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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079089
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】回転角度検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/30 20060101AFI20220519BHJP
   G01D 5/14 20060101ALI20220519BHJP
   G01D 5/16 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
G01B7/30 H
G01D5/14 H
G01D5/16 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190051
(22)【出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001472
【氏名又は名称】特許業務法人かいせい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 研介
(72)【発明者】
【氏名】西口 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】秋山 清和
(72)【発明者】
【氏名】内田 圭祐
【テーマコード(参考)】
2F063
2F077
【Fターム(参考)】
2F063AA35
2F063AA36
2F063BA08
2F063CA10
2F063CA34
2F063DA01
2F063DC03
2F063DD06
2F063GA52
2F063KA03
2F077AA30
2F077AA43
2F077CC02
2F077CC08
2F077DD05
2F077JJ02
2F077JJ08
2F077JJ09
2F077JJ23
2F077TT71
(57)【要約】
【課題】ゼネバ歯車を用いずとも従動歯車の回転数をカウント可能かつ、間欠回転する歯車の小型化を可能とすることができる構成を備えた回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】主動歯車110は、ステアリングシャフト101に連動して回転する。従動歯車120は、主動歯車110に噛み合わされると共に、主動歯車110に連動して回転する。副従動歯車130は、従動歯車120の回転に伴って間欠回転する。第1検出部140は、従動歯車120の連続的な第1回転角度を検出する。第2検出部150は、副従動歯車130の断続的な第2回転角度を検出する。演算部160は、第2回転角度に基づいて従動歯車120が1回転する回転数を取得する。さらに、演算部160は、第1回転角度と回転数とに基づいてステアリングシャフト101の絶対角度を演算する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフト(101)に連動して回転する主動歯車(110)と、
前記主動歯車に噛み合わされると共に、前記主動歯車に連動して回転する従動歯車(120)と、
前記主動歯車または前記従動歯車の回転に伴って間欠回転する副従動歯車(130、170)と、
前記従動歯車の連続的な第1回転角度を検出する第1検出部(140)と、
前記副従動歯車の断続的な第2回転角度を検出する第2検出部(150)と、
前記第1検出部から前記第1回転角度を入力すると共に、前記第2検出部から前記第2回転角度を入力し、前記第2回転角度に基づいて前記従動歯車が1回転する回転数を取得し、さらに、前記第1回転角度と前記回転数とに基づいて前記ステアリングシャフトの絶対角度を演算する演算部(160)と、
を含む、回転角度検出装置。
【請求項2】
前記従動歯車は、前記主動歯車と噛み合わされる平歯車部(121)と、前記副従動歯車と噛み合わされる間欠歯車部(122)と、を有し、
前記平歯車部及び前記間欠歯車部は、同一軸上に配置される、請求項1に記載の回転角度検出装置。
【請求項3】
前記副従動歯車の回転軸に垂直な垂直面において、前記副従動歯車の回転軸の軸中心から各歯の歯先(131)のうちの周方向の角部(133、134)までの第1距離が、前記副従動歯車の回転軸の軸中心から前記従動歯車の前記間欠歯車部の外周部(123)までの第2距離よりも長い、請求項2に記載の回転角度検出装置。
【請求項4】
前記副従動歯車の歯先(131)は、前記従動歯車の前記間欠歯車部が前記副従動歯車と噛み合わない状態において、前記間欠歯車部の外周部(123)を摺動する摺動部(132)を有する、請求項2または3に記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記主動歯車は、前記従動歯車と噛み合わされる平歯車部と、前記副従動歯車と噛み合わされる間欠歯車部と、を有し、
前記平歯車部及び前記間欠歯車部は、同一軸上に配置される、請求項1に記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記副従動歯車の回転軸に垂直な垂直面において、前記副従動歯車の回転軸の軸中心から各歯の歯先のうちの周方向の角部(133、134)までの第1距離が、前記副従動歯車の回転軸の軸中心から前記主動歯車の前記間欠歯車部の外周部までの第2距離よりも長い、請求項5に記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
