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  • 特開-可動間仕切り構造 図1
  • 特開-可動間仕切り構造 図2
  • 特開-可動間仕切り構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078913
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】可動間仕切り構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20220518BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20220518BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
E04H1/04 A
E04H1/02
E05D15/00 B
E05D15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189911
(22)【出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(72)【発明者】
【氏名】川端 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】横内 浩史
(72)【発明者】
【氏名】三塚 堅一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩三
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘章
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅之
(72)【発明者】
【氏名】高木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】長岡 哲二
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA01
2E025AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】間仕切り自在に隣接させて個別空間同士の相関を良好にすることで、居住空間内の対人関係やライフスタイルを改善する可動間仕切り構造を提供する。
【解決手段】居住空間R内を個別空間に間仕切る可動間仕切り構造であって、個別空間は、第1空間1と、第2空間2と、第3空間3と、第4空間4と、を含み、第1空間と第2空間とは、隣接し、第3空間と第4空間とは、隣接し、第1空間と第3空間とは、隣接し、かつ第1可動間仕切り壁5で間仕切り自在であり、第2空間と第4空間とは、隣接し、かつ第2可動間仕切り壁6で間仕切り自在であり、第1可動間仕切り壁5と第2可動間仕切り壁とは、レール7に沿って配置自在であり、レールは、少なくとも第1空間から第2空間に渡る第1レール71と、第1レール71と交わる第2レール72とを有し、第2レール72は、第1空間及び/又は第2空間に隣接する戸袋8に通じている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住空間内を個別空間に間仕切る可動間仕切り構造であって、
個別空間は、第1空間と、第2空間と、第3空間と、第4空間と、を含み、
第1空間と第2空間とは、隣接し、
第3空間と第4空間とは、隣接し、
第1空間と第3空間とは、隣接し、かつ第1可動間仕切り壁で間仕切り自在であり、
第2空間と第4空間とは、隣接し、かつ第2可動間仕切り壁で間仕切り自在であり、
第1可動間仕切り壁と第2可動間仕切り壁とは、レールに沿って配置自在であり、
レールは、少なくとも第1空間から第2空間に渡る第1レールと、第1レールと交わる第2レールとを有し、
第2レールは、第1空間及び/又は第2空間に隣接する戸袋に通じている
ことを特徴とする可動間仕切り構造。
【請求項2】
戸袋は、第1空間と第2空間との間に設けられ、
第1可動間仕切り壁及び第2可動間仕切り壁は、ヒンジ式ドアを備えていない
ことを特徴とする請求項1に記載の可動間仕切り構造。
【請求項3】
戸袋は、第1空間又は第2空間の側部に設けられ、
