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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079211
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】セグメント及びセグメントの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/38 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
E21D11/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190258
(22)【出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000230010
【氏名又は名称】ジオスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】紀伊 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】阿部 聡
(72)【発明者】
【氏名】尾上 聡
(72)【発明者】
【氏名】秋元 寛生
(72)【発明者】
【氏名】疋島 大彰
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155BA01
2D155EB00
2D155EB10
2D155HA00
2D155HA01
2D155HA02
2D155HA07
2D155LA01
2D155LA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セグメントピース内への水の侵入を防ぐセグメントを提供する。
【解決手段】トンネル構造体をなすプレキャストコンクリート製のセグメントピース2を有するセグメント1及びその製造方法において、セグメント1はセグメントピース2の表面を覆う防水シート3を含む。防水シート3は、セグメントピース2の表面のうちの地山側の面である背面2cからトンネル軸方向両側の側面2a1、2a2及びトンネル周方向両側の側面2b1、2b2に亘って設けられる。防水シート3は、背面2cに対応する背面シート部31と、トンネル軸方向の一方の側面2a1に対応する第1側面シート部32と、トンネル軸方向の他方の側面2a2に対応する第2側面シート部33と、トンネル周方向の一方の側面2b1に対応する第3側面シート部34と、トンネル周方向の他方の側面2b2に対応する第4側面シート部35と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル構造体をなすプレキャストコンクリート製のセグメントピースを有するセグメントにおいて、
前記セグメントピースの表面を覆う防水シートであって、前記表面のうちの地山側の面である背面からトンネル軸方向両側の側面及びトンネル周方向両側の側面に亘って設けられる前記防水シートを、
含み、
前記防水シートは、前記背面に対応する背面シート部と、前記トンネル軸方向の一方の前記側面に対応する第1側面シート部と、前記トンネル軸方向の他方の前記側面に対応する第2側面シート部と、前記トンネル周方向の一方の前記側面に対応する第3側面シート部と、前記トンネル周方向の他方の前記側面に対応する第4側面シート部と、を有する、
セグメント。
【請求項2】
前記第1側面シート部及び前記第2側面シート部の少なくとも一方は、前記背面シート部を構成する部材と分離された部材によって形成された第1部材からなる、
請求項1に記載のセグメント。
【請求項3】
前記第1部材は、前記セグメントピースの背面側の縁部を覆うL字状の断面形状を有する成形品である、
請求項2に記載のセグメント。
【請求項4】
前記第1部材は、対応する前記側面に塗布された樹脂系ライニング材が硬化してなる部材である、
請求項2に記載のセグメント。
【請求項5】
前記第3側面シート部及び前記第4側面シート部の少なくとも一方は、前記背面シート部を構成する部材と分離された部材によって形成された第2部材からなる、
請求項1~4のいずれか一つに記載のセグメント。
【請求項6】
前記第2部材は、前記セグメントピースの背面側の縁部を覆うL字状の断面形状を有する成形品である、
請求項5に記載のセグメント。
【請求項7】
前記第2部材は、対応する前記側面に塗布された樹脂系ライニング材が硬化してなる部材である、
請求項5に記載のセグメント。
【請求項8】
前記側面には、シール部材収容用のシール溝部が前記背面と平行な方向に延伸するように形成されており、
前記第1側面シート部、前記第2側面シート部、前記第3側面シート部、及び前記第4側面シート部は、前記背面シート部の縁部から前記シール溝部の手前の部分に亘って設けられている、
請求項1~7のいずれか一つに記載のセグメント。
【請求項9】
前記防止シートにおける前記セグメントピースの背面側の四つの角部のそれぞれに対応する部分を被覆可能に成形された成形品からなるコーナーカバーシールを、
