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特開2022-78627樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078627
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/10 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
B65D30/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189441
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】520446908
【氏名又は名称】株式会社近畿ポリエチレン
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】石田 恭介
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA13
3E064AE03
3E064AE06
3E064BA22
3E064HL07
3E064HM01
(57)【要約】
【課題】通常のレジ袋と同様の収納容量を確保できる樹脂フィルム製手提げ袋を巻回したコンパクトなロール状集合体を提供する。
【解決手段】両側にガセット11を形成した樹脂フィルムF1を、折目線17に沿って折り重ねる前の第1帯状体B11の段階で、連続した手提げ袋P1の底部12となる部分を、把手13の上部となる部分と同時に溶着してシール部14を形成し、シール部14に切断線16を刻み、その後、折り重ねて第2帯状体B12を形成し、第2帯状体B12を巻回したものとする。このように製造したロール状集合体R1では、手提げ袋P1の底部12のシール部14で両側のガセット11が溶着されることがなく、コンパクトな巻回状態でありながら、引き出して切り離した手提げ袋P1を使用する際、通常のレジ袋と同様に、手提げ袋P1の底部12で両側のガセット11を開くことができ、収納容量が減ることがない。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の筒状に成形した熱可塑性の樹脂フィルム(F1)を、両側にガセット(11)を形成するように折り込んで偏平な第1帯状体(B11)とし、連続する手提げ袋(P1)の底部(12)及びこれに接した把手(13)の上部となる部分で樹脂フィルム(F1)を溶着して、前記第1帯状体(B11)にシール部(14)を形成し、
前記第1帯状体(B11)を打ち抜いて、それぞれの手提げ袋(P1)の両側の把手(13)と開口部(15)となる部分を形成し、連続する手提げ袋(P1)を切り離すための切断線(16)を前記シール部(14)に刻み、
前記第1帯状体(B11)を、長さ方向に延びる折目線(17)に沿って折り重ねることにより第2帯状体(B12)を形成し、
前記第2帯状体(B12)を、手提げ袋(P1)となる部分が前記切断線(16)を介し繋がったままの状態で巻回した樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体(R1)。
【請求項2】
前記折目線(17)は、前記第1帯状体(B11)の両側縁からそれぞれ幅方向の寸法の4分の1の間隔だけ中央寄りへ離れて2本延びており、
前記第1帯状体(B11)の両側の側折部(18)の端縁同士を突き合わせて第2帯状体(B12)を形成し、これを巻回したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体(R1)。
【請求項3】
前記第2帯状体(B12)を、手提げ袋(P1)の把手(13)となる部分を始端にして巻回し、手提げ袋(P1)の底部(12)となる部分から引き出すようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体(R1)。
【請求項4】
前記第2帯状体(B12)を、始端から終端まで全幅にわたり内層と外層を密着させて巻回し、巻回の中心部に穴が生じないようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体(R1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、持ち運びに適した樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックごみによる海洋汚染などの環境問題に配慮して、小売店で購入した商品を持ち帰るために代金支払時に配布されるレジ袋が有料化されている。そして、これを契機として、レジ袋を購入することなく商品を持ち帰れるように、樹脂フィルム製の手提げ袋を衣服のポケットや鞄に入れて携帯し、或いは自家用車の小物入れなどに入れておき、必要なときに取り出して使用する習慣が一般化している。
【0003】
このような用途に対応した樹脂フィルム製手提げ袋として、図8に示すようなものが知られている。この手提げ袋P2は、図11に示すように、ロール状集合体R2から順次引き出されて切り離されるものである。ロール状集合体R2は、手提げ袋を100枚や50枚単位で積み重ねた集合体として販売されている従来のものより持ち運びやすい。
【0004】
