IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アドネクスト有限会社の特許一覧

<>
  • 特開-携帯消毒・除菌装置 図1
  • 特開-携帯消毒・除菌装置 図2
  • 特開-携帯消毒・除菌装置 図3
  • 特開-携帯消毒・除菌装置 図4
  • 特開-携帯消毒・除菌装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078578
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】携帯消毒・除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20220518BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20220518BHJP
   A61L 101/34 20060101ALN20220518BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L2/10
A61L101:34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189336
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】503138787
【氏名又は名称】アドネクスト有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】林 啓二
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB06
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD16
4C058JJ08
4C058JJ24
4C058KK02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人体に付着した細菌やウイルスを死滅させたり不活性化するための携帯式の消毒・除菌装置を提供する。
【解決手段】棒状のケース1の上方に消毒・除菌剤を充填すべき吐出ポンプ10を内設するとともに、下方に紫外線を照射すべき光源22を内設し、吐出ポンプの吐出口12をケース側面に、光源からの照射口23をケース底面に配する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能なケースの一方に消毒・除菌剤の供給口を、他方に紫外線の照射口を設けたことを特徴とする携帯消毒・除菌装置。
【請求項2】
棒状のケースの上方に消毒・除菌剤を充填すべき吐出ポンプを内設するとともに、下方に紫外線を照射すべき光源を内設し、吐出ポンプの吐出口をケース側面に、光源からの照射口をケース底面に配した請求項1記載の携帯消毒・除菌装置。
【請求項3】
ケースにストラップを取り付け可能とした請求項1または2記載の携帯消毒・除菌装置。
【請求項4】
鉛直線を規準とした光源からの照射方向を検出し、ケースの傾きにより照射方向が鉛直下向きから一定角度鉛直上向き方向に傾いた場合に照射を停止する請求項1から3のいずれかに記載の携帯消毒・除菌装置。
【請求項5】
消毒・除菌剤はアルコールを主成分としたゲル状の除菌剤である請求項1から4のいずれかに記載の携帯消毒・除菌装置。
【請求項6】
紫外線を照射すべき光源は深紫外線を発するLED光源である請求項1から5のいずれかに記載の携帯消毒・除菌装置。
【請求項7】
LED光源は中心波長275nmの深紫外線を発する請求項6記載の携帯消毒・除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は消毒・除菌装置に関し、より詳細には人体に付着した細菌やウイルスを死滅させたり不活性化するための携帯式の消毒・除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延している。このウイルスは感染者の唾、鼻水などの体液からなる飛沫(ウイルスの粒子)の飛散により感染することが知られており、典型的な感染はこれらの飛沫を鼻や口や目などの粘膜から直接吸い込んでしまう飛沫感染である。
【0003】
一方、感染者による飛沫が例えばドアノブやつり革、スイッチなどの物体に付着し、その物体に手指で接触し、その状態で手指が鼻や口や目などの粘膜に触れてしまい感染する接触感染の危険性も指摘されている。
【0004】
前者の飛沫感染には着用者の鼻と口を覆うことにより、着用者の唾、鼻水などの体液からなる飛沫の飛散を防止したり、細菌やウイルスの侵入を防止する衛生マスクの着用が推奨されており、後者の接触感染には薬用石鹸による手指洗い、手指への消毒・除菌剤の塗布が推奨されている。
【0005】
後者の手指への消毒・除菌剤の塗布の手段としては噴霧ポンプや吐出ポンプによる消毒・除菌剤の噴霧や吐出が広く知られている(特許文献1)。
【0006】
一方、紫外線の照射により細菌やウイルスを死滅させたり不活性化する発明も公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3227870号公報
【特許文献2】実用新案登録第3227842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術中、前者のものにおいては、噴霧ポンプや吐出ポンプを台や机の上に載置して使用する分には差し支えないが、ポンプを携帯しようとする場合は嵩ばったり、ノズル箇所が邪魔になる問題があった。
【0009】
また、後者については紫外線の照射対象はもっぱら密閉されたケース内の物品であった。その理由の一つとして、高出力な光源から照射される紫外線を直視すると電気性眼炎を引き起こす危険があった。
【0010】
