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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078637
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/37 20200101AFI20220518BHJP
   D06F 103/22 20200101ALN20220518BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F103:22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189458
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】杉本 哲也
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AA15
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167BA48
3B167FB01
3B167FB02
3B167FB05
3B167FB08
3B167KA18
3B167KA23
3B167LC12
3B167LE05
3B167LF30
3B167LG02
(57)【要約】
【課題】衣類処理剤の自動投入と手動投入との切り替えを簡単に行うことができる洗濯機を提供する。
【解決手段】実施形態の洗濯機は、衣類処理剤を貯留するタンクと、前記衣類処理剤を回転槽内に自動投入するための投入ポンプを有する自動投入装置と、ユーザが衣類処理剤を投入する処理剤ケースと、この処理剤ケースに前記衣類処理剤が投入されていることを検知する処理剤検知センサと、前記自動投入装置の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記処理剤ケース内における衣類処理剤の有無に応じて、前記自動投入装置による自動投入を行うか否かを判断する。
【選択図】図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理剤を貯留するタンクと、
前記衣類処理剤を回転槽内に自動投入するための投入ポンプを有する自動投入装置と、
ユーザが衣類処理剤を投入する処理剤ケースと、
この処理剤ケースに前記衣類処理剤が投入されていることを検知する処理剤検知センサと、
前記自動投入装置の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記処理剤ケース内における衣類処理剤の有無に応じて、前記自動投入装置による自動投入を行うか否かを判断する洗濯機。
【請求項2】
前記衣類処理剤は、洗剤又は柔軟剤であり、
前記制御部は、前記処理剤ケース内に前記洗剤又は前記柔軟剤の何れか一方があれば、前記自動投入装置による自動投入を行わない請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記処理剤検知センサは、物質を介した光の透過率を検出する光学センサである請求項1又は2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記処理剤検知センサは、基準位置から物質がある位置までの距離を検出する距離センサである請求項1又は2記載の洗濯機。
【請求項5】
前記処理剤検知センサは、画像センサである請求項1又は2記載の洗濯機。
【請求項6】
前記処理剤検知センサは、重量センサである請求項1又は2記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理剤を回転槽内に自動投入する自動投入装置と、ユーザが衣類処理剤を投入する処理剤ケースとを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機には、洗剤や柔軟剤等を回転槽内に自動投入する投入装置を設けているものがある。この場合、予め液体の洗剤等が貯留されているタンクより、自動投入が行われる。また、それとは別に、ユーザが洗剤ケースに洗剤等を自分で投入し、その洗剤等を用いて洗濯運転を行うこともできるが、以下でこれを「手動投入」と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6695124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、洗剤を自動投入するか手動投入するかは、洗濯機において択一的に設定されている。そのため、普段は洗剤を自動投入で行っているユーザが、普段とは異なる洗剤により洗濯を行うことを望んで洗剤ケースに洗剤を投入した際には、洗濯機の設定を手動投入に変更する必要があり、煩わしさがあった。
そこで、衣類処理剤の自動投入と手動投入との切り替えを簡単に行うことができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯機は、衣類処理剤を貯留するタンクと、
前記衣類処理剤を回転槽内に自動投入するための投入ポンプを有する自動投入装置と、
ユーザが衣類処理剤を投入する処理剤ケースと、
この処理剤ケースに前記衣類処理剤が投入されていることを検知する処理剤検知センサと、
