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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079398
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】ルートノード選択システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/20 20090101AFI20220519BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20220519BHJP
【FI】
H04W84/20
H04W40/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047079
(22)【出願日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】202011275370.8
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505141934
【氏名又は名称】リアルテック セミコンダクター コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ズオ-ヒュイ ペン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ-ミン リ
(72)【発明者】
【氏名】グオ-フェン ザン
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ジュン ウ
(72)【発明者】
【氏名】クイ ディン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】信号品質パラメータの順位によってルートノードとなるかどうかを決定するルートノード選択システムを提供する。
【解決手段】選択ノードは信号品質テーブルを記憶し、信号品質テーブルは、信号項目と、順位項目を具備し、信号項目は、選択ノード自身の信号品質パラメータと、選択ノードが複数のアイドルノードにおいて他のアイドルノードにブロードキャストされた複数のビーコン信号を監視することによって獲得した複数の信号品質パラメータとを備え、順位項目は複数の順位を備え、複数の順位は一対一の方式で信号項目における複数の信号品質パラメータに対応し、選択ノードは、自身の信号品質パラメータに基づいた対応する順位が順位閾値より高いとき、メッシュネットワークのルートノードとなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュネットワークに適し、前記メッシュネットワークはワイヤレスアクセスポイントに通信可能に連接されており、且つ、複数のアイドルノードを備えたルートノード選択システムであって、
複数の前記アイドルノードは、前記ワイヤレスアクセスポイントと通信する信号品質パラメータをそれぞれ具備し、複数の前記アイドルノードはビーコン信号をブロードキャストするのにそれぞれ用いられ、且つ複数の前記アイドルノードは他の前記アイドルノードがブロードキャストする複数の前記信号ビーコンを監視し、前記信号ビーコンは自己が対応する前記信号品質パラメータを具備し、前記信号品質パラメータは複数の前記アイドルノードにおける前記信号ビーコンをブロードキャストする前記アイドルノードに対応し、
複数の前記アイドルノードにおける何れかは選択ノードであり、前記選択ノードは信号品質テーブルを記憶し、前記信号品質テーブルは、信号項目と、順位項目を具備し、
前記信号項目は、前記選択ノード自身の前記信号品質パラメータと、前記選択ノードが複数の前記アイドルノードにおいて他の前記アイドルノードにブロードキャストされた複数の前記ビーコン信号を監視することによって獲得した複数の前記信号品質パラメータとを備え、
前記順位項目は複数の順位を備え、複数の前記順位は一対一の方式で前記信号項目における複数の前記信号品質パラメータに対応し、
前記選択ノードは、自身の前記信号品質パラメータに基づいた対応する前記順位が順位閾値より高いとき、前記メッシュネットワークのルートノードとなる
ことを特徴とするルートノード選択システム。
【請求項2】
前記選択ノードの前記信号品質パラメータは、自身の前記信号品質パラメータに基づいた対応する前記順位が順位閾値より高い場合であって、且つ第1の閾値と前記第1の閾値より小さい第2の閾値の間にあるとき、前記メッシュネットワークの前記ルートノードとなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項3】
前記信号品質パラメータが第1の閾値よりも大きい前記アイドルノードは、前記メッシュネットワークの前記ルートノードとなる
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項4】
