(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078628
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】ペット用玩具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20220518BHJP
A01K 13/00 20060101ALI20220518BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20220518BHJP
【FI】
A01K15/02 B
A01K13/00 P
A23K50/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189444
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】516371922
【氏名又は名称】株式会社ペティオ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】永井 俊和
(72)【発明者】
【氏名】川西 章仁
【テーマコード(参考)】
2B005
【Fターム(参考)】
2B005AA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長期的にデンタル効果を有するようにしたペット用玩具を提供する。
【解決手段】ペット用玩具は、1枚又は複数枚のメッシュ状シート11と、表皮シート12と、を備え、メッシュ状シート11と表皮シート12とが直接又は間接に重ね合わされている。メッシュ状シート11は、ヘチマから加工されている。表皮シート12は、動物臭を出す獣皮又は魚皮で形成されている。表皮シート12は、重ね合わされた複数枚のメッシュ状シート11の片面の一部分に重ね合わされている。ペット用玩具は、メッシュ状シート11と表皮シート12との間に介在し、厚肉にする嵩増し部材14を備えている。メッシュ状シート11と表皮シート12との間に介在し、動物臭を出す内在シート13を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚又は複数枚のメッシュ状シートと、
表皮シートと、
を備え、
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとが直接又は間接に重ね合わされている、
ペット用玩具。
【請求項2】
前記表皮シートは、重ね合わされた複数枚の前記メッシュ状シートの片面の一部分に重ね合わされている、
請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとの間に介在し、厚肉にする嵩増し部材を備えている、
請求項1又は2に記載のペット用玩具。
【請求項4】
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとの間に介在する内在シートを備えている、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のペット用玩具。
【請求項5】
前記メッシュ状シートは、ヘチマから加工されている、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のペット用玩具。
【請求項6】
前記表皮シートは、獣皮又は魚皮で形成されている、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のペット用玩具。
【請求項7】
前記表皮シートは、少なくとも片面を床面とした皮革から形成され、前記床面が露出している、
請求項6に記載のペット用玩具。
【請求項8】
動物臭、果物の匂い、キャットニップの匂い若しくはマタタビの匂い又は音を出す素材を備えている、
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のペット用玩具。
【請求項9】
前記動物臭を出す素材は、獣皮又は魚皮によって形成された前記表皮シートである、
請求項8に記載のペット用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンタル効果を有するペット用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットが銜(くわ)えて遊ぶだけでなく、デンタル効果を有するようにしたペット用玩具が種々提供されている。例えば、特許文献1には、ボーン型(棒状骨型)又はダンベル型のペット用はみがきトーイが記載されている。
【0003】
このペット用はみがきトーイは、芯材と、トーイ本体と、外被体と、を備えている。芯材は、捩り合わされる2本の針金であり、トーイ本体に内蔵される。トーイ本体には、真っ直ぐな細線状を呈する麻などの天然繊維を一定長に切断したものが採用される。2本の針金が並列された多数本の天然繊維を挟み、捩り合わされることで、芯材に対して放射状に固定された円柱状のトーイ本体が形成される。トーイ本体には、キャラメルやチョコレートの甘い香りの香料が吹き付けられ、乾燥させられる。外被体は、シート状の乾燥ヘチマであり、トーイ本体を包む。ペットがはみがきトーイに食いつくと、ペットの歯が外被体の繊維間の空間からトーイ本体内(特許文献1では「トーイ本体間」)に食い込み、歯垢や歯石が脱落する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたペット用はみがきトーイは、トーイ本体の天然繊維が芯材に対して放射状に挟持固定されている。天然繊維は、細線状の麻などである。したがって、このペット用はみがきトーイは、細線状の麻の先端部がペットの口腔内の歯茎や舌などに突き刺さるというような危険性を有している。また、このトーイ本体を形成している麻などの天然繊維は、捩り合わされる2本の針金に挟まれているだけであるため、ほつれやすい。したがって、このペット用はみがきトーイは、長期的に使用ができないことがある。
【0006】
本発明は、長期的にデンタル効果を有するようにしたペット用玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るペット用玩具は、
1枚又は複数枚のメッシュ状シートと、
表皮シートと、
を備え、
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとが直接又は間接に重ね合わされている。
【0008】
前記本発明に係るペット用玩具において、
前記表皮シートは、重ね合わされた複数枚の前記メッシュ状シートの片面の一部分に重ね合わされている。
【0009】
前記本発明に係るペット用玩具は、
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとの間に介在し、厚肉にする嵩増し部材を備えていてもよい。
【0010】
前記本発明に係るペット用玩具は、
前記メッシュ状シートと前記表皮シートとの間に介在する内在シートを備えていてもよい。
【0011】
.
