IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

特開2022-79448エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法
<>
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図1
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図2
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図3
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図4
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図5
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図6
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図7
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図8
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図9
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図10
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図11
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図12
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図13
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図14
  • 特開-エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079448
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】エレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/50 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
B66B1/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209753
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2020190298の分割
【原出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】三重野 剛
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 圭司朗
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502JA11
3F502MA31
(57)【要約】
【課題】接触操作および非接触操作を検出可能な操作盤を備えるエレベータにおいて、非接触操作の誤検出を低減する。
【解決手段】エレベータ(100)は、接触操作を検出可能な接触操作検出部(21)と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部(22)と、を有する操作盤(20)と、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部(112)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有する操作盤と、
前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部と、を備えることを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記操作盤は、前記非接触操作検出部を複数有しており、
前記操作受付判定部は、前記操作盤の、(1)前記接触操作検出部が接触操作を検出した場合、該接触操作が検出された時点において接触操作を検出した前記接触操作検出部に対応付けられている前記非接触操作検出部、(2)前記時点において接触操作を検出した前記接触操作検出部の周囲に配置されている前記非接触操作検出部、および、(3)すべての前記非接触操作検出部、の少なくともいずれかが、該接触操作が検出された時点よりも所定時間前から前記時点までの第1期間および前記時点から所定時間後までの第2期間の少なくとも一方の期間において非接触操作を検出した非接触操作を受付けない、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記接触操作および前記非接触操作は、かごの行先階を登録するための操作であり、
前記接触操作検出部によって検出された接触操作、または前記非接触操作検出部によって検出された非接触操作は、(1)該接触操作または該非接触操作によって登録された行先階に対応付けられている前記接触操作検出部によって、別の接触操作が、所定時間内に複数回検出された場合、または、(2)該接触操作または該非接触操作によって登録された行先階に対応付けられている前記非接触操作検出部によって、所定時間以上継続して非接触操作が検出された場合、に取り消される、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記操作受付判定部は、前記接触操作によって登録された行先階に前記かごが到着するまでの期間、前記接触操作を検出した前記接触操作検出部に対応付けられている非接触操作検出部によって検出される非接触操作を受付けない、
請求項3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記操作盤は、かご内に設けられた操作盤であり、
前記操作受付判定部は、乗場の呼び操作盤から非接触操作による乗場呼び登録がなされたか否かに応じて、該乗場呼び登録に対応する階床に到着したかごの前記操作盤において、前記第1期間および前記第2期間の少なくとも一方の期間の長さを変更する、
請求項2から4の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記操作受付判定部は、前記接触操作を検出した前記接触操作検出部の位置と、複数の前記非接触操作検出部の各々の位置とに基づいて、該非接触操作検出部の各々における前記第1期間および前記第2期間の少なくとも一方の期間の長さを変更する、
