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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079027
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】発電機構
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20220519BHJP
   F16H 19/04 20060101ALI20220519BHJP
   F16H 1/06 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H02K7/18 Z
F16H19/04 A
F16H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020189954
(22)【出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】アダマンド並木精密宝石株式会社
(72)【発明者】
【氏名】青柳 智英
【テーマコード(参考)】
3J009
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3J009DA17
3J009EA05
3J009EA21
3J009EA32
3J009EA43
3J009EB17
3J009EC03
3J009FA30
3J062AA60
3J062AB05
3J062AB06
3J062AC06
3J062BA12
3J062BA31
3J062CA17
3J062CA18
3J062CA33
5H607BB02
5H607BB25
5H607CC03
5H607DD14
5H607EE33
(57)【要約】
【課題】どんなに遅い速度の力で動作させても所望の電力量を発電する事が出来ると共に、小型化とギア比の増加が両立可能な発電機構の提供。
【解決手段】発電機構が少なくとも、発電機と、2個の遊星歯車と、1個の太陽歯車と、捩りコイルバネと、1個の内歯車を備える。内歯車には少なくとも一部に歯が形成されている。太陽歯車は発電機のシャフトに自転可能に固定されている。第1の遊星歯車は太陽歯車と噛み合い、第2の遊星歯車は内歯車の内側に配置されている。(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係が有り、第1と第2の遊星歯車は、同一の軸に間隔を隔てて固定され、太陽歯車と噛み合って公転可能である。軸部品が軸又は軸と第2遊星歯車支持台とで構成される。捩りコイルバネは軸に巻回され、巻回部の第1の端部が軸部品に連結され、第2の端部が連結用部品に固定される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機構は少なくとも、発電機と、2個の遊星歯車と、1個の太陽歯車と、捩りコイルバネと、1個の内歯車とを備えており、
内歯車の外観形状は円筒で、円筒の内側の少なくとも一部に歯が形成されており、
太陽歯車及び遊星歯車は全て外歯車であり、
太陽歯車は発電機のシャフトに自転可能に固定されており、
2個の遊星歯車の内、第1の遊星歯車は太陽歯車と噛み合い、第2の遊星歯車は内歯車の内側に配置されており、
(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係を有しており、
第1の遊星歯車と第2の遊星歯車は、同一の軸に間隔を隔てて同一方向に自転可能に固定されていると共に、太陽歯車と噛み合いながら公転可能であり、
軸部品が軸又は軸と第2遊星歯車支持台とで構成されており、
捩りコイルバネは巻回部を有しており、巻回部は軸に巻回されており、巻回部の第1の端部が軸部品に連結されていると共に、第2の端部が連結用部品に固定されており、
発電機構の外部から力が入力されて、内歯車又は各軸部品の何れか又は両方に伝達され、
内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が発生して、
内歯車の歯と第2遊星歯車の互いの歯が噛み合って第2遊星歯車が自転され、第2遊星歯車の自転により巻回部が弾性変形する事で弾性エネルギーが捩りコイルバネに蓄積され、
更に内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が進行して、内歯車と第2遊星歯車の互いの歯の噛み合いが内歯車の内周面で外れ、
弾性エネルギーによって第2遊星歯車が逆方向に自転されて第1の遊星歯車も逆方向に自転され、
第1の遊星歯車の自転により太陽歯車が自転され、
太陽歯車の自転により発電機のシャフトが回転されて、発電機で電力が発生されて発電が行われる発電機構。
【請求項2】
前記第1の遊星歯車と前記第2の遊星歯車間の間隔に、前記巻回部が巻回されている請求項1に記載の発電機構。
【請求項3】
前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車がそれぞれ2個以上の偶数個備えられ、
前記捩りコイルバネが前記第1の遊星歯車と同一数備えられ、
前記偶数個の半数の前記捩りコイルバネの前記巻回部が、前記偶数個の残りの前記捩りコイルバネの前記巻回部に対し逆方向に巻回され、
更に前記内歯車に連続して形成される前記歯の部分が、前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車のそれぞれの個数以上である請求項1又は2に記載の発電機構。
【請求項4】
前記太陽歯車のピッチ円の円周方向で、前記第1の遊星歯車が等角度に配置されている請求項3に記載の発電機構。
【請求項5】
前記太陽歯車を中心として対称に配置される前記捩りコイルバネの巻回部が、互いに逆方向に巻回されている請求項3又は4に記載の発電機構。
【請求項6】
前記第2の端部が、互いに独立して前記連結用部品に固定されている請求項3から5の何れかに記載の発電機構。
【請求項7】
前記内歯車の歯が、全て同一の円ピッチで形成されている請求項1から6の何れかに記載の発電機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は使用されずに捨てられていた、身近な環境に存在する微弱な運動エネルギー(人力、振動、圧力、熱、太陽光等)を利用して、電力を発電出来る自己発電型の環境発電(エナジーハーベスティング:Energy Harvesting)が注目されている。
【0003】
特に環境発電によって電力を発電し、その電力を使って様々な装置に動作指示や動作状態を無線で送る事で、電源の交換や充電等の作業が不要な発電機構の作製が要求されている。具体的には無線の起動時に、電源に依らずに使用者の動作を外部からの入力として発電を行って電力を得る、自己発電型の発電機構が求められている。
【0004】
例えば特許文献1には、どんなに遅い速度の力で動作させても一定の電力量を高効率で発電する事ができ、確実なスイッチング動作を行う事が可能な発電機構及び発電方法が開示されている。