前記自動投入装置の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記処理剤ケース内における衣類処理剤の有無に応じて、前記自動投入装置による自動投入を行うか否かを判断する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す側面図
図2】洗濯機の上部の構成例を概略的に示す平面図
図3】自動投入装置およびその周辺部分の構成例を概略的に示す斜視図
図4】注水ケースの構成例を概略的に示す縦断正面図
図5】注水ケースの構成例を概略的に示す縦断側面図
図6】給水弁ユニットの構成例を概略的に示す図
図7】洗濯機の後部の構成例を概略的に示す斜視図(その1)
図8】洗濯機の後部の構成例を概略的に示す斜視図(その2)
図9】洗濯機の後部の構成例を概略的に示す斜視図(その3)
図10】制御装置の構成を要旨に係る部分について示す機能ブロック図
図11】洗濯運転を開始する際の行程を示す図
図12】最終脱水運転を開始する際の行程を示す図
図12A】洗剤の自動投入のON/OFFを判断する処理を示すフローチャート
図13】第2実施形態であり、距離センサが配置された処理剤ケースの構成を示す平面斜視図
図14】処理剤ケースの平面図
図15】処理剤ケースの縦断側面図
図16】第3実施形態であり、重量センサの配置を示す図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図12を参照して説明する。図1に例示する洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機であり、装置本体の外郭を構成する外箱2の内部に水槽3を備えている。水槽3は、衣類を収容するため、上部が開放した有底円筒状をなしている。水槽3の内部には、上部が開放した有底円筒状の図示しない回転槽が回転可能に備えられている。また、回転槽の底部には、当該回転槽内の衣類や水槽3内の水を撹拌するための図示しないパルセータが回転可能に備えられている。また、水槽3の上部には、当該水槽3の振動を抑制するための図示しないバランスリングが設けられている。
【0008】
外箱2は、上部が開放したほぼ矩形箱状の外箱本体部2Aの上部にトップカバー2Bが取り付けられた構成となっている。トップカバー2Bのほぼ中央部には、衣類を出し入れするための衣類出入口4が設けられている。この衣類出入口4は、外箱2の上部において回動可能に設けられた蓋5によって開閉される。また、洗濯機1は、外箱2の後部に位置して機械室6を備えている。この場合、機械室6は、トップカバー2Bのスペースのうち衣類出入口4の後方に位置して設けられている。機械室6の内部には、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300などといった各種の駆動系の構成要素が収容されている。自動投入装置100は、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニット300から供給される水とともに、所定量の衣類処理剤を水槽3内に自動で投入するための装置である。
【0009】
図2に例示するように、機械室6は、衣類出入口4の後方において外箱2の左右方向に延びる横長の空間を形成している。この機械室6の内部には、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300が外箱2の横方向に沿って並んで配置されている。また、機械室6内において、給水弁ユニット300は、注水ケース200の側方、この場合、洗濯機1の正面側から見て右方に配置されている。また、機械室6内において、給水弁ユニット300は、自動投入装置100の後端及び注水ケース200の後端よりも前側に位置して配置されている。給水弁ユニット300は、その全体が自動投入装置100の後端及び注水ケース200の後端よりも前側に位置している。
【0010】
機械室6内において、注水ケース200は、外箱2の横方向において自動投入装置100と給水弁ユニット300との間に位置して配置されている。換言すれば、注水ケース200は、自動投入装置100及び給水弁ユニット300により外箱2の横方向から挟まれた配置態様となっている。なお、機械室6の内部には、さらに水位センサ400が収容されている。この場合、水位センサ400は、給水弁ユニット300の側方、この場合、洗濯機1の正面側から見て右方のスペース内に収容されている。水位センサ400は、水槽3の下部に設けられた図示しないエアトラップにエアチューブを介して接続されており、水槽3内の水位の変化に応じて変動するエアトラップ内の空気の圧力を検知することに基づき、水槽3内の水位を検知可能となっている。
【0011】
図3にも例示するように、自動投入装置100は、トップカバー2B内の後部の左方側、より具体的には、機械室6内の左方側に位置して配置されている。自動投入装置100は、前面が開放したほぼ矩形箱状のケース収容部101を備えている。このケース収容部101は、機械室6の底面を構成する例えば金属製の底板6aに例えばねじ止めなどにより固定されている。ケース収容部101の前面開放部は、衣類出入口4の後壁部に固定されており、且つ当該衣類出入口4の後壁部において、前方に向かって開放されている。ケース収容部101内には、上面が開放したほぼ矩形箱状のケース102が洗濯機1の前後方向に沿って引き出し可能に収容される。また、このケース102内には、洗剤タンク103及び柔軟剤タンク104が着脱可能に収容される。
