(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079470
(43)【公開日】2022-05-26
(54)【発明の名称】患者集団の疾患症状比較を視覚化するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220519BHJP
G16H 50/00 20180101ALI20220519BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
G16H50/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031248
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2019567615の分割
【原出願日】2018-06-11
(31)【優先権主張番号】62/517,552
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517038981
【氏名又は名称】キュアレーター, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】アルバート マーク
(72)【発明者】
【氏名】バウチャー ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ミアン アレク
(57)【要約】
【課題】患者集団の疾患症状比較を視覚化するためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】本明細書に開示する実施形態は、複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップと、個々の疾患因子が、患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状を生じさせる傾向にあるか、それとも患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状が生じるのを防ぐ傾向にあるかを決定するステップと、疾患症状の患者集団誘因視覚化をグラフィカルユーザインターフェイスに表示させるステップとを含み、誘因視覚化は、複数の行及び1又は2以上の列を含み、第1の列は、第1の患者の第1の疾患症状に対応し、第1の列の第1の行は、第1のリスク因子が第1の患者の第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップと、
前記患者集団について、ロバスト分散推定を含むCox比例ハザード分析に基づいて前記疾患因子と前記疾患症状との間の多変量関連性を決定し、Cox比例ハザードモデルに対するAndersen-Gill拡張の計数プロセス法を使用して時間依存変数、時間依存階層及び患者毎の複数の事象が組み込まれるようにするステップと、
Wald検定を使用して、前記決定された関連性の1又は2以上の統計的有意性を決定するステップと、
各決定された関連性について、ハザード比分析に基づいて前記疾患症状に対する前記疾患因子の影響を決定するステップと、
1よりも大きな多変量ハザードを有する前記患者集団の疾患因子を、(i)前記患者集団内の患者に前記疾患症状を生じさせるもの、又は(ii)前記患者集団内の患者に前記疾患症状が生じるのを防ぐもの、の少なくとも一方に有意に関連する疾患因子として識別するステップと、
前記疾患症状の患者集団誘因視覚化をグラフィカルユーザインターフェイスに表示させるステップと、
を含み、前記誘因視覚化は、複数の行及び1又は2以上の列を含み、第1の列は、第1の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第1の列の第1の行は、第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第2の列をさらに含み、該第2の列は、第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘因視覚化は、第2の患者のための第3の列をさらに含み、該第3の列は、前記第2の患者の前記第1の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第4の列をさらに含み、該第4の列は、前記第2の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が、前記第1の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第2の列をさらに含み、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第3の列及び前記第1の患者のための第4の列をさらに含み、前記第3の列及び前記第4の列は、前記第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記誘因視覚化は、第2の患者のための第5の列及び前記第2の患者のための第6の列をさらに含み、前記第5の列及び前記第6の列は、前記第2の患者の前記第1の疾患症状に対応し、前記第5の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第6の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第7の列及び前記第2の患者のための第8の列をさらに含み、前記第7の列及び前記第8の列は、前記第2の患者の前記第2の疾患症状に対応し、前記第6の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第8の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1又は2以上のプロセッサによって実行された時に1又は2以上のコンピュータシステムに方法を実行させる命令を記憶した有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップと、
個々の疾患因子が、(i)前記患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状を生じさせる傾向にあるか、それとも(ii)前記患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状が生じるのを防ぐ傾向にあるかを決定するステップと、
前記疾患症状の患者集団誘因視覚化をグラフィカルユーザインターフェイスに表示させるステップと、
を含み、前記誘因視覚化は、複数の行及び1又は2以上の列を含み、第1の列は、第1の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第1の列の第1の行は、第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第2の列をさらに含み、該第2の列は、第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項9に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記誘因視覚化は、第2の患者のための第3の列をさらに含み、該第3の列は、前記第2の患者の前記第1の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項9に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第4の列をさらに含み、該第4の列は、前記第2の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項9に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第1の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が、前記第1の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第2の列をさらに含み、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項9に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記誘因視覚化は、前記第1の患者のための第3の列及び前記第1の患者のための第4の列をさらに含み、前記第3の列及び前記第4の列は、前記第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項13に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記誘因視覚化は、第2の患者のための第5の列及び前記第2の患者のための第6の列をさらに含み、前記第5の列及び前記第6の列は、前記第2の患者の前記第1の疾患症状に対応し、前記第5の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第6の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項13に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第7の列及び前記第2の患者のための第8の列をさらに含み、前記第7の列及び前記第8の列は、前記第2の患者の前記第2の疾患症状に対応し、前記第6の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含み、前記第8の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項15に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年6月9日に出願された「患者集団の疾患症状比較を視覚化するためのシステム及び方法(Systems and Methods for Visualizing Patient Population Disease Symptom Comparison)」という名称の現在係属中の米国仮特許出願第62/517,552号の優先権を主張するものである。米国仮特許出願第62/517,552号の内容は、その全体が引用により本出願に組み入れられる。本出願には、(i)2017年2月6日に出願された米国特許出願公開第15/502,087号、(ii)2015年8月6日に出願された米国特許出願公開第15/043,945号、(iii)2014年8月7日に出願された米国仮特許出願第62/034,408号、(iii)2015年2月25日に出願された米国仮特許出願第62/120,534号、(iv)2015年3月27日に出願された米国仮特許出願第62/139,291号、(v)2015年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/148,130号、(vi)2015年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/172,594号、及び(vii)2014年1月30日に出願された米国特許出願公開第14/013,894号の内容も全体が引用により組み入れられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