請求項2から5の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記接触操作検出部は、前記接触操作を受付ける接触部を備え、
前記接触操作検出部に対応付けられた前記非接触操作検出部は、前記接触部の近傍または前記接触部に配置されている、
請求項1から6の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項8】
接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有するエレベータの操作盤であって、
前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部、を備えることを特徴とするエレベータの操作盤。
【請求項9】
接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有する操作盤を備えるエレベータの制御方法であって、
前記接触操作を検出する第1操作検出ステップと、
前記非接触操作を検出する第2操作検出ステップと、
前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定ステップと、を含むことを特徴とするエレベータの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接触操作および非接触操作を検出可能なエレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触操作は、従来のボタン操作に比べて衛生的であることから、近年、エレベータのかごの行先階を非接触操作によって登録できる技術への関心が高まっている。非接触操作によってかごの行先階を登録する場合、利用者は、例えば、操作盤に設けられたセンサに手を近づける操作を行えばよく、ボタンに触れたり押下したりする必要が無い。
【0003】
非接触操作は従来の接触操作(例えば、ボタンを押下する操作)と比較して、誤操作および誤登録が生じる可能性が高いため、利用者の意図とは異なる行先階を誤登録することを防ぐための対策を講じることが望ましい。
【0004】
特許文献1には、非接触操作を検出可能な操作ボタンが、接触操作を検出する接触式ボタンの機能を兼ね備える構成を備えるエレベータの操作盤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-151253号公報(2015年8月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、接触操作と非接触操作とを検出した場合、接触操作を非接触操作よりも優先させることが望ましいことが記載されているものの、接触操作を非接触操作よりも優先させるための実効的な構成および方法については記載されていない。
【0007】
本発明は、接触操作および非接触操作を検出可能な操作盤を備えるエレベータにおいて、接触操作を非接触操作よりも優先的に受付けることにより、非接触操作の誤検出を低減するエレベータ、エレベータの操作盤、およびエレベータの制御方法等を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータは、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を複数有する操作盤と、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部と、を備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係るエレベータの操作盤は、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有するエレベータの操作盤であって、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部、を備える。
【0010】
また、本発明の一態様に係るエレベータの制御方法は、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有する操作盤を備えるエレベータの制御方法であって、前記接触操作を検出する第1操作検出ステップと、前記非接触操作を検出する第2操作検出ステップと、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定ステップと、を含む。
【0011】
本発明の各態様に係るエレベータの制御方法は、コンピュータによって実行されてもよく、この場合には、コンピュータに前記エレベータの制御方法に含まれる各ステップを実行させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、接触操作および非接触操作を検出可能な操作盤を備えるエレベータにおいて、非接触操作の誤検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係るエレベータの構成の一例を示すブロック図である。
図2】操作盤の外観の一例を示す図である。
図3】操作盤の外観の別の例を示す図である。
図4図1に示すエレベータの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】利用者による非接触操作の一例を示す図である。
図6】利用者による接触操作の一例を示す図である。
図7】利用者によって行われた接触操作が検出される期間と、該接触操作に伴って、意図せずに非接触操作が検出される期間とを示す図である。
図8】本発明の実施形態2に係るエレベータの構成の一例を示すブロック図である。
図9図8に示すエレベータの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図10】エレベータが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】エレベータが実行する処理の流れの別の例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態3に係るエレベータの構成の一例を示すブロック図である。
図13図11に示すエレベータの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図14】乗場操作盤の外観の一例を示す図である。
図15】乗場操作盤の外観の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0015】