前記本発明に係るペット用玩具において、
前記メッシュ状シートは、ヘチマから加工されている。
【0012】
前記本発明に係るペット用玩具において、
前記表皮シートは、獣皮又は魚皮で形成されている。
【0013】
前記本発明に係るペット用玩具において、
前記表皮シートは、少なくとも片面を床面とした皮革から形成され、前記床面が露出していてもよい。
【0014】
前記本発明に係るペット用玩具は、
動物臭、果物の匂い、キャットニップの匂い若しくはマタタビの匂い又は音を出す素材を備えている。
【0015】
前記本発明に係るペット用玩具において、
前記動物臭を出す素材は、獣皮又は魚皮によって形成された前記表皮シートである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、長期的にデンタル効果を有するようにしたペット用玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態を示す一部断面斜視図である。
【
図2】本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態を示す正面図である。
【
図3】本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態の使用状態を示す概略図である。
【
図4】本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態を示す一部断面斜視図である。
【
図5】本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態を示す正面図である。
【
図6】本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態の使用状態を示す概略図である。
【
図7】本発明に係るペット用玩具の第3の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1の実施形態〕
本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態について
図1乃至
図3を参照して説明する。
図1は、本本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態を示す一部断面斜視図である。
図2は、本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態を示す正面図である。
図3は、本発明に係るペット用玩具の第1の実施形態の使用状態を示す概略図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、ペット用玩具は、複数枚のメッシュ状シート(第1の実施形態では、2枚のメッシュ状シート)11と、表皮シート12と、を備えている。第1の実施形態のペット用玩具は、さらに、内在シート13と、嵩増し部材14と、を備えていて、好ましくは犬用として使用される。
【0020】
メッシュ状シート11は、ペットの歯が突き刺さり、ペットの歯がブラッシングされるように、例えばヘチマから加工される。ヘチマは、乾燥圧縮状態に加工することで、容易に薄い板状に成形することができる。以下、メッシュ状シート11は、主として「ヘチマシート11」ととして説明する。第1の実施形態のペット用玩具では、2枚のヘチマシート(以下、「第1のヘチマシート111」と「第2のヘチマシート112」)は、空洞部を有するように重なり、その周囲が縫い付けられている。
【0021】
表皮シート12は、ペットに噛まれても千切れない耐裂性を有するとともに、ペットが噛みつきたくなる動物臭を出す獣皮によって形成されている。以下、表皮シート12は、主として「レザーシート12」として説明する。レザーシートは、動物臭を出す素材となる。レザーシート12としては、例えば牛革や豚革のような獣皮の一方の片面を床面とし、他方の片面を銀面とした皮革が使用される。床面は、なめしの過程で動物の肉や脂肪を除去した真皮層の裏面で、毛羽立てられてザラザラしている。銀面は、なめしの過程で動物の表皮を除去した真皮層の表面で、滑面のようにツルツルしている。