前記信号品質パラメータが第2の閾値より小さい前記アイドルノードは、前記メッシュネットワークの非ルートノードとなる
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項5】
制御ビーコンを出力するための制御ノードを更に備え、前記制御ビーコンはルートノードの数量を有し、複数の前記アイドルノードが前記制御ビーコンを受信して、前記ルートノードの数量に基づいて、対応する前記順位閾値を獲得する
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項6】
前記制御ノードは、複数の前記信号品質パラメータの第1の閾値と第2の閾値の間の対応する複数の前記アイドルノードの数量に基づいて、前記ルートノードの数量を取得する
ことを特徴とする請求項5に記載のルートノード選択システム。
【請求項7】
前記制御ノードは、複数の前記アイドルノードにおける何れかをネットワークノードとして使用し、
前記制御ノードは、前記ネットワークノードに通信可能に連接されており、前記制御ビーコンを前記ネットワークノードに出力し、
前記ネットワークノードは前記制御ビーコンを他の複数の前記アイドルノードにブロードキャストする
ことを特徴とする請求項5に記載のルートノード選択システム。
【請求項8】
複数の前記アイドルノードはそれぞれノードアドレスを具備し、
各前記ビーコン信号は対応する前記ノードアドレスを具備し、
前記信号品質テーブルはアドレス項目を具備し、前記アドレス項目は前記選択ノード自身の前記ノードアドレスと、前記選択ノードが複数の前記アイドルノードにおいて他の前記アイドルノードにブロードキャストされた複数の前記ビーコン信号を監視することにより獲得した複数の前記ノードアドレスとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項9】
前記アイドルノードはそれぞれノードアドレスを備え、前記選択ノードの前記ビーコン信号は第1のブロックと第2のブロックを備え、
前記第1のブロックは、前記選択ノードの自身の前記信号品質パラメータと、前記選択ノード自身の前記ノードアドレスとを備え、
前記第2のブロックは、前記信号品質テーブルにおける前記順位がビーコン閾値より高い複数の前記信号品質パラメータと、複数の前記信号品質パラメータが対応する複数の前記アイドルノードの複数の前記ノードアドレスとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【請求項10】
前記選択ノードは前記信号項目における複数の前記信号品質パラメータの大きさに基づいて、前記順位項目における複数の前記順位を並び替える
ことを特徴とする請求項1に記載のルートノード選択システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネットワークの領域に関し、特にルートノード選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年Internet of Things(IoT)の需要が高まるにつれ、家庭、オフィス、工場、公共施設等の同一箇所に複数のネットワークに接続可能なデバイス(ノード)が存在することが増えている。
【0003】
一方、従来の配信ネットワーク(ここで、「配信ネットワーク」の意味は、所定の設定を利用してネットワークに接続可能なデバイスを操作することを指す。)はマルチノードの配信ネットワークには適していないため、マルチノードを利用した配信ネットワークであるメッシュネットワーク(Mesh Network)を採用することが現在の主流となりつつある。
【0004】
ここで、メッシュネットワークには、従来の配信ネットワークのアーキテクチャに比べて有利な点がある。すなわち、メッシュネットワークの第1の利点は、ワイヤレスアクセスポイントはメッシュネットワーク内のすべてのノードと直接通信する必要がないことである。なぜなら、メッシュネットワークは、複数のルートノードを持つことができ、ルートノードはワイヤレスアクセスポイントの作業負荷をシェアできるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在のメッシュネットワークでは、多数のノードからルートノードを選択するための標準的な操作手順が存在せず、メッシュネットワークに必要なルートノードの数量を明確に規制することができない。
【0006】
このため、メッシュネットワークのルートノードの選択が理想的な範囲内でない場合、メッシュネットワークの通信状況が期待値どおりにならない場合がある。
【0007】
このように、メッシュネットワークでは、ルートノードの選択についてはまだ改善の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の問題に鑑みて本発明は以下の構成を備える。
