特開 2022-78656 エアバッグ装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022078656

(43)【公開日】2022-05-25

(54)【発明の名称】エアバッグ装置

(51)【国際特許分類】

   B60R 21/207 20060101AFI20220518BHJP

   B60R 21/2338 20110101ALI20220518BHJP

   B60N 2/42 20060101ALI20220518BHJP

【ＦＩ】

B60R21/207

B60R21/2338

B60N2/42

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020189485

(22)【出願日】2020-11-13

(71)【出願人】

【識別番号】318002149

【氏名又は名称】Ｊｏｙｓｏｎ Ｓａｆｅｔｙ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｊａｐａｎ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100118267

【弁理士】

【氏名又は名称】越前 昌弘

(72)【発明者】

【氏名】結城 達也

(72)【発明者】

【氏名】横田 匡俊

【テーマコード（参考）】

3B087

3D054

【Ｆターム（参考）】

3B087CD04

3B087CD05

3D054AA02

3D054AA03

3D054AA07

3D054AA23

3D054CC11

3D054DD14

3D054EE20

3D054FF17

(57)【要約】

【課題】シート製造時における作業工程を削減し生産効率を向上することができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るエアバッグ装置１は、乗員が着座するシートのファーサイドに膨張展開されるエアバッグ２と、エアバッグ２にガスを供給するインフレータ３と、シートの背面シートフレームＦの外枠Ｆａよりも内側に配置されるテザー取付部４１を備えたブラケット４と、第一端部５ａがエアバッグ２に接続されるとともに第二端部５ｂがテザー取付部４１に接続されたテザー５と、折り畳まれたエアバッグ２を収容するモジュールカバー６と、を備えている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

乗員が着座するシートのファーサイドにエアバッグを膨張展開可能に構成されたエアバッグ装置であって、
前記シートの背面シートフレームの外枠よりも内側に配置されるテザー取付部を備えたブラケットと、
第一端部が前記エアバッグに接続されるとともに第二端部が前記テザー取付部に接続されたテザーと、
を備えることを特徴とするエアバッグ装置。

【請求項2】

前記テザーは、前記第二端部が前記テザー取付部の下部に接続される第一テザーと、前記第二端部が前記テザー取付部の上部に接続される第二テザーと、を含む、請求項１に記載のエアバッグ装置。

【請求項3】

前記第二テザーの第二端部は、前記第一テザーの第二端部よりも前記シートの中心に近い位置に接続されるように構成されている、請求項２に記載のエアバッグ装置。

【請求項4】

前記ブラケットは、前記テザー取付部を前記背面シートフレームに係止させる係止部を備える、請求項１に記載のエアバッグ装置。

【請求項5】

前記ブラケットは、前記テザー取付部を前記背面シートフレームに固定させる固定部を備える、請求項１に記載のエアバッグ装置。

【請求項6】

前記ブラケットは、前記背面シートフレームの外枠に固定される溝部を備え、該溝部の側面に前記エアバッグを収容したモジュールカバーを配置可能に構成されている、請求項１に記載のエアバッグ装置。

【請求項7】

前記モジュールカバーは、前記ブラケットの一部を挿入可能かつ前記テザーを挿通可能なスリットを備えている、請求項６に記載のエアバッグ装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、エアバッグ装置に関し、特に、シートのファーサイドに配置されるエアバッグ装置に関する。

【背景技術】

【0002】

車両の側面衝突時等における乗員の隣接したシート方向への移動を拘束するために、乗員が着座するシートにエアバッグ装置が配置されつつある。かかるエアバッグ装置は、シートの車両側面部に近い側をニアサイドと称し、シートの車両側面部から遠い側をファーサイドと称することから、ファーサイドエアバッグ装置とも称される。

【0003】

ファーサイドエアバッグ装置では、エアバッグが膨張展開したときに、エアバッグの反力面を構成する構造部材が存在していないことから、横方向に移動した乗員を拘束することが難しい。そこで、例えば、特許文献１に記載されたように、乗員接触時におけるエアバッグの移動を拘束するテザーを配置することが検討されている。

