(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079373
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】舗装構造設計方法およびインターロッキングブロック舗装構造
(51)【国際特許分類】
E01C 5/06 20060101AFI20220519BHJP
E01C 1/00 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
E01C5/06
E01C1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190549
(22)【出願日】2020-11-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月10日、株式会社日本港湾コンサルタント
(71)【出願人】
【識別番号】300082335
【氏名又は名称】太平洋プレコン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100208605
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 龍一
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 宏始
(72)【発明者】
【氏名】小原 絢菜
(72)【発明者】
【氏名】河野 亜沙子
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AG01
2D051CA01
2D051DA04
(57)【要約】
【課題】多層弾性理論および疲労解析を適用し、重荷重エリアにおける良好な路面性状を長期間にわたり維持する。
【解決手段】路床、下層路盤、上層路盤、敷砂およびインターロッキングブロックが積層したインターロッキングブロック舗装に対して、たわみ測定を行なって得られた測定結果を用いて、前記上層路盤上に敷設された敷砂、および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロックを一体化したブロック層の弾性係数を算出する工程(S2)と、前記敷砂単体の弾性係数および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロック単体の弾性係数をそれぞれ算出する工程(S3)と、前記ブロック層の弾性係数、並びに前記敷砂単体の弾性係数および前記インターロッキングブロック単体の弾性係数を、多層弾性理論に適用して、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出する工程(S6)と、それらの値の安全性を確認する工程(S7)と、を少なくとも含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装の舗装構造設計方法であって、
路床、下層路盤、上層路盤、敷砂およびインターロッキングブロックが積層したインターロッキングブロック舗装に対して、たわみ測定を行なって得られた測定結果を用いて、前記上層路盤上に敷設された敷砂、および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロックを一体化したブロック層の弾性係数を算出する工程と、
前記敷砂単体の弾性係数および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロック単体の弾性係数をそれぞれ算出する工程と、
前記ブロック層の弾性係数、並びに前記敷砂単体の弾性係数および前記インターロッキングブロック単体の弾性係数を、多層弾性理論に適用して、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする舗装構造設計方法。
【請求項2】
前記インターロッキングブロックと前記敷砂との層間すべり、および前記敷砂と前記上層路盤との層間すべりをさらに用いて前記重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出することを特徴とする請求項1記載の舗装構造設計方法。
【請求項3】
前記インターロッキングブロック舗装の許容たわみ量をさらに設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の舗装構造設計方法。
【請求項4】
重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装構造であって、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の舗装構造設計方法を用いて設計され、路床、下層路盤、上層路盤、敷砂およびインターロッキングブロックが積層したことを特徴とするインターロッキングブロック舗装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装の舗装構造設計方法およびインターロッキングブロック舗装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナヤード等の重荷重エリアの舗装の構造設計には、「多層弾性理論」と「疲労解析」とが併用されている。多層弾性理論を用いて設計を行なう場合、最も重要な要因は、ILB(Inter Locking Block)および敷砂の弾性係数の数値設定にある。この設定値が低すぎると舗装に発生する応力やひずみが大きくなって耐用年数が短くなる。一方、この設定値が高すぎると応力やひずみが小さくなり耐用年数が長くなる。日本国内でILB舗装がコンテナヤードで施工された事例の中で、「多層弾性理論」および「疲労解析」が適用された事例は皆無である。
