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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078611
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】放射パネル
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20220518BHJP
   F28F 9/013 20060101ALI20220518BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20220518BHJP
   F24D 3/16 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
F24F5/00 101B
F28F9/013 E
F28D1/047 B
F24D3/16 C
F24D3/16 D
F24D3/16 L
F24D3/16 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189413
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000143972
【氏名又は名称】株式会社ササクラ
(71)【出願人】
【識別番号】508100468
【氏名又は名称】榮大金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 宏明
(72)【発明者】
【氏名】川村 孝史
(72)【発明者】
【氏名】白井 宏治
【テーマコード(参考)】
3L070
3L103
【Fターム(参考)】
3L070AA03
3L070AA04
3L070BD03
3L070BD19
3L103AA01
3L103AA11
3L103CC01
3L103DD06
3L103DD08
(57)【要約】
【課題】 製造容易で簡素な構造により、伝熱性を良好に維持して空調を効率良く行うことができる放射パネルを提供する。
【解決手段】 パネル本体10と、パネル本体10に並列配置される複数のヒートシンク20と、熱媒流体が通過するパイプ30とを備え、各ヒートシンク20にパイプ30が装着される放射パネル1であって、複数のヒートシンク20を横断するようにパネル本体10に取り付けられた桟部材40を更に備え、桟部材40は、ヒートシンク20に接触してパネル本体10に押し付けるように、パネル本体10に固定されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクと、熱媒流体が通過するパイプとを備え、前記各ヒートシンクに前記パイプが装着される放射パネルであって、
複数の前記ヒートシンクを横断するように前記パネル本体に取り付けられた桟部材を更に備え、
前記桟部材は、前記ヒートシンクに接触して前記パネル本体に押し付けるように、前記パネル本体に固定されている放射パネル。
【請求項2】
前記ヒートシンクは、帯状の基板と、前記基板の幅方向中央部に長手方向に沿って延びるように設けられた装着部とを備え、
前記桟部材は、前記装着部を挟んで前記基板の幅方向両側に接触する請求項1に記載の放射パネル。
【請求項3】
前記桟部材は、筒状に形成されて、前記パイプとの干渉を回避するための複数の切欠部が筒軸方向に間隔をあけて形成されており、前記切欠部の筒軸方向両側において前記ヒートシンクに接触する請求項1または2に記載の放射パネル。
【請求項4】
前記桟部材は、金属板を複数箇所で直角状に折り曲げて形成されている請求項3に記載の放射パネル。
【請求項5】
前記桟部材は、筒状の両端に取付部を備えており、前記取付部が締結具により前記パネル本体の周壁に固定されている請求項1から4のいずれかに記載の放射パネル。
【請求項6】
前記桟部材は、互いに間隔をあけて複数設けられている請求項1から5のいずれかに記載の放射パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の冷暖房を行うため、天井等に放射パネルを施工することが従来から行われている。例えば、特許文献1には、パネル本体と、ヒートシンクと、伝熱管とを備えており、伝熱管の直管部がヒートシンクに取り付けられた放射パネルが開示されている。
【0003】
この放射パネルは、ヒートシンクが両面テープや粘着材等によりパネル本体に密着しており、伝熱管の直管部を横切るように設けられた桟部材により、ヒートシンクからの伝熱管の浮き上がりが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-44837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の放射パネルは、運搬時等においてパネル本体にねじれが生じると、パネル本体に接合されていたヒートシンクが剥がれて、熱交換能力が低下するおそれがあった。このため、放射パネルを複数積層して運搬する際には、各放射パネルの間に、放射パネルよりも厚みが大きいクッション材を介在させる必要があり、搬送効率の低下や搬送コストの増大を招いていた。
【0006】
