IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リテルフューズ、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図1
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図2
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図3
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図4
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図5
  • 特開-モジュール式高電圧ヒューズ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022078965
(43)【公開日】2022-05-25
(54)【発明の名称】モジュール式高電圧ヒューズ
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/08 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
H01H85/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021183406
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】63/113,342
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/510,742
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルバート ヘッツマンシダー
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA09
5G502BA04
5G502BA05
5G502BB14
5G502BC01
5G502BD06
5G502BD08
5G502BD20
5G502FF10
5G502KK10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型軽量であり、様々な用途に適合するよう容易に改造できるモジュール式高電圧ヒューズを提供する。
【解決手段】絶縁材料で形成された本体部22を含むヒューズ体12と、上記本体部の中に形成された複数のアークチャンバ26であって、上記複数のアークチャンバは行列形態に配列される、複数のアークチャンバと、上記本体部を通って延在し且つ上記複数のアークチャンバを横切る導体であって、上記導体は上記複数のアークチャンバの中に配置されたブリッジ部28を有し、上記ブリッジ部は上記導体の他の部分よりも機械的に弱く且つ上記ヒューズに過電流状態が発生すると溶断して分離するように構成される、導体20とを含むヒューズ10である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズであって、
絶縁材料で形成された本体部を含むヒューズ体と、
前記本体部の中に形成された複数のアークチャンバであって、前記複数のアークチャンバは行列形態に配列される、複数のアークチャンバと、
前記本体部を通って延在し且つ前記複数のアークチャンバを横切る導体であって、前記導体は前記複数のアークチャンバの中に配置されたブリッジ部を有し、前記ブリッジ部は前記導体の他の部分よりも機械的に弱く且つ前記ヒューズに過電流状態が発生すると溶断して分離するように構成される、導体と
を備えるヒューズ。
【請求項2】
前記導体が、その中に少なくとも2つの湾曲部が形成された蛇行形状を画定する、請求項1に記載のヒューズ。
【請求項3】
前記本体部が硬い外郭の中に入れられている、請求項1または2に記載のヒューズ。
【請求項4】
前記ヒューズがさらに、隣接するアークチャンバ同士の間に配置され且つ前記導体を横切るアークバリアを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項5】
前記アークバリアが、前記導体に対して垂直な向きに配置されたプレートである、請求項4に記載のヒューズ。
【請求項6】
前記アークバリアが、前記導体が前記アークバリアを通り抜けできるようにするために、中に溝穴または隙間が形成されている金属プレートで形成される、請求項4または5に記載のヒューズ。
【請求項7】
前記導体が、前記ヒューズ体から延在する第1端子および第2端子を画定する対向端部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項8】
前記本体部の前記絶縁材料が、メラミン、シリコン、およびポリアミドからなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項9】
前記複数のアークチャンバが前記本体部の材料の中に形成された空洞である、請求項1から8のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項10】
前記複数のアークチャンバが2次元行列を画定する、請求項1から9のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項11】
前記ヒューズ体の長さが10ミリメートル~100ミリメートルの範囲にあり、幅が10ミリメートル~50ミリメートルの範囲にあり、高さが5ミリメートル~25ミリメートルの範囲にある、請求項1から10のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項12】