【0012】
洗剤タンク103には、衣類処理剤の一例として、水槽3内の衣類を洗浄するための洗剤が貯留される。洗剤タンク103は、その内部に運転複数回分の洗剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。図8及び図9に示すように、洗剤タンク103内への洗剤の補給は、当該タンク103上部に設けられた蓋149を開けて開口部より行うことができる。一方、柔軟剤タンク104には、衣類処理剤の一例として、水槽3内の衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤が貯留される。柔軟剤タンク104は、その内部に運転複数回分の柔軟剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。柔軟剤タンク104内への柔軟剤の補給は、当該タンク104上部に設けられた蓋159を開けて開口部より行うことができる。
【0013】
また、自動投入装置100は、ケース収容部101の後方に洗剤用計量ポンプ105及び柔軟剤用計量ポンプ106を備えている。これらのポンプ105及び106は、例えばモータやソレノイドなどのアクチュエータによりピストンを駆動することで液体を吸引して送出する構成のポンプである。洗剤用計量ポンプ105は、ケース収容部101内に収容されている洗剤タンク103内から所定量、この場合、運転1回分の量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を導出口105aから自動投入用経路107内へ送出する。導出口105aは、洗剤用計量ポンプ105の下部から下方に指向して設けられている。
【0014】
柔軟剤用計量ポンプ106は、ケース収容部101内に収容されている柔軟剤タンク104内から所定量、この場合、運転1回分の量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を導出口106aから自動投入用経路107内へ送出する。導出口106aは、柔軟剤用計量ポンプ106の下部から下方に指向して設けられている。洗剤用計量ポンプ105及び柔軟剤用計量ポンプ106は、何れも、洗濯機1の動作全般を制御する図10に示す制御装置50によって制御される。
【0015】
自動投入用経路107は、給水弁ユニット300から混合部108を経由して注水ケース200に接続する自動投入用の給水経路を構成している。混合部108は、自動投入装置100の後方において、洗剤用計量ポンプ105及び柔軟剤用計量ポンプ106の下方に位置して設けられている。混合部108は、内部に空間を有しており、この空間において、洗剤タンク103又は柔軟剤タンク104から供給された衣類処理剤と給水弁ユニット300から供給された水とが混合される。また、混合部108の上部には、内部の混合室に連通する2つの接続口108a,108bを備えている。接続口108a,108bは、混合部108の上部から上方に指向して設けられている。
【0016】
このうち、一方の接続口108aは、洗剤用計量ポンプ105の導出口105aに接続され、他方の接続口108bは、柔軟剤用計量ポンプ106の導出口106aに接続されている。よって、洗剤用計量ポンプ105の導出口105aから導出される洗剤は、接続口108aから混合室内に導入され、柔軟剤用計量ポンプ106の導出口106aから導出される柔軟剤は、接続口108bから混合室内に導入される。
【0017】
また、混合部108は、上方に設けられた上流側接続部及び下方に設けられた下流側接続部を備えている。上流側接続部は、上流側接続経路109を介して給水弁ユニット300に接続されている。また、下流側接続部は、下流側接続経路110を介して注水ケース200に接続されている。給水弁ユニット300から供給される水は、上流側接続経路109から上流側接続部を介して混合部108の混合室内に流入し、その後、下流側接続部から下流側接続経路110を介して注水ケース200内に流出する。
【0018】
このように給水弁ユニット300から供給される水が混合部108を経由して注水ケース200まで流れる過程において、混合部108の混合室内では、給水弁ユニット300から供給された水と洗剤用計量ポンプ105や柔軟剤用計量ポンプ106から供給された衣類処理剤とが混合される。これにより、注水ケース200には、衣類処理剤が混合された水が供給されるようになる。そして、注水ケース200に供給された衣類処理剤を含有する水は、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。
【0019】
以上の通り、自動投入装置100は、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニット300から供給される水と共に、例えば運転1回分の所定量の衣類処理剤を水槽3内に自動的に投入可能に構成されている。
【0020】
図4及び図5に例示するように、注水ケース200は、前面が開放したほぼ矩形箱状のケース収容部201を備えている。このケース収容部201は、機械室6の底面を構成する例えば金属製の底板6aに例えばねじ止めなどにより固定されている。ケース収容部201の前面開放部は、衣類出入口4の後壁部に固定されており、且つ、当該衣類出入口4の後壁部において、前方に向かって開放されている。