そこで、本発明は、製造容易で簡素な構造により、伝熱性を良好に維持して空調を効率良く行うことができる放射パネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクと、熱媒流体が通過するパイプとを備え、前記各ヒートシンクに前記パイプが装着される放射パネルであって、複数の前記ヒートシンクを横断するように前記パネル本体に取り付けられた桟部材を更に備え、前記桟部材は、前記ヒートシンクに接触して前記パネル本体に押し付けるように、前記パネル本体に固定されている放射パネルにより達成される。
【0008】
この放射パネルにおいて、前記ヒートシンクは、帯状の基板と、前記基板の幅方向中央部に長手方向に沿って延びるように設けられた装着部とを備えることが好ましく、前記桟部材は、前記装着部を挟んで前記基板の幅方向両側に接触することが好ましい。
【0009】
前記桟部材は、筒状に形成されて、前記パイプとの干渉を回避するための複数の切欠部が筒軸方向に間隔をあけて形成されていることが好ましく、前記切欠部の筒軸方向両側において前記ヒートシンクに接触することが好ましい。この構成において、前記桟部材は、金属板を複数箇所で直角状に折り曲げて形成することができる。
【0010】
前記桟部材は、筒状の両端に取付部を備えることが好ましく、前記取付部が締結具により前記パネル本体の周壁に固定されることが好ましい。
【0011】
前記桟部材は、互いに間隔をあけて複数設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造容易で簡素な構造により、伝熱性を良好に維持して空調を効率良く行うことができる放射パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る放射パネルの平面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4図1のB-B断面図である。
図5図1のC-C断面図である。
図6図4の要部拡大図である。
図7図1に示す放射パネルの分解図である。
図8図1に示す放射パネルを複数積層した状態の一例を示す図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る放射パネルの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る放射パネルの平面図である。図1に示す放射パネル1は、屋内の天井に取り付けられる冷暖房用の放射パネルであり、パネル本体10と、パネル本体10の上面に並列配置される複数(本実施形態では6つ)のヒートシンク20と、ヒートシンク20に装着されるパイプ30と、ヒートシンク20をパネル本体10に固定する複数(本実施形態では2つ)の桟部材40とを備えている。
【0015】
パネル本体10は、アルミニウム等の熱伝導性が高い金属材料等からなる平面視正方形状に形成された平板状の部材であり、パネル本体10の縁部に沿って周壁11が形成されている。周壁11は、上端部から外方に張り出すように形成されたフランジ部12と、フランジ部12の先端縁から起立してヒートシンク20の並列方向に対向する起立壁13a,13bとを備えており、桟部材40の両端部が起立壁13a,13bに固定される。パネル本体10の下面側は、本実施形態においては平坦状に形成されているが、複数のリブや湾曲部等を設けてもよい。パネル本体10には、必要に応じて多数の小孔を形成してもよい。パネル本体10の天井等への取り付けは、周壁11に取り付けたフック(図示せず)を利用して行うことができるが、これに限定されるものではなく、例えば、井桁状の天井フレームにフランジ部12を係止させたり、桟部材40に取り付けた吊りボルト(図示せず)等を用いて行ってもよい。
【0016】
ヒートシンク20は、熱伝導性が高い金属製の部材であり、帯状の基板21と、基板21の幅方向中央部に長手方向に沿って延びるように設けられた装着部22とを備え、例えば押出成形によって製造される。基板21の長手方向中央部には、幅方向両側から切り欠かれて幅狭部23が形成されており、パネル本体10のねじれ等に対する基板21の追従性の向上が図られている。ヒートシンク20は、複数が等間隔に平行に配置されている。各ヒートシンク20は、両面テープや接着剤等によりパネル本体10に貼着してもよく、あるいは、パネル本体10には貼着せずに単に載置するだけでもよい。
【0017】
パイプ30は、流路が蛇行するように、隣接する直線部31の端部同士が曲線部32を介して接続されており、一方端部側33から他方端部側34に向けて熱媒流体が内部を通過する。各ヒートシンク20の装着部22には、パイプ30の直線部31が装着される。パイプ30の材料は特に限定されないが、アルミニウム等からなる金属管や、この金属管の内外面がポリエチレン等の樹脂でコーティングされた三層管など、軽量且つある程度の剛性を有する材料を好ましく例示することができる。
【0018】
桟部材40は、全体として筒状に形成されており、複数のヒートシンク20を横断するように配置されて、パネル本体10の起立壁13a,13bに両端部が固定されている。2つの桟部材40は、ヒートシンク20の長手方向両端部の直上をそれぞれ覆うように、互いに間隔をあけて配置されている。
【0019】