第1可動間仕切り壁及び第2可動間仕切り壁の少なくとも一方は、ヒンジ式ドアを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の可動間仕切り構造。
【請求項4】
第1空間及び第2空間は、居間であり、
第3空間は、リビングダイニングであり、
第4空間は、キッチンである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可動間仕切り構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅や戸建て住宅における居住空間の可動間仕切り構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、集合住宅における居住空間では、間仕切り壁で仕切って間取りを形成していた。間仕切り壁の種類には、固定式又は可動式があり、間取りを形成する個別空間の場所や機能・用途に応じて決定されることもあった。可動式の間仕切り壁は、居住者の好みや都合に応じて間仕切り自在であることから、隣接する他の個別空間の利活用を考慮して採用されることもあった。
【0003】
例えば、特許文献1には、全ての水廻り設備を1箇所に集約して間取り変更の自由度を高くする可動間仕切り構造が開示されている。詳細には、可動間仕切り構造は、水廻り設備とフリー空間領域とを区画する可動間仕切りと、可動間仕切りを収納する収納部と、可動間仕切りを配置させるレール機構とを備え、レール機構を構成する個々のレールは、フリー空間領域を可動間仕切りでさらに所定の領域に仕切る位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-131971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、水廻り設備のうち、可動間仕切りを介してフリー空間領域と隣接しているのはキッチンのみであり、調理台がフリー空間領域と逆側を向いており、調理がフリー空間領域に背を向けた状態で行われることから、キッチンの範囲が不明瞭である。すなわち、特許文献1の可動間仕切りは、キッチンを区画するものであり、区画済みのキッチンと他の空間とを間仕切り自在にするものではない。
【0006】
発明者等は、キッチンのように機能・用途を伴う個別空間毎の利便性及び快適性と、隣接する個別空間同士の相関とには、因果関係があると想定している。すなわち、区画済みの個別空間同士を間仕切り自在にすれば、個別空間同士の相関が良好になるばかりでなく、個別空間の各々の利便性及び快適性も向上することから、居住空間内の対人関係やライフスタイルの改善を望む居住者特有の課題を解決する着想に、発明者等は辿り着いた。
【0007】
例えば、2つ以上の個別空間が直列に隣接している個別空間群同士が並列に隣接している間取りの場合、並列に隣接している双方の個別空間群に含まれる個別空間同士を間仕切り自在にして上記個別空間同士の相関が良好になれば、上記個別空間の各々の利便性及び快適性が向上するのみならず、直列に隣接している個別空間同士の相関の改善にもつながる見込みがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、間仕切り自在に隣接させて個別空間同士の相関を良好にすることで、上記個別空間の各々の利便性及び快適性も向上させ、居住空間内の対人関係やライフスタイルを改善する可動間仕切り構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、居住空間内を個別空間に間仕切る可動間仕切り構造であって、個別空間は、第1空間と、第2空間と、第3空間と、第4空間と、を含み、第1空間と第2空間とは、隣接し、第3空間と第4空間とは、隣接し、第1空間と第3空間とは、隣接し、かつ第1可動間仕切り壁で間仕切り自在であり、第2空間と第4空間とは、隣接し、かつ第2可動間仕切り壁で間仕切り自在であり、第1可動間仕切り壁と第2可動間仕切り壁とは、レールに沿って配置自在であり、レールは、少なくとも第1空間から第2空間に渡る第1レールと、第1レールと交わる第2レールとを有し、第2レールは、第1空間及び/又は第2空間に隣接する戸袋に通じている。
【0010】
戸袋が、第1空間と第2空間との間に設けられた場合、第1可動間仕切り壁及び第2可動間仕切り壁は、ヒンジ式ドアを備えていないことが望ましい。