【0021】
ケース収容部201内には、上面が開放したほぼ矩形箱状のケース202が洗濯機1の前後方向に沿って引き出し可能に収容される。また、このケース202内には、手動用洗剤投入部203及び手動用柔軟剤投入部204が一体的に設けられている。手動用洗剤投入部203,手動用柔軟剤投入部204には、それぞれ使用者が手動により洗剤,柔軟剤を投入する。ケース202は処理剤ケースに相当する。
【0022】
注水ケース200の上面205は、後方から前方に向かって下降するように傾斜する傾斜面となっている。また、注水ケース200の上面205には、給水弁ユニット300から供給される水を流す複数の流路、例えば、手動用洗剤投入部203に水を供給するための洗剤用流路、手動用柔軟剤投入部204に水を供給するための柔軟剤用流路、風呂水を流すための風呂水用流路などが形成されている。即ち、給水弁ユニット300は、注水ケース200にも接続されており、当該注水ケース200にも水を供給可能に構成されている。
【0023】
給水弁ユニット300から供給される水は、注水ケース200の上面205の流路を流れて注水ケース200内の手動用洗剤投入部203又は手動用柔軟剤投入部204に供給される。手動用洗剤投入部203又は手動用柔軟剤投入部204に供給された水は、手動用洗剤投入部203内の洗剤又は手動用柔軟剤投入部204内の柔軟剤を溶解する。そして、注水ケース200内において洗剤又は柔軟剤を溶解した水は、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。このように、洗濯機1は、使用者が手動で投入した衣類処理剤も水とともに水槽3内に供給可能に構成されている。
【0024】
図5に示すように、注水ケース200の上方,下方には、処理剤検知センサの一例である光学センサ500を構成する投光素子500S,受光素子500Rがそれぞれ配置されている。尚、これらは、手動用洗剤投入部203及び手動用柔軟剤投入部204にそれぞれ対応して配置されている。注水ケース200,ケース202の一部,手動用洗剤投入部203及び手動用柔軟剤投入部204は、何れも光透過性がある樹脂で構成されている。投光素子500Sより投光された光は、手動用洗剤投入部203,手動用柔軟剤投入部204をそれぞれ透過して受光素子500Rに受光される。この時、各投入部203,204における洗剤,柔軟剤の有無に応じて、受光素子500Rに受光される光の量,つまり透過率が変化する。
【0025】
図10に示すように、制御部の一例である制御装置50は、例えば、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムや各種の設定情報に基づいて洗濯機1の動作全般を制御する。制御装置50には、例えば、上述した自動投入装置100、給水弁ユニット300、洗剤用計量ポンプ105、柔軟剤用計量ポンプ106、図示しない排水弁、図示しない洗濯用モータなどの各種の駆動系の構成要素や、光学センサ500が接続されている。また、制御装置50は、運転に関連する各種の運転関連情報を図示しない表示操作パネルに表示する。制御装置50は、光学センサ500により検出される光の透過率によって、手動用洗剤投入部203,手動用柔軟剤投入部204における洗剤,柔軟剤の有無を判断する。
【0026】
次に、本実施形態の作用について図11図12及び図12Aを参照して説明する。尚、洗濯機1にはユーザにより、予め自動投入装置100による自動投入を行う設定がされていることを前提とする。洗濯運転が開始されると、上述のように制御装置50は、光学センサ500により検出される光の透過率により、手動用洗剤投入部203,手動用柔軟剤投入部204における洗剤,柔軟剤の有無を判断する。ここで、洗剤,柔軟剤が何れも「無し」と判断すると、ユーザによる設定の通りに自動投入装置100による洗剤,柔軟剤の自動投入を行う。
【0027】
一方、図11に示すように、洗濯物の重量センシングを行った後、制御装置50が、洗剤,柔軟剤がそれぞれ「有り」と判断すると、必要な洗剤量を表示操作パネルに表示する。その後、乾燥風路を洗浄するためのダクト給水を行った後、洗剤の自動投入を行う行程をスキップして給水を開始する。これにより、手動用洗剤投入部203に投入されている洗剤が注水ケース200内において水に溶解されて、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。そして、図12に示すように、最初のすすぎ行程に続いて脱水が行われた後、制御装置50は、柔軟剤の自動投入を行う行程をスキップして、最終すすぎ行程を行うための給水を開始する。
【0028】
尚、手動用洗剤投入部203に洗剤が投入されており、手動用柔軟剤投入部204に柔軟剤が投入されていなければ柔軟剤の自動投入を行う行程のみをスキップする。逆に、手動用洗剤投入部203に洗剤が投入されておらず、手動用柔軟剤投入部204に柔軟剤が投入されていれば洗剤の自動投入を行う行程のみをスキップする。
【0029】
図12Aは、制御装置50が洗剤の自動投入を行うか否かを判断する処理を示すフローチャートである。重量検知を行うと(S1)、重量に応じた洗剤量を決定して表示操作パネルに表示する(S2)。そして、手動トレー,つまり手動用洗剤投入部203に洗剤が投入されているか否かを判断し(S3)、投入されていれば(Yes)自動投入をOFFにしてスキップし(S4)、洗剤が投入されていなければ(No)自動投入をONにした状態で(S5)給水を行う(S6)。