(エレベータ100の構成)
まず、本発明の実施形態1に係るエレベータ100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、エレベータ100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、エレベータ100は制御装置1およびかご2を備えている。
【0017】
<制御装置1の構成>
制御装置1は、エレベータ100の運転制御全般を統括して行うコンピュータであり、CPU11、メモリ12、および時計部13を備えている。
【0018】
CPU11は、メモリ12から後述する各種制御プログラムを読み出して実行する。これにより、制御装置1は、エレベータ100の円滑な運転を実現する。また、CPU11は、操作盤20から検出信号を取得した時刻(または、操作が検出された時刻)、および、各種処理を実行した時刻等を時計部13から取得する。制御装置1の機能については、後に説明する。
【0019】
メモリ12には、例えば、かご2の移動制御、および、かご2のドア(不図示)の開閉制御等を行うための各種制御プログラムが格納されている。かご2の移動制御には、例えば、乗場呼びが行われた階床にかご2を移動させる制御、行先階として登録された階床にかご2を移動させる制御等が含まれていてもよい。また、メモリ12には、操作盤20等から取得した検出信号に関する操作検出ログ121、および登録済のかご2の行先階に関する行先階登録情報122が格納されていてもよい(図4参照)。さらに、メモリ12には、操作盤20が有する接触操作検出部21および非接触操作検出部22の各々の配置を示す情報が格納されていてもよい(図示せず)。
【0020】
<かご2の構成>
かご2は、建物に設けられた昇降路内を通り、該建物の複数の階床間を移動する乗りかごである。かご2内には、利用者による行先階の登録を受付けるための操作盤20が設置されていてもよい。
【0021】
操作盤20は、接触操作検出部21および非接触操作検出部22を備えていてもよい。操作盤20が備える接触操作検出部21および非接触操作検出部22の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。操作盤20は、かご2のドア近傍の袖壁またはかご2の側壁等に設置され得る。
【0022】
接触操作検出部21は、利用者による押下操作およびタッチ操作等の接触操作を検出可能である。接触操作検出部21は、接触操作を行う利用者の指先および手等と接触する接触部を備えている。一例において、接触操作検出部21は、ボタンおよびタッチパネル等であってもよい。接触操作検出部21が検出可能な接触操作は、利用者が接触部を指先等で押す押下操作であってもよいし、接触部に重畳されたタッチセンサに利用者が触れるタッチ操作であってもよい。
【0023】
接触操作検出部21は、かごの行先階を登録するための接触操作を検出可能なボタンである。あるいは、接触操作検出部21は、かご2のドアの開状態および閉状態に対する操作を受付け可能なボタンであってもよい(図2および図3参照)。
【0024】
接触操作検出部21は、接触操作を検出している期間、検出信号の送信を継続する構成であってもよい。あるいは、接触操作検出部21は、一定の時間間隔で(例えば、1秒間に10回)検出信号を送信する構成であってもよい。この構成を採用すれば、制御装置1は、接触操作検出部21からの検出信号に基づいて、接触操作が検出されたタイミング、および接触操作が検出されなくなったタイミングを特定することができる。
【0025】
非接触操作検出部22は、利用者による非接触操作を検出可能なセンサである。非接触操作検出部22は、かごの行先階を登録するための非接触操作を検出可能なセンサである。あるいは、非接触操作検出部22は、かご2のドアの開状態および閉状態に対する操作を受付け可能なセンサであってもよい(図2および図3参照)。
【0026】
一例において、非接触操作検出部22は、投光器および受光器が一体になった反射型光電センサである。非接触操作検出部22において、投光器が赤外線等の光を照射し、受光器が該光を照射された物体からの反射光を受光する。非接触操作検出部22は、受光器が受光した受光量に基づいて、近接している物体の有無を検出する。ここで、物体とは、例えば、操作盤20の行先階を登録するための操作を行う利用者の指および手等であってもよい。
【0027】
非接触操作検出部22は、反射型光電センサの受光器側の受光量を調節することにより、非接触操作検出部22の検出距離を調節することができる。非接触操作検出部22は、一例として、操作盤20から5cm以内に接近している利用者の手等を検出するように設定されている。非接触操作検出部22が利用者の手等を検出した場合、非接触操作検出部22は制御装置1に操作を検出した旨の検出信号を送信する。
【0028】
非接触操作検出部22は、非接触操作を検出している期間、検出信号の送信を継続する構成であってもよい。あるいは、非接触操作検出部22は、一定の時間間隔で(例えば、1秒間に10回)検出信号を送信してもよい。この構成を採用すれば、制御装置1は、非接触操作検出部22からの検出信号に基づいて、非接触操作が検出されたタイミング、および非接触操作が検出されなくなったタイミングを特定することができる。
【0029】
一例において、操作盤20は、複数の接触操作検出部21および複数の非接触操作検出部22を有していてもよい。一例において、各接触操作検出部21に対して1つの非接触操作検出部22が対応付けられていてもよい。このような操作盤20について、図2および図3を用いて説明する。図2は、操作盤20の外観の一例を示す図であり、図3は、操作盤20の外観の別の例を示す図である。
【0030】
操作盤20において、1~7階のそれぞれを行先階として登録するための接触操作を受付ける各接触操作検出部21に、非接触操作を受付ける非接触操作検出部22が対応付けられていてもよい。
【0031】
図2において、接触操作検出部21aは、1階を行先階として登録するための接触操作を受付け、非接触操作検出部22aは、1階を行先階として登録するための非接触操作を受付ける。図2において、非接触操作検出部22aは、接触操作検出部21aの接触部の近傍に配置されていてもよい。
【0032】
また、図2に示す操作盤20において、かご2のドアの開状態および閉状態に対する操作を受付け可能な接触操作検出部21bには、かご2のドアの開状態および閉状態に対する操作を受付け可能な非接触操作検出部22bが対応付けられている。図2に示すように、接触操作検出部21bは、接触操作検出部21bの接触部の近傍に配置されていてもよい。
【0033】