【0011】
一方、戸袋が、第1空間又は第2空間の側部に設けられた場合、第1可動間仕切り壁及び第2可動間仕切り壁の少なくとも一方は、ヒンジ式ドアを備えていることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による可動間仕切り構造によれば、間仕切り自在に隣接させて第1空間と第3空間との相関及び第2空間と第4空間との相関を良好にすることで、個別空間の各々の利便性や快適性も向上させ、居住空間内の対人関係やライフスタイルを改善する効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における可動間仕切り構造を採用した間取り図である。
図2】上記可動間仕切り構造の部分拡大図である
図3】本発明の一実施形態における別の可動間仕切り構造の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明の一実施形態における可動間仕切り構造(以下、「本可動間仕切り構造」ともいう。)について説明する。これらの図において、複数個存在する同一の部位については、一つの部位のみに符番した部分もある。説明の便宜上、所定の部位やこの部位の引き出し線をかくれ線(破線)や想像線(二点鎖線)で示した部分もある。説明において、上方、下方、側方、垂直方向、水平方向等の向きを示す用語は、基本的に通常の居住空間を基準とする。
【0015】
<居住空間の概要>
図1に示すように、本可動間仕切り構造は、集合住宅の一室に相当する居住空間R内で隣接する個別空間同士を間仕切り自在に形成したものである。居住空間Rは、長手辺と短手辺とを有する長方形状の3LDKであるが、2LDKや4LDKでもよく、形状・間取り・広さ等を限定しないが、2つ以上の個別空間が直列に隣接している個別空間群同士が並列に隣接している間取りでもよい。
【0016】
<個別空間の例示>
個別空間は、例えば、第1空間・第2空間に相当する居間1・居間2、第3空間に相当するリビングダイニング3、第4空間に相当するキッチン4を含み、それ以外の空間として、玄関R1、廊下R2、トイレR3、洗面所・脱衣所R4、風呂R5、サービスルームR6、図示しないクローゼット、納戸、下駄箱等の収納箇所を含んでもよい。居間1・居間2は、異なる機能・用途を伴ってよいが、機能・用途を伴わないフリースペースでもよい。
【0017】
<個別空間同士の関係>
居間1と居間2とは、固定された間仕切り壁W1を介して居住空間Rの長手方向直列に隣接しており、間仕切り壁W1を一部とするクローゼット等の収納領域を介して隣接してもよい。リビングダイニング3とキッチン4とは、間仕切り壁を介さないで居住空間Rの長手方向直列に隣接している。居間1及び居間2は第1個別空間群に含まれてもよく、リビングダイニング3及びキッチン4は第2個別空間群に含まれてもよく、通路を介して隣接していてもいなくてもよい。
【0018】
居間1とリビングダイニング3とは、複数のパネルで形成された第1可動間仕切り壁5で間仕切り自在に隣接している。第1可動間仕切り壁5は、居間1とリビングダイニング3との境界に設けられてもよく、居間1を開閉する間仕切り兼用でもよい。居間1の幅1a及び/又は第1可動間仕切り壁5の幅5aは、リビングダイニング3の幅3aと略同等でもよく、他の空間や構造物の幅の分だけリビングダイニング3の幅3aより広くても狭くてもよい。リビングダイニング3は、隣接する他の空間に対する出入口を備えておらず、常時開放されていてもよい。
【0019】
居間2とキッチン4とは、複数のパネルで形成された第2可動間仕切り壁6で間仕切り自在に隣接している。第2可動間仕切り壁6は、居間2とキッチン4との境界に設けられてもよく、居間2を開閉する間仕切り兼用でもよい。居間2の幅2a及び/又は第2可動間仕切り壁6の幅6aは、キッチン4の幅4aと略同等でもよく、可動式クローゼットF1の位置変更に伴う他の空間や構造物の幅の分だけキッチン4の幅4aより広くても狭くてもよい。
【0020】
<キッチンの詳細>
キッチン4は、出入口41と、調理台42とを備えている。出入口41は、居間2と対向する位置に設けられており、常時開放してもよく、引戸やヒンジ式ドアを設けて随時開放してもよい。調理台41は、リビングダイニング3側に設けられており、キッチン4での調理がリビングダイニング3を向いた状態で行われる。すなわち、キッチン4は、通常の使用においてリビングダイニング3と双方向的なコミュニケーションを実現する位置にある。