図2は、図1のA-A断面図であり、図3は、図2の要部拡大図である。図2および図3に示すように、桟部材40は、天板41、側板42および底板43が連接されて断面コ字状に形成されており、天板41の縁部から垂下するように保持板44が設けられている。2つの桟部材40,40は、本実施形態においては保持板44,44同士が互いに対向するように配置されているが、側板42,42同士が互いに対向するように配置してもよく、あるいは、側板42と保持板44とが互いに対向するように配置してもよい。
【0020】
桟部材40の筒軸方向の両端には、天板41から垂下する取付部45が設けられている。周壁11の起立壁13a,13bおよび取付部45には取付孔が形成されており、取付孔同士の位置を合わせてリベットやねじ等の締結具50で締結することにより、桟部材40をパネル本体10に固定することができる。
【0021】
図4および図5は、それぞれ図1のB-B断面図およびC-C断面図であり、図6は、図4の要部拡大図である。図4から図6に示すように、桟部材40の側板42および底板43には、複数の切欠部46が筒軸方向に間隔をあけて形成されている。各切欠部46は、ヒートシンク20の装着部22に装着されたパイプ30との干渉を回避するように形成されている。桟部材40は、切欠部46の筒軸方向両側において、底板43が装着部22を挟んで基板21の幅方向両側に接触することにより、ヒートシンク20をパネル本体10に押し付けて固定する。なお、側板42および底板43には、桟部材40の筒軸方向の両端部にも、周壁11との干渉を回避するための切欠部が形成されている。
【0022】
保持板44の下縁および切欠部46の上縁は、パイプ30の上部に接触することで、装着部22からのパイプ30の浮き上がりを防止することができる。但し、保持板44および切欠部46の縁部がパイプ30に強く接触すると、桟部材40によるヒートシンク20の押圧力が弱まるおそれがあることから、保持板44の下縁および切欠部46の上縁は、パイプ30の上部と略同じ高さであることが好ましい。あるいは、保持板44の下縁および切欠部46の上縁とパイプ30との間に若干の隙間が形成されてもよい。
【0023】
上記の構成を備える放射パネル1は、図7に示すように、パネル本体10の所定位置に並列させた複数のヒートシンク20の長手方向両端部を横断するように、2つの桟部材40,40を配置し、それぞれの桟部材40によりヒートシンク20をパネル本体10に押さえつけながら、桟部材40の両端部を締結具50によりパネル本体10に取り付けることで、桟部材40がヒートシンク20に接触してパネル本体10に押し付ける力を維持した状態で、桟部材40をパネル本体10に固定することができる。
【0024】
本実施形態の放射パネル1によれば、パネル本体10に固定した桟部材40が、パネル本体10の剛性を高めると共に、ヒートシンク20に接触してヒートシンク20をパネル本体10に固定するため、パネル本体10のねじれ等によるヒートシンク20の剥がれを防止して、ヒートシンク20がパネル本体10に接触した状態を確実に維持することができる。したがって、パネル本体10とヒートシンク20との間の伝熱性を良好に維持して、空調を効率良く行うことができる。
【0025】
また、このようにヒートシンク20の剥がれを確実に防止できることから、放射パネル1の運搬時には、従来使用されていたクッション材は不要であり、例えば図8に示すように、2つの放射パネル1,1を、桟部材40の天板41同士が接合ざれるように上下逆向きに積層したものを一対として、これを順次積層することにより、多数の放射パネル1を効率良く運搬することができる。
【0026】
桟部材40の形状は、本実施形態のものに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図9に示すように、桟部材40を、天板41の左右両側から一対の側板42a,42bが垂下するように断面コ字状に形成して、各側板42a,42bに、パイプ30との干渉を回避するための複数の切欠部46a,46bを形成してもよい。この構成においては、各側板42a,42bの下端部がヒートシンク20の基板21に接触して、ヒートシンク20をパネル本体10に押し付けることができる。なお、図9において、図3等と同様の構成部分には同一の符号を付している。
【0027】
桟部材40は、角筒状や円筒状等の筒状に形成することで、剛性を高めてヒートシンク20をパネル本体10に確実に押し付けることができる。本明細書における筒状とは、周方向の全体が連続する構成に限定されず、周方向の一部が欠如した構成であってもよい。例えば、四角筒状の場合には、3面以上を含む構成であればよく、図3に示すように底板43と保持板44との間に隙間を有する構成や、図9に示すように底板を有しない構成も、筒状に含まれる。このような桟部材40は、例えば、金属板を複数箇所で直角状に折り曲げることにより、容易に形成することができる。
【0028】
本実施形態においては、桟部材40を周壁11に固定しているが、パネル本体10に対する桟部材40の固定箇所は特に限定されるものではなく、例えば、パネル本体10にリブ等の突起部を形成して、この突起部にパネル本体10を固定することもできる。
【符号の説明】
【0029】
1 放射パネル
10 パネル本体
20 ヒートシンク
21 基板
22 装着部
30 パイプ
40 桟部材
45 取付部
46 切欠部
50 締結具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9