(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078374
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】副室式内燃機関
(51)【国際特許分類】
F02B 19/16 20060101AFI20220518BHJP
F02B 19/18 20060101ALI20220518BHJP
F02B 19/12 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
F02B19/16 B
F02B19/18 B
F02B19/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019061131
(22)【出願日】2019-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 捷
(72)【発明者】
【氏名】田中 大
(72)【発明者】
【氏名】城田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】井上 欣也
(72)【発明者】
【氏名】菅田 佳博
(72)【発明者】
【氏名】野中 一成
(72)【発明者】
【氏名】津田 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 遼太
【テーマコード(参考)】
3G023
【Fターム(参考)】
3G023AA01
3G023AB01
3G023AC04
3G023AD03
3G023AD13
3G023AD23
3G023AD25
3G023AD28
3G023AD30
(57)【要約】
【課題】従来よりも大幅に副燃焼室の掃気を促進させることのできる副室式内燃機関を提供する。
【解決手段】副室式内燃機関1は、排気行程において、副燃焼室20の端部壁23を側壁21とともに側壁21の末端側に変位させて、その変位前後で副燃焼室20の容積を小さくし、副燃焼室20内の圧力を高めて内外方向の気流を発生させることによって、直接的に掃気を促進することができる。こうして、副燃焼室20周辺で発生する気流により間接的に副燃焼室20内の掃気を促進する構成と比べ、大幅に掃気を促進させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気、圧縮、膨張および排気の各行程を繰り返す副室式内燃機関であって、
筒状に延びる燃焼空間を取り囲む構造体からなる主燃焼室と、
前記燃焼空間に向けて筒状に延びる側壁、および、前記側壁の先端を閉鎖する端部壁からなる副燃焼室と、
前記副燃焼室の内壁から突出する点火用の電極対と、
前記側壁のうち、前記端部壁よりも末端側の領域を内外に貫通して前記副燃焼室と前記主燃焼室とを連通する1以上の連通路と、
排気行程において、前記副燃焼室内の圧力を上昇させる圧力変化手段と、を備える、
副室式内燃機関。
【請求項2】
前記副燃焼室は、少なくとも前記端部壁が前記側壁の先端側から末端側に変位可能に取り付けられてなり、
前記圧力変化手段は、排気行程において、少なくとも前記端部壁を前記側壁の末端側へ変位させることにより前記副燃焼室内の圧力を上昇させる、
請求項1に記載の副室式内燃機関。
【請求項3】
前記副燃焼室は、前記側壁における前記主燃焼室の構造体への埋設量が最小となる突出位置、および、前記埋設量が最大となる埋設位置へと変位可能に取り付けられてなり、
前記圧力変化手段は、排気行程において、前記側壁および前記端部壁を前記埋設位置へと変位させ、前記端部壁を前記側壁とともに前記側壁の末端側へ変位させることにより、前記副燃焼室内の圧力を上昇させる、
請求項2に記載の副室式内燃機関。
【請求項4】
前記圧力変化手段は、吸気行程に先立ち、前記副燃焼室内の圧力を低下させる、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
【請求項5】
前記副燃焼室は、前記側壁および前記端部壁を、前記側壁における前記主燃焼室の構造体への埋設量が最小となる突出位置、および、前記埋設量が最大となる埋設位置へと変位可能に取り付けられ、
前記圧力変化手段は、吸気行程に先立って、前記側壁および前記端部壁を前記突出位置へと変位させることにより、前記副燃焼室内の圧力を低下させる、
請求項4に記載の副室式内燃機関。
【請求項6】
前記圧力変化手段は、
吸気、圧縮、膨張および排気の各行程に応じた回転位置で回転し、吸気および圧縮の行程においてリフト量が最大および最小のいずれか一方となり、また、膨張および排気の行程においてリフト量が最小および最大のいずれか一方となる変位カムと、
前記変位カムに従動して前記副燃焼室の延びる方向に沿って最大のリフト量から最小のリフト量までの距離を往復運動する従節と、を有し、
前記従節による往復運動を直接的または間接的に前記端部壁に伝達させる、
