧力が作用すると、感圧導電性部材15の上面側には圧縮応力が生じる。この圧縮応力により、導電性材料151は互いに接近し、互いに接触する導電性材料151の数が多くなるので、感圧導電性部材15の平面方向及び垂直方向等に導電経路(
図4中、黒丸参照)が形成され、感圧導電性部材15の抵抗値が小さくなる。このように、押圧力によって感圧導電性部材15は変形し、導電性材料151同士が接触又は離間することで、感圧導電性部材15の抵抗値が変化する。
【0045】
感圧導電性部材15は、ゴム硬度が30~70の範囲内であることが好ましく、50~60の範囲内であることがより好ましい。ゴム硬度が40~70の範囲内であれば、感圧導電性部材15は十分な強度を有することができ、高い復元力を発揮できる。なお、ゴム硬度とは、日本工業規格JIS K6301で規定された値である。
【0046】
感圧導電性部材15の厚さは、0.1mm~10mmであることが好ましく、0.5mm~5mmであることがより好ましく、0.7mm~3mmであることがさらに好ましい。感圧導電性部材15の厚さが0.1mm~10mmの範囲内であれば、感圧導電性部材15は十分な強度を有すると共に、弾性を有することができる。また、感圧導電性部材15が弾性変形した際、厚さ方向(Z軸方向)に導通が取れ、第1電極13A及び第2電極13B間に導通を形成できる。
【0047】
本実施形態に係る感圧部材10Aの製造方法について説明する。まず、平面視において所定の大きさに切り出した弾性基板11A及び11Bを準備する。準備した弾性基板11Aの表面を水やアルコール、アセトン等の洗浄液で洗浄し、弾性基板11Aの表面に付着している汚れや異物等を除去する。その後、弾性基板11Aの伝達面112Aに、トリアジン系化合物を含む分子接着剤を塗布して乾燥することで、接着層12Aを形成する。その後、接着層12Aの表面に、Ag粒子やCu粒子等の導電性を有する材料を含む塗布液(ペースト)を塗布して、第1電極13Aを形成する。第1電極13Aは接着層12Aにより固着される。
【0048】
一方、弾性基板11Aと同様に、準備した弾性基板11Bの表面を洗浄液で洗浄し、弾性基板11Bの表面に付着している汚れや異物等を除去する。その後、弾性基板11Bの伝達面111Bに、トリアジン系化合物を含む分子接着剤を塗布して乾燥することで、接着層12Bを形成する。その後、接着層12Bの表面に、Ag粒子やCu粒子等の導電性を有する材料を含む塗布液(ペースト)を塗布して、第2電極13Bを形成する。第2電極13Bは接着層12Bにより固着される。
【0049】
第1電極13A及び第2電極13Bの形成方法としては、導電性を有する材料を含む塗布液を塗布する塗布法の他に、無電解めっき法、電気めっき法、スパッタ、又は蒸着を用いる方法等により、金属めっき皮膜を形成する方法等を用いてもよい。
【0050】
次に、平面視において、弾性基板11Aの伝達面112Aに、第1電極13Aの一部を被覆するように粘着層14を設ける。その後、粘着層14の貫通孔14aに感圧導電性部材15を収容して、感圧導電性部材15を第1電極13A-1の先端部132A-1に接触させる。その後、粘着層14の表面(-Z軸方向の面)に弾性基板11Bを貼り付けて、弾性基板11Aと弾性基板11Bとで粘着層14及び感圧導電性部材15を挟み込み、感圧導電性部材15を第1電極13A-2の先端部132A-2に接触させる。
【0051】
これにより、本実施形態に係る感圧部材10Aが得られる。
【0052】
感圧部材10Aは、上述の通り、2つの弾性基板11A及び11Bと、弾性基板11A及び11Bの間に配置され、第1電極13A及び第2電極13Bと接触する感圧導電性部材15とを有する。第1電極13A及び第2電極13Bと感圧導電性部材15は、弾性基板11Aの伝達面112Aから下方向に、第1電極13A、感圧導電性部材15、及び第2電極13Bの順に積層されている。感圧導電性部材15は、導電性材料151をエラストマー152に分散した状態で含む導電性エラストマーで構成されている。
図5に示すように、感圧部材10Aに押圧力が作用していない状態では、第1電極13A及び第2電極13Bと導電性材料151は殆ど電気的に接触しておらず、第1電極13A-1及び13A-2同士と、第1電極13A及び第2電極13B同士は導通していない。そのため、感圧部材10Aは、高い電気抵抗値が示される。