【0005】
特許文献1記載の発電機構は、第1可動部品、第2可動部品、捩りコイルバネ、発電機、ハウジングで形成されている。捩りコイルバネの第1及び第2巻回部は、互いに逆方向に第1中心軸に巻回されて、第1巻回部に初期弾性エネルギーie1が付与されていると共に、第2巻回部には初期弾性エネルギーie2が付与されている。また、第1中心軸と発電機のシャフトを2つの平歯車又はかさ歯車で連結している。第2可動部品を回転させ、第1可動部品を回転して弾性エネルギーie12を第1巻回部に蓄積し、第1及び第2可動部品の歯の噛み合いを外して前記ie12で第1中心軸を逆方向に回転させ発電機で発電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/013141号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の発電機構では、外部からの入力で回転動作する第1可動部品の回転量を、2つのかさ歯車で減速してギア比を増加している。しかし、更にギア比を高め発電量を大きくしようとすると、かさ歯車や、第1又は第2可動部品の大型化を招いてしまう。従って、発電機構の大型化を抑えながらギア比を増加させる事や、効率良く発電する事が困難であった。
【0008】
また第1可動部品及び第2可動部品が対向して配置される構造の為、発電機構全体の更なる小型化も困難であった。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、どんなに遅い速度の力で動作させても所望の電力量を発電する事が出来ると共に、小型化とギア比の増加が両立可能な発電機構の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、本発明の発電機構は少なくとも、発電機と、2個の遊星歯車と、1個の太陽歯車と、捩りコイルバネと、1個の内歯車とを備える。内歯車の外観形状は円筒で、円筒の内側の少なくとも一部に歯が形成されている。太陽歯車及び遊星歯車は全て外歯車である。太陽歯車は発電機のシャフトに自転可能に固定されている。2個の遊星歯車の内、第1の遊星歯車は太陽歯車と噛み合い、第2の遊星歯車は内歯車の内側に配置されている。更に(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係を有している。第1の遊星歯車と第2の遊星歯車は、同一の軸に間隔を隔てて同一方向に自転可能に固定されていると共に、太陽歯車と噛み合いながら公転可能である。軸部品が軸又は軸と第2遊星歯車支持台とで構成されている。捩りコイルバネは巻回部を有しており、巻回部は軸に巻回されており、巻回部の第1の端部が軸部品に連結されていると共に、第2の端部が連結用部品に固定されている。
【0011】
発電機構の外部から力が入力されて、内歯車又は各軸部品の何れか又は両方に伝達され、内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が発生して、内歯車の歯と第2遊星歯車の互いの歯が噛み合って第2遊星歯車が自転される。第2遊星歯車の自転により巻回部が弾性変形する事で弾性エネルギーが捩りコイルバネに蓄積される。更に内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が進行して、内歯車と第2遊星歯車の互いの歯の噛み合いが内歯車の内周面で外れ、弾性エネルギーによって第2遊星歯車が逆方向に自転されて第1の遊星歯車も逆方向に自転される。第1の遊星歯車の自転により太陽歯車が自転され、太陽歯車の自転により発電機のシャフトが回転されて、発電機で電力が発生されて発電が行われる発電機構である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発電機構に依れば、捩りにより弾性エネルギーを捩りコイルバネの巻回部に蓄積してから、その弾性エネルギーを解放して発電機で発電を行う事が出来る。従って、どんなに遅い速度の力で内歯車を自転及び/又は遊星歯車を公転させて発電機構を動作させても、所望の電力量を発電する事が可能となる。
【0013】
更に、遊星歯車に於いて(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係を有している為、第1の遊星歯車と第2の遊星歯車の間で大きなギア比を得る事が出来る。
【0014】
更に、内歯車の外径寸法内に、遊星歯車、捩りコイルバネ、太陽歯車、及び発電機を収める事が可能となる為、発電機構の小径化による小型化が出来る。
【0015】
更に、歯車を発電機構の形成部品に用いる事で、内歯車、遊星歯車、及び太陽歯車の間で互いの歯を噛み合わせて発電機構を動作させる事が可能となる。従って、動作損失の発生を抑制又は防止する事が出来る為、どのような用途や使用状況でも所望の電力量を発電する事が可能である。
【0016】
更に発電機構を、歯車、捩りコイルバネ、発電機と云った簡易な部品のみで形成している。従って耐候性や信頼性に優れ、どのような用途や使用状況でも確実に所望の電力量を発電可能な発電機構を形成する事が出来る。
【0017】
また前記の通り(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係と共に、第1の遊星歯車を太陽歯車と噛み合わせ、第2の遊星歯車を太陽歯車よりもピッチ円直径の大きい内歯車と噛み合わせている。従って、第1の遊星歯車と第2の遊星歯車間のギア比が大きくても、各遊星歯車の歯に掛かる負荷が分散されて歯の強度が確保される。よって遊星歯車間に於ける、力学的な過剰性能の付与を防止する事も可能となる。従って信頼性を確保しながら、製造コストの上昇を防止する事も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る発電機構の一部を示す、部分斜視図である。
図2図1の発電機構を内歯車方向から見た平面図である。
図3図1の発電機構に備えられる捩りコイルバネと、第1及び第2の端部を示す斜視図である。
図4図2の状態から、内歯車の歯と第2の遊星歯車の歯が噛み合った状態を示す平面図である。
図5図4の状態から、内歯車の歯と第2の遊星歯車の歯の噛み合いが外れた状態を示す平面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る発電機構の一部を示す、部分斜視図である。
図7図6の発電機構を内歯車方向から見た平面図である。
図8図6の発電機構に新たに備えられる捩りコイルバネと、第1及び第2の端部を示す斜視図である。
図9図7の状態から、内歯車の歯と第2の遊星歯車の歯が噛み合った状態を示す平面図である。
図10図9の状態から、内歯車の歯と第2の遊星歯車の歯の噛み合いが外れた状態を示す平面図である。
図11】本発明の別の実施形態に係る発電機構の一部を示す、部分斜視図である。