請求項1から3および請求項5のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主燃焼室およびその主燃焼室に隣接して設けられる副燃焼室を備えた副室式の副室式内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主燃焼室およびその主燃焼室に隣接して設けられる副燃焼室を備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような副室式内燃機関では、主燃焼室に噴射された燃料から混合気が形成される。形成された混合気は、連通路を介して副燃焼室内に供給され、副燃焼室内で点火プラグによって点火され火炎が形成される。副燃焼室内で形成された火炎は、連通路を介して主燃焼室に噴射され、主燃焼室の混合気に着火する。このように、副燃焼室で形成された火炎を主燃焼室に噴射することで、主燃焼室の燃焼速度を高めることができる。これによって、より希薄な空燃比での運転が可能となり、燃費の向上が可能となる。
【0003】
また、特許文献1の副室式内燃機関では、副燃焼室と吸気ポートとを連通する掃気通路を別途形成し、これにより副燃焼室内の掃気を促進させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1を含む従来の副室式内燃機関では、副燃焼室周辺で発生する気流によって間接的に副燃焼室内の掃気を促進しているため、掃気の促進という観点では限界がある。
【0006】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも大幅に副燃焼室の掃気を促進させることのできる副室式内燃機関を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため第1の副室式内燃機関は、吸気、圧縮、膨張および排気の各行程を繰り返す副室式内燃機関であって、筒状に延びる燃焼空間を取り囲む構造体からなる主燃焼室と、前記燃焼空間に向けて筒状に延びる側壁、および、前記側壁の先端を閉鎖する端部壁からなる副燃焼室と、前記副燃焼室の内壁から突出する点火用の電極対と、前記側壁のうち、前記端部壁よりも末端側の領域を内外に貫通して前記副燃焼室と前記主燃焼室とを連通する1以上の連通路と、排気行程において、前記副燃焼室内の圧力を上昇させる圧力変化手段と、を備える。
【0008】
また、この副室式内燃機関は、以下に示す第2の副室式内燃機関のようにしてもよい。
【0009】
第2副室式内燃機関において、前記副燃焼室は、少なくとも前記端部壁が前記側壁の先端側から末端側に変位可能に取り付けられてなり、前記圧力変化手段は、排気行程において、少なくとも前記端部壁を前記側壁の末端側へ変位させることにより前記副燃焼室内の圧力を上昇させる。
【0010】
これら副室式内燃機関では、排気行程において、副燃焼室内の圧力を高めて内外方向の気流を発生させることによって直接的に掃気を促進することができる。特に、第2の副室式内燃機関であれば、排気行程において、副燃焼室の端部壁を側壁の末端側に変位させることで、その変位前後で副燃焼室の容積を小さくし、副燃焼室内の圧力を高めて内外方向の気流を発生させることによって直接的に掃気を促進することができる。こうして、副燃焼室周辺で発生する気流により間接的に副燃焼室内の掃気を促進する構成と比べ、大幅に掃気を促進させることができる。
【0011】
この副室式内燃機関において、端部壁を側壁の末端側へ変位させるための具体的な構成は特に限定されないが、例えば、以下に示す第3の副室式内燃機関のようにしてもよい。
【0012】
第3の副室式内燃機関において、前記副燃焼室は、前記側壁における前記主燃焼室の構造体への埋設量が最小となる突出位置、および、前記埋設量が最大となる埋設位置へと変位可能に取り付けられてなり、前記圧力変化手段は、排気行程において、前記側壁および前記端部壁を前記埋設位置へと変位させ、前記端部壁を前記側壁とともに前記側壁の末端側へ変位させることにより、前記副燃焼室内の圧力を上昇させる。
【0013】
この副室式内燃機関では、副燃焼室そのものを突出位置から埋設位置へと変位させ、主燃焼室の構造体に埋設された状態とすることで、その変位前後で副燃焼室の容積を小さくすることができる。
【0014】
上記各副室式内燃機関においては、以下に示す第4の副室式内燃機関のようにしてもよい。
【0015】
第4の副室式内燃機関において、前記圧力変化手段は、吸気行程に先立ち、前記副燃焼室内の圧力を低下させる。
【0016】
この副室式内燃機関では、吸気行程に先立ち、副燃焼室内の圧力を下げて副燃焼室外内への気流を発生させることができる。これにより、主燃焼室に存在する混合気の副燃焼室への導入を促進することができる。
【0017】
この副室式内燃機関において、副燃焼室内の圧力を下げるための具体的な構成は特に限定されないが、例えば、以下に示す第5の副室式内燃機関のようにしてもよい。
【0018】
第5の副室式内燃機関において、前記副燃焼室は、前記側壁および前記端部壁を、前記側壁における前記主燃焼室の構造体への埋設量が最小となる突出位置、および、前記埋設量が最大となる埋設位置へと変位可能に取り付けられてなり、前記圧力変化手段は、吸気行程に先立って、前記側壁および前記端部壁を前記突出位置へと変位させることにより、前記副燃焼室内の圧力を低下させる。
