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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078694
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】足踏み式吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20220518BHJP
   A61L 2/18 20060101ALN20220518BHJP
【FI】
B65D83/00 G
A61L2/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189563
(22)【出願日】2020-11-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年11月4日 ウェブサイト:WWW.kgworks.co.jp/ で公開。
(71)【出願人】
【識別番号】317014091
【氏名又は名称】株式会社北川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 隆和
【テーマコード(参考)】
3E014
4C058
【Fターム(参考)】
3E014AA01
3E014PA01
3E014PB03
3E014PD11
3E014PE14
3E014PF07
4C058AA29
4C058BB07
4C058EE29
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】安定した状態で設置され、適切な使用位置で使用することのできる足踏み式吐出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】足踏み式吐出装置であって、頭頂部の押し込みにより内容物を吐出する液体入りの容器を載置し、上下方向に移動する棚板と、前記棚板を挿通する複数の支柱と、前記容器の頭頂部と接する頭頂保持部材と、足踏み操作を受け付けるペダルと、前記ペダルの受ける力を前記棚板に伝達する伝達部材と、前記伝達部材と前記棚板とを接続する接続部材であって、前記棚板の設置高さを変更可能な前記接続部材と、を有し、前記ペダルへの足踏み操作により前記棚板が前記複数の支柱に沿って上昇し、前記頭頂保持部材の前記頭頂部の保持により前記頭頂部が押し込まれ、前記容器の内容物が吐出することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭頂部の押し込みにより内容物を吐出する液体入りの容器を載置し、上下方向に移動する棚板と、
前記棚板を挿通する複数の支柱と、
前記容器の頭頂部と接する頭頂保持部材と、
足踏み操作を受け付けるペダルと、
前記ペダルの受ける力を前記棚板に伝達する伝達部材と、
前記伝達部材と前記棚板とを接続する接続部材であって、前記棚板の設置高さを変更可能な前記接続部材と、を有し、
前記ペダルへの足踏み操作により前記棚板が前記複数の支柱に沿って上昇し、前記頭頂保持部材の前記頭頂部の保持により前記頭頂部が押し込まれ、前記容器の内容物が吐出することを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記接続部材は、前記伝達部材に軸支され、回動により異なる面を前記棚板に接続可能であることを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記接続部材は、略直方体形状であって、長手方向を含む第1の面を前記棚板に接続する第1の状態と、前記第1の面を除く第2の面を前記棚板に接続する第2の状態と、に変更可能であることを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記第1の状態と前記第2の状態とでは、前記棚板の設置高さが異なり、
前記第1の面及び前記第2の面の各々に対向する面に、前記伝達部材を挟持するスリットを有することを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記容器の首部分が挿通することにより前記容器を係止する係止部材であって、前記棚板の上部に位置し、前記支柱が挿通する複数の貫通孔を有し、前記複数の支柱に沿って昇降可能である前記係止部材を有することを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み式吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消毒剤等の入ったディスペンサーから内容物を吐出させる際に、手を使わずに吐出させる足踏み式の載置台が存在する。足踏みペダルを踏むと、部材が下降してディスペンサーの頭頂部を押圧する載置台は、頭頂部の下降に伴い液体が吐出するノズルも下降し、噴霧する液体が受け取りにくいという欠点がある。
