(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078479
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】観光用望遠鏡課金・管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220518BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20220518BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20220518BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220518BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/06 300
G06Q20/10
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189173
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101867
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 寿武
(72)【発明者】
【氏名】水草 豊
(72)【発明者】
【氏名】清水 国俊
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB25
5L049CC11
5L055AA15
5L055AA22
(57)【要約】
【課題】 現金による利用料金の支払いのみならず、電子決済手段による利用料金の支払いを可能とし、さらに加えて、各所に設置された観光用望遠鏡1の適切な管理を実現する。
【解決手段】 現金が投入されたときは現金決済ユニット10からスタート信号が出力され、一方、電子決済により利用料金が支払われたときは、電子決済ユニット20からスタート信号が出力される。そして、望遠鏡作動ユニット30が、これら各々のスタート信号に基づいて観光用望遠鏡1を作動させる。また、観光用望遠鏡1を管理するための管理サーバ200を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観光用望遠鏡の作動及び停止を実行するとともに、当該観光用望遠鏡を管理するための課金・管理システムであって、
前記観光用望遠鏡を管理するための管理サーバと、
電子決済処理を実行する電子決済処理システムと、を備え、
さらに、現金の投入を検知してスタート信号を出力する現金決済ユニットと、
前記電子決済処理システムと協働して電子決済処理を実行し、スタート信号を出力する電子決済ユニットと、
前記現金決済ユニット又は前記電子決済ユニットから出力されたスタート信号に基づき前記観光用望遠鏡を作動させる望遠鏡作動ユニットと、
を備えたことを特徴とする観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項2】
投入された現金を保管する現金保管部を備え、
前記管理サーバは、前記現金決済ユニットによる現金投入の検知データを通信手段を介して入力し、当該現金投入の検知データに基づき、前記現金保管部に保管されている現金の量を認識するとともに、当該認識した現金の量があらかじめ設定したしきい値を超えたとき、通信手段を介して現金回収情報をあらかじめ設定した送信先へ送信する現金回収通知部を含むことを特徴とする請求項1に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、各所に設置された前記観光用望遠鏡の位置データを記憶する記憶部と、当該記憶部に記憶してある位置データに基づき、各所に設置された前記観光用望遠鏡の位置を地図データ上に表示する設置位置マッピング部と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記観光用望遠鏡を作動及び停止させる電子決済条件を設定する決済条件設定部を有し、
前記電子決済ユニットは、前記決済条件設定部に設定された電子決済条件を通信手段を介して受信し、当該電子決済条件に基づき電子決済処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、各所に設置された前記観光用望遠鏡の設置位置の周囲に関するネット情報をインターネットから取得する周囲ネット情報取得部を含むことを特徴とする請求項4に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項6】