メッシュネットワークに適し、前記メッシュネットワークはワイヤレスアクセスポイントに通信可能に連接されており、且つ、複数のアイドルノードを備えたルートノード選択システムであって、
複数の前記アイドルノードは、前記ワイヤレスアクセスポイントと通信する信号品質パラメータをそれぞれ具備し、複数の前記アイドルノードはビーコン信号をブロードキャストするのにそれぞれ用いられ、且つ複数の前記アイドルノードは他の前記アイドルノードがブロードキャストする複数の前記信号ビーコンを監視し、前記信号ビーコンは自己が対応する前記信号品質パラメータを具備し、前記信号品質パラメータは複数の前記アイドルノードにおける前記信号ビーコンをブロードキャストする前記アイドルノードに対応し、
複数の前記アイドルノードにおける何れかは選択ノードであり、前記選択ノードは信号品質テーブルを記憶し、前記信号品質テーブルは、信号項目と、順位項目を具備し、
前記信号項目は、前記選択ノード自身の前記信号品質パラメータと、前記選択ノードが複数の前記アイドルノードにおいて他の前記アイドルノードにブロードキャストされた複数の前記ビーコン信号を監視することによって獲得した複数の前記信号品質パラメータとを備え、
前記順位項目は複数の順位を備え、複数の前記順位は一対一の方式で前記信号項目における複数の前記信号品質パラメータに対応し、
前記選択ノードは、自身の前記信号品質パラメータに基づいた対応する前記順位が順位閾値より高いとき、前記メッシュネットワークのルートノードとなる。
【0009】
また、前記選択ノードの前記信号品質パラメータは、自身の前記信号品質パラメータに基づいた対応する前記順位が順位閾値より高い場合であって、且つ第1の閾値と前記第1の閾値より小さい第2の閾値の間にあるとき、前記メッシュネットワークの前記ルートノードとなる。
【0010】
前記信号品質パラメータが第1の閾値よりも大きい前記アイドルノードは、前記メッシュネットワークの前記ルートノードとなる。
【0011】
更に、前記信号品質パラメータが第2の閾値より小さい前記アイドルノードは、前記メッシュネットワークの非ルートノードとなる。
【0012】
また、制御ビーコンを出力するための制御ノードを更に備え、前記制御ビーコンはルートノードの数量を有し、複数の前記アイドルノードが前記制御ビーコンを受信して、前記ルートノードの数量に基づいて、対応する前記順位閾値を獲得する。
【0013】
また、前記制御ノードは、複数の前記信号品質パラメータの第1の閾値と第2の閾値の間の対応する複数の前記アイドルノードの数量に基づいて、前記ルートノードの数量を取得する。
【0014】
前記制御ノードは、複数の前記アイドルノードにおける何れかをネットワークノードとして使用し、
前記制御ノードは前記ネットワークノードに通信可能に連接されており、前記制御ビーコンを前記ネットワークノードに出力し、
前記ネットワークノードは前記制御ビーコンを他の複数の前記アイドルノードにブロードキャストする。
【0015】
複数の前記アイドルノードはそれぞれノードアドレスを具備し、
各前記ビーコン信号は対応する前記ノードアドレスを具備し、
前記信号品質テーブルはアドレス項目を具備し、前記アドレス項目は前記選択ノード自身の前記ノードアドレスと、前記選択ノードが複数の前記アイドルノードにおいて他の前記アイドルノードにブロードキャストされた複数の前記ビーコン信号を監視することにより獲得した複数の前記ノードアドレスとを備える。
【0016】
また、前記アイドルノードはそれぞれノードアドレスを備え、前記選択ノードの前記ビーコン信号は第1のブロックと第2のブロックを備え、
前記第1のブロックは、前記選択ノードの自身の前記信号品質パラメータと、前記選択ノード自身の前記ノードアドレスとを備え、
前記第2のブロックは、前記信号品質テーブルにおける前記順位がビーコン閾値より高い複数の前記信号品質パラメータと、複数の前記信号品質パラメータが対応する複数の前記アイドルノードの複数の前記ノードアドレスとを備える。
【0017】
更に、前記選択ノードは前記信号項目における複数の前記信号品質パラメータの大きさに基づいて、前記順位項目における複数の前記順位を並び替える。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本願の実施形態におけるルートノード選択システムは、信号品質テーブルの信号品質パラメータの順位が順位閾値よりも高いか否かによってアイドルノードがメッシュネットワークのルートノードとなるかどうかを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態を説明するメッシュネットワークの概略図である。
図2】本発明の実施形態を説明するルート選択システムの概略図である。
図3】本発明の実施形態を説明するノードの概略図である。
図4】本発明の実施形態を説明するビーコン信号の概略図である。
図5】本発明の他の実施形態を説明するルートノード選択システムの概略図である。