前記副従動歯車の歯先は、前記主動歯車の前記間欠歯車部が前記副従動歯車と噛み合わない状態において、前記間欠歯車部の外周部を摺動する摺動部を有する、請求項5または6に記載の回転角度検出装置。
【請求項8】
前記副従動歯車は、前記従動歯車が所定角度を回転する間に少なくとも1歯遷移する、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項9】
前記副従動歯車は、前記従動歯車が前記所定角度を回転する角度範囲において、1回転未満の角度を回転する、請求項8に記載の回転角度検出装置。
【請求項10】
前記副従動歯車の歯数は、奇数である、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項11】
前記副従動歯車は、複数備えられ、
前記複数の副従動歯車は、歯数がそれぞれ異なる、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項12】
前記複数の副従動歯車は、各歯数の最小公倍数が前記主動歯車または前記従動歯車の所定の回転数以上の値である、請求項11に記載の回転角度検出装置。
【請求項13】
前記複数の副従動歯車のうちの少なくとも一方の歯数は、奇数である、請求項11または12のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項14】
前記第1検出部(140)及び前記第2検出部(150)は、回転を検出するためのホール素子または磁気抵抗素子を有する、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、360度以上の角度範囲内の絶対角度を検出する多回転絶対角検出装置が、例えば特許文献1で提案されている。多回転絶対角検出装置は、回転体、従動回転部材、間欠回転部材、磁石、磁気センサ、第1及び第2のコードパターン、及び複数の検出素子を備える。
【0003】
従動回転部材は、回転体の回転に連動して回転体に対して増速回転する。間欠回転部材は、ゼネバ歯車として構成されると共に、従動回転部材に突設される駆動ピンと係合して回転体に対して減速回転する。磁石は、従動回転部材の回転中心に取り付けられる。磁気センサは、磁石に対向配置され、従動回転部材の1回転を1周期とする正弦信号及び余弦信号を出力する。
【0004】
第1及び第2のコードパターンは、間欠回転部材の回転軸を中心とする円周上に形成される。複数の検出素子は、第1コードパターンや第2コードパターンに対向して配置される。
【0005】
上記の構成では、各検出素子の出力信号に基づいて、回転体の1回転を等分するセクタが識別される。また、正弦信号及び余弦信号から算出される逆正接値に基づいてセクタ内の絶対角が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-275517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術では、減速機構がゼネバ歯車となっており、ゼネバ歯車の角度から従動回転部材のターン数をカウントする。装置の体格の小型化のためにはできるだけ回転体と従動回転部材とのギヤ比を高くする必要があるが、それに合わせてゼネバ歯車のカウント数を大きくするとゼネバ歯車が大型化してしまう。あるいは歯車数が増加してしまう。一方、舵角センサを用いる場合、舵角センサの搭載位置の都合上、小型化が求められる。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、ゼネバ歯車を用いずとも従動歯車の回転数をカウント可能かつ、間欠回転する歯車の小型化を可能とすることができる構成を備えた回転角度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転角度検出装置は、主動歯車(110)、従動歯車(120)、副従動歯車(130、170)、第1検出部(140)、第2検出部(150)、及び演算部(160)を含む。
【0010】
主動歯車は、ステアリングシャフト(101)に連動して回転する。従動歯車は、主動歯車に噛み合わされると共に、主動歯車に連動して回転する。副従動歯車は、主動歯車または従動歯車の回転に伴って間欠回転する。第1検出部は、従動歯車の連続的な第1回転角度を検出する。第2検出部は、副従動歯車の断続的な第2回転角度を検出する。
【0011】
演算部は、第1検出部から第1回転角度を入力すると共に、第2検出部から第2回転角度を入力し、第2回転角度に基づいて従動歯車が1回転する回転数を取得し、さらに、第1回転角度と回転数とに基づいてステアリングシャフトの絶対角度を演算する。
【0012】
これによると、ゼネバ歯車を用いずとも副従動歯車の第2回転角度に基づいて従動歯車の回転数をカウントすることができる。また、ゼネバ歯車を用いないので、ゼネバ歯車が大型化することもなく、間欠回転する副従動歯車を小型化することができる。
【0013】
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る回転角度検出装置を示した図である。
図2】従動歯車の間欠歯車部及び副従動歯車を示した平面図である。