各所に設置された前記観光用望遠鏡の近傍に当該観光用望遠鏡の周囲データを取得するための情報取得センサを設置し、
前記管理サーバは、前記観光用望遠鏡の近傍に設置された前記情報取得センサが取得した前記周囲データを通信手段を介して受信する周囲直接データ取得部を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、各所に設置された前記観光用望遠鏡の売上げデータを管理する売上げデータ管理部と、前記売上げデータ管理部に管理された特定の観光用望遠鏡に対する売上げデータと、当該観光用望遠鏡に対する前記周囲ネット情報取得部が取得したネット情報との関連性を解析する売上げ解析部と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、各所に設置された前記観光用望遠鏡の売上げデータを管理する売上げデータ管理部と、前記売上げデータ管理部に管理された特定の観光用望遠鏡に対する売上げデータと、当該観光用望遠鏡に対する前記周囲直接データ取得部が受信した周囲データとの関連性を解析する売上げ解析部と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【請求項9】
前記管理サーバは、前記売上げ解析部による解析データに基づき、各所に設置された前記観光用望遠鏡に対して前記決済条件設定部に設定された電子決済条件を、個別に変更する電子決済条件変更手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の観光用望遠鏡課金・管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、観光地や景観の良い場所などに設置される観光用望遠鏡について、その作動及び停止を実行するとともに、各種の管理を担う観光用望遠鏡課金・管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、観光地や景観の良い場所などに設置される観光用望遠鏡は、コイン(現金)の投入により作動し、あらかじめ設定してある時間の経過により停止する構造となっている(例えば、特許文献1を参照)。ここで、「作動」とは、遠景を拡大して見える状態とすることをいい、「停止」とは、当該見える状態を終了させることをいう(以下、本明細書において同じ)。
【0003】
さて、近年、電子マネーやQRコード(登録商標)をはじめとする二次元コードなどを利用した各種の電子決済手段が急速に普及してきており、例えば、飲料水などの自動販売機においてもその種の電子決済手段による支払いができるようになりつつある。
そこで、観光用望遠鏡においても、現金による利用料金の支払いに加えて、電子決済手段による利用料金の支払いを可能とすることが、ユーザニーズに合致して好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、現金による利用料金の支払いのみならず、電子決済手段による利用料金の支払いを可能とし、さらに加えて、各所に設置された観光用望遠鏡の適切な管理を実現することができる観光用望遠鏡課金・管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、観光用望遠鏡の作動及び停止を実行するとともに、当該観光用望遠鏡を管理するための課金・管理システムであって、上記目的を達成するために、観光用望遠鏡を管理するための管理サーバと、電子決済処理を実行する電子決済処理システムと、を備え、さらに、現金の投入を検知してスタート信号を出力する現金決済ユニットと、電子決済処理システムと協働して電子決済処理を実行し、スタート信号を出力する電子決済ユニットと、現金決済ユニット又は電子決済ユニットから出力されたスタート信号に基づき観光用望遠鏡を作動させる望遠鏡作動ユニットと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成の本発明によれば、現金が投入されたときは現金決済ユニットからスタート信号が出力され、一方、電子決済により利用料金が支払われたときは、電子決済ユニットからスタート信号が出力される。そして、望遠鏡作動ユニットが、これら各々のスタート信号に基づいて観光用望遠鏡を作動させるので、現金による利用料金の支払いと、電子決済手段による利用料金の支払いのいずれにも対応することができる。
しかも、本発明は、観光用望遠鏡を管理するための管理サーバを備えているので、かかる管理サーバにより、各所に設置された観光用望遠鏡の適切な管理を実現することができる。
【0008】