図6】本発明の他の実施形態を説明するルートノード選択システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願は、ルートノード選択システムの発明に関する。また、以下に説明する本願の実施形態では幾つかの最良と考えられる実施形態を示しているが、本願の実施形態では説明していないその他の実施形態によっても本発明を実現できる場合があると考えられるが、本発明の範囲を以下に説明する実施形態に限定して解釈するべきではない。また、従来技術の範囲と考えられる説明については、必要最低限しか本実施形態では説明しない。
【0021】
本願において「連接」又は「接続」という用語が用いられている場合があるが、必ずしも有線によって連接又は接続されている必要はなく、2個以上のノードが互いに無線又は有線にて通信可能な状態であれば足りるものとする。
【0022】
図1を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態によるメッシュネットワーク10の概略図である。図1に示されるように、本実施形態においてメッシュネットワーク10は、メッシュワイヤレス(Mesh Wi-Fi)ネットワークとも呼ばれる。
【0023】
また、メッシュネットワーク10は、複数のメッシュネットワークノードを含む。また、メッシュネットワークノードは、図1に示すように、ツリー型のトポロジー(Tree Topology)通信方式で互いに接続されている。また、メッシュネットワーク10のノードは、図1に示すようにルートノードN1に加え、非ルートノードN2の両方を含む。
【0024】
また、メッシュネットワーク10では、ルートノードN1の数は図1に示すように1個ずつであるが、非ルートノードN2の数は、1個のルートノードN1に対して1個の非ルートノードが連接されていても良く、1個のルートノードN1に対して2個又は3個の非ルートノードが連接されていても良い。
【0025】
更に、メッシュネットワーク10は、ワイヤレスアクセスポイント(Wireless Access Point)20に通信可能に接続されている。このため、メッシュネットワーク10内の各ノードは、ワイヤレスアクセスポイント20を介して外部と通信することができる。
【0026】
また、本実施形態では、メッシュネットワーク10は、ワイヤレスアクセスポイント20を介して制御ノード30に通信可能に接続される。そして、制御ノード30はワイヤレスアクセスポイント20を介してメッシュネットワーク10内の各ノードを制御することができる。
【0027】
次に、図2を参照して説明する。ここで、図2は本発明の実施形態によるルートノード選択システム100の概略図である。図2に示すように、ルートノード選択システム100は、複数のアイドルノードN3を含む。ルートノード選択システム100は、メッシュネットワーク10に適しており、図1のメッシュネットワーク10は、ワイヤレスアクセスポイント20に通信可能に接続されている。
【0028】
ここで、アイドルノードN3は、まだネットワークが構築されていないノードであり、すなわち、アイドルノードN3は、この時点では、メッシュネットワーク10の一部ではない。
【0029】
一方、アイドルノードN3がネットワークの構築を完了した後は、ネットワークの構築がされた後のアイドルノードN3は、図1のメッシュネットワーク10のノード(N1又はN2)となる。
【0030】
具体的には、ルートノード選択システム100を使用して、メッシュネットワーク10がネットワークを形成する際に(前に)ルートノードN1としての役割を果たすアイドルノードN3を決定する。
【0031】
したがって、当該アイドルノードN3はネットワークの構築が完了した後は、ルートノード選択システム100の選択結果によって、ルートノードN1又は非ルートノードN2となる。換言すると、本実施形態では、メッシュネットワーク10は、ネットワークの構築が完了した後は、ネットワーク構築が完了したアイドルノードN3(元々はアイドルノードN3だったもの)から構成されることとなる。
【0032】
本実施形態では、アイドルノードN3は、それぞれ、ワイヤレスアクセスポイント20と通信するための信号品質パラメータ(符号なし)を有する。具体的には、信号品質パラメータは、アイドルノードN3に対応するワイヤレスアクセスポイント20の通信信号の品質に関する。すなわち、ワイヤレスアクセスポイント20によって送信されたワイヤレスアクセスポイント信号(図示せず)は、アイドルノードN3によって使用される。アイドルノードN3は、当該ワイヤレスアクセスポイント信号を受信した後、ワイヤレスアクセスポイント信号の通信信号の品質を測定する。
【0033】
換言すると、各アイドルノードN3の信号品質パラメータは、自身が受信したワイヤレスアクセスポイント信号を自ら測定することによって取得する。ここで、信号品質パラメータは、受信信号の強度インジケータ値(RSSI,Received Signal Strength Indication)とも呼ばれる。
【0034】