【0003】
例えば、今から約24年前(1996年)に施工された川崎港コンテナターミナルでは、イギリスの港湾協会が提案する設計法が適用され、また、大阪南港や神戸ポートアイランドでは、損傷の激しい半たわみ性舗装や改質アスファルト層を12cm切削して、100mmのILBと20mmの敷砂で打ち換える方法で施工されている。今後、東京都内のコンテナヤードに100mmのILBが採用されることが予定されていることから、路盤設計の検討が急務となっている。
【0004】
ここで、ILBおよび敷砂の弾性係数に関する研究は、1982年に日本大学の三浦教授が、DCメータを利用してILBおよび敷砂を一つの層として解析した数値が「1648MPa」、ILB単体では「4335MPa」程度であると報告している。その後、北海道工業大学(現北海道科学大学)の笠原教授らは、1989年に牽引式のFWD(Falling Weight Deflectmeter)装置により、施工現場のILB舗装上にて4点のたわみを測定した結果から、ILBおよび敷砂の弾性係数は「98~392MPa」であると報告している。1998年には、東北工業大学の村井教授らによって、車載型FWDを用いた試験結果から、ILB単体の弾性係数が「1960MPa」、敷砂単体の弾性係数が「29MPa」であると報告されている。
【0005】
特許文献1には、2層弾性理論を用いて構造設計された舗装体の舗装設計時における舗装寿命予測を行うに当たり、2層弾性理論と多層弾性理論による相違点を考慮した上で、当該多層弾性理論を使用した舗装寿命予測方法が提案されている。この技術では、舗装体を上下層に区分し、2層弾性理論に基づき、各層の設計断面を決定し、この決定された各層の層厚と、各層における使用材料に対応した設計用弾性係数とを与えることにより、多層弾性理論に基づき、表層・基層の下面に生じる引張ひずみに起因する舗装寿命と、路床の上面に生じる圧縮ひずみに起因する舗装寿命とを、所与の破壊基準式から算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、アスファルト舗装における弾性係数の健全値は、「6000MPa」であるとされており、冬季では、「10000MPa」を超えることもある。これらの値と比べると、上述した既往の研究結果の値はあまりに小さいため、これらの値を用いて重荷重エリアの構造設計を行なった場合、路床や路盤の構造強化が必要不可欠となり、コスト高を招いてしまう。
【0008】
また、アスファルト舗装や半たわみ性舗装と比べて、重荷重エリアにおけるILB舗装の大きな特徴は、素材がコンクリートであるため、アスファルト舗装のような夏季高温時の流動変形が生じず、また、規則的な多数の目地によりアスファルト舗装等で生じるひび割れも生じ難いことにある。しかしながら、これまでの研究結果では、ILB舗装の特徴を反映した値であると考えることはできない。既往の研究結果の弾性係数が低いのは、舗装診断装置と解析手法にあると考えられる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、多層弾性理論および疲労解析を適用し、重荷重エリアにおける良好な路面性状を長期間にわたり維持することができる舗装構造設計方法およびインターロッキングブロック舗装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の舗装構造設計方法は、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装の舗装構造設計方法であって、路床、下層路盤、上層路盤、敷砂およびインターロッキングブロックが積層したインターロッキングブロック舗装に対して、たわみ測定を行なって得られた測定結果を用いて、前記上層路盤上に敷設された敷砂、および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロックを一体化したブロック層の弾性係数を算出する工程と、前記敷砂単体の弾性係数および前記敷砂上に配置されたインターロッキングブロック単体の弾性係数をそれぞれ算出する工程と、前記ブロック層の弾性係数、並びに前記敷砂単体の弾性係数および前記インターロッキングブロック単体の弾性係数を、多層弾性理論に適用して、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0011】
(2)また、本発明の舗装構造設計方法は、前記インターロッキングブロックと前記敷砂との層間すべり、および前記敷砂と前記上層路盤との層間すべりをさらに用いて前記重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出することを特徴とする。
【0012】
(3)また、本発明の舗装構造設計方法は、前記インターロッキングブロック舗装の許容たわみ量をさらに設定することを特徴とする。
【0013】