含む、請求項1~8のいずれか一つに記載のセグメント。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一つに記載のセグメントの製造方法において、
セグメントピース用の型枠へのコンクリートの打設後であって、且つ、前記コンクリートの蒸気養生又は水中養生の前に、前記コンクリートにおける前記背面に対応する部分を前記背面シート部で被覆する背面被覆工程を含む、
セグメントの製造方法。
【請求項11】
前記型枠における前記セグメントピースの前記背面に対応する部分は開口されている構成とし、
前記型枠の脱型の前に、前記背面被覆工程及び前記蒸気養生を行う、
請求項10に記載のセグメントの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネルの覆工に用いられるセグメント及びセグメントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道、共同溝、道路、鉄道などの管路として用いられるシールドトンネルは、シールド工法により形成される。
【0003】
シールド工法では、例えば、地山に発進立坑と到達立坑とを構築し、発進立坑から到達立坑へ向けてシールド掘進機で地山を掘削しながら、シールド掘進機の後方で、次々に複数のセグメントをトンネル周方向及びトンネル軸方向に連結させることにより、筒状のトンネル構造体(換言すると、覆工体)を構築する。
【0004】
この種のセグメントとしては、例えば、特許文献1に記載されたトンネル用セグメントが知られている。この特許文献1に記載されたトンネル用セグメントは、鉄筋コンクリート製のセグメントピースと、セグメントピースの外側(地山側の面)に貼着された防水シートとからなる。そして、この防水シートによって、セグメントピースにおけるコンクリートの欠けやクラックを通じた漏水の抑制が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平140992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたトンネル用セグメントでは、防水シートはセグメントピースの地山側の面に設けられているだけであるため、互いに隣接するセグメントピースの側面間の隙間に侵入した水がセグメントピース内へ侵入することを防ぐための工夫が求められ得る。
【0007】
そこで、本発明は、セグメントピースの側面からのセグメントピース内への水の侵入を防ぐことが可能な防水シートを有するセグメント及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係るセグメントによると、トンネル構造体をなすプレキャストコンクリート製のセグメントピースを有するセグメントが提供される。このセグメントは、前記セグメントピースの表面を覆う防水シートであって、前記表面のうちの地山側の面である背面からトンネル軸方向両側の側面及びトンネル周方向両側の側面に亘って設けられる前記防水シートを、含む。そして、前記防水シートは、前記背面に対応する背面シート部と、前記トンネル軸方向の一方の前記側面に対応する第1側面シート部と、前記トンネル軸方向の他方の前記側面に対応する第2側面シート部と、前記トンネル周方向の一方の前記側面に対応する第3側面シート部と、前記トンネル周方向の他方の前記側面に対応する第4側面シート部と、を有する。
【0009】
本発明の別の側面に係るセグメントの製造方法によると、上記一側面に係るセグメントの製造方法が提供される。このセグメントの製造方法は、セグメントピース用の型枠へのコンクリートの打設後であって、且つ、前記コンクリートの蒸気養生又は水中養生の前に、前記コンクリートにおける前記背面に対応する部分を前記背面シート部で被覆する被覆工程を含む。
【発明の効果】
【0010】
前記一側面によるセグメント及び前記別の側面に係るセグメントの製造方法によると、セグメントピースの表面を覆う防水シートは、セグメントピースの表面のうちの地山側の面である背面からトンネル軸方向両側の側面及びトンネル周方向両側の側面に亘って設けられており、前記背面に対応する背面シート部と、前記トンネル軸方向の一方の前記側面に対応する第1側面シート部と、前記トンネル軸方向の他方の前記側面に対応する第2側面シート部と、前記トンネル周方向の一方の前記側面に対応する第3側面シート部と、前記トンネル周方向の他方の前記側面に対応する第4側面シート部と、を有している。このように、セグメントピースの各側面が第1側面シート部、第2側面シート部、第3側面シート部及び第4側面シート部によって覆われているため、互いに隣接するセグメントピースの側面間の隙間に、地山側から水が浸入したとしても、これらの各側面シート部によって、セグメントピース内への水の侵入を防ぐことができる。
【0011】
このようにして、セグメントピースの側面からセグメントピース内への水の侵入を防ぐことが可能な防水シートを有するセグメント、及び、当該セグメントの製造方法を提供することができる。
【0012】
