IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイエス資材株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社フィルドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078932
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】ネット架設用装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20220518BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20220518BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
E04G21/32 B
E04G23/08 Z
E04G5/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074633
(22)【出願日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2020189323
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520446414
【氏名又は名称】アイエス資材株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520445392
【氏名又は名称】株式会社フィルド
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 徹也
(72)【発明者】
【氏名】木村 群平
(72)【発明者】
【氏名】山岡 豊
【テーマコード(参考)】
2E176
【Fターム(参考)】
2E176DD64
(57)【要約】
【課題】より容易に飛散防止ネットを好ましい高さ位置に設置することが可能な構造のネット架設用装置を提供する。
【解決手段】ネット架設用装置100は、工事用足場130に取り付けられる複数のネット架設用治具10を備え、飛散防止ネット110が吊り下げられるワイヤ120を、複数のネット架設用治具10どうしの間に架設可能であり、ネット架設用治具10は、当該ネット架設用治具10が工事用足場130よりも上方に突出する状態で当該ネット架設用治具10を工事用足場130に着脱可能に取り付けるための治具着脱部15を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事用足場に取り付けられる複数のネット架設用治具を備え、
飛散防止ネットを、前記複数のネット架設用治具どうしの間に設置可能であり、
前記ネット架設用治具は、当該ネット架設用治具が前記工事用足場よりも上方に突出する状態で当該ネット架設用治具を前記工事用足場に着脱可能に取り付けるための治具着脱部を備えるネット架設用装置。
【請求項2】
前記ネット架設用治具は、
水平方向に延在する状態で前記治具着脱部により前記工事用足場に着脱可能に取り付けられる水平部材と、
鉛直方向に立設された状態で前記水平部材に着脱可能に取り付けられる支柱部材と、
を備え、
前記支柱部材の上端部において前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、
前記水平部材に対する前記支柱部材の取り付け位置を水平方向において可変である請求項1に記載のネット架設用装置。
【請求項3】
前記水平部材は、それぞれ水平に延在する上下一対の水平棒状部と、前記一対の水平棒状部の長手方向における複数箇所の各々において前記一対の水平棒状部どうしを連結している複数の鉛直棒状部と、を有し、前記一対の水平棒状部が構造物の躯体の外面に沿う状態で前記工事用足場に取り付けられる請求項2に記載のネット架設用装置。
【請求項4】
前記支柱部材は、それぞれ鉛直方向に延在する一対の第2鉛直棒状部と、前記一対の第2鉛直棒状部の長手方向における複数箇所の各々において前記一対の第2鉛直棒状部どうしを連結している複数の第2水平棒状部と、を有し、前記一対の第2鉛直棒状部が前記躯体の外面に沿う状態となるとともに前記一対の第2鉛直棒状部のうちの一方の第2鉛直棒状部が相対的に前記躯体に近い位置に配置され前記一対の第2鉛直棒状部のうちの他方の第2鉛直棒状部が相対的に前記躯体から離れた位置に配置されるように前記水平部材に取り付けられる請求項3に記載のネット架設用装置。
【請求項5】
前記他方の第2鉛直棒状部と前記水平棒状部とをダブルクランプにより連結することによって、前記支柱部材が前記水平部材に対して取り付けられる請求項4に記載のネット架設用装置。
【請求項6】
一対の前記支柱部材の前記上端部どうしの間に架設されるレール部と、
前記レール部に沿って、前記一対の支柱部材の前記上端部どうしの間を移動可能に設けられた複数の移動部と、を備え、
前記移動部は、前記飛散防止ネットが吊り下げられる連結部を有する請求項2から5のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
【請求項7】
前記一対の支柱部材が対向直交方向に複数対並んで配置され、
二対の支柱部材が前記対向直交方向に前記飛散防止ネットの幅寸法よりも広い幅間隔で互いに離間して配置されて一組となり、
前記二対一組の支柱部材どうしが前記対向直交方向に互いに隣接して配置され、
前記幅間隔を隔てて互いに離間する前記二対の支柱部材には、互いに向かい合う内側面にそれぞれ前記移動部を介して前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、
前記対向直交方向に互いに隣接する前記二対の支柱部材における互いに向かい合う内側面には前記移動部が設けられておらず前記飛散防止ネットが吊り下げられていないことを特徴とする請求項6に記載のネット架設用装置。
【請求項8】
前記一対の支柱部材が前記対向直交方向に複数対並んで配置され、
二対の支柱部材が前記対向直交方向に前記飛散防止ネットの幅寸法よりも広い前記幅間隔で互いに離間して配置されて一組となり、
前記二対一組の支柱部材どうしも前記対向直交方向に前記幅間隔で互いに離間して配置され、
前記幅間隔を隔てて互いに離間する前記二対の支柱部材には、互いに向かい合う前記内側面にそれぞれ前記移動部を介して前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、前記内側面側とは反対側の面側にもそれぞれ前記移動部を介して当該飛散防止ネットとは別の前記飛散防止ネットが吊り下げられていることを特徴とする請求項6に記載のネット架設用装置。
【請求項9】
前記飛散防止ネットが吊り下げられるワイヤを、複数の前記ネット架設用治具どうしの間に架設可能である請求項1から5のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
【請求項10】
前記ネット架設用治具は、
前記支柱部材の上端部において前記ワイヤを保持するようになっており、
前記支柱部材の前記上端部に取り付けられるワイヤ掛け具を備え、
前記ワイヤ掛け具は、前記ワイヤが係合するプーリを有し、
前記複数のネット架設用治具の前記ワイヤ掛け具の前記プーリどうしの間に前記ワイヤを架設可能である請求項9に記載のネット架設用装置。
【請求項11】
一対の前記支柱部材を相互に組み付けるための組付部材を備え、
前記組付部材を介して相互に組み付けられた前記一対の支柱部材が、共通の前記水平部材に対して取り付けられ、
前記ワイヤ掛け具は、前記一対の支柱部材の上端部どうしの間に架設される請求項10に記載のネット架設用装置。
【請求項12】
前記水平部材から取り外された状態の前記支柱部材を支持する索状体を繰り出し可能な索状体繰出機構と、
前記水平部材から取り外された状態の前記支柱部材を上下にガイドするガイド機構と、
を備え、
前記ガイド機構は、前記水平部材に対して着脱可能に取り付けられ、
前記索状体繰出機構は、前記工事用足場に対して着脱可能に取り付けられる請求項2を引用する請求項3から11のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
【請求項13】
前記ガイド機構は、前記水平棒状部の長手方向において互いに離間した状態でそれぞれ前記水平部材に対して着脱可能に取り付けられる一対のガイド部材と、前記水平棒状部に対して平行となるように前記一対のガイド部材どうしの間に架け渡されているローラと、を有し、
前記一対のガイド部材、前記ローラ、及び、前記水平棒状によって囲まれた空間に前記支柱部材が通された状態で、前記ガイド機構が前記支柱部材を上下にガイドする請求項12に記載のネット架設用装置。
【請求項14】
前記支柱部材は、前記水平部材と同一形状且つ同一サイズの単位構造体を長手方向に複数連結することにより形成される請求項2を引用する請求項3から13のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネット架設用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネット架設用装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1のネット架設用装置(同文献には瓦礫飛散防止構造と記載)は、内部を複数の階に仕切る1又は複数の床材を有する構造物(同文献には建物と記載)に用いられ、当該構造物の床材に固定される複数の支柱部材(同文献には支柱と記載)を備えている。
複数の支柱部材は、最上階の床材よりも上方に突出しており、飛散防止ネットが吊り下げられるワイヤ(同文献には支持ワイヤと記載)を、当該支柱部材の上端部どうしの間に架設可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-127809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のネット架設用装置では、より容易に飛散防止ネットを好ましい高さ位置に設置する構造について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、より容易に飛散防止ネットを好ましい配置に設置することが可能な構造のネット架設用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、工事用足場に取り付けられる複数のネット架設用治具を備え、
飛散防止ネットを、前記複数のネット架設用治具どうしの間に架設可能であり、
前記ネット架設用治具は、当該ネット架設用治具が前記工事用足場よりも上方に突出する状態で当該ネット架設用治具を前記工事用足場に着脱可能に取り付けるための治具着脱部を備えるネット架設用装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より容易に飛散防止ネットを好ましい配置に設置することが可能な構造のネット架設用装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るネット架設用装置の使用例を説明するための模式図であり、ネット架設用装置が工事用足場に取り付けられた状態で、解体作業が行われている状態を示す。
図2】実施形態に係るネット架設用装置の使用例を説明するための模式図であり、図1に示す状態よりも低い位置で飛散防止ネット110が吊り下げられている状態を示す。
図3図3(a)及び図3(b)は実施形態に係るネット架設用装置の側面図であり、このうち図3(a)はネット架設用装置が工事用足場に取り付けられた状態を示しており、図3(b)は図3(a)に示す状態よりも低い位置で飛散防止ネット110が吊り下げられている状態を示す。
図4】実施形態に係るネット架設用装置を図3(a)に示す矢印Aの方向に視た図であり、ネット架設用装置が工事用足場に取り付けられた状態を示す。
図5】実施形態に係るネット架設用装置の平面図であり、ワイヤが架設されているネット架設用装置が工事用足場に取り付けられており、且つ、飛散防止ネットがワイヤに吊り下げられた状態を示す。
図6図5に示すD部の拡大図である。
図7】実施形態に係るネット架設用装置の斜視図であり、ワイヤが架設されているネット架設用装置が工事用足場に取り付けられており、且つ、飛散防止ネットがワイヤに吊り下げられた状態を示す。
図8図8(a)、図8(b)及び図8(c)は実施形態に係るネット架設用装置の水平部材を示す図であり、このうち図8(a)は図3(a)に示す矢印Aの方向に視た図であり、図8(b)は側面図、図8(c)は平面図である。
図9】実施形態におけるネット架設用治具の平面図である。
図10図4に示すC部の拡大図である。
図11図3(b)に示すB部の拡大図である。
図12図12(a)、図12(b)及び図12(c)は実施形態におけるネット架設用治具の連結部材を示す図であり、このうち図12(a)は平面図、図12(b)は側面図、図12(c)は図3(a)に示す矢印Aの方向に視た図である。
図13】実施形態におけるネット架設用治具のワイヤ掛け具とその周辺構造を示す部分拡大図である。
図14図14(a)、図14(b)及び図14(c)は実施形態におけるネット架設用治具のワイヤ掛け具を示す図であり、このうち図14(a)は平面図、図14(b)は側面図、図14(c)は図3(a)に示す矢印Aの方向に視た図である。
図15】実施形態におけるネット架設用治具の保持機構とその周辺構造を示す部分拡大図である。
図16図1に示すA部の拡大図である。
図17図17(a)及び図17(b)は実施形態におけるネット架設用治具の取付金具を示す図であり、このうち図17(a)は図3(a)に示す矢印Aの方向に視た図、図17(b)は側面図である。
図18】実施形態におけるネット架設用治具の平面図であり、ガイド機構に支柱部材が通された状態を示す。
図19図19(a)及び図19(b)は実施形態におけるネット架設用治具のガイド機構を示す図であり、このうち図19(a)は平面図、図19(b)は側面図である。
図20】実施形態の変形例1におけるネット架設用治具の平面図であり、ガイド機構に支柱部材がガイドされている状態を示す。
図21図21(a)及び図21(b)は実施形態の変形例1におけるネット架設用治具のガイド機構を示す図であり、このうち図21(a)は平面図、図21(b)は側面図である。
図22】実施形態の変形例2におけるネット架設用治具の支柱部材の平面図であり、一対の支柱部材が相互に組み付けられた状態を示す。
図23図23(a)、図23(b)及び図23(c)は実施形態の変形例2におけるネット架設用治具のワイヤ掛け具を示す図であり、このうち図23(a)は平面図、図23(b)は図22に示す矢印Aの方向に視た図、図23(c)は側面図である。
図24図24(a)、図24(b)、図24(c)及び図24(d)は実施形態の変形例2におけるネット架設用治具の組付部材を示す図であり、このうち図24(a)は平面図、図24(b)は側面図、図24(c)は図22に示す矢印Aの方向に視た図、図24(d)は組付部材の挿通ボルトの図である。