本実施形態では、アイドルノードN3は、ビーコン信号S1(例えば、後述する図3に示されるビーコン信号S1)をブロードキャストするために使用し、アイドルノードN3は、ビーコン信号S1を監視するために使用される。ここで、各ビーコン信号S1は、対応する信号品質パラメータを有する。
【0035】
具体的には、アイドルノードN3は、それ自体のビーコン信号S1をブロードキャストし、他のアイドルノードN3によってブロードキャストされたビーコン信号S1を監視するために使用される。
【0036】
本実施形態では、アイドルノードN3は、いずれも特定の通信チャネルを介してビーコン信号S1をブロードキャストするので、アイドルノードN3自身の信号品質パラメータは、他のアイドルノードN3によって取得され得る。
【0037】
これに対し、アイドルノードN3は、特定の通信チャネルを監視することによって他のビーコン信号S1を取得する。すなわち、他のアイドルノードN3の信号品質パラメータを取得する。
【0038】
なお、アイドルノードN3は、他のアイドルノードN3によってブロードキャストされたビーコン信号S1又は自身がブロードキャストしたビーコン信号S1を監視することに限定されない。
【0039】
次に、図2図3を参照して本実施形態を説明する。ここで、図3は、本実施形態に基づいて選択される選択ノードN4の概略図である。図2に示されるように、本実施形態のルートノード選択システム100は、図2に示すアイドルノードN3のいずれか1つを、図3に示す選択ノードN4として使用する。ここで、選択ノードN4は、信号品質テーブルTを有する。理解の容易のため、本実施形態では、ルートノード選択システム100におけるアイドルノードN3の1つを選択ノードN4とした例を説明する。
【0040】
具体的には、アイドルノードN3は何れも選択ノードN4として使用され得る。そして、各アイドルノードN3は、何れも独自の信号品質テーブルTを有する。
【0041】
そして、図3に示すように、信号品質テーブルTは、信号項目P1と順位項目P2を有する。
【0042】
ここで、信号項目P1は、選択ノードN4自身の信号品質パラメータと、選択ノードN4がビーコン信号S1を監視することによって得られた信号品質パラメータとを含む。
【0043】
順位項目P2は複数の順位を含み、各順位は信号項目P1の信号品質パラメータに1対1で対応する。順位は、たとえば、算術順位「1、2、3、...」で表されるが、これには限定されない。
【0044】
ここで、順位項目P2は、信号項目P1の順位を説明するためにのみ使用されることに特に留意されたい。すなわち、順位項目P2は、信号品質テーブルTに実際に格納される必要はない。
【0045】
たとえば、選択ノードN4に信号品質テーブルTを格納するためのストレージ部(記憶部)がある場合、順位項目P2は信号項目P1の記憶部におけるアドレスを用いることにより置き換えることができる。したがって、順位を調整することで信号品質パラメータのストレージ部における番地(アドレス)を調整することができる。
【0046】
本実施形態では、選択ノードN4は、自身の信号品質パラメータに基づいた対応する順位が、順位閾値よりも高いかどうかによって、選択ノードN4がメッシュネットワーク10のルートノードN1と成れるか否か判断する。また、選択ノードN4は、自身のネットワークの構築(ネットワークの分配)が完了した後にメッシュネットワーク10のルートノードN1に成れるか否か判断する。
【0047】
本実施形態では、選択ノードN4は、信号項目P1の信号品質パラメータの大きさに基づいて、順位項目P2の順序がソートされる。すなわち、順位の配列順序は、信号品質パラメータの強さに基づく。
【0048】
換言すると、信号品質パラメータが強ければ強い程、前の方の順序に対応することとなり、算術順位の値は小さくなる。これとは逆に、信号品質パラメータの強度が弱ければ弱い程、後ろの方の順序に対応することとなり、算術順位の値は大きなものとなる。
【0049】
たとえば、順位閾値が「4」の場合、選択ノードN4自身の信号品質パラメータの順位が「1、2、又は3のいずれか」の場合には、選択ノードN4自身の信号品質パラメータの順位は、順位閾値よりも高いことを意味する。
【0050】
一方、選択ノードN4は自身の信号品質パラメータに対応する順位が順位閾値よりも低い場合、図1に示したメッシュネットワーク10の非ルートノードN2となることができる。
【0051】
つまり、選択ノードN4は自身のネットワークの構築が完了した後、メッシュネットワーク10のルートノードN1と成ることができないと判断した場合には、メッシュネットワーク10の非ルートノードN2にのみなり得る。
【0052】
図3に示されるように、本実施形態では、アイドルノードN3はそれぞれノードアドレスを有し、アイドルノードN3によって送信される各ビーコン信号S1は対応するノードアドレスを有する。具体的には、ノードアドレスは、1対1の方式で信号品質パラメータに対応する。つまり、アイドルノードN3は、自身のノードアドレスと信号品質パラメータを有する。また、アイドルノードN3は、ビーコン信号S1を使用して自身のノードアドレスと信号品質パラメータをブロードキャストする。
