(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078772
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】オールケーシング工法における地中孔掘削装置
(51)【国際特許分類】
E21B 7/20 20060101AFI20220518BHJP
E21B 4/02 20060101ALI20220518BHJP
E21B 11/00 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
E21B7/20
E21B4/02
E21B11/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189673
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】391000508
【氏名又は名称】大容基功工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 幹人
(72)【発明者】
【氏名】戸田 陽三
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB16
2D129BB03
2D129DA17
2D129DA18
2D129DA24
2D129DC05
2D129DC23
2D129DC24
2D129DC33
2D129EA02
2D129EA09
2D129EB08
2D129EB17
2D129EC36
2D129HB12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高トルクに耐えて、変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく、作業効率を向上させ、大径化に対応するオールケーシング工法における地中孔掘削装置を提供する。
【解決手段】ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケット10を掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット10内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置1であって、ケリーバ80の外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたオールケーシング工法における地中孔掘削装置1とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、
掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、
回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してなり、
ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたことを特徴とするオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項2】
ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、
第1支持体と第2支持体を所定間隔離間させて支柱で連結し、
第1支持体の下面に、第2支持体を貫通して掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダを垂下させ、
押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、
第2支持体に配置した回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、
支柱に水平方向に張出・張戻自在な固定プレートを装備してなり、
ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたことを特徴とするオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項3】
第1支持体に装備した固定用油圧シリンダの伸縮動作によって、固定プレートの張出・張戻を行い、ケーシングの内壁の所定の位置に脱着自在に固定する請求項2記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項4】
回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、ケリーバの変形・異常摩耗を防止する請求項1,2又は3記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項5】
回転力伝達面の駆動点が6点となる請求項1,2,3又は4記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項6】
押圧用油圧シリンダのロッドに所定数の延長ロッドを介してロッドヘッドを連結し、ロッドヘッドにベアリングを介して掘削バケットを装着したツールジョイントを接続することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作によって、掘削バケットを伸縮動作可能とした請求項1,2,3,4又は5記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項7】
