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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078448
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】おろし器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/25 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
A47J43/25
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189131
(22)【出願日】2020-11-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】713000032
【氏名又は名称】菅 千代
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】菅 千代
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053CA03
4B053CD03
4B053CD10
(57)【要約】
【課題】薬味植物をすりおろした際に発生する粒の大きいかすを分離し、粒の小さい薬味植物のみを取り出すことができるおろし器を提供する。
【解決手段】おろし器1は、内面に薬味植物をすりおろす複数の突起11を備え、下側に突起したおろし器本体10と、おろし器本体10の上面を被覆する網体20とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に薬味植物をすりおろす複数の突起を備え、下側に突起したおろし器本体と、
前記おろし器本体の上面を被覆する網体とを備えることを特徴とする、
おろし器。
【請求項2】
前記網体はメッシュ状であり、
前記メッシュの間隔は、前記突起のうちの近接した2つの間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のおろし器。
【請求項3】
前記おろし器本体を係止する下側バーと、
前記網体を係止する上側バーとを備え、
前記下側バーと前記の上側バーが、前記おろし器本体及び前記網体と反対側で接合してトング形状をなし、
前記トングによって、前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態と、離間した状態を形成することのできることを特徴とする、請求項1又は2に記載のおろし器。
【請求項4】
前記上側バーと前記下側バーとを係止し、前記トングを前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態に固定する係止具を備えること特徴とする、請求項3に記載のおろし器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬味植物をすりおろす突起を有するおろし器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生姜、ニンニク等の薬味植物のすりおろし器が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、すりおろした薬味植物から水分を分離できるすりおろし器も存在する(例えば、特許文献2参照)。また、飲料容器中に沈めることができる茶こし器も存在する(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
さらには、2つの半球を合わせて球状にした茶こし器も存在する。2つの半球を合わせる茶こし器については、球内から茶葉が漏れ出ないよう半球同士を密着させるために、強いばねが用いられている。そのため、半球同士の密着を解くのに片手では困難であるという問題があった。
【0004】
また、従来、スプーンの内面に薬味植物をすりおろす複数の突起が設けられたおろし付きティースプーンというものが存在する。当該スプーンの内面に設けられた突起で、例えば生姜をすりおろし、そのままスプーンをお湯に浸けることで、生姜湯をつくることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】公開実用昭57-788333号公報
【特許文献2】実開平4―112338号公報
【特許文献3】特開2004-188210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、すりおろした生姜を載せたスプーンをそのままお湯に浸けると、細かくすりおろされた生姜以外にも、粒の大きい生姜のかすも一緒にお湯の中に入ってしまう。このため、生姜湯を飲む場合、生姜のかすも一緒に飲むことになり、のど越しが悪いという問題があった。かすが沈むのを待って飲むこともできるが、待っている間にお湯が冷めてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、薬味植物をすりおろした際に発生する粒の大きいかすを分離し、粒の小さい薬味植物のみを取り出すことができるおろし器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のおろし器は、
内面に薬味植物をすりおろす複数の突起を備え、下側に突起したおろし器本体と、
前記おろし器本体の上面を被覆する網体とを備えることを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、おろし器本体内面に設けられた突起で薬味植物をすりおろし、おろし器本体の上面を網体で被覆して水中に浸けた場合に、網体を通過する薬味植物のみを水中に取り出すことができ、薬味植物をすりおろした際に発生する、網体を通過できない粒の大きいかすを分離することができる。
【0010】
本発明のおろし器は、
前記網体はメッシュ状であり、
前記メッシュの間隔は、前記突起のうちの近接した2つの間隔よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
この特徴によれば、薬味植物を突起ですりおろしておろし器本体の上面を網体で被覆して水中に浸けた場合に、メッシュの間隔よりも大きい径を有する薬味植物は網体を通過することができず、メッシュを通過可能な粒の小さい薬味植物のみを水中に取り出すことができる。
【0012】
本発明のおろし器は、
前記おろし器本体を係止する下側バーと、
前記網体を係止する上側バーとを備え、
前記下側バーと前記の上側バーが、前記おろし器本体及び前記網体と反対側で接合してトング形状をなし、
前記トングによって、前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態と、離間した状態を形成することのできることを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、トングを用いて、おろし器本体及び網体を容易に接合及び離間させることができる。
【0014】
本発明のおろし器は、