【0019】
この副室式内燃機関では、副燃焼室そのものを埋設位置から突出位置へと変位させ、主燃焼室の構造体から突出した状態とすることで、その変位前後で副燃焼室の容積を大きくして副燃焼室内の圧力を下げることができる。
【0020】
また、上記各副室式内燃機関において、圧力変化手段の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、以下に示す第6の副室式内燃機関のようにしてもよい。
【0021】
第6の副室式内燃機関において、前記圧力変化手段は、吸気、圧縮、膨張および排気の各行程に応じた回転位置で回転し、吸気および圧縮の行程においてリフト量が最大および最小のいずれか一方となり、また、膨張および排気の各行程においてリフト量が最小および最大のいずれか一方となる変位カムと、前記変位カムに従動して前記副燃焼室の延びる方向に沿って最大のリフト量から最小のリフト量までの距離を往復運動する従節と、を有し、前記従節による往復運動を直接的または間接的に前記端部壁に伝達させる。
【0022】
この副室式内燃機関では、変位カムおよび従節により、端部壁を変位させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、排気行程において副燃焼室の容積を小さくすることにより、副燃焼室内の圧力を高めて直接的に掃気を促進することができる。こうして、副燃焼室周辺で発生する気流により間接的に副燃焼室内の掃気を促進する構成と比べ、大幅に掃気を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明における副室式内燃機関の概略構成を示す図
【
図3】本発明における副燃焼室の容積変化とそれにより発生する気流の様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
(1)全体構成
【0026】
副室式内燃機関1は、
図1に示すように、筒状に延びる燃焼空間100を取り囲む構造体からなる主燃焼室10と、燃焼空間100に向けて筒状に延びる副燃焼室20と、副燃焼室20の内壁から突出する点火プラグ30と、を備えており、吸気、圧縮、膨張および排気の各行程を繰り返すように構成されている。
【0027】
主燃焼室10は、所定方向(同図の上下方向)に延びるシリンダ11、シリンダ11における一端(同図の上端)側を閉塞するシリンダヘッド13、および、シリンダ11内側をその延びる方向に沿って往復移動するピストン15により構成されており、これら構造体により燃焼空間100が取り囲まれている。この燃焼空間100には、吸気バルブ110により開閉される吸気ポート120、排気バルブ130により開閉される排気ポート140それぞれが接続されている。これら吸気バルブ110および排気バルブ130は、後述する吸気カム210および排気カム220により駆動される。
【0028】
また、この主燃焼室10には、シリンダ11における吸気ポート120近傍において、燃焼空間100内に燃料を噴射する噴射弁150が配置されている。この噴射弁150は、燃料を噴霧して供給することで燃焼空間100内に混合気を形成する。
【0029】
なお、本実施形態における主燃焼室10は、シリンダヘッド13が吸気ポート120および排気ポート140それぞれに向けて傾斜面をなすペントルーフ形状となっている。
【0030】
副燃焼室20は、
図2に示すように、吸気ポート120と排気ポート140との間の位置から燃焼空間100に向けて筒状に延びる側壁21と、側壁21の先端(同図の下端)を閉鎖する端部壁23からなる。すなわち、副燃焼室20は、側壁21と、端部壁23により、この筒状に延びる空間を包囲している。本実施形態において、副燃焼室20は、主燃焼室10におけるペントルーフ形状の斜面の交線(稜線)を跨ぐ位置に設けられる。
【0031】
この副燃焼室20は、端部壁23よりも末端側の領域において、側壁21を内外に貫通して副燃焼室20と主燃焼室10とを連通する1以上(本実施形態では6箇所)の連通路25を備える。
【0032】
さらに、この副燃焼室20は、少なくとも端部壁23が側壁21の先端(
図2の下端)側から末端(
図2の上端)側に変位可能に取り付けられてなる。本実施形態では、側壁21および端部壁23を、側壁21における主燃焼室10の構造体への埋設量が最小となる突出位置、および、埋設量が最大となる埋設位置へと変位可能に取り付けられている。
【0033】
この側壁21および端部壁23の変位は、圧力変化機構(本発明における圧力変化手段)50により実現される。
【0034】
圧力変化機構50は、副室式内燃機関1の各行程(吸気、圧縮、膨張および排気)に応じた回転位置で回転する変位カム51と、変位カム51に従動して副燃焼室20の延びる方向に沿って最大のリフト量から最小のリフト量までの距離を往復運動する従節53と、従節53による往復運動を直接的または間接的に側壁21に伝達させる伝達部55と、を備える。
【0035】
これらのうち、変位カム51は、吸気カム210および排気カム220とともに、図示されないクランクシャフトの回転がタイミングベルト230経由で伝達されることにより、吸気および圧縮の行程においてリフト量が最大となり(