【0053】
ノードアドレスは、たとえば、MACアドレス(Media Access Control Address)であるが、これに限定されるものではない。また、図3に示すように、信号品質テーブルTは、信号項目P1、順位項目P2、及びアドレス項目P3を有する。
【0054】
ここで、アドレス項目P3は、選択ノードN4自身のノードアドレスと、選択ノードN4がビーコン信号S1を監視することにより獲得したノードアドレスが含まれる。
【0055】
すなわち、選択ノードN4は、他のアイドルノードN3によってブロードキャストされたビーコン信号S1を監視することによって、他のアイドルノードN3のノードアドレスを取得する。換言すると、選択ノードN4は、他のアイドルノードN3がブロードキャストしたビーコン信号S1を監視することにより、他のアイドルノードN3の信号品質パラメータを取得すると共に、対応するノードアドレスをも取得する。
【0056】
本実施形態では、選択ノードN4は、監視するビーコン信号S1に基づいて信号品質テーブルTを更新する。具体的には、選択ノードN4は、ビーコン信号S1を解析して、ビーコン信号S1の信号品質パラメータとノードアドレスを取得する。そして、取得した信号品質パラメータとノードアドレスを使用して自身の信号品質テーブルTを更新する。なお、選択ノードN4が自身の信号品質テーブルTを更新するとき、信号項目P1の信号品質パラメータの大きさに基づいて、順位項目P2の順序を並べ替えることができる。
【0057】
本実施形態では、ルートノード選択システム100は、信号品質パラメータの大きさに従って、ルートノードN1と成るのに適したアイドルノードN3を選択する。具体的には、ルートノード選択システム100は、各信号品質パラメータが第1の閾値よりも大きいか、又は第1の閾値と第2の閾値との間(なお、第2の閾値は第1の閾値よりも小さいものとする)にあるか、或いは第2の閾値よりも小さいか、という条件に基づいて、ルートノードN1となるのに適したアイドルノードN3を選択する。
【0058】
本実施形態では、ルートノード選択システム100は、先ず、信号品質パラメータが第1の閾値よりも大きいか否か判断する。そして、いずれかの信号品質パラメータが第1の閾値より大きい場合には、信号品質パラメータが第1の閾値より大きいアイドルノードN3がメッシュネットワーク10のルートノードN1となる。
【0059】
そして、信号品質パラメータが第1の閾値未満であるアイドルノードN3は、メッシュネットワーク10のルートノードN1になることはできず、メッシュネットワーク10の非ルートノードN2にのみ成ることができる。
【0060】
つまり、ルートノード選択システム100が、いずれかの信号品質パラメータが第1の閾値より大きいと決定した場合には、信号品質パラメータが第1の閾値より小さい他のアイドルノードN3については、たとえ自身の信号品質パラメータに対応する順位が順位閾値よりも高い場合であっても、メッシュネットワーク10のルートノードN1になることができない。
【0061】
本実施形態では、ルートノード選択システム100が、各アイドルノードN3の信号品質パラメータが何れも第1の閾値未満であると判断した後、ルートノード選択システム100は、各信号品質パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間にあるのか、又は第2の閾値よりも小さいのかを更に判断する。
【0062】
ここで、信号品質パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間にあるアイドルノードN3の場合には、ルートノード選択システム100は、アイドルノードN3自身の信号品質パラメータに基づいた対応する順位が順位閾値より高いとき、アイドルノードN3がメッシュネットワーク10のルートノードN1に成ると判断する。
【0063】
これに対し、信号品質パラメータが第2の閾値未満であるアイドルノードN3の場合には、ルートノード選択システム100は、アイドルノードN3がメッシュネットワーク10の非ルートノードN2に成ると判断する。
【0064】
図4は、本実施形態によるビーコン信号S1の概略図である。図4に示されるように、本実施形態では、ビーコン信号S1は、第1のブロックB1と第2のブロックB2を有する。第1のブロックB1には選択ノードN4自身の信号品質パラメータと、選択ノードN4自身のノードアドレスが含まれる。
【0065】
一方、第2のブロックB2は、信号品質テーブルTにおける順位がビーコン閾値よりも高い信号品質パラメータと、信号品質パラメータに対応するアイドルノードN3のノードアドレスを含む。
【0066】
つまり、選択ノードN4は、ビーコン信号S1を介して自身の信号品質パラメータとノードアドレスをブロードキャストすることに加えて、選択ノードN4はビーコン信号S1を介して自身の信号品質テーブルTにおける他のアイドルノードN3の信号品質パラメータとノードアドレスをブロードキャストすることもできる。