医療研究者及び/又は患者は、(i)1又は2以上の患者のリスク因子と疾患症状との間の統計的関連性及び/又は相関性を決定し、(ii)1又は2以上のリスク因子が1又は2以上の患者の1又は2以上の疾患症状を引き起こす傾向にあるか、それとも防ぐ傾向にあるか、及びその度合いを識別し、(iii)1又は2以上のリスク因子が1又は2以上の患者の1又は2以上の疾患症状を引き起こす傾向にあるか、それとも防ぐ傾向にあるか、及びその度合いを患者毎に示す1又は2以上の視覚化を1又は2以上の患者についてグラフィカルユーザインターフェイスを介して表示するように構成された、本明細書で説明するコンピュータベースの方法及びシステムの実施形態から恩恵を受けることができる。
【0003】
これに加えて、又はこれとは別に、いくつかの実施形態は、(i)個々の患者の疾患症状のリスク因子と発症及び/又は重さとの間の統計的関連性及び/又は相関性を決定し、(ii)リスク因子が特定の患者又は患者群の特定の疾患症状の発症及び/又は重さに影響を与えるかどうか、及びその度合いを識別し、(iii)1又は2以上のリスク因子が1又は2以上の特定の疾患症状の発症及び重さに影響を与えるかどうか、及びその度合いを患者毎に示す1又は2以上の視覚化を1又は2以上の患者についてグラフィカルユーザインターフェイスを介して表示する。
【0004】
本明細書で使用する疾患症状とは、特定の疾病の物理的発現のことである。疾患症状は、以下に限定するわけではないが、(i)発生又は発生頻度として定量化及び/又は表現できる、患者に疾患症状が生じた時間(又は時間範囲)、(ii)疾患症状の重さ、(iii)疾患症状を表す態様又は特徴、及び/又は、(iv)疾患症状が他の関連する疾患症状(さらに、場合によってはリスク因子及び/又は疾患誘因及び/又はプロテクタ)を伴うかどうか、のうちの1つ又は2つ以上を含む複数の特徴付け指標(characterization metrics)によって特徴付けることができる。
【0005】
疾患症状が偏頭痛である例では、偏頭痛の特徴付け指標が、(i)偏頭痛がいつ発生したか、(ii)偏頭痛がどれほど継続したか、(iii)偏頭痛の強さ及び/又は重さ、(iv)偏頭痛が吐き気又はめまいなどの他の関連する疾患症状を伴ったかどうか、また伴った場合にはその随伴症状の時間、継続時間、強さ/重さ、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。他の慢性病の疾患症状は、異なる特徴付け指標を含むことができる。
【0006】
本明細書で使用するリスク因子とは、患者に疾患症状が生じるように、患者に疾患症状が生じるのを防ぐように、及び/又は患者に生じた疾患症状の重さを減少又は増大させるように影響し、作用し、又は仕向ける可能性がある、患者に関連する及び/又は患者が実行するいずれかの事象、曝露、行動又は行為のことである。疾患因子は、(i)特定の食品の消費、特定の治療薬の摂取、特定の治療薬の塗布、特定の栄養補助食品又は薬物の摂取、特定の身体活動の実行、及び/又は特定の化学薬品への曝露などの、患者が少なくともある程度制御できる、患者による自発的な又は変更可能な行為及び/又は体験、並びに、(ii)環境因子(例えば、スモッグ、日光、雨、雪、高湿度又は低湿度、或いは高温又は低温)への曝露、強制的治療薬又は薬物(例えば、他の疾患を維持するための薬物)への曝露、及び患者がほとんど、又は場合によっては事実上制御できない他の疾病又は体調の影響、などの無意識的な又は変更不可能な行為及び/又は体験の両方を含むことができる。
【0007】
疾患症状と同様に、リスク因子も複数の特徴付け指標によって特徴付けることができ、異なるリスク因子は異なる特徴付け指標を有することができる。例えば、食品又は薬物の消費に基づくリスク因子では、特徴付け指標が、例えば(i)患者が食品又は薬物をいつ消費したか、及び/又は(ii)患者がどれほどの食品又は薬物を消費したか、を含むことができる。曝露に基づくリスク因子の特徴付け指標は、例えば(i)患者がいつ曝露されたか、(ii)曝露の強さ(例えば、明るい日光)、及び/又は(iii)曝露の期間を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、リスク因子が、実際に患者に疾患症状を生じさせることはないかもしれないが特定の患者の疾患症状の発症に密接に関連し得る前駆兆候又は前兆を含むこともできる。再び偏頭痛の例を使用すると、患者が偏頭痛を体験する前に恐らくは患者の身体内の化学変化によって引き起こされる甘い食べ物に対する欲求を前駆兆候と考えることもできる。甘い食べ物に対する欲求が偏頭痛を引き起こすのではなく、この欲求が何らかの化学変化によって引き起こされ、その化学変化が患者に偏頭痛も引き起こす可能性が高い。同様に、リスク因子は、疾患症状が治まった時点(例えば、偏頭痛の強さと痛みが最高である段階が終わった時点)から患者が再び「正常に戻った」と感じる時点までの間の後発兆候を含むこともできる。
【0009】
場合によっては、患者が感じる特定の物理的発現が状況によって疾患症状又はリスク因子になることもある。再び偏頭痛の例を使用すると、異常な体温、異常な心拍数及び異常な血糖値は偏頭痛などの疾患症状を引き起こす傾向にあるため、リスク因子と考えることができる。しかしながら、他の状況では、異常な体温、異常な心拍数及び異常な血糖値が、他のリスク因子によって引き起こされる疾患症状である場合もある。
【0010】
本明細書で使用する疾患誘因とは、例えば統計分析又はその他の分析法を通じて、患者に特定の疾患症状を生じさせること、或いは少なくとも患者に特定の疾患症状が生じるリスク又は確率を高めることに対して十分に強い関連性があると決定されたリスク因子のことである。状況によっては、疾患誘因が、(i)体験時に疾患症状の重さを増大させること、及び/又は(ii)まず第一に疾患症状の発症確率を増大させること、の一方又は両方を引き起こすこともある。
【0011】
本明細書で使用するプロテクタとは、例えば統計分析又はその他の分析法を通じて、患者に特定の疾患症状が生じるのを防ぐこと、或いは少なくとも患者に特定の疾患症状が生じるリスク又は確率を下げることに対して十分に強い関連性があると決定されたリスク因子のことである。状況によっては、プロテクタが、(i)体験時に疾患症状の重さを減少させること、及び/又は(ii)まず第一に疾患症状の発症確率を下げること、の一方又は両方を行うこともある。
【0012】
いくつかの実施形態では、患者の疾患誘因/プロテクタが、患者の疾患症状との間に確固たる単変量関連性を有するリスク因子であり、この確固たる単変量関連性は、1よりも大きなCoxハザード比と、0.05以下のp値とを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のサーバシステムが、患者集団から受け取られた疾患症状データ及びリスク因子データを分析して、どのリスク因子が特定の患者の疾患誘因/プロテクタのレベルにまで上昇するかを決定する。動作中、患者集団は、全員が1又は2以上の類似性(例えば、同じ年齢又は年齢層、同じ性別、同じ民族、同じ国籍、同じ疾患、同じアレルギー、同じ遺伝子マーカ、及び/又は場合によってはその他の類似性)を共有する多く(数百人、数千人、又は場合によっては数百万人)の患者を含むことができる。患者の中には、複数の患者集団のメンバーである者も存在し得る。
【0014】
いくつかの実施形態は、一般に患者集団のリスク因子及びリスク誘因を識別した後に(識別された患者集団のリスク因子及びリスク誘因に基づいて)個々の患者のリスク因子及びリスク誘因を識別する2ステップ反復アプローチを適用する。
【0015】
第1のステップでは、サーバシステムが、患者集団内の患者からリスク因子及び疾患誘因データを収集して分析し、患者集団内の患者の特定の疾患症状に最も強く関連している傾向にあるリスク因子を識別する。(サーバシステムの直接的又は間接的制御下にある)クライアント装置は、患者集団内の患者に、サーバシステムが患者集団の特定の疾患症状に最も強く関連していると決定したリスク因子の特徴付け指標を入力するように促すように構成される。
【0016】
第2のステップでは、サーバシステムが、患者集団内の患者のリスク因子の特徴付け指標を分析し、集団内の各患者について、(その患者の)特定のリスク因子と疾患症状との間の関連性の強さを決定する。次に、サーバシステムは、疾患症状に最も強く関連しているリスク因子を個々の患者の疾患誘因又はプロテクタとして患者毎に指定する。
【0017】
この2ステッププロセスは、患者集団内の1人の患者について識別された疾患誘因を患者集団全体について分析した後で個々の患者について検査できるという点で反復的である。この反復的な2段階プロセスのいくつかの態様は、2014年1月30日に出願された米国特許出願公開第2014/013894号に記載されており、この文献の内容は引用により本明細書に組み入れられる。しかしながら、個々の患者の疾患誘因/プロテクタを識別する他の方法を使用することもできる。