【0053】
感圧部材10Aに押圧部材等により押圧力が作用すると、感圧導電性部材15が押圧されることにより、感圧導電性部材15中に含まれる導電性材料151同士が近接し始め、導電性材料151が密な状態となる。第1電極13A及び第2電極13Bと導電性材料151が接触し、導通経路が形成されることで、第1電極13A-1及び13A-2同士と、第1電極13A及び第2電極13B同士の間で感圧導電性部材15を介して電流が流れ、感圧導電性部材15の抵抗値は低くなる。感圧部材に作用する押圧力の大きさによって、形成される導通経路が三次元的に大きくなったり小さくなったりするため、押圧力の大きさを抵抗値により検出することができる。
【0054】
2つの弾性基板11A及び11Bのうち、押圧力が作用する弾性基板11Aの作用面111Aに押圧力が作用すると、感圧導電性部材15が押圧され、感圧導電性部材15の第1電極13A-1及び13A-2との設置面側の近傍領域が潰れるように変形する。感圧導電性部材15は押圧されることにより、感圧導電性部材15内に高さ方向に導通経路が形成されることで、弾性基板11Aに設けた第1電極13Aと弾性基板11Bに設けた第2電極13Bとの間に第1電極13Aの設置面に垂直な電流(第1電流)を生じさせることができる。これにより、弾性基板11A及び11B同士の間の第1電極13A及び第2電極13Bを電気的に接続でき、第1電極13Aと第2電極13Bの間の抵抗(第1抵抗)が低下する。また、感圧導電性部材15が押圧されることにより、感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側に圧縮応力が生じる。この圧縮応力の作用により、感圧導電性部材15中に含まれる導電性材料151同士が近接して接触する。これにより、感圧導電性部材15内、特に感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側の近傍領域には導通経路が多数形成され、通電させることができる。これにより、弾性基板11Aの一対の第1電極13A-1及び13A-2同士の間には第1電極13Aの設置面に平行な電流(第2電流)を生じさせることができる。この結果、弾性基板11Aの一対の第1電極13A-1及び13A-2を電気的に接続でき、一対の第1電極13A-1及び13A-2同士の間の抵抗(第2抵抗)が低下する。
【0055】
第1電極13Aと第2電極13Bの間の第1抵抗の変化は、一対の第1電極13A-1及び13A-2同士の間の第2抵抗の変化に比べて、押圧力が低い状態で安定して測定できる傾向がある。一方、第2抵抗の変化は、第1抵抗の変化に比べて、押圧力が高い状態で安定して測定できる傾向がある。なお、押圧力が低いとは、弾性基板11Aの作用面111Aに加わる押圧力が、例えば1kPa以下の範囲をいい、押圧力が高いとは、弾性基板11Aの作用面111Aに加わる押圧力が、例えば1kPaを超える範囲をいう。
【0056】
これは、感圧導電性部材15が押圧された際、感圧導電性部材15が押圧方向に窪むように変形するため、感圧導電性部材15の高さ方向の最大変化割合の方が横方向の最大変化割合よりも大きくなる。そのため、感圧導電性部材15の押圧力が小さい時は、感圧導電性部材15の高さ方向に導通経路が形成され易く、抵抗値の変化割合が大きいため、抵抗値を見る指標としては、第1抵抗の方が第2抵抗よりも好ましい。そして、感圧導電性部材15に加わる押圧力が大きくなると、感圧導電性部材15の高さ方向の変化量にはある程度限界があるため、感圧導電性部材15の高さ方向に形成される導通経路はそれほど増大せず、抵抗値の変化が生じ難くなる。一方、感圧導電性部材15に加わる押圧力が大きいほど、平面視におおける感圧導電性部材15の押圧面の湾曲する範囲や凹み具合が大きくなり、感圧導電性部材15の上面側に生じる圧縮応力によって、導電性材料151同士が接触して導通経路が多く形成され易くなる傾向がある。そのため、抵抗値を見る指標としては、第2抵抗の方が第1抵抗よりも好ましい。
【0057】