(4)また、本発明のインターロッキングブロック舗装構造は、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装構造であって、上記(1)から(3)のいずれかに記載の舗装構造設計方法を用いて設計され、路床、下層路盤、上層路盤、敷砂およびインターロッキングブロックが積層したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、重荷重エリアにおける良好な路面性状を長期間にわたり維持することが可能となる。また、耐久性に富み、信頼性と安全性の高い舗装構造を実現することが可能となる。さらに、耐久性が向上する結果、ライフサイクルコスト(Life cycle cost:LCC)を手減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る舗装構造設計方法の手順を示すフローチャートである。
【
図2A】路床、下層路盤、上層路盤(アスファルト系混合物)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、ひずみ(ε
r、ε
z)の例を示す図である。
【
図2B】路床、下層路盤、上層路盤(セメント系、コンクリート系)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、応力(σ
r)、ひずみ(ε
z)の例を示す図である。
【
図2C】路床、下層路盤、上層路盤(セメント系、コンクリート系)、上層路盤(アスファルト系混合物)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、応力(σ
r)、ひずみ(ε
r、ε
z)の例を示す図である。
【
図4】インターロッキングブロック舗装における目地幅、破損率、たわみ量の相関を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[多層弾性理論と疲労解析について]
多層弾性理論とは、舗装を構成する各層の材料を弾性体であると仮定し、
図2A~
図2Cに示すように、舗装体の任意の点に発生する変位(たわみd)、応力(σ
r)、ひずみ(ε
r、ε
z)を計算する方法である。
図2Aは、路床、下層路盤、上層路盤(アスファルト系混合物)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、ひずみ(ε
r、ε
z)の例を示す図であり、
図2Bは、路床、下層路盤、上層路盤(セメント系、コンクリート系)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、応力(σ
r)、ひずみ(ε
r)の例を示す図であり、
図2Cは、路床、下層路盤、上層路盤(セメント系、コンクリート系)、上層路盤(アスファルト系混合物)、敷砂、ILBの順で構成された舗装体において、舗装に発生するたわみ(d)、応力(σ
r)、ひずみ(ε
r、ε
z)の例を示す図である。一方、疲労解析とは、得られた応力やひずみに対して、
図3に示す材料の疲労曲線や疲労破壊規準式を適用することによって、許容載荷輪数を算出するものである。この算出結果から、次式を満足することが必須となる。
(許容載荷輪数)≧(設計交通量)
[弾性係数について]
材料の弾性係数とは、室内試験等で得られる応力をひずみで除して求めることができる。舗装では、この値が大きいほど支持力が高いこととなる。多層弾性理論を適用する場合、最も重要な要因は、舗装構成各層の弾性係数の値である。アスファルト舗装やコンクリート舗装では、既往の研究結果から、路盤、路床を含めて弾性係数の値が提案されている。ILB舗装では、上述したように、既往の研究結果の値が小さいために、これらの値を適用することは不適当である。
【0017】
新規材料の弾性係数は、FWD(Falling Weight Deflectmeter)などの非破壊試験結果や、室内の繰返し載荷試験等から算出することができる。FWDとは、舗装上に重錘を落下させて衝撃荷重を与え、その時に発生する舗装表面のたわみ形状を測定する装置である。この装置によって測定したたわみ形状から、専用のプログラム(例えば、動的逆解析プログラム:Wave BALM)を用いて舗装構成層の弾性係数を推定することが可能となる。
【0018】
[弾性係数の計測について]
本発明者らは、構造解析に適用するILBおよび敷砂の弾性係数を測定するために、大手道路会社の協力により、2018年9月に大阪南港コンテナヤードのILB舗装において、当時最新の診断装置(車載型FWD)により、ILB舗装上でたわみ測定を行なった。この測定により得られたたわみ量を解析した結果、ILBおよび敷砂を一つの層とした場合の弾性係数は「3000~8000MPa」となり、その平均値は「5100MPa」となった。また、東京農業大学の川名教授らの解析によれば、ILB単体での弾性係数は「5000~12000MPa」となり、その平均値は「8200MPa」となった。また、敷砂単体での弾性係数は「10~50MPa」となり、その平均値は「20MPa」となった。
【0019】
本発明では、構造設計に適用する弾性係数について、ILB単体の値および敷砂単体の値と、ILBおよび敷砂を一つの層(以下、「ブロック層」と呼称する。)とした値を用いる。これは、舗装構造によって、たわみ、応力、ひずみが、「ILB単体および敷砂単体」と、「ブロック層」とにおいて、差異のあることを確認したことによる。