【0018】
いくつかの実施形態では、患者が単独で、又は外部センサ及び/又は第三者情報源と組み合わせて操作するクライアント装置が、患者の疾患症状、リスク因子及び/又は疾患誘因及びプロテクタに関するデータをモニタして収集するように構成される。動作中、クライアント装置は、(i)収集した疾患症状/疾患因子/疾患誘因/プロテクタデータを分析のために1又は2以上のサーバに直接的又は間接的に送信し、及び/又は、(ii)収集した疾患症状/疾患因子/疾患誘因/プロテクタデータを分析のために1又は2以上のサーバに送信する準備を行う、ように構成することができる。この結果、1又は2以上のサーバは、(i)クライアント装置、センサ及び/又は情報源から受け取られた疾患症状/疾患因子/疾患誘因/プロテクタ入力データを分析し、(ii)個々の患者の疾患誘因及びプロテクタを患者毎に決定する。
【0019】
大きな患者集団から収集された非常に多くのデータ(又は1人の患者から収集された大量のデータ)に伴う1つの難題は、データから有意義な結論を引き出せるようにデータを体系化して表示する方法である。本明細書に開示する実施形態は、採用するデータ収集法及び分析法にかかわらず、研究者(又は場合によっては患者)がサーバシステムにアクセスし、そこに記憶されている患者データ(例えば、患者の疾患症状、リスク因子及び/又は疾患誘因/プロテクタ)の少なくとも一部を1又は2以上の直観的フォーマットで表示できるようにする。いくつかの実施形態では、この直観的フォーマットが、
図1及び
図2に示す例などの梯子型視覚化(ladder-style visualization)の形を取る。しかしながら、同様に他の視覚化を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】いくつかの実施形態による、ウェブベースのクライアントサーバコンピュータシステム例を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態によるクライアント装置例を示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、患者集団の疾患因子と疾患症状との間の関連性及び/又は相関性を決定することを含む方法例を示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、患者の疾患因子及び/又は疾患誘因と疾患症状との間の関連性及び/又は相関性を決定することを含む方法例を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、梯子型視覚化患者データ例を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、患者データの梯子型視覚化例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書では、方法及びシステムの例について説明する。なお、本明細書では、「例、事例又は説明例の役割を果たす」ことを意味するために「例(example)」「例示的(exemplary)」及び「例証的(illustrative)」という単語を使用していると理解されたい。本明細書において「例」、「例示的」又は「例証的」として説明するあらゆる実施形態又は特徴は、必ずしも他の実施形態又は特徴よりも好ましいもの又は有利なものとして解釈すべきではない。本明細書で説明する実施形態例は、限定を意図するものではない。本明細書で大まかに説明する本開示の態様は、様々な異なる構成で配置し、代用し、組み合わせ、分離し、設計することができ、本明細書ではこれらの全てが明確に企図されると容易に理解されるであろう。
【0022】
システムの概要
図1に、いくつかの実施形態による、ウェブベースのクライアントサーバコンピュータシステム例100を示す。システム例100は、ウェブサーバ102及びデータストレージ112を含む。動作中、ウェブサーバ102は、ネットワーク114を介して複数のクライアント装置116a~bと通信するように構成される。動作中、ネットワーク114は、(i)ローカルエリアネットワーク(LAN)、(ii)ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又は(iii)インターネット又は有線及び/又は無線通信ネットワークの他の組み合わせ、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0023】
ウェサーバ102は、1又は2以上のプロセッサ104と、コンピュータ可読メモリ106と、1又は2以上の通信インターフェイス110とを含む。
【0024】
1又は2以上のプロセッサ104の各々は、以下に限定するわけではないが、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はコンピュータプログラム命令を実行するように構成された他のタイプのプロセッサを含む、現在知られている又は今後開発されるあらゆるタイプのプロセッサとすることができる。
【0025】
コンピュータ可読メモリ106は、以下に限定するわけではないが、磁気メモリ、光学メモリ、ハードディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又はプログラムコード及び/又はその他のデータを記憶するように構成された他のタイプのメモリを含む、現在知られている又は今後開発されるあらゆるタイプの有形非一時的コンピュータメモリとすることができる。動作中、コンピュータ可読メモリ106は、1又は2以上のプロセッサ104によって実行された時に本明細書で説明する計算及び通信機能などの1又は2以上の計算及び通信機能をウェブサーバ102に実行させる少なくとも1又は2以上のウェブベースアプリケーション108(又はその他のコンピュータアプリケーション)を記憶するように構成される。
【0026】
1又は2以上の通信インターフェイス110は、以下に限定するわけではないが、ウェブサーバ102によるデータストレージ112へのアクセスを可能にするとともに、ウェブサーバが複数のクライアント装置116a~bと通信して情報交換することを可能にするように構成された有線、無線又は光通信インターフェイスを含む、現在知られている又は今後開発されるあらゆるタイプの通信インターフェイスとすることができる。
【0027】
データストレージ112は、コンピュータ可読メモリなどのあらゆるタイプの情報記憶媒体とすることができる。いくつかの実施形態では、データストレージ112が、複数の患者及び患者集団の疾患症状、疾患因子及び疾患誘因データを記憶するためのデータベースシステムとして構成される。動作中、ウェブサーバ102は、本明細書で説明する計算及び通信機能の実行の一部として、データストレージ112に対するデータの書き込み及びデータの読み出しを行う。
【0028】
動作中、ウェブサーバ102は、個々の患者及び患者集団の疾患症状、疾患因子及び疾患誘因データを、具体的には患者の疾患症状、疾患因子及び疾患誘因を表す特徴付け指標を受け取るように構成される。
【0029】
患者の疾患症状/疾患因子/疾患誘因のための特徴付け指標は、以下に限定するわけではないが、(i)患者が自身のクライアント装置上のGUIを介してクライアント装置に手動で入力したデータ、(ii)以下に限定するわけではないが、集積光学センサ、カメラ、位置センサ、動き検出器、ジャイロスコープ、加速度計及びGPSトランシーバを含む、患者のクライアント装置(例えば、携帯電話機又は同様の装置)と一体化されたセンサによって収集されたデータ、(iii)以下に限定するわけではないが、例えば万歩計(登録商標)、体温計、心拍数モニタ、血糖値モニタ又は同様のセンサ/モニタなどの、患者の体温、心拍数、血糖値及び/又は身体活動を検出するセンサを含む、患者の(単複の)クライアント装置及び/又はウェブサーバ102の一方又は両方に通信可能に結合された医用及び/又は生体測定センサによって収集されたデータ、(iv)以下に限定するわけではないが、(気温を測定するための)温度計、(気圧を測定するための)気圧計、(周囲音を測定するための)マイク、(光強度及び/又は色を測定するための)光学センサを含む、患者の(単複の)クライアント装置及び/又はウェブサーバ102の一方又は両方に通信可能に結合された環境センサによって収集されたデータ、及び/又は、(v)以下に限定するわけではないが、患者が存在する又は過去に存在していた地域に関連する環境データを提供するサーバからの気象、花粉及び/又は汚染物質データなどを含む、患者の(単複の)クライアント装置及び/又はウェブサーバ102の一方又は両方に通信可能に結合された、ニュース又は気象情報サービスなどの第三者情報源から収集されたデータ、を含む様々なソースのうちの1つ又は2つ以上に由来することができる。
【0030】
(単複の)クライアント装置、生体測定センサ、環境センサ、及び第三者情報源(集合的に、疾患症状/疾患因子/疾患誘因データソース)は、収集した疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを「リアルタイム」で(例えば、基本的にデータをウェブサーバ102に送信できるようになるや否や)ウェブサーバ102に送信するように構成又は別様に指示することができる。或いは、疾患症状/疾患因子/疾患誘因データソースは、疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを長期にわたって収集し、その後にこれらの疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを(15分毎、30分毎、1時間毎などの)一定間隔又は半一定間隔で定期的にウェブサーバ102にバッチ送信することができる。いくつかの実施形態では、特定の疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを「優先度の高い」疾患症状/疾患因子/疾患誘因データとして識別し、疾患症状/疾患因子/疾患誘因データソースを、このような「優先度の高い」疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを迅速にウェブサーバ102に送信するように構成することができる。例えば、クライアント装置は、このような「優先度の高い」疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを保持してその後の時点で送信するのではなく、このような疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを受け取ったことに応答して(又はその直後に)即座に(又は実質的に即座に)ウェブサーバ102に送信することができる。