本願発明は以上の従来技術の問題点に鑑みて創作されたものであり、携帯可能で、しかも効果的な消毒・除菌を実現することを可能とした携帯消毒・除菌装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本願発明の携帯消毒・除菌装置は携帯可能なケースの一方に消毒・除菌剤の供給口を、他方に紫外線の照射口を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、棒状のケースの上方に消毒・除菌剤を充填すべき吐出ポンプを内設するとともに、下方に紫外線を照射すべき光源を内設し、吐出ポンプの吐出口をケース側面に、光源からの照射口をケース底面に配したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、ケースにストラップを取り付け可能としたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、鉛直線を規準とした光源からの照射方向を検出し、ケースの傾きにより照射方向が鉛直下向きから一定角度鉛直上向き方向に傾いた場合に照射を停止することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、消毒・除菌剤はアルコールを主成分としたゲル状の除菌剤であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、紫外線を照射すべき光源は深紫外線を発するLED光源であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、前記の携帯消毒・除菌装置において、LED光源は中心波長275nmの深紫外線を発することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の携帯消毒・除菌装置によれば、携帯可能なケースの一方に消毒・除菌剤の供給口を、他方に紫外線の照射口を設けているので、まず供給口から使用者の手に消毒・除菌剤を供給してそれを指先も含めた手全体に行き渡らせ、さらに照射口から紫外線を手に照射すれば効果的な消毒・除菌により人体に付着した細菌やウイルスを死滅させたり不活性化することができる。
【0019】
前記の場合、一つの装置の一方に消毒・除菌剤の供給口を、他方に紫外線の照射口を設けているので作業を一つの装置で行うことができ、しかも請求項3記載の発明のようにケースにストラップを取り付け可能とした場合は消毒・除菌装置を首からぶら下げて携帯することによりいつでも消毒・除菌を行うことができる。
【0020】
また、請求項5記載の発明のように消毒・除菌剤をアルコールを主成分としたゲル状の除菌剤とした場合はそれを片方の指先で擦りながら手指全体に行き渡らせることになるが、前記のように消毒・除菌装置を首からぶら下げて携帯する場合は両手がフリーとなり作業がしやすくなる。
【0021】
ところで、消毒・除菌効果と紫外線の出力は比例するが、前記のように非礼,高出力な光源から照射される紫外線を直視すると電気性眼炎を引き起こす危険があった。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、鉛直線を規準とした光源からの照射方向を検出し、ケースの傾きにより照射方向が鉛直下向きから一定角度鉛直上向き方向に傾いた場合に照射を停止するので、消毒・除菌装置を誤って上向きにしても照射は停止されるので紫外線が眼を直撃することがなく安心して高出力の紫外線を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本願発明の携帯消毒・除菌装置の斜視図。
図2】同上、背面から観察した斜視図。
図3】同上、正面図。
図4】同上、分解斜視図。
図5】同上、電気回路のブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本願発明の携帯消毒・除菌装置の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1図3は本願発明の消毒・除菌装置である。本願発明の消毒・除菌装置は携帯可能な棒状のケース1の一方に消毒・除菌剤の供給口12を、他方に紫外線の照射口23を設けている。また、上記ケース1にはストラップの取り付け部(図示せず)が設けられる。
【0025】
図4は本願発明の携帯消毒・除菌装置の内部構造を示す図である。この実施例においては、ケース1を上下に2分して、上部を開口した上方のケース片1A内に消毒・除菌剤を充填すべき吐出ポンプ10を内設している。
【0026】
この実施例では消毒・除菌剤としてアルコールを主成分としたゲル状の除菌剤を採用している。上記の除菌剤としてここではエタノール、水、グリセリン、カンテン、乳酸Naからなる除菌用ローションを採用しているが、これは一例であり、消毒・除菌剤はこれに限られないことはもちろんである。
【0027】
ここでは、前記の吐出ポンプ10として、ノズルヘッド11を押し下げることによりノズル12から内容物を吐出するタイプのものを採用している。一方、ポンプ10を上方のケース片1A内に固定するとともに、上方のケース片の開口からケース片内にかけて押圧蓋体2を摺動自在に内設して、押圧蓋体の天井部を前記ノズルヘッド11に当接することにより、ケース1に対し指先で押圧蓋体2を押し込むことにより、押圧蓋体の側面上端の切り欠き3、ケース片1A側面上端の切り欠き4から露出したノズルヘッドのノズル12先端からゲル状の除菌剤が吐出される。
【0028】
図中符号1Bは下方のケース片である。ここには回路基板21、紫外線を照射すべき光源22、電源(図示せず)、センサ(図示せず)、電源に接続されるUSBコンセントなどの充電口24を内蔵した内側ケース20が内設される。
【0029】
ここでは光源22として深紫外線を発するLED光源を使用しており、より詳細には中心波長275nm、出力は8mWのLED光源を使用している。上記光源22は照射方向をケース1下方に向けて設けられ、下方のケース片1Bの底面に配した照射口23からケース下方に向けて照射される。
【0030】
図5は本願発明の携帯消毒・除菌装置の電気回路のブロック図である。消毒・除菌装置の電源Vに接続された光源22は使用者によるスイッチSの操作により点滅するが、ここでは回路中に角度センサなどからなる角度検出装置Kを介在させ、鉛直線を規準とした光源からの照射方向を検出し、ケースの傾きにより照射方向が鉛直下向きから一定角度鉛直上向き方向に傾いた場合に照射を停止するようにしている。
【0031】
以上の構成からなる本願発明の携帯消毒・除菌装置は供給口から使用者の手に消毒・除菌剤を供給してそれを指先も含めた手全体に行き渡らせ、さらに照射口から紫外線を手に照射して使用に供されるが、中心波長275nmのLED光源の場合、滅菌のためには手を照射口から1 ~1. 5cm近づけるのが効果的である。
【符号の説明】
【0032】
1 ケース
1A 上側ケース片
1B 下側ケース片
2 押圧蓋体
3 切り欠き
4 切り欠き
10 ポンプ
11 ノズルヘッド
12 ノズル
20 内側ケース
21 回路基板
22 光源
23 照射口
24 充電口
25 電源
K 角度検出装置
S スイッチ
V 電源
図1
図2
図3
図4
図5