(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079403
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220519BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 J
A62B18/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021074444
(22)【出願日】2021-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2020201356
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020207949
(32)【優先日】2020-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021068006
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】300056598
【氏名又は名称】石原 匠子
(72)【発明者】
【氏名】石原 匠子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】会食時にマスクを外さなくてはいけないため、感染しやすい状態になっていた。食事中でも外すことなく安全に鼻呼吸ができるマスクを提供する。
【解決手段】鼻だけを覆うことができる、あるいは従来のマスクと同様の鼻と口を覆う形状から鼻だけを覆うように形状変更ができるマスクを提供する。普通のマスクとして使用し、食事のときだけ折りたたむと食事しながらマスク越しの鼻呼吸ができる。実施例によっては形態を切り替えることにより一般のマスクとしても使用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下辺が口唇の上から鼻の下の間に位置し、鼻孔を覆い、周囲が顔面に密着あるいはフィットすることを特徴とするマスク。
【請求項2】
マスク着用時の鼻の下から口唇の上の間の高さの位置のマスク本体の裏側に、フィルターが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
マスクを折りたたんだり展開したりすることによって鼻だけを覆うマスクとしても鼻と口を覆うマスクとしても使用できる請求項1~2のいずれかに記載のマスク。
【請求項4】
マスクを顔面に接着できる機能を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマスク。
【請求項5】
バッファー空間を増加させる立体的な形状を特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
立体的な形状を構成するための接着線が概ね水平であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のマスク。
【請求項7】
耳にかける紐左右それぞれ2本以上の内、左右それぞれ少なくとも一本の紐の一方の端のマスク本体への取り付け位置が、着用した時に概ね鼻の下から唇の上の間の高さであることを特徴とするマスク。
【請求項8】
マスク着用時の鼻の下から唇の上の間の高さの位置のマスク本体の裏側に装着するためのフィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は感染予防目的のマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウィルス感染拡大に伴い感染予防に対するマスクの有効性が認識された。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新型コロナ感染下でマスク着用が習慣化されたが、会食時の感染が防げていない。とはいえ通常の社会活動として会食を避けてばかりはいられない。そこで飲食店での食事や会食時の感染を予防できるマスクを提供する。
【0005】
食べた食品自体が原因でのコロナ感染については報告がないと言われている。感染が食品経由ではないことを前提とすると、会食での感染経路はマスクなしでの呼吸と直接間接での接触である。直接間接の接触は注意深い行動によって著しく回避できるが飛沫や空気による感染は容易に回避し難いのでマスクが重用されている。
食事中は口を開けることは避けられないが、口呼吸は避けられる。会食しながらマスクをする状況下では鼻呼吸と口呼吸を切り分けて考えることが必要である。従来のマスクは鼻と口と同時に覆うものであり鼻呼吸と口呼吸を切り分けることができない。
鼻だけを覆うマスクを通して鼻呼吸だけをすることができれば呼吸がマスク越しとなるので感染リスクはかなり下げられる。全員が鼻だけを覆うマスク(ここでは鼻だけマスクと呼ぶ)をして鼻呼吸だけで黙って会食をするならば、従来の鼻と口を覆うマスクをしているのと同じことになる。声を出している人からは飛沫が飛ぶが、全員が鼻だけマスクをしている限り低リスクを保てる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のマスクは従来と異なり口を覆わずに鼻だけを覆うことができる。あるいは従来のマスクと同様の鼻と口を覆う形状から鼻だけを覆うように形状変更ができる。口は食事のためにだけ使い呼吸は鼻だけでする。会食時の感染防止目的マスクとして、隙間から空気が入りにくいこと、折型を付けて形状変更しやすいことなどに配慮する。
【0007】
従来のマスクに比して高さがほぼ半分で目の下から唇の上までを覆う鼻だけマスクを考えた。一見一般的なマスクに見えるマスクを会食時のみ形状変更してもよい。またこれは一般のマスクにも役立つが隙間を塞ぐためにマスクの紐を2対以上にしてマスクの高さ方向中央に一端を配置するか、あるいはマスクの周囲に接着機能をもたせる。剥離紙にシールのようにセットされたマスクを取り外して顔に貼ると簡単である。マスク本体を顔に当ててから周囲を絆創膏などで貼り付けることも可能である。