前記ブリッジ部には、その中に穴、刻み目、および溝穴のうちの少なくとも1つが形成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項13】
前記複数のアークチャンバが矩形である、請求項1から12のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項14】
ヒューズであって、
絶縁材料で形成された本体部を含むヒューズ体と、
前記本体部の中に形成された複数のアークチャンバであって、前記複数のアークチャンバは行列形態に配列される、複数のアークチャンバと、
前記本体部を通って延在し且つ前記複数のアークチャンバを横切る導体であって、前記導体は前記複数のアークチャンバの中に配置されたブリッジ部を有し、前記ブリッジ部は前記導体の他の部分よりも機械的に弱く且つ前記ヒューズに過電流状態が発生すると溶断して分離するように構成される、導体と、
隣接するアークチャンバ同士の間に配置され且つ前記導体を横切るアークバリアと
を備えるヒューズ。
【請求項15】
前記導体が、その中に少なくとも2つの湾曲部が形成された蛇行形状を画定する、請求項14に記載のヒューズ。
【請求項16】
前記アークバリアが、前記導体に対して垂直な向きに配置されたプレートである、請求項14または15に記載のヒューズ。
【請求項17】
前記アークバリアが、前記導体が前記アークバリアを通り抜けできるようにするために、中に溝穴または隙間が形成されている金属プレートで形成される、請求項14から16のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項18】
前記導体が、前記ヒューズ体から延在する第1端子および第2端子を画定する対向端部を有する、請求項14から17のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項19】
前記本体部が、メラミン、シリコン、およびポリアミドからなる群から選択される絶縁材料で形成される、請求項14から18のいずれか一項に記載のヒューズ。
【請求項20】
前記ブリッジ部には、その中に穴、刻み目、および溝穴のうちの少なくとも1つが形成される、請求項14から19のいずれか一項に記載のヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年11月13日に出願された米国仮特許出願第63/113,342号に基づく利益を主張し、当該仮特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、回路保護素子の分野に関する。より具体的には、本開示は小型軽量であり、様々な用途に適合するよう容易に改造できるモジュール式高電圧ヒューズに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒューズは一般に回路保護素子として用いられ、通常は電源と電気回路内の負荷との間に設置される。従来のヒューズは、中空の電気的に絶縁したヒューズ体の中に配置された可溶素子を含む。過電流状態などの故障状態が発生すると、可溶素子は溶断するか、または別の方法で分離して、ヒューズを通る電流の流れを遮断する。これにより負荷は電気的に絶縁されるため、負荷に与える損傷が防止されるか、または少なくとも緩和される。
【0004】
場合によっては、ヒューズの可溶素子が溶断した後に、可溶素子の分離した端部同士の間の空隙に電気アークが広がることがある。アークは、消滅しない場合、大きな後続電流がヒューズを流れることを可能にし、負荷に損傷を与える且つ/または危険な状態を招く可能性があり得る。電気アークの悪影響を最小限に抑えるために、ヒューズは多くの場合、可溶素子を取り囲む通称「ヒューズフィラー」材料で充填される。ヒューズフィラーとして一般に用いられる材料は砂である。砂は、電気アークが発生する熱にさらされて、砂の相が固相から液相に変化するときに熱を吸収する。こうして、電気アークから熱を引き抜くことにより、砂は速やかにアークを冷やして、これを消滅させる。
【0005】
砂などのヒューズフィラー材料を用いることに関連した1つの問題は、これらの材料が一般に重いということである。このことは、非常に不都合になり得る。特に、部品の軽量化が第一要件である最近の電気的用途(例えば、自動車の中で100Vを超える電圧で動作する電気系統)ではそうである。砂などのヒューズフィラー材料のさらなる問題は、これらの材料を取り扱うのが難しいため、製造工程の複雑さが増しコストが上がることである。こうした検討要件および他の検討要件に関しては、本開示で説明される改善が有益になるであろう。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、選抜した概念を簡略化した形で紹介するために提供されている。本概要は、請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを目的とするものでもなく、本概要は、請求される主題の範囲を決定する際の補助になることを目的とするものでもない。
【0007】
本開示の非限定的な一実施形態によるヒューズでは、絶縁材料で形成された本体部を含むヒューズ体と、本体部の中に形成された複数のアークチャンバであって、これらのアークチャンバは行列形態に配列される、複数のアークチャンバと、本体部を通って延在し且つアークチャンバを横切る導体であって、導体はアークチャンバの中に配置されたブリッジ部を有し、ブリッジ部は導体の他の部分よりも機械的に弱く且つヒューズに過電流状態が発生すると溶断して分離するように構成される、導体とが含まれてよい。