よって、感圧部材10Aは、押圧力が加わった際、押圧力が低い時は、2つの弾性基板11A及び11B同士の間の第1抵抗を用い、押圧力が高い時は、弾性基板11Aの一対の第1電極13A-1及び13A-2同士の間の第2抵抗を用いることにより、簡易な構成で、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出することができる。
【0058】
感圧部材10Aは、弾性基板11A及び11Bのうち、押圧力が作用する作用面111Aが設けられた弾性基板11Aの伝達面112Aに第1電極13Aを備えることができる。これにより、弾性基板11Aに設けられる第1電極13Aは、感圧導電性部材15の押圧される面側に設けることができる。
図5に示すように、弾性基板11Aの作用面111Aに押圧力が作用すると、作用面111Aに加わった押圧力が減衰する前に伝達面112Aから感圧導電性部材15に作用させることができる。また、感圧導電性部材15に作用した押圧力によって、感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側の近傍領域が潰れるように変形する。感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側に圧縮応力が働き、感圧導電性部材15内、特に感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側の近傍領域を通電させることができる。これにより、一対の第1電極13A-1及び13A-2間に第2電流を生じさせ易くすることができ、第2抵抗の変化率を高めることができる。
【0059】
一方、例えば、
図6に示すように、感圧部材が、弾性基板11Aの伝達面112A側から下方向に順に、粘着層14と、第1電極13Aと、弾性基板11Bとを積層し、粘着層14内に設けた感圧導電性部材15の下側に第1電極13Aが配置されているとする。この場合、押圧力が感圧導電性部材15で減衰して第1電極13Aに伝わり、電流が流れることになる。そのため、弾性基板11Aの作用面111Aに加わった押圧力に対する感度が高くなり難い傾向にある。また、第1電極13Aの感圧導電性部材15との接触面には、感圧導電性部材15内の導電性材料151同士の間隔が狭くなり難く、導通が取れ難くなる可能性がある。
【0060】
よって、感圧部材10Aは、上述の通り、弾性基板11Aの作用面111Aに加わった押圧力を感圧導電性部材15の第1電極13Aの設置面側に押圧力の大きさを極力維持した状態で伝えることができるので、第2電流の検出感度を高めると共に、押圧力の大きさのばらつきを抑えることができる。特に、第2電流は、比較的、押圧力が高い状態で電流の変化を安定して測定できるので、押圧力が高い状態において高い感度で第2抵抗をより安定して検出できる。
【0061】
感圧部材10Aは、弾性基板11Aと第1電極13Aとの間、及び弾性基板11Bと第2電極13Bとの間に、トリアジン系化合物を含む接着層12A及び12Bを含むことができる。これにより、感圧部材10Aは、弾性基板11Aと第1電極13Aとの間、及び弾性基板11Bと第2電極13Bとの間の接着力を高めることができる。そのため、感圧部材10Aは、弾性基板11Aに繰り返しの変形動作が加わったとしても、弾性基板11Aと第1電極13Aとの間、及び弾性基板11Bと第2電極13Bとの間に剥離が生じるのを抑制することができる。
【0062】
感圧部材10Aは、2つの弾性基板11A及び11B同士の間に粘着層14を有することが好ましい。これにより、2つの弾性基板11A及び11B同士を安定して接続できるので、感圧部材10Aは、取り扱い易さを向上させることができる。
【0063】
感圧部材10Aは、感圧導電性部材15として、導電性材料151をエラストマー152に含有する導電性エラストマーを用いることができる。感圧導電性部材15が、導電性エラストマーであれば、導電性材料151による導通に加え、押圧力に対して変形及び復元がし易いので、弾性基板11A及び11B同士の間を感圧導電性部材15を介して導通させることができると共に、押圧力に対する応答性を向上させることができる。また、第1電極13A及び第2電極13B同士の間を通電させ易くすることができる。