ロール状集合体R2の製造に際しては、まず、図9に示すように、長尺の筒状に成形した熱可塑性の樹脂フィルムF2の両側を、ガセット21を形成するように折り込んで偏平な第1帯状体B21を形成する。
【0005】
次に、第1帯状体B21を幅方向の中心線CLで二つ折りにして、図10に示すように、樹脂フィルムF2を連続する手提げ袋P2の境界となる部分で溶着し、第1帯状体B21を打ち抜いて、第2帯状体B22を形成する。
【0006】
これにより、手提げ袋P2の開口部22と両側の把手23となる部分が形成され、把手23の上部にシール部23aが、底部24となる部分にシール部24aがそれぞれ形成される。シール部24aでは、両側のガセット21が溶着されて、底部24が底抜けしないように強化される。また、連続する手提げ袋P2を切り離すためのミシン目状の切断線25がシール部23aとシール部24aの間に刻まれる。
【0007】
そして、第2帯状体B22を、手提げ袋P2となる部分が切断線25を介し繋がったままの状態で巻回し、図11に示すようなロール状集合体R2を形成する。
【0008】
このように製造したロール状集合体R2を持ち歩くと、小売店での商品購入時、ロール状集合体R2から1枚ずつ引き出した手提げ袋P2を切断線25に沿って切り離し、手提げ袋P2に商品を収納して持ち帰ることができる。
【0009】
また、下記特許文献1においては、小売店のレジ用のものとして、図12に示すような樹脂フィルムF3からなる手提げ袋P3のロール状集合体R3が提案されている。このロール状集合体R3は、手提げ袋P3の両側の把手31の上部となる部分と底部32となる部分にそれぞれシール部31a,32aが形成され、両側の把手31の間に結び片33を有する個々の手提げ袋P3を巻回したものである。
【0010】
その巻回に際しては、個々の手提げ袋P3の把手31を含む両側の側折部34を、それぞれ幅方向の中央側へ向かって折り畳み、一群の折り畳んだ手提げ袋P3を、底部32側を始端にして、支軸を差し込む軸穴35の周りに巻回する。このとき、内層に位置する手提げ袋P3の把手31及び結び片33のそれぞれの外面を、外層に位置する手提げ袋P3の底部32で覆うようにする。
【0011】
このロール状集合体R3では、外層の手提げ袋P3を引き出すごとに、内層に位置していた手提げ袋P3の両側の把手31及び結び片33が外周面に露出する。そして、両側の側折部34の間に間隔が開けられているため、この部分に巻回状態で空気層が形成され、外層の手提げ袋P3を引き出す際、結び片33を容易に摘まむことができるとされている。また、軸穴35に支軸を差し込んで、ロール状集合体R3を回転自在に支持すると、ロール状集合体R3の回転に伴い、手提げ袋P3を容易に1枚ずつ取り出せるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】登録実用新案第3166954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図11に示すロール状集合体R2から引き出して切り離した手提げ袋P2は、図8に示すように、底部24のシール部24aで両側のガセット21が溶着されているため、底部24が開かなくなり、収納容量が小さくなってしまうという問題がある。
【0014】
また、図12に示すロール状集合体R3は、小売店のレジ用のものであることから、予め分離された手提げ袋P3を容易に取り出せるものの、嵩張るものとなっており、買い物客である消費者が常時携帯する用途に適したものではない。
【0015】
そこで、この発明は、通常のレジ袋と同様の収納容量を確保できる樹脂フィルム製手提げ袋を巻回したコンパクトなロール状集合体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、この発明は、長尺の筒状に成形した熱可塑性の樹脂フィルムを、両側にガセットを形成するように折り込んで偏平な第1帯状体とし、連続する手提げ袋の底部及びこれに接した把手の上部となる部分で樹脂フィルムを溶着して、前記第1帯状体にシール部を形成し、
前記第1帯状体を打ち抜いて、それぞれの手提げ袋の両側の把手と開口部となる部分を形成し、連続する手提げ袋を切り離すための切断線を前記シール部に刻み、
前記第1帯状体を、長さ方向に延びる折目線に沿って折り重ねることにより第2帯状体を形成し、
前記第2帯状体を、手提げ袋となる部分が前記切断線を介し繋がったままの状態で巻回した樹脂フィルム製手提げ袋のロール状集合体を提供することとしたのである。
【0017】
また、前記折目線は、前記第1帯状体の両側縁からそれぞれ幅方向の寸法の4分の1の間隔だけ中央寄りへ離れて2本延びており、
前記第1帯状体の両側の側折部の端縁同士を突き合わせて第2帯状体を形成し、これを巻回するものとしたのである。
【0018】
また、前記第2帯状体を、手提げ袋の把手となる部分を始端にして巻回し、手提げ袋の底部となる部分から引き出すようにしたのである。
【0019】
また、前記第2帯状体を、始端から終端まで全幅にわたり内層と外層を密着させて巻回し、巻回の中心部に穴が生じないようにしたのである。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係るロール状集合体では、折目線に沿って折り重ねる前の第1帯状体の段階で、連続した手提げ袋の底部となる部分を、把手の上部となる部分と同時に溶着してシール部を形成し、その後、折り重ねた第2帯状体を巻回するので、手提げ袋の底部のシール部で両側のガセットが溶着されることがない。