食事を口に運ぶ際は開いた口で息を吸わないよう気をつけることは言うまでもない。同席者全員が声を出さず鼻だけマスクをしていれば、食事をしても従来のマスクと同様の感染予防効果が得られる。中に声を出す者がいたとしてもウイルス飛沫を含む吸気はマスクのフィルター越しとなる。
【発明の効果】
【0008】
・感染予防しながら飲食店での食事や会食に参加できる。
・マスクが口元を覆わないので付けたままで継続して食事ができる。
・普段は普通のマスクとして広げて使い、食事や会食時のみ鼻だけを覆うように折り畳むことで感染予防できる。
・普通のマスクとして使用する場合も、中程の紐でも引っ張られるためマスクが頬にフィットして隙間が小さくなり安全性が高まる。
・折り畳んだり広げたりしてもマスクの裏面と表面が接触しないので清潔である。
・食事中はマスクの下半分が丸々ない状態なので食品によってマスクが汚れにくい。
・既製品のマスクを使っても手作り可能であり、公衆衛生に資する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
顔との位置関係がわかるよう一部の図はマスクを透過、顔の一部を省略などしている。蛇腹フィルター(7)の左右両端部は実際にはプレスなどでマスク本体に圧着されているが、重なっている構造をわかりやすくするためそれぞれの層を離した状態で記載している。また、従来からマスクに施されているタックやギャザーや
プリーツは概ね省略している。
【
図1】(a)実施例1の使用状態斜視図。(b)実施例1の正面図。
【
図2】(a)実施例2の正面図。(b)実施例2のマスク本体(1)部分の概略右側側面図。
【
図3】(a)実施例2の普通のマスクとしての使用状態斜視図。(b)実施例2の鼻マスクとしての使用状態斜視図。(c)実施例3の鼻マスクとしての使用状態斜視図。
【
図4】実施例4の使用状態イメージ図。
図4,5共に蛇腹フィルター(7)折りの状態がわかりやすいように紐や顔の一部を記載していない。
【
図5】実施例5の使用状態斜視図。(b)実施例5の普通のマスクとしての使用状態斜視図。
【
図6】(a)実施例5の概略展開図。(b)実施例5の折りかけの状態を示すマスク本体部分のイメージ斜視図。
【
図7】(a)実施例8の後付用蛇腹フィルター(7)の折り方例を示す斜視図。(b)マスク本体に後付用蛇腹フィルター(7)を接着した状態を示す平面断面図。
【
図8】(a)実施例9のマスクの装着を顔に貼り付け式にした場合の、使用状態斜視図。(b)実施例9のマスク本体と蛇腹の位置関係を示す背面図。(c)実施例9の接着部(12)を示す背面図。
【
図9】
(a)実施例10の使用状態斜視図(b)実施例10シール式の斜視図
【
図10】
(a)水平接着線実施例11の使用状態斜視図(b)斜め接着線実施例11の使用状態斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
同席者がいる席で鼻呼吸だけは安全に行えること、できれば普通のマスクとしても使用できることを念頭に置いた。フィルターをそのままマスクと捉えることもできる。またフィットするという表現は、完全に隙間がない状態のみを指すものではない。フィルターとは、不織布、布、紙素材、発泡素材などの素材、及びこれらで構成される蛇腹構造、タック、ギャザー、プリーツ、エンボス加工、縮緬加工などの表面積を増加させる構造のいずれかあるいは複数の組み合わせで飛沫や微粒子を濾過阻止するものを言う。
また、従来より多くの場合マスク全体がフィルターで構成されている。
縦横斜めのタックやギャザー、プリーツ、蛇腹、発泡素材、ワイヤー等の構造や素材を適宜組み合わせてフィルター表面積の増大、顔面とマスクの間の隙間の減
少、バッファー空間(13)の拡大並びに支持を図ることが重要であるが、本発明に於いては蛇腹と記載した場合はタックやギャザー、プリーツ、蛇腹、発泡素材、ワイヤー等の構造や素材の内適合可能なものも含むこととする。味覚には嗅覚も関係しているので、フィルターを通過できない物質をマスクに練り込んだり塗布して食欲増進を図ることもあり得る。
【実施例0011】
図1に示す通りマスク本体(1)の縦の長さすなわち使用時の高さが小さく、下辺が鼻の下までしかないマスクである。食事の直前に普通のマスクから取り替えて使用する。
実施例2は従来左右1本であったマスクの紐を左右それぞれ紐(い)(2)紐(ろ)(3)の2本ずつを設けた例である。紐(い)(2)は両端ともにマスクの従来の通常の位置に取り付ける。紐(ろ)(3)の上端は紐(い)(2)と共にマスク上部の通常の位置に取り付け、もう一方はマスク本体(1)の縦方向中央付近に取り付ける。
マスク本体(1)の、紐(ろ)(3)下端の取り付け位置付近に折り位置(い)を設ける。この位置に山折り(8)の折型を概ね水平の向きに付け、該折位置(4)とマスク本体(1)下辺との概ね中間に谷折り(9)の折型を付ける。折型をつけなくても使用可能であるが、正確に形状変更の操作をするためには折型を設けるほうが望ましい。折型はタックのような普通の折り目でも良いし折った部分をプレスで溶着してもよい。マスクを折りやすく、折る位置をわかりやすくする。折れ目(5)という言葉にはこれら全てを含む。折型(6)がマスク本体(1)から立ち上がった状態となるばあい、位置によっては鼻への隙間を塞ぐ機能を与えることができる。
プレスされた折り型(6)などが形状変更の際のつまみの役割となることもある。
折り曲げた部分が上半分のマスクによって押される為後述の実施例3と比べ鼻の下の隙間が小さく抑えられる。
鼻マスクに切り替える時は、マスクの左右の端で山折り(8)の折型の位置をつまみ、大きく顔から持ち上げてマスク下半分を鼻の下に沿わせる。この操作の後でも顔に触れるのはマスク裏面だけとなる。