そして、前記別の側面に係るセグメントの製造方法によると、前記コンクリートにおける前記背面に対応する部分を前記背面シート部で被覆する背面被覆工程が、セグメントピース用の型枠へのコンクリートの打設後であって、且つ、前記コンクリートの蒸気養生又は水中養生の前に行われるため、防水シートのうちの背面シート部を、セグメント製造時におけるコンクリートの養生シートとして用いることができる。その結果、セグメント製造時のコンクリートの養生シートを別に用意する必要がなく、養生作業や製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るセグメントの斜視図である。
図2】上記セグメントの平面図である。
図3】上記セグメントのセグメントピースの斜視図である。
図4】上記セグメントの防水シートを構成する部材の斜視図である。
図5】上記セグメントの防水シートを構成する別の部材の斜視図である。
図6】上記セグメントのコーナーカバーシールの斜視図である。
図7】上記セグメントの製造方法を説明するための工程図である。
図8】上記セグメントの製造方法を説明するための図6に続く工程図である。
図9】上記セグメントの製造方法を説明するための図7に続く工程図である。
図10】上記セグメントにおける防水作用を説明するための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるセグメント1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す矢印A方向(地山側)から視たセグメント1の平面図である。
【0015】
図1及び図2に示すセグメント1は、シールドトンネルにおけるトンネル構造体の一部を構成するものである。シールドトンネルを構築するシールド工法では、シールド掘進機で地山を掘削しながら、シールド掘進機の後方(坑口側)で次々に複数のセグメント1をトンネル周方向及びトンネル軸方向に連結することで筒状又はアーチ状のトンネル構造体(覆工体)を構築する。具体的には、坑口側において、複数のセグメント1をトンネル周方向に連結することによりセグメントリングを構築し、このセグメントリングにおけるトンネル軸方向の切羽側の側面に次のセグメントリングのセグメント1を連結するといった手順を繰り返すことによって、シールド掘進機により掘削された掘削坑の内側に、トンネル構造体が構築される。
【0016】
セグメント1は、セグメントピース2と、防水シート3と、を含んで構成されている。本実施形態では、セグメント1は、さらに、コーナーカバーシール4を含む。図3はセグメントピース2の斜視図であり、図4及び図5はそれぞれ防水シート3を構成する部材の斜視図であり、図6はコーナーカバーシール4の斜視図である。
【0017】
セグメントピース2は、トンネル構造体をなすプレキャストコンクリート製の部材であり、セグメント1の本体である。セグメントピース2は、平面視(例えば、地山側から視た平面視)ではトンネル周方向を長辺としトンネル軸方向を短辺とした矩形状に形成され、トンネル軸方向から視た側面視では所定の厚みを有するとともに掘削坑の内周面に沿うように湾曲した円弧形状に形成されている(図3参照)。
【0018】
そして、セグメントピース2におけるトンネル軸方向両側の側面2a1、2a2はトンネル軸方向に隣接する他のセグメント1(セグメントリング)との接続面をなし、セグメントピース2におけるトンネル周方向両側の側面2b1、2b2はトンネル周方向に隣接する他のセグメント1との接続面をなしている。なお、図示を省略したが、各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)には、例えば、隣接する他のセグメント1との接続用の雄継手と雌継手とからなる接続構造(連結具)が設けられている。
【0019】
本実施形態では、セグメントピース2におけるトンネル軸方向の側面2a1、2a2及びトンネル周方向の側面2b1、2b2には、シール部材収容用、つまり、シール部材5(後述する図10参照)を収容するためのシール溝部21がセグメントピース2の地山側の面である背面2cと平行な方向に延伸するように形成されている。シール部材5は、例えば、弾性を有する材料からなる。そして、シール溝部21は、例えば、セグメントピース2の厚み方向に間隔をあけた二箇所に凹設されている。シール部材5は、互いに隣接するセグメントピース2間の隙間を密封し、複数のセグメント1からなるトンネル構造体における地山側からトンネル内への、前記隙間を通じた水の侵入を防止するための部材である。
【0020】
防水シート3は、セグメントピース2の表面を覆うシートである。この防水シート3は、セグメントピース2の表面のうちの地山側の面である背面2cからトンネル軸方向両側の側面2a1、2a2及びトンネル周方向両側の側面2b1、2b2に亘って設けられている。
【0021】
図1図3から分かるように、防水シート3は、セグメントピース2の背面2cに対応する背面シート部31と、トンネル軸方向の一方の側面2a1(以下では、適宜に第1側面2a1という)に対応する第1側面シート部32と、トンネル軸方向の他方の側面2a2(以下では、適宜に第2側面2a2という)に対応する第2側面シート部33と、トンネル周方向の一方の側面2b1(以下では、適宜に第3側面2b1という)に対応する第3側面シート部34と、トンネル周方向の他方の側面2b2(以下では、適宜に第4側面2b2という)に対応する第4側面シート部35と、を有する。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、トンネル軸方向の一方とは切羽側であり、トンネル軸方向の他方とは坑口側であるものとする。