【0003】
特許文献1には、消毒装置に関する技術が開示されている。同文献の段落[0013]には、「消毒装置は、縦長状の台座部1と、台座部1上に配設して消毒液ボトル10を載置するための置き台2と、台座部1と連結するカバー部3と、台座部1の下部に配置する足踏みペダル部4と、動作変換機構とを備える。」と記載され、段落[0014]には、「消毒装置の使用前の状態において、足踏みペダル部4を踏み込むと、図1(b)に示すように、足踏みペダル部4の他端上に当接しているパイプ等の棒状体5が上昇し、置き台2を押し上げることができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-100454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公共の場所に設置される可能性のある吐出装置は、安定した状態で設置されることが望ましい。また、吐出装置を使用する者の身長によって、使用しやすい高さが異なるため、高さが調整可能であることが望ましい。
【0006】
特許文献1に開示された消毒装置は、置き台の高さ位置が変更可能であるものの、台座部を構成する支柱の内部に棒状体を挿通させ、棒状体を昇降させる構造であるため、棒状体の昇降に伴い、台座部がぐらつく可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、安定した状態で設置され、適切な使用位置で使用することのできる足踏み式吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、足踏み式吐出装置であって、頭頂部の押し込みにより内容物を吐出する液体入りの容器を載置し、上下方向に移動する棚板と、前記棚板を挿通する複数の支柱と、前記容器の頭頂部と接する頭頂保持部材と、足踏み操作を受け付けるペダルと、前記ペダルの受ける力を前記棚板に伝達する伝達部材と、前記伝達部材と前記棚板とを接続する接続部材であって、前記棚板の設置高さを変更可能な前記接続部材と、を有し、前記ペダルへの足踏み操作により前記棚板が前記複数の支柱に沿って上昇し、前記頭頂保持部材の前記頭頂部の保持により前記頭頂部が押し込まれ、前記容器の内容物が吐出することを特徴とする。
【0009】
前記接続部材は、前記伝達部材に軸支され、回動により異なる面を前記棚板に接続可能であることを特徴としてもよい。
【0010】
前記接続部材は、略直方体形状であって、長手方向を含む第1の面を前記棚板に接続する第1の状態と、前記第1の面を除く第2の面を前記棚板に接続する第2の状態と、に変更可能であることを特徴としてもよい。
【0011】
前記足踏み式吐出装置において、前記第1の状態と前記第2の状態とでは、前記棚板の設置高さが異なり、前記第1の面及び前記第2の面の各々に対向する面に、前記伝達部材を挟持するスリットを有することを特徴としてもよい。
【0012】
前記足踏み式吐出装置は、前記容器の首部分が挿通することにより前記容器を係止する係止部材であって、前記棚板の上部に位置し、前記支柱が挿通する複数の貫通孔を有し、前記複数の支柱に沿って昇降可能である前記係止部材を有することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、安定した状態で設置され、適切な使用位置で使用される足踏み式吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態における足踏み式吐出装置の外観の一例を示す図である。
図2】本実施形態における足踏み式吐出装置の正面図の例である。図2(A)は、第1の状態における足踏み式吐出装置の正面図の一例であり、図2(B)は、第2の状態における足踏み式吐出装置の正面図の一例である。
図3】本実施形態における足踏み式吐出装置の側面図の例である。
図4】本実施形態における接続部材の外観の一例を示す図である。図4(A)は、接続部材の斜視図の例(その1)であり、図4(B)は、接続部材の斜視図の例(その2)である。
図5】本実施形態における接続部材の六面図の例である。図5(A)は、接続部材の平面図であって、図5(B)は、接続部材の左側面図であって、図5(C)は、接続部材の正面図であって、図5(D)は、接続部材の右側面図であって、図5(E)は、接続部材の底面図であって、図5(F)は、接続部材の背面図である。