【0008】
本開示の非限定的な一実施形態による別のヒューズでは、絶縁材料で形成された本体部を含むヒューズ体と、本体部の中に形成された複数のアークチャンバであって、これらのアークチャンバは行列形態に配列される、複数のアークチャンバと、本体部を通って延在し且つアークチャンバを横切る導体であって、導体はアークチャンバの中に配置されたブリッジ部を有し、ブリッジ部は導体の他の部分よりも機械的に弱く且つヒューズに過電流状態が発生すると溶断して分離するように構成される、導体と、隣接するアークチャンバ同士の間に配置され且つ導体を横切る複数のアークバリアとが含まれてよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的な一実施形態によるモジュール式高電圧ヒューズを示した斜視図である。
【0010】
図2図1に示すモジュール式高電圧ヒューズを示した正面図である。
【0011】
図3図1に示すモジュール式高電圧ヒューズを図2の平面A-Aに沿って示した断面図である。
【0012】
図4図1に示すモジュール式高電圧ヒューズを図2の平面B-Bに沿って示した断面図である。
【0013】
図5】本開示の例示的な一実施形態による別のモジュール式高電圧ヒューズを示した断面図である。
【0014】
図6】本開示の例示的な一実施形態による別のモジュール式高電圧ヒューズを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示によるモジュール式高電圧ヒューズの例示的な一実施形態が、これから添付図面を参照して以下により詳細に説明される。しかしながら、このモジュール式高電圧ヒューズは、多くの異なる形で具現化されてよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、こうした実施形態は、本開示がモジュール式高電圧ヒューズの特定の例示的な態様を当業者に伝えるように提供されている。
【0016】
図1を参照すると、本開示の例示的な一実施形態によるモジュール式高電圧ヒューズ10(以後、「ヒューズ10」とする)を示した斜視図が示されている。便宜のために且つ分かりやすくするために、本明細書では「前方」、「後方」、「上部」、「下部」、「上に」、「下に」、「上方」、「下方」などといった用語を用いて、ヒューズ10の様々な構成要素の相対的な配置および向きを、それぞれ図1に示されているヒューズ10の幾何学的配列および向きに対して説明してよい。上記用語には、具体的に言及された単語、その派生語、および同義語が含まれてよい。
【0017】
図1および図2を参照すると、ヒューズ10は絶縁性のヒューズ体12を含んでよく、その前面から導電性の第1端子14aおよび第2端子14bが突出している。ヒューズ体12は概して、直方体形状または円筒形状であってよく、第1端子14aおよび第2端子14bは、ヒューズ体12から平行して離間した関係で延在する実質的に平面の突起物であってよい。前述の説明は限定を意図するものではなく、ヒューズ体12ならびに第1端子14aおよび第2端子14bは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な異なる形状および形態で実装されてよい。端子14a、14bは、さらに後述されるように、ヒューズ体12の内部を通って延在する単一導体20(図3および図4を参照)の両端部であってよい。
【0018】
様々な非限定的で例示的な実施形態において、ヒューズ体12は、長さBが10ミリメートル~100ミリメートルの範囲であり、幅Bが10ミリメートル~50ミリメートルの範囲であり、高さBが5ミリメートル~25ミリメートルの範囲であってよい。特定の非限定的な例において、ヒューズ体12は、長さBが25ミリメートルであり、幅Bが18ミリメートルであり、高さBが16ミリメートルであってよい。別の非限定的な例において、ヒューズ体12は、長さBが45ミリメートルであり、幅Bが18ミリメートルであり、高さBが22ミリメートルであってよい。別の非限定的な例において、ヒューズ体25は、長さBが25ミリメートルであり、幅Bが32ミリメートルであり、高さBが22ミリメートルであってよい。
【0019】
図3および図4に示すヒューズ10の断面図を参照すると、ヒューズ体12は、外郭24の中に入れられた本体部22を含んでよい。本体部22は、高いガス放出性、低いアークトラッキング性、およびアーク消滅特性を示し且つ成形にも適している絶縁材料で形成されてよい。そのような材料の例には、限定されないが、シリコン、メラミン、ポリアミドなどが含まれる。外郭24は、剛性および耐久性を備えたヒューズ10を提供するために、プラスチックなどの硬い材料(すなわち、本体部22の材料より硬いもの)で形成されてよい。様々な実施形態において、外郭24は、本体部22が十分に硬く、耐久性がある材料で形成されている場合には省かれてよい。
【0020】
ヒューズ体12の本体部22は、複数の空洞(以後、「アークチャンバ」26と呼ばれる)を含んでよい。アークチャンバ26は概して、矩形であってよく、また図3の断面図に示すように複数の行および列による行列形態に配列されてよい。例えば、本体部22は、図3に示すように合計10個(5列×2行)のアークチャンバ26を含んでよい。本開示は、これについて限定されない。本体部22の中にあるアークチャンバ26の総数およびアークチャンバ26の配列は、さらに後述されるように、ヒューズ10の電圧要件に適合するよう変化してよい。
【0021】