【0022】
背面シート部31は、セグメントピース2の背面2cに沿うように設けられ、防水シート3におけるセグメントピース2の背面2cを覆う部分であり、例えば、地山側から視た平面視で背面2cと同寸法の矩形状に形成されている。
【0023】
具体的には、背面シート部31はセグメントピース2の背面2cの全体を覆うフィルム状又は薄いシート状の部材からなる。
【0024】
本実施形態では、防水シート3の第1側面シート部32及び第2側面シート部33は、いずれも、背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された第1部材からなる。同様に、本実施形態では、防水シート3の第3側面シート部34及び第4側面シート部35は、いずれも、背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された第2部材からなる。つまり、本実施形態では、防水シート3における各側面シート部(32~35)は、いずれも、背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された部材からなる。
【0025】
図4及び図5に示すように、本実施形態では、第1側面シート部32及び第2側面シート部33を構成する第1部材と、第3側面シート部34及び第4側面シート部35を構成する第2部材は、いずれも、セグメントピース2の背面2c側の縁部を覆うL字状の断面形状を有する成形品である。また、第1側面シート部32及び第2側面シート部33を構成する第1部材は、セグメントピース2の背面2cに合わせた円弧形状に湾曲しており、第3側面シート部34及び第4側面シート部35を構成する第2部材は、直線的に延伸している。なお、第1部材及び第2部材が覆う「縁部」とは、背面2c側と側面(2a1、2a2、2b1、2b2)側に所定の幅の広がりを有した部分を示している。また、第1側面シート部32と第2側面シート部33は互いに同形状に成形され、第3側面シート部34と第4側面シート部35も互いに同形状に成形されている。
【0026】
具体的には、セグメントピース2の背面2c側の4つの縁部について、第1側面シート部32は第1側面2a1側の部分(長辺部)を覆い、第2側面シート部33は第2側面2a2側の部分(長辺部)を覆い、第3側面シート部34は第3側面2b1側の部分(短辺部)を覆い、第4側面シート部35は第4側面2b2側の部分(短辺部)を覆っている。
【0027】
本実施形態では、背面シート部31は前述したようにセグメントピース2の背面2cと同寸法の矩形状に形成されている。そして、背面シート部31は、その各縁部が対応する側面シート部(32~35)とセグメントピース2の背面2cとの間に挟み込まれた状態で、セグメントピース2の背面2cに付着している。また、各側面シート部(32~35)は、背面シート部31における対応する縁部に上方から付着する部分と、セグメントピース2における対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)に直接付着する部分とを有しており、このように付着することにより、セグメントピース2の背面2c側の対応する縁部を覆うように構成されている。
【0028】
本実施形態では、各側面シート部(32~35)は、背面シート部31の縁部からシール溝部21の手前の部分に亘って設けられている。具体的には、各側面シート部(32~35)は、二つのシール溝部21のうちの地山側のシール溝部21の手前まで設けられている。
【0029】
ここで、防水シート3を構成する部材(材料)としては、耐水性、耐アルカリ性(例えば、pH11~12で概ね変質しない)、損傷防止性、耐紫外線性に優れた材料特性を有した部材(材料)が採用される。したがって、このような材料特性を、背面シート部31を構成するフィルム状又はシート状の部材、第1側面シート部32及び第2側面シート部33を構成する第1部材、及び、第3側面シート部34及び第4側面シート部35を構成する第2部材が有する。
【0030】
また、防水シート3を構成する部材は弾性を有している。したがって、背面シート部31及び各側面シート部(32~35)は、セグメントピース2を構成するコンクリートのひび割れなどの変位に追従して伸縮可能である。つまり、防水シート3はひび割れ追従型のシートである。また、隣接する他のセグメント1との接続の際に、各側面シート部(32~35)は、他のセグメント1により押圧されてシール部材5と一緒に弾性変形する。
【0031】