図6】本実施形態における状態の変更を説明するための図である。図6(A)は、第1の状態における接続部材の外観の一例であり、図6(B)は、第2の状態における接続部材の外観の一例である。
図7】本実施形態における棚板11と係止部材17の外観の一例を示す図である。図7(A)は、棚板11及び係止部材17の外観の一例であり、図7(B)は、棚板11の外観の一例であり、図7(C)は、係止部材17の外観の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
また、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。そして、その逆も同様である。例えば、「直方体」という用語は、「略」を付していないが、発明の要旨に反しない限りにおいて、「略直方体」の意味も当然に包含する。
【0018】
図1は、本実施形態における足踏み式吐出装置1の外観の一例を示す図である。足踏み式吐出装置1は、消毒剤等の液体の容器Pを載置し、ペダルを足で操作することにより容器Pの内容物を吐出させ、手で受けるための装置である。以下、足踏み式吐出装置1に消毒剤を載置し、消毒剤を吐出させる例を用いて説明する。なお、足踏み式吐出装置1において、吐出させる内容物は消毒剤に限定されない。
【0019】
病原菌の体内への侵入を予防するために、手指を消毒するための消毒剤が用いられる。一般的に、消毒剤の入った容器は、頭頂部を押し込むことにより内容物がノズルから吐出する。容器の頭頂部を手で操作すると、手に付着していた病原菌が頭頂部に付着する可能性があり、衛生的でない。本実施形態における足踏み式吐出装置1は、足で操作することにより消毒剤を容器Pのノズルから吐出することができるため、頭頂部を手で操作する必要がなく、衛生的である。
【0020】
足踏み式吐出装置1は、棚板11と、支柱12と、伝達部材13と、基部14と、ペダル15と、頭頂保持部材16と、係止部材17と、頭部カバー18と、後述する接続部材10とを有する。
【0021】
棚板11は、消毒剤の入った容器Pを載置する台であって、支柱12に沿って上下方向に移動する。棚板11は、支柱12が挿通する複数の貫通孔を有する。支柱12は、棚板11と、係止部材17とを上下方向に導く柱である。本実施形態における足踏み式吐出装置1は、複数の支柱12を有する。例えば支柱12は2本である。支柱12を複数有することで、加重が分散するため、足踏み式吐出装置1を安定して設置することができる。
【0022】
伝達部材13は、ペダル15の受ける力を棚板11に伝達する部材である。本実施形態において、伝達部材13は、後述の接続部材10を介して棚板11に荷重を伝達するロッドである。伝達部材13による荷重の伝達により、棚板11が昇降移動する。
【0023】
基部14は、支柱12の各々の下部を固定する。また、基部14は、ペダル15の回転軸を固定する。
【0024】
ペダル15は、使用者による足踏み操作を受け付ける部材である。使用者がペダル15を踏みこむことにより、ペダル15の一端近傍が下方向への加重を受け付けると、ペダル15は回転軸を支点として回動することによりシーソー運動し、ペダル15の他端近傍が上方向に移動する。すると、当該他端近傍に接続された伝達部材13が上昇して棚板11を上昇させる。
【0025】
頭頂保持部材16は、容器Pの頭頂部と接する部材である。例えば頭頂保持部材16は、支柱12の上部を覆う頭部カバー18に取り付けられ、ネジ等により上下方向に移動可能である。頭頂保持部材16は、容器Pのサイズに合わせて上下方向の位置が調整される。
【0026】
係止部材17は、容器Pの首部分が挿通することにより容器Pを係止する部材である。係止部材17は、棚板11の上部に位置し、支柱12が挿通する複数の貫通孔と、容器Pの首部が挿通する貫通孔171(後に詳述)とを有する。係止部材17は、支柱12に沿って昇降可能である。頭部カバー18は、各支柱12の上部を覆うカバーであって、頭頂保持部材16が容器Pの頭頂部に接した状態を保つ。
【0027】
本実施形態における足踏み式吐出装置1は、使用者によるペダル15への加重を受け付けた使用状態と、使用状態以外の待機状態とに状態が変化する。待機状態では棚板11は使用状態より低い位置にあり、容器Pから消毒剤は吐出されない。
【0028】
使用者がペダル15を踏みこむと、ペダル15が回転軸周りに回動し、ペダル15に接続された伝達部材13が荷重を棚板11に伝達し、棚板11が支柱12に沿って上昇する。棚板11に載置された容器Pが棚板11に伴って上昇すると、容器Pの頭頂部が頭頂保持部材16に保持されるため、頭頂部は容器Pの本体方向に押し込まれ、ノズルから容器Pの内容物である消毒剤が吐出する。