図25図25(a)、図25(b)及び図25(c)は実施形態の変形例3における補強部材を示す図であり、このうち図25(a)は補強部材が支柱部材に装着された状態を示す側面図であり、図25(b)は側面図、図25(c)は平面図である。
図26図26(a)及び図26(b)は実施形態の変形例3に係るネット架設用装置の使用例を説明するための図であり、ワイヤが架設されているネット架設用装置が工事用足場に取り付けられており、且つ、飛散防止ネットがワイヤに吊り下げられた状態を示す。
図27図27(c)、図27(d)及び図27(e)は実施形態の変形例3に係るネット架設用装置の使用例を説明するための図であり、ワイヤが架設されているネット架設用装置が工事用足場に取り付けられており、且つ、飛散防止ネットがワイヤに吊り下げられた状態を示す。
図28】変形例4に係るネット架設用装置の使用例を説明するための模式図であり、ネット架設用装置が工事用足場に取り付けられた状態で、解体作業が行われている状態を示す。
図29図29(a)及び図29(b)は実施形態の変形例4における支柱部材及びその周辺構造を示す側面図であり、このうち図29(a)は、二対一組の支柱部材を示し、図29(b)は幅間隔で互いに離間して配置されている一対の支柱部材を示す。
図30】実施形態の変形例4におけるネット架設用治具の平面図の部分拡大図である。
図31図31(a)及び図31(b)は実施形態の変形例4におけるレール部構成部材を示す図であり、このうち図31(a)は正面図、図31(b)は側面図である。
図32図32(a)、図32(b)及び図32(c)は実施形態の変形例4における棒状部構成部材を示す図であり、このうち図32(a)は平面図、図32(b)は正面図、図32(c)は側面図である。
図33図33(a)、図33(b)及び図33(c)は実施形態の変形例4における連結部材を示す図であり、このうち図33(a)は連結部材が棒状部構成部材どうしを連結している状態を示す図であり、図33(b)は正面図、図33(c)は側面図である。
図34】実施形態の変形例4におけるレール部構成部材及びその周辺構造を示す正面図である。
図35図35(a)、図35(b)及び図35(c)は実施形態の変形例4における支持部材を示す図であり、このうち図35(a)は平面図、図35(b)は正面図、図35(c)は側面図である。
図36図36(a)及び図36(b)は実施形態の変形例4における移動部を示す図であり、このうち図36(a)は側面図、図36(b)は平面図である。
図37図37(a)及び図37(b)は実施形態の変形例4における移動部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図37(a)は側面図、図37(b)は平面図である。
図38図38(a)及び図38(b)は実施形態の変形例5における支柱部材及びその周辺構造を示す側面図であり、このうち図38(a)は、二対一組の支柱部材を示し、図38(b)は幅間隔で互いに離間して配置されている一対の支柱部材を示す。
図39】実施形態の変形例5におけるネット架設用治具の平面図の部分拡大図である。
図40】実施形態の変形例6における第2単位構造体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。なお、図1及び図2においては、飛散防止ネット110及びワイヤ120を二点鎖線で示している。また、図5及び図6においては、ネット架設用治具10及び工事用足場130をそれぞれ模式的に示している。また、図3(a)、図3(b)、図4図9図11図10図15図16及び図18においては、工事用足場130を二点鎖線で図示している。また、図3(a)、図3(b)においては、ワイヤ120を二点鎖線で図示しており、図4においては飛散防止ネット110を二点鎖線で図示している。
また、以下の説明において、特に断りが無い限り、ネット架設用装置100の各部の位置関係は、ネット架設用装置100が工事用足場130に取り付けられている状態での位置関係を示している。
【0010】
図1から図4のいずれかに示すように、本実施形態に係るネット架設用装置100は、工事用足場130に取り付けられる複数のネット架設用治具10を備え、飛散防止ネット110を、複数のネット架設用治具10どうしの間に架設可能であり、ネット架設用治具10は、当該ネット架設用治具10が工事用足場130よりも上方に突出する状態で当該ネット架設用治具10を工事用足場130に着脱可能に取り付けるための治具着脱部15を備える。
より詳細には、ネット架設用治具10は、例えば、水平方向に延在する状態で治具着脱部15により工事用足場130に着脱可能に取り付けられる水平部材20と、鉛直方向に立設された状態で水平部材20に着脱可能に取り付けられる支柱部材30と、を備えている。
【0011】
本実施形態の場合、一例として、飛散防止ネット110が吊り下げられるワイヤ120を、複数のネット架設用治具10どうしの間に架設可能である。
図5及び図6に示すように、平面視において、建築物140を間に挟んで互いに対向するネット架設用治具10のうち、一方側のネット架設用治具10の支柱部材30の上端部30aにワイヤ120の一端が保持され、他方側のネット架設用治具10の支柱部材30の上端部30aに第1ワイヤ121の他端が保持される。
【0012】
複数のネット架設用治具10が取り付けられる工事用足場130は、例えば、少なくとも1つのフロア(床)を有する構造物(例えば、建築物140)の解体作業の際に用いられ、工事用足場130は当該建築物140の周囲に立設される。そして、飛散防止ネット110は、ワイヤ120に吊り下げられた状態で建築物140の少なくとも上方に配置され、建築物140の解体作業を行う際にボルトの破片などの解体材が建築物140の外部に飛散してしまうことを抑制している。
【0013】
本実施形態によれば、ネット架設用装置100は、工事用足場130よりも上方に突出する状態で当該工事用足場130に着脱可能に取り付けられる複数のネット架設用治具10を備えている。これにより、飛散防止ネット110が吊り下げられるワイヤ120を、工事用足場130よりも上方位置に良好に架設させることができる。よって、解体作業の際に、解体されるフロアと飛散防止ネット110との上下方向における離間距離を十分に確保することができるので、当該フロアに配置される油圧ショベルなどの重機150と飛散防止ネット110とが干渉してしまうことを抑制できる。すなわち、より容易に飛散防止ネットを好ましい配置に設置することができる。
【0014】
工事用足場130は、一般的な構造のものである。
図4及び図7に示すように、工事用足場130を構成する建枠130aは、例えば、互いに間隔を空けてそれぞれ立設される一対の枠体131と、一対の枠体131間に架設される台部材134及びブレス135と、を組み付けることにより構成される。
枠体131は、例えば、それぞれ棒状に形成されていて鉛直に配置される一対の脚部132と、一対の脚部132の上端部間に水平に架設されている棒状の台保持梁部133と、を有する。
一対の枠体131の一方の脚部132どうしの間にX字状のブレス135が架設されている。一方、一対の枠体131の他方の脚部132どうしの間には、ブレス135が架設されておらず、代わりに水平部材20が治具着脱部15によって取り付けられている。
更に、一対の枠体131の台保持梁部133どうしの間に台部材134が係止されることによって架設されている。
【0015】
ここで、図5は、建築物140の周囲における工事用足場130の配置を示している。なお、図5及び図6においては、建築物140を二点鎖線で図示している。
図5に示すように、建枠130aが建築物140の躯体141の外面142に沿って水平方向に複数連ねて配置される。水平方向において互いに隣り合う建枠130aは、これらの境界に位置する枠体131を共用している。また、建枠130aは、上下方向にも複数積み重ねて配置される。
工事用足場130は、例えば、このように配置された複数の建枠130aによって建築物140の周囲を囲むようにして立設される。工事用足場130は、例えば、平面視略矩形状に立設される。
【0016】
図4及び図5に示すように、本実施形態の場合、複数のネット架設用治具10は、平面視において、建築物140を間に挟んで、一方の側に配置されるネット架設用治具10(以下、第1ネット架設用治具11と称する)と、他方の側に配置されるネット架設用治具10(第2ネット架設用治具12)と、を含む。
そして、第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12は、建築物140を間に挟んで互いに対向して配置される。
各ネット架設用治具10は、例えば、互いに同一形状及び同一サイズに形成されている。
複数の第1ネット架設用治具11は、例えば、水平方向において互いに離間した状態で複数並んで配置される。同様に、複数の第2ネット架設用治具12の各々は、例えば、水平方向において互いに離間した状態で複数並んで配置される。
この状態において、各第1ネット架設用治具11は、当該第1ネット架設用治具11の支柱部材30が建築物140側に位置するに配置され、各第2ネット架設用治具12は、当該第2ネット架設用治具12の支柱部材30が建築物140側に位置するように配置される。すなわち、第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12とは、互いに反対向きの姿勢で配置される。
また、図1及び図2に示すように、上下方向において、各第1ネット架設用治具11の上端部と、各第2ネット架設用治具12の上端部とは、例えば、互いに略同等の高さ位置に配置される。
そして、図5及び図6に示すように、複数並んで配置されている第1ネット架設用治具11及び第2ネット架設用治具12のうち、互いに対向している一の第1ネット架設用治具11と一の第2ネット架設用治具12との間にワイヤ120が架設される。
ここで、図7に示すように、飛散防止ネット110は、例えば、一対のワイヤ120によって吊り下げられ、当該一対のワイヤ120どうしの間に飛散防止ネット110が張られる。
より詳細には、一の飛散防止ネット110が吊り下げられる一対のワイヤ120のうちの一方のワイヤ120(以下、第1ワイヤ121)は、一の第1ネット架設用治具11と一の第2ネット架設用治具12との間に架設され、他方のワイヤ120(以下第2ワイヤ122)は、当該第1ネット架設用治具11の隣に配置される第1ネット架設用治具11と当該第2ネット架設用治具12の隣に配置される第2ネット架設用治具12との間に架設される。
【0017】
図5図6及び図7に示すように、第1ワイヤ121と第2ワイヤ122とによって吊り下げられている状態において、各飛散防止ネット110は、例えば、建築物140の上方を覆う主部111と、第1ワイヤ121に沿って垂れ下がっている第1垂れ部112aと、第2ワイヤ122に沿って垂れ下がっている第1垂れ部112bと、第1垂れ部112a、112bとの間に配置される一対の第2垂れ部113a、113bと、を含む形態となる。なお、図7は、一の飛散防止ネット110とその周辺構造を示している。
より詳細には、飛散防止ネット110は、例えば、平面視略長方形状の主部111と、主部111の短手方向における各端部にそれぞれ連接している一対の第1垂れ部112a、112bと、主部111の長手方向における各端部にそれぞれ連接している一対の第2垂れ部113a、113bと、を有する。
図7に示すように、主部111の短手方向における各側端部には、それぞれ複数の鳩目115が設けられており、当該鳩目115は、主部111の長手方向において等間隔に並んで配置されている。そして、各鳩目115には、それぞれ環状部材116(図7参照)が取り付けられている。すなわち、鳩目115を介して、複数の環状部材116が、主部111の短手方向における各側端部の各々に取り付けられている。各環状部材116は、一例として、Cリンクである。
飛散防止ネット110は、例えば、飛散防止ネット110の主部111の長手方向がワイヤ120の延在方向に沿うようにワイヤ120に取り付けられる。
より詳細には、主部111の短手方向における一方の側端部に取り付けられている各環状部材116に、第1ワイヤ121が当該環状部材116の並び順に挿通され、主部111の短手方向における他方の側端部に取り付けられている各環状部材116に、第2ワイヤ122が当該環状部材116の並び順に挿通される。
このようにして、飛散防止ネット110がワイヤ120に吊り下げられている状態において、一対の第1垂れ部112a、112bのうち一方の第1垂れ部112aは、第1ワイヤ121に沿って垂れ下がっており、他方の第1垂れ部112bは、第2ワイヤ122に沿って垂れ下がっている。また、第1ワイヤ121と第2ワイヤ122との間において、一対の第2垂れ部113a、113bのうち一方の第2垂れ部113aは、主部111の短手方向における一方の側端部に沿って垂れ下がっており、他方の第2垂れ部113aは、主部111の短手方向における他方の側端部に沿って垂れ下がっている。
【0018】
飛散防止ネット110には、当該飛散防止ネット110の開閉を行う2本のロープ126a、126bが取り付けられる。
ロープ126a、126bは、例えば、ワイヤ120が挿通されている環状部材116に挿通されていてもよいし、当該環状部材116とは別の環状部材116に挿通されていてもよい。
図7では、ロープ126a、126bが、ワイヤ120が挿通されている環状部材116とは別の環状部材116に挿通されている例を示している。
より詳細には、各第1垂れ部112a、112bの下端部には、上述の複数の鳩目115及び複数の環状部材116がそれぞれ取り付けられており、ロープ126a、126bは対応する環状部材116に当該環状部材116の並び順に挿通される。
ロープ126a、126bの各端部は、飛散防止ネット110の端部から下方に垂れ下がっている。ロープ126a、126bの一端部を他端側に牽引することによって、飛散防止ネット110を閉じることができる。つまり、ロープ126a、126bによって各環状部材116がワイヤ120にガイドされて他端側に引き寄せられる。
なお、ロープ126a、126bの各端部は、例えば、工事用足場130又はネット架設用治具10によって保持されていてもよい。
【0019】
上述のように、ネット架設用治具10は、例えば、水平方向に延在する状態で治具着脱部15により工事用足場130に着脱可能に取り付けられる水平部材20と、鉛直方向に立設された状態で水平部材20に着脱可能に取り付けられる支柱部材30と、を備えている。
図1から図4に示すように、水平部材20は、例えば、それぞれ水平に延在する上下一対の水平棒状部22と、一対の水平棒状部22の長手方向における複数箇所の各々において一対の水平棒状部22どうしを連結している複数の鉛直棒状部24と、を有し、一対の水平棒状部22が構造物(本実施形態の場合、建築物140)の躯体141の外面142に沿う状態で工事用足場130に取り付けられる。
より詳細には、本実施形態の場合、水平部材20に対する支柱部材30の取り付け位置は水平棒状部22の長手方向において可変である。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示すように、一対の水平棒状部22は、例えば、互いに同一形状に形成されている。また、一対の水平棒状部22の各々は、例えば、略矩形筒状に形成されている。