また、本実施形態では、防水シート3を構成する部材(材料)は、セグメントピース2の製造過程においてセグメントピース2を構成するコンクリート内からコンクリートの表層まで上昇したアルカリ性のブリーディング水を介してコンクリートの表面に付着可能な材料特性を有している。セグメントピース2の表面に付着した防水シート3を構成する部材は、セグメント1の使用時はもちろんのこと、後述するコンクリートの蒸気養生工程、水中養生工程、セグメント1のストック時などにおいても、セグメントピース2から剥がれることなく強固に付着可能である。なお、各側面シート部(32~35)と背面シート部31における対応する縁部との付着(接合)については、例えば、接着剤によりなされる。また、各側面シート部(32~35)とセグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)との付着時にブリーディング水の量が不十分な場合などにおいては、各側面シート部(32~35)とセグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)との付着(接合)についても、接着剤によりなされてもよい。
【0032】
コーナーカバーシール4は、図1図2及び図6に示すように、防水シート3におけるセグメントピース2の背面2c側の四つの角部Cのそれぞれに対応する部分を被覆可能に成形された成形品からなるものである。つまり、セグメント1は、4つのコーナーカバーシール4を有している。そして、各コーナーカバーシール4は、例えば、接着剤により各側面シート部(32~35)に付着(接合)されている。また、コーナーカバーシール4は、第1部材、第2部材(各側面シート部(32~35))と同様の材料特性を有している。このコーナーカバーシール4により、防水シート3におけるセグメントピース2の背面2c側の四つの角部Cのそれぞれに対応する部分を保護することができるとともに、この部分に生じ得る側面シート部間の隙間部分を上から塞ぐことができる。
【0033】
次に、本実施形態におけるセグメント1の製造方法について、主に図7図9を参照して、以下に説明する。図7図9はそれぞれセグメント1の製造方法を説明するための工程図の一例であり、本実施形態では、図7(a)~図7(c)、図8(d)~図8(f)、図9(g)~図9(i)の順番で進められる。
【0034】
本実施形態では、セグメント1の製造方法は、型枠組立工程(図7(a)参照)と、コンクリート打設工程(図7(b)参照)と、表面仕上げ工程(図7(c)参照)と、背面被覆工程(図8(d)参照)と、蒸気養生工程(図8(e)参照)と、脱型工程(図8(f)参照)と、側面被覆工程(図9(g)参照)と、コーナー被覆工程(図9(h)参照)と、水中養生工程(図9(i)参照)と、を含む。
【0035】
図7(a)に示す型枠組立工程では、型枠Mを組み立てる。本実施形態では、型枠Mは、セグメント1の使用時における地山側に相当する部分、つまり、セグメントピース2の背面2cに対応する部分が、鉛直方向の上側に向くように配置される。本実施形態では、この型枠Mにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分は、型枠部材により閉止されずに開口されている。
【0036】
図7(b)に示すコンクリート打設工程では、型枠M内にセグメントピース2を構成するコンクリートを打設する。また、図示を省略したが、このコンクリートの打設前に、予め組み立てられた鉄筋かごが型枠M内に挿入される。その後、コンクリートが打設されるとともに、コンクリートの締め固めが行われる。
【0037】
図7(c)に示す表面仕上げ工程では、型枠M内に打設されたコンクリートにおける露出した表面が木ごてや金ごてなどによってならされて均一に仕上げられる。打設されるコンクリートの流動性は低いため、この表面仕上げ工程により、コンクリートの露出した表面が湾曲した面として仕上げられる。
【0038】
図8(d)に示す背面被覆工程では、型枠M内のコンクリートにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分(つまり、表面仕上げ工程で仕上げられた前記湾曲した面)を背面シート部31で被覆(ラッピング)する。
【0039】
本実施形態では、背面被覆工程は、セグメントピース用の型枠Mへのコンクリートの打設後(詳しくは表面仕上げ工程後)であって、且つ、コンクリートの蒸気養生(蒸気養生工程)の前に、コンクリートにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分を背面シート部31で被覆している。
【0040】
具体的には、この背面シート部31を構成する部材は、例えば、ロール巻きされたフィルム状又はシート状の材料を背面2cの寸法に応じて裁断することによって準備される。その後、背面シート部31を構成する部材は、作業者などによって、コンクリートの前記湾曲した面上に載置されるとともに、しわやエアだまりなどが生じないように木ごてや金ごてなどによって全体に亘って均一に仕上げ処理(貼り合わせ処理)がなされる。
【0041】
ここで、従来は、打設されたコンクリートの露出した表面の乾燥収縮を防止するため、コンクリートの打設直後に、コンクリートの露出した面を養生シートにより覆って養生し、例えば、コンクリートの硬化後にこの養生シートを剥がしていた。一方、背面シート部31は、従来の養生シートに替わって製造過程におけるコンクリートの乾燥収縮防止用のシートとして機能し、コンクリートの硬化後においても剥がされず、さらには、セグメント1の使用時においても剥がされることなくそのまま背面2cを被覆し防水シート3の一部として機能する。
【0042】