【0029】
使用者がペダル15から足を外すと、棚板11及び伝達部材13が自重により下方向に移動し、伝達部材13に接続されたペダル15の一端が下降する。ペダル15の一端の下降に伴い、ペダル15が回転軸周りにシーソー運動し、他端が上昇する。なお、ペダル15の回転軸には、待機状態において棚板11が下降した状態を保つため、ペダル15の使用者側の一端が上昇した状態を保つよう付勢する付勢部材が設けられていてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態における足踏み式吐出装置1の正面図の例である。図2(A)は、第1の状態における足踏み式吐出装置1の正面図の一例であり、図2(B)は、第2の状態における足踏み式吐出装置1の正面図の一例である。図2(A)及び図2(B)に示す足踏み式吐出装置1は、いずれも待機状態にある。
【0031】
本実施形態における足踏み式吐出装置1は、第1の状態と、第2の状態とに変更することができる。第1の状態と、第2の状態とでは、棚板11の位置が異なっており、第2の状態の方が第1の状態よりも棚板11が高い位置に設置される。即ち、待機状態においても第2の状態の方が第1の状態よりも棚板11の位置が高く、使用状態においても第2の状態の方が第1の状態よりも棚板11の位置が高い。
【0032】
足踏み式吐出装置1は、接続部材10を有する。接続部材10は、伝達部材13と棚板11とを接続する部材であって、接続部材10を用いることにより、棚板11の設置高さを変更することができる。
【0033】
図3は、本実施形態における足踏み式吐出装置1の側面図の例である。本図における足踏み式吐出装置1は待機状態にあり、基部14に軸支されたペダル15の一端近傍が荷重を受け付けると、他端近傍に接続された伝達部材13が上昇し、接続部材10を介して棚板11を押し上げる。
【0034】
付言すれば、接続部材10は、棚板11下面において、各支柱12を結ぶ図形の重心近傍に接続されることが望ましい。即ち、支柱12が2本である場合、接続部材10は、棚板11下面において、各支柱12を結ぶ直線の中央近傍に接続されることが望ましい。待機状態から使用状態への遷移の際、支柱12を結ぶ図形の重心近傍から棚板11を押し上げることで、棚板11が水平状態を保ったままスムーズに上昇する。
【0035】
なお、図2及び図3には容器Pが記載されていないが、便宜上、係止部材17が棚板11の上部に記載されている。係止部材17は容器Pの首部分に係止される部材であるため、容器Pがない状態では、係止部材17は棚板11に載った状態となる。
【0036】
図4は、本実施形態における接続部材10の外観の一例を示す図である。図4(A)は、接続部材10の斜視図の例(その1)であり、図4(B)は、接続部材10の斜視図の例(その2)である。図4(A)及び図4(B)には同じ接続部材10が記載されている。
【0037】
接続部材10は、略直方体形状であって、異なる面を棚板11に接続することで、第1の状態と、第2の状態とに変更可能である。接続部材10は、帯部101と、貫通孔102・103・105と、伝達部材支持部104とを有する。
【0038】
帯部101は、接続部材10の長手方向を含む面である第1の面に形成され、貫通孔105を有する。換言すれば、帯部101は、接続部材10の対向する2つの長辺に渡って設けられる部分である。第1の状態の際、帯部101は棚板11の下面に接続される。
【0039】
貫通孔102は、第1の面及び後述の第2の面に隣接する、対向する2面に設けられる一組の孔である。貫通孔102には、回転軸が挿通する。当該回転軸は、伝達部材13の上端近傍に設けられる。即ち、伝達部材13と接続部材10とは、回転軸を介して接続される。
【0040】
貫通孔103は、接続部材10の有する面のうち、第1の面を除く第2の面に設けられる。第2の面は、接続部材10の長手方向を含まない面である。第2の面が棚板11の下面と接続される際、足踏み式吐出装置1は第2の状態にある。貫通孔103には、第2の状態の際に棚板11と接続するためのビスが挿通される。本実施形態における貫通孔103は、第2の面において一組設けられているが、貫通孔103の数は限定されない。
【0041】