図12図11の発電機構に備えられる捩りコイルバネと、第1及び第2の端部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施の形態の第一の特徴は、発電機構は少なくとも、発電機と、2個の遊星歯車と、1個の太陽歯車と、捩りコイルバネと、1個の内歯車とを備えており、内歯車の外観形状は円筒で、円筒の内側の少なくとも一部に歯が形成されており、太陽歯車及び遊星歯車は全て外歯車であり、太陽歯車は発電機のシャフトに自転可能に固定されており、2個の遊星歯車の内、第1の遊星歯車は太陽歯車と噛み合い、第2の遊星歯車は内歯車の内側に配置されており、(第1の遊星歯車のピッチ円直径)>(第2の遊星歯車のピッチ円直径)の大小関係を有しており、第1の遊星歯車と第2の遊星歯車は、同一の軸に間隔を隔てて同一方向に自転可能に固定されていると共に、太陽歯車と噛み合いながら公転可能であり、軸部品が軸又は軸と第2遊星歯車支持台とで構成されており、捩りコイルバネは巻回部を有しており、巻回部は軸に巻回されており、巻回部の第1の端部が軸部品に連結されていると共に、第2の端部が連結用部品に固定されており、発電機構の外部から力が入力されて、内歯車又は各軸部品の何れか又は両方に伝達され、内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が発生して、内歯車の歯と第2遊星歯車の互いの歯が噛み合って第2遊星歯車が自転され、第2遊星歯車の自転により巻回部が弾性変形する事で弾性エネルギーが捩りコイルバネに蓄積され、更に内歯車の自転と遊星歯車の公転のどちらか又は両方が進行して、内歯車と第2遊星歯車の互いの歯の噛み合いが内歯車の内周面で外れ、弾性エネルギーによって第2遊星歯車が逆方向に自転されて第1の遊星歯車も逆方向に自転され、第1の遊星歯車の自転により太陽歯車が自転され、太陽歯車の自転により発電機のシャフトが回転されて、発電機で電力が発生されて発電が行われる発電機構と云う事である。
【0020】
以上の発電機構は、ドアの開閉状態の確認や、駐車場の駐車スペースや道路上での車両有無や進入の報知に使用する事が出来る。
【0021】
なお本発明では、捩りコイルバネに蓄積されるトルク(N・mm)を「弾性エネルギー」(mJ)と表記して説明する。
【0022】
また第二の特徴は、第1の遊星歯車と第2の遊星歯車間の間隔に、巻回部が巻回されていると云う事である。
【0023】
また第三の特徴は、第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車がそれぞれ2個以上の偶数個備えられ、捩りコイルバネが第1の遊星歯車と同一数備えられ、偶数個の半数の捩りコイルバネの巻回部が、偶数個の残りの捩りコイルバネの巻回部に対し逆方向に巻回され、更に内歯車に連続して形成される歯の部分が、第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車のそれぞれの個数以上であると云う事である。
【0024】
また第四の特徴は、太陽歯車のピッチ円の円周方向で、第1の遊星歯車が等角度に配置されていると云う事である。
【0025】
また第五の特徴は、太陽歯車を中心として対称に配置される捩りコイルバネの巻回部が、互いに逆方向に巻回されていると云う事である。
【0026】
また第六の特徴は、第2の端部が、互いに独立して連結用部品に固定されていると云う事である。
【0027】
また第七の特徴は、内歯車の歯が、全て同一の円ピッチで形成されていると云う事である。
【0028】
以下、図1図5を参照して、本発明に係る第1の実施形態の発電機構1を説明する。図1及び図2に示すように、発電機構1は少なくとも、発電機2と、2個の遊星歯車(第1の遊星歯車3aと第2の遊星歯車4a)と、1個の太陽歯車5と、捩りコイルバネ6aと、1個の内歯車(Internal gear)7とを備えている。以下、必要に応じて、単に「遊星歯車3a」、「遊星歯車4a」、「バネ6a」と記載する。
【0029】
部分的に図示している発電機2は、少なくともコイルとマグネットを含むモータであり、更にシャフト2aの回転と共にコイルかマグネットのどちらかが回転する型式のものである。具体的には、コアード型モータ、コアレス型モータ、ギアードモータが挙げられる。更にシャフト2aの端部には、太陽歯車5が自転可能に固定されている。
【0030】
太陽歯車5及び遊星歯車(3a、4a)は全て外歯車(External gear)であり、全周に歯が形成されている。更に本実施形態では、太陽歯車5及び遊星歯車(3a、4a)は平歯車に成形されている。遊星歯車3aと4aは同一の軸(軸単体8a)に固定されており、2つの遊星歯車(3a、4a)とも同一方向に自転可能に固定されている。更に遊星歯車(3a、4a)どうしは、軸単体8aの軸方向に互いに間隔を隔てて固定されている。
【0031】
太陽歯車5及び遊星歯車(3a、4a)の歯形は、本実施形態では共にインボリュート歯形である。インボリュート歯形とする事で、互いの歯車の中心軸間の直線間隔が若干変化しても噛み合いが正しく保たれると共に、容易に作製でき、滑りも少ない為好ましい。なお太陽歯車5及び遊星歯車(3a、4a)の歯形を、インボリュート歯形に換えてサイクロイド歯形に形成する事も可能である。
【0032】
2個の遊星歯車(3a、4a)の内、遊星歯車3aは太陽歯車5と噛み合う。図2に遊星歯車3aを破線で示し、太陽歯車5との噛み合い状態を示している。更に遊星歯車3aは太陽歯車5と噛み合いながら公転可能である。
【0033】
軸部品8は、軸単体8a、又は軸単体8aと第2遊星歯車支持台8bとで構成されている。軸単体8aは第1遊星歯車支持台9に挿入され、自転可能とされている。以下、必要に応じて単に「支持台9」と記載する。支持台9の外形は円盤状に成形される。
【0034】
更に遊星歯車3aと4a間には、(遊星歯車3aのピッチ円直径)>(遊星歯車4aのピッチ円直径)の大小関係を有している。また(遊星歯車3aの歯数)>(遊星歯車4aの歯数)の大小関係も有している。
【0035】
バネ6aは少なくとも1つの巻回部を有し、巻回部は軸(軸単体8a)に巻回されている。更に、軸(軸単体8a)に於ける巻回部の巻回箇所は、2つの遊星歯車(3a、4a)間に設けられた間隔に於ける軸上である。より詳述すると、遊星歯車4aと一体に成形されている第2遊星歯車支持台8bと、遊星歯車3a間の間隔に於ける軸上に巻回されている。以下、必要に応じて単に「支持台8b」と記載する。支持台8bの外形は円盤状に成形される。
【0036】
図3より、巻回部の第1の端部6a1(以下、必要に応じて単に「端部6a1」と記載)は、軸部品8に連結されている。本実施形態では図1及び図2に示す様に、端部6a1は軸部品8の内、支持台8bに挿入固定されて連結されている。一方、第2の端部6a2(以下、必要に応じて単に「端部6a2」と記載)は、連結用部品10に連結されて固定されている。本実施形態では、連結用部品10として設けられた軸部(以下、必要に応じて「軸部10」と記載)に、端部6a2が挿入固定されて連結されている。なお軸部10は、支持台9の面上に固定されている。支持台9は、軸単体8aを支持する事で遊星歯車3aを支持する台状の部品である。
【0037】