複数の鉛直棒状部24は、例えば、互いに同一形状に形成されている。また、各鉛直棒状部24は、例えば、略矩形筒状に形成されている。
一対の水平棒状部22は、例えば、互いに平行に配置されており、各鉛直棒状部24は、一対の水平棒状部22の各々に対して直交する方向に延在している。また、各鉛直棒状部24は、水平棒状部22の長手方向において、等間隔に配置されている。このようにして、一対の水平棒状部22と複数の鉛直棒状部24とが互いに溶接されており、水平部材20は目の字状に形成されている。
【0020】
水平棒状部22は、例えば、治具着脱部15(図9参照)によって工事用足場130に取り付けられる。治具着脱部15は、特に限定されないが、一例として、ダブルクランプである。ダブルクランプは、2つのクランプが一体化したものであり、ダブルクランプの一方のクランプと他方のクランプとは、互いの軸方向が直交するようになっている。
そして、一方のクランプは、水平棒状部22を保持し、他方のクランプは、工事用足場130の枠体131の脚部132を保持する。
本実施形態の場合、ネット架設用治具10は、4つの治具着脱部15(ダブルクランプ)を備えており、当該4つの治具着脱部15は、例えば、図10に示すA部、B部、C部、D部に取り付けられる。このようにして、4つのダブルクランプ(治具着脱部15)によって、一対の水平棒状部22と工事用足場130とが互いに連結される。
【0021】
図3(a)及び図3(b)に示すように、支柱部材30は、例えば、それぞれ鉛直方向に延在する一対の第2鉛直棒状部32a、32bと、一対の第2鉛直棒状部32a、32bの長手方向における複数箇所の各々において一対の第2鉛直棒状部32a、32bどうしを連結している複数の第2水平棒状部34と、を有し、一対の第2鉛直棒状部32a、32bが躯体141の外面142に沿う状態となるとともに一対の第2鉛直棒状部32a、32bのうちの一方の第2鉛直棒状部32bが相対的に躯体141に近い位置に配置され一対の第2鉛直棒状部32a、32bのうちの他方の第2鉛直棒状部32aが相対的に躯体141から離れた位置に配置されるように水平部材20に取り付けられる。
すなわち、本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、支柱部材30は、水平方向において、躯体141の外面142と工事用足場130の建枠130aとの間に配置される。
一対の第2鉛直棒状部32a、32bは、例えば、互いに同一形状に形成されている。また、一対の第2鉛直棒状部32a、32bの各々は、例えば、略矩形筒状に形成されている。
複数の第2水平棒状部34は、例えば、互いに同一形状に形成されている。また、第2水平棒状部34は、例えば、略矩形筒状に形成されている。
一対の第2鉛直棒状部32a、32bは、例えば、互いに平行に配置されており、各第2水平棒状部34は、一対の第2鉛直棒状部32a、32bの各々に対して直交する方向に延在している。また、各第2水平棒状部34は、一対の第2鉛直棒状部32a、32bの長手方向において、等間隔に配置されている。このようにして、一対の第2鉛直棒状部32a、32bと複数の第2水平棒状部34とが互いに溶接されており、支柱部材30は目の字状に形成されている。
【0022】
また、本実施形態の場合、他方の第2鉛直棒状部32aと水平棒状部22とをダブルクランプ40(図9参照)により連結することによって、支柱部材30が水平部材20に対して取り付けられる。
これにより、水平棒状部22に対する第1クランプ41の取り付け位置を適宜調整することによって、水平部材20に対する支柱部材30の取り付け位置を図9に示す矢印の範囲において容易に変更することができる。ただし、図9に示す矢印の範囲のうち、水平棒状部22において鉛直棒状部24と連接されている箇所は除くものとする。
また、他方の第2鉛直棒状部32aに対する第2クランプ42の取り付け位置を適宜調整することによって、水平部材20に対する支柱部材30の取り付け位置を上下方向において容易に変更することができる。
より詳細には、図1等に示すように、ダブルクランプ40は、ダブルクランプは、2つのクランプ41、42が一体化したものであり、ダブルクランプ40の一方のクランプ41(以下、第1クランプ41)と他方のクランプ42(以下、第2クランプ42)とは、互いの軸方向が直交するようになっている。
ダブルクランプ40の第1クランプ41は、例えば、水平棒状部22を保持し、ダブルクランプ40の第2クランプ42は、他方の第2鉛直棒状部32aを保持する。このようにして、支柱部材30は水平部材20に対して取り付けられる。
この状態において、一対の第2鉛直棒状部32a、32bの長手方向は、例えば、一対の水平棒状部22の長手方向に対して直交している。また、第1クランプ41の軸方向は、水平棒状部22の長手方向(水平方向)と一致しており、第2クランプ42の軸方向は、一方の第2鉛直棒状部32aの長手方向(上下方向)と一致している。
【0023】
第1クランプ41は、一般的な角クランプであり、例えば、第1挟持部と、第2挟持部と、第1挟持部と第2挟持部とを相互に開閉可能に軸支している軸支部と、を有する。更に、第1挟持部と第2挟持部とを相互に連結する締結用ボルトと、締結用ボルトと螺合している締結用ナットと、を有する。
第1クランプ41は第2クランプ42と同様のものである。
【0024】
図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態の場合、他方の第2鉛直棒状部32aと水平棒状部22とは、2つのダブルクランプ40によって互いに連結される。一例として、2つのダブルクランプ40は、例えば、水平棒状部22において、図10に示すE部及びF部にそれぞれ取り付けられる。2つのダブルクランプ40は、例えば、第2鉛直棒状部32aの長手方向において互いに離間した状態で、それぞれ水平部材20及び第2鉛直棒状部32aの各々に対して着脱可能に取り付けられる。
より詳細には、2つのダブルクランプ40のうち一方のダブルクランプ40の第1クランプ41は、一対の水平棒状部22のうち一方の水平棒状部22を保持しており、他方のダブルクランプ40の第1クランプ41は、一対の水平棒状部22のうち他方の水平棒状部22を保持している。また、上記一方のダブルクランプ40の第2クランプ42及び上記他方のダブルクランプ40の第2クランプ42は、それぞれ他方の第2鉛直棒状部32aを保持している。
【0025】
ここで、本実施形態の場合、ネット架設用治具10は、支柱部材30の上端部30aにおいてワイヤ120を保持するようになっており、水平部材20に対する支柱部材30の取り付け位置を水平方向において可変である。
より詳細には、本実施形態の場合、図5及び図6に示すように、平面視において、建築物140を間に挟んで互いに対向する第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12とのうち、第1ネット架設用治具11の支柱部材30の上端部30aに第1ワイヤ121の一端が保持され、第2ネット架設用治具12の支柱部材30の上端部30aに第1ワイヤ121の他端が保持される。
同様に、平面視において、建築物140を間に挟んで互いに対向する第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12とのうち、第1ネット架設用治具11の支柱部材30の上端部30aに第2ワイヤ122の一端部が保持され、第2ネット架設用治具12の支柱部材30の上端部30aに第2ワイヤ122の他端部が保持される。
ここで、一の飛散防止ネット110が吊り下げられる第1ワイヤ121と第2ワイヤ122とは、例えば、水平方向において、互いに平行に延在した状態で架設されることが好ましい。このようにすることにより、飛散防止ネット110を平面視略矩形状となるようにワイヤ120(第1ワイヤ121及び第2ワイヤ122)に吊り下げることができる。よって、飛散防止ネット110の開閉を行う際に、ロープ126a、126bの各々の一端部を、ワイヤ120に沿って、ロープ126a、126bの他端側にスムーズに牽引することができる。
そして、上述の構成によれば、水平部材20に対する支柱部材30の取り付け位置を水平方向において調整することによって、ワイヤ120の延在方向を調整することができる。
このため、例えば、第1ネット架設用治具11が取り付けられる建枠130aと、当該第1ネット架設用治具11と対向する第2ネット架設用治具12が取り付けられる建枠130aとが、建築物140を基準として、互いに対称に配置されていなくても、当該第1ネット架設用治具11の支柱部材30及び当該第2ネット架設用治具12の支柱部材30どうしを、建築物140を基準として、互いに対称位置に配置することができる。したがって、一の飛散防止ネット110が吊り下げられる第1ワイヤ121と第2ワイヤ122とを、水平方向において互いに平行に延在した状態で架設することができる。
【0026】
ここで、支柱部材30は、例えば、水平部材20と同一形状且つ同一サイズの単位構造体31を長手方向に複数連結することにより形成される。したがって、単位構造体31は、図8(a)から図8(c)に示す水平部材20と同一の形状に形成されている。
より詳細には、水平部材20は、水平方向に延在する状態で工事用足場130に着脱可能に取り付けられる一方で、単位構造体31は、例えば、鉛直方向に立設された状態で水平部材20に着脱可能に取り付けられる。
したがって、単位構造体31は、例えば、それぞれ鉛直に延在する一対の第3鉛直棒状部31aと、一対の第3鉛直棒状部31aの長手方向における複数箇所の各々において一対の第3鉛直棒状部31aどうしを連結している複数の第3水平棒状部31bと、を有する。
そして、支柱部材30の一対の第2鉛直棒状部32a、32bは、単位構造体31の一対の第3鉛直棒状部31aを長手方向に複数連結することにより構成されている。また、支柱部材30の各第2水平棒状部34は、単位構造体31の第3水平棒状部31bによって構成されている。
【0027】
本実施形態の場合、図11に示すように、各単位構造体31は、連結部材60によって、互いに連結される。
図12(a)、図12(b)及び図12(c)に示すように、連結部材60は、例えば、一対の円筒部61、62と、一対の円筒部61、62を相互に連結している連結部64と、を有する。
一対の円筒部61、62の各々は、例えば、互いに同一の形状に形成されている。また、一対の円筒部61、62の各々は、例えば、上下方向を軸方向とする円筒状に形成されている。一対の円筒部61、62の各々の上端部は、例えば、カシメ加工により面取りされて上方に向けて縮径しており、一対の円筒部61、62の各々の下端部は、例えば、カシメ加工により面取りされて下方に向けて縮径している。また、円筒部61の上端は、円筒部62の上端よりも上方に配置されている。
連結部64は、例えば、一対の板状部65a、65b(図12(b)等参照)を有しており、一対の板状部65a、65bが互いに組み付けられて構成されている。一対の板状部65a、65bは、例えば、溶接によって互いに固定されている。
一対の板状部65a、65bの各々は、例えば、互いに同一の形状に形成されている。
一対の板状部65a、65bの各々は、例えば、視略L字状に湾曲した板状部であり、互いに上下反転した姿勢で相互に組み付けられことによって、略矩形筒状に形成されている。
より詳細には、一対の板状部65a、65bの各々は、各板面が上下方向を向いている水平部67aと、水平部67aに連接しているとともに各板面が水平方向を向いている鉛直部67bと、を有する。図12(a)及び図12(b)に示すように、一対の板状部65a、65bの各々は、例えば、一方向に長尺な矩形状に形成されている。長さ方向における水平部67aの寸法は、例えば、長さ方向における鉛直部67bの寸法よりも大きい。また、鉛直部67bは、水平部67aの長さ方向における中央部に接続されている。
図12(b)及び図12(c)に示すように、例えば、一対の板状部65a、65bのうち一方の板状部65aの水平部67aと他方の板状部65bの水平部67aとが互いに平行且つ対向して配置されており、当該一方の板状部65bの鉛直部67bと当該他方の板状部65bの鉛直部67bとが互いに平行且つ対向して配置されている。
また、一対の板状部65a、65bの各々は、一対の嵌合孔66b、66cを有しており、対応する嵌合孔66b、66cに対して、一対の円筒部61、62がそれぞれ嵌合している。
より詳細には、嵌合孔66b、66cは、水平部67aを厚み方向(上下方向)に貫通している貫通孔である。嵌合孔66bは、長さ方向における水平部67aの一端部に形成されており、嵌合孔66cは、長さ方向における水平部67aの他端部に形成されている。
一方の板状部65aが有する嵌合孔66b、及び、他方の板状部65aが有する嵌合孔66bは、互いに同軸に配置されている。
そして、一対の円筒部61、62のうち一方の円筒部61が、一方の板状部65aが有する嵌合孔66b及び他方の板状部65aが有する嵌合孔66bの各々に挿通された状態で溶接されている。
同様に、一方の板状部65aが有する嵌合孔66c、及び、他方の板状部65aが有する嵌合孔66cは、互いに同軸に配置されている。
そして、一対の円筒部61、62のうち一方の円筒部62が、一方の板状部65aが有する嵌合孔66c及び他方の板状部65aが有する嵌合孔66cの各々に挿通された状態で溶接されている。
また、一対の板状部65a、65bの各々の水平部67aには、厚み方向に貫通している貫通孔が形成されており、当該貫通孔と対応している箇所にはナット68が溶接されている。
【0028】
本実施形態の場合、上下に互いに隣接する単位構造体31どうしは、例えば、次のように互いに連接されている。
上下に互いに隣接する単位構造体31のうちの上側の単位構造体31の下端部に対して、一の連結部材60が取り付けられるとともに、当該隣接する単位構造体31のうちの下側の単位構造体31の上端部に対して当該連結部材60が取り付けられる。このようにして、複数の単位構造体31は、連結部材60を介して互いに上下に連結される。
より詳細には、図11に示すように、上記上側の単位構造体31の一対の第3鉛直棒状部31aの内腔に、それぞれ一対の円筒部61、62の上端部が挿入され、上記下側の単位構造体31の一対の第3鉛直棒状部31aの内腔に、それぞれ一対の円筒部61、62の下端部が挿入される。この状態において、各単位構造体31の一対の第3鉛直棒状部31aは、互いに同軸に配置される。
ここで、複数の第3水平棒状部31bにおいて、最も上側に配置されている第3水平棒状部31b、及び、最も下側に配置されている第3水平棒状部31bには、それぞれ当該複数の第3水平棒状部31bを上下方向に貫通している一対の第1挿入孔35a、35bが形成されている。上記上側の単位構造体31における最も下側に配置されている第3水平棒状部31bの一対の第1挿入孔35a、35に挿通ボルト69がそれぞれ挿入され、更に当該挿通ボルト69が連結部材60の上記ナット68に螺合することによって、連結部材60の連結部64は、当該単位構造体31の下端部に対して固定される。同様に、上記下側の単位構造体31における最も上側に配置されている第3水平棒状部31bの一対の第1挿入孔35a、35に挿通ボルト69がそれぞれ挿入され、更に当該挿通ボルト69が連結部材60の上記ナット68に螺合することによって、連結部材60の連結部64は、当該単位構造体31の上端部に対して固定される。