さらに、本発明は、投入された現金を保管する現金保管部を備え、且つ、管理サーバは、現金決済ユニットによる現金投入の検知データを通信手段を介して入力し、当該現金投入の検知データに基づき、現金保管部に保管されている現金の量を認識するとともに、当該認識した現金の量があらかじめ設定したしきい値を超えたとき、通信手段を介して現金回収情報をあらかじめ設定した送信先へ送信する現金回収通知部を含む構成とすることもできる。
このように構成すれば、現金保管部に保管された現金の回収時期を自動且つ適切に管理者などへ知らせることが可能となる。
【0009】
管理サーバは、各所に設置された観光用望遠鏡の位置データを記憶する記憶部と、当該記憶部に記憶してある位置データに基づき、各所に設置された観光用望遠鏡の位置を地図データ上に表示する設置位置マッピング部と、を含む構成としてもよい。
このように構成すれば、各所に設置された観光用望遠鏡の位置を、地図データ上で視覚的に把握することができる。
【0010】
また、管理サーバは、観光用望遠鏡を作動及び停止させる電子決済条件を設定する決済条件設定部を有し、電子決済ユニットは、決済条件設定部に設定された電子決済条件を通信手段を介して受信し、当該電子決済条件に基づき電子決済処理を実行する構成とすることができる。
このように構成すれば、自由度の高い観光用望遠鏡の運用が可能となる。
【0011】
さらに、管理サーバは、各所に設定された観光用望遠鏡の設置位置の周囲に関するネット情報をインターネットから取得する周囲ネット情報取得部を含む構成とすることもできる。
このように構成すれば、各所に設置された観光用望遠鏡を、その設置位置の周囲に関するネット情報とともに管理することができる。
【0012】
また、各所に設置された観光用望遠鏡の近傍に当該観光用望遠鏡の周囲データを取得するための情報取得センサを設置し、
管理サーバは、観光用望遠鏡の近傍に設置された情報取得センサが取得した周囲データを通信手段を介して受信する周囲直接データ取得部を含む構成としてもよい。
このように構成すれば、各所に設置された観光用望遠鏡を、その周囲データとともに管理することができる。
【0013】
加えて、管理サーバは、各所に設置された観光用望遠鏡の売上げデータを管理する売上げデータ管理部と、売上げデータ管理部に管理された特定の観光用望遠鏡に対する売上げデータと、当該観光用望遠鏡に対する周囲ネット情報取得部が取得したネット情報との関連性を解析する売上げ解析部と、を含む構成とすることもできる。
このように構成すれば、観光用望遠鏡の売上げデータを多角的に解析することが可能となる。
【0014】
また、管理サーバは、各所に設置された観光用望遠鏡の売上げデータを管理する売上げデータ管理部と、売上げデータ管理部に管理された特定の観光用望遠鏡に対する売上げデータと、当該観光用望遠鏡に対する周囲直接データ取得部が受信した周囲データとの関連性を解析する売上げ解析部と、を含む構成としてもよい。
このように構成しても、観光用望遠鏡の売上げデータを多角的に解析することが可能となる。
【0015】
さらに、管理サーバは、売上げ解析部による解析データに基づき、各所に設置された観光用望遠鏡に対して決済条件設定部に設定された電子決済条件を、個別に変更する電子決済条件変更手段を備えた構成とすることが好ましい。
このように構成すれば、各所に設定された観光用望遠鏡について、環境変化等に応じて個別に電子決済の条件(例えば、利用料金の金額)を変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、現金による利用料金の支払いのみならず、電子決済手段による利用料金の支払いを可能とし、さらに加えて、各所に設置された観光用望遠鏡の適切な管理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る観光用望遠鏡課金・管理システムの全体構造を示すブロック図である。
【
図2】(a)は本発明の実施形態に係る観光用望遠鏡課金・管理システムにおける望遠鏡近傍の構成群を示す概略図、(b)は同じくブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る観光用望遠鏡課金・管理システムにおける管理サーバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る観光用望遠鏡1課金・管理システムの全体構造を示すブロック図である。同図に示すように、観光用望遠鏡1課金・管理システムは、望遠鏡近傍の構成群100と、管理サーバ200と、電子決済処理システム300とで構築されている。
【0019】
観光用望遠鏡1は、観光地や景観の良い場所などの各所に設置されており、その近傍に望遠鏡近傍の構成群100が備えられている。望遠鏡近傍の構成群100は、現金決済ユニット10、電子決済ユニット20、望遠鏡作動ユニット30、情報取得センサ40、通信部50の各構成要素を含んでいる。
