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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078618
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】サイドマーカーランプ
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/32 20060101AFI20220518BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220518BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20220518BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20220518BHJP
   F21W 103/15 20180101ALN20220518BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220518BHJP
【FI】
B60Q1/32
B60Q1/26 A
F21S43/27
F21S45/00
F21W103:15
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189424
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000229357
【氏名又は名称】日本トレクス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598051082
【氏名又は名称】日本ボデーパーツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深井 悦子
(72)【発明者】
【氏名】吉川 孝次
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA33
3K339BA18
3K339BA26
3K339BA28
3K339BA30
3K339CA23
3K339DA01
3K339FA06
3K339FA07
3K339GA01
3K339GB21
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC03
3K339GC04
3K339HA01
3K339JA26
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】サイドマーカーランプを構成する部材の樹脂化を達成し、サイドマーカーランプの耐久性を向上する。
【解決手段】貨物自動車の荷台10に取り付けられるサイドマーカーランプ20aであって、灯体組立体31が装着される台板23および台板23と一体に成形され荷台10にねじ止めされるブラケット22を備えた樹脂製の基台21aと、台板23に装着され、灯体組立体31を覆う樹脂製のカバー41と、台板23の背面に配置され、一端部が灯体組立体31のアース端子に接続されるとともに他端部が荷台10に接続されるアース部材61aと、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物自動車の荷台に取り付けられるサイドマーカーランプであって、
灯体組立体が装着される台板および前記台板と一体に成形され前記荷台にねじ止めされるブラケットを備えた樹脂製の基台と、
前記台板に装着され、前記灯体組立体を覆う樹脂製のカバーと、
前記台板の背面に配置され、一端部が前記灯体組立体のアース端子に接続されるとともに他端部が前記荷台に接続されるアース部材と、
を有する、サイドマーカーランプ。
【請求項2】
請求項1記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記荷台は車両の前後方向に延びる縦根太、および横方向に延びて縦根太に連結される横根太を備え、
前記ブラケットは前記台板の背面側から前記荷台の中央部に向けて突出し、前記横根太の端部下面にねじ止めされ、前記アース部材は前記横根太に接続される、サイドマーカーランプ。
【請求項3】
請求項1記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記荷台は車両の前後方向に延びる縦根太、横方向に延びて縦根太に連結される横根太、および車両の前後方向に延びて前記横根太の端部に連結されるサイドレールを備え、
前記ブラケットは前記台板の前面側から前記床本体の外方に向けて突出し、前記サイドレールの下面にねじ止めされ、前記アース部材は前記サイドレールに接続される、サイドマーカーランプ。
【請求項4】
請求項1記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記荷台は前記荷台の側辺下方に配置されるサイドバンパーを備え、