【0004】

特許文献１には、基端側が前記背もたれ部の内部に設けたシートバックフレームに取り付けられ、先端側が前記背もたれ部から遠ざかる第１方向に展開するエアバッグと、当該エアバッグの内部に設けられ、前記エアバッグを展開させるインフレータと、前記シートバックフレームに取り付けられる一端と、展開状態における前記エアバッグの外側表面上の前記第１方向に向かって延び、前記エアバッグの前記先端側の部分に取り付けられる他端とを備えるテザーと、前記シートバックフレームに取り付けられ、前記テザーの延びる方向に沿って設けられるブラケットと、を有し、前記テザーは、前記ブラケットの前端部で支持されていることを特徴とするエアバッグ装置が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】国際公開第２０１９／１９８６３２号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、特許文献１に記載された発明では、テザーの一端をシートバックフレームに接続していること及びエアバッグモジュール以外の構成部品であるブラケットを使用していることから、シート製造時にエアバッグモジュールの取り付け以外にテザー及びブラケットの接続作業が発生したり、シートの設計変更が必要になったりして、生産効率が低下するという問題がある。

【0007】

本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、シート製造時における余分な作業工数を削減し生産効率を向上することができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

本発明によれば、乗員が着座するシートのファーサイドにエアバッグを膨張展開可能に構成されたエアバッグ装置であって、前記シートの背面シートフレームの外枠よりも内側に配置されるテザー取付部を備えたブラケットと、第一端部が前記エアバッグに接続されるとともに第二端部が前記テザー取付部に接続されたテザーと、を備えることを特徴とするエアバッグ装置が提供される。

【0009】

前記テザーは、前記第二端部が前記テザー取付部の下部に接続される第一テザーと、前記第二端部が前記テザー取付部の上部に接続される第二テザーと、を含んでいてもよい。

【0010】

前記第二テザーの第二端部は、前記第一テザーの第二端部よりも前記シートの中心に近い位置に接続されるように構成されていてもよい。

【0011】

前記ブラケットは、前記テザー取付部を前記背面シートフレームに係止させる係止部を備えていてもよい。

【0012】

前記ブラケットは、前記テザー取付部を前記背面シートフレームに固定させる固定部を備えていてもよい。

【0013】

前記ブラケットは、前記背面シートフレームの外枠に固定される溝部を備え、該溝部の側面に前記エアバッグを収容したモジュールカバーを配置可能に構成されていてもよい。

【0014】

前記モジュールカバーは、前記ブラケットの一部を挿入可能かつ前記テザーを挿通可能なスリットを備えていてもよい。

【発明の効果】

【0015】

上述した本発明に係るエアバッグ装置によれば、エアバッグモジュールを構成するブラケットにテザーの第二端部を接続したことにより、シート製造時にエアバッグモジュールを取り付けるだけでよく、シート製造時におけるエアバッグモジュールの取り付け以外の作業工程（例えば、テザーやブラケットの接続作業）を削減することができる。また、本発明に係るエアバッグ装置によれば、シートを設計変更する必要がなく、既存のシートをそのまま使用することができる。したがって、本発明によれば、シート製造時における余分な作業工数を削減し生産効率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本発明の一実施形態に係るエアバッグ装置を示す部品展開図である。

【図2】図１に示したエアバッグ装置の組付状態を示す図であり、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は図２（Ａ）におけるＢ－Ｂ線断面図、である。

【図3】ブラケットとエアバッグとの関係を示す正面図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。

【図4】エアバッグ装置の第一変形例を示す図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。

【図5】エアバッグ装置の第二変形例を示す図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。

【図6】エアバッグ装置の他の変形例を示す正面図であり、（Ａ）は第三変形例、（Ｂ）は第四変形例、を示している。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施形態について図１～図６（Ｂ）を用いて説明する。ここで、図１は、本発明の一実施形態に係るエアバッグ装置を示す部品展開図である。図２は、図１に示したエアバッグ装置の組付状態を示す図であり、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は図２（Ａ）におけるＢ－Ｂ線断面図、である。

【0018】

また、図３は、ブラケットとエアバッグとの関係を示す正面図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。なお、説明の便宜上、図３（Ａ）ではブラケット以外の構成を省略し、図３（Ｂ）ではブラケット及びエアバッグ以外の構成を省略してある。

【0019】

本発明の一実施形態に係るエアバッグ装置１は、例えば、図１～図３（Ｂ）に示したように、乗員が着座するシートのファーサイドに膨張展開されるエアバッグ２と、エアバッグ２にガスを供給するインフレータ３と、シートの背面シートフレームＦの外枠Ｆａよりも内側に配置されるテザー取付部４１を備えたブラケット４と、第一端部５ａがエアバッグ２に接続されるとともに第二端部５ｂがテザー取付部４１に接続されたテザー５と、折り畳まれたエアバッグ２を収容するモジュールカバー６と、を備えている。