【0022】
このようなレザーシート12は、第1のヘチマシート111に重ね合わされ、周囲が縫い付けられる。ただし、レザーシート12は、第1のヘチマシート111の表面の一部分(図面では半分程度)に重ね合わされている。レザーシート12の銀面が第1のヘチマシート111に重ね合わされ、レザーシート12の床面が表面に露出する。
【0023】
第1のヘチマシート111の裏面には、内在シート13が密着している。内在シート13は、羊毛を薄板状に圧縮成形したウールフェルトである。以下、内在シート13は、主として「ウールフェルト13」として説明する。ウールフェルト13は、天然素材である羊毛から成形されるため、羊の獣臭が出されることで、ペットを惹きつける。したがって、ウールフェルト13は、動物臭を出す素材となる。
【0024】
ウールフェルト13と第2のヘチマシート112との間に設けられた空洞部に嵩増し部材14が入れられる。嵩増し部材14としては、綿(わた)が使用される。以下、嵩増し部材14は、主として「中綿14」として説明する。中綿14は、天然素材である綿が使用されるため、噛まれたときに圧縮し、噛まれなくなったときに膨張することから、適度な噛み応えを発揮する。
【0025】
第1の実施形態のペット用玩具においては、レザーシート12が第1のヘチマシート111に重ね合わされ、第1のヘチマシート111と第2のヘチマシート112との間にウールフェルト13と中綿14とを挟んだ主要部を以下、「本体部1」という。
【0026】
ペット用玩具は、本体部1の一端部にループ状の取っ手2を備えている。取っ手2の両基端部は、レザーシート12がない側の第1のヘチマシート111と第2のヘチマシート112との外周部内に埋め込まれる。
【0027】
ここで、第1の実施形態のペット用玩具の使用方法について説明する。飼主がペット用玩具の取っ手2を持ってレザーシート12をペットの鼻先に持って行く。あるいは、ペット用玩具をペットの居住スペースに置いておく。いずれにしても、ペットは、ペット用玩具のレザーシート12から出る獣臭やウールフェルト13から出る獣臭に惹きつけられ、ペット用玩具の本体部1に噛みつく。飼主が取っ手を持つ場合は、レザーシート12が下側になるため、ペットはレザーシート12を噛みつきやすい。
【0028】
レザーシート12に噛みついたペットの歯の尖端部は、レザーシート12と第1のヘチマシート111及び第2のヘチマシート112、ウールフェルト13を貫通し、中綿14に突き刺さる。このとき、ペットの歯の表面が第1のヘチマシート111と第2のヘチマシート112に擦られ、ブラッシングされる。したがって、ペットの歯の表面に付着していた歯垢や歯石などが第1のヘチマシート111と第2のヘチマシート112によって除去される。ヘチマは、歯をブラッシングするときに、唾液が含まれると膨張するため、この膨張によってもブラッシング効果を高めることができる。
【0029】
このペットの歯のブラッシングにおいて、ペットは、ウールフェルト13や中綿14の弾力性によって噛み応えを感じる。また、ペットが噛んだ後のレザーシート12は、ザラザラした床面が表面であるため、噛んだ後が目立たない。ヘチマシート11は、メッシュ状であるため、噛んだ痕はそもそも残らない。また、ペット用玩具は、すべて天然素材によって作られているため、ペットにとって無害である。また、飼主が取っ手2を持ち続け、ペットが本体部1を銜え続けると、お互いに引っ張り合うという遊びに興ずることができる。
【0030】
〔第2の実施形態〕
本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態について
図4乃至
図6を参照して説明する。
図4は、本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態を示す一部断面斜視図である。
図5は、本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態を示す正面図である。
図6は、本発明に係るペット用玩具の第2の実施形態の使用状態を示す概略図である。
【0031】
図4及び