更に、軸(軸単体8a)の端部付近に内歯車7が設けられる。内歯車7の外観形状は、図1に示す様な軸単体8aの軸方向の厚みが薄い円筒で、円筒の内側である内周面の少なくとも一部に、歯が複数形成されている。歯の形成箇所以外の円筒内側には、歯が形成されていない内周面が形成されている。図1及び図2より、円ピッチを有して連続して形成されている歯の部分が2箇所(2歯ずつ)、180°対向で形成されている。なお、歯が「連続して形成されている」という意味は、歯が形成されていない内周面を挟まずに円ピッチを有して、歯が形成されていると云う意味である。更に内歯車7の内側に、遊星歯車4aが配置されている。内歯車7の歯形も、インボリュート歯形かサイクロイド歯形に形成する。
【0038】
太陽歯車5、遊星歯車(3a、4a)、支持台9、支持台8b、及び内歯車7の材料はそれぞれ任意に選択可能であり、例えばプラスチックや、無潤滑で摺動可能な樹脂、ステンレス、鋼などを用いれば良い。
【0039】
次に、発電機構1における自己発電の動作に関して説明する。発電機構1の外部から図示しない力が入力されて、その力が回転力として内歯車7又は軸部品8の何れか又は両方に伝達されると、内歯車7の自転と遊星歯車(3aと4a)の公転のどちらか又は両方が発生する。回転力が軸部品8に伝達されると、軸部品8が支持されている支持台9が自転をする事で、遊星歯車(3aと4a)は太陽歯車5の周りで公転する。
【0040】
内歯車7の自転と遊星歯車(3aと4a)の公転のどちらか又は両方の発生により、内歯車7の歯と遊星歯車4aの互いの歯が噛み合って、遊星歯車4aの自転が開始される(図4参照)。図2及び図4では、遊星歯車4aの反時計方向の公転により、前記噛み合いが開始されている状態を図示している。
【0041】
遊星歯車4aの自転に伴い支持台8bも自転する為、端部6a1も回転して移動する。回転力が伝達され続け、内歯車7の自転と遊星歯車(3aと4a)の公転のどちらか又は両方が進行し、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯が噛み合わされている間は、遊星歯車4aは回転(自転)し続ける。よって、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯の噛み合いが外れるまで、遊星歯車4aは自転される。
【0042】
遊星歯車4aの自転に伴い、端部6a1も支持台8bの自転に連動して移動する。遊星歯車(3aと4a)が公転して前記噛み合いが開始され、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯が噛み合っている間は、遊星歯車(3aと4a)の公転及び支持台9の自転は中断される為、端部6a2の動きは止められる。よって巻回部は第2の端部6a2を支点とした第1の端部6a1の移動により捩られる事となり、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯の噛み合いに伴う捩りにより、弾性エネルギーiea(mJ)が巻回部に蓄積される。
【0043】
巻回部の捩りは、内歯車7及び又は遊星歯車(3aと4a)に力が伝達され続け、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯が噛み合わされている間は保持される。従って、内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯の噛み合いが外れる直前における、巻回部の弾性エネルギーieaが最大量となる。
【0044】
なお巻回部の巻回方向と、内歯車7の自転方向及び/又は遊星歯車(3aと4a)の公転方向により、巻回部は捩りにより締められて弾性変形するか、又は緩められて弾性変形する。何れにしても巻回部において弾性変形が発生する。図1図2図4に於いては、巻回部は締められる形態を図示している。
【0045】
内歯車7及び/又は遊星歯車(3aと4a)が自転(回転)した後に、更に内歯車7の自転と遊星歯車(3aと4a)の公転のどちらか又は両方が進行し、図5に示すように内歯車7と遊星歯車4aの互いの歯の噛み合いが、内歯車7の歯が形成されていない内周面で外れる。すると巻回部の捩りによる変形の保持が外れて巻回部の変形が解放され、端部6a2を支点にして、ieaにより遊星歯車4aが前記噛み合い時の自転方向とは逆方向に回転する。即ち、ieaが遊星歯車4aの逆方向の回転(自転)に変換される。
【0046】
遊星歯車4aの逆方向の回転に伴い、軸単体8aも逆方向に回転すると共に、軸単体8aに固定されている遊星歯車3aも連動して同一方向(即ち逆方向)に自転される。更に、遊星歯車3aと噛み合って配置されている太陽歯車5も、遊星歯車3aの自転により自転される。
【0047】
次に、太陽歯車5の自転により発電機2のシャフト2aが回転されて、発電機2の内部でコイル又はマグネットが可動する事で電磁誘導により誘導起電力が発生して、電力が発生されて発電が行われる。その電力により、発電機構1の用途に応じて、別途任意に設置可能な無線通信装置を起動させる事が可能となる。
【0048】
なおieaは、内歯車7の歯数と円ピッチ、及び遊星歯車3aの歯数と円ピッチに伴う巻回部の弾性変形量に応じて変わるので、これらの設計変更により、ieaは任意に設定可能である。従って、発電機構1毎の仕様に応じて、シャフト2aの回転量も任意の回転量に設定出来る為、発電機2による電力量も発電機構1の外部からの力の速度に関係無く、所望の値に設定可能となる。
【0049】
以上、発電機構1に依れば、捩りにより弾性エネルギーieaをバネ6aの巻回部に蓄積してから、ieaを解放して発電機2で発電を行う事が出来る。従って、どんなに遅い速度の力で内歯車7を自転及び/又は遊星歯車(3a、4a)を公転させて発電機構1を動作させても、所望の電力量を発電する事が可能となる。
【0050】
更に、(遊星歯車3aのピッチ円直径)>(遊星歯車4aのピッチ円直径)の大小関係を有している為、遊星歯車3aと4aの間で大きなギア比を得る事が出来る。
【0051】
更に、各部品の寸法設定により、内歯車7の外径寸法内に遊星歯車(3a、4a)、バネ6a、太陽歯車5、及び発電機2を収める事が可能となる。具体的には、支持台8bの直径、巻回部の中心直径、遊星歯車3aの歯先円直径、支持台9の直径、及び発電機2の径寸法を。内歯車7の外径寸法未満とする。以上により、発電機構1の小径化による小型化が可能となる。
【0052】
更に、歯車を発電機構1の形成部品に用いる事で、内歯車7、遊星歯車(3a、4a)、及び太陽歯車5の間で互いの歯を噛み合わせて発電機構1を動作させる事が可能となる。従って、動作損失の発生を抑制又は防止する事が出来る為、どのような用途や使用状況でも所望の電力量を発電する事が可能である。
【0053】
更に発電機構1を、歯車(内歯車7、遊星歯車(3a、4a)、太陽歯車5)、捩りコイルバネ6a、発電機2と云った簡易な部品のみで形成している。従って耐候性や信頼性に優れ、どのような用途や使用状況でも確実に所望の電力量を発電可能な発電機構1を形成する事が出来る。
【0054】
