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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079384
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】移動ロボット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220519BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
G05D1/02 H
B61B13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190569
(22)【出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】北野 斉
(72)【発明者】
【氏名】坂上 哲也
(72)【発明者】
【氏名】田續 博一
【テーマコード(参考)】
3D101
5H301
【Fターム(参考)】
3D101BB00
3D101BB16
3D101BB22
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG06
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL08
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】移動ロボットに外部から衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃によって内部の部材が損傷することのない移動ロボットを提供する。
【解決手段】車台に回転可能に取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を駆動する駆動手段と、前記車台に取り付けられる外装部材を備えた移動ロボットにおいて、前記外装部材は、前記車台の少なくとも側面に取り付けられる側面部材と、前記車台に立設する支持部に取り付けられる天井部材とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台に回転可能に取り付けられた複数の車輪と、
前記車輪を駆動する駆動手段と、
前記車台に取り付けられる外装部材を備えた移動ロボットにおいて、
前記外装部材は、前記車台の少なくとも側面に取り付けられる側面部材と、前記車台に立設する支持部に取り付けられる天井部材とを備えることを特徴とする移動ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の移動ロボットにおいて、
前記側面部材は、前記車台の下方に下端部が締結固定され、前記天井部材と近接する上端部は、天井部材に対して隙間を有して配置されることを特徴とする移動ロボット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の移動ロボットにおいて、
前記天井部材の前記側面部材と近接する縁部には、前記側面部材の上端縁と対向する爪部を備えることを特徴とする移動ロボット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の移動ロボットにおいて、
前記支持部は、前記天井部材の外周縁部に取り付けられる第1支持部材と、前記天井部材の略中央部を支持する第2支持部材とを備えることを特徴とする移動ロボット。
【請求項5】
請求項4に記載の移動ロボットにおいて、
前記車台は、前記駆動手段が収容される駆動手段収容部と、前記駆動手段を制御する制御部材が収容される制御部材収容部と、前記制御部材及び前記駆動手段を駆動する電力を供給する蓄電池を収容する蓄電池収容部とを備え、
前記第1支持部材は、前記駆動手段収容部及び前記制御部材収容部のそれぞれの四隅に少なくとも立設し、前記第2支持部材は、前記蓄電池収容部に立設することを特徴とする移動ロボット。
【請求項6】
請求項5に記載の移動ロボットにおいて、
前記駆動手段,前記制御部材及び前記蓄電池のぞれぞれは、前記駆動手段収容部の少なくとも両側面,前記制御部材収容部の少なくとも両側面並びに前面及び前記蓄電池収容部の両側面と所定の間隔を有して配置されることを特徴とする移動ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流倉庫や製造工場などで、商品や部品などの物品を自動で輸送する移動ロボットとして無人搬送車(Auto Guide Vehicle:AGV)が用いられている。
【0003】
このような移動ロボットは、予め定められた経路に沿って移動して物品を輸送する搬送車であって、種々の形態が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、平面視で菱形の4つの頂点となる位置にそれぞれ車輪を設け、前記菱形の一の対角線の方向を車両の前後方向とする移動ロボットにおいて、前記一の対角線上に位置する前輪と後輪とを操舵輪とし、これらの操舵輪は前記一の対角線に対する操舵角度が前記前輪と後輪との間で互いに逆向きの同値となるように連動させる連動機構を介して連結し、前記前後輪の間で他の対角線上に位置する二輪を駆動輪とし、前記前輪と駆動輪とを揺動部材に支持させ、当該揺動部材は前輪と駆動輪との間の位置で移動ロボットの車側方向に向けて設置した枢軸により枢支して車台に対して揺動可能に支持してある移動ロボットが知られている。
【0004】