あるいは、図3に示すように、非接触操作検出部22が、接触操作検出部21の接触部に配置されていてもよい。これにより、接触操作検出部21の接触部が、非接触操作検出部22としての機能も兼ね備えることができる。例えば、図3において、接触操作検出部21aの接触部は、1階を行先階として登録するための接触操作および非接触操作を受付けることができる。
【0034】
なお、図2および図3に示すように、操作盤20は、通知部23をさらに備えていてもよい。通知部23は、非接触操作検出部22が、非接触操作を受付け可能であるか否かを示す情報を利用者に通知する。通知部23は、例えば、音声を発するスピーカであってもよく、ディスプレイ等の表示装置であってもよく、LED等の照明であってもよい。このような構成により、利用者に、非接触操作検出部22の非接触操作によって行先階を登録できるか否かを通知することができる。
【0035】
図2および図3には、通知部23が、操作盤20の上部に配置されるディスプレイである場合が示されている。例えば、操作盤20の非接触操作検出部22が非接触操作を受付け可能である場合、通知部23に非接触操作を受付け可能であるマーク、あるいは、「現在、非接触センサは使用可能です」などの文字列が表示されてもよい。
【0036】
(制御装置1の機能)
次に、制御装置1の機能について、図4を用いて説明する。図4は、図1に示すエレベータ100の構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、説明の便宜上、図1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以下では、行先階を登録するための接触操作を受付ける接触操作検出部21、および、行先階を登録するための非接触操作を受付ける非接触操作検出部22を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、接触操作検出部21および非接触操作検出部22が、かご2のドアの開状態および閉状態に対する操作を受付けるためのものであってもよい。
【0037】
制御装置1は、制御部110および記憶部120を備えている。制御部110は、図1のCPU11に対応しており、記憶部120は、図1のメモリ12に対応している。
【0038】
制御部110は、検出信号取得部111、操作受付判定部112、および行先階登録部113を備えている。
【0039】
検出信号取得部111は、接触操作検出部21からの検出信号、および非接触操作検出部22からの検出信号を取得する。検出信号取得部111が取得する検出信号のそれぞれには、送信元を示す情報(接触操作検出部21か非接触操作検出部22かを示す情報を含む)、および送信元の接触操作検出部21および非接触操作検出部22に対応する行先階を示す情報が含まれている。検出信号取得部111が検出信号を取得した時刻(または、操作が検出された時刻)と、各検出信号の送信元を示す情報とは、操作検出ログ121に記憶される。なお、各検出信号の送信元を示す情報には、操作盤20における該送信元の位置を示す情報が含まれていてもよい。
【0040】
操作受付判定部112は、非接触操作を受付けるか否かを判定する。操作受付判定部112は、接触操作検出部21が接触操作を検出した場合、下記の第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に、非接触操作検出部22が非接触操作を検出した場合、該非接触操作を受付けない。
【0041】
一例として、操作受付判定部112は、接触操作を検出した検出信号を検出信号取得部111が取得した場合に、操作検出ログ121を参照する。操作受付判定部112は、該接触操作を検出した検出信号が取得された時刻(または、操作が検出された時刻)の前後に取得された検出信号のうち、非接触操作を検出した検出信号を抽出する。そして、操作受付判定部112は、下記の第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出された非接触操作に対応する検出信号を特定し、これらに対応する非接触操作を受付けないことを決定する。
・第1期間:接触操作が検出された時点よりも所定時間前(例えば、0.5秒前)から、該接触操作が検出された時点までの期間(例えば、図7に示す期間P1)。
・第2期間:接触操作が検出された時点から、所定時間後(例えば、0.5秒後)までの期間(例えば、図7に示す期間P2)。
【0042】
なお、上記において、「接触操作が検出された時点」とは、接触操作が検出され始めた時点(例えば、図7に示す時点t2)であってもよいし、接触操作が検出されなくなった時点(例えば、図7に示す時点t3)であってもよい。
【0043】
図7では、期間P1の終わりの時点である時点t2と、期間P2の始まりの時点である時点t3とが異なる場合を示したが、これに限定されない。例えば、期間P1の終りの時点と期間P2の始まりの時点とが同じ時点であってもよい。例えば、期間P1の終りの時点と期間P2の始まりの時点とを同じ時点(例えば、時点t2または時点t3)とし、操作受付判定部112が、接触操作が継続している期間中も非接触操作を受付けない構成としてもよい。
【0044】
なお、接触操作検出部21に対する接触操作が継続する時間の長さは、利用者のそれぞれによって異なっている。そこで、期間P1および期間P2は、利用者が行った接触操作の継続時間の長さによらず、所定の長さの期間として設定される構成であってもよい。これにより、ある利用者による接触操作の継続期間が、他の利用者による接触操作の継続期間より長い場合においても、所定の長さの期間P1および期間P2を確保することができる。
【0045】
<第1期間および第2期間>
ここで、非接触操作を受付けない第1期間および第2期間について、図5および図6を参照しながら、図7を用いて説明する。図5は、利用者による非接触操作の一例を示す図であり、図6は、利用者による接触操作の一例を示す図である。図7は、利用者によって行われた接触操作が検出される期間と、該接触操作に伴って、意図せずに非接触操作が検出される期間とを示す図である。
【0046】
図5には、利用者が指先を用いて非接触操作検出部22に対する非接触操作を行う場合の、指先と非接触操作検出部22との位置関係が示されている。図5に示すように、非接触操作検出部22と指先との距離L1が、非接触操作検出部22によって非接触操作が検出され得る検出距離以下であれば、非接触操作検出部22は該非接触操作を検出する。ここで、非接触操作検出部22は、距離L1が所定の距離の範囲内(例えば、3~5cmの範囲内)に入った場合に、該非接触操作を検出する構成であってもよい。
【0047】