このようにして、複数の単位構造体31は、連結部材60を介して互いに上下に連結される。
【0029】
また、図4に示すように、本実施形態の場合、一の単位構造体31に対して、一の水平部材20が取り付けられる。より詳細には、ネット架設用治具10は、上下位置が互いに異なる複数の水平部材20を備えており、各水平部材20は、例えば、上下方向に積み重ねて配置される各建枠130aに対してそれぞれ取り付けられる。そして、各単位構造体31は、このように配置される各水平部材20に対してそれぞれ取り付けられることとなる。
ただし、ネット架設用治具10が備える水平部材20の数は、特に限定されず、工事用足場130の高さ寸法や解体作業の進捗状況に応じて、適宜設定することができる。
図1及び図3(a)では、一例として、複数の単位構造体31のうち、上から3段目以降の各単位構造体31に対してそれぞれ水平部材20が取り付けられた状態を示している。また、図2及び図3(b)では、一例として、全ての単位構造体31に対して、それぞれ一の水平部材20が取り付けられており、工事用足場130の高さ位置が図3(a)に示す状態よりも低い位置に設定されている状態を示している。
このようにして、本実施形態の場合、工事用足場130の高さ寸法にかかわらず、ネット架設用治具10が所望の高さ位置に配置されるように、ネット架設用治具10を工事用足場130に対して取り付けることができる。
【0030】
本実施形態の場合、ネット架設用治具10が有する単位構造体31の数は、一例として、5本であり、したがって5本の単位構造体31どうしを互いに連結する連結部材60の数は、一例として、4つである。
ただし、本発明において、ネット架設用治具10が有する単位構造体31の数、及び連結部材60の数は特に限定されず、取り付けられる工事用足場130の高さや、ワイヤ120の所望の高さ位置に応じて適宜設定することができる。また、例えば、複数のネット架設用治具10どうしが、互いに異なる数の単位構造体31及び連結部材60を有していてもよい。
【0031】
水平部材20(単位構造体31)の長手方向における寸法は、特に限定されないが、例えば、100cm以上300cm以下であることが好ましい。
水平部材20(単位構造体31)の短手方向における寸法は、特に限定されないが、例えば、20cm以上40cm以下であることが好ましい。
支柱部材30の長手方向における寸法は、特に限定されないが、例えば、700cm以上1700cm以下であることが好ましい。
【0032】
また、ネット架設用治具10は、例えば、支柱部材30の上端部30aに取り付けられるワイヤ掛け具50(図13等参照)を備えている。なお、図9及び図18においては、ワイヤ掛け具50の図示を省略している。
図14(a)、図14(b)及び図14(c)に示すように、ワイヤ掛け具50は、例えば、ワイヤ120が係合するプーリ52a、52bを有し、複数のネット架設用治具10のワイヤ掛け具50のプーリ52a、52bどうしの間にワイヤ120を架設可能である。なお、図14(a)及び図14(c)においては、ワイヤ120を二点鎖線で図示している。
これにより、ワイヤ120をネット架設用治具10どうしの間に架設する際に、ワイヤ120の緊張状態を良好に調整することができる。
本実施形態の場合、支柱部材30を構成している複数の単位構造体31のうち、最も上側に配置されている単位構造体31の上端部が、支柱部材30の上端部30aを構成している。すなわち、ワイヤ掛け具50は、最も上側に配置されている単位構造体31の上端部に取り付けられる。
【0033】
また、本実施形態の場合、図5及び図6に示すように、ワイヤ掛け具50によって、一のネット架設用治具10に対して2本のワイヤ120を取り付け可能である。一のネット架設用治具10に取り付けられる2本のワイヤ120のうちの一方のワイヤ120の一端部がプーリ52aに対して係合し、他方のワイヤ120の一端部がプーリ52bに対して係合する。なお、図7においては、一のネット架設用治具10に取り付けられる2本のワイヤ120のうちの一方のワイヤ120の図示を省略している。
そして、図5に示すように、各ネット架設用治具10に対して、それぞれ2本のワイヤ120を取り付けることによって、複数の飛散防止ネット110を良好に設置することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、一の第1ネット架設用治具11と一の第2ネット架設用治具12との間に2本のワイヤ120が架設される。そして、一の第1ネット架設用治具11と一の第2ネット架設用治具12との間に架設される2本のワイヤ120のうち一方のワイヤ120に飛散防止ネット110が吊り下げられるとともに、他方のワイヤ120にも当該飛散防止ネット110とは別の飛散防止ネット110が吊り下げられる。この状態において、上記一方のワイヤ120に沿って、ネット架設用装置100の第1垂れ部112bが垂れ下がっており、上記他方のワイヤ120に沿って、当該ネット架設用装置100とは別のネット架設用装置100の第1垂れ部112aが垂れ下がっている。
このようにすることにより、平面視において、互いに隣り合う飛散防止ネット110どうしの間に間隙が形成されていたとしても、解体作業の際に飛散しようとする解体材を第1垂れ部112a、112bによって捕捉することができる。また、複数の第1垂れ部112a、112bのうち最も外側に配置される第1垂れ部112a、112b、及び、複数の第2垂れ部113a、113bが、建築物140の周囲を囲むように配置されることとなるので、上記解体材が建築物140の外部に飛散してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0034】
ワイヤ掛け具50は、例えば、一対の第2鉛直棒状部32a、32bに対してそれぞれ嵌入する一対の嵌入部53a、53bと、一対の嵌入部53a、53bどうしを互いに連結している連結部51と、プーリ52a、52bをそれぞれ保持しているブラケット55a、55bと、を更に備えている。
連結部51は、例えば、水平方向に延在する略矩形筒状に形成されている。また、連結部51の長手方向における中央部には、例えば、環状部54が設けられている。
一対の嵌入部53a、53bは、例えば、互いに同一の形状に形成されている。より詳細には、一対の嵌入部53a、53bの各々は、例えば、下方に向けて突出した円筒状に形成されている。
一対の嵌入部53a、53bのうち一方の嵌入部53aは、連結部51の長さ方向における一端部の下面から下方に向けて突出しており、他方の嵌入部53aは、連結部51の長さ方向における他端部の下面から下方に向けて突出している。
一対の嵌入部53a、53bは、例えば、溶接によって連結部51に対して固定されている。
また、一対の嵌入部53a、53bの各々の下端部は、例えば、カシメ加工により面取りされて下方に向けて縮径している。
ブラケット55a、55bは、例えば、それぞれ上方に向けて湾曲した逆U字形状に形成されている板状部である。そして、ブラケット55aはプーリ52aを挟持しており、ブラケット55bはプーリ52bを挟持している。
より詳細には、ブラケット55aには、例えば、軸支部57aが設けられており、当該軸支部57bによって、プーリ52aはブラケット55aに対して回転可能に軸支されている。同様に、ブラケット55bには、例えば、軸支部57bが設けられており、当該軸支部57bによって、プーリ52bはブラケット55bに対して回転可能に軸支されている。
そして、プーリ52aとプーリ52bは互いに同軸に配置されている。プーリ52a、52bの軸方向は、連結部51の長手方向に対して直交している。
また、図13に示すように、ブラケット55a、55bは、例えば、連結部51において、長さ方向における各端部のうちの相対的に躯体141に近い位置に配置される側の端部に対して溶接によって固定されている。したがって、プーリ52a、52bの各々は、連結部51において、長さ方向における各端部のうちの相対的に躯体141に近い位置に配置される側の端部に設けられている。
【0035】
図13に示すように、一方の第2鉛直棒状部32aの内腔に、一対の嵌入部53a、53bのうち一方の嵌入部53aが挿入され、他方の第2鉛直棒状部32bの内腔に、他方の嵌入部54bが挿入されることによって、ワイヤ掛け具50は、支柱部材30の上端部30aに取り付けられる。
より詳細には、第1ネット架設用治具11に取り付けられるワイヤ掛け具50のプーリ52bと、第2ネット架設用治具12に取り付けられるワイヤ掛け具50のプーリ52aとは、建築物140を介して互いに対向して配置されて、当該プーリ52a、52bの各々にワイヤ120が係合する。
同様に、第1ネット架設用治具11に取り付けられるワイヤ掛け具50のプーリ52aと、第2ネット架設用治具12に取り付けられるワイヤ掛け具50のプーリ52bとは、建築物140を介して互いに対向して配置されて、当該プーリ52a、52bの各々にワイヤ120が係合する。
ここで、軸方向におけるプーリ52aとプーリ52bとの離間距離は、例えば、プーリ52a(プーリ52b)の軸方向における長さ寸法と略同等又はそれ以下であることが好ましい。
このようにすることにより、プーリ52aに係合するワイヤ120とプーリ52bに係合するワイヤ120との離間距離を小さくすることができるので、平面視において、互いに隣り合う複数の飛散防止ネット110どうしの間の間隙をより小さくすることができる。よって、解体作業の際に飛散しようとする解体材を飛散防止ネット110によってより確実に捕捉することができる。
【0036】
また、ネット架設用装置100は、例えば、ワイヤ120の一端部を保持するとともに、工事用足場130に対して着脱可能に取り付けられる保持機構90(図15参照)を備えている。より詳細には、本実施形態の場合、ワイヤ120の一端部は、ワイヤ掛け具50に係止された状態(図13参照)で、保持機構90に向けて更に下方に延出している。
保持機構90は、一例として、レバーブロック(登録商標)である。
保持機構90は、例えば、チェーン91と、チェーン91の一端部に固定されている第1フック部92と、チェーン91の長さを調整する操作部94と、操作部94に設けられている第2フック部93と、を有する。
本実施形態の場合、ワイヤ120の一端部にはクリップ部材96(図15参照)が固定されている。クリップ部材96は、一例として、キトークリップ(登録商標)である。クリップ部材96には環状部が設けられており、当該環状部には保持機構90の第1フック部92が係止される。そして、操作部94から第1フック部92までのチェーン91の長さを調節することにより、ワイヤ120の一端部を保持機構90側(下方)に牽引し張力を与えたり、ワイヤ120の一端部を保持機構90とは反対側(上方)に繰り出して弛緩させたりすることができる。
また、ネット架設用装置100は、保持機構90の第2フック部93が係止される第1係止部材95を備えている。
第1係止部材95は、例えば、略半楕円状の環状に形成されており、複数の第2水平棒状部34のうちいずれか1つの第2水平棒状部34に対して外挿されるとともに、保持機構90の第2フック部93が係止される。
これにより、保持機構90がワイヤ120の張力によって上方に引き上げられてしまうことを抑制できる。すなわち、ワイヤ120を好適に牽引し張力を与えることができる。
第1係止部材95は、一例として、シャックルである。
本実施形態の場合、一例として、互いに対向して配置されている第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12とのうち、第2ネット架設用治具12にワイヤ120の一端部を保持する保持機構90が取り付けられ、第1ネット架設用治具11にワイヤ120の他端部が固定部材(不図示)によって固定される。そして、第2ネット架設用治具12に取り付けられる保持機構90によって、ワイヤ120に与える張力を調整することができる。
【0037】
本実施形態の場合、ネット架設用装置100は、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を支持する索状体71を繰り出し可能な索状体繰出機構70(図16参照)と、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を上下にガイドするガイド機構80(図18参照)と、を備えている。
そして、ガイド機構80は、水平部材20に対して着脱可能に取り付けられ、索状体繰出機構70は、工事用足場130に対して着脱可能に取り付けられる。
より詳細には、図1及び図2に示すように、解体作業の進行に伴って解体されるフロアを下層階に移行する際に、飛散防止ネット110の高さ位置を下げる必要がある。
そして、上述の構成によれば、図1及び図2に示すように、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30をガイド機構80により下方にガイドすることができるので、飛散防止ネット110の高さ位置をスムーズに調整することができる。
より詳細には、水平部材20と支柱部材30とを連結しているダブルクランプ40を、水平部材20及び支柱部材30から取り外し、代わりにガイド機構80を水平棒状部22に取り付ける。そして、ガイド機構80によって、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を下方にスムーズガイドすることができる。
なお、本実施形態の場合、一のネット架設用治具10が備える複数の水平部材20に対して、それぞれ一のガイド機構80が取り付けられる。
また、ガイド機構80によって、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を上下にスムーズにガイドすることができるので、第1ネット架設用治具11の支柱部材30の上端部30aの高さ位置と、当該第1ネット架設用治具11と対向する第2ネット架設用治具12の支柱部材30の上端部30aの高さ位置と、を容易に揃えることができる。
【0038】
図16に示すように、索状体繰出機構70は、例えば、支柱部材30の下端部30bに取り付けられる取付金具76を介して、支柱部材30を支持する。
より詳細には、索状体繰出機構70は、索状体71が繰り出される本体部70aと、索状体71の一端部に設けられているフック部72と、を備えている。なお、索状体71は、特に限定されず、例えば、チェーン、ワイヤ及びロープ等であることが挙げられる。
また、図17(a)及び図17(b)に示すように、取付金具76は、例えば、略U字状に湾曲した板状部である二股部77と、二股部77の下面から垂下している板状部78と、を有する。
二股部77には、例えば、二股部77を貫通する一対の挿入孔76aが形成されている。また、板状部78にも、例えば、板状部78を貫通する係止孔76bが形成されている。