【0064】
感圧部材10Aは、第1電極13A-1及び13A-2を、平面視において、感圧導電性部材15の位置にある先端部132A-1及び132A-2の形状を櫛歯状に形成できる。第1電極13A-1及び13A-2は、先端部132A-1及び132A-2の形状を櫛歯状に形成し、複数の櫛歯をX軸方向に沿って交互に配列させることで、先端部132A-1及び132A-2の間隔を略均等に狭い状態を維持できる。そのため、弾性基板11Aの作用面111Aに押圧力が作用して感圧導電性部材15が変形した際、感圧導電性部材15の導通が取れた部分で第1電極13A-1及び13A-2同士が通電し易くなる。よって、押圧力が弾性基板11Aの作用面111Aに加わった際に、第1電極13A-1及び13A-2同士間に導通が取り易くなる。
【0065】
一実施形態に係る感圧部材10Aは、上記にように、外部から押圧力が弾性基板11Aの作用面111Aに加わった際、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出でき、簡単な構成で、触れた時の感触も良好とすることができる。そのため、感圧部材10Aは、圧力検出装置(感圧センサ)として、ロボットの触覚センサ、又は電子機器のタッチパネル等に好適に用いることができる。電子機器としては、例えば、情報携帯端末、携帯電話、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、電子手帳、電卓、テレビ電話等のタッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0066】
<圧力検出装置>
一実施形態に係る感圧部材10Aを適用した圧力検出装置について説明する。
図7は、感圧部材10Aを適用した圧力検出装置の斜視図であり、
図8は、
図7のII-II断面図である。
図7及び
図8に示すように、圧力検出装置30は、感圧部材10Aと、接続部31と、検出部32とを備える。
【0067】
接続部31は、感圧部材10Aの、弾性基板11A及び11Bと、接着層12A及び12Bと、第1電極13A及び第2電極13Bの一端部(-Y軸方向)とを挟持し、第1電極13A及び第2電極13Bと電気的に接続可能に連結されている。接続部31は、上下方向(Z軸方向)に2つの挿入口311A及び311Bを有する。一方の挿入口(+Z軸方向側の挿入口)311Aには、弾性基板11Aと接着層12Aと第1電極13Aの一端部(-Y軸方向)が挿入され、他方の挿入口(-Z軸方向側の挿入口)311Bには、接着層12Bと第2電極13Bと弾性基板11Bの一端部(-Y軸方向)が挿入される。
【0068】
一方の挿入口311Aで第1電極13A-1及び13A-2同士を連結すると共に、他方の挿入口311Bで第1電極13Aと第2電極13Bとを連結し、第1電極13A-1及び13A-2同士を流れる電流と、第1電極13A及び第2電極13Bを流れる電流とを電気信号に変換する。
【0069】
検出部32は、接続部31と配線34を介して接続されている。検出部32は、接続部31から送られてきた電気信号を検知することで、感圧部材10Aで電流の発生の有無を検出する。
【0070】
検出部32は、2つの端子口を有し、一方の端子口に弾性基板11A、接着層12A、及び第1電極13Aが挿入され、他方の端子口に弾性基板11B、接着層12B、及び第2電極13Bが挿入される。
【0071】
感圧部材10Aの弾性基板11Aが押圧されて、第1電極13A-1及び13A-2同士の間と、第1電極13A及び第2電極13Bの間に電流が流れると、電流は、接続部31に送られ、電気信号に変換される。変換された電気信号は配線34を通って、検出部32に送られ、感圧部材10Aで電流を検知して抵抗値を算出する。
【0072】
圧力検出装置30は、感圧部材10Aを備えているので、感圧部材10Aが外部から押圧された際、抵抗値を広い押圧力の範囲に亘って安定して検出できる
【0073】
(変形例)
本実施形態では、押圧力を受ける作用面を有しない弾性基板11Bは、弾性変形しなくてもよいので、第1基板である剛性基
材としてもよい。