図3】従動歯車の間欠歯車部及び副従動歯車の回転の様子を示した図である。
図4】第1回転角度と舵角との関係を示した図である。
図5】第2回転角度と舵角との関係を示した図である。
図6】実際に測定される第1回転角度及び第2回転角度と舵角との関係を示した図である。
図7】第1実施形態に係る変形例を示した平面図である。
図8】第1実施形態に係る変形例において、各磁気抵抗素子の出力波形を示した図である。
図9図7に対応する回転角度を示した図である。
図10】第2実施形態に係る回転角度検出装置を示した図である。
図11】第3実施形態に係る回転角度検出装置を示した図である。
図12】主動歯車及び従動歯車を示した平面図である。
図13】主動歯車及び従動歯車の回転の様子を示した図である。
図14】第3回転角度と舵角との関係を示した図である。
図15】第4回転角度と舵角との関係を示した図である。
図16】第3実施形態に係る変形例を示した平面図である。
図17】第3実施形態に係る変形例を示した平面図である。
図18】第3実施形態に係る変形例を示した平面図である。
図19】第3実施形態に係る変形例を示した一部断面図である。
図20】第3実施形態に係る変形例を示した平面図である。
図21】第4実施形態に係る回転角度検出装置を示した図である。
図22図21のXXII-XXII断面図である。
図23図21のXXIII-XXIII断面図である。
図24図21のXXIV-XXIV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0016】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図を参照して説明する。図1に示されるように、回転角度検出装置100は、主動歯車110、従動歯車120、副従動歯車130、第1検出部140、第2検出部150、及び演算部160を備える。
【0017】
主動歯車110は、平歯車である。主動歯車110は、ステアリングシャフト101に固定されると共に、ステアリングシャフト101に連動して回転する。ステアリングシャフト101は、運転者によって操作されるステアリングホイールに連動して回転軸を中心に回転する。
【0018】
従動歯車120は、主動歯車110に噛み合わされると共に、主動歯車110に連動して回転する。従動歯車120は、平歯車部121及び間欠歯車部122を有する。平歯車部121は、主動歯車110と噛み合わされる。間欠歯車部122は、副従動歯車130と噛み合わされる。
【0019】
平歯車部121及び間欠歯車部122は、サブシャフト102に固定されることで同一軸上に配置される。サブシャフト102は、図示しない筐体に設けられる。よって、平歯車部121及び間欠歯車部122は、サブシャフト102の回転軸を中心に回転する。
【0020】
間欠歯車部122は、外周部123及び間欠歯124を有する。外周部123は、間欠歯車部122の外周面である。間欠歯124は、外周部123の一部が間欠歯車部122の径方向に突出した部分である。すなわち、間欠歯車部122の歯は1つである。
【0021】
図2に示されるように、副従動歯車130は、従動歯車120の間欠歯車部122に噛み合わされる。主動歯車110が回転すると、従動歯車120の平歯車部121が回転する。よって、副従動歯車130は、従動歯車120の平歯車部121が1回転する毎に間欠歯車部122の間欠歯124に噛み合わされる。つまり、従動歯車120が1回転する毎に副従動歯車130が1歯分回転する。このように、副従動歯車130は、主動歯車110または従動歯車120の回転に伴って間欠回転する。これにより、副従動歯車130の回転角度から容易に従動歯車120の回転数を検出することが可能になる。従動歯車120の角度変化が階段状となり、角度分解能の粗い低コストのセンサが適用可能となる。
【0022】
本実施形態では、副従動歯車130は、従動歯車120が所定角度を回転する間に少なくとも1歯遷移する。例えば、所定角度を360°とすると、副従動歯車130の回転角度によって従動歯車120の回転数を検出することが可能になる。
【0023】
また、副従動歯車130は、従動歯車120が所定角度を回転する角度範囲において、1回転未満の角度を回転する。言い換えると、主動歯車110あるいは従動歯車120の回転角度範囲において、副従動歯車130は1回転以上回転しない。例えば、従動歯車120が3回転したとしても、副従動歯車130は1回転未満である。副従動歯車130が1回転以上しないように設定することで、副従動歯車130の回転角度から主動歯車110あるいは従動歯車120の回転数を一意に特定することが可能になる。
【0024】
副従動歯車130の各歯先131は、円弧状の摺動部132を有する。摺動部132は、従動歯車120の間欠歯車部122が副従動歯車130と噛み合わない状態において、間欠歯車部122の外周部123を摺動する。つまり、摺動部132は間欠歯車部122の外周部123を滑る。このように、間欠歯車部122の外周部123と副従動歯車130の各歯先131とを面接触とすることで、副従動歯車130が車両の振動等によって勝手に回転することを抑制することができる。したがって、歯車としての信頼性を向上させることができる。
【0025】