図5に示すように、第2の実施形態のペット用玩具は、1枚のヘチマシート11と、1枚のレザーシート12と、中綿14と、を備えている。第2の実施形態のペット用玩具は、ウールフェルト13を備えておらず、好ましくは猫用として使用される。ヘチマシート11や床面を表面にし、かつ、動物臭を出すレザーシート12、中綿14の構成は、第1の実施形態と同じであるため、同一の符号を付して重複した説明をしない。
【0032】
第2の実施形態のペット用玩具は、ヘチマシート11が1枚であるため、ヘチマシート11とレザーシート12との間に空洞部が設けられる。この空洞部内に中綿14が入れられる。第2の実施形態のペット用玩具は、ウールフェルト13を内蔵していないため、中綿14のクッション性が直接、ヘチマシート11とレザーシート12に伝わり、噛み応えが第1の実施形態のペット用玩具よりも弱くされている。第2の実施形態のペット用玩具において、1枚のヘチマシート11とレザーシート12とが中綿14を挟んだ主要部を以下、「本体部1」という。
【0033】
第2の実施形態のペット用玩具は、本体部1から1本のリード3を導出している。リード3の基端部は、本体部1のヘチマシート11とレザーシート12の外周内に埋め込まれている。リード3の先端部には、大きさを変えられるループ3aが設けられている。このリード3の先端側には、2本の並んだ貫通穴を有するスライダ31を備えている。リード3の先端側がターンするように2本の貫通穴に通される。スライダ31が移動することで、ループ3aの大きさが変更される。
【0034】
ここで、第2の実施形態のペット用玩具の使用方法について説明する。第2の実施形態のペット用玩具は、飼主がリード3の先端部を持ち、本体部1を吊り下げる。あるいは、ペット用玩具をペットの居住スペースに置いておく。あるいは、リード3のループ3aをテーブルの脚に引っ掛け、本体部1をフロアに置く。いずれにしても、ペットは、ペット用玩具のレザーシート12から出る獣臭に惹きつけられ、ペット用玩具の本体部1を噛みつく。
【0035】
ペットの歯の尖端部がレザーシート12とヘチマシート11を貫通し、中綿14に突き刺さる。このとき、ペットの歯の表面がヘチマシート11に擦られ、ブラッシングされる。したがって、ペットの歯の表面に付着していた歯垢や歯石などがヘチマシート11によって除去される。ペットが本体部1を噛みつかなくなると、中綿14が元の状態に膨張する。
【0036】
このペットの歯のブラッシングにおいて、ペットは、中綿14の弾力性によって噛み応えを感じる。また、飼主がリード3の先端部を持って本体部1を揺らすことで、ペットが本体部1を追うような遊びに興ずる。また、ペット用玩具は、ループ3a状の先端部がテーブルなどの脚に引っ掛けることで、ペットが何処かへ持って行くことがなく、紛失しないようにすることができる。
【0037】
〔第3の実施形態〕
本発明に係るペット用玩具の第3の実施形態について
図7を参照して説明する。
図7は、本発明に係るペット用玩具の第3の実施形態を示す概略図である。
【0038】
図7に示すように、第3の実施形態のペット用玩具は、1枚のヘチマシート11と、1枚のレザーシート12と、中綿14と、を備え、球形をしている。第3の実施形態のペット用玩具は、好ましくは犬用として使用される。
【0039】
第3の実施形態のペット用玩具は、平面視でひょうたん形状をしたヘチマシート11もレザーシート12から成形される。すなわち、成形前のヘチマシート11もレザーシート12も、両端部がC字状の曲面とされ、中間部が弧状の曲面とされている。このヘチマシート11の各端部がレザーシート12の各凹部に入り込み、レザーシート12の各端部がヘチマシート11の各凹部に入り込むことで、内部空間を設けた球形に形成される。レザーシート12は、床面が表面になるようにヘチマシート11に縫い合わされる。
【0040】
内部空間には、球形に丸めた中綿14が詰められる。中綿14によって、ヘチマシート11とレザーシート12が球形に保形され、凹んでも球形に復元する。この中綿14内には、音を出す素材としての鈴4が入れられてもよい。
【0041】