また前記の通り(遊星歯車3aのピッチ円直径)>(遊星歯車4aのピッチ円直径)の大小関係と共に、遊星歯車3aを太陽歯車5と噛み合わせ、遊星歯車4aを太陽歯車5よりもピッチ円直径の大きい内歯車7と噛み合わせている。従って、遊星歯車3aと4a間のギア比が大きくても、各遊星歯車(3a又は4a)の歯に掛かる負荷が分散されて歯の強度が確保される。よって遊星歯車(3aと4a)間に於ける、力学的な過剰性能の付与を防止する事も可能となる。従って信頼性を確保しながら、製造コストの上昇を防止する事も可能となる。
【0055】
更に、軸(軸単体8a)の軸方向に於いて、遊星歯車3aと4aの間に設けられる間隔に、バネ6aの巻回部を巻回する事が好ましい。太陽歯車5はシャフト2aに固定されているので、太陽歯車5との噛み合いを考慮すると、遊星歯車3aは発電機2側に配置したい。従って、遊星歯車3aと支持台9の間に、バネ6aの巻回部を設置する間隔を設ける事は出来ない。更に軸(軸単体8a)に於ける内歯車7側の端部に巻回部を設置すると、巻回部が軸単体8aから離脱するおそれがある。よって巻回部を、2個の遊星歯車(3aと4a)で挟む事で前記離脱が防止され、好ましい。
【0056】
更に図1及び図3に示される様に、バネ6aの巻回部は軸単体8aの軸方向に巻回されている為、端部6a1と6a2は前記軸方向で分かれて形成される。よって2つの端部(6a1と6a2)の引き回しと、支持台8b又は連結用部品10への各々の連結の容易性を考慮しても、バネ6aの巻回部は遊星歯車3aと 4a間が最も好ましい。
【0057】
内歯車7の歯の円ピッチは、次の様な場合は異なっていても良い。その場合とは、円ピッチを有して連続して形成されている歯の部分が、歯が形成されていない内周面を介して複数箇所形成され、各歯の部分どうしの円ピッチを異ならせる場合である。しかし内歯車7の歯は、全て同一の円ピッチで形成される事が好ましい。その理由として、どの歯の部分でも遊星歯車4aと噛み合わせる事が可能になる為である。従って、内歯車7の自転方向及び/又は遊星歯車4aの公転方向が制限されないので、発電機構1の組み立てが容易になると共に、発電機構1の使用時の設置も容易になる。更に、内歯車7の製造が容易になる為、好ましい。
【0058】
巻回部の端部6a1は、軸単体8aに連結しても良く、軸単体8aの自転により端部6a1の位置を回転させてバネ6aを弾性変形させても良い。一方の端部6a2は、支持台9に連結しても良い。よって本発明に係る発電機構では、支持台9も連結用部品の一種と見なす。
【0059】
次に図6図10を参照して、本発明に係る第2の実施形態の発電機構12を説明する。なお前記発電機構1と同一箇所には同一の引出番号を付し、重複する説明は省略又は簡略化して記載する。
【0060】
発電機構12が発電機構1と異なる点は、新たに第1の遊星歯車3b、第2の遊星歯車4b、軸部品11、捩りコイルバネ6bが追加で備えられている点である。以下、必要に応じて、単に「遊星歯車3b」、「遊星歯車4b」、「バネ6b」と記載する。
【0061】
以上の各部品の追加により、第1の遊星歯車(3a、3b)及び第2の遊星歯車(4a、4b)はそれぞれ2個以上の偶数個備えられる。発電機構12では、それぞれ2個備えられた形態を示している。
【0062】
本実施形態で追加された遊星歯車(3bと4b)も全て外歯車で、平歯車に成形されている。遊星歯車3bと4bは同一の軸(軸単体11a)に固定され、2つの遊星歯車(3b、4b)とも同一方向に自転可能に固定されている。更に遊星歯車(3b、4b)どうしは、軸単体11aの軸方向に互いに間隔を隔てて固定されている。
【0063】
更に、2個の遊星歯車(3aと3b)は図7より、太陽歯車5のピッチ円の円周方向に於いて等角度に対向配置されている。図7では、2個の遊星歯車(3aと3b)を破線で示し、太陽歯車5との噛み合い状態を示している。本実施形態では180°間隔で、太陽歯車5を中心とした対称位置に2個の遊星歯車(3aと3b)を対向配置している。2個の遊星歯車(3aと3b)は共に太陽歯車5と噛み合いながら、太陽歯車5の周りで公転可能である。
【0064】
遊星歯車(3bと4b)の歯形も、インボリュート歯形が好ましいが、サイクロイド歯形でも良い。
【0065】
軸部品11は、軸単体11a、又は軸単体11aと第2遊星歯車支持台11bとで構成されている。軸単体11aは支持台9に挿入され、自転可能とされている。
【0066】
更に遊星歯車3bと4b間には、(遊星歯車3bのピッチ円直径)>(遊星歯車4bのピッチ円直径)の大小関係を有している。また(遊星歯車3bの歯数)>(遊星歯車4bの歯数)の大小関係も有している。
【0067】
更に、2つの遊星歯車(3aと3b)のピッチ円直径と歯数は同一が好ましい。また、2つの遊星歯車(4aと4b)のピッチ円直径と歯数は同一が好ましい。その理由として、遊星歯車の製造と管理が容易となり、発電機構12の組み立て時の確認作業も簡素化され、製造コストが低減される為である。
【0068】
また、遊星歯車4bは内歯車7の内側に配置される。
【0069】
またバネ6bが新たに追加される事で、バネ(6a、6b)も計2個の偶数個備えられ、遊星歯車(3a、3b)と同一数備えられる。
【0070】
バネ6bは図8に示す様に少なくとも1つの巻回部を有し、巻回部は図6より軸(軸単体11a)に巻回されている。更に、軸(軸単体11a)に於ける巻回部の巻回箇所は、2つの遊星歯車(3b、4b)間に設けられた間隔に於ける軸上である。より詳述すると、遊星歯車4bと一体に成形されている第2遊星歯車支持台11bと、遊星歯車3b間の間隔に於ける軸上に巻回されている。以下、必要に応じて単に「支持台11b」と記載する。支持台11bの外形は円盤状に成形される。
【0071】
更に、軸(軸単体11a)の軸方向に於いて、遊星歯車3bと4bの間に設けられる間隔に、バネ6bの巻回部を巻回する事が好ましい。太陽歯車5はシャフト2aに固定されているので、太陽歯車5との噛み合いを考慮すると、遊星歯車3bは発電機2側に配置したい。従って、遊星歯車3bと支持台9の間に、バネ6bの巻回部を設置する間隔を設ける事は出来ない。更に軸(軸単体11a)に於ける内歯車7側の端部に巻回部を設置すると、巻回部が軸単体11aから離脱するおそれがある。よって巻回部を、2個の遊星歯車(3bと4b)で挟む事で前記離脱が防止され、好ましい。
【0072】
偶数個の内の半数(発電機構12では1個)の捩りコイルバネの巻回部は、偶数個の内の残りの捩りコイルバネの巻回部に対し逆方向に巻回される。詳述すると図1図3に示す様にバネ6aの巻回部は、軸単体8aの軸方向が内歯車7側に行くに伴い反時計周りに巻回形成されている。一方でバネ6bの巻回部は図6図8に示す様に、軸単体11aの軸方向が内歯車7側に行くに伴い時計周りに巻回形成されている。
【0073】
またバネ6bの巻回部の第1の端部6b1(以下、必要に応じて単に「端部6b1」と記載)は、軸部品11に連結されている。本実施形態では図6及び図7に示す様に、端部6b1は軸部品11の内、支持台11bに挿入固定されて連結されている。一方、第2の端部6b2(以下、必要に応じて単に「端部6b2」と記載)は、連結用部品10に連結されて固定されている。本実施形態では、別途連結用部品10として設けられた軸部(以下、必要に応じて「軸部10」と記載)に、端部6b2が挿入固定されて連結されている。支持台9は、軸単体11aを支持する事で遊星歯車3bを支持している。