具体的には、副従動歯車130の回転軸に垂直な面を垂直面と定義する。また、副従動歯車130の回転軸の軸中心から各歯の歯先131のうちの周方向の角部133、134までの第1距離をL1と定義し、副従動歯車130の回転軸の軸中心から従動歯車120の間欠歯車部122の外周部123までの第2距離をL2と定義する。この場合、第1距離L1は第2距離L2よりも長い。これによると、間欠歯車部122が副従動歯車130に噛み合っていない状態において、副従動歯車130が勝手に回転してしまい、従動歯車120の回転数が誤検知されることを抑制することができる。
【0026】
第1検出部140は、従動歯車120の第1回転角度を検出する。第1検出部140は、磁石141及び磁束検出部142を有する。磁石141は、ステアリングシャフト101の径方向に着磁された一対のN極及びS極からなる2極磁石である。磁石141は、従動歯車120に固定される。磁束検出部142は、磁石141から受ける磁束の変化に基づいてステアリングシャフト101の第1回転角度を検出する。
【0027】
第2検出部150は、副従動歯車130の第2回転角度を検出する。第2検出部150は、磁石151及び磁束検出部152を有する。磁石151は、副従動歯車130に固定される。磁束検出部152は、磁石151から受ける磁束の変化に基づいて副従動歯車130の第2回転角度を検出する。
【0028】
各磁束検出部142、152は、各磁石141、151から離間して配置される。各磁束検出部142、152は、回転を検出するためのホール素子または磁気抵抗素子を有するモールド体として構成される。磁気抵抗素子は、例えば、GMR(Giant Magneto Resistance)素子やTMR(Tunneling Magneto Resistance)素子である。磁気式の検出方式は、ポテンショメータやロータリエンコーダ等の角度検出手段と比較して、コスト、体格、耐久性等の量産面で優れる。また、磁石141、151と磁束検出部142、152との組み合わせによって、安価かつ信頼性高く回転角度を検出できる。
【0029】
演算部160は、第1検出部140から第1回転角度を入力すると共に、第2検出部150から第2回転角度を入力する。演算部160は、第2回転角度に基づいて従動歯車120が1回転する回転数を取得する。さらに、演算部160は、第1回転角度と回転数とに基づいて、ステアリングシャフト101の絶対角度を演算する。
【0030】
演算部160は、例えば、半導体チップを封止したモールド体として構成される。なお、各磁束検出部142、152及び演算部160は、例えばプリント基板に実装される。演算部160は、各磁束検出部142、152が実装された基板とは別の基板に実装されていても良い。
【0031】
次に、主動歯車110、従動歯車120、及び副従動歯車130の動作について説明する。図3の上段に示されるように、間欠歯車部122の間欠歯124が副従動歯車130に噛み合わない場合、副従動歯車130は静止している。
【0032】
続いて、図3の中段に示されるように、ステアリングシャフト101が回転することに伴って従動歯車120が回転し、間欠歯車部122の間欠歯124が副従動歯車130に噛み合う場合、副従動歯車130が回転させられる。間欠歯車部122の間欠歯124と副従動歯車130との篏合が終了すると、副従動歯車130は1歯分状態が遷移する。すなわち、副従動歯車130は従動歯車120が1回転したことをカウントする。このように、副従動歯車130は間欠歯車部122の間欠歯124と噛み合ったときだけ一定角度回転する。
【0033】
この後、図3の下段に示されるように、間欠歯車部122の間欠歯124は副従動歯車130に噛み合わず、間欠歯車部122は回転する一方、副従動歯車130は静止している。
【0034】
主動歯車110、従動歯車120、及び副従動歯車130は、ステアリングシャフト101の時計回りの回転方向あるいは反時計回りの回転方向にも対応する。仮に、従動歯車120が10回転する場合、副従動歯車130の歯数を10歯以上とすることで、従動歯車120の回転数を一意に特定することできる。
【0035】
ステアリングホイールが操作されてステアリングシャフト101が回転すると、主動歯車110を介して従動歯車120が回転する。したがって、図4に示されるように、ステアリングホイールの回転に対して従動歯車120の第1回転角度は連続的に変化する。第1回転角度は0°から360°まで1回転すると再び0°から360°まで連続で変化する。つまり、第1回転角度は0°~360°の繰り返し波形である。
【0036】
これに対し、副従動歯車130は従動歯車120の1回転毎に一定角度だけ回転する。したがって、図5に示されるように、ステアリングホイールの回転に対して副従動歯車130の第2回転角度は断続的に変化する。断続的とは間欠的とも言える。すなわち、第2回転角度は階段状に変化する。
【0037】
図6に示されるように、ステアリングホイールの実際の測定値である舵角真値に対し、従動歯車120の第1回転角度は連続的に変化する繰り返し波形となり、副従動歯車130の第2回転角度は断続的に変化する階段状の波形となる。
【0038】
演算部160は、磁束検出部142から第1回転角度を入力し、磁束検出部152から第2回転角度を入力する。ここで、舵角をθと定義する。第1回転角度をθangleと定義し、従動歯車120が1回転する回転数をNと定義する。演算部160は、第2回転角度に基づいて回転数Nを取得する。例えば、演算部160は、第2回転角度と回転数Nとの関係が予め定義されたマップから回転数Nを取得する。そして、演算部160は、従動歯車120の絶対角度を、(360°×N)+θangleを演算することで取得する。