ここで、第3の実施形態のペット用玩具の使用方法について説明する。第3の実施形態のペット用玩具は、球形であるため、地面上や床上を転がすことができる。この転がっているペット用玩具をペットが追いかけ、ペットがペット用玩具を噛みつくと、ペットの歯がヘチマシート11に擦られ、ブラッシングされる。ペットは、このペット用玩具を飼主の所まで持ってくる。飼主は、ペット用玩具を転がすことを繰り返す。したがって、ペットの歯がレザーシート12を噛んだとしても、ペット用玩具を繰り返して噛むことで、ヘチマシート11によってブラッシングされる。
【0042】
このペット用玩具は、転がされたときに、鈴4が鳴ることで、ペットが鈴4の音によっても惹きつけられる。ペット用玩具は、鈴4以外のヘチマシート11、レザーシート12及び中綿14が天然素材である。
【0043】
〔その他の実施形態〕
第1の実施形態では、第1と第2のヘチマシート111,112を備え、レザーシート12が第1のヘチマシート111の半分程度重ね合わされるとした。しかし、ヘチマシート11は1枚とし、レザーシート12がヘチマシート11と同じ大きさになってレザーシート12とウールフェルト13とが全面で重なり合うようにしてもよい。また、第1の実施形態では、ウールフェルト13を備えるとした。しかし、第1の実施形態でも、第2の実施形態のようにウールフェルト13を備えず、第1のヘチマシート111又はレザーシート12と第2のヘチマシート112とが中綿14を挟むようにしてもよい。また、第1の実施形態のヘチマシート11は、3枚以上重ねてもよい。
【0044】
第2の実施形態のペット用玩具では、1枚のヘチマシート11とレザーシート12が中綿14を挟むようにした。しかし、第2の実施形態でも、ヘチマシート11を2枚とし、一方のヘチマシート11の一部分にレザーシート12が重なり合うようにしてもよい。
【0045】
第3の実施形態のペット用玩具では、ヘチマシート11とレザーシート12とによって内部空間を有する球形に形成した。しかし、第3の実施形態においても、ヘチマシート11とレザーシート12の内面にウールフェルト13を貼り合わせてもよい。また、第3の実施形態のペット用玩具では、鈴4を内蔵するとした。しかし、第3の実施形態のペット用玩具は、鈴4を必ずしも内蔵しなくてもよい。
【0046】
第1乃至第3のいずれの実施形態のペット用玩具も、メッシュ状シート11はヘチマを使用するとして説明した。しかし、メッシュ状シート11は、ヘチマシート11でなくても、ナイロン束子(たわし)のような化学繊維を織り込んだシートであってもよい。
【0047】
また、第1乃至第3のいずれの実施形態のペット用玩具も、表皮シート12は、一方の片面を床面とし、他方の片面を銀面とした皮革が使用されるとした。しかし、表皮シート12は、両面とも床面の皮革を使用してもよい。さらに、第1乃至第3のいずれの実施形態のペット用玩具の表皮シート12は、獣皮の皮革であるとした。しかし、表皮シート12は、動物臭を出す素材として魚の皮を加工したものや鶏肉の皮を加工したもの、あるいは合成皮革などであってもよい。
【0048】
また、表皮シート12は、果物の匂いを出す素材によって形成してもよい。さらに、嵩増し部材14が動物臭を出す素材や果物の匂いを出す素材であるとしてもよい。さらに、動物臭を出す素材や果物の匂いを出す素材は、別途、空洞部内に入れられてもよい。表皮シート12や嵩増し部材14が匂いを出す素材である場合は、内在シート13は匂いが出ない素材によって形成されてもよい。また、内在シート13や嵩増し部材14が動物臭を出す素材である場合は、表皮シート12は動物臭を必ずしも出さない素材であってもよい。
【0049】
また、音を出す素材は、鈴4に替えて、空洞部に入れられる小さなシンバルやカスタネットのような打楽器のおもちゃであってもよい。
【0050】
第1乃至第3のいずれの実施形態のペット用玩具も、キャットニップ、マタタビの枝や実、粉末などを内蔵してもよい。また、第1乃至第3のいずれの実施形態のペット用玩具も、左右に揺れるネコジャラシの先端部に取り付けるなどしてもよい。また、
図1乃至
図7に示したペット用玩具の外形は、例示であることはいうまでもなく、星形や三日月形、立方体形状など、外観は限定されない。また、第1及び第3の実施形態のペット用玩具は、犬用が好ましく、第2の実施形態のペット用玩具は、猫用が好ましいとした。しかし、ペット用玩具を何に使うかは、飼主が決めることで、ペット用玩具用途は限定されない。