【0031】
ウェブサーバ102は、上述した疾患症状/疾患因子/疾患誘因データソースのいずれかから疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを受け取った後に、受け取った疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを分析して、(i)(i-a)疾患症状と(i-b)疾患因子及び/又は疾患誘因との間の関連性及び/又は相関性、(ii)どの疾患因子が特定の疾患系に最も強く又は高く関連しているか、及び/又は(iii)どの疾患因子が個々の患者の疾患誘因であるか、のうちの1つ又は2つ以上を決定する。一般に、いくつかの実施形態は、疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを分析するために2ステップ反復アプローチを適用する。
【0032】
まず、ウェブサーバ102は、患者集団内の全ての患者から受け取られた疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを分析して、患者集団内の患者の特定の疾患症状に最も強く関連している傾向にある疾患因子及び/又は疾患誘因を識別する。次に、ウェブサーバ102は、個々の患者の疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを分析して、(i)その特定の患者について、どの疾患因子がこの患者の(単複の)疾患症状に最も強く関連しているかを識別し、及び/又は、(ii)その特定の患者について、例えば患者に特定の疾患症状を引き起こす可能性が最も高い、及び/又は患者に特定の疾患症状が生じるのを防ぐ可能性が最も高い患者の疾患因子/疾患誘因を識別することを含め、どの疾患因子が患者の(単複の)疾患症状と十分に強い関連性を有していてこの患者の疾患誘因として識別すべきであるかを識別する。このプロセスについては、
図3及び
図4を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0033】
疾患因子及び疾患誘因の潜在的母集団は非常に大きいので、ウェブサーバ102は、患者集団及び/又は特定の患者の疾患症状に最も強く関連していると決定された疾患因子/疾患誘因を使用して、どの実際の及び/又は潜在的な疾患因子及び疾患誘因に焦点を当てるべきかについての決定に役立てる。
【0034】
本明細書ではクライアント装置又は単純にクライアントと呼ぶこともあるクライアントコンピュータ装置116a~bの各々は、スマートホン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、或いは現在知られている又は今後開発される他のあらゆるコンピュータ装置のうちのいずれかとすることができる。動作中、個々のクライアント装置116a~cは、以下に限定するわけではないが、(i)患者の入力及び/又はセンサ読取値から疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを受信、収集又は別様に取得すること、(ii)疾患症状/疾患因子/疾患誘因データをウェブサーバ102及び/又はデータストレージ112に送信すること(及び/又は、場合によっては疾患症状/疾患因子/疾患誘因データをウェブサーバ102及び/又はデータストレージ112に送信する準備を行うこと)、(iii)特定の疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを入力するように患者を促すための命令を受け取り、これに応答してGUIプロンプトを介して特定の疾患症状/疾患因子/疾患誘因データを入力するように患者を促すこと、(iv)患者への「リスクメータ」の表示と共に使用される、近い将来に患者に特定の疾患症状が生じる(又は生じない)確率を示す情報を受け取って、クライアント装置上のGUIに「リスクメータ」を表示すること、及び/又は、(v)患者又は医療従事者への「誘因視覚化」の表示と共に使用される、疾患症状/疾患因子/疾患誘因の関連性及び誘因決定に関する情報を受け取ってクライアント装置上のGUIに誘因視覚化を表示すること、を含む様々な機能を実行するように構成される。
【0035】
通常、各クライアント装置116a~cは、ユーザインターフェイス、プロセッサ、及び/又は本明細書で説明する特定の特徴又は機能を実行するためにプロセッサが実行できるプログラム命令を記憶するコンピュータ可読媒体を含む。ユーザインターフェイスは、1又は2以上のボタン、カメラ、マイク、又はタッチ画面などの入力装置と、タッチ画面、ディスプレイ画面及び/又は1又は2以上のスピーカなどの出力装置とを含むことができる。
【0036】
図2に、いくつかの実施形態によるクライアント装置例200を示す。クライアント装置200は、
図1に示して説明したクライアント装置116a~cと同様又は同一のものとすることができる。
図2の例では、クライアント装置200が、(i)1又は2以上のプロセッサ(例えば、(単複の)中央処理装置又はCPU、及び/又は(単複の)グラフィックス処理装置又はGPU)と、(ii)有形の非一時的コンピュータ可読メモリと、(iii)入力/出力コンポーネント(例えば、スピーカ、センサ、ディスプレイ又はその他のインターフェイス)と、(iv)通信インターフェイス(無線及び/又は有線)と、を有するハードウェア206を含む。クライアント装置102のハードウェア206コンポーネントは、オペレーティングシステム204(又は同様のもの)及びコンピュータ技術において公知の1又は2以上のアプリケーション202a、202b(又は同様のもの)を含むソフトウェアを実行するように構成される。アプリケーション202a及び202bの一方又は両方は、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に本明細書で説明する機能及び特徴のうちの1つ又は2つ以上をクライアント装置200に実行させるプログラムコードに対応することができる。
【0037】
疾患因子と疾患症状との間の関連性の決定
図3に、いくつかの実施形態による、患者集団の疾患因子と疾患症状との間の関連性及び/又は相関性を決定することを含む方法例300を示し、
図4に、いくつかの実施形態による、患者の(i)疾患因子及び/又は疾患誘因と(ii)疾患症状との間の関連性及び/又は相関性を決定することを含む方法例400を示す。
【0038】
順番にブロックを示しているが、場合によってはこれらのブロックを並行して、及び/又は本明細書に示す順序とは異なる順序で実行することもできる。また、所望の実装に基づいて、様々なブロックを組み合わせてブロックの数を低減することも、さらなるブロックに分割することも、及び/又は削除することもできる。また、方法例300及び400は、サーバが方法ステップを実行することを表すが、他の実施形態では、方法ステップの1つ又は2つ以上を患者のクライアント装置が実行することもできる。
【0039】
また、方法300及び400では、各ブロックが、方法の特定の論理機能又はステップを実行するためにプロセッサ又はコンピュータ装置が実行できる1又は2以上の命令を含むモジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表すことができる。プログラムコードは、例えばディスク又はハードドライブを含む記憶装置、或いはフラッシュメモリなどの他のタイプのメモリなどの、あらゆるタイプのコンピュータ可読媒体又はメモリに記憶することができる。コンピュータ可読媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ及びランダムアクセスメモリ(RAM)などの短期間にわたってデータを記憶するコンピュータ可読媒体などの、非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、例えばリードオンリメモリ(ROM)、光学又は磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)及び/又はフラッシュメモリなどの、二次的又は永続的長期ストレージなどの媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、他のいずれかの揮発性又は不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読記憶媒体、又は有形記憶装置とみなすことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、方法例300がサーバシステムによって実行される。このような実施形態では、方法300を実行するサーバを、本明細書に開示して説明するいずれかのサーバと同様又は同一のものとすることができる。
【0041】
方法300は、複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップを含むブロック302から開始する。
【0042】