伝達部材支持部104は、第1の面に対向する面に設けられ、第1の状態において伝達部材13を支持する。接続部材10は、第1の状態と第2の状態との遷移の際に接続部材10が通過するスリットS1・S2を有する。スリットS1とスリットS2は連続している。スリットS1は第1の面に対向する面に設けられ、スリットS2は第2の面に対向する面に設けられる。伝達部材支持部104は、スリットS1の両側に位置する部分である。
【0042】
貫通孔105は、帯部101に設けられる孔である。貫通孔105には、第1の状態の際に棚板11と接続するためのビスが挿通される。本実施形態における貫通孔105は、帯部101において一組設けられているが、貫通孔105の数は限定されない。
【0043】
図5は、本実施形態における接続部材10の六面図の例である。図5(A)は、接続部材10の平面図であって、図5(B)は、接続部材10の左側面図であって、図5(C)は、接続部材10の正面図であって、図5(D)は、接続部材10の右側面図であって、図5(E)は、接続部材10の底面図であって、図5(F)は、接続部材10の背面図である。なお、第1の状態において、例えば接続部材10の左側面が使用者に向かい合う。また、第2の状態において、例えば接続部材10の正面が使用者に向かい合う。
【0044】
図5(C)には、第1の状態の際に棚板11に接続する第1の面から見た接続部材10が示されている。図5(F)には、第1の面に対向する面に設けられたスリットS1が示されている。スリットS1は、第1の状態において伝達部材13を挟持する。
【0045】
図5(D)には、第2の状態の際に棚板11に接続する第2の面から見た接続部材10が示されている。図5(B)には、第2の面に対向する面に設けられたスリットS2が示されている。スリットS2は、第2の状態において伝達部材13を挟持する。
【0046】
図6は、本実施形態における状態の変更を説明するための図である。図6(A)は、第1の状態における接続部材10の外観の一例であり、図6(B)は、第2の状態における接続部材10の外観の一例である。
【0047】
接続部材10は、貫通孔102を挿通するシャフト19により伝達部材13に軸支され、棚板11に接続されていない状態において回動自在である。接続部材10は、回動により異なる面を棚板11の下面に接続可能である。
【0048】
図6(A)において、第1の状態における接続部材10は、貫通孔105に挿通されるビスにより、第1の面が棚板11の下面に接続されている。第1の状態において、伝達部材13はスリットS1に挟持される。
【0049】
図6(B)において、第2の状態における接続部材10は、貫通孔103に挿通されるビスにより、第2の面が棚板11の下面に接続されている。第2の状態において、伝達部材13はスリットS2に挟持される。
【0050】
接続部材10と棚板11との接続を取り外し、接続部材10を回動させ、異なる面を棚板11に接続することにより、容易に棚板の設置高さを変更することができる。接続部材10が伝達部材13に軸支されているため、接続部材10と伝達部材13が分離移動してしまう心配がない。また、接続部材10を回動させて、第1の状態及び第2の状態の相互の変更が可能であるため、棚板11の設置高さを変更するために、接続部材10のどの部分を棚板11と接続させるかを容易に判断することができ、利便性が高い。
【0051】
ペダル15が操作され、待機状態から使用状態に変化する際に、伝達部材13が横方向に揺れ動くと、棚板11が水平状態を保つことができず、容器Pの位置が安定しない。また、複数の支柱12に沿って棚板11が上下移動する場合に、棚板11の水平状態が損なわれると、棚板11の円滑な上下移動が阻害され、消毒液の吐出に影響を及ぼす。本実施形態における接続部材10は、棚板11の設置高さを変更可能にすることに加え、スリットS1及びスリットS2が伝達部材13を挟持することにより、伝達部材13の横ブレを防ぎ、棚板11を安定して昇降させることができる。
【0052】
なお、伝達部材13の形状は限定されないが、例えば断面が矩形である角柱であってもよい。スリットS1・S2に角柱の対向する2面が接するよう構成することにより、安定して伝達部材13を挟持することができ、より適切に伝達部材13の横ブレを防止することができる。
【0053】
図7は、本実施形態における棚板11と係止部材17の外観の一例を示す図である。図7(A)は、棚板11及び係止部材17の外観の一例であり、図7(B)は、棚板11の外観の一例であり、図7(C)は、係止部材17の外観の一例である。図7(A)に示す係止部材17は、図2及び図3と同様に、便宜上棚板11と頭部カバー18との間に位置するよう記載されているが、容器Pがない状態の係止部材17は、棚板11に載った状態となる。
【0054】