【0020】

エアバッグ装置１は、シートの車両側面部から遠い側に配置され、側面衝突時等における乗員の横移動を拘束するファーサイドエアバッグ装置である。

【0021】

エアバッグ２は、通常時はモジュールカバー６に収納された状態でシート内に配置されており、車両衝突時にモジュールカバー６を突き破ってシートの隙間から車両前方方向に放出され、乗員のファーサイドに膨張展開される。なお、エアバッグ２の膨張展開形状は、図３（Ｂ）に示した構成に限定されるものではない。

【0022】

インフレータ３は、例えば、一端にガス発生剤に点火するイニシエータ３１を備え、他端にガスを噴き出すノズル３２を備えたロッド形状を有している。イニシエータ３１には、点火信号を送信するリード線３３が接続される。インフレータ３は、例えば、ノズル３２側の一部がエアバッグ２内に挿入され、固定部材３４によりエアバッグ２に固定される。また、インフレータ３のエアバッグ２から露出した部分は、複数の固定部材３５によりブラケット４に固定される。なお、インフレータ３は、図示した構成に限定されるものではない。

【0023】

ブラケット４は、例えば、テザー取付部４１を構成する略平面部と、背面シートフレームＦの外枠Ｆａに固定される溝部４２と、を備えた金属製の部品である。ブラケット４は、例えば、図２（Ａ）及び図２（Ｂ）に示したように、溝部４２の一部がモジュールカバー６内に配置され、テザー取付部４１及び溝部４２の一部がモジュールカバー６の外にはみ出すように構成されている。

【0024】

テザー取付部４１は、例えば、図２（Ｂ）に示したように、溝部４２の開放側の一辺から略垂直方向に延びるように形成されている。テザー取付部４１には、テザー５を接続するための第一開口部４１ａ及び第二開口部４１ｂが形成されている。第一開口部４１ａは、ブラケット４を背面シートフレームＦに取り付けた状態でテザー取付部４１の下部に形成される。また、第二開口部４１ｂは、ブラケット４を背面シートフレームＦに取り付けた状態でテザー取付部４１の上部に形成される。

【0025】

例えば、図３（Ａ）に示したように、ブラケット４を背面シートフレームＦに取り付けた状態において、第二開口部４１ｂは、第一開口部４１ａよりもシートの中心に近い位置に形成されていてもよい。シートの中心線Ｌと第一開口部４１ａとの距離をＤ１とし、シートの中心線Ｌと第二開口部４１ｂとの距離をＤ２とすれば、Ｄ１＞Ｄ２の関係を有している。

【0026】

また、ブラケット４は、テザー取付部４１を背面シートフレームＦに係止させる係止部４１ｃを備えていてもよい。係止部４１ｃは、テザー取付部４１の延長線上に形成されている。例えば、係止部４１ｃは、図３（Ａ）に示したように、テザー取付部４１を上方に延長した先端部に形成されたフックにより構成されており、背面シートフレームＦの上部の外枠Ｆａに係止される。係止部４１ｃは、例えば、外枠Ｆａの形状に沿った形状に形成される。

【0027】

また、係止部４１ｃを構成するフックは、外枠Ｆａの背面から前面に向かって爪が引っかかるように構成されていてもよい。かかる構成により、エアバッグ２の膨張展開時にブラケット４が車両前方方向に引っ張られた場合であっても、係止部４１ｃでブラケット４を強固に保持することができる。なお、係止部４１ｃの構成は、図示した構成に限定されるものではない。

【0028】

溝部４２は、金属板を断面略Ｕ字形状に折り曲げた形状を有している。溝部４２の深さは、例えば、図２（Ｂ）に示したように、背面シートフレームＦの外枠Ｆａの厚さと略同じ大きさに形成される。また、溝部４２の幅は、背面シートフレームＦの外枠Ｆａを挿通可能な大きさに形成される。また、図示しないが、溝部４２は、ボルト等の固定部材により外枠Ｆａに固定される。なお、溝部４２は、図示した構成に限定されるものではない。