【0074】
図6及び図8に示される様に、バネ6bの巻回部は軸単体11aの軸方向に巻回されている為、端部6b1と6b2は前記軸方向で分かれて形成される。よって2つの端部(6b1と6b2)の引き回しと、支持台11b又は連結用部品10への各々の連結の容易性を考慮しても、バネ6bの巻回部は遊星歯車3bと 4b間が最も好ましい。
【0075】
遊星歯車(3b、4b)、支持台11bの材料はそれぞれ任意に選択可能であり、例えばプラスチックや、無潤滑で摺動可能な樹脂、ステンレス、鋼などを用いれば良い。
【0076】
次に、発電機構12における自己発電の動作に関して説明する。発電機構12の外部から図示しない力が入力されて、その力が回転力として内歯車7又は各軸部品(8又は11)の何れか又は両方に伝達されると、内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転のどちらか又は両方が発生する。回転力が軸部品(8又は11)に伝達されると、軸部品(8又は11)が支持されている支持台9が自転をする事で、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)は太陽歯車5の周りで公転する。
【0077】
内歯車7に連続して形成される歯の部分は、遊星歯車(3a、3b)及び遊星歯車(4a、4b)のそれぞれの個数以上であり、図6図7では、2箇所180°対向で形成されている。更に、第1の遊星歯車(3a、3b)と第2の遊星歯車(4a、4b)が、太陽歯車5の周囲に配置される角度と同一角度で等間隔に、内歯車7に於いて各歯の部分が形成される。
【0078】
内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転のどちらか又は両方の発生により、内歯車7の歯と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯が噛み合って、遊星歯車(4a、4b)の自転が開始される(図9参照)。図7及び図9では、遊星歯車(4a、4b)の反時計方向の公転により、前記噛み合いが開始されている状態を図示している。2つの遊星歯車(4a、4b)の自転方向は、同一方向である。
【0079】
遊星歯車(4a、4b)の自転に伴い支持台(8b、11b)も自転する為、端部(6a1、6b1)も回転して移動する。回転力が伝達され続け、内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転のどちらか又は両方が進行し、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯が噛み合わされている間は、遊星歯車(4a、4b)は回転(自転)し続ける。よって、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯の噛み合いが外れるまで、遊星歯車(4a、4b)は自転される。
【0080】
遊星歯車(4a、4b)の自転に伴い、端部(6a1、6b1)も支持台(8b、11b)の自転に連動して移動する。遊星歯車(3a、4a、3b、4b)が公転して前記噛み合いが開始され、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯が噛み合っている間は、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転及び支持台9の自転は中断される為、端部(6a2、6b2)の動きは止められる。よって巻回部は第2の端部(6a2、6b2)を支点とした第1の端部(6a1、6b1)の移動により捩られる。内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯の噛み合いに伴う捩りにより、前記弾性エネルギーiea(mJ)が巻回部に蓄積されると共に、弾性エネルギーieb(mJ)がバネ6bの巻回部に蓄積される。
【0081】
巻回部の捩りは、内歯車7及び又は遊星歯車(3a、4a、3b、4b)に力が伝達され続け、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯が噛み合わされている間は保持される。従って、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯の噛み合いが外れる直前における、巻回部の弾性エネルギーiea及びiebが最大量となる。
【0082】
なお巻回部の巻回方向と、内歯車7の自転方向及び/又は遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向により、2つのバネ(6a、6b)のどちらかの巻回部は捩りにより締められて弾性変形し、もう一方の巻回部は逆に緩められて弾性変形する。図6図7図9に於いては、バネ6aの巻回部は締められると共に、バネ6bの巻回部は緩められる形態を図示している。
【0083】
内歯車7及び/又は遊星歯車(3a、4a、3b、4b)が自転(回転)した後に、更に内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転のどちらか又は両方が進行する。すると、図10に示すように内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の互いの歯の噛み合いが、内歯車7の歯が形成されていない内周面で外れる。すると巻回部の捩りによる変形の保持が外れて巻回部の変形が解放され、端部(6a2、6b2)を支点にして、iea又はiebにより遊星歯車(4a、4b)が前記噛み合い時の自転方向とは逆方向に回転する。即ち、iea又はiebが遊星歯車(4a、4b)の逆方向の回転(自転)に変換される。なお弾性変形が解放された時、全ての遊星歯車(3a、4a、3b、4b)は同一回転方向に自転する。
【0084】
遊星歯車(4a、4b)の逆方向の回転に伴い、軸単体(8a、11a)も逆方向に回転すると共に、軸単体(8a、11a)に固定されている遊星歯車(3a、3b)も連動して同一方向(即ち逆方向)に自転される。更に、遊星歯車(3a、3b)と噛み合って配置されている太陽歯車5も、遊星歯車(3a、3b)の自転により自転される。
【0085】
次に、太陽歯車5の自転により発電機2のシャフト2aが回転されて、発電機2の内部で誘導起電力が発生して発電が行われる。
【0086】
発電機構12でも内歯車7の歯は、全て同一の円ピッチで形成される事が好ましい。その理由として、どの歯の部分でも遊星歯車(4a及び4b)と噛み合わせる事が可能になる為である。従って、内歯車7の自転方向及び/又は遊星歯車(4a及び4b)の公転方向が制限されず、どの遊星歯車(4a及び4bのどちら)にも噛み合わせ可能になる。また発電機構12の組み立てが容易になると共に、発電機構12の使用時の設置も容易になる。更に、内歯車7の製造が容易になる為、好ましい。
【0087】