方法300は、患者集団から疾患症状及び疾患因子入力を受け取った後に、ロバスト分散推定を含むCox比例ハザード分析に基づいて、疾患因子と疾患症状との間の多変量関連性(multivariate associations)を(患者集団について)決定するステップを含むブロック304に進み、ここではCox比例ハザードモデルに対するAndersen-Gill拡張の計数プロセス法(counting process method)を使用して時間依存変数、時間依存階層及び患者毎の複数の事象が組み込まれる。これとは別に、いくつかの実施形態は、ロジスティック回帰オッズ比分析(logistic regression odds ratio analysis)又はその他の統計的方法及び/又はアプローチを使用することもできる。
【0043】
次に、方法300は、Wald検定を使用して、決定された各関連性の統計的有意性を決定するステップを含むブロック306に進む。いくつかの実施形態は、別の方法を使用して、決定された各関連性の統計的有意性を決定することもできる。
【0044】
方法300は、ブロック306において、決定された各関連性の統計的有意性を決定した後に、ハザード比又は同様の分析に基づいて疾患症状に対する疾患因子の影響を(決定された各関連性について)決定するステップを含むブロック308に進む。
【0045】
次に、ブロック310は、1よりも大きな多変量ハザードを有する患者集団の疾患因子を識別し、これらの識別された疾患因子を、(i)患者集団内の患者に疾患症状を生じさせ、又は患者集団内の患者に疾患症状が生じるリスク又は確率を少なくとも高めるもの、或いは、(ii)患者集団内の患者に疾患症状が生じるのを防ぎ、又は患者集団内の患者に疾患症状が生じるリスク又は確率を少なくとも下げるもの、の少なくとも一方に有意に関連する疾患因子として指定するステップとを含む。
【0046】
方法300のいくつかの実施形態は、GUI内に疾患症状の視覚化を表示するステップを含むブロック312をさらに含むことができる。動作中には、患者集団誘因視覚化(patient population trigger visualization)が、(i)ブロック310から識別された疾患因子のうちの1つ又は2つ以上と、(ii)患者集団のうちの1又は2以上の患者と、の間の1又は2以上の関係を示す。いくつかの実施形態では、サーバシステムが、本明細書において図示し説明したいずれかのクライアント装置などのクライアント装置に、患者集団誘因視覚化を表示するためのデータを送信するように構成される。患者集団誘因視覚化は、本明細書において
図5及び/又は
図6を参照しながら図示し説明する患者集団誘因視覚化例と同一又は同様のものとすることができる。
【0047】
図4には、いくつかの実施形態による、(i)患者の疾患因子及び/又は疾患誘因と(ii)疾患症状との間の関連性及び/又は相関性を決定することを含む方法例400を示す。いくつかの実施形態では、方法400がサーバシステムによって実行される。このような実施形態では、方法400を実行するサーバを、本明細書に開示して説明するいずれかのサーバと同様又は同一のものとすることができる。
【0048】
方法400は、個々の患者の疾患因子データ及び疾患症状データを受け取るステップを含むブロック402から開始する。本明細書で説明したように、サーバシステムは、疾患因子データ及び疾患症状データを、(i)クライアント装置での入力を介して自身の疾患症状データ及び疾患因子データの体験を報告する患者から、(ii)クライアント装置上のセンサ、又はクライアント装置と通信するセンサを介して患者の疾患症状又は疾患因子の体験(例えば、光学センサによって検出された明るい光、マイクによって検出された大きなノイズ、クライアント装置と通信する生理学的センサによって検出された生理的症状)を検出する患者のクライアント装置から、及び/又は、(iii)例えば第三者情報源を介して、患者が存在する地域の(単複の)疾患因子に関する情報を受け取るサーバシステムから受け取ることができる。
【0049】
ブロック404は、受け取った疾患因子及び疾患症状データのCox比例ハザード分析に基づいて、疾患因子と患者の疾患症状との間の単変量関連性を決定するステップを含む。これとは別に、いくつかの実施形態は、ロジスティック回帰オッズ比分析又はその他の統計的方法及び/又はアプローチを使用することもできる。
【0050】
ブロック406において、サーバは、決定された各関連性について、Wald検定を使用して、決定された関連性の統計的有意性を決定する。いくつかの実施形態は、別の方法を使用して、決定された各関連性の統計的有意性を決定することもできる。
【0051】
次に、ブロック408は、決定された各関連性について、ハザード比又は同様の分析に基づいて疾患症状に対する疾患因子の影響を決定するステップを含む。
【0052】
次に、ブロック410において、サーバは、患者の各疾患因子の単変量ハザード値及びp値を決定する。
【0053】
次に、ブロック412において、サーバは、1よりも大きな単変量ハザード及び0.05(又は場合によっては他の何らかのp値閾値)以下のp値を有する個々の疾患因子をこの特定の患者の疾患誘因として指定する。いくつかの実施形態では、本明細書において
図5及び/又は
図6を参照しながら図示し説明する誘因視覚化などの患者の誘因視覚化内に、患者の識別された疾患誘因を表示することができる。
【0054】
いくつかの実施形態は、サーバが疾患症状のための患者集団誘因視覚化をGUI内に表示するブロック414をさらに含むことができる。動作中、患者集団誘因視覚化は、(i)ブロック412において決定された疾患誘因のうちの1つ又は2つ以上と、(ii)患者集団のうちの1又は2以上の患者と、の間の関係を示す。いくつかの実施形態では、サーバシステムが、本明細書において図示し説明したいずれかのクライアント装置などのクライアント装置に、患者集団誘因視覚化を表示するためのデータを送信するように構成される。患者集団誘因視覚化は、本明細書において
図5及び/又は
図6を参照しながら図示し説明する患者集団誘因視覚化例と同一又は同様のものとすることができる。
【0055】
視覚化例
図5に、第1の疾患症状(例えば、偏頭痛)及び第2の疾患症状(例えば、非偏頭痛頭痛)の一連のリスク因子302からの個々のリスク因子が患者4、8及び629という3人の患者にとって疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す、いくつかの患者データ(例えば、患者の疾患症状、リスク因子及び/又は疾患誘因/プロテクタ)の少なくとも一部の梯子型視覚化例500を示す。視覚化500には3人の患者の比較を示しているが、1人、2人、3人又は4人以上の患者のデータを示すこともできる。
【0056】
列504のブロックは、特定のリスク因子が第1の疾患症状の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示し、列506のブロックは、特定のリスク因子が第2の疾患症状の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す。患者4、8及び629は、全て(上述した)同じ患者集団に属することもできるが、必ずしも同じ患者集団に属する必要はない。
【0057】
視覚化500の左側には、ストレス、不安、苛立ちなどを含む一連のリスク因子502をリストする。いくつかの実施形態では、一連のリスク因子502が、視覚化例500に示す一連のリスク因子502よりも多くの、少ない、及び/又はこれとは異なるリスク因子を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、一連のリスク因子502が、70個の異なるリスク因子を含むことができる。同様に、異なる疾患症状は異なるリスク因子を有する傾向にある。
【0058】
列504は一連のボックスを含み、列504の各個々のボックスは、一連のリスク因子502内の特定のリスク因子に対応する。列504の各ボックスのブロックのサイズ及び色(又はブロックの欠如)は、(i)対応するリスク因子が第1の疾患症状の疾患因子であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、(ii)患者にとっての、ボックスの対応するリスク因子と第1の疾患症状との間の関連性の度合い又は「強さ」(例えば、Coxハザード比、ロジスティック回帰オッズ比、p値、又は他の関連性の定量化)、を患者4について示す。
【0059】
同様に、列506も一連のボックスを含み、列506の各個々のボックスは、一連のリスク因子502内の特定のリスク因子に対応する。列506の各ボックスのブロックのサイズ及び色(又はブロックの欠如)は、(i)対応するリスク因子が第2の疾患症状の疾患因子であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、(ii)患者にとっての、ボックスの対応するリスク因子と第2の疾患症状との間の関連性の度合い又は「強さ」(例えば、Coxハザード比、ロジスティック回帰オッズ比、p値、又は他の関連性の定量化)、を患者4について示す。
【0060】
視覚化例500では、第1の疾患症状(列504)が偏頭痛であり、第2の疾患症状(列506)が非偏頭痛頭痛である。患者4(及び他の各患者)に対して2つの列を示しているが、他の実施形態は、個々の患者のさらなる疾患症状のためのさらなる列を含むこともできる。また、紫色ブロックは、特定のリスク因子が疾患誘因であることを示し、青色ブロックは、特定のリスク因子がプロテクタであることを示し、色付きブロックの欠如は、特定のリスク因子が疾患誘因でもプロテクタでもないことを示す。また、サイズ(この例では長さ)は、(p≦0.5~p≧0.001の)統計的関連性の強さを表す。ただし、同様に他の色、表示及び(例えば、サイズ以外の)相関を使用することもできる。
【0061】
視覚化500では、列504によって示す偏頭痛の場合、青色ブロック512が、幸福が患者4の偏頭痛のプロテクタであることを示す。同様に、青色ブロック514は、激しい活動も患者4の偏頭痛のプロテクタであることを示す。青色ブロック512は青色ブロック514よりも大きく/長く、このことは、患者4にとって幸福が激しい活動よりも強い偏頭痛のプロテクタであることを示す。
【0062】