【0039】
主動歯車110と従動歯車120とのギヤ比は既知である。よって、演算部160は、従動歯車120の第1回転角度からギヤ比を考慮することで、(360°×N)+θangleをギヤ比で割った値を主動歯車110の絶対角度、すなわちステアリングシャフト101の舵角として推定することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、従動歯車120が1回転する毎に副従動歯車130が一定角度だけ間欠回転する。このため、副従動歯車130の回転角度の変化が連続的では無く断続的になるので、第2検出部150として高い角度分解能を持つものが不要になる。したがって、回転角度検出装置100において低コスト化を図ることができる。
【0041】
また、ゼネバ歯車を用いずとも副従動歯車130の第2回転角度に基づいて従動歯車120の回転数をカウントすることができる。ゼネバ歯車を用いないので、ゼネバ歯車が大型化することもなく、間欠回転する副従動歯車130を小型化することができる。
【0042】
変形例として、磁石141及び磁石151は、ステアリングシャフト101の軸方向に着磁されていても構わない。あるいは、磁石141及び磁石151は、径方向及び軸方向とは異なる方向に着磁されていても構わない。
【0043】
変形例として、図7に示されるように、副従動歯車130の歯数を奇数としても良い。図8に示されるように、AMR(Anisotropic Magneto Resistance)素子の場合、磁束検出部152の出力変化がGMR素子やTMR素子に対して2倍になる。このため、副従動歯車130の歯数が2倍必要になる。加えて、磁束検出部152自体も180°のみの検出しかできないとなると、副従動歯車130の歯数が2倍必要になる。すなわち、磁束検出部152を360°の角度検出が可能な素子から180°のみの検出しかできないAMR素子に置き換える場合、副従動歯車130の歯数が4倍になる。体格が大きくなることに加え、AMR素子自体もより高精度に角度を検出する必要がある。そこで、副従動歯車130の歯数を奇数とすることで、図9に示されるように、1番から17番までの各歯における検出角度を全て異ならせることができる。特に、1番と10番との角度が異なるため、AMR素子であっても、副従動歯車130の歯数が奇数であれば、180°以上の角度を検出することが可能になる。また、副従動歯車130の大径化を抑制することが可能になる。
【0044】
変形例として、主動歯車110は、従動歯車120と噛み合わされる平歯車部と、副従動歯車130と噛み合わされる間欠歯車部と、を有していても良い。上記と同様に、平歯車部及び間欠歯車部は、同一軸上に配置される。この場合、主動歯車110が1回転する毎に副従動歯車130の歯が1歯進む。したがって、副従動歯車130の第2回転角度から容易に主動歯車110の回転数を検出することができる。
【0045】
また、上記と同様に、副従動歯車130において第1距離が第2距離よりも長い。なお、第2距離は副従動歯車130の回転軸の軸中心から主動歯車110の間欠歯車部の外周部までの距離となる。さらに、副従動歯車130の各歯先の摺動部は、主動歯車110の間欠歯車部が副従動歯車130と噛み合わない状態において、主動歯車110の間欠歯車部の外周部を摺動する。
【0046】
変形例として、副従動歯車130の各歯先131は、摺動部132を有していなくても良い。すなわち、副従動歯車130の各歯先131と、間欠歯車部122の外周部123と、の間に隙間があっても構わない。
(第2実施形態)
本実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第1実施形態では、ステアリングシャフト101の角度検出範囲や主動歯車110と従動歯車120とのギヤ比によっては、カウントすべき回転数が増加し、副従動歯車130に多くの歯数を必要とする可能性がある。すなわち、カウントすべき回転数が多いほど副従動歯車130が大径化する。
【0047】
そこで、図10に示されるように、回転角度検出装置100は、複数の副従動歯車130、170を有する。複数の副従動歯車130、170は、歯数がそれぞれ異なる。複数の副従動歯車130、170のうちの少なくとも一方の歯数は、奇数である。これにより、歯数が奇数の場合、AMR素子を用いることができる。
【0048】
具体的には、各副従動歯車130、170は、各歯数の最小公倍数が主動歯車110または従動歯車120の所定の回転数以上の値である。例えば、一方の副従動歯車130の歯数を13とし、他方の副従動歯車170の歯数を12とすると、両者の組み合わせによって13×12=156回転までは主動歯車110または従動歯車120の回転数を一意に決定することができる。
【0049】
第2検出部150は、副従動歯車170の第2回転角度を検出するための磁石153及び磁束検出部154を有する。磁石153は、副従動歯車170に固定される。磁束検出部154は、磁石153から受ける磁束の変化に基づいて副従動歯車170の第2回転角度を検出する。
【0050】
演算部160は、磁束検出部142から第1回転角度を入力し、各磁束検出部152、154から第1の第2回転角度及び第2の第2回転角度を入力する。そして、演算部160は、2つの第2回転角度に基づいて回転数Nを取得する。例えば、演算部160は、一方の副従動歯車130の第1の第2回転角度と他方の副従動歯車170の第2の第2回転角度とによって設定された回転数Nのマップを有する。演算部160は、マップの中から各第2回転角度に応じた回転数Nを選択する。この後、第1実施形態と同様に、舵角θを取得する。