図7(B)に示すように、棚板11は支柱12の数の貫通孔を有し、貫通孔には支柱12が挿通される。本図に記載される棚板11は、使用者や通行人等の身体が触れた場合に怪我をしないよう、縁に丸みを持たせて形成されている。
【0055】
図7(C)に示すように、係止部材17は、容器Pの首部分に貫通孔171を有するほか、支柱12の数の貫通孔を有する。中央の貫通孔171には、容器Pの首部分が挿通され、その他の貫通孔に支柱12が挿通される。
【0056】
容器Pを足踏み式吐出装置1に設置する際、設置する者は、係止部材17を支柱12に沿って持ち上げ、棚板11に容器Pを載置する。その後係止部材17を下げ、貫通孔171に容器Pの首部分を挿通させる。また、頭頂保持部材16を調整し、容器Pの頭頂部に頭頂保持部材16が接する位置に設定する。容器Pの交換の際は、設置とは逆の手順で容器Pを足踏み式吐出装置1から取り外す。
【0057】
即ち、容器Pを足踏み式吐出装置1から取り外す際、頭頂保持部材16が容器Pの頭頂部と接しないよう調整し、係止部材17を持ち上げて容器Pの首部分から取り外す。係止部材17がない状態に比べ、容器Pの取り外しに手順を要するため、容器Pの盗難防止に寄与する。
【0058】
本実施形態の係止部材17によれば、容器Pが棚板11上でずれることを防ぐと共に、容器Pの盗難を防ぐことができる。
【0059】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
【符号の説明】
【0060】
1:足踏み式吐出装置、10:接続部材、11:棚板、12:支柱、13:伝達部材、14:基部、15:ペダル、16:頭頂保持部材、17:係止部材、18:頭部カバー、101:帯部、102・103・105・171:貫通孔、104:伝達部材支持部、P:容器、S1・S2:スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭頂部の押し込みにより内容物を吐出する液体入りの容器を載置し、上下方向に移動する棚板と、
前記棚板を挿通する複数の支柱と、
前記容器の頭頂部と接する頭頂保持部材と、
足踏み操作を受け付けるペダルと、
前記ペダルの受ける力を前記棚板に伝達する伝達部材と、
前記伝達部材と前記棚板とを接続する接続部材であって、前記棚板の設置高さを変更可能な前記接続部材と、を有し、
前記ペダルへの足踏み操作により前記棚板が前記複数の支柱に沿って上昇し、前記頭頂保持部材の前記頭頂部の保持により前記頭頂部が押し込まれ、前記容器の内容物が吐出し、
記接続部材は、前記伝達部材に軸支され、回動により異なる面を前記棚板に接続可能であることを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記接続部材は、略直方体形状であって、長手方向を含む第1の面を前記棚板に接続する第1の状態と、前記第1の面を除く第2の面を前記棚板に接続する第2の状態と、に変更可能であることを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項3】
請求項に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記第1の状態と前記第2の状態とでは、前記棚板の設置高さが異なり、
前記第1の面及び前記第2の面の各々に対向する面に、前記伝達部材を挟持するスリットを有することを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載の足踏み式吐出装置であって、
前記容器の首部分が挿通することにより前記容器を係止する係止部材であって、前記棚板の上部に位置し、前記支柱が挿通する複数の貫通孔を有し、前記複数の支柱に沿って昇降可能である前記係止部材を有することを特徴とする、足踏み式吐出装置。
【請求項5】
頭頂部の押し込みにより内容物を吐出する液体入りの容器を載置し、上下方向に移動する棚板と、
前記棚板を挿通する複数の支柱と、
前記容器の頭頂部と接する頭頂保持部材と、
足踏み操作を受け付けるペダルと、
前記ペダルの受ける力を前記棚板に伝達する伝達部材と、
前記伝達部材と前記棚板とを接続する接続部材であって、前記棚板の設置高さを変更可能な前記接続部材と、を有し、
前記ペダルへの足踏み操作により前記棚板が前記複数の支柱に沿って上昇し、前記頭頂保持部材の前記頭頂部の保持により前記頭頂部が押し込まれ、前記容器の内容物が吐出し、
記容器の首部分が挿通することにより前記容器を係止する係止部材であって、前記棚板の上部に位置し、前記支柱が挿通する複数の貫通孔を有し、前記複数の支柱に沿って昇降可能である前記係止部材を有することを特徴とする、足踏み式吐出装置。