図9に、感圧部材10Aの他の構成の一例を示す。
図9に示すように、感圧部材10Aは、弾性基板11Bに代えて第1基板である剛性基材16を備えることができる。すなわち、感圧部材10Aは、弾性基板11Aと、弾性基板11Aと対向して配設された剛性基材16とを有し、弾性基板11Aと剛性基材16との間に感圧導電性部材15が配設され、第1電極13Aが弾性基板11Aの伝達面112Aに設けられ、第2電極13Bが剛性基材16の上面(+Z軸方向)に設けられる。
【0074】
感圧部材10Aは、粘着層14及び感圧導電性部材15を弾性基板11Aと剛性基材16との間に挟み込んだ状態で配置できるので、押圧力を剛性基材16で受け止めて感圧導電性部材15に確実に伝えることができる。そのため、感圧部材10Aは、感圧導電性部材15に押圧力を安定して伝えることができる。また、感圧部材10Aは、剛性基材16を備えることで、強度が向上し、形状が保持し易くなるため、感圧部材10Aの取り扱い易さを向上させることができる。
【0075】
剛性基材16は、粘着層14を弾性基板11Aと狭持するように設けられ、押圧力を確実に受け止めて感圧導電性部材15の変形が確実に行われるための機能を有している。剛性基材16は、例えば、板状のものである。なお、
図9に示す形態では、感圧部材10Aは、剛性基材16を備えるが、例えば、何かの筐体に貼り付けて使用する場合は、感圧部材10Aは、剛性基材16を備えていなくてもよい。
【0076】
剛性基材16を形成する材料としては、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリブチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンニトリル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEk)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フェノール、エポキシ(ガラスフィラー入り)及びポリカーボネート(PC)等の合成樹脂を用いることができる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐熱性等の観点から、ポリイミド、又はポリエチレンテレフタレート等を用いることが好ましい。
【0077】
剛性基材16を形成する材料としては、上記の合成樹脂以外に、Al、Mg、Cu、Ni、Co、Cr、Fe、Zn、Pb、及びTi等の金属、及びこれらの合金;Al、Mg、Si、Ge、及びBe等の金属酸化物;窒化珪素(Si3N4)、窒化ボロン(BN)、及び炭化珪素(SiC)等の金属窒化物;ガラス材料等を用いることもできる。
【0078】
剛性基材16の厚さは、適宜設計可能であり、材料の種類にもよるが、剛性の弱い合成樹脂材料であれば、0.5mm~1.5mmであることが好ましく、剛性の強い金属材料であれば、0.1mm~0.5mmであることが好ましい。この範囲内であれば、剛性基材16は十分な強度を有することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、弾性基板11A又は弾性基板11Bのいずれか一方のみに、第1電極13A及び第2電極13Bを設けてもよい。例えば、感圧部材10Aは、
図10に示すように、弾性基板11Aの伝達面112Aに第1電極13A及び第2電極13Bを設けてもよい。
【0080】
本実施形態では、弾性基板11Bは、布等で形成されていてもよい。
【0081】
本実施形態では、接着層12A又は12Bが特になくても、伝達面112A又は111Bに第1電極13A及び第2電極13Bを固着できる場合等には、感圧部材10Aは接着層12A又は12Bを備えなくてもよい。
【0082】
本実施形態では、接着層12A及び12Bは、第1電極13A及び第2電極13Bを固着できれば、伝達面112A及び111Bのうちの、第1電極13A及び第2電極13Bと接する部分の少なくとも一部に形成されていてもよい。
【0083】
本実施形態では、電極の数は、4つ以上でもよい。この場合、感圧部材10Aは、弾性基板11A又は11Bに4つ以上の電極を備えてもよいし、弾性基板11A及び11B以外の弾性基板に、電極を備えてもよい。