このような移動ロボットによれば、前後進において移動ロボットの移動を同一軌道とすることができ、前輪と左右の駆動輪とが規定する平面が路面の傾斜に適合するように傾くことができ、前輪と駆動輪の接地が確実に行われ、通常、駆動輪が浮き上がりスリップを生じることの多い、平坦路から上り坂への入口においては、前輪が上り坂の斜面で上方に押し上げられることにより、枢軸の後方に設置された駆動輪は逆に路面に押し付けられるので、駆動輪による路面への駆動力の伝達が一層確実に行われることで、コンピュータからの指令に従って、忠実に走行することについて高い信頼性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-7043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の移動ロボットは、物流倉庫や製造工場などにおいて予め定められた経路に沿って走行することができるが、例えば、現場環境が作業の進行に伴って逐次変化し、経路がその都度変更されるような建築現場などでは、仮置きされた単管などの建築資材や建築作業に用いられる工具が壁などに立てかけられていたり、作業者が作業している環境下では、これらの建築資材や工具が走行中の移動ロボットに接触することが予想される。従来の移動ロボットでは、本体全体を覆う外装部材をFRPなどの素材で成形しているため、一部が損傷した場合でも外装部材全部を交換する必要があり、外装部材の交換が作業工期に影響する恐れがあった。
【0007】
このように、建築資材や工具が接触すると、場合によっては衝撃によって移動ロボット内の駆動部材や制御部材などの内部部品が損傷することが懸念されるため、内部部材が損傷することを防止したいという要望があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、移動ロボットに外部から衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃によって内部部材が損傷することがなく、外装部材の交換が容易な移動ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明に係る移動ロボットは、車台に回転可能に取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を駆動する駆動手段と、前記車台に取り付けられる外装部材を備えた移動ロボットにおいて、前記外装部材は、前記車台の少なくとも側面に取り付けられる側面部材と、前記車台に立設する支持部に取り付けられる天井部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る移動ロボットによれば、外装部材を車台の少なくとも側面に取り付けられる側面部材と、車台に立設する支持部に取り付けられる天井部材とで構成しているので、例えば、側面部材に外部から衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃を天井部材や車台内部の部品に伝搬することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る移動ロボットの斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る移動ロボットの内部構造を示す分解図。
図3図2における平面図。
図4】本発明の実施形態に係る移動ロボットの車台の分解図。
図5】本発明の実施形態に係る移動ロボットの外装部材の分解図。
図6】本発明の実施形態に係る移動ロボットの側面部材を取り付けた状態を示す斜視図。
図7】本発明の実施形態に係る移動ロボットの天井部材を取り付けた状態を示す斜視図。
図8図7における側面図。
図9図1のA部拡大図。
図10図1のB-B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る移動ロボットの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの内部構造を示す分解図であり、図3は、図2における平面図であり、図4は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの車台の分解図であり、図5は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの外装部材の分解図であり、図6は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの側面部材を取り付けた状態を示す斜視図であり、図7は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの天井部材を取り付けた状態を示す斜視図であり、図8は、図7における側面図であり、図9は、図1のA部拡大図であり、図10は、図1のB-B断面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る移動ロボット1は、図示しない台車などを牽引しながら走行する。台車には、運搬対象としての建築資材などが好適に載置される。移動ロボット1は、車台2に回転可能に取り付けられた複数の車輪3,4を有している。車輪3は、移動ロボット1の後輪を構成しており、後述する駆動手段10によって駆動力が伝達されることで駆動輪として動作する。また、駆動手段10によって左右の駆動輪の回転数を変更することで、進行方向を変更することができる。
【0015】
車輪4は、移動ロボット1の前輪を構成しており、車輪3の駆動に伴って回転自在に取り付けられている。また、図10に示すように、車輪4は、車台2に対して鉛直方向に延びる旋回軸周りに旋回可能な旋回部材80を介して取り付けられており、車輪3によって移動ロボット1の進行方向が変更された場合には、当該進行方向に沿った角度に適宜旋回することで、円滑に移動ロボット1の方向転換を行うことができる。
【0016】
また、図1に示すように、車台2には、外装部材40が取り付けられており、車両本体を構成している。外装部材40は、天井部材41,側面部材42,正面部材43及び背面部材44とから構成されている。天井部材41の前方には、移動ロボット1の走行を知らせる警告灯5が取り付けられており、図示しないスピーカから生じる音声とともに走行中に周囲に移動ロボット1の存在を告知することができる。