前記ブラケットは前記台板の前面側から前記床本体の外方に向けて突出し、前記サイドバンパーにねじ止めされ、前記アース部材は前記サイドバンパーに接続される、サイドマーカーランプ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記基台を前記荷台にねじ止めするボルトが前記アース部材を前記基台に固定する、サイドマーカーランプ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記カバーの開口端部に設けられ、前記台板に突き当てられるフランジ部と、
前記フランジ部に突き当てられるリング部、前記リング部に一体に設けられ前記台板に設けられたスリットを通過する脚部、および前記脚部の先端から前記リング部の円周方向に突出し、前記台板の背面に係合する爪部を備える樹脂製の止めリングと、
前記止めリングに設けられ、前記台板に形成されたガイド溝に挿入される係合部と、
前記係合部に形成されたクリップ孔に係合し、前記止めリングを台板に固定するクリップ部材と、を有する、サイドマーカーランプ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のサイドマーカーランプにおいて、
前記アース部材は、ステンレス製の帯状板材である、サイドマーカーランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の貨物自動車の荷台側部に取り付けられるサイドマーカーランプに関する。
【背景技術】
【0002】
荷台を備えた貨物自動車には、トラック、トラクタに連結されるトレーラである連結車両などがある。貨物自動車の荷台としては、床本体の左右両側と後部とに煽り板が開閉自在に設けられた形態に加えて、左右の側壁、天壁および後壁からなる箱体形状の荷台を備えた形態があり、その形態においては後壁に扉が開閉自在に設けられている。箱体形状の荷台においては、左右の側壁と天壁とが開閉自在となった形態があり、これはウイング車両と言われる。
【0003】
貨物自動車の荷台は、車両の前後方向に延びる縦根太と、横方向に延びて縦根太に連結される横根太と、車両の前後方向に延びるとともに横根太の左右両端部に連結されるサイドレールとからなる床本体を備えており、床本体の上には床板が取り付けられる。さらに、荷台を構成する床本体には、支持部材を介してサイドバンパーが取り付けられる。サイドバンパーは床本体の左右側辺の下方に配置され、床本体の側辺に沿って延びている。これらの荷台を構成する縦根太、横根太、サイドレールおよびサイドバンパーはいずれも金属製である。
【0004】
貨物自動車については、交差点や駐車場などにおいて、他車からの視認性を高めるために、荷台には床本体の左右に位置させてサイドマーカーランプが取り付けられる。車両用のマーカーランプとして用いられるランプには、例えば、特許文献1に記載されるように、LEDを光源としたランプが使用されている。このようなマーカーランプが、サイドマーカーランプとして使用されるときには、サイドマーカーランプは床本体のうち横根太の端部の下面、サイドレールの下面、またはサイドバンパーに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-6189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のサイドマーカーランプは、床本体にねじ部材により取り付けられる基部、つまりブラケットを有しており、発光部材としてのLEDが取り付けられる基台部が基部に取り付けられている。発光部材を備えた導光部材はレンズ部品であるカバーにより覆われており、カバーの開口端は基部に設けられた溝部に挿入方式で取り付けられている。基部および基台部はそれぞれ金属製の材料により形成されており、電灯のアース端子は基部に接続されている。したがって、金属製の部材からなる床本体には基部を介して電灯のアース端子が電気的に接続されるという利点を有している。
【0007】
しかしながら、サイドマーカーランプの構成部品である基部や基台部を金属製とすると、貨物自動車の長年使用によって基部や基台部に錆が発生し、耐久性に欠けるという問題点がある。錆が発生すると、床本体に対する取付強度が低下したり、緩んだりしてサイドマーカーランプを交換する必要がある。また、カバーの開口端部を基部の溝部に押し込んで取り付ける挿入方式では、カバーの外れを防止するには、強く押し込んで取り付けるようにする必要があり、取付作業性が悪いと言う問題点がある。弱い押し込み力で挿入できるようにすると、カバーが外れるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、サイドマーカーランプを構成する部材の樹脂化を達成し、サイドマーカーランプの耐久性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサイドマーカーランプは、貨物自動車の荷台に取り付けられるサイドマーカーランプであって、灯体組立体が装着される台板および前記台板と一体に成形され前記荷台にねじ止めされるブラケットを備えた樹脂製の基台と、前記台板に装着され、前記灯体組立体を覆う樹脂製のカバーと、前記台板の背面に配置され、一端部が前記灯体組立体のアース端子に接続されるとともに他端部が前記荷台に接続されるアース部材と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