本実施形態では、背面シート部31がコンクリートの表層のブリーディング水を介してコンクリートの表面に付着する。つまり、背面シート部31をコンクリートにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分の上に載置し、ブリーディング水を用いることで、背面シート部31をコンクリートの表面に付着(接合)させる。
【0043】
図8(e)に示す蒸気養生工程では、コンクリートが打設された型枠Mを、高温で蒸気が充満した高温蒸気室内に、所定時間の間保管することによって、早期にコンクリートの強度を増進させる工程である。この工程では、例えば、型枠Mの脱型に必要なコンクリート強度が発現される。
【0044】
このように、本実施形態では、型枠の脱型(脱型工程)の前に、背面被覆工程及び蒸気養生(蒸気養生工程)を行う。
【0045】
図8(f)に示す脱型工程では、コンクリートに所定の強度が発現した後に、型枠Mをはずす(分解する)。なお、型枠Mを分解する替わりに、所定の強度を発現した型枠M内のコンクリート(詳しくはセグメントピース2と背面シート部31との一体物)を、型枠Mから取り外すことを、脱型工程としてもよい。
【0046】
図9(g)に示す側面被覆工程では、型枠Mにより成形されたセグメントピース2における背面2c側の縁部を、防水シート3を構成する残りの部材により被覆(ラッピング)する。具体的には、セグメントピース2の背面2c側の4つの縁部について、第1側面2a1側の部分を第1側面シート部32で覆い、第2側面2a2側の部分を第2側面シート部33で覆い、第3側面2b1側の部分を第3側面シート部34で覆い、第4側面2b2側の部分を第4側面シート部35で覆う。
【0047】
本実施形態では、各側面シート部(32~35)を、背面シート部31における対応する縁部に上方から付着させるとともに、セグメントピース2における対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)に直接付着させることにより、各側面シート部(32~35)がセグメントピース2の背面2c側の対応する縁部を覆うように構成されている。各側面シート部(32~35)と背面シート部31における対応する縁部との付着(接合)については、例えば、接着剤によりなされる。また、各側面シート部(32~35)とセグメントピース2における対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)とを付着させる際に、ブリーディング水の量が不十分な場合がある。この場合には、各側面シート部(32~35)とセグメントピース2における対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)との付着(接合)についても、接着剤によりなされてもよい。
【0048】
図9(h)に示すコーナー被覆工程では、防水シート3におけるセグメントピース2の背面2c側の四つの角部Cのそれぞれに対応する部分をコーナーカバーシール4により被覆する。具体的には、各コーナーカバーシール4を、接着剤により各側面シート部(32~35)に付着(接合)させる。
【0049】
図9(i)に示す水中養生工程では、セグメントピース2と防水シート3との一体物を水中に所定日数の間保管する。具体的には、セグメントピース2と防水シート3との一体物は、吊り上げられ、図9(i)に示すように建て起こされた状態で水中に保管される。そして、この工程では、例えば、セグメントピース2に、トンネル構造体の一部として必要なコンクリート強度や品質が発現される。
【0050】
そして、所定日数が経過したところで、セグメントピース2と防水シート3との一体物を水中から引き揚げ、出荷されるまで地上で保管(ストック)される。これにより、セグメントピース2と防水シート3とからなるセグメント1の製造が完了する。
【0051】
次に、セグメント1における防水作用について、図10を参照して説明する。図10はセグメント1における防水作用を説明するための部分断面図である。図10(a)では、互いにトンネル軸方向に隣接するセグメント1の接続状態が示され、図10(b)では、互いにトンネル周方向に隣接するセグメント1の接続状態が示されている。
【0052】
互いに隣接するセグメント1が図示を省略した接続構造(連結具)により接続されると、各側面シート部(32~35)は、他のセグメント1により押圧されてシール部材5と一緒に弾性変形する。このとき、一方のセグメント1の防水シート3における第1側面シート部32と他方のセグメント1の防水シート3における第2側面シート部33は、それぞれ押し潰されて、互いに密着している(図10(a)参照)。そして、一方のセグメント1の防水シート3における第3側面シート部34と他方のセグメント1の防水シート3における第4側面シート部35は、それぞれ押し潰されて、互いに密着している(図10(b)参照)。これにより、互いに隣接するセグメントピース2間の隙間のうちの地山側の領域が各側面シート部(32~35)によって概ね密封されている。その結果、互いに隣接するセグメントピース2間の隙間を通じた水の侵入が防止される。なお、本実施形態のように、さらにトンネル中心側にもシール部材5を設けることにより、互いに隣接するセグメントピース2間の隙間を通じた水の侵入がより確実に防止される。
【0053】