【0021】
<可動間仕切り壁の概要>
第1可動間仕切り壁5と第2可動間仕切り壁6とは、レール7をスライド自在に配列されている。レール7は、居住空間Rの天井に配設され、居間1側及び居間2側に位置し、第1可動間仕切り壁5及び第2可動間仕切り壁6は、レール7に吊車により宙吊りされて床に接していない状態であるが、所定のキャスターを介して床に接している状態でもよい。レール7は、少なくとも居間1から居間2に渡る第1レール71と、第1レール71と交わる第2レール72とを有している。
【0022】
<レールの詳細>
第1レール71は、第1可動間仕切り壁5と第2可動間仕切り壁6とが直列するように直線状に配設されており、居間1の幅1aと居間2の幅2aとを足した分と略同等の長さである。第2レール72は、直線状かつ2本一対であり、第1可動間仕切り壁5を形成する各パネル及び第2可動間仕切り壁6を形成する各パネルの幅より狭い間隔で並列していればよく、3本以上で構成されていても1本で構成されていてもよい。第2レール72は、居間1及び居間2に隣接する戸袋8に通じており、戸袋8の最奥端まで配設されていてもよい。第1レール71は、戸袋8の開口81と平行で、かつ隣接しており、また、第2レールは、第1レール71及び/又は戸袋8の開口81と直交している。
【0023】
<本可動間仕切り構造の作用効果>
これらの構成によれば、第1可動間仕切り壁5が戸袋8に収納されると、居間1とリビングダイニング3とが一体的になることから、これらを単体のリビングダイニングルームとして扱えるようになる。また、第2可動間仕切り壁6が戸袋8に収納されると、居間2とキッチン4とが少なくとも連通することから、これらを通常の使用において双方向的なコミュニケーションを実現する間取りとして扱えるようになる。
【0024】
具体的には、第1可動間仕切り壁5及び第2可動間仕切り壁6を順次第1レール71に沿って戸袋8の開口81までスライドした後、第2レール72に沿って戸袋8の開口81から内部にスライドして容易に収納でき、その逆の手順で容易に取り出しできる。さらに、第1可動間仕切り壁5又は第2可動間仕切り壁6のみ戸袋8に収納すれば、居間1とリビングダイニング3とを間仕切りしたり、居間2とキッチン4とを間仕切りしたり選択できる。
【0025】
<可動間仕切り壁の詳細>
図2に示すように、第1可動間仕切り壁5は、戸袋8に近い方から第1可動パネル51,52,53,54(以下「第1可動パネル51等」ともいう。)で連結自在に形成され、第2可動間仕切り壁6は、戸袋8に近い方から第2可動パネル61,62,63(以下「第2可動パネル61等」ともいう。)で連結自在に形成され、第1可動パネル51等及び第2可動パネル61等の厚み及び幅は均一であるが、戸袋8に全て収納できれば不均一であってもよく、数・厚み・幅を限定しない。第1可動パネル51等及び第2可動パネル61等の下端には、床に埋設されて押圧によりくぼむ受け部材に抜き差し自在な固定用のフランス落としが取り付けられていてもよい。第1可動パネル51等及び第2可動パネル61等のいづれも、一部を切り欠いて取り付けられた開閉自在のヒンジ式ドアを備えていなくてもよい。
【0026】
<戸袋の詳細>
戸袋8は、居間1と居間2との間にあり、箱型で、第1可動パネル51等及び第2可動パネル61等を積み重ねて出し入れできる幅及び奥行であれば、位置・形状・寸法を限定せず、間仕切り壁W1より居間1側にあっても居間2側にあってもよく、居間1の収納領域と同じ幅で、かつ隣接していてもよい。すなわち、居間1又は居間2の領域内に戸袋8を設けられるため、省スペース化の実現も期待できる。
【0027】
<本可動間仕切り構造の別の作用効果>
これら構成によれば、第1可動間仕切り壁5が居間1とリビングダイニング3とを間仕切った状態で、第1可動パネル51が戸袋8に向かってスライド自在な引戸を兼ねるため、第1可動パネル51を介して居間1と他の空間とを往来できる。また、第2可動間仕切り壁6が居間2とキッチン4とを間仕切った状態で、第2可動パネル61が戸袋8に向かってスライド自在な引戸を兼ねるため、第2可動パネル61を介して居間2と他の空間とを往来できる。さらに、第1可動パネル51等及び第2可動パネル61等がヒンジ式ドアを備えていなければ、部材費の抑制も期待できる。