【0030】
以上のように本実施形態によれば、洗濯機1は、それぞれ洗剤,柔軟剤を貯留するタンク103,104と、洗剤,柔軟剤を回転槽内に自動投入するポンプ105,106を有する自動投入装置100と、ユーザが洗剤,柔軟剤を投入する手動用洗剤投入部203,手動用柔軟剤投入部204が設けられたケース202と、投入部203,204に洗剤,柔軟剤が投入されていることを検知する光学センサ500と、自動投入装置100の動作を制御する制御装置50とを備える。
【0031】
そして、制御装置50は、投入部203,204における洗剤,柔軟剤の有無に応じて、自動投入装置100による自動投入を行うか否かを判断する。これにより、ユーザが予めタンク103,104に貯留している洗剤,柔軟剤とは異なる洗剤,柔軟剤を使用するため、それらを投入部203,204に投入した際には、ユーザが自動投入の設定を無効にする操作を行わずとも、自動投入を行う行程がスキップされるので、ユーザの手間を省くことができる。また、ユーザが自動投入の設定を無効にして手動投入を設定した場合のように、次回以降に洗濯を行う際に洗剤を入れ忘れる事態を回避できる。
【0032】
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図13から図15に示すように、第2実施形態は、ケース202に替わるケース210を用いる。ケース210には、ユーザが洗剤,柔軟剤を投入する手動用洗剤投入部213,手動用柔軟剤投入部214が設けられている。これらの投入部213,214の内部には、中空円筒状のサイフォン口215が設けられている。サイフォン口215は、注水ケース200に連通しており、投入部213,214に注水された水の水位がサイフォン口215の高さを超えると、投入部213,214内の洗剤,柔軟剤を吸引し、注水ケース200を介して回転槽内に排出する。
【0033】
投入部213,214には、処理剤検知センサの一例である距離センサ501が配置されている。距離センサ501は、ベース部材502及びフロート部材503を有している。図15に示すように、ベース部材502は、投入部213,214の内底部に配置されており、ベース部材502の上面には、フロート部材503を、その中心部を貫通した状態で支持する支持部材504が立設されている。フロート部材503は、液体の洗剤,柔軟剤に浮く素材である。
【0034】
次に、第2実施形態の作用について説明する。投入部213,214に液体の衣類処理剤が注入されていない状態では、距離センサ501のフロート部材503は、ベース部材502に接触した状態にある。この状態におけるフロート部材503の位置が、基準位置となる。投入部213,214に液体の衣類処理剤が注入されると、フロート部材503は、処理剤の液位に応じて浮き上がるため、ベース部材502から離隔した状態になる。したがって、距離センサ501は、両部材502,503が離隔した状態にあるか、接触した状態にあるかを示す信号を制御装置50に出力することで、制御装置50は、投入部213,214内のおける衣類処理剤の有無を検知できる。
【0035】
(第3実施形態)
第3実施形態は、処理剤検知センサとして重量センサを用いる。図16は、第1実施形態の図4相当図である。第1実施形態では、ケース202内に手動用洗剤投入部203及び手動用柔軟剤投入部204が一体的に設けられていたが、第3実施形態では、手動用洗剤投入部206,手動用柔軟剤投入部207が別体で構成されている。そして、ケース収容部201の内底部と、投入部206,207の外底部との間には重量センサ510,511が配置されている。
【0036】
すなわち、手動用洗剤投入部206,手動用柔軟剤投入部207に洗剤,柔軟剤が投入されていなければ、重量センサ510,511は、投入部206,207自体の重量のみを検知している。そして、投入部206,207に洗剤,柔軟剤が投入されると、重量センサ510,511はそれにより加えられた重量を検知するので、制御装置50は、投入部206,207に洗剤,柔軟剤が投入されていることを検知できる。
【0037】
(その他の実施形態)
投入部に、洗剤又は柔軟剤の何れか一方があれば、自動投入装置100による自動投入を行わないようにしても良い。
処理剤検知センサとして、手動用洗剤投入部,手動用柔軟剤投入部内における洗剤,柔軟剤の有無を画像により判定するための画像センサを用いても良い。
回転槽としてのドラムを備えたドラム式洗濯機に適用しても良い。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は洗濯機、3は水槽、50は制御装置、100は自動投入装置、103は洗剤タンク、104は柔軟剤タンク、105は洗剤用計量ポンプ、106は柔軟剤用計量ポンプ、202はケース、203は手動用洗剤投入部、204は手動用柔軟剤投入部、206は手動用洗剤投入部、207は手動用柔軟剤投入部、213は手動用洗剤投入部、214は手動用柔軟剤投入部、500は光学センサ、501は距離センサ、510及び511は重量センサを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図14
図15
図16