【0051】
以上により、主動歯車110または従動歯車120が各副従動歯車130、170の歯数以上の回転数を回転したとしても、各副従動歯車130、170の角度の組み合わせによって、主動歯車110または従動歯車120の回転数を一意に特定することができる。
【0052】
変形例として、複数の副従動歯車130、170の歯数は、両方とも奇数あるいは偶数であっても構わない。例えば、複数の副従動歯車130、170の一方が12歯であり、他方が14歯の場合、84回転までカウントすることが可能である。
【0053】
(第3実施形態)
本実施形態では、主に第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図11に示されるように、回転角度検出装置100は、主動歯車115、従動歯車125、第3検出部145、第4検出部155、演算部165、及び基板166を備える。
【0054】
主動歯車115は、ステアリングシャフト101に固定されると共に、ステアリングシャフト101に連動して回転する。従動歯車125は、主動歯車115に噛み合わされると共に、主動歯車115に連動して回転する。従動歯車125は、サブシャフト103に固定されると共に、サブシャフト103の回転軸を中心に回転する。サブシャフト103は、図示しない筐体に設けられる。
【0055】
図12に示されるように、主動歯車115は、外周部116及び間欠歯117を有する。外周部116は、主動歯車115の外周面である。間欠歯117は、外周部116の一部が主動歯車115の径方向に突出した部分である。すなわち、主動歯車115の歯は1つである。よって、間欠歯117は、主動歯車115が1回転する毎に従動歯車125に噛み合わされる。
【0056】
本実施形態では、従動歯車125は、主動歯車115が所定角度を回転する間に少なくとも1歯遷移する。従動歯車125の断続的な回転角度によって、主動歯車115の回転数を特定することが可能になる。
【0057】
また、従動歯車125は、主動歯車115が所定角度を回転する角度範囲において、1回転未満の角度を回転する。言い換えると、主動歯車115の回転角度範囲において、従動歯車125は1回転以上回転しない。例えば、主動歯車115が3回転したとしても、従動歯車125は1回転未満である。これにより、従動歯車125の回転角度によって、主動歯車115の回転数を一意に特定することが可能になる。
【0058】
従動歯車125は、複数の歯が外周に一周設けられている。従動歯車125の各歯先126は、円弧状の摺動部127を有する。摺動部127は、主動歯車115の間欠歯117が従動歯車125と噛み合わない非篏合状態において、主動歯車115の外周部116を摺動する。つまり、摺動部127は主動歯車115の外周部116を滑る。このように、主動歯車115の外周部116と従動歯車125の各歯先126とを面接触とすることで、従動歯車125が車両の振動等によって勝手に回転することを抑制することができる。したがって、歯車としての信頼性を向上させることができる。従動歯車125の各歯先126の側面の曲率と、主動歯車115の外周部116の曲率とを同じとすることで、信頼性をさらに高めることができる。
【0059】
具体的には、従動歯車125の回転軸に垂直な面を垂直面と定義する。また、従動歯車125の回転軸の軸中心から各歯の歯先126のうちの周方向の角部128、129までの第3距離をL3と定義し、従動歯車125の回転軸の軸中心から主動歯車115の外周部116までの第4距離をL4と定義する。この場合、第3距離L3は第4距離L4よりも長い。これによると、主動歯車115が従動歯車125に噛み合っていない状態において、従動歯車125が勝手に回転してしまい、主動歯車115の回転数が誤検知されることを抑制することができる。
【0060】
第3検出部145は、主動歯車115の第3回転角度を検出する。第3検出部145は、磁石146及び磁束検出部147を有する。磁石146は、ステアリングシャフト101の径方向に着磁された一対のN極及びS極からなる2極磁石である。磁石146は、主動歯車115に固定される。磁束検出部147は、磁石146から受ける磁束の変化に基づいてステアリングシャフト101の第3回転角度を検出する。
【0061】
第4検出部155は、従動歯車125の第4回転角度を検出する。第4検出部155は、磁石156及び磁束検出部157を有する。磁石156は、従動歯車125に固定される。磁束検出部157は、磁石156から受ける磁束の変化に基づいて従動歯車125の第4回転角度を検出する。
【0062】
各磁束検出部147、157は、回転を検出するためのホール素子または磁気抵抗素子を有するモールド体として構成される。磁気式の検出方式は、ポテンショメータやロータリエンコーダ等の角度検出手段と比較して、コスト、体格、耐久性等の量産面で優れる。
【0063】
演算部165は、第3検出部145から第3回転角度を入力すると共に、第4検出部155から第4回転角度を入力する。演算部165は、第4回転角度に基づいて主動歯車115すなわちステアリングシャフト101が1回転する回転数を取得する。さらに、演算部165は、第3回転角度と回転数とに基づいて、ステアリングシャフト101の絶対角度を演算する。