ケリーバの先端を、掘削バケットを装着したツールジョイントに固定することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作に連動してケリーバを伸縮可能とした請求項6記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項8】
ケリーバの伸縮動作に伴って、中空ドライブ軸内をケリーバが摺動する請求項7記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎杭としての場所打ち杭を打設するために、ケーシングを地中に圧入しながら、ケーシング内を掘削して地中孔を掘削するオールケーシング工法における地中孔掘削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オールケーシング工法は、ケーシングドライバ装置で把持したケーシングを回転させながら地中に圧入し、ケーシング内の土砂を掘削装置で掘削して、地上に排土することによって地中孔を掘削している。そのため、杭の外周に土砂の混入が少なく、支持力の大きな場所打ち杭を施工することができ、場所打ち杭を打設する工法の中ではもっとも信頼性の高い工法といえる。
【0003】
従来、オールケーシング工法における地中孔の掘削は、クレーンに吊支したハンマーグラブをケーシング内の掘削面に自重落下させて、その衝撃によって掘削したり、クレーンに吊支した回転力伝達手段であるケリーバに装備した掘削ドリルや掘削バケットをケーシング内の掘削面に挿入し、回転駆動させて掘削することにより行っていた。しかしながら、前者の掘削手段は、自重落下による振動や騒音の問題があり、又一度につかみ取ることが可能な土砂の量が少ないという問題点がある。後者の掘削手段もケリーバの回転駆動源が地上に存在するため、騒音の問題があり、しかも地中孔が深くなればなるほど掘削ドリルと回転駆動源との距離が遠くなるため、回転駆動装置が大型化してしまい、騒音も増幅することとなる。
【0004】
そこで、本願出願人は振動や騒音の軽減を図り、装置を小型化・軽量化するために、特許文献1に示す、ケーシングの内壁に脱着自在に固定した地中孔掘削装置の掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込む地中孔掘削装置(以下、「文献1発明」という)を既に提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
文献1発明では、掘削バケットを回転駆動するケリーバの回転駆動源としての回転用油圧モータや、掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダを地中孔掘削装置に一体として装備してケーシング内に位置させているため、掘削時の騒音を緩和することができ、加えて掘削バケットを回転させて圧入するため、振動も少ない。
【0007】
地中孔の掘削に際しては、掘削精度を維持した上で、掘削作業におけるサイクルタイムを短縮させ、併せて掘削ピッチの改善を図ることにより単位時間内における掘削回数や掘削土量を増加させて作業効率を向上させることが求められる。作業効率の向上は地中孔の掘削径や掘削深さに関わりなく求められているものの、近時の場所打ち杭は、構築物の高層化,必要な耐震強度の増大等により、これまで主体となっていた杭径1200mmを超えて、杭径1500mm、更にはより大径の杭径2000mmに達するような場所打ち杭の打設が求められるようになっており、より作業効率の向上が喫緊の課題となっている。
【0008】
文献1発明等のケリーバを使用する地中孔掘削装置において、作業効率、中でも掘削ピッチの改善を図る直接的な手段は、掘削バケットの回転トルクを上げて掘削能力を上げることであり、そのためには回転用油圧モータの回転数を上げるとともに適切に減速して、回転用油圧モータからケリーバに高トルクの回転力を供給することが必要となる。また、掘削作業のサイクルタイムや掘削ピッチは掘削地盤の土質によっても大きな影響を受け、硬質地盤の場合にも、同様に高トルクの回転力をケリーバに供給する必要がある。一方、ケリーバには、高トルクに耐えて、変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく掘削バケットに回転力を伝達し、産業機械として安定して使用可能な堅牢性・耐久性が求められる。
【0009】
文献1発明では、
図12に示す従動軸となる断面矩形のケリーバ300の外周に、
図14に示す駆動軸となる断面略矩形状であって、各面に円弧状の膨らみを形成した中空ドライブ軸310を嵌合し、回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸310の回転力をケリーバ300の外周面に伝達している。
図13の矢印Aに示すように、中空ドライブ軸310から伝達される時計方向の回転力の駆動点320は、ケリーバ300の角部における4点となり、ケリーバ300の外周面と中空ドライブ軸310の内周面の一部から形成される回転力伝達面も4面となる。文献1発明にかかわらず、オールケーシング工法における地中孔掘削装置の回転力伝達機構として使用されているケリーバはいずれも断面矩形のものが使用されている。
【0010】
加えて、中空ドライブ軸310は、断面略矩形状であるものの円弧状の膨らみを有しており、一方ケリーバ300は断面矩形であるため、