一方、図6には、指先を用いて利用者が接触操作検出部21に対する接触操作を行う場合の、指および手等と非接触操作検出部22との位置関係が示されている。図6に示すように、接触操作が行われている間において、非接触操作検出部22と指および手等との距離L2が、非接触操作検出部22によって非接触操作が検出され得る検出距離以下となる可能性がある。
【0048】
接触操作を行う前に、利用者が指先を接触操作検出部21の方へ近づける期間、および、接触操作を終えて、利用者が接触操作検出部21から指先を引っ込める期間においても、非接触操作検出部22が指および手等を検出する可能性がある。
【0049】
すなわち、図7に示すように、接触操作が検出された時点t2よりも所定時間前の時点t1から時点t2までの期間P1において、非接触操作検出部22によって利用者が意図しない非接触操作を検出してしまう可能性がある。同様に、接触操作が検出された時点t2あるいは該接触操作が検出されなくなった時点t3から所定時間後の時点t4までの期間P2においても、非接触操作検出部22によって利用者が意図しない非接触操作を検出してしまう可能性がある。非接触操作の誤検出はこのような状況下で生じやすい。そこで、上述の第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出された非接触操作を受付けないようにすることにより、非接触操作の誤検出を低減することができる。
【0050】
なお、図5および図6は、非接触操作検出部22が接触操作検出部21の接触部に配置されている場合を例に挙げているが、非接触操作検出部22が接触操作検出部21の接触部の近傍に配置されている場合も同様である。
【0051】
操作受付判定部112は、操作盤20の、下記(1)~(3)の少なくともいずれかの非接触操作検出部22が、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出した非接触操作を受付けない構成であってもよい。
【0052】
(1)時点t2において接触操作を検出した接触操作検出部21に対応付けられている非接触操作検出部22。
【0053】
(2)時点t2において接触操作を検出した接触操作検出部21の周囲に配置されている非接触操作検出部22。ここで、「接触操作検出部21の周囲に配置されている非接触操作検出部22」とは、接触操作検出部21の接触部からの距離が所定の距離以下である位置に配置されている非接触操作検出部22であってもよい。あるいは、接触操作検出部21の接触部と縦方向、横方向、および斜め方向の少なくともいずれかにおいて隣り合う非接触操作検出部22であってもよい。
【0054】
(3)すべての非接触操作検出部22。
【0055】
この構成を採用すれば、接触操作を検出した接触操作検出部21に対する接触操作によって生じ得る、意図しない非接触操作を受付けないようにすることができる。
【0056】
(変形例1)
接触操作検出部21によって検出された接触操作または非接触操作検出部22によって検出された非接触操作は、下記(i)または(ii)のいずれかの条件を満たす場合に取り消される構成であってもよい。以下では、接触操作および非接触操作は、かごの行先階を登録するための操作であり、接触操作および非接触操作のいずれかによって登録された行先階を取り消す場合を例に挙げて説明する。
【0057】
(i)登録されている行先階に対応付けられている接触操作検出部21によって、別の接触操作が、所定時間(例えば、1秒間)内に複数回検出された場合。
【0058】
(ii)登録された行先階に対応付けられている非接触操作検出部22によって、所定時間以上継続して非接触操作が検出された場合。
【0059】
すなわち、行先階を登録するために接触操作または非接触操作を行った利用者は、下記のいずれかの方法によって、その登録された行先階を取り消すことが可能である。
・登録された行先階に対応する接触操作検出部21に対する接触操作を所定時間内に連続して行う(上記(i)に対応)。
・登録された行先階に対応する非接触操作検出部22に対して、所定の非接触操作を行う(上記(ii)に対応)。
【0060】
例えば、利用者Aと利用者Bとが同じかご2に乗っている場合、行先階を登録のための接触操作を行った後に、利用者Bが、所望の行先階を登録するための接触操作または非接触操作を行うことになる。この場合、利用者Bによる接触操作または非接触操作が、上記(ii)の条件を満たす可能性があるため、利用者Aの行先階の登録を意図せず取り消してしまう虞がある。
【0061】
そこで、操作受付判定部112は、第1接触操作によって登録された行先階にかご2が到着するまでの期間、第1接触操作を検出した接触操作検出部21に対応付けられている非接触操作検出部22によって検出される非接触操作を受付けない構成であってもよい。このような構成を採用すれば、第1接触操作によって登録された行先階が、意図しない非接触操作によって取り消されることを回避することができる。
【0062】
図4に戻り、行先階登録部113は、接触操作、および、操作受付判定部112によって受付けないことが決定された非接触操作を除く非接触操作、に対応する階床を特定し、かご2の行先階として決定する。なお、操作受付判定部112によって受付けないことが決定された非接触操作を除く非接触操作が所定時間(例えば1秒間)継続した場合、操作受付判定部112は、この継続した非接触操作を受付けてもよい。この構成を採用した場合、行先階登録部113は、非接触操作検出部22が非接触操作を所定時間以上継続して検出したことに応じて、継続した非接触操作に対応する階床をかご2の行先階として決定する。行先階登録部113は、決定した行先階を記憶部120の行先階登録情報122に登録する。
【0063】
接触操作検出部21に対する接触操作が行われる場合、該接触操作を行う利用者の手および指などが非接触操作検出部22に近接する可能性がある。それゆえ、接触操作の前後において非接触操作の誤検出が生じやすくなる。上記の構成を採用すれば、接触操作が検出された時点よりも所定時間前からの第1期間、および該接触操作を検出した時点から所定期間後までの第2期間、の少なくとも一方の期間において検出された非接触操作は受付けられない。これにより、接触操作によって生じ得る、意図しない非接触操作を受付けないようにすることができる。
【0064】
(変形例2)
複数の接触操作検出部21および複数の非接触操作検出部22を有している操作盤20において、ある接触操作検出部21に対する接触操作が行われた場合、接触操作に伴って、意図せずに非接触操作が検出される可能性がある。
【0065】
例えば、利用者が操作盤20に腕を伸ばして、手および指を所望の接触操作検出部21の方に伸ばした場合、手および指が所望の接触操作検出部21に到達するまでに、非接触操作検出部22によって検出される可能性がある。そして、所望の接触操作検出部21から遠い非接触操作検出部22は、所望の接触操作検出部21に近い非接触操作検出部22よりも先に非接触操作を検出する可能性がある。利用者が接触操作を終え、操作盤20から手および指を引っ込める場合についても同様である。