また、紫色ブロック516は、退屈が患者4の偏頭痛の疾患誘因であることを示す。同様に、紫色ブロック518は、明るい光も患者4の偏頭痛の疾患誘因であることを示す。紫色ブロック518は紫色ブロック516よりも大きく/長く、このことは、患者4にとって明るい光が退屈よりも強い偏頭痛の疾患誘因であることを示す。
【0063】
さらに、ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート及び他の多くのリスク因子についての青色又は紫色ブロックが列504内に存在しないことは、(i)ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックを含まない他のあらゆるリスク因子)が患者4の偏頭痛の疾患誘因又はプロテクタでないこと、或いは、(ii)ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックを含まない他のあらゆるリスク因子)が患者4の偏頭痛の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論をサーバシステムが下すためのデータが不十分であること、のいずれかを示す。いくつかの実施形態は、異なる色を使用して、(i)疾患誘因でもプロテクタでもないことが統計的に立証されたリスク因子と、(ii)疾患誘因であるか、それともプロテクタであるかを結論付けるのに十分なデータが不足しているリスク因子と、を区別することもできる。
【0064】
非偏頭痛頭痛を表す列506の色付きブロック(又はその欠如)は、偏頭痛を表す列504の色付きブロック(又はその欠如)と同様である。
【0065】
例えば、列506によって示される非偏頭痛頭痛では、青色ブロック508が、不安が患者4の非偏頭痛頭痛のプロテクタであることを示す。同様に、青色ブロック510は、幸福も患者4の偏頭痛のプロテクタであることを示す。青色ブロック508は青色ブロック510よりもわずかに大きく/長く、このことは、患者4にとって不安が幸福よりも強い非偏頭痛頭痛のプロテクタであることを示す。
【0066】
また、紫色ブロック520は、カフェインが患者4の非偏頭痛頭痛の疾患誘因であることを示す。同様に、紫色ブロック522は、ソフトドリンクも患者4の非偏頭痛頭痛の疾患誘因であることを示す。紫色ブロック522は紫色ブロック520よりも大きく/長く、このことは、患者4にとってソフトドリンクがカフェインよりも強い非偏頭痛頭痛の疾患誘因であることを示す。
【0067】
さらに、ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート及び他の多くのリスク因子についての青色又は紫色ブロックが列506内に存在しないことは、(i)ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックを含まない他のあらゆるリスク因子)が患者4の非偏頭痛頭痛の疾患誘因又はプロテクタでないこと、或いは、(ii)ストレス、苛立ち、スパークリングワイン、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックを含まない他のあらゆるリスク因子)が患者4の非偏頭痛頭痛の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論をサーバシステムが下すためのデータが不十分であること、のいずれかを示す。いくつかの実施形態は、異なる色を使用して、(i)疾患誘因でもプロテクタでもないことが統計的に立証されたリスク因子と、(ii)疾患誘因であるか、それともプロテクタであるかを結論付けるのに十分なデータが不足しているリスク因子と、を区別することもできる。
【0068】
視覚化500は、2つの異なる疾患症状(例えば、列504の偏頭痛及び列506の非偏頭痛頭痛)のリスク因子の疾患誘因データ及びプロテクタデータを患者4について横並びに表示することにより、個々の患者の偏頭痛及び非偏頭痛頭痛のリスク因子間の関係性、又は場合によってはその欠如を研究者に(又は場合によっては患者4又は他の患者に)示す。
【0069】
また、視覚化500は、2つの異なる疾患症状(例えば、偏頭痛及び非偏頭痛頭痛)のリスク因子の疾患誘因データ及びプロテクタデータを複数の患者(すなわち、患者4、8及び629)について横並びに表示することにより、複数の患者の偏頭痛及び非偏頭痛頭痛のリスク因子間の関係性、又は場合によってはその欠如を研究者に(又は場合によっては1又は2以上の患者に)示す。
【0070】
例えば、ボックス524は、患者4、8及び629の偏頭痛及び非偏頭痛頭痛にとって「適度な活動」というリスク因子がどれほど異なるかを示す。具体的に言えば、適度な活動は、(i)患者4にとっては偏頭痛又は非偏頭痛頭痛の疾患誘因でもプロテクタでもなく、(ii)患者8にとっては偏頭痛の疾患誘因であるが、患者8の非偏頭痛頭痛については疾患誘因でもプロテクタでもなく、(iii)患者629にとっては偏頭痛のプロテクタであるが、患者629の非偏頭痛頭痛については疾患誘因でもプロテクタでもない。
【0071】
図6に、第1の疾患症状(例えば、偏頭痛)及び第2の疾患症状(例えば、非偏頭痛頭痛)の一連のリスク因子604からの個々のリスク因子が患者3及び52という2人の患者にとって疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す、いくつかの患者データ(例えば、患者の疾患症状、リスク因子及び/又は疾患誘因/プロテクタ)の少なくとも一部の別の梯子型視覚化例600を示す。データセット606は患者3の患者データであり、データセット608は患者52の患者データである。視覚化600には2人の患者の比較を示しているが、1人、2人、3人又は4人以上の患者のデータを示すこともできる。
【0072】
視覚化600は、特定のリスク因子が1又は2以上の疾患症状の発症又は重さ(又は場合によってはこれらの両方)に影響を与えるかどうか、及びその度合いをさらに示している点を除いて視覚化500と同様である。視覚化600は、一例として(i)偏頭痛及び(ii)非偏頭痛頭痛という2つの疾患症状を示す。しかしながら、視覚化600は、
図6に示す疾患症状よりも多くの、少ない、及び/又はこれとは異なる疾患症状と共に使用することもできる。
【0073】
視覚化600では、列610のブロックが、特定のリスク因子が偏頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示し、列612のブロックが、特定のリスク因子が偏頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す。同様に、列614のブロックは、特定のリスク因子が非偏頭痛頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示し、列616のブロックは、特定のリスク因子が非偏頭痛頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す。
【0074】
視覚化600は、患者52についても偏頭痛及び非偏頭痛頭痛の重さ及び発症のための同様の列を含む。具体的に言えば、列636のブロックは、特定のリスク因子が偏頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示し、列638のブロックは、特定のリスク因子が偏頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す。同様に、列640のブロックは、特定のリスク因子が非偏頭痛頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示し、列642のブロックは、特定のリスク因子が非偏頭痛頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか、及びその度合いを示す。
【0075】
患者3及び52は、いずれも(上述した)同じ患者集団に属することもできるが、必ずしも同じ患者集団に属する必要はない。同様に、視覚化600は、2人よりもさらに多くの患者を含むこともできる。例えば、(研究者又は患者などの)ユーザは、視覚化600の最上部の選択ブロック602によって比較のための個々の患者を選択することができる。選択ブロック602に示すように、患者3及び52が選択されているので、視覚化600のメインウィンドウには患者3及び52の患者データが示される。
【0076】
視覚化600の左側には、ストレス、不安、苛立ちなどを含む一連のリスク因子604をリストする。いくつかの実施形態では、一連のリスク因子604が、一連のリスク因子604よりも多くの、少ない、及び/又はこれとは異なるリスク因子を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、一連のリスク因子604が、70個の異なるリスク因子を含むことができる。列604のリスク因子は、
図5を参照しながら図示し説明した一連のリスク因子502と同じもの又は実質的に同じものとすることができる。
【0077】
列610は一連のボックスを含み、列610の各個々のボックスは、一連のリスク因子604内の特定のリスク因子に対応する。列610の各ボックスのブロックの色(又はブロックの欠如)は、対応するリスク因子が患者3の偏頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、すなわちこのリスク因子が患者3の偏頭痛の重さを増大させる傾向にあるか、それとも減少させる傾向にあるかを示す。列610に特定のリスク因子の色付きブロックが存在しないことは、そのリスク因子が偏頭痛の重さに関して患者3の疾患誘因でもプロテクタでもないこと、或いは、少なくとも偏頭痛の重さに関してそのリスク因子が患者3の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論を下すのに十分なデータをサーバシステムが有していないことを示す。また、列610内に色付きブロックが存在するリスク因子については、色付きブロックのサイズによって、そのリスク因子が患者3の偏頭痛の重さを増大又は減少させる傾向にある度合いが示される。
【0078】