図13に示すように、両者を嵌合させた使用状態において、中空ドライブ軸310とケリーバ300との間に回転力の伝達に寄与しない間隙330が発生することとなる。
【0011】
そのため、文献1発明等において使用しているケリーバ300や中空ドライブ軸310の回転力伝達面が4面の従来技術では、駆動点320が4点であり、間隙330も存在するため、中空ドライブ軸310とケリーバ300との一体感・密着性が十分とはいえなかった。従来の地中孔掘削で使用するトルクでは特に支障はなかったものの、回転力伝達の作業効率の向上や大径化に対応するために回転用油圧モータから供給する回転トルクを従来トルクより1.2倍程度以上、具体的には文献1発明で9ton/m~12ton/mに上げると、土質等によっては過大な負荷となったり、或いは長期使用をすると回転力伝達面にかかる繰り返しのねじり荷重等により、ケリーバの回転力伝達面が変形したり、異常摩耗等により損傷して、使用できなくなることがある。そのため、ケリーバの損傷による作業の中断を避けるため、日々の始業・終業時の点検作業を始め随時、変形や異常摩耗の有無を確認する必要があり、作業中に変形や異常摩耗が発生し、作業に異常を来した場合は、作業を中断してケリーバの交換やメンテナンスのために掘削作業の中断を生じてしまうことがあった。
【0012】
そこで、本発明は、掘削バケットの回転トルクを上げることを実現するため、回転用油圧モータからケリーバに高トルクの回転力を供給するために、高トルクに耐えて、変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく産業機械として要求される堅牢性・耐久性を発揮するケリーバを提供することにより、作業効率を向上させ、大径化に対応するオールケーシング工法における地中孔掘削装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明はその目的を達成するために、請求項1により、ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してなり、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたオールケーシング工法における地中孔掘削装置を基本として提供する。
【0014】
より具体的には、請求項2により、ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、第1支持体と第2支持体を所定間隔離間させて支柱で連結し、第1支持体の下面に、第2支持体を貫通して掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダを垂下させ、押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、第2支持体に配置した回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、支柱に水平方向に張出・張戻自在な固定プレートを装備してなり、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたオールケーシング工法における地中孔掘削装置を提供する。
【0015】
そして、請求項3により、第1支持体に装備した固定用油圧シリンダの伸縮動作によって、固定プレートの張出・張戻を行い、ケーシングの内壁の所定の位置に脱着自在に固定する。更に、請求項4により、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、ケリーバの変形・異常摩耗を防止する。また、請求項5により、回転力伝達面の駆動点を6点とし、請求項6により、押圧用油圧シリンダのロッドに所定数の延長ロッドを介してロッドヘッドを連結し、ロッドヘッドにベアリングを介して掘削バケットを装着したツールジョイントを接続することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作によって、掘削バケットを伸縮動作可能とした。
【0016】
更に、請求項7により、ケリーバの先端を、掘削バケットを装着したツールジョイントに固定することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作に連動してケリーバを伸縮可能とし、請求項8により、ケリーバの伸縮動作に伴って、中空ドライブ軸内をケリーバが摺動する構成を提供する。
【発明の効果】
【0017】
以上記載した本発明によれば、回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合するとともに、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたことにより、中空ドライブ軸の内周面とケリーバの外周面が同一の断面形状となり、両者の間に不要な間隙を生じることなく密着性が高まるとともに、中空ドライブ軸からケリーバに伝達される回転力の駆動点が6点となる。よって、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、中空ドライブ軸やケリーバは、掘削バケットの回転トルクを上げるための回転用油圧モータからケリーバに供給する回転力の高トルク化に耐えることができる。具体的には文献1発明に比較して1.2倍~1.6倍程度のトルクに対応することが可能となる。そのため、中空ドライブ軸やケリーバが変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく産業機械として要求される堅牢性・耐久性を発揮することができるとともに、長期使用も可能となる。