【0067】
たとえば、ビーコン閾値が「4」の場合、第2のブロックB2には、信号品質テーブルTにおける順位が「1、2、3」のアイドルノードN3に対応する信号品質パラメータと、ノードアドレスが含まれる。
【0068】
また、本実施形態では、ビーコン閾値は、「4」等のアイドルノードN3に格納された固定パラメータであるが、これには限定されない。また、本実施形態では、ビーコン閾値は順位閾値に等しいか、又はビーコン閾値は順位閾値に対応し、ビーコン閾値は順位閾値に基づいて決定される。
【0069】
また、本実施形態では、選択ノードN4は、信号品質テーブルTに基づいてビーコン信号S1を生成し、自身の信号品質パラメータとノードアドレスを使用してビーコン信号S1の第1のブロックB1を生成する。
【0070】
また、信号品質テーブルTにおける順位がビーコン閾値より高い信号品質パラメータとノードアドレスを利用して、ビーコン信号S1の第2のブロックB2を生成する。
【0071】
本実施形態では、ルートノード選択システム100の選択ノードN4は、一部の(「他の全ての」ではなく)アイドルノードN3のビーコン信号S1を監視することもできる。換言すると、選択ノードN4は、(たとえば、距離制限の関係や通信環境の問題のため)アイドルノードN3の一部を検出できない場合がありえる。
【0072】
このため、何れか1個の選択ノードN4によって観測できるアイドルノードN3が存在し、且つ、選択ノードN4が、感知できないアイドルノードN3のビーコン信号S1を監視できる場合がある。以下、「選択ノードN4が観測できるアイドルノードN3」を「観測可能なアイドルノードN3」という。また、「選択ノードN4が観測できないアイドルノードN3」を「観測不能なアイドルノードN3」と言う。
【0073】
「観測可能なアイドルノードN3」は、「観測不能なアイドルノードN3」のビーコン信号S1の信号品質パラメータとノードアドレスを、自身の信号品質テーブルTに記録することができ、自身の信号品質テーブルに基づいて自身のビーコン信号S1を生成し、自身のビーコン信号S1を選択ノードN4に再びブロードキャストする。
【0074】
このため、ルートノード選択システム100は、「観測不能なアイドルノードN3」と「観測可能なアイドルノードN3」のビーコン信号S1によって、「観測不能なアイドルノードN3」の信号品質パラメータとノードアドレスを選択ノードN4に転送することができる。
【0075】
また、本実施形態において、「観測不能なアイドルノードN3」の信号品質パラメータが「観測可能なアイドルノードN3」の信号品質テーブルの順位において、ビーコン閾値より低いとき、「観測不能なアイドルノードN3」の信号品質パラメータは重要ではなく、信号品質パラメータは十分とは言えない。
【0076】
このため、選択ノードN4が「観測不能なアイドルノードN3」の信号品質パラメータを獲得していないとき、選択ノードN4自身の信号品質パラメータの信号品質テーブルにおける順位は影響しない。
【0077】
次に図5を参照して説明する。図5は、本発明の他の実施形態によるルートノード選択システム100の概略図である。本実施形態では、ルートノード選択システム100のカバレッジエリア(図示せず)が第1のエリアA1と、第2のエリアA2を含む。また、各アイドルノードN3は、第1のエリアA1と第2のエリアA2に存在している。
【0078】
第1のエリアA1のアイドルノードN3と、第2のエリアA2のアイドルノードN3との間に重複しているエリアが無い場合、第1のエリアのアイドルノードN3は、第2のエリアA2のアイドルノードN3を検出できない。同様に、第2のエリアA2のアイドルノードN3は、第1のエリアA1のアイドルノードN3を検出できない。
【0079】
ここで、ルートノード選択システム100は、第1のエリアA1と第2のエリアA2のアイドルノードN3を別々に処理して、ルートノードN1を選択することができる。
【0080】
すなわち、ルートノード選択システム100は、第1の閾値と第2の閾値を使用して、第1のエリアA1におけるアイドルノードN3の信号品質パラメータを決定する。
【0081】
そして、第1のエリアA1のアイドルノードN3がメッシュネットワーク10のルートノードN1になるのに適しているかどうかを判断するが、この際、ルートノード選択システム100は、第2のエリアA2におけるアイドルノードN3の信号品質パラメータによって影響を受けず、逆もまた同様である。
【0082】
次に、図6を参照して本発明の他の実施形態を説明する。ここで、図6は、本発明の他の実施形態によるルートノード選択システム100の概略図である。本実施形態では、図6を参照すると、ルートノード選択システム100は、複数のアイドルノードN3と、制御ノード30を備える。
【0083】