内歯車7に連続して形成される歯の部分は、遊星歯車(3a、3b)及び遊星歯車(4a、4b)のそれぞれの個数以上であり、図6図7では2箇所180°対向で形成されている。更に、遊星歯車(3a、3b)及び遊星歯車(4a、4b)が、太陽歯車5の周囲に配置される角度と同一角度で等間隔に、内歯車7に於いて各歯の部分が形成される。
【0088】
なおiea又はiebは、内歯車7の歯数と円ピッチ、及び遊星歯車(3a、3b)の歯数と円ピッチに伴う巻回部の弾性変形量に応じて変わるので、これらの設計変更により、iea又はiebは任意に設定可能である。従って、発電機構12毎の仕様に応じて、シャフト2aの回転量も任意の回転量に設定出来る為、発電機2による電力量も発電機構12の外部からの力の速度に関係無く、所望の値に設定可能となる。
【0089】
以上、発電機構12に依れば発電機構1が有する各効果に加えて、捩りにより弾性エネルギーiebをバネ6bの巻回部に蓄積してから、iebを解放して発電機2で発電を行う事が出来る。従って前記ieaとiebの解放により、どんなに遅い速度の力で内歯車7を自転及び/又は遊星歯車(3a、4a、3b、4b)を公転させて発電機構12を動作させても、所望の電力量を発電する事が可能となる。
【0090】
更に、(遊星歯車3aのピッチ円直径)>(遊星歯車4aのピッチ円直径)の大小関係に加えて、(遊星歯車3bのピッチ円直径)>(遊星歯車4bのピッチ円直径)の大小関係を有している為、第1の遊星歯車(3aと3b)と、第2の遊星歯車(4aと4b)の間で大きなギア比を得る事が出来る。
【0091】
更に、各部品の寸法設定により、内歯車7の外径寸法内に遊星歯車(3a、4a、3b、4b)、バネ(6a、6b)、太陽歯車5、及び発電機2を収める事が可能となる。具体的には、支持台(8b、11b)の各直径、バネ(6a、6b)の各巻回部の中心直径、遊星歯車(3a、3b)の各歯先円直径、支持台9の直径、及び発電機2の径寸法を、内歯車7の外径寸法未満とする。以上により、発電機構12の小径化による小型化が可能となる。
【0092】
更に、歯車を発電機構12の形成部品に用いる事で、内歯車7、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)、及び太陽歯車5の間で互いの歯を噛み合わせて発電機構12を動作させる事が可能となる。従って、動作損失の発生を抑制又は防止する事が出来る為、どのような用途や使用状況でも所望の電力量を発電する事が可能である。
【0093】
更に発電機構12を、歯車(内歯車7、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)、太陽歯車5)、捩りコイルバネ(6a、6b)、発電機2と云った簡易な部品のみで形成している。従って耐候性や信頼性に優れ、どのような用途や使用状況でも確実に所望の電力量を発電可能な発電機構1を形成する事が出来る。
【0094】
発電機構12では、前記の通り(遊星歯車3aのピッチ円直径)>(遊星歯車4aのピッチ円直径)及び(遊星歯車3bのピッチ円直径)>(遊星歯車4bのピッチ円直径)の大小関係を有する。更に遊星歯車(3aと3b)を太陽歯車5と噛み合わせ、遊星歯車(4aと4b)を太陽歯車5よりもピッチ円直径の大きい内歯車7と噛み合わせている。従って、第1の遊星歯車(3aと3b)と第2の遊星歯車(4aと4b)の間のギア比が大きくても、各遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の歯に掛かる負荷が分散されて歯の強度が確保される。更に、第1の遊星歯車(3aと3b)と第2の遊星歯車(4aと4b)間に於ける、力学的な過剰性能の付与を防止する事も可能となる。よって信頼性を確保しながら、製造コストの上昇を防止する事も可能となる。
【0095】
また、バネ(6aと6b)の個数を偶数個とし、偶数個の半数の巻回部での巻回方向を、偶数個の残りの巻回方向に対し逆方向とする事で、弾性変形時に締められる巻回部の個数と緩められる巻回部の個数を同数とする事が可能となる。従って、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向及び/又は内歯車7の自転方向に伴う、巻回部の弾性変形状態の偏りが防止され、常に所望で一定の弾性エネルギー(iea+ieb)を解放する事が可能となり、所望で一定の電力量を発電する事が可能となる。更に、内歯車7の歯と遊星歯車(4a、4b)の歯の噛み合い時に、内歯車7の全体の歯に加わる応力が、巻回方向が逆方向なので打ち消され、内歯車7及び遊星歯車(4a、4b)の各歯の破損を抑制する事も可能となる。
【0096】
各捩りコイルバネの巻回部に於ける巻回方向は任意だが、最も好ましくは太陽歯車5を中心として対称に配置される捩りコイルバネの巻回部が、互いに逆方向に巻回されている構成である。発電機構12では、太陽歯車5を中心として対称に配置されたバネ(6aと6b)の巻回部を、互いに逆方向に巻回している。この構成により、応力の前記打ち消しをより一層図る事が出来る。
【0097】
各捩りコイルバネの巻回部に於ける巻回方向が全て同一方向だと、内歯車7と遊星歯車(4a、4b)の各歯の噛み合いに伴う巻回部の弾性変形が、締まるのみ又は緩まるのみとなってしまう。本発明の検証に当たり、捩りコイルバネでは(締まる時に巻回部に蓄積される弾性エネルギー)>(緩まる時に巻回部に蓄積される弾性エネルギー)の関係を有る事を確認した。従って前記巻回方向を全て同一方向に設定すると、全ての巻回部に蓄積される弾性エネルギーの合計値が、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向及び/又は内歯車7の自転方向に依存する為、望ましくない。
【0098】
但し、発電機構12の使用用途や使用環境により、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向及び/又は内歯車7の自転方向が一定方向のみの動作状態に於いては、全ての巻回部が締まる様な弾性変形をする巻回方向に設定する。この設定により、より大きな弾性エネルギーを解放して、より大きな発電量を得る事が出来る。
【0099】
捩りコイルバネの個数は奇数個でも良いか、2個以上の偶数個が好ましい。その理由は、奇数個では全ての巻回部の巻回方向に於いて必ず1箇所で巻回方向の偏りが生じ、応力を打ち消し合う事が出来ない為である。
【0100】
なお、全ての捩りコイルバネ(本実施形態では6aと6bの2つ)の巻回数は、同一回数でも良いし、異なっていても良い。しかし同一回数とする事が、応力の前記打ち消しがより一層図られる為、好ましい。
【0101】
更に、太陽歯車5のピッチ円の円周方向で、遊星歯車(3a、3b)を等角度(本実施形態では180°)に配置する事により、太陽歯車5と遊星歯車(3a、3b)の歯の噛み合いに於ける、太陽歯車5の歯に加わる応力の偏りが防止される。従って、太陽歯車5の破損を抑制する事が出来る。
【0102】