【0017】
天井部材41の後方には、移動ロボット1の予め設定された走行パターンなどを選択可能な操作パネル6が取り付けられており、上述した警告灯5及び操作パネル6は、保護枠7,8に保護されている。保護枠7,8は、警告灯5及び操作パネル6を衝撃などから保護できればどのような形態でも構わないが、例えば図1に示すようにパイプ部材を組み合わせて保護枠7,8を構成すると好適である。
【0018】
さらに、天井部材41には、非常停止ボタン9が取り付けられており、移動ロボット1の緊急停止を任意に行うことができる。非常停止ボタン9は、例えば、本実施形態に係る移動ロボット1は、二カ所に取り付けられている。
【0019】
また、本実施形態に係る移動ロボット1の車台2には、移動ロボット1の運搬時に図示しない運搬ベルトを挿通可能な運搬部71が取り付けられており、当該運搬部71によって車重が大きい場合であっても容易に移動ロボット1の運搬を行うことができる。
【0020】
図2に示すように、車台2は、車台2の前方に配置された制御部材収容部72,車台2の後方に配置された駆動手段収容部73、制御部材収容部72及び駆動手段収容部73の間に配置された蓄電池収容部74を備える。
【0021】
制御部材収容部72には、制御部材20が取り付けられている。制御部材20は、カメラ61,カメラ61で撮影した画像を処理する画像処理部並びに駆動手段10を駆動制御する駆動制御部などが収容された制御箱21と、該制御箱21の開口を閉塞する蓋部材22とを備えている。
【0022】
制御部材20は、一対のカメラ61によって走行経路に設置された識別標識を撮影し、当該識別標識の指示に沿って駆動手段10を制御する。制御部材20の構成は、従来周知の種々の画像処理手段並びに駆動制御手段を適用することが可能であり、例えば、画像処理を行う演算部や識別標識に対応する指示内容並びに警告用の音声信号などを記憶する記憶媒体などを備えると好適である。
【0023】
障害物センサ62,63は、走行経路に障害物が存在する場合に、当該障害物を検知することができれば、どのような形式のセンサを用いても構わないが、例えば、光学式の近接センサなどが好適に用いられる。なお、制御部材20の前方中央部分には、メイン障害物センサ62が取付けられ、制御部材20の両側部には、補助障害物センサ63,63が一対取り付けられている。
【0024】
さらに、制御部材収容部72の下方には、車輪4の前方を覆うようにセンサパネル76が取り付けられており、センサパネル76には、移動ロボット1の進行方向を走査するレーザレンジファインダ64が取り付けられ、センサパネル76の下端には、移動ロボット1の前方に突出するように接触センサ65が取り付けられている。レーザレンジファインダ64は、障害物センサ62,63と同様に、走行経路に障害物が存在する場合に、当該障害物を検知する。また、接触センサ65は、障害物センサ62,63やレーザレンジファインダ64で検知することができなかった障害物が接触した場合に移動ロボット1の走行を停止することができる。
【0025】
駆動手段収容部73は、車輪3の上方に配置されており、駆動モータ11が駆動ベルト12を介して車輪3に駆動力を伝達している。駆動モータ11及び駆動ベルト12は、左右の車輪3,3に対して一組ずつ設けられており、左右の車輪3の回転数を変更することで、移動ロボット1の進行方向を変えることができる。なお、左右の車輪3のいずれか一方のみを回転させて信地旋回を行っても構わないし、回転方向を逆に回転させて移動ロボット1の方向を転換することも可能である。
【0026】
駆動モータ11は、後述する蓄電池30によって給電される電力で駆動することができればどのような駆動モータを用いても構わないが、例えば、ブラシレスモータやステッピングモータなどが好適に用いられる。
【0027】
さらに、駆動ベルト12は、従来周知の種々の駆動ベルトを用いることができ、ゴムに補強繊維など組み合わせた複合素材からなるフラットベルトや歯付きベルトなどが好適に用いられる。
【0028】
蓄電池収容部74は、車輪3,4の間に配置されると共に、制御部材収容部72及び駆動手段収容部73よりも地表に近い位置に配置されている。これにより、比較的重量の重い蓄電池30を車台2の低い位置に搭載することで、移動ロボット1の低重心化を図っている。
【0029】
また、蓄電池30は、図3に示すように、蓄電池収容部74の左右に振り分けて一対設けられており、蓄電池30の間には、充電器31が配置されている。蓄電池30は、従来周知の二次電池が好適に用いられ、例えば、リチウムイオン蓄電池やニッケル・カドミウム蓄電池などが好適に用いられる。
【0030】
図3に示すように、制御部材20は、制御部材収容部72の両側面及び前面の壁部75から所定の間隔を有して配置されている。なお、制御部材20は、壁部75の前面側に形成された位置決め部75aに当接している。また、蓄電池30は、蓄電池収容部74の中央側に配置されることで、蓄電池収容部74の両側面から所定の間隔を有して配置されており、駆動手段10は、駆動手段収容部73の両側面及び後端から所定の間隔を有して配置されている。このように制御部材20,駆動手段10及び蓄電池30が車台2の外縁部から所定の間隔を有して配置されているので、車台2の側方から衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃が駆動手段10,制御部材20及び蓄電池30に伝搬することを防止することができる。
【0031】
図4に示すように、車台2は、駆動手段収容部73及び制御部材収容部72のそれぞれの角部の四隅に取り付けられた複数の支柱部材51(第1支持部材)と蓄電池収容部74に取り付けられた中央支持部材(第2支持部材)52とからなる支持部50が取り付けられている。