ここで、他方の第2鉛直棒状部32aの下端部には、当該第2鉛直棒状部32aを厚み方向に貫通する一対の第2挿入孔36aが形成されている。そして、二股部77が他方の第2鉛直棒状部32aの下端部を挟持するように配置された状態で、二股部77の挿入孔76a及び第2鉛直棒状部32bの一対の第2挿入孔36aの各々に不図示の挿通ボルトを挿入することによって、取付金具76を支柱部材30に固定することができる。
また、板状部78の係止孔76bには、索状体繰出機構70のフック部72が係止される第2係止部材75が取り付けられている。
このようにして、索状体繰出機構70は、取付金具76を介して、支柱部材30を支持する。これにより、支柱部材30が水平部材20に対して取り付けられている状態においては、索状体繰出機構70によって支柱部材30の下端部30bが良好に支持される。また、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を上下にガイドする際には、本体部70aからフック部72までの索状体71の長さを調節することによって、索状体繰出機構70により支柱部材30の下端部30bを支持しつつ、支柱部材30を安全に上下に移動させることができる。
また、索状体繰出機構70は、例えば、取付部材73によって、枠体131の台保持梁部133に吊り下げられている。
【0039】
ガイド機構80は、例えば、水平棒状部22の長手方向において互いに離間した状態でそれぞれ水平部材20に対して着脱可能に取り付けられる一対のガイド部材82a、82bと、水平棒状部22に対して平行となるように一対のガイド部材82a、82bどうしの間に架け渡されているローラ84a、84bと、を有する。
そして、一対のガイド部材82a、82b、ローラ84a、84b、及び、水平棒状部22によって囲まれた空間80aに支柱部材30が通された状態で、ガイド機構80が支柱部材30を上下にガイドする。
これにより、水平部材20から取り外された状態の支柱部材30を、安全且つスムーズに上下に変位させることができる。
【0040】
図18図19(a)及び図19(b)に示すように、一方のガイド部材82aは、上下一対の水平棒状部22に対してそれぞれ着脱可能に取り付けられる上下一対のクランプ85a、85bと、上下一対のクランプ85a、85bが固定されている第1板状部87aと、第1板状部87aを補強している第2板状部87bと、を有する。
第1板状部87aは、例えば、平面視において、略L字状に湾曲した板状部であり、各板面が第2水平棒状部34の長手方向を向いている第1部分と、当該第1部分に対して連接しているとともに、各板面が水平棒状部22の長手方向を向いている第2部分と、を有する。
第2板状部87bは、例えば、各板面が上下方向を向いた板状部である。第2板状部87bは、例えば、平面視において、略直角三角形状に形成されており、斜辺を除く2つの辺のうち一方の辺は第1板状部87aの第1部分に連接しており、他方の辺は第2板状部87bの第2部分に連接している。
このように、第2板状部87bは、第1板状部87aの第1部分及び第2部分の各々に対して直交しているので、第1板状部87aが第2板状部87bによって補強され、ガイド機構80の構造的強度を十分に確保することができる。
上下一対のクランプ85a、85bは、例えば、ダブルクランプ40の第1クランプ41と同様のクランプである。上下一対のクランプ85a、85bのうち一方のクランプ85aが、上下一対の水平棒状部22のうち一方の水平棒状部22を保持し、他方のクランプ85bが、他方の水平棒状部22を保持する。
上下一対のクランプ85a、85bは、例えば、上下方向において互いに離間した状態で、第1板状部87aの第1部分に対してそれぞれ固定されている。一例として、上下一対のクランプ85a、85bの各々は、挿通ボルト及び緩み止めナットによって上記第1部分に固定されている。
他方のガイド部材82bは、ローラ84a、84bを基準として、一方のガイド部材82aと対称形状に形成されている。したがって、他方のガイド部材82bは、上下一対のクランプ85a、85bと、第1板状部87aと、第2板状部87bと、を有する。
ここで、図19(b)に示すように、第1板状部87aにおいて、水平部材20側とは反対側の端部には、切欠形状部89a、89bが形成されている。ローラ84a、84bの各々は、水平棒状部22の長手方向に沿って延在した状態で、切欠形状部89a、89bによって回転可能に軸支されている。
ローラ84a、84bが支柱部材30に対して当接することによって、支柱部材30は上下にスムーズにガイドされることとなる。
【0041】
本実施形態の場合、ガイド機構80が水平部材20に対して取り付けられている状態において、一方のガイド部材82aが有する一対のクランプ85a、85bの各々と、他方のガイド部材82aが有する一対のクランプ85a、85bの各々とは、水平棒状部22の長手方向において互いに離間している。そして、一方のガイド部材82aの第1板状部87aの内側面と、他方のガイド部材82bの第1板状部87aの内側面と、は互いに平行且つ対向した状態で配置されている。この状態において、一方のガイド部材82aの第1板状部87aの切欠形状部89a、89bにローラ84a、84bの各々の一端部が挿通され、一方のガイド部材82aの第1板状部87aの切欠形状部89a、89bにローラ84a、84bの各々の一端部が固定され、他方のガイド部材82aの第1板状部87aの切欠形状部89a、89bにローラ84a、84bの各々の他端部が固定される。このようにして、ローラ84a、84bは一対のガイド部材82a、82bどうしの間に架け渡されており、ローラ84a、84bによって一対のガイド部材82a、82bどうしが互いに連結されている。
そして、本実施形態の場合、空間80aは、一方のガイド部材82aの第1板状部87aの内側面と、他方のガイド部材82bの第1板状部87aの内側面と、上下一対の水平棒状部22の各々の外面(躯体141側とは反対側の面)の一部分と、ローラ84a、84bと、によって画定されている。より詳細には、支柱部材30は、水平棒状部22の長手方向において、一方のガイド部材82aの第1板状部87aと他方のガイド部材82bの第1板状部87aとの間に配置されているとともに、第2水平棒状部34の長手方向において、上下一対の水平棒状部22とローラ84a、84bとの間に配置されている。
上述の構成によれば、ローラ84a、84bを一対のガイド部材82a、82bの各々から取り外すことによって、一対のガイド部材82a、82bどうしの連結を容易に解除することができる。このため、支柱部材30の長手方向におけるいずれの箇所においても、ガイド機構80を支柱部材30から容易に取り外すことができる。
【0042】
<変形例1>
次に、図20図21(a)及び図21(b)を用いて実施形態の変形例1を説明する。なお、図20においては、工事用足場130を二点鎖線で図示している。また、図20においては、ワイヤ掛け具50の図示を省略している。
本変形例に係るネット架設用装置100は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るネット架設用装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るネット架設用装置100と同様に構成されている。
【0043】
実施形態では、ガイド機構80が、一対のガイド部材82a、82b及びローラ84を有する例を説明した。しかし、本変形例の場合、ガイド機構80は、上述の一対のガイド部材82a、82b及びローラ84を有しておらず、代わりに、水平部材20に対して着脱可能に取り付けられるクランプ85aと、支柱部材30を上下にガイドする二股部88と、を有する。
これにより、本変形例に係るガイド機構80を、実施形態に係るガイド機構80よりも、小さい寸法に設定することができる。よって、例えば、スペース等の理由により、実施形態に係るガイド機構80を用いることができない場合は、本変形例に係るガイド機構80によって支柱部材30を上下にガイドすることができる。
より詳細には、図21(a)及び図21(b)に示すように、クランプ85aは、例えば、実施形態におけるガイド機構80のクランプ85aと同様に、一般的なクランプである。
二股部88は、例えば、平面視において、略U字状に湾曲した板状部であり、互いに対向する一対の対向部88aを有する。そして、略U字状の二股部88は、水平部材20側とは反対側に向けて開放している。そして、図20に示すように、二股部88の一対の対向部88aどうしの間に一方の第2鉛直棒状部32aが配置され、当該第2鉛直棒状部32aは二股部88によって上下にガイドされる。
上述の構成によれば、ガイド機構80による支柱部材30のガイドが完了した際には、速やかにガイド機構80を水平部材20から取り外すことができる。なお、ガイド機構80によって支柱部材30を上下にガイドする際には、例えば、工事用足場130から離れる方向への脱落を抑制すべく、他方の第2鉛直棒状部32bが作業員によって支持されることが好ましい。
【0044】
本変形例の場合、一例として、支柱部材30は2つのガイド機構80によって上下にガイドされる。2つのガイド機構80のうち一方のガイド機構80が有するクランプ85aと、他方のガイド機構80が有するクランプ85aとは、鉛直棒状部24の長さ方向において互いに離間した状態で水平部材20の対して取り付けられる。
より詳細には、2つのガイド機構80のうち一方のガイド機構80が有するクランプ85aは、上下一対の水平棒状部22のうち一方の水平棒状部22に対して取り付けられ、他方のガイド機構80が有するクランプ85aは、上下一対の水平棒状部22のうち他方の水平棒状部22に対して取り付けられる。この状態において、上記一方のガイド機構80が有する二股部88と、他方のガイド機構80が有する二股部88とは、一方の第2鉛直棒状部32aにおける、上下方向において互いに離間した箇所を支持している。このため、支柱部材30をより安定した状態で上下にガイドすることができる。
【0045】
<変形例2>
次に、図22から図24(d)を用いて実施形態の変形例2を説明する。なお、図22においては、水平部材20の図示を省略している。
本変形例に係るネット架設用装置100は、以下に説明する点で、上記の実施形態及び変形例1に係るネット架設用装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態及び変形例1に係るネット架設用装置100と同様に構成されている。
【0046】
本変形例の場合、ネット架設用装置100は、一対の支柱部材30を相互に組み付けるための組付部材210を備えている。そして、組付部材210を介して相互に組み付けられた一対の支柱部材30が、共通の水平部材20に対して取り付けられ、ワイヤ掛け具50は、一対の支柱部材30の上端部どうしの間に架設される。
これにより、ネット架設用治具10の構造的強度を向上させることができるとともに、一対の支柱部材30の上端部どうしの間にワイヤ120の一端部を係合させることができる。
【0047】
図24(a)、図24(b)及び図24(c)に示すように、組付部材210は、例えば、一対の支柱部材30をそれぞれ支持している一対の支持部211a、211bと、一対の支持部211a、211bどうしをそれぞれ互いに連結している一対の連結部212a、212bと、を有する。
一対の支持部211a、211bの各々は、例えば、一方向に長尺に形成されており、略U字状に湾曲した板状部である。より詳細には、一対の支持部211a、211bの各々は、上方に向けて開放している。
また、一対の支持部211a、211bの各々は、互いに平行且つ離間して配置されている。
一対の連結部212a、212bの各々は、例えば、略矩形筒状に形成されている。一対の連結部212a、212bの各々は、互いに平行且つ離間して配置されている。
一対の支持部211a、211bの各々は、例えば、第2水平棒状部34の長手方向に沿って延在しており、一対の連結部212a、212bの各々は、例えば、水平棒状部22の長手方向に沿って延在している。すなわち、一対の支持部211a、211bの各々は、一対の連結部212a、212bの各々に対して直交している。
図22に示すように、一対の支持部211a、211bのうちの一方の支持部211aの内部に、上記一対の支柱部材30のうちの一方の支柱部材30において最も上側に位置している第2水平棒状部34が配置され、他方の支持部211bの内部に、一対の支柱部材30のうちの他方の支柱部材30において最も上側に位置している第2水平棒状部34が挿入される。
ここで、組付部材210は、一対の挿通ボルト214a、214bと、当該挿通ボルト214a、214bの各々の先端部に対して螺合している一対の緩み止めナット213a、213bと、を更に有する。
一対の挿通ボルト214a、214bのうちの一方の挿通ボルト214aは、一方の支持部211aにおける、他方の支持部211b側とは反対側の面から、当該一方の支持部211aと、上記一方の支柱部材30の第2水平棒状部34と、一方の連結部212aと、他方の支持部211bと、上記他方の支柱部材30の第2水平棒状部34と、にそれぞれこの順に挿通されている。また、一対の挿通ボルト214a、214bのうちの他方の挿通ボルト214bは、一方の支持部211aにおける、他方の支持部211b側とは反対側の面から、当該一方の支持部211aと、上記一方の支柱部材30の第2水平棒状部34と、他方の連結部212bと、他方の支持部211bと、上記他方の支柱部材30の第2水平棒状部34と、にそれぞれこの順に挿通されている。
このようにして、一対の支柱部材30は、組付部材210を介して相互に組み付けられる。この状態において、一方の支柱部材30の第2水平棒状部34と、他方の支柱部材30の第2水平棒状部34とは、互いに平行に配置されており、水平部材20の長手方向に対して直交している。
【0048】
また、本変形例の場合、図22に示すように、水平部材20の長手方向において、ワイヤ掛け具50の連結部51の長さ寸法は、組付部材210の長さ寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。そして、ワイヤ掛け具50の嵌入部53aは、上記一方の支柱部材30が有する一方の第2鉛直棒状部32bに挿入され、ワイヤ掛け具50の嵌入部53aは、上記他方の支柱部材30が有する一方の第2鉛直棒状部32bに挿入される。この状態において、ワイヤ掛け具50の長手方向は、第2水平棒状部34の長手方向に対して直交している。
そして、図23(a)、図23(b)及び図23(c)に示すように、連結部51における組付部材210側とは反対側の面に、ブラケット55a、55bが設けられ、プーリ52a、52bが取り付けられている。
【0049】
<変形例3>
次に、図25(a)から図27(e)を用いて実施形態の変形例3を説明する。なお、図26(b)は、図26(a)に示す状態から、上から1段目の建枠130a及び上から2段目の建枠130aを取り外した状態を示している。図27(c)は、図26(b)に示す状態から、ダブルクランプ40の代わりにガイド機構80を水平部材20に対して取り付けた状態を示している。図27(d)は、図27(c)に示す状態よりも低い位置に支柱部材30が配置されている状態を示す。図27(e)は、図27(d)に示す状態よりも低い位置で飛散防止ネット110が吊り下げられている状態を示している。