台板とブラケットとを備えた基台を樹脂化することにより、サイドマーカーランプの耐久性を向上させることができる。基台に装着される灯体組立体のアース端子に接続されるアース部材は荷台を形成する金属製の部材に接続され、電灯を構成する灯体組立体を確実に貨物自動車の荷台にアース接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】貨物自動車の一例であるウイング車を示す斜視図である。
図2】貨物自動車の荷台の一部を示す平面図であり、荷台は二点鎖線で示され、荷台に装着されるサイドマーカーランプが実線で示されている。
図3図2の矢印A方向から見た荷台の側面図であり、荷台は実線で示されている。
図4図3におけるB-B線方向から見た横根太装着型のサイドマーカーランプを示す拡大側面図である。
図5図4に示されたサイドマーカーランプの分解斜視図である。
図6図4に示されたサイドマーカーランプの平面図である。
図7図4に示されたサイドマーカーランプの背面図である。
図8図4に示されたサイドマーカーランプの背面側を示す斜視図である。
図9】リング部に設けられた係合部と係合孔に係合したクリップ部材とを示す斜視図である。
図10図3におけるC-C線方向から見たサイドレール装着型のサイドマーカーランプを示す拡大側面図である。
図11図10に示されたサイドマーカーランプの基台を示す斜視図である。
図12図10に示されたサイドマーカーランプの平面図である。
図13図10に示されたサイドマーカーランプの背面図である。
図14図10に示されたサイドマーカーランプの背面側を示す斜視図である。
図15図10に示されたサイドマーカーランプをサイドバンパーに装着した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、貨物自動車1の一例であるウイング車は箱体2を有しており、箱体2は前壁3と後壁4とを備え、後壁4は観音開き式の2枚の開閉扉4aにより形成されている。箱体2は左右のウイング5を有しており、ウイング5と煽り板6を閉じると、ウイング5と煽り板6により形成される側壁と床板7により箱体2の内部の荷物室が閉じられる。貨物自動車1の側辺には床板7の下方に位置させて、支持部材8によりサイドバンパー9が取り付けられている。サイドバンパー9は床板7の側辺に沿って延びており、床板7およびサイドバンパー9は荷台10を形成する。
【0013】
図2および図3は、貨物自動車1の荷台10の一部を示す図であり、図1に示したウイング車においても荷台10の構造は同様である。
【0014】
貨物自動車の荷台10は、車両の前後方向つまり縦方向に延びる縦根太11と、横方向に延びて縦根太11に連結される横根太12と、車両の前後方向に延びるとともに横根太12の左右両端部に取り付けられるサイドレール13とを備えた床本体14を有しており、床本体14の上には、図1に示す床板7が取り付けられる。縦根太11は通常2本であり、横根太12は荷台10の前後方向の長さに応じて任意の本数に設定される。縦根太11と横根太12とサイドレール13は、それぞれ鋼材により形成されており、金属製である。
【0015】
図2および図3においては図示省略されているが、図1に示した支持部材8が荷台10の床本体14に取り付けられ、支持部材8には複数本のサイドバンパー9が取り付けられる。支持部材8とサイドバンパー9も金属製である。
【0016】
サイドレール13には、図3に示されるように、煽り板15がヒンジ16により開閉自在に装着される。箱体形状の荷台を備えたウイング車両においても、図1に示すように、床本体の左右には煽り板6が装着される。
【0017】
図2および図3に示される荷台10においては、横根太装着型のサイドマーカーランプ20aが横根太12の端部下面に取り付けられ、サイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bがサイドレール13の下面に取り付けられており、両方のタイプのサイドマーカーランプ20a、20bが混在して装着されている。図2においては、両方のサイドマーカーランプ20a、20bが実線で示されており、床本体14およびこれを構成する部材については二点鎖線で示されている。
【0018】
貨物自動車によっては、上述のように、両方のタイプのサイドマーカーランプ20a、20bが混在して装着される形態と、横根太12のみに横根太装着型のサイドマーカーランプ20aが装着される形態と、サイドレール13のみまたはサイドバンパー9のみにサイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bが装着される形態があり、サイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bはサイドバンパー9にも装着することができる。サイドマーカーランプ20aは複数の横根太12のうち、いずれか特定の横根太12に装着される。
【0019】