【0032】
支柱部材51は、棒状の部材であり、一端に車台2に螺合可能な雄ネジ部53が形成され、他端に天井部材41が取り付けられる雌ネジ部54が形成されている。支柱部材51は、天井部材41の外周縁部に取り付けられるように、車台2の外周縁に沿って複数配置されている。
【0033】
中央支持部材52は、例えば、一対の脚部55を備えた門状部材であり、一対の脚部55の上端を連絡する取付部56を備えている。なお、脚部55の下端は、蓄電池収容部74の補強枠32に取り付けられる。
【0034】
図5に示すように、外装部材40は、天井部材41,一対の側面部材42,正面部材43及び背面部材44とを有している。天井部材41は、図7に示すように、支持部50に支持される平板部材である。天井部材41の外周縁には、所定の間隔で配置された爪部41aが下方に垂下して形成されている。
【0035】
側面部材42は、車台2の側面を閉塞するように、制御部材収容部72,蓄電池収容部74及び駆動手段収容部73の側面形状と略同一の形状を有する側面部材本体45を有し、側面部材本体45の下端に形成される車台取付部42a,正面部材43に取付けられるように側面部材本体45の一端から屈曲して形成された正面部材取付部42b,背面部材44に取り付けられるように側面部材本体45の他端から屈曲して形成された背面部材取付部42dが形成されている。なお、正面部材取付部42bには、補助障害物センサ63に対応する位置にセンサ孔42cが形成されている。
【0036】
正面部材43及び背面部材44は、平板部材であって、正面部材43には、制御部材20のカメラ61及びメイン障害物センサ62に対応する位置にそれぞれカメラ孔43a及び障害物センサ孔43bが形成されている。さらに、背面部材44には、充電器31などの配線や移動ロボット1の後端に形成された操作パネルを取り付ける開口44aが形成されている。
【0037】
図6に示すように、側面部材42は、蓄電池収容部74の外壁に車台取付部42aを介して取り付けられている。また、正面部材43と正面部材取付部42b並びに背面部材44と背面部材取付部42dとがそれぞれ接合されて、外装部材40の外周面を構成している。なお、支柱部材51と側面部材42は、互いに接合されていない。また、側面部材42,正面部材43及び背面部材44と車台2との間には、液体パッキンやゴム部材など従来周知のシール手段を採用して車台2の防水性を高めても構わない。
【0038】
図7に示すように、天井部材41は、支柱部材51及び中央支持部材52に取付けられており、図8に示すように、駆動手段10,制御部材20及び蓄電池30と所定の間隔を有して配置されている。このように天井部材41が駆動手段10,制御部材20及び蓄電池30と所定の間隔を有して配置されているので、天井部材41に外部から衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃が駆動手段10,制御部材20及び蓄電池30に伝搬することを防止することができる。
【0039】
また、図9に示すように、側面部材42の天井部材41と近接する上端部は、天井部材41に対して所定の隙間を有して配置されている。また、天井部材41は、側面部材42に対して、側面視で外方に突出するように形成されており、側面部材42に対して庇状に配置されている。なお、天井部材41と側面部材42の上端部との間の隙間を有しているので、側面部材42に外部から衝撃が加わった場合でも、側面部材42のみが変形することで、当該衝撃が天井部材41に伝搬することを防止することができ、側面部材42が変形することで、衝撃を吸収して、衝撃が制御部材20などの内部部品に伝搬することを防止することができる。
【0040】
また、図10に示すように、天井部材41に形成された爪部41aは、側面部材42の上端縁と対向するように配置されており、側面部材42は、支柱部材51に直接的に取り付けられていないので、外部からの衝撃によって側面部材42が変形した場合でも、爪部41aに当接することで、変形量が大きくなることを防止し、側面部材42の変形によって制御部材20などの内部部品に衝撃が伝搬することを防止している。
【0041】
このように、本実施形態に係る移動ロボット1によれば、外部から衝撃が加わった場合でも、側面部材42が変形することで、衝撃を内部部品に伝搬することを防止することができ、且つ変形した側面部材42の交換が可能である。
【0042】
なお、上述した実施形態では、支持部50として、支柱部材51と中央支持部材52を用いた場合について説明を行ったが、中央支持部材52を支柱部材51と同一の部材を用いても構わないし、中央支持部材52自体を省略しても構わない。
【0043】
また、本実施形態に係る移動ロボット1は、制御部材20に備えるカメラ61によって走行経路に置かれた識別標識を撮影し、識別標識に従って走行する場合について説明を行ったが、走行経路の床に設置された金属線や磁気テープを読み取って走行を行う誘導方式を採用しても構わないし、建屋内の壁や柱に反射板を取り付け、レーザーの反射を用いて自己位置推定を行い自律走行する方式などを採用しても構わない。
【0044】
また、方向転換の方法として、左右の車輪3の回転数を変更する場合について説明を行ったが、前輪の車輪4を操舵可能に取り付けることで、方向転換を行うように構成しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0045】
1 移動ロボット, 2 車台, 3,4 車輪, 10 駆動手段, 20 制御部材, 30 蓄電池, 40 外装部材, 41 天井部材, 42 側面部材, 50 支持部, 51 支柱部材(第1支持部材), 52 中央支持部材(第2支持部材), 72 制御部材収容部, 73 駆動手段収容部, 74 蓄電池収容部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10