【0064】
基板166は、例えばプリント基板である。基板166には、磁束検出部147、157、演算部165、図示しない電子部品が実装されている。なお、演算部160は基板166ではなく別の基板に実装されていても良い。
【0065】
次に、主動歯車115及び従動歯車125の動作について説明する。図13の上段に示されるように、間欠歯車である主動歯車115の間欠歯117が従動歯車125に噛み合わない場合、従動歯車125は静止している。
【0066】
続いて、図13の中段に示されるように、ステアリングシャフト101が回転し、主動歯車115の間欠歯117が従動歯車125に噛み合う場合、従動歯車125が回転させられる。主動歯車115の間欠歯117と従動歯車125との篏合が終了すると、従動歯車125は1歯分状態が遷移する。すなわち、従動歯車125はステアリングシャフト101または主動歯車115が1回転したことをカウントする。このように、従動歯車125は主動歯車115と噛み合ったときだけ一定角度回転する。
【0067】
この後、図13の下段に示されるように、主動歯車115の間欠歯117は従動歯車125に噛み合わず、主動歯車115は回転する一方、従動歯車125は静止している。
【0068】
主動歯車115及び従動歯車125は、ステアリングシャフト101の時計回りの回転方向あるいは反時計回りの回転方向にも対応する。仮に、ステアリングシャフト101が10回転する場合、従動歯車125の歯数を10歯以上とすることで、ステアリングシャフト101の回転数を一意に特定することできる。
【0069】
そして、ステアリングホイールが操作されると、ステアリングシャフト101が回転する。したがって、図14に示されるように、ステアリングホイールの舵角に対してステアリングシャフト101の回転角度である主動歯車115の第3回転角度は連続的に変化する。第3回転角度は0°から360°まで1回転すると再び0°から360°まで連続で変化する。つまり、第3回転角度は0°~360°の繰り返し波形である。
【0070】
これに対し、従動歯車125は主動歯車115の1回転毎に一定角度だけ回転する。したがって、図15に示されるように、ステアリングホイールの舵角に対して従動歯車125の第4回転角度は断続的に変化する。
【0071】
演算部165は、磁束検出部147から第3回転角度を入力し、磁束検出部157から第4回転角度を入力する。ここで、舵角をθと定義する。第3回転角度をθangleと定義し、主動歯車115が1回転する回転数をNと定義する。演算部165は、第4回転角度に基づいて回転数Nを取得する。そして、演算部165は、舵角θを、θ=(360°×N)+θangleを演算することで取得する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、従動歯車125の第4回転角度の変化が連続的では無く断続的になるので、第4検出部155として高い角度分解能を持つものが不要になる。すなわち、粗い分解能の磁束検出部157及びそれに対応した電気回路を適用することが可能になる。したがって、回転角度検出装置100において低コスト化を図ることができる。
【0073】
変形例として、図16に示されるように、主動歯車115の外周部116と従動歯車125の各歯先126との摩擦を低減する目的で、従動歯車125の歯先126は中央部が削られた形状になっていても良い。この場合、角部128、129が摺動部127となる。なお、第4距離L4は、サブシャフト103の回転軸の軸中心から歯先126までのうちの最も短い距離になる。また、第1、第2実施形態に係る副従動歯車130、170に適用しても良い。
【0074】
変形例として、図17に示されるように、1つの磁束検出部147によって主動歯車115の回転及び従動歯車125の回転を検出しても良い。磁束検出部147は、各磁石146、156の合成磁界を検出できるように、例えばステアリングシャフト1とサブシャフト103との間に配置される。磁束検出部147は、磁石146から受ける周期的な磁界の変化と、磁石156から受ける階段状に減少する磁界の変化と、を含む合成磁界を検出する。ここで、磁石146が1回転するときの磁束変化量は磁石156が1ステップ遷移するときの磁束変化量より小さいことが好ましい。以上により、図18に示されるように、舵角に対して検出される磁束の波形は、一定の減少率で減少する波形に対して規則的な段差が設けられた波形となる。したがって、1つの磁束検出部142によって舵角が得られる。
【0075】
変形例として、図19に示されるように、主動歯車115の間欠歯117は、1歯ではなく、平歯車の一部によって構成されていても良い。この場合、サブシャフト103側の非篏合状態における回転の抑制(固定)には、ボールプランジャ104を用いることができる。具体的には、ボールプランジャ104は、サブシャフト保持部105に固定される。サブシャフト103は、回転しないように固定されると共に、ボールプランジャ104が嵌まる複数の穴部106を有する。各穴部106は、一定角度間隔で設けられる。磁石156、サブシャフト保持部105、及びボールプランジャ104は、従動歯車125と共にサブシャフト103に対して回転する。このような構成により、主動歯車115が1回転するに伴って従動歯車125が一定角度回転すると、ボールプランジャ104が隣の穴部106に嵌まる。
【0076】