図2(a)(b)は、望遠鏡近傍の構成群100を示す図である。
図2(a)に示すように、これらの各構成要素は、観光用望遠鏡1の本体内に内蔵されるか、又はその近傍に設置されている。
【0020】
現金決済ユニット10は、現金決済により観光用望遠鏡1を作動させるための機能を備えた構成要素である。現金決済ユニット10は、
図2(b)に示すように、現金検知センサ11と、スタート信号出力部12とを含んでいる。また、
図2(a)に示すように、現金決済ユニット10には現金投入部13が設けてあり、この現金投入部13に現金(例えば、コイン)が投入されると、
図2(b)に示すように現金決済ユニット10に内蔵してある現金検知センサ11が投入された現金を検知する。そして、あらかじめ設定してある利用料金分の現金の投入を検知したときに、スタート信号出力部12からスタート信号(トリガ信号)が出力される。
【0021】
現金投入部13に投入された現金は、観光用望遠鏡1の支持部に内蔵した現金保管部14に保管される。現金保管部14に保管されている現金の量(枚数)は、現金検知センサ11が現金投入を検知した回数により把握することができる。そこで、本実施形態では、現金投入を検知する度に、現金検知センサ11から現金投入の検知データ(検知信号)が出力され、通信部50を介して管理サーバ200に送信される構成としてある。
図1に示した管理サーバ200は、この現金投入の検知データに基づき、現金保管部14に保管されている現金の量を認識することができる。
【0022】
電子決済ユニット20は、電子マネーや二次元コードなどを利用した各種の電子決済により観光用望遠鏡1を作動させるための機能を備えた構成要素である。この電子決済ユニット20は、
図1に示した電子決済処理システム300と協働して電子決済処理を実行する。なお、電子決済処理システム300は、電子決済会社や機関によりそれぞれ構築されており、電子決済ユニット20は、あらかじめ契約した電子決済会社や機関の電子決済処理システム300が要求する機能を備えている。
【0023】
例えば、電子マネーによる電子決済処理システム300においては、表示/操作画面21に作動時間に応じた複数の利用料金を掲示し、ユーザがいずれかの利用料金を選択操作する。続いて、電子決済データ読取り部22にユーザがかざした電子マネーカードから、当該電子決済データ読取り部22が電子決済データを読み取って、通信部50から電子決済処理システム300に送信する。その後に、電子決済処理システム300から送られてきた決済通知を、電子決済ユニット20が通信部50を介して受信したとき、選択された利用料金に応じた回数だけ、スタート信号出力部23からスタート信号(トリガ信号)を出力する。
【0024】
また、ユーザが所有するモバイル端末3に表示された二次元コードを読み取って電子決済処理を行う方式の電子決済処理システム300においては、例えば、表示/操作画面21に作動時間に応じた複数の利用料金を掲示し、ユーザがいずれかの利用料金を選択操作する。続いて、電子決済データ読取り部22が二次元コードを読み取り、通信部50から電子決済処理システム300に送信する。その後に、電子決済処理システム300から送られてきた決済通知を、電子決済ユニット20が受信したとき、選択された利用料金に応じた回数だけ、スタート信号出力部23からスタート信号(トリガ信号)を出力する。
【0025】
また、観光用望遠鏡1の電子決済処理用にあらかじめ用意された二次元コードを、ユーザが所有するモバイル端末3に読み取らせて電子決済処理を行う方式の電子決済処理システム300においては、例えば、表示/操作画面21に二次元コードを表示して、ユーザが所有するモバイル端末3に読み取ってもらう。続いて、モバイル端末3に利用料金を入力して、電子決済処理システム300に送信してもらう。なお、利用料金が固定されている場合などは二次元コードに利用料金の情報も含ませ、ユーザによる利用料金の入力を不要としてもよい。
【0026】
図1に示すように、モバイル端末3から送信されるデータは、データ通信網2を経由して電子決済処理システム300に送信される。表示/操作画面21に一連の操作手順を表示することもできる。その後に、電子決済処理システム300から送られてきた決済通知を、電子決済ユニット20が受信したとき、支払われた利用料金に応じた回数だけ、スタート信号出力部23からスタート信号(トリガ信号)を出力する。
【0027】
表示/操作画面21や電子決済データ読取り部22は、制御部24により制御されて所用の処理を実行する。
【0028】