【0084】
本実施形態では、第1電極13A-1及び13A-2は、先端部132A-1及び132A-2を櫛歯電極とし、それぞれ対向させているが、これに限るものでは無い。例えば、第1電極13A-1及び13A-2は、先端部132A-1及び132A-2を平面視において渦巻き状に形成し、それぞれ絶縁性を保ちながら対向して配置させてもよいし、ミアンダ形状に形成された電極をそれぞれ絶縁性を保ちながら対向して配置させてもよい。
【0085】
[第2の実施形態]
<感圧部材>
第2の実施形態に係る感圧部材10Bについて説明する。本実施形態に係る感圧部材10Bは、上記
図1~
図3に示す第1の実施形態に係る感圧部材10Aに、第2基板を設けて、弾性基板11Bと第2基板との間にさらに感圧導電性部材を設けたものである。
【0086】
図11は、第2の実施形態に係る感圧部材の構成の一例を示す分解斜視図であり、
図12は、
図11において、感圧部材の各部材を積層した状態のII-II断面図である。
図11及び
図12に示すように、感圧部材10Bは、弾性基板11Bの下側に弾性基板11Bと対向して配設された第2基板41と、第2基板41に設けられる第3電極13Cと、2つの感圧導電性部材15A及び15Bを有する。
【0087】
感圧部材10Bは、弾性基板11A及び11Bと第2基板41とを、平面視において、感圧導電性部材15A及び15Bの設置位置を中心として、90℃回転した位置に、それぞれ配置している。
【0088】
第2基板41は、弾性基板11A及び11Bと第2基板41と同様の材料を用いて形成できる。
【0089】
接着層12A~12Cは、弾性基板11A及び11Bと第2基板41とにそれぞれ設けられる。接着層12Aは、弾性基板11Aの伝達面112Aに設けられ、接着層12Bは、弾性基板11Bの伝達面111Bに設けられ、接着層12Cは、第2基板41の伝達面411に設けられる。
【0090】
第1電極13A、第2電極13B、及び第3電極13Cは、弾性基板11A及び11Bと第2基板41の接着層12A~12Cの表面にそれぞれ設けられる。第1電極13Aは、弾性基板11Aの接着層12A上に設けられる。第2電極13Bは、弾性基板11Bと第2基板41との間に設けられ、弾性基板11Bの接着層12B上に設けられる。第3電極13Cは、弾性基板11Bと第2基板41との間に設けられ、第2基板41の伝達面411に形成した接着層12C上に設けられる。
【0091】
粘着層14A及び14Bは、弾性基板11A及び11Bと第2基板41との何れかの間に設けられる。粘着層14Aは、弾性基板11Aの伝達面112Aと弾性基板11Bの伝達面111Bの間に設けられ、感圧導電性部材15Aが貫通可能な貫通孔14aを有する。粘着層14Bは、弾性基板11Bの伝達面112Bと第2基板41の伝達面411の間に設けられ、感圧導電性部材15Bが貫通可能な貫通孔14aを有する。
【0092】
感圧導電性部材15A及び15Bは、第1電極13A~第3電極13Cの何れかの間に設けられる。感圧導電性部材15Aは、弾性基板11A及び11B同士の間に設けられ、第1電極13A-1及び13A-2の先端部132A-1及び132A-2と第3電極13Cの先端部132Cの間に設けられる。感圧導電性部材15Bは、弾性基板11Bと第2基板41との間に設けられ、第2電極13Bの先端部132Bと第3電極13Cの先端部132Cの間に設けられる。
【0093】
感圧部材10Bは、上述の通り、2つの弾性基板11A及び11Bと、第2基板41と、2つの感圧導電性部材15A及び15Bとを有し、第1電極13Aを弾性基板11Aの伝達面112Aに設け、第2電極13Bを第2基板41の伝達面411に設ける。2つの弾性基板11Bと第2基板41との間に第1電流を生じさせ、感圧部材10Bは、押圧力が加わった際、弾性基板11Aに第2電流を生じさせることができる。そのため、感圧部材10Bは、押圧力が加わった際、押圧力が低い時は、弾性基板11Bと第2基板41との間の第1抵抗を用い、押圧力が高い時は、弾性基板11Aの第2抵抗を用いることにより、簡易な構成で、抵抗値を広範囲の押圧力の大きさに亘って安定して検出することができる。