本変形例に係るネット架設用装置100は、以下に説明する点で、上記の実施形態及び変形例1、2に係るネット架設用装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態及び変形例1、2に係るネット架設用装置100と同様に構成されている。
【0050】
図25(a)、図25(b)及び図25(c)に示すように、本変形例の場合、ネット架設用装置100は、上下に互いに隣接する単位構造体31どうしを補強する補強部材220を更に備えている。
これにより、単位構造体31が長手方向に複数連結されている状態を良好に維持することができるので、支柱部材30の構造的強度を十分に確保することができる。
【0051】
図25(b)及び図25(c)に示すように、補強部材220は、例えば、単位構造体31の第3鉛直棒状部31aの長手方向において互いに離間した状態でそれぞれ当該第3鉛直棒状部31aに対して着脱可能に取り付けられる上下一対のクランプ222と、第3鉛直棒状部31aに対して平行となるように上下一対のクランプ222によって保持されている棒状部221と、を有する。
上下一対のクランプ222は、それぞれ一般的な角クランプであり、例えば、上述の第1クランプ41及び第2クランプ42と同様のものである。
棒状部221は、例えば、略矩形筒状に形成されている。棒状部221の長手方向における一端部には、例えば、上下一対のクランプ222のうちの一方のクランプ222が設けられており、他端部には、他方のクランプ222が設けられている。棒状部221と上下一対のクランプ222とは、例えば、互いに溶接によって固定されている。
【0052】
本実施形態の場合、上下に互いに隣接する単位構造体31どうしは、例えば、次のように補強部材220によって補強されている。
図25(a)及び図26(a)に示すように、補強部材220は、例えば、単位構造体31の第3鉛直棒状部31aに対して取り付けられる。
より詳細には、上下に互いに隣接する単位構造体31のうちの上側の単位構造体31の第3鉛直棒状部31aの下端部に対して、上下一対のクランプ222のうちの一方のクランプ222が取り付けられるとともに、当該隣接する単位構造体31のうちの下側の単位構造体31の第3鉛直棒状部31aの上端部に対して上下一対のクランプ222のうちの他方のクランプ222が取り付けられる。この状態において、上下一対のクランプ222の軸方向は、それぞれ第3鉛直棒状部31aの長手方向(上下方向)と一致している。また、棒状部221は、上記上側の単位構造体31の第3鉛直棒状部31aの下端部と、上記下側の単位構造体31の第3鉛直棒状部31aの上端部と、に沿って配置されている。
このようにして、補強部材220は、単位構造体31を長手方向に複数連結することにより形成される支柱部材30を補強する。
なお、図27(c)に示すように、一対の第3鉛直棒状部31aのうちの相対的に躯体141に近い位置に配置される第3鉛直棒状部31aに対して一の補強部材220が取り付けられてもよいし、一対の第3鉛直棒状部31aの各々に対して、それぞれ一の補強部材220が取り付けられても良い。
【0053】
本変形例の場合、一例として、ネット架設用治具10は、2つの補強部材220を備えている。そして、図25(a)に示すように、複数の単位構造体31のうち、上から1段目の単位構造体31の下端部及び上から2段目の単位構造体31の上端部の各々に対して一の補強部材220が取り付けられ、上から2段目の単位構造体31の下端部及び上から3段目の単位構造体31の上端部の各々に一の補強部材220が取り付けられる。
【0054】
ここで、図26(a)から図27(e)を用いて、飛散防止ネット110の高さ位置を下げる作業の一連の流れの例を説明する。
先ず、図26(a)及び図26(b)に示すように、ネット架設用治具10(第1ネット架設用治具11)が取り付けられている複数の建枠130aのうち、上から1段目の建枠130a及び上から2段目の建枠130aをそれぞれ取り外す。この状態において、支柱部材30を構成している複数の単位構造体31のうち、上から1段目の単位構造体31及び上から2段目の単位構造体31が、それぞれ対応する建枠130aから取り外された状態となる。また、上から3段目の単位構造体31が上から1段目の建枠130aに対して取り付けられており、上から5番目(一番下)の単位構造体31が上から4段目の建枠130aに対して取り付けられている。
次に、図27(c)に示すように、支柱部材30を水平部材20から取り外す。より詳細には、支柱部材30及び各水平部材20からそれぞれダブルクランプ40を取り外し、代わりにガイド機構80を各水平部材20に対して取り付ける。この際に、上から1段目の水平部材20及び上から4段目の水平部材20に対して一のガイド機構80がそれぞれ取り付けられる。なお、ここでいうガイド機構80は、上述の実施形態におけるガイド機構80であり、当該ガイド機構80は、一対のガイド部材82a、82bとローラ84a、84bとをそれぞれ有する。また、上から2段目の水平部材20及び上から3段目の水平部材20の各々に対してそれぞれ一のガイド機構80が取り付けられる。なお、ここでいうガイド機構80は、変形例1におけるガイド機構80であり、当該ガイド機構80は、クランプ85aと二股部88とをそれぞれ備えている。更には、上から5段目の建枠130a及び上から6段目の建枠130aに対して、それぞれ一の水平部材20及び一のガイド機構80(変形例1におけるガイド機構80)を取り付ける。また、上から2段目の単位構造体31の下端部及び上から3段目の単位構造体31の上端部の各々に対して取り付けられている補強部材220を、当該単位構造体31から取り外す。
次に、上から1段目の単位構造体31の下端部及び上から2段目の単位構造体31の上端部の各々に対して取り付けられている補強部材220を、当該単位構造体31から取り外す。そして、図27(d)に示すように、複数のガイド機構80によって支柱部材30を下方にガイドする。
図27(e)に示すように、上から6番目の水平部材20の高さ位置よりも下方に支柱部材30の下端部30bを下げたら、支柱部材30を水平部材20に対して再び取り付ける。より詳細には、上記の複数のガイド機構80を対応する水平部材20から取り外し、再びダブルクランプ40を各水平部材20及び支柱部材30に対してそれぞれ取り付ける。また、複数の単位構造体31のうち、上から1段目の単位構造体31の下端部及び上から2段目の単位構造体31の上端部の各々に対して一(又は2つ)の補強部材220を取り付け、上から2段目の単位構造体31の下端部及び上から3段目の単位構造体31の上端部の各々に一(又は2つ)の補強部材220を取り付ける。また、上から1段目及び上から2段目の水平部材20をそれぞれ対応する建枠130aから取り外す。
また、第2ネット架設用治具12についても、第2ネット架設用治具12の上端部の高さ位置が第1ネット架設用治具11の上端部の高さ位置と略同等となるように、同様の手順で当該第2ネット架設用治具12の支柱部材30の上端部30aの高さ位置を下げる。
このようにして、支柱部材30の上端部30aの高さ位置をスムーズ且つ安全に下げることができる。よって、飛散防止ネット110の高さ位置もスムーズ且つ安全に下げることができる。
【0055】
<変形例4>
次に、図28から図37(b)を用いて実施形態の変形例4を説明する。
本変形例に係るネット架設用装置100は、以下に説明する点で、上記の実施形態及び変形例1~3に係るネット架設用装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態及び変形例1~3に係るネット架設用装置100と同様に構成されている。
【0056】
上記の実施形態及び変形例1~3では、飛散防止ネット110が吊り下げられるワイヤ120が、複数のネット架設用治具10どうしの間に架設される例を説明したが、本変形例の場合、ワイヤ120の代わりに、レール部310が複数のネット架設用治具10どうしの間に架設され、レール部310に飛散防止ネット110が吊り下げられる。
より詳細には、本変形例の場合、ネット架設用装置100は、一対の支柱部材30の上端部30aどうしの間に架設されるレール部310と、レール部310に沿って、一対の支柱部材30の上端部30aどうしの間を移動可能に設けられた複数の移動部340と、を備え、移動部340は、飛散防止ネット110が吊り下げられる連結部344を有する。
【0057】
このような構成によっても、飛散防止ネット110を、工事用足場130よりも上方位置に良好に架設させることができる。よって、解体作業の際に、解体されるフロアと飛散防止ネット110との上下方向における離間距離を十分に確保することができるので、当該フロアに配置される油圧ショベルなどの重機150と飛散防止ネット110とが干渉してしまうことを抑制できる。すなわち、より容易に飛散防止ネット110を好ましい配置に設置することができる。
更には、本変形例によれば、ネット架設用装置100は、一対の支柱部材30の上端部どうしの間を移動可能に設けられた複数の移動部340を備えており、複数の移動部340の連結部344に飛散防止ネット110が吊り下げられる。これにより、飛散防止ネット110は、移動部340の移動に伴って、一対の支柱部材30の上端部30aどうしの間をスムーズに移動することができる。よって、飛散防止ネット110の開閉を容易に行うことができる。
【0058】
図28に示すように、本変形例の場合も、実施形態及び変形例1~3と同様に、複数のネット架設用治具10は、平面視において、建築物140を間に挟んで、一方の側に配置されるネット架設用治具10(第1ネット架設用治具11)と、他方の側に配置されるネット架設用治具10(第2ネット架設用治具12)と、を含む。そして、第1ネット架設用治具11と第2ネット架設用治具12は、建築物140を間に挟んで互いに対向して配置される。
複数の第1ネット架設用治具11の各々は、例えば、対向直交方向において複数並んで配置される。同様に、複数の第2ネット架設用治具12の各々は、例えば、対向直交方向において複数並んで配置される。すなわち、一対の支柱部材30は、対向直交方向に複数対並んで配置される。
なお、ここでいう「対向直交方向」とは、水平方向、且つ、レール部310が架設される支柱部材30どうしの対向方向に対して直交する成分を少なくとも含む方向であればよい。
そして、図5及び図6に示すように、対向直交方向において複数並んで配置されている第1ネット架設用治具11及び第2ネット架設用治具12のうち、建築物140を間に挟んで、互いに対向している一の第1ネット架設用治具11の支柱部材30と一の第2ネット架設用治具12の支柱部材30との間にレール部310が架設される。
また、図29(a)から図30に示すように、飛散防止ネット110は、例えば、一対のレール部310によって吊り下げられ、当該一対のレール部310どうしの間に飛散防止ネット110が張られる。
より詳細には、一の飛散防止ネット110が吊り下げられる一対のレール部310のうちの一方のレール部310(以下、第1レール部311)は、一の第1ネット架設用治具11の支柱部材30と一の第2ネット架設用治具12の支柱部材30との間に架設され、他方のレール部310(以下第2レール部312)は、当該第1ネット架設用治具11の隣に配置される第1ネット架設用治具11の支柱部材30と当該第2ネット架設用治具12の隣に配置される第2ネット架設用治具12の支柱部材30との間に架設される。すなわち、二対一組の支柱部材30によって、飛散防止ネット110が吊り下げられる。そして、このような二対一組の支柱部材30が対向直交方向において複数並んで配置されることにより、複数の飛散防止ネット110が対向直交方向において複数並んで設置される。
【0059】
ここで、本変形例の場合、図29及び図30に示すように、二対の支柱部材30が対向直交方向に飛散防止ネット110の幅寸法よりも広い幅間隔(以下、単に幅間隔)で互いに離間して配置されて一組となり、二対一組の支柱部材30どうしが対向直交方向に互い隣接して配置される。
そして、幅間隔を隔てて互いに離間する二対の支柱部材30には、互いに向かい合う内側面側にそれぞれ移動部340を介して飛散防止ネット110が吊り下げられるようになっている。これに対し、対向直交方向に互いに隣接する二対の支柱部材30における互いに向かい合う内側面には移動部340が設けられておらず、飛散防止ネット110が吊り下げられていない。
これにより、二対一組の支柱部材30と、当該二対一組の支柱部材30とは別の組の二対の支柱部材30(隣接する二対の支柱部材30)との間には飛散防止ネット110が吊り下げられていない構成となる。よって、例えば、飛散防止ネット110の取り付け位置を変更する際には、当該飛散防止ネット110が吊り下げられている二対一組の支柱部材30の取り付け位置を、対応する水平部材20に対して上下方向又は水平方向において変更することで事足りる。すなわち、当該二対一組の支柱部材30に隣接する二対の支柱部材30(別の組の支柱部材30)の取り付け位置を変更する必要がないので、よりスムーズに飛散防止ネット110の取り付け位置を変更することができる。
なお、ここで、「隣接」とは、例えば、飛散防止ネット110の主部111の短手方向における寸法よりも小さい間隔で互いに隣り合って配置されることである。
また、ここで、「飛散防止ネット110の幅寸法」とは、例えば、飛散防止ネット110が二対一組の支柱部材30によって吊り下げられておりその自重によって撓んでいる状態における、飛散防止ネット110の幅寸法である。
また、ここで、「内側面」とは、例えば、幅間隔を隔てて互いに離間する二対の支柱部材30どうしの互いに対向する対向面を意味している。
【0060】
本変形例の場合、図28図29(a)及び図29(b)に示すように、ネット架設用装置100は、レール部310が取り付けられる棒状部320と、棒状部320を支持する支持構造体360と、支持構造体360と棒状部320とを相互に連結した状態で当該棒状部320を支持する複数の支持部材330と、を備えている。
【0061】
図28に示すように、レール部310は、例えば、互いに同一形状のレール部構成部材315を長手方向に複数連結することにより形成される。
図31(a)及び図31(b)に示すように、各レール部構成部材315は、例えば、互いに交差している第1板状部316及び第2板状部317を有する。第1板状部316及び第2板状部317の各々は、例えば、水平方向に長尺な板状に形成されている。第1板状部316の各板面は、水平方向を向いており、第2板状部317の板面は上下方向を向いている。第2板状部317の幅方向における一端部は、第1板状部316の幅方向における中央部に接続されている。図31(b)に示すように、側面視において、レール部構成部材315は、T字を横倒しにした形状に形成されている。
第1板状部316の長さ寸法は、例えば、第2板状部317の長さ寸法と同等の寸法に設定されている。第1板状部316の厚み寸法は、例えば、第2板状部317の厚み寸法よりも小さい寸法に設定されている。
ここで、本変形例の場合、第2板状部317の上面及び下面の各々には、第2板状部317の長手方向における一端から他端に亘って延在する溝部317aが形成されている。各溝部317aは、例えば、第2板状部317の幅方向における中央部に形成されている。第2板状部317の上面に形成されている溝部317aは、下方に向けて窪んでおり、第2板状部317の下面に形成されている溝部317aは、上方に向けて窪んでいる。