【0018】
その結果、掘削バケットの回転トルクを上げることが可能となって、掘削時間を短縮することや硬質地盤にも対応することが可能となり、オールケーシング工法における地中孔掘削の作業効率を向上させるとともに、地中孔の大径化にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】オールケーシング工法における地中孔掘削装置の全体配置図。
【
図2】(A)(B)(C)(D)(E)オールケーシング工法の工程模式図。
【
図7】(A)ケリーバの中央横断面図,(B)ケリーバの正面図。
【
図9】ケリーバと中空ドライブ軸の嵌合状態を示す要部断面図。
【
図10】(A)中空ドライブ軸の中央横断面図,(B)中空ドライブ軸の正面図。
【
図12】(A)従来のケリーバの中央横断面図,(B)従来のケリーバの正面図。
【
図13】従来のケリーバと中空ドライブ軸の嵌合状態を示す要部断面図。
【
図14】(A)従来の中空ドライブ軸の中央縦断面図,(B)従来の中空ドライブ軸の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1はオールケーシング工法における地中孔掘削装置の全体配置図、
図2はその工程模式図である。
図1に示すように、地中孔の掘削箇所に設置したケーシングドライバ装置200で、先端にビット5aを装備したケーシング5を把持して回転させながら地中に圧入し、ケーシング5内の土砂を地中孔掘削装置1で掘削し、地上に排土することにより地中孔を掘削する。
【0021】
地中孔掘削装置1は、クローラクレーン等の自走可能なベースマシン205に起伏自在に起立させたジブ210の先端に配置したシーブ215から垂下させたワイヤロープ等の支持索220にスイベルを介して吊支して、
図1,
図2(A)に示すようにケーシング5内に挿入し、
図2(B)に示すように固定プレート55を張り出して、ケーシング5の内壁に脱着自在に固定する。地中孔掘削装置1には、地上から動力源としての作動油が、油圧ホースリール225に所定長さ巻回した油圧ホース230をベースマシン205に装備したシーブ235を介してケーシング5内に繰り出して供給する。同様に、地上から動力源としての電力が、キャブタイヤケーブルリール240に所定長さ巻回したキャブタイヤケーブル245をベースマシン205に装備したシーブ235を介してケーシング5内に繰り出して供給する。
図1において、250は地中孔掘削装置1に所定の作動油を供給するための油圧ユニットである。
【0022】
次に、
図2(C)に示すように掘削バケット10を掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット10内に掘削した土砂を取り込む。そして、掘削バケット10に所定量の土砂を取り込むと、
図2(D)に示すように地中孔掘削装置1をケーシング5の内壁から開放して地上に取り出し、
図2(E)に示すように、掘削バケット10から掘削した土砂を排土し、以後この作業を地中孔が所定の深さとなるまで繰り返して行う。なお、
図2において図示した地中孔掘削装置1は本実施形態とは異なるタイプであるが、作業工程は共通であり、又文献1発明の作業工程とも共通である。
【0023】
図3は本発明にかかる地中孔掘削装置1の全体斜視図、
図4はその要部断面図である。第1支持体20と第2支持体30は、共に内部に必要な機材を装備するために中空の円柱体であり、両者を所定間隔離間させて、所定本数の支柱40、本実施形態では、3本の支柱40を円周状に同間隔で配置して連結している。第1支持体20内には作動油や電力等を制御する所要の機器を装備している。なお、図では、構成の説明を判りやすくするために1本の支柱40のみを図示している。
図5は支柱40近傍の要部説明図であり、支柱40は第2支持体30の上面に固定される支柱基板41上に所定面積の窓部42を有する支持枠43を立設し、支持枠43の上面に左右一対の棹部44を一定間隔離間させて立設している。棹部44の上端には第1連結孔45を穿設形成するとともに、上端近傍に地中孔掘削装置1の中心方向に向けて膨出片46を形成し、膨出片46に第2連結孔47を穿設している。
【0024】
第1支持体20の下面には、支持ブラケット21が垂下されている。支持ブラケット21は、中央部の軸部22と、軸部22から第1支持体20下面の縁部まで支柱40の配置に合わせて放射状に延設された所定本数の腕部23と、腕部23の先端に穿設形成した支柱用連結孔24を有している。本実施形態では3本の腕部23を有しており、左右一対の棹部44で腕部23の先端を挟持し、腕部23の支柱用連結孔24と棹部44の第1連結孔45の位置を合わせて、支柱用連結ピン25で固定することにより、第1支持体20と支柱40を連結している。
【0025】
そして、窓部42に地中孔掘削装置1をケーシング5の内壁に脱着自在に固定するための固定プレート55を水平方向に張出・張戻自在に装備している。この固定プレート55の裏面にはリンク56の一端を連結し、リンク56の他端を、固定用油圧シリンダ50のロッド(図示略)に装着した連結ロッド51に連結するとともに、リンク56の他端と連結ロッド51を一体として、張出同調治具60の外周に等間隔で配置した同調ブラケット61に同調用連結ピン62で固定している。そして、固定用油圧シリンダ50のヘッドを支柱40の棹部44の膨出片46に形成した第2連結孔47に固定用連結ピン52で固定している。よって、固定用油圧シリンダ50のロッドを伸長させることによって、リンク56及び張出同調治具60が押し下げられて(