前記の通り、内歯車7に連続して形成される歯の部分を、遊星歯車(3a、3b)及び遊星歯車(4a、4b)のそれぞれの個数以上とし、更に、遊星歯車(3a、3b)及び遊星歯車(4a、4b)が太陽歯車5の周囲に配置される角度と同一角度で等間隔に、内歯車7に於いて各歯の部分を形成する。よって、内歯車7と遊星歯車(4aと4b)間での歯の噛み合いを、全ての遊星歯車(4aと4b)で同時に行う事が可能となる。よって全ての遊星歯車(4aと4b)を同時に自転させてiea及びiebをバネ(6a、6b)の各巻回部に蓄積させ、同一のタイミングで解放可能となる。従って、太陽歯車5に伝達される回転力が増加し、発電量が増加する。
【0103】
端部6b1は軸単体11aに連結しても良く、軸単体11aの自転により端部6b1の位置を回転させてバネ6bを弾性変形させても良い。一方の端部6b2は、支持台9に連結しても良い。
【0104】
なお発電機構12では、端部(6a2、6b2)を、各々軸部10に連結しているが、図11及び図12に示す様に端部(6a2、6b2)どうしを互いに連結する事で、複数の巻回部を有する1つの捩りコイルバネを発電機構に備えても良い。従って、本発明では「連結用部品」には、それぞれの第2の端部も含むものとする。但し、端部(6a2、6b2)どうしは図6及び図7に示す様に、互いに独立してそれぞれ軸部10に連結されるか、若しくは互いに独立してそれぞれ支持台9に連結される事が望ましい。その理由は、第2の端部どうしが連結されず互いに独立している事で、互いの巻回部の弾性変形に影響を及ぼす事が防止され、所望の弾性エネルギーを蓄積し、所望の電力量を発電する事が可能となる為である。
【0105】
以上、発電機構1又は12共に、構成部品全体を図示しないハウジングに収める事が望ましい。ハウジングに収める事で、防塵性や防水性を確保する事が可能となる。また、歯車部分の防錆効果も得られる。従って、発電機構1又は12の耐候性や信頼性をより一層向上させる事ができ、より確実な発電動作を実現する事が可能となる。
【0106】
なお内歯車7とそれ以外の各部品とで、個別のハウジングに収納する事が、内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転(即ち、支持台9の自転)を阻害しないので好ましい。また個別のハウジングを介して、前記回転力を内歯車7又は軸部品(8又は11)に伝達可能となる。
【0107】
更に、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転に伴う配置位置を感知する為のセンサを、少なくとも2個備える事で、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向を感知する事が出来る。更にセンサを2個以上取り付ける事で、位置感知の分解能が向上する。
【0108】
また太陽歯車5、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)、内歯車7の外歯車の各歯は、平歯車に換えてヘリカル歯車に変更しても良い。従って、本発明では「外歯車」とは平歯車に加えてヘリカル歯車も含まれるものとする。
【0109】
なお、本発明に係る発電機構の内歯車の自転方向、及び遊星歯車の公転方向(即ち、第1遊星歯車支持台の自転方向)は、前記各実施形態に限定されず、任意に回転可能である。
【0110】
本発明に係る発電機構は、ドアの開閉状態の確認や、駐車場の駐車スペースや道路上での車両有無や進入の報知に用いる事が出来る。それぞれドア開閉時の回転力や、車両の車輪の進入に伴う入力を回転力として発電機構に入力する事で、自己発電により無線通信装置を起動させ、所望の確認を行う事が可能となる。なおドアの開閉状態を確認したい場合は、蝶番を内歯車7と支持台9にそれぞれ連結し、ドアのヒンジに設置して回転力を入力とすれば良い。
【0111】
以下に本発明に係る実施例を説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例0112】
本実施例の発電機構の構造は、前記第2の実施形態の発電機構12と同一とした。従って説明の便宜上、図6図10の引出番号を適宜引用して説明し、前記第2の実施形態と重複する説明は省略又は簡略化し、新たに説明が必要な箇所を重点的に説明する。
【0113】
内歯車7は、材料をポリアセタール(polyacetal)ポリマーとし、外径34(mm)、内径28(mm)、連続して形成される歯の部分は2箇所で180°間隔とし、各歯の部分に於ける歯数は2とした。また各歯の部分に於ける円ピッチは2.5(mm)で共通とした。
【0114】
第2の遊星歯車(4aと4b)は、材料をポリアセタールポリマーとし、支持台(8b、11b)と一体成形し、歯数8、ピッチ円直径6.4(mm)で共通とした。また2つの支持台(8b、11b)は図6及び図7に示す様に並列に配置した時に、内歯車7の外径に収まる直径寸法とした。
【0115】
2つの軸単体(8a、11a)は、直径4(mm)、SUS303製で共通とした。
【0116】
捩りコイルバネ(6a、6b)の各巻回部の巻回方向は、前記第2の実施形態と同一とした。また共にSUS303製とし、巻回部の中心直径は10.5(mm)で共通とした。
【0117】
連結用部品の軸部10は、SUS303製とした。
【0118】
第1の遊星歯車(3a、3b)は、材料をジュラコンとし、歯数24、ピッチ円直径12(mm)で共通とした。
【0119】
太陽歯車5は、材料をジュラコンとし、歯数12、ピッチ円直径6(mm)とした。
【0120】
支持台9は、材料をポリアセタールポリマーとし、直径32(mm)とした。
【0121】
発電機2には、コアード型モータを採用した。
【0122】
以上の様な構成の、本実施例に係る発電機構の自己発電動作を確認した。最初に内歯車7の自転のみで発電させた。次に、遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転のみで発電させた。最後に、内歯車7の自転と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転の両方により発電させた。更に、内歯車7の自転方向と遊星歯車(3a、4a、3b、4b)の公転方向も変更して確認した。
【0123】
それぞれの自己発電動作に於ける発電量を確認した。何れの自己発電動作に於いても、コアード型モータのコイルがマグネットに対して回転し、電磁誘導により電力が発生した。また得られた発電量は、何れの自己発電動作に於いても19.3(mJ)で一定であった。この発電量により、特定小電力無線機が動作する事が確認された。
【符号の説明】
【0124】
1、12 発電機構
2 発電機
2a シャフト
3a、3b 第1の遊星歯車
4a、4b 第2の遊星歯車
5 太陽歯車
6a、6b 捩りコイルバネ
6a1、6b1 捩りコイルバネの巻回部の第1の端部
6a2、6b2 捩りコイルバネの巻回部の第2の端部
7 内歯車
8、11 軸部品
8a、11a 軸単体
8b、11b 第2遊星歯車支持台
9 第1遊星歯車支持台
10 連結用部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12