横根太装着型のサイドマーカーランプ20aは、図4図9に示されるように、樹脂製の基台21aを有し、基台21aはブラケット22と台板23とを備えている。ブラケット22は台板23の背面側から荷台10の幅方向の中央部に向けて突出しており、台板23と一体に成形される。ブラケット22は床本体14を構成する横根太12の端部下面に取り付けられ、サイドマーカーランプ20aが横根太12に取り付けられると、台板23の正面は荷台10の側面の側から外部に向けられる。サイドマーカーランプ20aの各構成部材についての上下方向は、横根太12に取り付けられた状態を基準として示されている。さらに、サイドマーカーランプ20aが横根太12に取り付けられた状態を基準として、荷台10の側面から外方に向けられる面を台板23の正面とし、反対側を背面とする。
【0020】
基台21aの外周には補強リブ24が設けられており、補強リブ24は台板23の側面側と底面側とから後方に向けて突出し、ブラケット22の側面側と背面側とから下方に向けて突出している。ブラケット22には2つの取付孔25a、25bが設けられており、図4に示されるように、それぞれの取付孔25a、25bに取り付けられるボルト26a、26bと、ボルト26a、26bにねじ結合されて横根太12の内面に締め付けられるナット27a、27bにより、基台21aは横根太12に固定される。2つの取付孔25a、25bは荷台10の幅方向つまり横方向に隣り合っている。
【0021】
台板23の正面には、図5に示される灯体アッセンブリ、つまり灯体組立体31が装着される。灯体組立体31は、それぞれ樹脂製の内側基板32とLED基板33と発光体34とを備えており、LED(発光ダイオード)が搭載されるLED基板33は内側基板32に装着される。発光体34の開口端部に設けられた環状取付部35は、内側基板32に設けられた内外の環状突起36a、36bの間に形成された環状溝37に挿入され、発光体34はLED基板33を覆って内側基板32に装着される。
【0022】
図5に示されるように、台板23には灯体取付孔38が設けられ、灯体組立体31はねじ部材39により台板23に固定される。ねじ部材39は、図7に示されるように、台板23の背面側から灯体取付孔38に装着される。ねじ部材39がねじ結合されるねじ孔は、内側基板32に設けられた環状突起36bに形成されている。
【0023】
灯体組立体31を覆う樹脂製のカバー41が台板23に装着される。カバー41の開口端部には、台板23の径方向外側部に突き当てられるフランジ部42が一体に設けられており、カバー41には止めリング43が装着される。止めリング43はフランジ部42に突き当てられるリング部44と、リング部44の背面に円周方向に所定の間隔を隔てて一体に設けられた3つの脚部45とを有し、脚部45の先端には円周方向に突出する爪部45aが設けられている。それぞれの爪部45aは脚部45の先端から同一方向に突出している。
【0024】
脚部45の円周方向の幅寸法と爪部45aの円周方向の突出寸法との合計の弧状の長さよりもやや長いスリット46が、図5および図7に示されるように、台板23に形成されており、スリット46は台板23の厚み方向に貫通している。台板23の正面側からそれぞれのスリット46に脚部45と爪部45aを挿入すると、脚部45はスリット46を通過し、爪部45aが台板23の背面から突出する。この状態のもとで、止めリング43を、図7において時計方向、つまり図5においては反時計方向に回転させると、爪部45aが台板23の噛み合い面47に押し付けられる。図7においては時計方向に止めリング43を回転させて爪部45aが噛み合い面47に引っ掛けられた状態が示されている。このように、止めリング43を回転操作するだけで、容易にカバー41を基台21aに装着することができる。
【0025】
止めリング43には、図5に示されるように、クリップ孔48が形成された係合部49が後方に向けて突出して設けられており、台板23には係合部49が挿入されるガイド溝51が形成されている。止めリング43の爪部45aをスリット46に挿入すると、係合部49はガイド溝51に挿入される。止めリング43を回転させて爪部45aを噛み合い面47に噛み合わせると、係合部49も回転してクリップ位置となる。
【0026】
ガイド溝51は、図7および8に示されるように、台板23に背面方向に突出して設けられたガイド部52に形成されており、ガイド溝51を外部に連通させる切欠き部53がガイド部52に設けられている。係合部49がクリップ位置となると、係合部49に設けられたクリップ孔48が切欠き部53からガイド部52の外部に露出される。
【0027】
クリップ孔48にはクリップ部材54が装着される。クリップ部材54は、図9に示されるように、クリップ孔48に挿入される挿入部55と、係合部49の内面側に接触するストッパ部56と、係合部49の外面側に接触する爪部57とを有しており、爪部57には作業者により操作される操作部58が設けられている。操作部58とストッパ部56はU字形状の基部59により一体となっている。クリップ部材54は、弾性変形自在の樹脂材料により成形されており、操作部58を指で挿入部55から離すように変形させた状態で挿入部55をクリップ孔48に挿入することにより、容易に係合部49に係合させることができる。クリップ部材54を係合部49に装着すると、クリップ部材54は切欠き部53に入り込んでガイド部52に突き当てられ、止めリング43は台板23に固定される。なお、クリップ部材54を金属製の材料により形成するようにしてもよい。