【0021】
このため、コンパクトな巻回状態でありながら、引き出して切り離した手提げ袋を使用する際、通常のレジ袋と同様に、手提げ袋の底部で両側のガセットを開くことができ、収納容量が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明に係るロール状集合体から引き出して切り離した手提げ袋の斜視図
図2】同上のロール状集合体の製造工程における第1帯状体の一部を示す斜視図
図3】同上の第2帯状体の一部を外層側から示す斜視図
図4】同上の第2帯状体の一部を内層側から示す斜視図
図5】同上の図2のV-V線に沿った断面図
図6】同上の図3のVI-VI線に沿った断面図
図7】同上のロール状集合体から手提げ袋を引き出す過程を示す斜視図(引き出した手提げ袋は中間の横断面までの一部表示)
図8】従来の携帯用ロール状集合体から引き出して切り離した手提げ袋の斜視図
図9】同上のロール状集合体の製造工程における第1帯状体を示す斜視図
図10】同上の第2帯状体を示す斜視図
図11】同上のロール状集合体から手提げ袋を引き出す過程を示す斜視図(引き出した手提げ袋は中間の横断面までの一部表示)
図12】特許文献1に記載の小売店のレジ用ロール状集合体から手提げ袋を引き出す過程を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1に示す樹脂フィルム製の手提げ袋P1は、図7に示すようなロール状集合体R1から順次引き出して切り離し、レジ袋と同様、小売店で購入した商品を入れて持ち帰る際などに使用するものである。
【0025】
ロール状集合体R1の製造に際しては、まず、図2及び図5に示すように、長尺の筒状に成形した熱可塑性の樹脂フィルムF1を、両側に幅広いガセット11を形成するように深く折り込んで、偏平な第1帯状体B11を形成する。
【0026】
そして、連続する手提げ袋P1の底部12及びこれに接した把手13の上部となる部分で樹脂フィルムF1を溶着して、第1帯状体B11にシール部14を形成する。シール部14は、連続する手提げ袋P1の底部12と把手13の上部となる部分に跨っている。
【0027】
次に、第1帯状体B11を打ち抜いて、それぞれの手提げ袋P1の両側の把手13と開口部15となる部分を形成し、連続する手提げ袋P1を切り離すためのミシン目状の切断線16をシール部14に刻み入れる。
【0028】
ここで、第1帯状体B11においては、両側縁からそれぞれ幅方向の寸法の4分の1の間隔だけ中央寄りへ離れて長さ方向に延びる2本の仮想的な折目線17と、第1帯状体B11の両側縁とに挟まれた部分が側折部18とされ、2本の折目線17に挟まれた部分が幅面中間部19とされている。把手13は側折部18となる部分に含まれている。
【0029】
この寸法関係では、第1帯状体B11の幅方向の中心線CLで幅面中間部19を二等分した幅m1の大きさと、それぞれの側折部18の幅S1の大きさとは等しくなっている。
【0030】
次に、第1帯状体B11の両側の側折部18を、図3図4及び図6に示すように、それぞれ2本の折目線17に挟まれた幅面中間部19に折り重ね、両側の側折部18の端縁同士を突き合わせて、第2帯状体B12を形成する。
【0031】
その後、図7に示すように、第2帯状体B12を、両側の側折部18が外層となり、幅面中間部19が内層になるように向け、手提げ袋P1の把手13となる部分を始端にして巻回し、ロール状集合体R1を形成する。
【0032】
この巻回に際しては、始端から終端まで全幅にわたり内層と外層を密着させて巻回し、巻回の中心部に穴が生じないようにする。これにより、ロール状集合体R1の巻径を抑制しつつ、長く連続した第2帯状体B12を巻回することができ、多数の手提げ袋P1をロール状集合体R1から切り出すことができる。
【0033】
このように製造したロール状集合体R1は、幅の狭いコンパクトな巻回状態となっているため、衣服のポケットや鞄に入れて携帯し、或いは自家用車の小物入れなどに入れておいても、嵩張ることがない。
【0034】
そして、小売店での商品購入時に、手提げ袋P1を1枚分ずつ底部12となる部分から引き出すようにし、切断線16に沿って切り離す。
【0035】
このとき、手提げ袋P1は、ロール状集合体R1からの引き出しの先端側となる部分が左右に分かれていないので、底部12の1箇所を摘まむだけで、ロール状集合体R1から容易に引き出すことができる。
【0036】
また、ロール状集合体R1から手提げ袋P1を切り離す際には、切り取る側の手提げ袋P1の把手13を、切り取られる側の手提げ袋P1の底部12を支えにして捻ることにより、切断線16に沿って容易に切断することができる。
【0037】
上記ロール状集合体R1から切り離された手提げ袋P1は、底部12のシール部14で両側のガセット11が溶着されていないので、通常のレジ袋と同様に、手提げ袋P1の底部12で両側のガセット11を開くことができ、収納容量が確保される。また、商品を収納した状態で平らな場所に置いたとき、比較的安定して倒れにくいものとなる。
【符号の説明】
【0038】
11 ガセット
12 底部
13 把手
14 シール部
15 開口部
16 切断線
17 折目線
18 側折部
19 幅面中間部
11 第1帯状体
12 第2帯状体
1 樹脂フィルム
1 手提げ袋
1 ロール状集合体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12