そして、セグメントピース2の背面2cは、防水シート3の背面シート部31により被覆されているため、地山側の水がセグメントピース2の背面2cに到達することや、地山側の水が背面2c側からセグメントピース2内に侵入することが防止されている。また、セグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)における地山側のシール溝部21よりも手前(地山側)の部分は全て対応する側面シート部(32~35)によって被覆されているとともに、地山側のシール部材5によって、地山側からの水がセグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)における側面シート部(32~35)により被覆されていない残りの部分へ到達することが防止されている。これにより、地山側の水がセグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)に到達することや、地山側の水が各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)側からセグメントピース2内に侵入することが防止されている。
【0054】
また、セグメント1の使用状態において、例えば、セグメントピース2の背面2c側の表層や側面(2a1、2a2、2b1、2b2)側の表層に強度上問題ないレベルの微少なひび割れやクラックなどが生じたとしても、背面シート部31や各側面シート部(32~35)は破損することなく、表層のひび割れなどの変位に追従して伸縮する。したがって、地山側の水が防水シート3を通過して、セグメントピース2の表層に生じ得る微少なひび割れなどを通じてセグメントピース2内に侵入することが防止される。その結果、セグメントピース2の耐久性及び耐水性などがより向上する。
【0055】
かかる本実施形態によるセグメント1及びその製造方法によると、防水シート3は、セグメントピース2の背面2cからトンネル軸方向両側の側面2a1、2a2及びトンネル周方向両側の側面2b1、2b2に亘って設けられており、背面2cに対応する背面シート部31と、各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)に対応する、第1側面シート部32と、第2側面シート部33と、第3側面シート部34と、第4側面シート部35と、を有している。このように、セグメントピース2の各側面(2a1、2a2、2b1、2b2)が第1側面シート部32、第2側面シート部33、第3側面シート部34及び第4側面シート部35によって覆われているため、互いに隣接するセグメントピース2の側面間の隙間に、地山側から水が浸入したとしても、これらの各側面シート部(32~35)によって、セグメントピース2内への水の侵入を防ぐことができる。
【0056】
このようにして、セグメントピース2の側面2a1、2a2、2b1、2b2)からセグメントピース2内への水の侵入を防ぐことが可能な防水シート3を有するセグメント1及びその製造方法を提供することができる。
【0057】
本実施形態では、防水シート3における各側面シート部(32~35)は、いずれも、背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された部材からなる。これにより、背面シート部31よりも複雑な形状を有する各側面シート部(32~35)を、単純な形状を有する背面シート部31と分離して形成することができるため、防水シート3の全体を一体に形成する場合と比較すると、防水シート3を極めて容易に製造することができる。特に、トンネル軸方向の第1側面シート部32及び第2側面シート部33は、立体的に湾曲しており、他の側面シート部(34、35)よりも複雑な形状を有している。したがって、各側面シート部(32~35)のうちの第1側面シート部32及び第2側面シート部33が背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された部材からなる構成とすると、セグメント1の製造上において好適である。
【0058】
本実施形態では、各側面シート部(32~35)は、背面シート部31の縁部からシール溝部21の手前の部分に亘って設けられている。つまり、対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)のうち、地山側の水が到達する可能性の高い部分だけ各側面シート部(32~35)により被覆しており、その結果、防水シート3の材料費を削減することができる。
【0059】
本実施形態におけるセグメント1の製造方法によると、背面被覆工程が、セグメントピース用の型枠Mへのコンクリートの打設後であって、且つ、コンクリートの蒸気養生前に行われるため、防水シート3のうちの背面シート部31を、セグメント製造時、特に蒸気養生の際のコンクリートの養生シートとして用いることができる。その結果、蒸気養生の際のコンクリートの養生シートを別に用意する必要がなく、養生作業や製造コストの低減を図ることができる。
【0060】