【0066】
このように、各非接触操作検出部22が、この接触操作に伴う意図しない非接触操作を検出する期間の長さは、該接触操作を検出した接触操作検出部21との位置関係に応じて異なる。
【0067】
そこで、操作受付判定部112は、接触操作を検出した接触操作検出部21の位置と、複数の非接触操作検出部22の各々の位置とに基づいて、該非接触操作検出部22の各々における第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間の長さを変更してもよい。
【0068】
一例として、操作受付判定部112は、接触操作を検出した検出信号を検出信号取得部111が取得した場合に、操作検出ログ121を参照する。操作受付判定部112は、該接触操作を検出した検出信号が取得された時刻(または、操作が検出された時刻)の前後に取得された検出信号のうち、非接触操作を検出した検出信号を抽出する。また、操作受付判定部112は、操作検出ログ121を参照して、接触操作を検出した接触操作検出部21の操作盤20における位置を特定する。さらに、操作受付判定部112は、接触操作を検出した接触操作検出部21との位置関係に応じて、各非接触操作検出部22について第1期間および第2期間の長さを決定する。そして、操作受付判定部112は、下記の第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出された非接触操作に対応する検出信号を特定し、これらに対応する非接触操作を受付けないことを決定する。
【0069】
このような構成を採用することにより、第1期間および第2期間を、非接触操作検出部22の配置に基づいて設定することができる。よって、接触操作に伴う、意図しない非接触操作を非接触操作検出部22のそれぞれが検出する可能性が高い期間に、非接触操作を受付けないようにすることができる。
【0070】
〔変形例〕
非接触操作検出部22のそれぞれが、非接触操作が継続している期間の長さを計測可能なタイマー機能を備えていてもよい。この構成によれば、操作受付判定部112は、操作検出ログ121を参照することなく、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出された非接触操作に対応する検出信号を特定し、これらに対応する非接触操作を受付けないことを決定することができる。この構成を採用した場合の処理の流れについて、以下に説明する。
【0071】
非接触操作検出部22によって非接触操作が検出された場合、該非接触操作検出部22に対応するタイマーが起動し、該非接触操作の継続時間の計測を開始する。操作受付判定部112は、非接触操作の継続時間を示す情報を非接触操作検出22から取得し、非接触操作が所定時間以上継続する場合、該非接触操作を受付ける。非接触操作が検出されなくなった場合、タイマーによって計測された継続時間はリセットされる。
【0072】
ここで、操作受付判定部112は、非接触操作が第1期間(例えば、図7の期間P1)の長さと同じ時間以上継続する場合、該非接触操作を受付ける構成であってもよい。この場合、非接触操作検出部22によって非接触操作が検出された後、所定時間が経過するまでに接触操作が検出された場合、該非接触操作検出部22に対応するタイマーによって計測された非接触操作の継続時間がリセットされてもよい。この場合、非接触操作が検出されてから所定時間が経過するまでの期間が、第1期間として設定され得る。この構成を採用すれば、第1期間において検出された非接触操作は所定時間以上継続していないことになるため、操作受付判定部112は、第1期間に検出された非接触操作を受付けない。
【0073】
制御部110(または、後述の制御部230)は、接触操作が検出された後の第2期間(例えば、図7の期間P2)においてタイマーが起動しないように制御してもよい。この場合、制御部110(または、後述の制御部230)は、例えば、時計部13から取得した時刻を示す情報に基づいて第2期間の長さを決定すればよい。この構成を採用すれば、第2期間において検出された非接触操作の継続時間はタイマーによって計測されないため、操作受付判定部112は、接触操作が検出された後の第2期間に検出された非接触操作を受付けない。
【0074】
〔実施形態2〕
上記の実施形態に係る制御装置1の検出信号取得部111および操作受付判定部112を、かご2aに設置される操作盤20aが備える構成であってもよい。このような構成を備えるエレベータ100aについて、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0075】
(エレベータ100aの構成)
本発明の実施形態2に係るエレベータ100aの構成について、図8および図9を用いて説明する。図8は、エレベータ100aの構成の一例を示すブロック図であり、図9は、図8に示すエレベータ100aの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0076】
図8に示すように、エレベータ100aは、制御装置1aおよびかご2aを備えている。
【0077】
<制御装置1aの構成>
制御装置1aは、エレベータ100aの運転制御全般を統括して行うコンピュータであり、CPU11aおよびメモリ12aを備えている。
【0078】
CPU11aは、メモリ12aから各種制御プログラムを読み出して実行する。一方、メモリ12aには、例えば、かご2aの移動制御、およびかごのドア(不図示)の開閉制御等を行うための各種制御プログラムが格納されている。かご2aの移動制御には、例えば、乗場呼びが行われた階床にかご2を移動させる制御、行先階として登録された階床にかご2aを移動させる制御等が含まれていてもよい。
【0079】
<制御装置1aの機能>
次に、制御装置1aの機能について、図9を用いて説明する。図9は、図8に示すエレベータ100aの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0080】
図9に示すように、制御装置1aは、制御部110aおよび記憶部120aを備えている。制御部110aは、図8のCPU11aに対応しており、記憶部120aは、図8のメモリ12aに対応している。
【0081】
制御部110aは、行先階登録部113aを備えている。行先階登録部113aは、後述する操作盤20aの制御部230によって決定された行先階を示す情報を取得し、行先階登録情報122に格納する。
【0082】
<かご2aの構成>
図8に示すように、かご2aは、エレベータ100のかご2と同様、利用者の行先階の登録を受付けるための操作盤20aが設置されている。