レール部構成部材315が長手方向に複数連結されることにより、各レール部構成部材315の各々の溝部317aは、例えば、当該長手方向に連続して延在する一連の溝部310aを形成する。より詳細には、第2板状部317の上面及び下面の各々に、長手方向に連続して延在する一連の溝部310aが形成される。そして、移動部340は、この一連の溝部310aに案内されることにより、支柱部材30の上端部30aどうしの間を移動可能となっている。
なお、各レール部構成部材315の長さ寸法や連結するレール部構成部材315の数は特に限定されず、建築物140の大きさや、一対の支柱部材30どうしの離間距離に応じて適宜設定することができる。また、各レール部構成部材315の長さ寸法は、互いに同一寸法に設定されていてもよいし、互いに異なる寸法に設定されていてもよい。
【0062】
図28に示すように、棒状部320は、例えば、互いに同一形状の棒状部構成部材321を長手方向に複数連結することにより形成される。
図32(a)、図32(b)及び図32(c)に示すように、棒状部構成部材321は、例えば、一方向に長尺な略矩形筒状に形成されており、4つの面を有する。
各棒状部構成部材321は、例えば、連結部材350によって互いに連結されている。
図37に示すように、連結部材350は、例えば、水平方向に延在している一対の挿入部351と、一対の挿入部351に外挿されている固定部352と、一対の挿入部351のうちの一方に取り付けられている締結用ナット353と、締結用ナット353によって固定される締結用ボルト354と、を備えている。
固定部352は、例えば、略矩形筒状に形成されている。固定部352、締結用ナット353及び締結用ボルト354は、例えば、挿入部351の長手方向における中央部に配置されている。換言すると、一対の挿入部351は、固定部352の両端側から長手方向における双方に突出している。また、締結用ナット353の一端部は、固定部352の内部に挿入されている。
【0063】
図33(a)に示すように、長手方向において互いに隣接する棒状部構成部材321のうちの一方の棒状部構成部材321の一端部に対して、一の連結部材350が取り付けられるとともに、当該隣接する単位構造体31のうちの他方の棒状部構成部材321の他端部に対して当該連結部材350が取り付けられる。このようにして、複数の棒状部構成部材321は、連結部材350を介して互いに上下に連結される。
更に詳細には、図33(a)に示すように、上記一方側の棒状部構成部材321の内腔に、それぞれ一対の挿入部351の一端部が挿入され、上記他方側の棒状部構成部材321の内腔に、それぞれ一対の挿入部351の他端部が挿入される。そして、上記一方側の棒状部構成部材321と上記他方側の棒状部構成部材321との繋ぎ目の部分に、固定部352が外挿される。
【0064】
図28に示すように、支持構造体360は、例えば、支柱部材30と同様に、水平部材20と同一形状且つ同一サイズの第2単位構造体361を、連結部材60によって長手方向に複数連結することにより形成される。ただし、各第2単位構造体361は、水平方向に延在する状態で互いに連結されるとともに、支柱部材30に着脱可能に取り付けられる。したがって、第2単位構造体361は、例えば、それぞれ水平に延在する一対の第4水平棒状部361aと、一対の第4水平棒状部361aの長手方向における複数箇所の各々において一対の第4水平棒状部361aどうしを連結している複数の第4鉛直棒状部361bと、を有する。
【0065】
図35(a)、図35(b)及び図35(c)に示すように、支持部材330は、上下に延在している角柱部332と、角柱部332の上端部に設けられている一対の支持部331と、角柱部332の下端部に設けられているクランプ333と、を有する。
角柱部332は、例えば、有底の略矩形筒状に形成されており、4つの側面と、1つの底面と、を有する。
一対の支持部331の各々は、例えば、角柱部332を基準として互いに対称形状に形成されている。より詳細には、一対の支持部331のうちの一方は、角柱部332の4つの側面のうちいずれか一つの面に形成されており、一対の支持部331のうちの他方は、当該面と対向する対向面に形成されている。
一対の支持部331の各々は、各板面が上下方向を向いている水平部と、水平部に連接しているとともに各板面が水平方向を向いている一対の鉛直部と、を有する。図35(a)に示すように、水平部は、例えば、一方向に長尺な矩形状に形成されている。水平部には、当該水平部を厚み方向に貫通している一対の挿入孔330aが形成されている。
図35(b)に示すように、一対の鉛直部の各々は、例えば、正面視において、略直角三角形状に形成されており、斜辺を除く2つの辺のうち一方の辺は角柱部332に連接している。
図35(c)に示すように、クランプ333は、例えば、固定用ナット333a及び固定用ボルト333bによって角柱部332の底部に対して固定されている。
クランプ333は、一般的な角クランプであり、例えば、第1挟持部と、第2挟持部と、第1挟持部と第2挟持部とを相互に開閉可能に軸支している軸支部と、を有する。更に、第1挟持部と第2挟持部とを相互に連結する締結用ボルトと、締結用ボルトと螺合している締結用ナットと、を有する。
【0066】
図28に示すように、本変形例の場合、支持構造体360は、一対の支柱部材30の上端部30aどうしを架け渡した状態で、対応する支柱部材30の第2鉛直棒状部32bに対して連結部材(不図示)を介して着脱可能に取り付けられる。なお、連結部材としては、特に限定されず、ダブルクランプを用いてもよいし、その他の部材を用いてもよい。
支持構造体360の長さ寸法は、例えば、対向方向における一対の支柱部材30の第2鉛直棒状部32bどうしの離間距離と略同等の寸法に設定されていることが好ましい。
また、図34に示すように、本変形例の場合、一の棒状部構成部材321に対して一のレール部構成部材315が取り付けられる。より詳細には、棒状部構成部材321が有する4つの面のうち水平方向を向く面に対してレール部構成部材315が取り付けられる。図29(b)に示す例では、棒状部構成部材321において、レール部構成部材315が取り付けられる面には、複数の第2挿入孔320bが形成されている。そして、第2挿入孔320bとレール部構成部材315の挿入孔216aとにそれぞれ挿通ボルト318が挿入されることにより、レール部構成部材315と棒状部構成部材321とは互いに固定される。なお、レール部構成部材315の長さ寸法は、一例として、棒状部構成部材321の長さ寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。レール部構成部材315と棒状部構成部材321とは互いに固定されている状態において、レール部構成部材315の長手方向における両端部は、棒状部構成部材321の長手方向における両端部よりも僅かに突出している。
【0067】
そして、図28に示すように、レール部構成部材315が固定された棒状部構成部材321が、長手方向に沿って複数連結された状態で、支持構造体360に対して装着されることにより、一連のレール部310が形成されるとともに、一連の棒状部320が形成される。この状態において、一連のレール部310の長手方向及び棒状部320の長手方向は、それぞれ支持構造体360の長手方向と一致している。
より詳細には、本変形例の場合、棒状部構成部材321には、複数の支持部材330が取り付けられ、棒状部構成部材321は複数の支持部材330を介して支持構造体360に着脱可能に装着される。
棒状部構成部材321の上下一対の面には、それぞれ第1挿入孔320aが形成されている。そして、第1挿入孔320aと支持部材330の支持部331の挿入孔330aに挿通ボルト334が挿入されることにより、棒状部構成部材321と支持部材330とは互いに固定される。また、この状態において、棒状部構成部材321の下面は、支持部331の水平部によって支持される。また、各支持部材330のクランプ333は、例えば、支持構造体360の一対の第4水平棒状部361aのうち、上側の第4水平棒状部361aの長手方向における複数箇所にそれぞれ装着される。
なお、各レール部構成部材315の各々の数や長さ寸法は、レール部310の長さ寸法が支持構造体360の長さ寸法と対応した寸法となるように設定されることが好ましい。同様に、各棒状部構成部材321の各々の数や長さ寸法は、棒状部320の長さ寸法が支持構造体360の長さ寸法と対応する寸法となるように設定されることが好ましい。
【0068】
図36(a)及び図36(b)に示すように、移動部340は、例えば、上述の連結部344に加えて、レール部310に対して回転移動可能に取り付けられる上下一対の回転部材341と、上下一対の回転部材341をそれぞれ保持している二股部343と、を有する。
上下一対の回転部材341は、例えば、互いに上下対称形状に形成されている。一対の回転部材341は、上下方向を軸方向とする略円盤状に形成されている車輪341aと、車輪341aの外周面から径方向外方に向けて周回状に張り出しているフランジ部341bと、を有する。上側の回転部材341のフランジ部341bは、車輪341aの上端部に形成されており、下側の回転部材341のフランジ部341bは、車輪341aの下端部に形成されている。
二股部343は、例えば、板面が水平に配置されている一対の第1部分343aと、一対の第1部分343aを相互に連結している第2部分343bと、を含む。二股部343には、例えば、上下一対の軸支部342が設けられており、上側に配置されている軸支部342によって、上側に配置されている回転部材341は二股部343に対して回転可能に軸支されている。同様に、下側に配置されている軸支部342によって、下側に配置されている回転部材341は二股部343に対して回転可能に軸支されている。そして、上下一対の回転部材341は互いに同軸に配置されている。
連結部344は、平面視円環状に形成されているリング部材344aと、リング部材344aを二股部343に対して固定している固定部344bと、を有する。固定部344bは、例えば、二股部343の第2部分343bにおいて、回転部材341が配置されている側とは反対側の面に設けられている。
ここで、本変形例の場合も、飛散防止ネット110の主部111の短手方向における各側端部には、それぞれ複数の鳩目115が設けられており、各鳩目115には、それぞれ環状部材116(図29(b)参照)が取り付けられている。本変形例の場合、各環状部材116が、それぞれ一つずつのリング部材344aに対して着脱可能に取り付けられることにより、飛散防止ネット110は連結部344によって吊り下げられる。
【0069】
本変形例の場合、図37(a)及び図37(b)に示すように、車輪341aの外径寸法は、レール部310の溝部310a(溝部317a)の幅寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。一方、フランジ部341bの外径寸法は、レール部310の溝部310a(溝部317a)の幅寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
また、上下方向における、上側の車輪341aの下面と下側の車輪341aの上面との離間距離は、例えば、第2板状部317における一対の溝部317aの形成領域の厚み寸法よりも大きく、第1板状部316の上下寸法よりも小さい寸法に設定されている。
そして、上側の回転部材341と下側の回転部材341とによって第2板状部317は挟持される。より詳細には、上側の回転部材341の車輪341aは、レール部310の上側の溝部317aの内部に配置され、上側の回転部材341のフランジ部341bは第2板状部317の上面に対して当接する。同様に、下側の回転部材341の車輪341aは、レール部310の下側の溝部317aの内部に配置され、下側の回転部材341のフランジ部341bは第2板状部317の下面に対して当接する。この状態において、一対の回転部材341は、溝部317aにおける第1板状部316側とは反対側の端面に沿って、レール部310の延在方向に回転移動可能となっている。
このような構成によれば、移動部340ひいては飛散防止ネット110の各環状部材116は、レール部310に沿って一対の支柱部材30どうしの間をスムーズに移動できる。
更には、例えば、飛散防止ネット110の重みによって、移動部340が飛散防止ネット110側に下り傾斜した状態となったとしても、下側の回転部材341のフランジ部341bが第2板状部317の下面に対して当接することにより、一対の車輪341aが対応する溝部317aの内部に配置された状態を良好に維持することができる。
なお、レール部310の長さ方向おける両端部には、それぞれレール部310からの移動部340の脱落を抑制する抜け止め治具(不図示)が設けられていてもよい。
また、移動部340は、例えば、回転部材341を備えておらず、レール部310に対して摺動可能に設けられてもよい。
【0070】
本変形例の場合、図30に示すように、一の飛散防止ネット110が吊り下げられる一対のレール部310のうちの一方のレール部310(第1レール部311)と当該一対のレール部310のうちの他方のレール部310(第2レール部312)とは、対向直交方向において、互いに平行に延在した状態で架設されることが好ましい。このようにすることにより、飛散防止ネット110を平面視略矩形状となるようにレール部310(第1レール部311及び第2レール部312)に吊り下げることができる。
また、図28に示すように、第1レール部311及び第2レール部312の各々は、水平に延在するように架設されることが好ましい。このようにすることにより、飛散防止ネット110の主部111が撓んでしまうことを抑制できるとともに、当該主部111がより水平方向に展開された状態でネット架設用装置100を吊り下げることができる。
また、対向直交方向において互いに隣接する二対の支柱部材30どうしの離間距離は、例えば、支柱部材30の厚み寸法の2倍以下であることが好ましい。このようにすることにより、平面視において、互いに隣り合う複数の飛散防止ネット110どうしの間の間隙をより小さくすることができる。よって、解体作業の際に飛散しようとする解体材を飛散防止ネット110によってより確実に捕捉することができる。一例として、互いに隣接する二対の支柱部材30は、互いに共通の水平部材20に対して取り付けられる。
図29(b)に示すように、本変形例の場合、幅間隔を隔てて互いに離間する二対の支柱部材30の内側面側には、それぞれレール部310(第1レール部311及び第2レール部312)が配置される。より詳細には、幅間隔を隔てて互いに離間する二対の支柱部材30のうちの一方の棒状部320の内側面に第1レール部311が取り付けられ、当該二対の支柱部材30のうちの他方の棒状部320の内側面に第2レール部312が取り付けられる。
一方、隣接する二対の支柱部材30における互いに向かい合う内側面側には、レール部310は配置されない。より詳細には、一の棒状部320に対して一のレール部310が取り付けられる。
【0071】