列612は一連のボックスを含み、列612の各個々のボックスは、一連のリスク因子604内の特定のリスク因子に対応する。列612の各ボックスのブロックの色(又はブロックの欠如)は、対応するリスク因子が患者3の偏頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、すなわちこのリスク因子が患者3の偏頭痛の発症確率を高める傾向にあるか、それとも下げる傾向にあるかを示す。列612に特定のリスク因子の色付きブロックが存在しないことは、そのリスク因子が偏頭痛の発症に関して患者3の疾患誘因でもプロテクタでもないこと、或いは、少なくとも偏頭痛の発症に関してそのリスク因子が患者3の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論を下すのに十分なデータをサーバシステムが有していないことを示す。また、列612内に色付きブロックが存在するリスク因子については、色付きブロックのサイズによって、そのリスク因子が患者3の偏頭痛の発症確率を上昇又は低下させる傾向にある度合いが示される。
【0079】
非偏頭痛頭痛の重さ及び発症を表す列614及び616のそれぞれの色付きブロック(又はブロックの欠如)は、偏頭痛の重さ及び発症を表す列610及び612の色付きブロック(又はブロックの欠如)とそれぞれ同様である。
【0080】
具体的に言えば、列614は一連のボックスを含み、列614の各個々のボックスは、一連のリスク因子604内の特定のリスク因子に対応する。列614の各ボックスのブロックの色(又はブロックの欠如)は、対応するリスク因子が患者3の非偏頭痛頭痛の重さの疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、すなわちこのリスク因子が患者3の非偏頭痛頭痛の重さを増大させる傾向にあるか、それとも減少させる傾向にあるかを示す。列614に特定のリスク因子の色付きブロックが存在しないことは、そのリスク因子が非偏頭痛頭痛の重さに関して患者3の疾患誘因でもプロテクタでもないこと、或いは、少なくとも非偏頭痛頭痛の重さに関してそのリスク因子が患者3の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論を下すのに十分なデータをサーバシステムが有していないことを示す。また、列614内に色付きブロックが存在するリスク因子については、色付きブロックのサイズによって、そのリスク因子が患者3の非偏頭痛頭痛の重さを増大又は減少させる傾向にある度合いが示される。
【0081】
列616は一連のボックスを含み、列616の各個々のボックスは、一連のリスク因子604内の特定のリスク因子に対応する。列616の各ボックスのブロックの色(又はブロックの欠如)は、対応するリスク因子が非偏頭痛頭痛の発症の疾患誘因であるか、それともプロテクタであるか(又はどちらでもないか)、すなわちこのリスク因子が患者3の非偏頭痛頭痛の発症確率を高める傾向にあるか、それとも下げる傾向にあるかを示す。列616に特定のリスク因子の色付きブロックが存在しないことは、そのリスク因子が非偏頭痛頭痛の発症に関して患者3の疾患誘因でもプロテクタでもないこと、或いは、少なくとも非偏頭痛頭痛の発症に関してそのリスク因子が患者3の疾患誘因又はプロテクタであるとの結論を下すのに十分なデータをサーバシステムが有していないことを示す。また、列616内に色付きブロックが存在するリスク因子については、色付きブロックのサイズによって、そのリスク因子が患者3の非偏頭痛頭痛の発症確率を上昇又は低下させる傾向にある度合いが示される。
【0082】
視覚化600は、第1の疾患症状を偏頭痛として示し、第2の疾患症状を非偏頭痛頭痛として示しているが、同様にさらなる又は別の疾患症状を表示することもできる。また、視覚化600は、紫色ブロックを使用して特定のリスク因子が疾患誘因であることを示し、青色ブロックを使用して特定のリスク因子がプロテクタであることを示し、色付きブロックの欠如によって特定のリスク因子が疾患誘因でもプロテクタでもないことを示しているが、これらに代えて他の色又は表示を使用することもできる。また、サイズ(この例では長さ)は、(p≦0.5~p≧0.001の)統計的関連性の強さを表す。ただし、同様に他の色、表示及び(例えば、サイズ以外の)相関を使用することもできる。
【0083】
視覚化600では、列610によって示す偏頭痛の重さの場合、紫色ブロック620が、悲しみが患者3の偏頭痛の疾患誘因であり、すなわち悲しみが患者3の偏頭痛の重さを増大させる傾向にあることを示す。同様に、紫色ブロック620は、怒りも患者3の偏頭痛の誘因であり、すなわち怒りが患者3の偏頭痛の重さを増大させる傾向にあることを示す。紫色ブロック620は紫色ブロック622よりも大きく、このことは、患者3にとって悲しみが怒りよりも偏頭痛の重さにより影響を与えることを示す。
【0084】
また、青色ブロック624は、幸福が患者3の偏頭痛の重さのプロテクタであり、すなわち幸福が患者3の偏頭痛の重さを減少させる傾向にあることを示す。同様に、青色ブロック626は、爽やかな目覚めも患者3の偏頭痛の重さのプロテクタであり、すなわち爽やかな目覚めが患者3の偏頭痛の重さを減少させる傾向にあることを示す。青色ブロック624は青色ブロック626よりも大きく、このことは、患者3にとって幸福が爽やかな目覚めよりも偏頭痛の重さにより影響を与えることを示す。ここでは、患者3の偏頭痛の重さが爽やかな目覚めよりも幸福によって大きく減少される傾向にある。
【0085】
さらに、ストレス、アルコール、チョコレート及び他の多くのリスク因子についての青色又は紫色ブロックが列610内に存在しないことは、(i)ストレス、アルコール、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックが列610内に存在しない他のあらゆるリスク因子)が患者3の偏頭痛の重さの疾患誘因又はプロテクタでないこと、或いは、(ii)ストレス、アルコール、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックが列610内に存在しない他のあらゆるリスク因子)が患者3の偏頭痛の重さに影響を与えるかどうか、又はその度合いについての結論をサーバシステムが下すためのデータが不十分であること、のいずれかを示す。
【0086】
列612は、個々のリスク因子が患者3の偏頭痛の発症に影響を与えるかどうか、及びその度合いを示すのに対し、列610は、個々のリスク因子が患者3の偏頭痛の重さに影響を与えるかどうか、及びその度合いを示すという点を除き、列612は列610と同様である。
【0087】
例えば、列612によって示される偏頭痛の発症では、紫色ブロック628が、大きな音が患者3の偏頭痛の発症の誘因であり、すなわち大きな音が患者3の偏頭痛の発症確率を高める傾向にあることを示す。同様に、紫色ブロック630は、適度な活動も患者3の偏頭痛の発症の誘因であり、すなわち適度な活動が患者3の偏頭痛の発症確率を高める傾向にあることを示す。紫色ブロック628は紫色ブロック630よりも大きく、このことは、患者3にとって大きな音が適度な活動よりも偏頭痛の発症確率を高めることを示す。
【0088】
また、青色ブロック632は、休養が患者3の偏頭痛の発症のプロテクタであり、すなわち休養が患者3の偏頭痛の発症確率を減少させる傾向にあることを示す。
【0089】
さらに、ストレス、アルコール、チョコレート及び他の多くのリスク因子についての青色又は紫色ブロックが列612内に存在しないことは、(i)ストレス、アルコール、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックが列612内に存在しない他のあらゆるリスク因子)が患者3の偏頭痛の発症の疾患誘因又はプロテクタでないこと、或いは、(ii)ストレス、アルコール、チョコレート(及び対応する青色又は紫色ブロックが列612内に存在しない他のあらゆるリスク因子)が患者3の偏頭痛の発症確率を高める傾向にあるか、それとも下げる傾向にあるか、又はその度合いについての結論をサーバシステムが下すためのデータが不十分であること、のいずれかを示す。
【0090】
視覚化600は、2つの異なる疾患症状の重さと発症の両方(例えば、列610における偏頭痛の重さ、列612における偏頭痛の発症、列614における非偏頭痛頭痛の重さ、及び列616における非偏頭痛頭痛の発症)のリスク因子の疾患誘因データ及びプロテクタデータを患者3について横並びに表示することにより、個々の患者の偏頭痛及び非偏頭痛頭痛の重さ及び発症のリスク因子間の関係性、又は場合によってはその欠如を研究者に(又は場合によっては患者3又は他の患者に)示す。
【0091】
また、特定のリスク因子が複数の疾患症状の重さ及び発症に影響を与えるかどうか、及びその度合いを複数の患者について横並びに表示することにより、研究者及び/又は患者は、複数の患者又は患者集団の偏頭痛の重さ及び発症、並びに非偏頭痛頭痛の重さ及び発症のリスク因子間の関係、又は場合によってはその欠如に容易にアクセスすることができる。
【0092】
研究者(及び/又は患者)は、視覚化500及び600によって、(i)特定の患者の疾患誘因及びプロテクタが、その特定の患者の患者集団内の及び/又は患者集団外の他の患者と比較してどのようであるか、(ii)特定の患者集団において、ある疾患誘因又はプロテクタが、疾患症状の発症及び重さの両方の点で、より優勢か、それともより劣勢か、及びその度合い、及び/又は、(iii)ある患者が、その患者の患者集団内の及び/又は患者集団外の他の患者と比べて、より多くの疾患誘因を有するか、それともより少ない疾患誘因を有するか、及びその度合い、を検討し、考察することができる。上述したように、患者集団は、全員が1又は2以上の類似性(例えば、同じ年齢又は年齢層、同じ性別、同じ民族、同じ国籍、同じ疾患、同じアレルギー、同じ遺伝子マーカ、及び/又は場合によってはその他の類似性)を共有する多く(数百人、数千人、又は場合によっては数百万人)の患者を含むことができる。患者の中には、複数の患者集団のメンバーである者も存在し得る。
【0093】