変形例として、図20に示されるように、回転角度検出装置100は、複数の従動歯車125、135を有していても良い。各従動歯車125、135は、歯数がそれぞれ異なる。
【0077】
図20の1段目に示されるように、主動歯車115の各間欠歯117、118が各従動歯車125、135に噛み合わない場合、各従動歯車125、135は静止している。続いて、図20の2段目に示されるように、ステアリングシャフト101の回転に伴って主動歯車115の各間欠歯117、118が各従動歯車125、135に噛み合う場合、各従動歯車125、135が回転させられる。主動歯車115の各間欠歯117、118と各従動歯車125、135との篏合が終了すると、各従動歯車125、135は1歯分状態が遷移する。
【0078】
この後、図20の3段目に示されるように、主動歯車115は回転するが、従動歯車125、135は主動歯車115に対して摺動し、回転しない。したがって、各従動歯車125、135の回転角度情報は維持される。なお、図20の4段目は、主動歯車115及び各従動歯車125、135の側面を見ている。
【0079】
例えば、主動歯車115の50回転の舵角を検出したい場合、1個の従動歯車125では少なくとも50歯以上の歯が必要になり、従動歯車125が大径化する。しかし、上記の構成によると、従動歯車125を8歯とし、従動歯車135を7歯とすることで、両者の組み合わせによって56回転までは主動歯車115の回転角度を一意に特定することができる。
【0080】
変形例として、光学式のエンコーダ、ポテンショメータ等によって、主動歯車115及び従動歯車125の回転角度を検出しても良い。ポテンショメータとしては、磁気抵抗を使用した磁気式のものや、巻線抵抗や可変抵抗を使用した電気式のものを使用することができる。あるいは、主動歯車115と従動歯車125とで回転角度の検出方式を異ならせても良い。これにより、互いの磁気干渉によって生じる誤差等の悪影響を排除することができる。
【0081】
変形例として、従動歯車125の各歯先126は、摺動部127を有していなくても良い。すなわち、従動歯車125の各歯先126と、主動歯車115の外周部116と、の間に隙間があっても構わない。
【0082】
(第4実施形態)
本実施形態では、主に第3実施形態と異なる部分について説明する。磁石146の径や主動歯車115の径はステアリングシャフト101の径に依存する。一方、車室内空間の拡大のために回転角度検出装置100の小型化が望まれる。そこで、本実施形態では、従動歯車125を主動歯車115と同軸に配置する構造を提供する。
【0083】
図21に示されるように、回転角度検出装置100は、主動歯車115、従動歯車125、各検出部145、155、演算部165、基板166の他に、シャフトカバー180、中間ギヤ181、182、及びサブシャフト183を備える。なお、各磁束検出部147、157、演算部165、及び基板166は、モールド樹脂167で封止されている。
【0084】
シャフトカバー180は、従動歯車125及び磁石156の各貫通孔に固定される。また、従動歯車125、磁石156及びシャフトカバー180は、主動歯車115の下方に配置される。すなわち、従動歯車125は、主動歯車115と同軸に配置される。シャフトカバー180の貫通孔の径はステアリングシャフト101よりも大きいので、従動歯車125がステアリングシャフト101と共に回転することはない。
【0085】
中間ギヤ181、182はサブシャフト183に固定される。図22及び図23に示されるように、中間ギヤ181は、主動歯車115に噛み合わされる。図24に示されるように、中間ギヤ182は、従動歯車125に噛み合わされる。サブシャフト183は図示しない筐体に回転可能に設けられる。
【0086】
上記の構成によると、主動歯車115の回転は中間ギヤ181に伝わり、中間ギヤ181の回転はサブシャフト183を経由して中間ギヤ182に伝わり、中間ギヤ182の回転は従動歯車125に伝わる。サブシャフト183に固定された各中間ギヤ181、182の各歯数は、主動歯車115と従動歯車125とのギヤ比に関係しない。このため、最小限の歯数で各中間ギヤ181、182を構成することができ、ひいてはステアリングシャフト101の径方向のサイズを小型化することができる。
【0087】
以上のように、従動歯車125は主動歯車115と同一軸上に配置されるので、ステアリングシャフト101の径方向における回転角度検出装置100のサイズを小型化することができる。
【0088】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された回転角度検出装置100の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、各歯車の歯数は一例であり、舵角を検出したい範囲や素子の種類によって適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0089】
101 ステアリングシャフト
110 主動歯車
120 従動歯車
121 平歯車部
122 間欠歯車部
130、170 副従動歯車
140、150 検出部
160 演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18
図19
図20
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