制御ノード30は、制御ビーコンS2を出力するために使用され、制御ビーコンS2は、ルートノードの数量を有する。アイドルノードN3は、図6に示すように制御ビーコンS2を受信し、ルートノードの数量に従って対応する順序閾値を取得する。本実施形態では、制御ノード30は、信号品質パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間にあるアイドルノードN3の数量に従ってルートノードの数量を取得する。
【0084】
本実施形態では、制御ノード30は、各アイドルノードN3のビーコン信号S1を受信することによって、各アイドルノードN3の信号品質パラメータとノードアドレスを取得する。
【0085】
ただし、これに限定されないが、制御ノード30は、ワイヤレスアクセスポイント20(図6には図示せず)を介して、各アイドルノードN3のビーコン信号S1を受信することもできる。
【0086】
本実施形態では、制御ノード30が、ルートノード選択システム100内の任意のアイドルノードN3の信号品質パラメータが第1の閾値より大きいと判断したとき、制御ノード30は、ルートノードの数量を「0」に設定する。
【0087】
アイドルノードN3は、ルートノードの数量に応じて「0」に対応する順位閾値を取得する。このため、信号品質パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間にあるアイドルノードN3は、メッシュネットワーク10のルートノードN1にはならない。
【0088】
制御ノード30が、ルートノード選択システム100のアイドルノードN3の信号品質パラメータに第1の閾値より大きいものが無いと判断したとき、制御ノード30は、ルートノード選択システム100における信号品質パラメータが、第1の閾値と第2の閾値との間にあるアイドルノードN3の数量を算出し、ルートノードの数量を取得する。
【0089】
本実施形態において、全体の「ルートノードの数量」のうち、「第1の閾値と第2の閾値との間の信号品質パラメータを有するアイドルノードN3の数量」のパーセンテージは約10%から20%であるが、これに限定されるものではない。本実施形態では、「ルートノードの数量」は「順位閾値」に等しい。
【0090】
本実施形態では、制御ノード30は、任意のアイドルノードN3をネットワークノードとして使用する。制御ノード30は、ネットワークノードに通信可能に接続され、制御ビーコンS2をネットワークノードに出力する。ネットワークノードは、制御ビーコンS2を他のアイドルノードN3にブロードキャストする。
【0091】
制御ノード30がネットワークノードと通信するための方法は、例えば、これに限定されるものではないが、ワイファイ・プロテクテッド・セットアップ(Wi-Fi Protected setup,Wi-Fi Simple Config)である。すなわち、制御ノード30は、制御ビーコンS2を各アイドルノードN3に対して一つずつ出力することなく、ネットワークノードを介して他のアイドルノードN3に制御ビーコンS2をブロードキャストすることができる。
【0092】
要約すると、本発明の実施形態におけるルートノード選択システム100によれば、ルートノード選択システム100は、信号品質テーブルの信号品質パラメータの順位が順位閾値よりも高いかどうかに基づいて、アイドルノードN3であったものをメッシュネットワーク10のルートノードN1とすることができるか否か判断する。
【0093】
本実施形態では、ルートノード選択システム100は、各アイドルノードN3の信号品質パラメータが、第1の閾値よりも大きいか、又は第1の閾値と第2の閾値との間にあるか、或いは第2の閾値よりも小さいかという条件に基づいて、ルートノードN1と成るのに適したアイドルノードN3を選択する。
【0094】
また、本発明の実施形態では、ルートノード選択システム100は、信号品質パラメータが第1の閾値と第2の閾値との間にあるアイドルノードの数量に基づいて、メッシュネットワーク10におけるルートノードN1の数量をコントロールすることができる。
【0095】
本発明の技術的内容は、上記の好ましい実施形態を示しているが、これらの実施形態は特許請求の範囲をこれらの実施形態のみに限定するものではない。すなわち、当業者が、通常の創作能力を発揮して、変更や修正を行った場合でも、本願の特許請求の範囲に記載された発明と均等な発明に該当するものとする。また、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて判断されるものとする。
【符号の簡単な説明】
【0096】
10 メッシュネットワーク
20 ワイヤレスアクセスポイント
30 制御ノード
100 ルートノード選択システム
N1 ルートノード
N2 非ルートノード
N3 アイドルノード
N4 選択ノード
T 信号品質テーブル
P1 信号項目
P2 順位項目
P3 アドレス項目
S1 ビーコン信号
S2 制御ビーコン
A1 第1のエリア
A2 第2のエリア
B1 第1のブロック
B2 第2のブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6