図4の仮想線参照)、リンク56に連結した固定プレート55が支柱40の窓部42から水平方向に張り出して、ケーシング5の内壁に圧接することにより、地中孔掘削装置1をケーシング5の内壁に固定する。また、固定用油圧シリンダ50のロッドを縮小させることによって、リンク56及び張出同調治具60が押し上げられて、リンク56に連結した固定プレート55を窓部42から第2支持体30の径内に張り戻して、地中孔掘削装置1をケーシング5の内壁から開放する。
【0026】
第1支持体20の上面には、中央部が膨出した十字状の吊支ブラケット26が突設されており、中央部に穿設した吊支孔26aに支持索220を連結することにより、地中孔掘削装置1をベースマシン205のジブ210からケーシング5内に巻き出し・巻き戻し自在に吊支する。
【0027】
第1支持体20の下面中央部には、第2支持体30を貫通して掘削バケット10を伸縮動作させる押圧用油圧シリンダ70を垂下している。即ち、第1支持体20の下面に垂下させた支持ブラケット21の中央部の軸部22に形成した連結雌部22aに、押圧用油圧シリンダ70のヘッドに形成した連結雄部71を挿入して押圧用連結ピン72で固定して、第1支持体20に吊支している。そして、ケリーバ80内に押圧用油圧シリンダ70を挿通するとともに、押圧用油圧シリンダ70とケリーバ80を一体として、張出同調治具60の中央部に形成した貫通孔63を貫通するとともに、更に第2支持体30を貫通している。よって、ケリーバ80は、押圧用油圧シリンダ70のシリンダチューブ78の外周において軸方向に摺動可能である。
【0028】
第2支持体30を貫通したケリーバ80の先端に、ケリーバ80より径大の拡径ハット部81を連設し、該拡径ハット部81の先端外周には水平方向に張り出したケリーバフランジ81aを形成している。拡径ハット部81内には、ベアリング92を装備したベアリングケース90が収納されており、その下端外周には水平方向に張り出したベアリングケースフランジ90aを形成している。なお、91はベアリングケース90のシールプレートである。15は、掘削バケット10を連結するためのツールジョイントであり、その上端外周には水平方向に張り出したツールジョイントフランジ15aを形成している。これらのケリーバフランジ81a,ベアリングケースフランジ90a,ツールジョイントフランジ15aは同径であって、これらを密接させて連結ボルト95で一体に固定する。よって、ケリーバ80の回転に連動して、ベアリングケース90及びツールジョイント15が一体として回転し、その回転力をツールジョイント15に装着した掘削バケット10に伝達して回転駆動させる。
【0029】
ケリーバ80内に挿通した押圧用油圧シリンダ70のロッド73は、ケリーバ80内に侵入し、先端に所定長さの延長ロッド74を所定数だけ連結して延長ロッド固定ピン75で固着するとともに、延長ロッド74の先端に所定長さのロッドヘッド76を連結し、挿通孔84からロッドヘッド固定ピン77を挿通して固着する。ロッドヘッド76の先端はベアリングケース90内に侵入して、シールプレート91で覆蓋してシールしている。ケリーバ80とシリンダチューブ78との間には間隙があるため、ケリーバ80の回転に連動してシリンダチューブ78が回転することはない。しかしながら、ロッドヘッド76を直接ツールジョイント15側に固定すると、ロッドヘッド76,延長ロッド74及びロッド73は、ケリーバ80と同回転することになって、ロッド73を伸縮動作させるためのピストン部材等の損傷に繋がる怖れがある。そこで、ロッドヘッド76とケリーバ80の間にベアリング92を介在させることによって、ケリーバ80の回転時には常にベアリング92を回転させてケリーバ80の回転を吸収し、ケリーバ80の回転が押圧用油圧シリンダ70のロッド73に伝わらないようにしている。
【0030】
掘削バケット10は、所定容量の中空部を有するとともに、先端にビット11aを有して開閉軸12を支点として開閉自在な開閉蓋11を装備しており、ケリーバ80からの回転力によって回転駆動し、ビット11aでケーシング5の底部の掘削面を掘削し、掘削した土砂を中空部に取り込むことができる。なお、この掘削バケット10の構成は公知である。
【0031】
第2支持体30の上面には3個の回転用油圧モータ31が円周状に等間隔で配置されており、出力された回転力は、
図4,
図6に示すように、各出力軸に装着したピニオンギヤ36から、中空ドライブ軸35の外周面にニードルベアリング34を軸受けとして嵌合した上部サンギヤ37及び下部サンギヤ38に伝達されて、適切に減速されて中空ドライブ軸35に供給される(
図4,
図6参照)。
【0032】
また、中空ドライブ軸35の中央部に付設した中空ドライブ軸フランジ35bの上面には4個の遊星ギヤ39が円周状に等間隔で配置されて、下部サンギヤ38に噛合するとともに、第2支持体30を構成する環状枠体32の内周面に配置したインターナルギヤ33に噛合している。この遊星ギヤ39は、下部サンギヤ38から伝達される回転力によって自転するとともに、中空ドライブ軸35の回転に連動してインターナルギヤ33に沿って、公転する。
【0033】
よって、中空ドライブ軸35は第2支持体30内において、回転用油圧モータ31からの回転力をピニオンギヤ36から受ける上部サンギヤ37及び下部サンギヤ38によって所定のトルクで回転駆動する。また、下部サンギヤ38と環状枠体32のインターナルギヤ33の双方に遊星ギヤ39が噛合しているため、中空ドライブ軸35は、鉛直方向に支持された状態で安定して回転駆動する。なお、回転用油圧モータ31及び遊星ギヤ39はそれぞれ3個,4個に限ることなく、適宜の数を設置することが可能である。
