(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079357
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】機器取り付け用クランプ装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/12 20060101AFI20220519BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20220519BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H04M1/12 Z
H04M1/02 C
F16B2/08 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190509
(22)【出願日】2020-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】山田 晃史
【テーマコード(参考)】
3J022
5K023
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC17
3J022EC22
3J022FA01
3J022FB12
3J022GA04
3J022GA12
3J022GB45
3J022GB53
5K023AA07
5K023DD06
5K023EE19
5K023KK01
5K023KK02
5K023KK07
5K023KK10
5K023PP02
(57)【要約】
【課題】異なる直径の丸棒部材に広く対応でき、大きな把持力で、丸棒部材を傷付けることなく機器を固定することができるクランプ装置を提供する。
【解決手段】機器取り付け用クランプ装置100は、機器を支持するフレーム部110と、機器を取り付ける丸棒部材Pを締め付け・解放可能にフレーム部110に支持されるクランプ部120とを具備する。クランプ部120は、平行一対の締め付けローラ121と、これら一対の締め付けローラ121間に丸棒部材Pを締め付けるループ122aを形成するように丸棒部材Pに掛け回される柔軟な金属製の帯板部材122と、この帯板部材122の両端を保持する引き止め部材123と、引き止め部材123を移動操作する締め付け操作部材124とを具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円形で軸状の丸棒部材に機器を取り付けるためのクランプ装置であって、
前記機器を支持するフレーム部と、前記丸棒部材を把持・解放可能に前記フレーム部に支持されるクランプ部とを具備し、
前記クランプ部は、前記フレーム部に支持され前記丸棒部材と平行に当該丸棒部材に近接して配置される平行一対の締め付けローラと、当該一対の締め付けローラ間に前記丸棒部材を把持するループを形成するように中間部が前記丸棒材に掛け回され両側部が前記一対の締め付けローラ間を通して前記丸棒部材から離れる方向に延出する柔軟な金属製の帯板部材と、当該帯板部材の両端を保持し前記丸棒部材に対して接近・離間して前記帯板部材のループを緩緊するように前記フレーム部に支持される引き止め部材と、当該引き止め部材と前記フレーム部との間に介設され当該引き止め部材を前記丸棒部材に対して接近・離間させるように移動させる締め付け操作部材とを具備することを特徴とする機器取り付け用クランプ装置。
【請求項2】
前記締め付け操作部材は、前記フレーム部を自由に貫通して前記締め付け部材に螺合される操作ボルトからなることを特徴とする請求項1に記載の機器取り付け用クランプ装置。
【請求項3】
丸棒部材は、荷物を運ぶための手押し車の持ち手であり、
前記フレーム部に前記機器としての携帯端末を保持する端末保持部材が角度調節可能に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器取り付け用クランプ装置。
【請求項4】
前記帯板部材のループの内側面と前記丸棒部材の外周との間に介設されるゴムベルトをさらに具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機器取り付け用クランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸棒部材に種々の機器を取り付けるためのクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ショッピングカートや台車等の手押し車に、携帯端末を取り付けるための携帯端末用スタンドとして、特許文献1に記載されたものが提案されている。
この携帯端末用スタンドは、台車の持ち手のような軸状部材に着脱するためのクランパと、これに着脱自在に取り付けられるスタンドを有する。クランパは、軸状部材が嵌まる嵌合溝を有する一対の挟持部材で構成される。一対の挟持部材は、複数のボルトで締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記携帯端末用スタンドは、一対の挟持部材で軸状部材を挟んで固定するものであるため、異なる直径の様々な軸状部材に広く対応することが困難である。また、挟持部材と軸状部材との接触面積が小さいため、大きな把持力を得ることができないし、締め付けにより軸状部材の外周面を傷付けるおそれがある。