【0029】

また、溝部４２は、テザー取付部４１が形成されていない側の側面４２ａにエアバッグ２を収容したモジュールカバー６を配置可能に構成されている。また、側面４２ａには、開口部が形成され、開口部の内縁にはインフレータ３の長手方向に沿った一対の突起４２ｂが形成されていてもよい。この突起４２ｂは、インフレータ３と一緒に固定部材３５により締結される。

【0030】

テザー５は、膨張展開されたエアバッグ２に乗員が接触したときの外側方向（図の右方向）への外力に対する抗力を発生させるための帯状の部品である。テザー５は、例えば、エアバッグ２と同じ基布素材により構成される。テザー５は、第二端部５ｂから第一端部５ａに向かって徐々に幅を太くするように構成してもよい。

【0031】

テザー５の第一端部５ａは、図３（Ｂ）に示したように、エアバッグ２の車両前方方向側（図の手前側）の側面又は前面に接続される。テザー５の第二端部５ｂは、ブラケット４のテザー取付部４１にボルト・ナット等の固定部材５３により接続される。なお、固定部材５３は、ボルト・ナットに限定されるものではない。

【0032】

テザー５は、例えば、第二端部５１ｂがテザー取付部４１の下部に接続される第一テザー５１と、第二端部５２ｂがテザー取付部４１の上部に接続される第二テザー５２と、を備えている。具体的には、第一テザー５１の第二端部５ｂはテザー取付部４１の第一開口部４１ａに固定され、第二テザー５２の第二端部５２ｂはテザー取付部４１の第二開口部４１ｂに固定される。

【0033】

なお、第一テザー５１の第一端部５１ａはエアバッグ２の下部に接続され、第二テザー５２の第一端部５２ａはエアバッグ２の上部に接続される。また、エアバッグ２の上部に配置される第二テザー５２は、エアバッグ２の下部に配置される第一テザー５１よりも太く形成されていてもよいし、高強度に構成されていてもよい。

【0034】

また、図３（Ｂ）に示したように、第二テザー５２の第二端部５２ｂは、第一テザー５１の第二端部５１ｂよりもシートの中心に近い位置に接続されていてもよい。エアバッグ２の上部は、エアバッグ２の下部と比較して外力が負荷されたときの移動量が大きいことから、より離れた位置からエアバッグ２を引っ張るようにした方が第二テザー５２に生じる張力を大きくすることができる。

【0035】

なお、上述した実施形態では、テザー５が二本の場合について説明しているが、テザー５は一本であってもよいし、三本以上であってもよい。例えば、テザー５が一本の場合にはテザー５の幅をより太く形成してもよいし、より高強度に構成してもよい。また、テザー５が三本以上の場合にはテザー５の幅をより細く形成してもよいし、より低強度に構成してもよい。

【0036】

モジュールカバー６は、折り畳まれたエアバッグ２を収容する樹脂製の容器である。モジュールカバー６は、例えば、略箱形状のロワーカバー６１と、略蓋形状のアッパーカバー６２と、を備えている。

【0037】

アッパーカバー６２には、エアバッグ２の膨張展開時に開裂するテアライン６２ａが形成されている。また、ロワーカバー６１の側面には、ブラケット４の側面４２ａを挿入可能かつテザー５（第一テザー５１及び第二テザー５２）を挿通可能なスリット６１ａが形成されている。

【0038】

例えば、図２（Ｂ）に示したように、ロワーカバー６１のスリット６１ａにブラケット４の溝部４２を構成する側面４２ａが挿入され、モジュールカバー６とブラケット４とが接続される。また、エアバッグ２に接続されたテザー５（第一テザー５１及び第二テザー５２）の第二端部５ｂ（５１ｂ及び５２ｂ）は、スリット６１ａに挿通されて外部に引き出され、テザー取付部４１に固定される。

【0039】

また、ロワーカバー６１の外周には細長いスロット形状の複数の開口部６１ｂが形成されており、この開口部６１ｂにアッパーカバー６２の外周に形成された爪部６２ｂを挿入することによって、ロワーカバー６１とアッパーカバー６２とが接続される。なお、モジュールカバー６の構成は、図示した構成に限定されるものではない。