【0034】
中空ドライブ軸35は、ケリーバ80の外周に嵌合しており、中空ドライブ軸35が回転用油圧モータ31で回転駆動されることによって駆動軸となり、従動軸としてのケリーバ80を回転させる。そのため、ケリーバ80の回転に連動して、ケリーバ80の先端に固着したツールジョイント15に装着した掘削バケット10が回転駆動し、ケーシング5の底面における掘削面で土砂を掘削する。
【0035】
押圧用油圧シリンダ70のロッドヘッド76とケリーバ80の間にベアリング92を介在させているため、ケリーバ80が回転駆動してもその回転力はベアリング92で吸収され、ロッドヘッド76に伝わることはない。そのため、ケリーバ80が回転しても押圧用油圧シリンダ70は回転することがない。
【0036】
よって、地中孔の掘削に際しては、押圧用油圧シリンダ70のロッド73を伸長させて、掘削バケット10を常に掘削面に押圧しながら、回転用油圧モータ31を駆動させて、その回転力を減速して中空ドライブ軸35に伝達してケリーバ80を回転させることにより掘削バケット10を回転させて、土砂を掘削し、掘削した土砂を掘削バケット10の内部に取り込む。
【0037】
本発明の課題は、掘削バケット10の回転トルクを上げることを実現するために、掘削バケット10への新規な回転力伝達機構を提供することにある。そのための特徴的構成として本発明では、中空ドライブ軸35からケリーバ80への回転力伝達面を断面六角形としている。この特徴的構成を
図7~
図11に基づいて説明する。
図7(A)はケリーバ80の中央横断面図、(B)はその正面図、
図8はその斜視図である。
図10(A)は中空ドライブ軸35の中央横断面図、(B)はその正面図で、
図11はその斜視図である。
【0038】
図7,
図8に示すように、ケリーバ80は所定長さの中空筒状体であり、その内周面82は、押圧用油圧シリンダ70のシリンダチューブ78の外周面に摺動可能に配置するため、シリンダチューブ78の外周面の断面形状と同様に、断面円形としている。一方、中空ドライブ軸35からケリーバ80への回転力伝達面となるケリーバ80の外周面83及び中空ドライブ軸35の内周面35aは、断面形状をともに断面六角形としている。
【0039】
図9に示すように、中空ドライブ軸35の内周面35aに嵌合したケリーバ80は、その回転力伝達面が従来の四面から六面に増加するため、回転用油圧モータ31から中空ドライブ軸35を介してケリーバ80に伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することができる。即ち、
図9の矢印Aに示すように、中空ドライブ軸35から伝達される時計方向の回転力の駆動点85は、ケリーバ80の角部における6点となり、ケリーバ80の外周面83と中空ドライブ軸35の内周面35aから形成される回転力伝達面も6面となる。これにより、従来に比較して高トルクに耐えて、ケリーバ80の変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく産業機械として要求される堅牢性・耐久性を発揮することが可能となる。そのため、
図12に示す断面矩形のケリーバ300を使用して掘削バケット10に回転力を伝達する従来例に比較して、掘削バケット10の回転トルクを上げることが可能となり、単位時間内における掘削回数や掘削土量を増加させて作業効率を向上させることが可能となるとともに、近時要求されている地中孔の大径化にも対応することが可能となる。
【0040】
本発明は、ケリーバ80の外周面83及び中空ドライブ軸35の内周面35aを断面六角形とすることによって回転力伝達面を六面としたことを特徴的構成としている。これは、作業効率の向上や大径の地中孔に対応するために、従来の地中孔掘削装置よりも高トルクでケリーバを回転させることが求められているが、文献1発明等に示す従来の四面からなる回転力伝達面では、長期間の使用や負荷が過大となった場合に、回転力伝達面の変形や異常摩耗が生じ、掘削を中断してメンテナンスを必要としたり、場合によっては地中孔掘削装置の交換をせざるを得ない場合もあって高トルク化を実現することが困難であった。そこで、ケリーバ80に供給される回転力を受ける回転力伝達面を四面から六面に分散させて、個々の回転力伝達面が受ける回転力を軽減することによって、ケリーバ80の変形や異常摩耗を防いで高トルク化に対応可能としたものである。具体的には、文献1発明では最大トルク12ton/m程度であったが、本発明を採用することによって、摩耗や損傷を生じることなく、15.35ton/mに増加させることができた。
【0041】