【0083】
<操作盤20aの構成および機能>
次に、操作盤20aの構成および機能について、図8および図9を用いて説明する。図8に示すように、操作盤20aは、接触操作検出部21、非接触操作検出部22、CPU23、メモリ24、および時計部13を備えている。
【0084】
CPU23は、接触操作検出部21および非接触操作検出部22からの検出信号を取得する。またCPU23は、制御装置1aとの通信を制御する。
【0085】
操作盤20aは、接触操作検出部21、非接触操作検出部22、時計部13に加え、制御部230および記憶部240を備えている。制御部230は、図8のCPU23に対応しており、記憶部240は、図8のメモリ24に対応している。
【0086】
制御部230は、検出信号取得部111、操作受付判定部112a、および行先階決定部114を備えている。
【0087】
操作受付判定部112aは、図4に示すエレベータ100の操作受付判定部112と同様の処理を行う。
【0088】
行先階決定部114は、接触操作、および、操作受付判定部112aによって受付けないことが決定された非接触操作を除く非接触操作、に対応する階床を特定し、かご2aの行先階として決定する。行先階決定部114は、決定した行先階を制御装置1aの制御部110aに送信する。
【0089】
エレベータ100aでは、操作盤20aが、接触操作が検出された時点よりも前の第1期間、および該接触操作を検出した時点から後の第2期間、の少なくとも一方の期間において検出された非接触操作を受付けないようにする処理を実行する。
【0090】
この構成を採用すれば、既存のエレベータの制御装置を交換することなく、操作盤20aを新設したり増設したりすることによって、接触操作によって生じ得る、意図しない非接触操作を受付けないようにすることができる。
【0091】
〔エレベータ100、100aが行う処理〕
以下では、上述した実施形態1および2に係るエレベータ100、100aが行う処理について、図10を用いて説明する。図10は、エレベータ100、100aが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、操作盤20、20aの接触操作検出部21が接触操作を検出する(ステップS1:第1操作検出ステップ)。
【0093】
また、操作盤20、20aの非接触操作検出部22が非接触操作を検出する(ステップS2:第2操作検出ステップ)。なお、ステップS2はステップS1より前であってもよい。なお、非接触操作検出部22が非接触操作を検出した後、所定時間が経過するまでの期間(すなわち、第1期間)において、接触操作検出部21が接触操作を検出しなかった場合、操作受付判定部112、112aは該非接触操作を受付けてもよい。
【0094】
次に、操作受付判定部112、112aは、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に、ステップS2の非接触操作が検出されたか否かを判定する(ステップS3:操作受付判定ステップ)。操作受付判定部112、112aは、非接触操作が第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出された場合(ステップS3にてYES)、該非接触操作を受付けないことを決定する(ステップS4:操作受付判定ステップ)。一方、操作受付判定部112、112aは、非接触操作が第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に検出されていない場合(ステップS3にてNO)、該非接触操作を受付けることを決定する(ステップS5:操作受付判定ステップ)。
【0095】
なお、上述した実施形態1および2に係るエレベータ100、100aは、図11に示すような処理を行ってもよい。図11は、エレベータ100、100aが実行する処理の流れの別の例を示すフローチャートである。
【0096】
まず、操作盤20、20aの接触操作検出部21が接触操作を検出する(ステップS11:第1操作検出ステップ)。
【0097】
操作受付判定部112、112aは、操作検出ログ121を参照し、ステップS11にて検出された接触操作の前後に非接触操作が検出されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0098】
接触操作の前後に非接触操作が検出されている場合(ステップS12にてYES)、操作受付判定部112、112aは、該非接触操作が検出されたのは、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間か否かを判定する(ステップS13:操作受付判定ステップ)。
【0099】
操作受付判定部112、112aは、非接触操作が第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に非接触操作が検出されていた場合(ステップS13にてYES)、該非接触操作を受付けないことを決定する(ステップS14:操作受付判定ステップ)。一方、操作受付判定部112、112aは、非接触操作が第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間に非接触操作が検出されていなかった場合(ステップS13にてNO)、該非接触操作を受付けることを決定する(ステップS15:操作受付判定ステップ)。
【0100】
図10および図11に示すいずれかの処理を採用すれば、接触操作に伴う、意図しない非接触操作が検出される可能性が高い期間(すなわち、第1期間および第2期間)に検出された非接触操作を受付けないようにすることができる。
【0101】
〔実施形態3〕
乗場に設置されている乗場操作盤3(乗場の呼び操作盤)から、非接触操作による乗場呼び登録がなされた場合、該乗場呼び登録に対応する階床からエレベータを利用する利用者は、操作盤20に対しても非接触操作を行う可能性が高い。それゆえ、このような階床に到着したかご2の操作盤20では、接触操作よりも、非接触操作を優先させる度合いを調節することが望ましい。
【0102】
そこで、操作受付判定部112は、乗場操作盤3から非接触操作による乗場呼び登録がなされたか否かに応じて、該乗場呼び登録に対応する階床に到着したかご2の操作盤20において、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間の長さを変更してもよい。
【0103】
このような構成を備えるエレベータ100の構成について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、以下に説明する構成は、エレベータ100aにおいても適用可能である。