望遠鏡作動ユニット30は、現金決済ユニット10又は電子決済ユニット20から出力されたスタート信号に基づき観光用望遠鏡1を作動させる機能を備えている。
図2(b)に示すように、望遠鏡作動ユニット30は、作動信号出力部31と、作動/停止部32と、タイマー33とを含んでいる。
作動信号出力部31は、OR回路で構成され、現金決済ユニット10又は電子決済ユニット20のいずれか一方からスタート信号を入力したとき、作動/停止部32に作動信号を出力する。
作動/停止部32は、スタート信号を入力したときに、タイマー33を起動するとともに、観光用望遠鏡1のシャッターを開いて景色が見えるように作動させる。作動/停止部32は、タイマー33により設定された時間だけ作動状態を継続し、当該時間が経過したときにシャッターを閉じて観光用望遠鏡1を停止状態(すなわち、景色を見ることができない状態)とする。
【0029】
現金決済ユニット10又は電子決済ユニット20からスタート信号が複数回の出力されたときは、その出力回数に応じてタイマー33の時間設定(すなわち、観光用望遠鏡1の作動時間)が延長される。
【0030】
情報取得センサ40は、観光用望遠鏡1の周囲データを取得するための各種センサを含んでいる。例えば、情報取得センサ40には、温度センサ41や湿度センサ42が組み込まれ、観光用望遠鏡1が設置された場所の温度や湿度を検出し、その検出データを周囲データとして、通信部50を介して管理サーバ200に送信する構成としてある。
図1に示した管理サーバ200は、この情報取得センサ40からの周囲データに基づき、各所に設置された観光用望遠鏡1の周囲環境を把握することができる。
【0031】
次に、
図3を参照して管理サーバ200の構成を説明する。
管理サーバ200は、観光用望遠鏡1を管理するための各種機能を有しており、中央処理部60、操作部61、表示部62、決済条件設定部63、現金回収通知部64、位置データ記憶部65、設置位置マッピング部66、周囲ネット情報取得部67、周囲直接データ取得部68、売上げデータ管理部69、売上げ解析部70、観光用望遠鏡機能監視部71、通信部72の各構成要素を備えている。
【0032】
中央処理部60は、管理サーバ200の各構成要素を制御する機能とともに、各種の演算処理を実行する機能を有している。操作部61は、管理者が管理サーバ200を操作するための構成要素で、キーボードやマウスなどで構成される。表示部62は、液晶ディスプレイなどで構成され、各種のデータや操作画面を表示することができる。
【0033】
決済条件設定部63には、観光用望遠鏡1を作動及び停止させる電子決済条件が設定され、その電子決済条件が通信部72,50を介して、
図2(b)に示した電子決済ユニット20に送信される。電子決済ユニット20は、受信した電子決済条件に基づき、制御部24が電子決済処理を実行する。
電子決済条件としては、例えば、観光用望遠鏡1の利用料金が設定される。この利用料金は、例えば、イベント期間中などに割引料金を設定して、安価な料金で観光用望遠鏡1を利用に供することができたり、作動時間に応じて段階的に割引いた利用料金を設定することもできる。これにより、自由度の高い観光用望遠鏡1の運用が可能となる。
【0034】
現金回収通知部64は、
図2(a)に示した現金保管部14に保管されている現金の回収情報を、管理者などに通知する機能を有している。既述したように、
図2(b)に示した現金検知センサ11が現金投入を検知する度に、当該現金検知センサ11から現金投入の検知データ(検知信号)が、管理サーバ200に送られてくる。現金回収通知部64は、この現金投入の検知データに基づき、現金保管部14に保管されている現金の量を認識することができる。
また、現金回収通知部64には、現金保管部14に保管されている現金を回収すべき量に相当するしきい値があらかじめ設定してある。
【0035】
そして、現金保管部14に保管されている現金の量が、当該したしきい値を超えたとき、通信部72を介して現金回収情報をあらかじめ設定した送信先(例えば、管理者のメールアドレス)へ送信する。
このように、現金回収通知部64の機能により、現金保管部14に保管された現金の回収時期を自動且つ適切に管理者などへ知らせることが可能となる。管理者は、管理用コンピュータ4に送られてきた現金回収情報に基づき、該当する観光用望遠鏡1の現金保管部14から現金を回収する。
【0036】
位置データ記憶部65には、各所に設置してある観光用望遠鏡1の位置データが記憶してある。
設置位置マッピング部66は、位置データ記憶部65に記憶してある位置データに基づき、各所に設置された観光用望遠鏡1の位置を地図データ上に表示する機能を有している。観光用望遠鏡1の位置がマッピングされた地図データは、表示部62に表示して閲覧することができる。