【0028】
<可動間仕切り壁の付帯部材>
図2に示すように、第1可動パネル51・第2可動パネル61は、第1可動パネル51・第2可動パネル61が戸袋8に収納されていない間仕切り状態で、戸袋8とは逆側の端部付近に、居間1の室内側・居間2の室内側に突出したり引っ込んだりするストッパー51a,61aを有する。ストッパー51a,61aは、上記間仕切り状態では突出しており、戸袋8に収納されている状態では引っ込んでおり、戸袋8から取り出されるときに戸当たり82からの押圧により再び突出してもよい。
【0029】
<付帯部材の作用効果>
これらの構成によれば、第1可動パネル51及び第2可動パネル61が引戸を兼ねる状態で、必要以上に引き過ぎてしまい、第1可動パネル51と第2可動パネル61とが互いに衝突したり、第1可動パネル51や第2可動パネル61と戸当たり82との間にヒトの手が挟まれたりする前に、ストッパー51a,61aが戸当たり82に当たるため、破損や事故を回避できる。
【0030】
次に、図3を参照しつつ、本発明の一実施形態における別の可動間仕切り構造について、上述した可動間仕切り構造と相違する部分を説明し、同等の部分の説明を省略する。図1及び図2で示した部品又は部位と同等なものは、参照を容易にするため、図3では図1及び図2と関連する番号にしている。
【0031】
<別の可動間仕切り構造の詳細>
図3に示すように、戸袋800は、居間100とは逆側の居間200の側部にあり、居間200と他の空間との間仕切り壁W2より他の空間側にあるが、居間200側にあってもよい。レール700の第1レール710は、居間100から居間200を超えて戸袋800に渡って設けられている。少なくとも第1可動間仕切り壁500の第1可動パネル510は、ヒンジ式ドア510aを備えている。一方、第2可動間仕切り壁600の第2可動パネル610等は、いずれもヒンジ式ドアを備えていなくてもよい。
【0032】
<別の可動間仕切り構造の作用効果>
この構成よれば、第1可動パネル510等が居間100とリビングダイニング300とを間仕切った状態かつ第2可動パネル610等が居間200とキッチン400とを間仕切った状態では、第2可動間仕切り壁600と隣接する第1可動パネル510は引戸を兼ねられないため、ヒンジ式ドア510aを介して居間100と他の空間とを往来できる。一方、戸袋800に最も近い第2可動パネル630は引戸を兼ねられるため、ヒンジ式ドアを備えていなくても、第2可動パネル630を介して居間200と他の空間とを往来できる。
【0033】
また、居間100とリビングダイニング300とを間仕切らず、居間200とキッチン400とのみを間仕切る場合、第2可動間仕切り壁600の全部又は一部を戸袋800に収納し、第1可動間仕切り壁500をスライドするが、第1可動間仕切り壁500の全幅と第2可動間仕切り壁600の全幅とが等しくない場合でも容易に間仕切れる。
【0034】
例えば、図3に示すように、第1可動間仕切り壁500の全幅が第2可動間仕切り壁600の全幅より広い場合、第1可動間仕切り壁500のうち第1可動パネル510を戸袋800に収納し、残りの第1可動パネル520,530,540の合計幅が第2可動間仕切り壁600の全幅と等しくなればよい。
【0035】
一方、第1可動間仕切り壁500の全幅が第2可動間仕切り壁600の全幅より狭い場合、例えば、第2可動間仕切り壁600のうち第2可動パネル620,630を戸袋800に収納し、残りの第2可動パネル610と第1可動パネル510等との合計幅が第2可動間仕切り壁600の全幅と等しくなればよい。
【0036】
すなわち、第1可動間仕切り壁500の全幅と第2可動間仕切り壁600の全幅とが等しくなくても、各可動パネルの加減算により、スライド後の間仕切り壁の合計幅を間仕切りに必要な全幅に調整でき、各可動パネルの幅が等しいとより調整しやすい。
【0037】
なお、本実施形態に示した可動間仕切り構造は、上述した内容に限定されず、同等の効果を得られる限り、あらゆる部位の位置・形状・寸法や、部位同士の関係を含む。
【符号の説明】
【0038】
R 居住空間、1 第1空間(居間)、2 第2空間(居間)、3 第3空間(リビングダイニング)、4 第4空間(キッチン)、5 第1可動間仕切り壁、6 第2可動間仕切り壁、7 レール、71 第1レール、72 第2レール、8 戸袋
図1
図2
図3