なお、回転力を分散させるのであれば、六面よりも八面,十面等と回転力伝達面を増やすことも考えられるが、八面以上に回転力伝達面を増加させることは円に近づくこととなり、トルク伝達方向と伝達面の角度が小さくなって回転ロック時のトルク伝達面の滑り力が増大し、空回りが発生することから、返って伝達する回転力を損失することとなる。そのため、試行錯誤の結果、六面に想到したものである。六面とすれば従来と同一の素材で、回転力のトルクを倍増することを実現できた。また、回転力伝達面を五面や七面の奇数とすることは、ケリーバ内部に配置する各種部材を直交させることができず、又回転力伝達の効率が悪く、変形や異常摩耗を生じるため、採用しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上記載した本発明によれば、回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合するとともに、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形としたことにより、中空ドライブ軸の内周面とケリーバの外周面が同一の断面形状となり、両者の間に不要な間隙を生じることなく密着性が高まるとともに、中空ドライブ軸からケリーバに伝達される回転力の駆動点が6点となる。よって、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、中空ドライブ軸やケリーバは、掘削バケットの回転トルクを上げるための回転用油圧モータからケリーバに供給する回転力の高トルク化に耐えることができる。具体的には文献1発明に比較して1.2倍~1.6倍程度のトルクに対応することが可能となる。そのため、中空ドライブ軸やケリーバが変形や異常摩耗等による損傷を受けることなく産業機械として要求される堅牢性・耐久性を発揮することができるとともに、長期使用も可能となる。
【0043】
その結果、掘削バケットの回転トルクを上げることが可能となって、掘削時間を短縮することや硬質地盤にも対応することが可能となり、オールケーシング工法における地中孔掘削の作業効率を向上させるとともに、地中孔の大径化にも対応することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…地中孔掘削装置
5…ケーシング
5a…ビット
10…掘削バケット
11…開閉蓋
11a…ビット
12…開閉軸
15…ツールジョイント
15a…ツールジョイントフランジ
20…第1支持体
21…支持ブラケット
22…軸部
22a…連結雌部
23…腕部
24…支柱用連結孔
25…支柱用連結ピン
26…吊支ブラケット
26a…吊支孔
30…第2支持体
31…回転用油圧モータ
32…環状枠体
33…インターナルギヤ
34…ニードルベアリング
35…中空ドライブ軸
35a…内周面
35b…中空ドライブ軸フランジ
36…ピニオンギヤ
37…上部サンギヤ
38…下部サンギヤ
39…遊星ギヤ
40…支柱
41…支柱基板
42…窓部
43…支持枠
44…棹部
45…第1連結孔
46…膨出片
47…第2連結孔
50…固定用油圧シリンダ
51…連結ロッド
52…固定用連結ピン
55…固定プレート
56…リンク
60…張出同調治具
61…同調ブラケット
62…同調用連結ピン
63…貫通孔
70…押圧用油圧シリンダ
71…連結雄部
72…押圧用連結ピン
73…ロッド
74…延長ロッド
75…延長ロッド固定ピン
76…ロッドヘッド
77…ロッドヘッド固定ピン
78…シリンダチューブ
80…ケリーバ
81…拡径ハット部
81a…ケリーバフランジ
82…内周面
83…外周面
85…駆動点
90…ベアリングケース
90a…ベアリングケースフランジ
91…シールプレート
92…ベアリング
200…ケーシングドライバ装置
205…ベースマシン
210…ジブ
215,235…シーブ
220…支持索
225…油圧ホースリール
230…油圧ホース
240…キャブタイヤケーブルリール
245…キャブタイヤケーブル
250…油圧ユニット
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、
掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、
回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、
ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形とすることにより、
回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに高トルクの回転力を供給可能としたことを特徴とするオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項2】
ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、
第1支持体と第2支持体を所定間隔離間させて支柱で連結し、
第1支持体の下面に、第2支持体を貫通して掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダを垂下させ、
押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、
第2支持体に配置した回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、
支柱に水平方向に張出・張戻自在な固定プレートを装備してなり、
ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形とすることにより、
回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに高トルクの回転力を供給可能としたことを特徴とするオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項3】
第1支持体に装備した固定用油圧シリンダの伸縮動作によって、固定プレートの張出・張戻を行い、ケーシングの内壁の所定の位置に脱着自在に固定する請求項2記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項4】