【0020】
ILB舗装において、敷砂が細粒化して固結すると、ブロックと固結した敷砂との境界面で「層間すべり」が生じて、ブロックの移動や目地砂の消失率が増加して、ブロックの破損も増加する傾向にあることを、柳沼らが論文(吉田、柳沼共著:「荷重車走行実験によるインターロッキングブロック舗装のクッション砂の耐久性評価」:「舗装」2001年4月号pp.26~31)で報告している。従って、ILBと敷砂との層間すべりは、構造解析を行なう上で重要な要因となる。多層弾性理論に適用する層間すべりの値は、一般的に「0~0.99」とされている。「0」の場合はすべりを考慮しないことを意味する。ILB舗装に適用する層間すべりの値については、最大値である「0.99」とする。本実施形態では、層間すべりについては、次のように設定する。アスファルトでは、層間すべりを考慮しないで解析が行なわれ、コンクリート舗装では、コンクリート版と路盤に限りすべりを考慮し、その他の層ではすべりを考慮しないで解析されている。これに対し、ILBと敷砂、敷砂と路盤層の層間すべりについては、考慮する場合と考慮しない場合との両方で解析する。これは、すべりを考慮した方が、たわみ、応力、ひずみ等の値が大きくなり、より安全側に立った設計となることによる。
【0021】
[ILB舗装上における許容たわみ量の設定]
重荷重エリアでは、輪荷重が大きいため、ILB舗装上に発生するたわみも大きくなる。たわみが大きくなるとブロック同士が競り合って角欠けが生じる。これを防ぐために、許容たわみ量を既往の研究結果を用いて設定する。「畑、柳沼著:インターロッキングブロックの車道舗装への適用:舗装 27-9、1992年」によれば、ブロックの破損率をBとし、たわみ量(mm)をWとし、目地幅をJとしたときに、「B=6.097+3.775W-3.267J」が成立し、ブロックの破損率が3%を超えるとクレームが発生するとされる。また、「柳沼、住岡、切原、播本著:コンテナヤードに試験施工したインターロッキングブロック舗装と半たわみ性舗装の5年間の調査結果:舗装 55-9、2020年」の7頁の記載によれば、5年経過時の破損率は、「半たわみ性舗装(41.4%)>100mmILB舗装(8.3%)>80mmILB舗装(5.5%)」となっている。この破損率は、測定区間内のILBを欠け(軽度と重度)と割れに分類して全数調査し、一方、半たわみ性舗装では、縦横0.5mのます目に区割りするメッシュ方で算出された。
図4は、提案式から算出したインターロッキングブロック舗装における目地幅、破損率、たわみ量の相関を示す表である。上記の知見とこの相関性により、許容たわみ量は、交通量に応じて、「1.0mm~4.0mm」に設定することが好ましいとされる。
【0022】
本発明では、重荷重エリアのILB舗装の構造設計は、以下の考え方で実施する。すなわち、多層弾性理論を適用するためには、ILBおよび敷砂を一つの層(ブロック層)とする方法と、ILB単体と敷砂単体とに分離する方法の二つの方法で解析することにより、安全で信頼性のある構造設計が実現する。層間すべりについても、すべりの有無で検討することによって、より安全で信頼性のある構造設計が可能となる。また、ILB舗装上に発生するたわみ量に許容値を設定することによって、ブロックに過度の角欠けが発生することを防止することが可能となる。
【実施例0023】
図1は、本発明の実施形態に係る舗装構造設計方法の手順を示すフローチャートである。まず、車載型FWDでインターロッキングブロック舗装のたわみを測定する(ステップS1)。次に、ステップS1において、たわみ測定を行なって得られた測定結果を用いて、上層路盤上に敷設された敷砂、および敷砂上に配置されたインターロッキングブロックを一体化したブロック層の弾性係数を算出する(ステップS2)。上述したように、ここで算出する弾性係数は、3000~8000MPaであり、平均値は5100MPaである。次に、敷砂単体の弾性係数および敷砂上に配置されたインターロッキングブロック単体の弾性係数をそれぞれ算出する(ステップS3)。インターロッキングブロック単体の弾性係数は、上述したように、5000~12000MPaであり、平均値は8200MPaである。また、敷砂単体の弾性係数は、上述したように、10~50MPaであり、平均値は20MPaである。
【0024】
次に、インターロッキングブロックと敷砂との層間すべり、および敷砂と上層路盤との層間すべりを設定する(ステップS4)。次に、インターロッキングブロック舗装の許容たわみ量をさらに設定する(ステップS5)。ここでは、上述したように、許容たわみ量を、交通量に応じて、1.0mm~4.0mmに設定するものとする。次に、上記ブロック層の弾性係数、並びに敷砂単体の弾性係数およびインターロッキングブロック単体の弾性係数を、多層弾性理論に適用して、重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装のたわみ、応力またはひずみを算出する(ステップS6)。最後に、たわみ、応力、ひずみの全ての項目が安全側にあることを確認して(ステップS7)、終了する。
【0025】
本実施例によれば、重荷重エリアにおける良好な路面性状を長期間にわたり維持することが可能となる。また、耐久性に富み、信頼性と安全性の高い舗装構造を実現することが可能となる。さらに、耐久性が向上する結果、ライフサイクルコスト(Life cycle cost:LCC)を手減することが可能となる。