【0094】
また、感圧部材10Bは、一組の弾性基板11Aの伝達面112Bと第2基板41の伝達面411との間に第1電流を生じさせ、弾性基板11Aの伝達面112Aに一対の第1電極13A-1及び13A-2を設けて第2電流を生じさせている。そのため、感圧部材10Bは、第1電流を生じさせる一組の基板と、第2電流を生じさせる一対の電極を備える基板とを分けることができる。よって、感圧部材10Bは、第1電流を生じさせて第1抵抗を測定する位置と第2電流を生じさせて第2抵抗を測定する位置を任意に設計することができる。
【実施例0095】
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
【0096】
<実施例1>
[感圧部材の作製]
シリコーンゴム(「極薄SRシート」、アズワン社製、厚さ0.1mm)から所定の大きさに切り出した弾性基板11A及び11B(
図1参照)を2つ準備した。この準備した一方の弾性基板11Aをエタノール溶液に浸漬して30秒間洗浄して、コロナ放電を20秒行った後、弾性基板11Aの一方の主面に分子接着剤を塗布して乾燥することで、接着層12A(
図3参照)を形成した。その後、接着層12Aの表面に、Agインク(「SSP2801」、東洋紡社製)を塗布して、先端が櫛歯状となるように配置された一対の第1電極13A(
図1参照)を形成した。その後、粘着層14(
図1参照)として両面粘着テープ(「No.7082」、寺岡製作所社製)の一部を円形にくり抜いて貫通孔14a(
図1参照)を形成した後、貫通孔14aの部分が一対の第1電極13Aの先端部分に位置するように、両面粘着テープを一対の第1電極13Aを形成した弾性基板11A上に貼り付けた。
【0097】
一方、準備した他方の弾性基板11Bの一方の表面(主面)に接着層12B(
図3参照)を形成した後、接着層12Bの表面に、Agインク(「SSP2801」、東洋紡社製)を塗布して、一つの第2電極13B(
図1参照)を形成した。
【0098】
両面粘着テープの貫通孔14aに感圧導電性部材15(
図1参照)を配置した後、両面粘着テープを貼り付けてある弾性基板11Aの上に、一つの第2電極13Bを形成した弾性基板11Bを第1電極13Aと第2電極13Bとが向き合うように貼り合わせた。これにより、
図1に示す感圧部材10Aを作製した。
【0099】
[押し込み時の圧力及び抵抗値の評価]
図13に示すように、感圧部材10Aを試験台51の上に設置した後、感圧部材10Aの一対の電極13Aを配線52で測定機53につなぎ、感圧部材50の弾性基板11Aの上に圧子54を載せた。その後、圧子54にピン55を当てて荷重計56で押し込み速度0.1mm/分として押し込み、押し込んでいる時の時間と圧力及び抵抗値との関係を測定し、圧力と抵抗値との関係を求めた。測定された、圧力と抵抗値との関係(F-R特性)を
図14に示す。
【0100】
図14に示すように、実施例1では、第1電極と第2電極との間の抵抗は、圧力が約1kPa以下の低圧領域では、抵抗の変化率が高かったが、圧力が約1kPaを超える高圧領域では、抵抗の変化率が低く、抵抗値の変化を測定することは困難であった。一方、一対の第1電極同士の間の抵抗は、圧力が約1kPa以下の低圧領域では第1電極と第2電極との間の抵抗に比べると、抵抗の変化率が低かったが、圧力が約1kPaを超える高圧領域では、抵抗値が一定の割合で安定して低下しており、抵抗値の変化を測定できた。
【0101】
よって、実施例1では、圧力が約1kPa以下の低圧領域では、第1電極と第2電極との間の抵抗値を測定し、圧力が約1kPaを超える高圧領域では一対の第1電極同士の抵抗を測定することで、押圧力に応じた抵抗値の変化を、広い押圧力の範囲に亘って安定して測定できることが確認された。
【0102】
したがって、一実施形態の感圧部材は、押圧力を広範囲に亘って安定して検出することができるといえる。
【0103】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記各実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。