【0028】
カバー41は、止めリング43の3つの爪部45aを噛み合い面47に接触させた状態のもとで、クリップ部材54を止めリング43の係合部49に、台板23の背面側から装着することにより、容易に止めリング43によりカバー41を基台21aに固定することができる。これにより、カバー41の取付作業性を高めることができる。しかも、クリップ部材54を樹脂やゴムなどにより形成すると、錆の発生がなく、耐久性を向上させることができる。
【0029】
図5および図7に示されるように、基台21aの背面側にはアース部材61aが配置される。アース部材61aは、ステンレス製の帯状板材を折り曲げ加工することにより形成されており、台板23の背面に沿って屈曲して延びる垂直部62aと、この部分に対してほぼ直角方向に屈曲してブラケット22の背面に沿って延びる水平部62bとを有している。アース部材61aの一端部である垂直部62aの端部には、図5に示されるように、ねじ取付孔63が形成されており、このねじ取付孔63に対応して台板23には貫通孔64が設けられている。貫通孔64およびねじ取付孔63を貫通するねじ部材65は、灯体組立体31に設けられたアース端子に接続されている。図7に示されるように、ねじ部材65にねじ結合されるナット66により、アース部材61aの一端部は台板23に固定されるとともに、灯体組立体31のアース端子に接続される。図7においては、ねじ部材65の端面が示されている。
【0030】
アース部材61aの他端部である水平部62bには、ねじ取付孔67が形成され、このねじ取付孔67には、図4に示したボルト26aが貫通する。ボルト26aにはナット27aがねじ結合され、ナット27aによりアース部材61aは横根太12に締結されている。このように、ブラケット22を横根太12に取り付けるためのボルト26aを利用することにより、アース部材61aは金属製の横根太12に電気的に接続され、ボルト26aを基台21aの取付と、アース部材61aの取付とに共用することができる。なお、アース部材61aの水平部62bには、ブラケット22に係合つまり引っ掛けられる係合部68が設けられている。
【0031】
サイドマーカーランプ20aは、樹脂製の基台21aと、樹脂製の内側基板32に装着される樹脂製の発光体34を備えた灯体組立体31と、樹脂製のカバー41とを有しており、外部にさらされる部位には、アース部材61aを除いて、金属製の部分は設けられいない。したがって、基台21aを含めて部品の樹脂化が達成され、基台21aに錆が発生することがなく、サイドマーカーランプ20aの耐久性が大幅に向上される。
【0032】
アース部材61aは荷台10の幅方向中央部に向けて外部に露出されているが、ステンレス製とすることにより、錆の発生を防止することができる。これにより、アース部材61aを含めて、サイドマーカーランプ20aの耐久性を向上させることができる。
【0033】
図7に示されるように、台板23の背面にはリード線71が配置され、このリード線71は台板23に設けられた貫通孔72を通って、灯体組立体31の正極端子に接続されている。リード線71はLEDに電力を供給して灯体組立体31を点灯させるためのオンオフスイッチを介してバッテリに接続される。したがって、オンオフスイッチをオンすると、サイドマーカーランプ20aは点灯し、オフにすると消灯する。
【0034】
図10図14はサイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bを示しており、上述したサイドマーカーランプ20aと共通する部材には同一の符号が付されている。サイドマーカーランプ20bの基台21bは、サイドマーカーランプ20aの基台21aとは相違しており、図10および図11に示されるように、ブラケット22は台板23の前面側から荷台10の外方に向けて突出している。このように、基台21bのブラケット22の突出方向が上述したサイドマーカーランプ20aの基台21aとは相違しているが、基台21bも樹脂製であり、基台21bに錆が発生することがなく、サイドマーカーランプ20bの耐久性を大幅に向上させることができる。
【0035】
台板23に装着される灯体組立体31、カバー41および止めリング43の構造は、サイドマーカーランプ20aと同様であり、重複した説明を省略する。
【0036】
基台21bのブラケット22には、図12に示されるように、荷台10の縦方向に距離を隔てて2つの取付孔25a、25bが設けられている。それぞれの取付孔25a、25bにはボルト26a、26bが装着され、図10および図13に示されるように、ボルト26a、26bにはナット27a、27bがねじ結合され、基台21bのブラケット22はサイドレール13に固定される。
【0037】
カバー41は、図5に示したサイドマーカーランプ20aと同様に、止めリング43により基台21bに取り付けられる。止めリング43は、クリップ孔48が形成された係合部49を有しており、止めリング43の爪部45aをスリット46に挿入し、係合部49をガイド溝51に挿入した後に、止めリング43を回転させると、止めリング43は基台21bに取り付けられるとともに、係合部49はクリップ位置となる。係合部49がクリップ位置となると、クリップ孔48は切欠き部53からガイド部52の外部に露出される。