より詳細には、主部111の短手方向における一方の側端部に取り付けられている各環状部材116は、第1レール部311に取り付けられている各移動部340に並び順に挿通され、主部111の短手方向における他方の側端部に取り付けられている各環状部材116は、第2レール部312に取り付けられている各移動部340に並び順に挿通される。
このようにして、飛散防止ネット110がレール部310に吊り下げられている状態において、一対の第1垂れ部112a、112bのうち一方の第1垂れ部112aは、第1レール部311に沿って垂れ下がっており、他方の第1垂れ部112bは、第2レール部312に沿って垂れ下がっている。また、第1レール部311と第2レール部312との間において、一対の第2垂れ部113a、113bのうち一方の第2垂れ部113aは、主部111の短手方向における一方の側端部に沿って垂れ下がっており、他方の第2垂れ部113aは、主部111の短手方向における他方の側端部に沿って垂れ下がっている。
本変形例の場合、飛散防止ネット110を閉じる際には、対向方向における飛散防止ネット110の一端部を他端側に引き寄せることによって、飛散防止ネット110を閉じることができる。より詳細には、移動部340がレール部310にガイドされて、対向方向における一端側から他端側に移動することにより、飛散防止ネット110の一端部を他端側に引き寄せることができる。また、例えば、飛散防止ネット110が閉じた状態から、対向方向における飛散防止ネット110の一端部を一端側に引き寄せることによって、飛散防止ネット110を展開することもできる。
【0072】
<変形例5>
次に、図38(a)から図39を用いて実施形態の変形例5を説明する。なお、図38(a)においては、飛散防止ネット110及び支柱部材30の二点鎖線で示している。
本変形例に係るネット架設用装置100は、以下に説明する点で、上記の実施形態及び変形例1~4に係るネット架設用装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態及び変形例1~4に係るネット架設用装置100と同様に構成されている。
【0073】
本変形例の場合、図38(a)、図38(b)及び図39に示すように、二対の支柱部材30が対向直交方向に飛散防止ネット110の幅寸法よりも広い幅間隔(以下、単に幅間隔)で互いに離間して配置されて一組となり、二対一組の支柱部材30どうしも対向直交方向に幅間隔で互いに離間して配置されている。
そして、幅間隔を隔てて互いに離間する二対の支柱部材30には、互いに向かい合う内側面側にそれぞれ移動部340を介して飛散防止ネット110が吊り下げられているとともに、当該内側面側とは反対側の面側にもそれぞれ移動部340を介して当該飛散防止ネット110とは別の飛散防止ネット110が吊り下げられている。
これにより、対向直交方向における二対の支柱部材30の両側面側にそれぞれ別の飛散防止ネット110が吊り下げられる構成となる。よって、平面視において、互いに隣り合う複数の飛散防止ネット110どうしの間の間隙をより小さくすることができる。よって、解体作業の際に飛散しようとする解体材を飛散防止ネット110によってより確実に捕捉することができる。
なお、ここで、「内側面」とは、例えば、二対の支柱部材30どうしの互いに対向する対向面を意味しており、二対の支柱部材30の内側面の反対側の面とは、例えば、対向直交方向において当該対向面とは反対側を向いている面を意味している。
【0074】
本変形例の場合、図38(a)及び図38(b)に示すように、一の棒状部320に対して、一対のレール部310が取り付けられる。一対のレール部310は、棒状部320を基準として、対向直交方向において互いに対称に配置されている。より詳細には、一対のレール部310のうちの一方は、対向直交方向における棒状部320の一対の面のうちの一方に取り付けられ、一対のレール部310のうちの他方は、当該一対の面のうちの他方に取り付けられる。
そして、一対のレール部310には、それぞれ別の飛散防止ネット110が吊り下げられる。より詳細には、図39に示すように、一対のレール部310のうちの一方の各移動部340には、例えば、飛散防止ネット110の主部111の短手方向における一方の側端部が吊り下げられる。一対のレール部310のうちの他方の各移動部340には、例えば、当該一方のレール部310に吊り下げられる飛散防止ネット110とは別の飛散防止ネット110の主部111の短手方向における他方の側端部が吊り下げられる。
このような構成によれば、対向直交方向において、互いに隣り合って配置される一対のレール部310どうしの離間距離をより小さくすることができるので、平面視において、互いに隣り合う複数の飛散防止ネット110どうしの間の間隙を一層小さくすることができる。
【0075】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0076】
例えば、上記の変形例4及び5においては、支持構造体360を、水平部材20と同一形状及び同一サイズの第2単位構造体361を用いて形成する例を説明したが、本発明はこの例に限らず、第2単位構造体361の形状及びサイズは、水平部材20の形状及びサイズと異なるものであってもよい。この場合、例えば、第2単位構造体361として、図40に示すものを用いることができる。この第2単位構造体361は、例えば、それぞれ水平に延在する一対の第4水平棒状部と、一対の第4水平棒状部どうしの間をジグザグ状に延在している補強部と、を有する。補強部は、一対の第4水平棒状部の長手方向における複数箇所の各々において一対の第4水平棒状部どうしを連結している。図40に示す例では、互いに隣り合う第2単位構造体361どうしは、例えば、連結部材370によって相互に連結されている。
【0077】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)工事用足場に取り付けられる複数のネット架設用治具を備え、
飛散防止ネットを、前記複数のネット架設用治具どうしの間に設置可能であり、
前記ネット架設用治具は、当該ネット架設用治具が前記工事用足場よりも上方に突出する状態で当該ネット架設用治具を前記工事用足場に着脱可能に取り付けるための治具着脱部を備えるネット架設用装置。
(2)前記ネット架設用治具は、
水平方向に延在する状態で前記治具着脱部により前記工事用足場に着脱可能に取り付けられる水平部材と、
鉛直方向に立設された状態で前記水平部材に着脱可能に取り付けられる支柱部材と、
を備え、
前記支柱部材の上端部において前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、
前記水平部材に対する前記支柱部材の取り付け位置を水平方向において可変である(1)に記載のネット架設用装置。
(3)前記水平部材は、それぞれ水平に延在する上下一対の水平棒状部と、前記一対の水平棒状部の長手方向における複数箇所の各々において前記一対の水平棒状部どうしを連結している複数の鉛直棒状部と、を有し、前記一対の水平棒状部が構造物の躯体の外面に沿う状態で前記工事用足場に取り付けられる(2)に記載のネット架設用装置。
(4)前記支柱部材は、それぞれ鉛直方向に延在する一対の第2鉛直棒状部と、前記一対の第2鉛直棒状部の長手方向における複数箇所の各々において前記一対の第2鉛直棒状部どうしを連結している複数の第2水平棒状部と、を有し、前記一対の第2鉛直棒状部が前記躯体の外面に沿う状態となるとともに前記一対の第2鉛直棒状部のうちの一方の第2鉛直棒状部が相対的に前記躯体に近い位置に配置され前記一対の第2鉛直棒状部のうちの他方の第2鉛直棒状部が相対的に前記躯体から離れた位置に配置されるように前記水平部材に取り付けられる(3)に記載のネット架設用装置。
(5)前記他方の第2鉛直棒状部と前記水平棒状部とをダブルクランプにより連結することによって、前記支柱部材が前記水平部材に対して取り付けられる(4)に記載のネット架設用装置。
(6)一対の前記支柱部材の前記上端部どうしの間に架設されるレール部と、
前記レール部に沿って、前記一対の支柱部材の前記上端部どうしの間を移動可能に設けられた複数の移動部と、を備え、
前記移動部は、前記飛散防止ネットが吊り下げられる連結部を有する(2)から(5)のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
(7)前記一対の支柱部材が対向直交方向に複数対並んで配置され、
二対の支柱部材が前記対向直交方向に前記飛散防止ネットの幅寸法よりも広い幅間隔で互いに離間して配置されて一組となり、
前記二対一組の支柱部材どうしが前記対向直交方向に互いに隣接して配置され、
前記幅間隔を隔てて互いに離間する前記二対の支柱部材には、互いに向かい合う内側面にそれぞれ前記移動部を介して前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、
前記対向直交方向に互いに隣接する前記二対の支柱部材における互いに向かい合う内側面には前記移動部が設けられておらず前記飛散防止ネットが吊り下げられていないことを特徴とする(6)に記載のネット架設用装置。
(8)前記一対の支柱部材が前記対向直交方向に複数対並んで配置され、
二対の支柱部材が前記対向直交方向に前記飛散防止ネットの幅寸法よりも広い前記幅間隔で互いに離間して配置されて一組となり、
前記二対一組の支柱部材どうしも前記対向直交方向に前記幅間隔で互いに離間して配置され、
前記幅間隔を隔てて互いに離間する前記二対の支柱部材には、互いに向かい合う前記内側面にそれぞれ前記移動部を介して前記飛散防止ネットが吊り下げられるようになっており、前記内側面側とは反対側の面側にもそれぞれ前記移動部を介して当該飛散防止ネットとは別の前記飛散防止ネットが吊り下げられていることを特徴とする(6)に記載のネット架設用装置。
(9)前記飛散防止ネットが吊り下げられるワイヤを、複数の前記ネット架設用治具どうしの間に架設可能である(1)から(5)のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
(10)前記ネット架設用治具は、
前記支柱部材の上端部において前記ワイヤを保持するようになっており、
前記支柱部材の前記上端部に取り付けられるワイヤ掛け具を備え、
前記ワイヤ掛け具は、前記ワイヤが係合するプーリを有し、
前記複数のネット架設用治具の前記ワイヤ掛け具の前記プーリどうしの間に前記ワイヤを架設可能である(9)に記載のネット架設用装置。
(11)一対の前記支柱部材を相互に組み付けるための組付部材を備え、
前記組付部材を介して相互に組み付けられた前記一対の支柱部材が、共通の前記水平部材に対して取り付けられ、
前記ワイヤ掛け具は、前記一対の支柱部材の上端部どうしの間に架設される(10)に記載のネット架設用装置。
(12)前記水平部材から取り外された状態の前記支柱部材を支持する索状体を繰り出し可能な索状体繰出機構と、
前記水平部材から取り外された状態の前記支柱部材を上下にガイドするガイド機構と、
を備え、
前記ガイド機構は、前記水平部材に対して着脱可能に取り付けられ、
前記索状体繰出機構は、前記工事用足場に対して着脱可能に取り付けられる(2)を引用する(3)から(11)のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
(13)前記ガイド機構は、前記水平棒状部の長手方向において互いに離間した状態でそれぞれ前記水平部材に対して着脱可能に取り付けられる一対のガイド部材と、前記水平棒状部に対して平行となるように前記一対のガイド部材どうしの間に架け渡されているローラと、を有し、
前記一対のガイド部材、前記ローラ、及び、前記水平棒状によって囲まれた空間に前記支柱部材が通された状態で、前記ガイド機構が前記支柱部材を上下にガイドする(12)に記載のネット架設用装置。
(14)前記支柱部材は、前記水平部材と同一形状且つ同一サイズの単位構造体を長手方向に複数連結することにより形成される(2)を引用する(3)から(13)のいずれか一項に記載のネット架設用装置。
【符号の説明】
【0078】
10 ネット架設用治具
11 第1ネット架設用治具
12 第2ネット架設用治具
15 治具着脱部
20 水平部材
22 水平棒状部
24 鉛直棒状部
30 支柱部材
30a 上端部
30b 下端部
31 単位構造体
31a 第3鉛直棒状部
31b 第3水平棒状部
32 第2鉛直棒状部
32a 一方の第2鉛直棒状部
32b 他方の第2鉛直棒状部
34 第2水平棒状部
35a、35b 第1挿通孔
36a 第2挿通孔
40 ダブルクランプ
41 第1クランプ
42 第2クランプ
50 ワイヤ掛け具
51 連結部
52a、52b プーリ
53a、53b 嵌入部
54 環状部
55a、55b ブラケット
57a、57b 軸支部
60 連結部材
61 第1円筒部
62 第2円筒部
64 連結部
65a、65b 板状部
66a 挿入孔
66b、66c 嵌合孔
67a 水平部
67b 鉛直部
68 緩み止めナット
69 挿通ボルト
70 索状体繰出機構
71 索状体
72 フック部
73 取付部材
75 第2係止部材
76 取付金具
76a 挿入孔
76b 係止孔
77 二股部
78 板状部
80 ガイド機構
80a 空間
82a、82b ガイド部材
84a、84b ローラ
85a、85b クランプ
87a 第1板状部
87b 第2板状部
88 二股部
88a 対向部
89a、89b 切欠形状部
90 保持機構
91 チェーン
92 第1フック部
93 第2フック部
94 操作部
95 第1係止部材
96 クリップ部材
100 ネット架設用装置
110 飛散防止ネット
111 主部
112a、112b 第1垂れ部
113a、113b 第2垂れ部
115 鳩目
116 環状部材
120 ワイヤ
121 第1ワイヤ
122 第2ワイヤ
126a、126b ロープ
130 工事用足場
130a 建枠
131 枠体
132 脚部
133 台保持梁部
134 台部材
135 ブレス
140 建築物(構造物)
141 躯体
142 外面
150 重機
210 組付部材
211a、211b 支持部
212a、212b 連結部
213a、213a 緩み止めナット
214a、214b 挿通ボルト
220 補強部材
221 棒状部
222 クランプ
310 レール部
310a 溝部
311 第1レール部
312 第2レール部
315 レール部構成部材
316 第1板状部
316a 挿入孔
317 第2板状部
317a 溝部
318 挿通ボルト
320 棒状部
320a 第1挿入孔
320b 第2挿入孔
321 棒状部材
330 支持部材
330a 挿入孔
331 支持部
332 角柱部
333 クランプ
333a 固定用ナット
333b 固定用ボルト
334 挿入ボルト
340 移動部
341 回転部材
241a 車輪
341b フランジ部
342 軸支部
343 二股部
343a 第1部分
343b 第2部分
344 連結部
344a リング部材
344b 固定部
345 取付部材
350 連結部材
351 挿入部
352 固定部
353 締結用ナット
354 締結用ボルト
360 支持構造体
361 第2単位構造体
370 連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40