例えば、ブロック634は、偏頭痛の重さ、偏頭痛の発症、非偏頭痛頭痛の重さ及び非偏頭痛頭痛の発症について睡眠時間が患者3及び52にどれほど影響を与えるかを示す。
【0094】
具体的に言えば、列610内の睡眠時間に対応する紫色ブロックは、睡眠時間が患者3の偏頭痛の重さの誘因であり、すなわち睡眠時間が患者3の偏頭痛の重さを高める傾向にあることを示す。列612内に睡眠時間に対応するブロックが存在しないことは、睡眠時間が患者3の偏頭痛の発症に影響しないこと、或いは少なくとも睡眠時間が患者3の偏頭痛の発症に影響を与えるかどうか、又はその度合いについて結論を下すためのデータが不十分であることを示す。列614内の睡眠時間に対応する紫色ブロックは、睡眠時間が患者3の非偏頭痛頭痛の重さの誘因であり、すなわち睡眠時間が患者3の非偏頭痛頭痛の重さを増大させる傾向にあることを示す。列616内の睡眠時間に対応する小さな青色ブロックは、睡眠時間が患者3の非偏頭痛頭痛の発症のプロテクタであり、すなわち睡眠時間が患者3の非偏頭痛頭痛の発症確率を低下させる傾向にあることを示す。
【0095】
同様に、列636内の睡眠時間に対応する青色ブロックは、睡眠時間が患者52の偏頭痛の重さのプロテクタであり、すなわち睡眠時間が患者52の偏頭痛の重さを減少させる傾向にあることを示す。列638内に睡眠時間に対応するブロックが存在しないことは、睡眠時間が患者52の偏頭痛の発症に影響しないこと、或いは少なくとも睡眠時間が患者52の偏頭痛の発症に影響を与えるかどうか、又はその度合いについて結論を下すためのデータが不十分であることを示す。列640内の睡眠時間に対応する青色ブロックは、睡眠時間が患者52の非偏頭痛頭痛の重さのプロテクタであり、すなわち睡眠時間が患者52の非偏頭痛頭痛の重さを減少させる傾向にあることを示す。また、列642内に睡眠時間に対応するブロックが存在しないことは、睡眠時間が患者52の非偏頭痛頭痛の発症に影響しないこと、或いは少なくとも睡眠時間が患者52の非偏頭痛頭痛の発症に影響を与えるかどうか、又はその度合いについて結論を下すためのデータが不十分であることを示す。
【0096】
いくつかの実施形態では、視覚化500及び/又は600が、以下に限定するわけではないが、患者、患者集団、性別、年齢、年齢層、地理的位置、民族、国籍、雇用タイプ又は場所、移動行程、治療、遺伝子マーカ、疾患症状、疾患症状の重さ、疾患症状の頻度、疾患誘因及び疾病プロテクタを含む多くの因子のうちの1つ又は2つ以上に基づく誘因データ及びプロテクタデータの記憶、フィルタ処理及び/又は分析を可能にする1又は2以上の入力フィールド(図示せず)をさらに含み、又はこのような入力フィールドを別様に伴うことができる。動作中、これらの記憶及び/又はフィルタ処理されたデータは、個々の患者及び/又は患者集団の疾患症状発症の類似性及び疾患症状/プロテクタの識別に役立つことができ、或いは場合によっては表示及び分析のために患者又は患者集団を異なる組にグループ化するのを容易にすることができる。
【0097】
上記の概要は例示的なものにすぎず、決して限定を意図するものではない。図及び対応する技術的説明を参照することにより、上述した例示的な態様、実施形態及び特徴に加えてさらなる態様、実施形態及び特徴が明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0098】
500 梯子型視覚化
502 リスク因子
504 列
506 列
508 青色ブロック
510 青色ブロック
512 青色ブロック
514 青色ブロック
516 紫色ブロック
518 紫色ブロック
520 紫色ブロック
522 紫色ブロック
524 ボックス
【手続補正書】
【提出日】2022-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムの作動方法であって、
複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップと、
前記患者集団について、ロバスト分散推定を含むCox比例ハザード分析に基づいて前記疾患因子と前記疾患症状との間の多変量関連性を決定し、Cox比例ハザードモデルに対するAndersen-Gill拡張の計数プロセス法を使用して時間依存変数、時間依存階層及び患者毎の複数の事象が組み込まれるようにするステップと、
Wald検定を使用して、前記決定された関連性の1又は2以上の統計的有意性を決定するステップと、
各決定された関連性について、ハザード比分析に基づいて前記疾患症状に対する前記疾患因子の影響を決定するステップと、
1よりも大きな多変量ハザードを有する前記患者集団の疾患因子を、(i)前記患者集団内の患者に前記疾患症状を生じさせるもの、又は(ii)前記患者集団内の患者に前記疾患症状が生じるのを防ぐもの、の少なくとも一方に有意に関連する疾患因子として識別するステップと、
前記疾患症状の患者集団誘因視覚化をグラフィカルユーザインターフェイスに表示させるステップと、
を含み、
前記誘因視覚化は、複数の行及び複数の列を含み、
前記複数の行及び前記複数の列は、
第1の列であって、第1の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第1の列の第1の行は、第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第1の列と、
第2の列であって、前記第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第2の列と、
第3の列であって、第2の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第3の列と、
を含む、
ことを特徴とする作動方法。
【請求項2】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第4の列をさらに含み、該第4の列は、前記第2の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項1に記載の作動方法。
【請求項3】
前記第1の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が、前記第1の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項1に記載の作動方法。
【請求項4】
前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項1に記載の作動方法。
【請求項5】
前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項1に記載の作動方法。
【請求項6】
前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項2に記載の作動方法。
【請求項7】
1又は2以上のプロセッサによって実行された時に1又は2以上のコンピュータシステムに方法を実行させる命令を記憶した有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
複数の患者を含む患者集団からの疾患症状及び疾患因子の入力を受け取るステップと、
個々の疾患因子が、(i)前記患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状を生じさせる傾向にあるか、それとも(ii)前記患者集団内の個々の患者に個々の疾患症状が生じるのを防ぐ傾向にあるかを決定するステップと、
前記疾患症状の患者集団誘因視覚化をグラフィカルユーザインターフェイスに表示させるステップと、
を含み、
前記誘因視覚化は、複数の行及び複数の列を含み、
前記複数の行及び前記複数の列は、
第1の列であって、第1の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第1の列の第1の行は、第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第1の列と、
第2の列であって、前記第1の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第2の列と、
第3の列であって、第2の患者の第1の疾患症状に対応し、前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む第3の列と、
を含む、
有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記誘因視覚化は、前記第2の患者のための第4の列をさらに含み、該第4の列は、前記第2の患者の第2の疾患症状に対応し、前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の疾患誘因又は疾患プロテクタである度合いの表示を含む、
請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記第1の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が、前記第1の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第2の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第1の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第3の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第1の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記第4の列の前記第1の行は、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の重さに良い又は悪い影響を与える度合いの表示と、前記第1のリスク因子が前記第2の患者の前記第2の疾患症状の発症に良い又は悪い影響を与える度合いの表示を含む、
請求項8に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】