本実施形態におけるセグメント1の製造方法によると、型枠Mにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分が開口されている構成とし、型枠Mの脱型の前に、背面被覆工程及び蒸気養生(蒸気養生工程)を行っている。これにより、コンクリートの打設直後(詳しくは表面仕上げ工程の直後)に、型枠M内のコンクリートの表面を迅速に背面シート部31で被覆し、そのまま、蒸気養生工程に進めることができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態についてそれぞれ説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【0062】
例えば、防水シート3の各側面シート部(32~35)は、背面シート部31の縁部から地山側のシール溝部21の手前の部分に亘って設けられているものとしたが、これに限らず、対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)の全体に亘って設けられてもよい。
【0063】
また、防水シート3における各側面シート部(32~35)は、いずれも、背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された部材(第1部材、第2部材)からなるものとしたが、これに限らない。例えば、各側面シート部(32~35)の少なくとも一つが背面シート部31を構成する部材と分離された部材によって形成された部材からなっていれば、防水シート3の全体を一体に形成する場合と比較すると、防水シート3を容易に製造することができる。つまり、第1側面シート部32及び第2側面シート部33の少なくとも一方が第1部材からなり、及び/又は、第3側面シート部34及び第4側面シート部35の少なくとも一方が第2部材からなっていると、セグメント1の製造上において好適である。この場合、各側面シート部(32~35)のうちの一部については、背面シート部31を構成する部材と一体に形成されるため、型枠Mの脱型前にコンクリートの対応する部分に貼り合わせて付着(接合)することができない。したがって、この場合は、例えば、背面シート部31の部分だけコンクリートに貼り合わせた状態で、蒸気養生工程に進み、その後、脱型工程が終わった後(脱型後)に、側面被覆工程を行えばよい。
【0064】
また、第1側面シート部32及び第2側面シート部33を構成する第1部材や第3側面シート部34及び第4側面シート部35を構成する第2部材は、セグメントピース2の背面2c側の縁部を覆うL字状の断面形状を有する成形品であるものとしたが、これに限らず、対応する側面(2a1、2a2、2b1、2b2)に塗布された樹脂系ライニング材が硬化してなる部材であってもよい。この場合であっても、防水シート3における大半の部分を占める背面シート部31についてはフィルム状又はシート状の材料(部材)を用いることができるため、防水シート3の品質の均一化を図ることができる。仮に、背面シート部31についても樹脂系ライニング材を塗布して防水シート3の一部として構成しようとすると、塗布では、2~3層塗りが必要であり、塗布の度に養生期間が必要であるとともに、セグメントピース2の建て起こしを複数回行う必要がある。これらの点を考慮すると、防水シート3における少なくとも背面シート部31についてフィルム状又はシート状の材料(部材)を背面2cに貼り合わせて構成することは、防水シート3の品質の均一化及びセグメント1の製造上において、極めて好適である。
【0065】
また、セグメント1の製造方法において、蒸気養生及び水中養生を行うものとしたが、これに限らない。設計強度、設計品質、製造期間、製造コストなどを考慮し、例えば、蒸気養生だけ行ってもよいし、水中養生だけ行ってもよい。例えば、水中養生だけの場合は、背面被覆工程は、脱型前に限らず、脱型後に行ってもよい。つまり、背面被覆工程は、コンクリートの打設後であって、且つ、コンクリートの蒸気養生又は水中養生の前に行えばよい。
【0066】
また、型枠Mにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分は、開口されているものとしたが、これに限らず、閉止されていてもよい。つまり、型枠Mは、上部開放型の構造に限らず、セグメントピース2の背面2cに対応する部分に接する型枠部材を有した完全密閉型の構造であってもよい。この場合、例えば、完全密閉型の型枠Mにおけるセグメントピース2の背面2cに対応する部分の型枠部材だけを脱型した後に、背面被覆工程を行えばよい。そして、コーナーカバーシール4は設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…セグメント、
2…セグメントピース、
2a1、2a2…トンネル軸方向両側の側面、
2a1…第1側面(側面)、
2a2…第2側面(側面)、
2b1、2b2…トンネル周方向両側の側面、
2b1…第3側面(側面)、
2b2…第4側面(側面)、
2c…背面、
21…シール溝部、
3…防水シート、
31…背面シート部、
32…第1側面シート部、
33…第2側面シート部、
34…第3側面シート部、
35…第4側面シート部、
4…コーナーカバーシール、
5…シール部材、
C…角部、
M…型枠
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