【0051】
〔まとめ〕
以上まとめると、本発明が適用されるペット玩具は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0052】
すなわち、本発明に係るペット用玩具は、
1枚又は複数枚のメッシュ状シート11と、
表皮シート12と、
を備え、
前記メッシュ状シート11と前記表皮シート12とが直接又は間接に重ね合わされている。
【0053】
このペット用玩具は、ペットがメッシュ状シート11に噛みつくことによって歯をブラッシングすることができる。メッシュ状シート11は、表皮シート12に重ね合わされることにより、破けることがないように補強され、デンタル効果を長期間有することができる。
【0054】
本発明に係るペット用玩具において、
前記表皮シート12は、重ね合わされた複数枚の前記メッシュ状シート11の片面の一部分に重ね合わされている。
【0055】
このペット用玩具は、表皮シート12がメッシュ状シート11の一部分に重ね合わされることにより、メッシュ状シート11が表皮シート12によって補強されつつ、両面からペットの上下の歯を同時にブラッシングすることができる。
【0056】
本発明に係るペット用玩具は、
前記メッシュ状シート11と前記表皮シート12との間に介在し、厚肉にする嵩増し部材14を備えている。
【0057】
このペット用玩具は、メッシュ状シート11と表皮シート12との間に嵩増し部材14が備えられていることにより、噛み応えを有するようにすることができる。
【0058】
本発明に係るペット用玩具は、
前記メッシュ状シート11と前記表皮シート12との間に介在する内在シート13を備えている。
【0059】
このペット用玩具は、メッシュ状シート11と表皮シート12との間に介在する内在シート13により、歯ごたえを有するようにすることができる。
【0060】
このペット用玩具において、
前記メッシュ状シート11は、ヘチマから加工されている。
【0061】
本発明に係るペット用玩具は、メッシュ状シート11が天然素材であるヘチマから加工される。ヘチマは、乾燥圧縮状態に加工することで、容易に薄い板状に成形することができる。ヘチマは、歯をブラッシングするときに、唾液が含まれると膨張するため、この膨張によってもブラッシング効果を高めることができる。
【0062】
このペット用玩具において、
前記表皮シート12は、獣皮又は魚皮で形成されている。
【0063】
本発明に係るペット用玩具は、表皮シート12が天然素材である獣皮又は魚皮で形成されていることにより、ペットを惹きつける匂いが出される。
【0064】
このペット用玩具において、
前記表皮シート12は、少なくとも片面を床面とした皮革から形成され、前記床面が露出している。
【0065】
本発明に係るペット用玩具は、表皮シート12の表面にザラザラ面である床面が露出することにより、ペットが噛んだ後の歯の痕が目立ちにくいようにすることができる。
【0066】
本発明に係るペット用玩具は、動物臭、果物の匂い、キャットニップの匂い若しくはマタタビの匂い又は音を出す素材を備えている。
【0067】
本発明に係るペット用玩具は、動物臭、果物の匂い若しくはマタタビの匂い又は音を出す素材を備えていることにより、ペットが好む動物臭、果物の匂い若しくはマタタビの匂いを出すものから選択され、あるいは音が出るものから選択される。
【0068】
本発明に係るペット用玩具において、
前記動物臭を出す素材は、獣皮又は魚皮によって形成された前記表皮シート12である。
【0069】
本発明に係るペット用玩具は、表皮シート12が獣皮又は魚皮によって動物臭を出す素材が形成されるため、表皮シート12から直接、動物臭を出すようにすることができる。
【符号の説明】
【0070】
4……音を出す素材(鈴)
11……メッシュ状シート(ヘチマシート)
111……第1のヘチマシート
112……第2のヘチマシート
12……表皮シート(レザーシート)
13……内在シート(ウールフェルト)
14……嵩増し部材(中綿)