前記上側バーと前記下側バーとを係止し、前記トングを前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態に固定する係止具を備えること特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、係止具を用いて、おろし器本体及び網体を容易に接合及び離間させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のおろし器は、内面に薬味植物をすりおろす複数の突起を備え、下側に突起したおろし器本体と、前記おろし器本体の上面を被覆する網体とを備えるため、おろし器本体内面に設けられた突起で薬味植物をすりおろし、おろし器本体の上面を網体で被覆して水中に浸けた場合に、網体を通過する薬味植物のみを水中に取り出すことができ、薬味植物をすりおろした際に発生する、網体を通過できない粒の大きいかすを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係るおろし器の側面図である。
図2図2は、おろし器本体の内面に設けられた複数の突起の間隔を示す図1におけるA矢視図である。
図3図3は、網体のメッシュの間隔を示す図1におけるB矢視図である。
図4図4は、おろし器本体と網体とが接合した状態を示すおろし器の側面図である。
図5図5は、変形例に係るおろし器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るおろし器1の側面図である。当該おろし器1は、下側に突起したおろし器本体10と、おろし器本体10の上面の開口部を被覆する網体20と、を有する。おろし器本体10の内面には、図2に示すように、薬味植物をすりおろす複数の突起11が設けられている。
【0020】
網体20はメッシュ状に構成されている。当該メッシュの間隔M(図3参照)は、おろし器本体10に設けられた複数の突起11のうちの近接した2つの間隔W(図2参照)よりも小さい(W>M)。当該メッシュの間隔Mは、すりおろされた薬味植物のうち、当該メッシュの通過が可能な薬味植物の径の上限であり、当該間隔Mよりも大きい径を有する薬味植物の通過が禁止される幅である。突起11のうちの近接した2つの間隔Wは、当該突起11ですりおろされた薬味植物の想定される径であり、間隔Wよりも大きい径を有する薬味植物は削りかすと想定される。したがって、間隔Mを間隔Wよりも小さくすることで、薬味植物を突起11ですりおろしておろし器本体10の上面を網体20で被覆し水中に浸けた場合に、メッシュの間隔Mよりも大きい径を有する薬味植物のかすは、網体20を通過することができないため、かすが水中に流出するのを防止することができ、メッシュを通過可能な粒の小さい薬味植物のみを水中に取り出すことができる。
【0021】
おろし器本体10の上面の開口部の一端は棒状の下側バー30の一端で係止されている。網体20の外周の一端は棒状の上側バー40の一端で係止されている。下側バー30及び上側バー40は、おろし器本体10及び網体20が係止されている側とは反対側で接合して、トング形状をなしている。当該下側バー30及び上側バー40で構成されたトング50によって、おろし器本体10及び網体20は、図4に示す接合した状態と、図1に示す離間した状態と、を形成することができる。
【0022】
上側バー40及び下側バー30の長手方向略中間位置の対向する面それぞれには、係止具60を構成する雄部材60a及び雌部材60bが設けられている。係止具60は、図4に示すように、上側バー40と下側バー30とを係止し、トング50をおろし器本体10と網体20とが接合した状態に固定する。
【0023】
具体的には、雄部材60aは上側バー40の長手方向の閉位置と開位置との間をスライド可能に構成され、雄部材60aを閉位置にスライドして雌部材60bに係止させることで、おろし器本体10と網体20とが接合した状態でトング50を固定することができる。この状態から、雄部材60aを開位置にスライドさせることで、雄部材60aと雌部材60bとの係止が解かれ、おろし器本体10と網体20とを離間させることができる。
【0024】
このような係止具60を設けることにより、雄部材60aを移動させるだけで、おろし器本体10と網体20とを片手でも容易に接合及び離間させることができる。なお、衛生面を考慮して、おろし器本体10を水に浸けた際に、係止具60が水に浸からない位置に設けるのが好ましい。
【0025】
以上説明したように、おろし器1は、内面に複数の突起11を備え、下側に突起したおろし器本体10と、おろし器本体10の上面を被覆する網体20とを備えるため、図1に示すようなおろし器本体10及び網体20が離間した状態において、薬味植物として、例えば生姜を突起11ですりおろして、図4に示すようにおろし器本体10の上面を網体20で被覆し、おろし器本体10及び網体20をお湯に浸けた場合に、粒の大きいかすをおろし器本体10内に残し、網体20のメッシュを通過する粒の小さい生姜のみをお湯の中に取り出すことができる。したがって、生姜のかすが含まれない生姜湯を作ることができ、のど越しの良い生姜湯を飲むことができる。なお、網体20で被覆したおろし器本体10を水中に浸ける他に、網体20で被覆したおろし器本体10を振っても、網体20のメッシュを通過する粒の小さい生姜のみを外部に取り出すことができる。
【0026】
なお、上述した実施形態は一例に過ぎず、本発明は特許請求の範囲に記載の発明の範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0027】
上述した実施形態におけるおろし器本体10、網体20、突起11等の形状は一例に過ぎない。例えば、図5に示すおろし器1Aのように、おろし器本体10aの深さは上述した実施形態で示したおろし器本体10の深さよりも浅くしてもよいし、網体20aの厚さは上述した実施形態で示した網体20の厚さよりも薄くしてもよい。
【0028】
また、上述した実施形態における係止具60の構造は一例に過ぎない。例えば、雄部材60aは、一端が上側バー40に回動可能に固定され、当該雄部材60aを回動させることにより当該雄部材60の他端を雌部材60bに係止させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、生姜、ニンニク等の薬味植物のおろし器として使用できる他、茶こし器としても利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1、1A おろし器
10、10a おろし器本体
11 突起
20、20a 網体
30 下側バー
40 上側バー
50 トング
60 係止具
60a 雄部材
60b 雌部材
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に薬味植物をすりおろす複数の突起を備え、下側に突起したおろし器本体と、
前記おろし器本体の上面を被覆する網体とを備え
前記網体はメッシュ状であり、
前記メッシュの間隔は、前記突起のうちの近接した2つの間隔よりも小さいことを特徴とする、おろし器。
【請求項2】
前記おろし器本体を係止する下側バーと、
前記網体を係止する上側バーとを備え、
前記下側バーと前記の上側バーが、前記おろし器本体及び前記網体と反対側で接合してトング形状をなし、
前記トングによって、前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態と、離間した状態を形成することのできることを特徴とする、請求項1に記載のおろし器。
【請求項3】
前記上側バーと前記下側バーとを係止し、前記トングを前記おろし器本体及び前記網体が接合した状態に固定する係止具を備えること特徴とする、請求項2に記載のおろし器。