【0038】
この状態のもとで、クリップ孔48にクリップ部材54を装着すると、図13および図14に示されるように、クリップ部材54がガイド部52に接触し、カバー41は基台21bに固定される。このように、サイドマーカーランプ20bも、クリップ部材54によりカバー41が基台21bに容易に固定することができる。
【0039】
アース部材61bは、上述したアース部材61aと同様に、ステンレス製の帯状板材を折り曲げ加工することにより形成されている。図11に示されるように、アース部材61bは、台板23の背面に沿って屈曲して延びる垂直部62aと、この部分に対してほぼ直角方向に屈曲してブラケット22の背面に沿って延びる水平部62bとを有している。水平部62bは台板23に設けられた貫通孔を貫通し、台板23の背面側から正面側に突出している。アース部材61bの一端部である垂直部62aの端部には、図11に示されるように、ねじ取付孔63が形成されており、このねじ取付孔63に対応して台板23には貫通孔64が設けられている。貫通孔64およびねじ取付孔63を貫通するねじ部材65は、灯体組立体31に設けられたアース端子に接続されており、ねじ部材65にねじ結合されるナット66により、アース部材61bの一端部は台板23に固定されるとともに、灯体組立体31のアース端子に接続される。
【0040】
アース部材61bの他端部である水平部62bにはねじ取付孔67が形成され、このねじ取付孔67には、図10および図13に示したボルト26aが貫通する。ボルト26aにはナット27aがねじ結合され、ナット27aによりアース部材61bはサイドレール13に締結されている。このように、ブラケット22をサイドレール13に取り付けるためのボルト26aを利用することにより、アース部材61bは金属製のサイドレール13に電気的に接続される。なお、アース部材61bの水平部62bには、ブラケット22に係合つまり引っ掛けられる係合部68が設けられている。
【0041】
アース部材61bもアース部材61aと同様に、ステンレス製であり、錆の発生による劣化を防止して、サイドマーカーランプ20bの耐久性を向上させることができる。
【0042】
図13に示されるように、台板23の背面にはリード線71が配置され、このリード線71は台板23に設けられた貫通孔72を通って、灯体組立体31の正極端子に接続される。リード線71はLEDに電力を供給して灯体組立体31を点灯させるためのオンオフスイッチを介してバッテリに接続されている。したがって、オンオフスイッチをオンすると、サイドマーカーランプ20bは点灯し、オフにすると消灯する。
【0043】
図15はサイドバンパー装着型のサイドマーカーランプ20cを示す側面図であり、そのサイドマーカーランプ20cは上述したサイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bと同一の構造である。
【0044】
サイドマーカーランプ20cの基台21bは、サイドマーカーランプ20bと同一構造であり、棒材により構成されるサイドバンパー9に取り付けられる取付金具73に、ボルトとナットにより装着される。図13に示した場合と同様に、2本のボルト26a、26bにより基台21bは取付金具73に締結される。図15にはそのうちの1本のボルト26aとこれにねじ結合されるナット27aが示されている。
【0045】
このように、サイドレール装着型のサイドマーカーランプ20bはサイドバンパー9にも装着することができる。
【0046】
2種類のサイドマーカーランプ20a、20bは、基台21a、21bとアース部材61a、61bの形状が相違しているが、灯体組立体31とカバー41の形状を共通とすることができ、部品の共用化より製造コストの低減のみならず、部品管理の容易化により組立作業の容易化を達成することができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、アース部材61a、61bの材質としては、ステンレスに限られることなく、銅、青銅、アルミニウム等を用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0048】
10 荷台
11 縦根太
12 横根太
13 サイドレール
14 床本体
20a、20b、20c サイドマーカーランプ
21a、21b 基台
22 ブラケット
23 台板
31 灯体組立体
32 内側基板
33 LED基板
34 発光体
35 環状取付部
38 灯体取付孔
41 カバー
42 フランジ部
44 リング部
45 脚部
45a 爪部
46 スリット
47 噛み合い面
48 クリップ孔
49 係合部
52 ガイド部
53 切欠き部
54 クリップ部材
61a、61b アース部材
65 ねじ部材、
66 ナット、
71 リード線
72 貫通孔
73 取付金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15