なおも図3および図4を参照すると、上述した端子14a、14bを画定する対向端部を有する導体20は、ヒューズ体12の本体部22を通って延在してよく、つまり各アークチャンバ26を横切り、それを通って延在してよい。様々な実施形態において、アークチャンバ26を含む本体部22は、従来の成形工程(例えば、オーバーモールド成形、射出成形など)を用いて導体20の上に/周りに形成されてよく、一緒に接合(例えば、超音波溶接)され得る2つ以上の部分で形成されてよい。導体20は、曲げることができるか、そうでなければアークチャンバ26の形態に適合するように形作ることができる厚さCで幅Cの細長く、実質的に平面の金属片(例えば、銅、スズ、ニッケルなど)で形成されてよい。例えば、導体20は、U字形状に曲げられて、図3に示す5×2行列のアークチャンバ26に適合してよい。本開示は、これについて限定されない。
【0022】
アークチャンバ26を通って延在する導体20の部分(以後、「ブリッジ部」28と呼ばれる)は、導体20の他の部分に比べて機械的に弱くなり得るため、ブリッジ部28は、ヒューズ10に過電流状態が発生すると溶断して分離する。例えば、ブリッジ部28には、図4に示すように、穴29が形成されてよい。本開示は、これについて限定されない。様々な実施形態において、ブリッジ部28は刻み目が入れられても、溝穴が付けられても、そうでなければ、ヒューズ10を流れる電流量が所定の閾値を超えた場合に分離しやすいように細く弱くなってもよい。
【0023】
一般に、ヒューズ10の定格電圧は、本体部22に含まれるアークチャンバ26の総数(したがって、ブリッジ部28の総数)で決定され、各アークチャンバ26は、ヒューズ10の定格電流に応じて、定格電圧に一定の電圧を寄与する。本開示は、これについて限定されない。ヒューズ10の定格電流は、導体20の断面サイズ(すなわち、C×C)で決定される。非限定的な例において、ヒューズ10は(図3に示すように)合計10個のアークチャンバ26を含んでよく、導体20は、厚さCが1ミリメートルで幅Cが8ミリメートルであり、約500VACの定格電圧および約200Aの定格電流をヒューズ10に提供してよい。図5を参照すると、上述したヒューズ10の非限定的な代替実施形態を表すヒューズ100の断面図が示されている。ヒューズ100は、実質的にヒューズ10と同様であってよいが、(5×4行列に配列された)合計20個のアークチャンバ126を含んでよく、全てのアークチャンバ126を横切るように蛇行形態で曲げられ/配置された導体120は、厚さCが1ミリメートルで幅Cが16ミリメートル(視界外)であり、約1000VACの定格電圧および約400Aの定格電流をヒューズ100に提供してよい。
【0024】
上述され且つ図1図5に示されたヒューズ10および100の特定の形態は、ほんの一例として提供されており、アークチャンバの数および配列ならびに/または導体の幅および厚さは、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の用途(例えば、所望の定格電圧、定格電流、およびヒューズサイズ)に適合するように増えても減ってもよいことが理解されるであろう。有利なことに、ヒューズ体12の高さBに実質的に影響を与えることなく、アークチャンバの総数および導体の寸法を変えることができる(図1を参照)。
【0025】
図6を参照すると、上述したヒューズ10の別の非限定的な代替実施形態を表すヒューズ200の断面図が示されている。ヒューズ200は、ヒューズ10と実質的に同様であり得るが、導体220の経路にある複数のアークチャンバ226のそれぞれの対向面に位置する複数のアークバリア230を含んでよい。アークバリア230は、導体220がアークバリア130を通り抜けできるようにするために、中に溝穴または隙間が形成されている金属プレートで形成されてよい。様々な実施形態において、アークバリア230は鋼鉄、真鍮、銅などで形成されてよく、製造時には(導体20に関して上述したように)導体220と同じ方法で同時に、本体部222の材料でオーバーモールド成形、射出成形などにより形作られてよい。本開示は、これについて限定されない。ヒューズ200に過電流状態が発生すると、複数のアークチャンバ226のうちの1つまたは複数に電気アークが形成されることがあり、アークチャンバ226同士の間にある本体部222の材料(例えば、メラミン)をすぐに溶かしてしまうことがある。本体部222の材料より大きい熱容量を有し得るアークバリア230は、アークからの熱を吸収することができるため、この溶け落ちを緩和することができる。
【0026】
上述した実施形態により、砂およびシリカなどのヒューズフィラーを使用する従来のヒューズに比べて、容易且つ低いコストで製造および改造ができる小型で軽量なモジュール式高電圧ヒューズが提供されることを、当業者であれば理解するであろう。したがって、本開示の実施形態は、自動車用途などに特によく適しているかもしれない。
【0027】
本明細書では、単数形で記載され且つ「a」または「an」という単語で始まる要素またはステップが、複数の要素またはステップを排除しないものと、そのような排除が明示的に記載されない限り理解されるべきである。さらに、本開示の「1つの実施形態」への言及は、記載された特徴をも組み込んだ別の実施形態の存在を排除するものと解釈されることを意図してはいない。
【0028】
本開示は特定の実施形態に言及しているが、添付した特許請求の範囲に定められているように、本開示の領域および範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対して多くの修正、改変、および変更があり得る。したがって、本開示は、説明した実施形態に限定されることはなく、以下の特許請求の範囲の文言およびその等価物により定められる全範囲を有することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】