【0104】
図12は、本発明の実施形態3に係るエレベータ100の構成の一例を示すブロック図である。図12は、乗場操作盤3が示されている点で、図1と異なっている。
【0105】
(乗場操作盤3)
乗場操作盤3は、各階床のエレベータの乗場に設置されており、乗場接触操作検出部31および乗場非接触操作検出部32を備えている。乗場接触操作検出部31は、かご2を、該乗場操作盤3が設置されている階床に呼ぶための、接触操作を検出可能である。一方、乗場非接触操作検出部32は、かご2を、該乗場操作盤3が設置されている階床に呼ぶための、非接触操作を検出可能である。なお、乗場非接触操作検出部32が非接触操作を検出する仕組みについては、非接触操作検出部22と同様である。
【0106】
図14は、乗場操作盤3の外観の一例を示す図であり、図15は、乗場操作盤3の外観の別の例を示す図である。図14に示す例では、乗場非接触操作検出部32が乗場接触操作検出部31の接触部の近傍に配置されている。一方、図15に示す例では、乗場非接触操作検出部32が乗場接触操作検出部31の接触部に配置されている。
【0107】
例えば、図14および図15に示す乗場操作盤3は、現在の階床より上または下の階床に向かうかご2を呼ぶための、接触操作を検出する乗場接触操作検出部31、および非接触操作を検出する乗場非接触操作検出部32を有している。
【0108】
(制御装置1の機能)
次に、制御装置1の機能について、図13を用いて説明する。図13は、図12に示すエレベータ100の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0109】
検出信号取得部111は、接触操作検出部21および非接触操作検出部22からの検出信号と、乗場接触操作検出部31および乗場非接触操作検出部32からの検出信号を取得する。
【0110】
操作受付判定部112は、上述の実施形態と同様の処理を行う。また、操作受付判定部112は、乗場操作盤3から非接触操作による乗場呼び登録がなされたか否かに応じて、該乗場呼び登録に対応する階床に到着したかご2の操作盤20において、第1期間および第2期間の少なくとも一方の期間の長さを変更してもよい。
【0111】
乗場呼び登録を非接触操作によって行った利用者は、かご2の操作盤20に対しても、非接触操作を行う可能性が高い。一方、乗場呼び登録を接触操作によって行った利用者は、かご2の操作盤20に対しても、接触操作を行う可能性が高い。そこで、非接触操作を好む利用者がかご2に乗り込んだ場合、操作受付判定部112は、非接触操作を受付けない期間が短くなるように第1期間および第2期間の長さを変更してもよい。
【0112】
上記の構成を採用すれば、乗場呼び登録を行うための操作が非接触操作であったか、接触操作であったかに応じて、第1期間および第2期間の長さを変更することができる。これにより、非接触操作を好む利用者による非接触操作を受付ける期間を充分に確保することができる。よって、エレベータ100の利便性を向上させることができる。
【0113】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置1、1aの制御部110、110aおよび、操作盤20aの制御部230は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0114】
後者の場合、制御装置1、1a、および、操作盤20aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等をさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0115】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0116】
〔付記事項〕
本発明の一態様に係るエレベータ、操作盤、およびエレベータの制御方法はそれぞれ、下記のように記載することも可能である。
本発明の一態様に係るエレベータは、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を複数有する操作盤と、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部と、を備え、前記操作受付判定部は、前記接触操作検出部が接触操作を検出した場合、該接触操作が検出された時点よりも所定時間前から前記時点までの第1期間、および前記時点から所定時間後までの第2期間、の少なくとも一方の期間において、前記非接触操作検出部が非接触操作を検出した場合、該非接触操作を受付けない。
【0117】
また、本発明の一態様に係るエレベータの操作盤は、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有するエレベータの操作盤であって、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定部、を備え、前記操作受付判定部は、前記接触操作検出部が接触操作を検出した場合、該接触操作が検出された時点よりも所定時間前から前記時点までの第1期間、および前記時点から所定時間後までの第2期間、の少なくとも一方の期間において、前記非接触操作検出部が非接触操作を検出した場合、該非接触操作を受付けない。
【0118】
また、本発明の一態様に係るエレベータの制御方法は、接触操作を検出可能な接触操作検出部と、非接触操作を検出可能な非接触操作検出部と、を有する操作盤を備えるエレベータの制御方法であって、前記接触操作を検出する第1操作検出ステップと、前記非接触操作を検出する第2操作検出ステップと、前記非接触操作を受付けるか否かを判定する操作受付判定ステップと、を含み、前記操作受付判定ステップにおいて、前記接触操作検出部が接触操作を検出した場合、該接触操作が検出された時点よりも所定時間前から前記時点までの第1期間、および前記時点から所定時間後までの第2期間、の少なくとも一方の期間において、前記非接触操作検出部が非接触操作を検出した場合、該非接触操作を受付けない。
【符号の説明】
【0119】
1、1a 制御装置
2、2a かご
3 乗場操作盤(乗場の呼び操作盤)
11、11a、23 CPU
12、12a、24 メモリ
20、20a 操作盤
21、21a、21b 接触操作検出部
22、22a、22b 非接触操作検出部
100、100a エレベータ
110、110a、230 制御部
111 検出信号取得部
112、112a 操作受付判定部
113、113a 行先階登録部
114 行先階決定部
120、120a、240 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15