したがって、本発明は、異なる直径の様々な軸状部材に広く対応することができ、締め付け部と軸状部材との接触面積大きく、大きな把持力を得ることができ、締め付けにより軸状部材の外周面を傷付けるおそれがない機器取り付け用のクランプ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の機器取り付け用クランプ装置100は、機器を支持するフレーム部110と、機器を取り付ける丸棒部材Pを締め付け・解放可能にフレーム部110に支持されるクランプ部120とを具備する。クランプ部120は、平行一対の締め付けローラ121と、これら一対の締め付けローラ121間に丸棒部材Pを締め付けるループ122aを形成するように丸棒部材Pに掛け回される柔軟な金属製の帯板部材122と、この帯板部材122の両端を保持する引き止め部材123と、引き止め部材123を移動操作する締め付け操作部材124とを具備する。一対の締め付けローラ121は、外周を丸棒部材Pの外周に近接させてこれと平行に配置できるようにフレーム部110に支持される。帯板部材122は、両側部が一対の締め付けローラ121間を通して丸棒部材Pから離れる方向に延出し、両端部において引き止め部材123に保持される。引き止め部材123は、丸棒部材Pに対して接近・離間自在にフレーム部110に支持され、離間することにより帯板部材122のループ122aを引き締め、接近することによってループ122aを緩める。締め付け操作部材124は、引き止め部材123とフレーム部110との間に介設され、引き止め部材123を丸棒部材Pに対して接近・離間させるように移動させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、丸棒部材Pの外周に掛け回された金属製の帯板部材122のループ122aが、丸棒部材Pの直径の相違にかかわらず、その外周に馴染んで、確実に丸棒部材Pを把持し、丸棒部材Pに所望の機器を強固に支持することができる。帯板部材122の締め付けにより丸棒部材Pの外周面を傷付けるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の機器取り付け用クランプ装置の正面図である。
【
図2】
図1の機器取り付け用クランプ装置の側面図である。
【
図3】
図1のIII-III断面図であり、(A)は丸棒部材の締め付け前の状態、(B)は丸棒部材の締め付け状態を示す。
【
図4】本発明の機器取り付け用クランプ装置を携帯端末の取り付け装置に適用した実施形態の正面図である。
【
図6】
図4の実施形態における携帯端末支持部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面について本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし
図3において、機器取り付け用クランプ装置100は、機器を支持するフレーム部110と、機器を取り付ける丸棒部材Pを締め付け・解放可能にフレーム部110に支持されるクランプ部120とを具備する。
【0009】
フレーム部110は、金属板材を屈曲成形してなり、矩形平板状の支持板部111と、それのほぼ中央から一端側半分の対向両縁部から直角に起立した平行一対のブラケット板部112と、支持板部111の一端縁から直角に起立して一対のブラケット板部112の一端側の縁に沿って延びるボルト受け板部113とを具備する。なお、材質はこれに限定されない。
【0010】
クランプ部120は、平行一対の締め付けローラ121と、丸棒部材Pに掛け回される柔軟な金属製の帯板部材122と、帯板部材122の両端が係止される引き止め部材123と、引き止め部材123を牽引操作する締め付け操作部材124とを具備する。
【0011】
一対の締め付けローラ121は、一対のブラケット板部112の他端間に、支持板部111と平行に、相互間隔を置いて軸121aにより架設される。締め付けローラ121は、丸棒部材Pと平行に、これに近接して配置された状態で、帯板部材122を介して丸棒部材Pの外周に当接する。
帯板部材122は、中間において丸棒部材Pの外周に掛け回され、両側が一対の締め付けローラ121間を通して丸棒部材Pから離れる方向へ延び、一対の締め付けローラ121間に、丸棒部材Pを把持するループ122aを形成する。
【0012】
引き止め部材123は、帯板部材122の両端を保持し、丸棒部材Pに対して接近・離間自在にフレーム部に支持され、離間することによりループ122aで丸棒部材Pを締め付け、接近することによってこれを解放する。引き止め部材123は、金属板材をコ字状に屈曲成形してなり、支持板部111と平行に配置される係止板部123aと、それの両縁からボルト受け板部113と平行に直角に延出する一対の脚板部123bとを具備し、両側面をブラケット板部112間にガイドされ、一対の脚板部の端面を支持板部111に摺動させて移動する。帯板部材122の両端は、ボルト123cで係止板部123aに係止される。なお、材質はこれに限定されない。
【0013】
締め付け操作部材124は、ボルト受け板部113を直交方向に貫通し、引き止め部材123の脚板部123bのねじ孔に螺挿される操作ボルトで構成される。操作ボルト123の回転操作により、引き止め部材123を丸棒部材Pに対して接近・離間させるように移動させ、帯板部材のループ122aによる丸棒部材Pの把持を緩緊する。
【0014】
帯板部材122と丸棒部材Pの外周との間には、ゴムベルト124が介設され、帯板部材122による丸棒部材Pの把持をより強固なものにしている。
【0015】
図4ないし
図7には、クランプ装置100を、台車のハンドルのような丸棒部材Pに、図示しない携帯端末を取り付けるための装置として適用した実施形態を示す。
【0016】
図4,
図5において、携帯端末支持部材200がフレーム部110に固定される。
図6、
図7に示すように、携帯端末支持部材200は、取り付け部210と、これに角度調整自在に支持される端末受け部220とを具備する。取り付け部210の平行一対の取り付け板部211が、ねじ212と、一方の締め付けローラ121の軸121aにより、ブラケット板部112に固定される。
【符号の説明】
【0017】
100 クランプ装置
110 フレーム部
111 支持板部
112 ブラケット部
113 ボルト受け板部
120 クランプ部
121 締め付けローラ
122 帯板部材
122a ループ
123 引き止め部材
124 締め付け操作部材(操作ボルト)
P 丸棒部材