図2(A)参照)、また、膨張および排気の行程においてリフト量が最小となる(同図(B)参照)。
【0036】
この圧力変化機構50は、上述した構成要素によって、まず、排気行程から吸気行程に移行するまでのタイミングにおいて、
図2(A)に示すように、側壁21および端部壁23を側壁21の先端側へ変位させることで、その変位前後で副燃焼室20の容積を大きくする。一方、排気行程において、
図2(B)に示すように、側壁21および端部壁23を側壁21の末端側へ変位させることで、その変位に伴って副燃焼室20の容積を小さくする。
【0037】
点火プラグ30は、副燃焼室20における末端(
図2における上端)側の内壁から突出した位置に配置された電極対を備えており、この電極対をなす各電極31、33間への通電により副燃焼室20内の混合気に着火する。本実施形態において、点火プラグ30は、各電極31、33が副燃焼室20における円筒の軸線と重なる位置関係で設けられているが、この軸線から離れた位置関係で設けられていてもよい。
【0038】
このように構成された副室式内燃機関1において、副燃焼室20の容積は、主燃焼室10よりも小さく、点火プラグ30で点火した混合気の火炎が、副燃焼室20内に素早く伝播する。副燃焼室20は、副燃焼室20で発生した火炎を、連通路を介して主燃焼室10に噴射する。主燃焼室10内に噴射された火炎は、主燃焼室10の混合気に着火して燃焼させる。こうして、主燃焼室10および副燃焼室20が一体的な燃焼室を形成することになる。
【0039】
(2)作用効果
【0040】
上記実施形態における副室式内燃機関1では、排気行程において、副燃焼室20の端部壁23を側壁21の末端側に変位させて(
図3(A)の矢印a参照)、その変位前後で副燃焼室20の容積を小さくする。これにより、副燃焼室20内の圧力が高められて内外方向の気流が発生することによって直接的に掃気を促進することができる(
図3(A)の矢印b参照)。こうして、副燃焼室20周辺で発生する気流により間接的に副燃焼室20内の掃気を促進する構成と比べ、大幅に掃気を促進させることができる。
【0041】
また、上記副室式内燃機関1では、副燃焼室20そのものを突出位置から埋設位置へと変位させ、主燃焼室10の構造体に埋設された状態とすることで、その変位前後で副燃焼室20の容積を小さくすることができる。
【0042】
また、上記副室式内燃機関1では、吸気行程に先立ち、副燃焼室20の端部壁23を側壁21とともに側壁21の先端側に変位させ(
図3(B)の矢印c)、副燃焼室20の容積を大きくしておくことにより、副燃焼室20内の圧力を下げて副燃焼室20外内への気流を発生させることができる(
図3(B)の矢印d)。これにより、主燃焼室10に存在する混合気の副燃焼室20への導入を促進することができる。
【0043】
また、上記副室式内燃機関1では、副燃焼室20そのものを埋設位置から突出位置へと変位させ、主燃焼室10の構造体から突出した状態とすることで、その変位前後で副燃焼室20の容積を大きくして副燃焼室20内の圧力を下げることができる。
【0044】
また、上記副室式内燃機関1では、変位カム51および従節53により、側壁21および端部壁23を変位させることができる。
【0045】
(3)他の実施形態
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた各構成は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態では、端部壁23を側壁21の末端側へ変位させることにより副燃焼室20内の圧力を上昇させるように構成されたものを例示した。しかし、本発明では、副燃焼室20内の圧力を上昇させることができれば、その具体的な構成については特に限定されない。
【0048】
また、上記実施形態では、端部壁23を側壁21とともに変位させる、つまり副燃焼室20自体を変位させることで、端部壁23と主燃焼室10の構造体との間の空間を狭めるまたは拡げるように構成されたものを例示した。しかし、本発明では、端部壁23を側壁21の末端側へ変位させることができればよく、端部壁23のみが側壁21の末端側へ変位するように構成してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では圧力変化機構50が変位カム51および従節53からなる構成を例示したが、これ以外の構成要素により圧力変化機構50を構成できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1…副室式内燃機関、10…主燃焼室、11…シリンダ、13…シリンダヘッド、15…ピストン、20…副燃焼室、21…側壁、23…端部壁、25…連通路、30…点火プラグ、31…電極、33…電極、50…圧力変化機構、51…変位カム、53…従節、55…伝達部、100…燃焼空間、110…吸気バルブ、120…吸気ポート、130…排気バルブ、140…排気ポート、150…噴射弁、210…吸気カム、220…排気カム、230…タイミングベルト。