回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、ケリーバの変形・異常摩耗を防止する請求項1,2又は3記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項5】
回転力伝達面の駆動点が6点となる請求項1,2,3又は4記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項6】
押圧用油圧シリンダのロッドに所定数の延長ロッドを介してロッドヘッドを連結し、ロッドヘッドにベアリングを介して掘削バケットを装着したツールジョイントを接続することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作によって、掘削バケットを上下動可能とした請求項1,2,3,4又は5記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項7】
ケリーバの先端を、掘削バケットを装着したツールジョイントに固定することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作に連動してケリーバを上下動可能とした請求項6記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【請求項8】
ケリーバの上下動に伴って、中空ドライブ軸内をケリーバが摺動する請求項7記載のオールケーシング工法における地中孔掘削装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明はその目的を達成するために、請求項1により、ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形とすることにより、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに高トルクの回転力を供給可能としたオールケーシング工法における地中孔掘削装置を基本として提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
より具体的には、請求項2により、ケーシングの内壁に脱着自在に固定し、掘削バケットを掘削面に押圧しながら回転させて掘削し、掘削バケット内に掘削した土砂を取り込むオールケーシング工法における地中孔掘削装置であって、第1支持体と第2支持体を所定間隔離間させて支柱で連結し、第1支持体の下面に、第2支持体を貫通して掘削バケットを押圧する押圧用油圧シリンダを垂下させ、押圧用油圧シリンダの外周に、掘削バケットに回転力を伝達するケリーバを摺動可能に配置し、第2支持体に配置した回転用油圧モータによって回転駆動する中空ドライブ軸をケリーバの外周に嵌合してケリーバを回転させるとともに、支柱に水平方向に張出・張戻自在な固定プレートを装備してなり、ケリーバの外周面及び中空ドライブ軸の内周面からなる回転力伝達面を断面六角形とすることにより、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに高トルクの回転力を供給可能としたオールケーシング工法における地中孔掘削装置を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
そして、請求項3により、第1支持体に装備した固定用油圧シリンダの伸縮動作によって、固定プレートの張出・張戻を行い、ケーシングの内壁の所定の位置に脱着自在に固定する。更に、請求項4により、回転用油圧モータから中空ドライブ軸を介してケリーバに伝達する回転力を、回転力伝達面の六面にそれぞれ分散して伝達することにより、ケリーバの変形・異常摩耗を防止する。また、請求項5により、回転力伝達面の駆動点を6点とし、請求項6により、押圧用油圧シリンダのロッドに所定数の延長ロッドを介してロッドヘッドを連結し、ロッドヘッドにベアリングを介して掘削バケットを装着したツールジョイントを接続することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作によって、掘削バケットを上下動可能とした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
更に、請求項7により、ケリーバの先端を、掘削バケットを装着したツールジョイントに固定することによって、押圧用油圧シリンダの伸縮動作に連動してケリーバを上下動可能とし、請求項8により、ケリーバの上下動に伴って、中空ドライブ軸内をケリーバが摺動する構成を提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
第1支持体20の下面中央部には、第2支持体30を貫通して掘削バケット10を上下動作させる押圧用油圧シリンダ70を垂下している。即ち、第1支持体20の下面に垂下させた支持ブラケット21の中央部の軸部22に形成した連結雌部22aに、押圧用油圧シリンダ70のヘッドに形成した連結雄部71を挿入して押圧用連結ピン72で固定して、第1支持体20に吊支している。そして、ケリーバ80内に押圧用油圧シリンダ70を挿通するとともに、押圧用油圧シリンダ70とケリーバ80を一体として、張出同調治具60の中央部に形成した貫通孔63を貫通するとともに、更に第2支持体30を貫通している。よって、ケリーバ80は、押圧用油圧シリンダ70のシリンダチューブ78の外周において軸方向に摺動可能であり、押圧用油圧シリンダ70の伸縮動作に連動して上下動可能である。