【0040】

上述したエアバッグ装置１は、エアバッグ２、インフレータ３、ブラケット４、テザー５及びモジュールカバー６がモジュール化されて一体に構成されている。したがって、シート製造時に、ブラケット４の係止部４１ｃを背面シートフレームＦの上部に係止させた状態で、溝部４２に外枠Ｆａを挿通し、ボルト等の固定部材で固定することにより、エアバッグ装置１（エアバッグモジュール）を背面シートフレームＦに取り付けることができる。

【0041】

したがって、本実施形態に係るエアバッグ装置１によれば、シート製造時におけるエアバッグモジュールの取り付け以外の作業工程を削減することができる。また、本実施形態に係るエアバッグ装置１によれば、シートを設計変更する必要がなく、既存のシートをそのまま使用することができる。したがって、本実施形態によれば、シート製造時における余分な作業工数を削減し生産効率を向上することができる。

【0042】

次に、本実施形態に係るエアバッグ装置１の変形例について、図４（Ａ）～図６（Ｂ）を参照しつつ説明する。ここで、図４は、エアバッグ装置の第一変形例を示す図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。図５は、エアバッグ装置の第二変形例を示す図であり、（Ａ）はブラケットの接続状態、（Ｂ）はエアバッグの膨張展開状態、を示している。図６は、エアバッグ装置の他の変形例を示す正面図であり、（Ａ）は第三変形例、（Ｂ）は第四変形例、を示している。

【0043】

なお、上述した実施形態と同じ構成部品については、同じ符号を付し重複した説明を省略する。また、説明の便宜上、図４（Ａ）及び図５（Ａ）ではブラケット以外の構成を省略し、図４（Ｂ）及び図５（Ｂ）ではブラケット及びエアバッグ以外の構成を省略してある。

【0044】

図４（Ａ）及び図４（Ｂ）に示した第一変形例は、ブラケット４がテザー取付部４１を背面シートフレームＦに固定させる固定部４１ｄを備えたものである。固定部４１ｄは、係止部４１ｃの代わりに配置される。固定部４１ｄは、例えば、背面シートフレームＦの横骨Ｆｂ等の構成部品にテザー取付部４１をボルト等の固定部材により固定する部分である。

【0045】

かかる構成により、エアバッグ２の膨張展開時にブラケット４が車両前方方向に引っ張られた場合であっても、固定部４１ｄでブラケット４を強固に保持することができる。

【0046】

図５（Ａ）及び図５（Ｂ）に示した第二変形例は、係止部４１ｃや固定部４１ｄを省略したものである。例えば、ブラケット４が、素材や形状を変更することにより、エアバッグ２の膨張展開時に必要な強度を十分に満足する場合には、係止部４１ｃや固定部４１ｄを省略することができる。

【0047】

図６（Ａ）に示した第三変形例は、テザー取付部４１の形状を変更したものである。図示したように、テザー取付部４１は、第一テザー５１の第二端部５１ｂを固定する第一テザー取付部４１１と、第二テザー５２の第二端部５２ｂを固定する第二テザー取付部４１２と、を備えていてもよい。このように、テザー５ごとにテザー取付部４１を形成することにより、ブラケット４の軽量化を図ることができる。

【0048】

図６（Ｂ）に示した第四変形例は、第一テザー５１と第二テザー５２との中間部に第三テザー５３を配置したものである。このようにテザー５の本数を増やすことにより、エアバッグ２を引っ張る張力を容易に増大されることができる。

【0049】

本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。

【符号の説明】

【0050】

１ エアバッグ装置
２ エアバッグ
３ インフレータ
４ ブラケット
５ テザー
５ａ 第一端部
５ｂ 第二端部
５ｃ 固定部材
６ モジュールカバー
３１ イニシエータ
３２ ノズル
３３ リード線
３４，３５ 固定部材
４１ テザー取付部
４１ａ 第一開口部
４１ｂ 第二開口部
４１ｃ 係止部
４１ｄ 固定部
４１１ 第一テザー取付部
４１２ 第二テザー取付部
４２ 溝部
４２ａ 側面
４２ｂ 突起
５１ 第一テザー
５１ａ 第一端部
５１ｂ 第二端部
５２ 第二テザー
５２ａ 第一端部
５２ｂ 第二端部
５３ 第三テザー
６１ ロワーカバー
６１ａ スリット
６１ｂ 開口部
６２ アッパーカバー
６２ａ テアライン
６２ｂ 爪部
Ｆ 背面シートフレーム
Ｆａ 外枠
Ｆｂ 横骨

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】