これにより、各所に設置された観光用望遠鏡1の位置を、地図データ上で視覚的に把握することができる。
【0037】
周囲ネット情報取得部67は、各所に設置された観光用望遠鏡1に対して、その設置位置の周囲に関するネット情報をインターネット2から自動的に取得する機能を有している。なお、操作員のマニュアルサーチによって観光用望遠鏡1の設置位置の周囲に関するネット情報を取得して、周囲ネット情報取得部67に記憶させることもできる。
取得するネット情報としては、例えば、観光用望遠鏡1の設置位置における天候や気候、温湿度、観光地のイベント情報、交通情報などがある。
これにより、各所に設置された観光用望遠鏡1を、その設置位置の周囲に関するネット情報とともに管理することができる。
【0038】
周囲直接データ取得部68には、
図2(b)に示した情報取得センサ40から送られてきた観光用望遠鏡1の周囲データが記憶される。これにより、各所に設置された観光用望遠鏡1を、その周囲データとともに管理することができる。
【0039】
売上げデータ管理部69は、各所に設置された観光用望遠鏡1の売上げデータを管理する機能を有している。例えば、売上げデータ管理部69は、現金検知センサ11から送られてきた現金投入の検知データ(検知信号)を積算して、現金決済による売上げを把握する。また、電子決済処理システム300から送られてくる電子決済データから、電子決済による売上げを把握する。これらの売上げデータが、売上げデータ管理部69に記憶される。
【0040】
売上げ解析部70は、特定の観光用望遠鏡1を選択して解析対象とし、売上げデータ管理部69に管理された解析対象の売上げデータと、周囲ネット情報取得部67が取得した解析対象のネット情報や、周囲直接データ取得部68に記憶してある解析対象の周囲データとの関連性を解析する機能を有している。
例えば、解析対象とした観光用望遠鏡1の売上げが、天候や温湿度に応じて伸びたり減少したりする傾向や、観光地のイベント開催や、交通量に応じて伸びたり減少したりする傾向を把握することができる。
これにより、観光用望遠鏡1の売上げデータを多角的に解析することが可能となり、観光用望遠鏡1の運用に役立てることができる。
【0041】
本実施形態では、中央処理部60が、決済条件設定部63に設定された電子決済条件を個別に変更する電子決済条件変更手段としての機能を備えている。すなわち、中央処理部60は、売上げ解析部70による解析データに基づき、各所に設置された観光用望遠鏡1に対して決済条件設定部63に設定されている電子決済条件を個別に変更する。
これにより、例えば、外部要素、季節、時間帯、天候条件等に応じて、観光用望遠鏡1の利用料金の金額を適宜変更することで、ユーザの満足度を向上させ、観光用望遠鏡1の利用促進を図ることが期待できる。
【0042】
電子決済処理システム300は、既述したように電子決済会社や機関によりそれぞれ構築されており、あらかじめ契約した電子決済会社や機関のシステムを利用する。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形実施や応用実施が可能なことは勿論である。
例えば、
図1では、電子決済処理システム300と電子決済ユニット20とが、管理サーバ200を経由してデータの送受信を行う構成としてあるが、管理サーバ200を経由せず、電子決済処理システム300と電子決済ユニット20との間で直接データを送受信することもできる。
また、
図1では、望遠鏡近傍の構成群100における通信部50と、管理サーバ200と、電子決済処理システム300とを、専用のデータ通信回線で接続してあるが、これに限らず、インターネット2等の汎用のデータ通信網を経由してこれらを接続することもできる。
【符号の説明】
【0044】
1:観光用望遠鏡、2:データ通信網/インターネット、3:モバイル端末、4:管理用コンピュータ、
10:現金決済ユニット、11:現金検知センサ、12:スタート信号出力部、13:現金投入部、14:現金保管部、
20:電子決済ユニット、21:表示/操作画面、22:電子決済データ読取り部、23:スタート信号出力部、24:制御部、
30:望遠鏡作動ユニット、31:作動信号出力部、32:作動/停止部、33:タイマー、
40:情報取得センサ、41:温度センサ、42:湿度センサ、
50:通信部、
60:中央処理部、61:操作部、62:表示部、63:決済条件設定部、64:現金回収通知部、65:位置データ記憶部、66:設置位置マッピング部、67:周囲ネット情報取得部、68:周囲直接データ取得部、69:売上げデータ管理部、70:売上げ解析部、71:観光用望遠鏡機能監視部、72:通信部、
100:望遠鏡近傍の構成群、200:管理サーバ、300:電子決済処理システム、