(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007981
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】水質改善装置及び供給システム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20220105BHJP
C02F 1/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
C02F1/00 B
C02F1/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023782
(22)【出願日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2020076018
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020192012
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】511264560
【氏名又は名称】ビクトリージャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】511264054
【氏名又は名称】岩崎 海水
(71)【出願人】
【識別番号】520143074
【氏名又は名称】株式会社クリクラ東海
(71)【出願人】
【識別番号】520143085
【氏名又は名称】西出 正寛
(71)【出願人】
【識別番号】520429565
【氏名又は名称】坂井 恵理子
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】千葉 恒久
(72)【発明者】
【氏名】西出 正寛
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 海水
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082EE01
3E082EE02
3E082FF05
3E082FF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給する水質改善装置、及び給水システムを提供する。
【解決手段】水質改善装置200は、ケースと、内部流路900と、を備える。ケースは、水質改善材54、55が配置される内部空間331を形成する。ケースは、給水タンク2の水を当該水質改善装置の内部空間へ流入させる流入口201と、内部空間の水を貯蔵部へ流出するための流出口203と、を有する。内部流路は、内部空間と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である。ケースは、流入口を形成する筒状の部材であって、内部空間の上端よりも低い位置に突出する導入部32を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置であって、
前記水質改善装置は、
水質改善材が配置される内部空間を形成するケースであって、前記給水タンクの水を当該水質改善装置の前記内部空間へ流入させる流入口と、前記内部空間の水を前記貯蔵部へ流出するための流出口と、を有するケースと、
前記内部空間と、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である内部流路と、
を備え、
前記ケースは、前記流入口を形成する筒状の部材であって、前記内部空間の上端よりも低い位置に突出する導入部を備える、水質改善装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水質改善装置であって、
前記内部流路には内部弁部が設けられ、
前記内部弁部は、前記内部空間の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に前記外部空間から前記内部空間に向かって流体を流入可能であると共に、前記内部流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記内部空間の水が前記外部空間に流出するのを抑制するよう構成される、水質改善装置。
【請求項3】
請求項2に記載の水質改善装置であって、
前記内部弁部は、鉛直方向に沿って並んで複数配置される、水質改善装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の水質改善装置であって、
前記貯蔵部と、前記外部空間と、を連通する流路である外部流路を更に備え、前記外部流路には外部弁部が設けられ、
前記外部弁部は、前記外部空間から前記貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも前記外部流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記外部流路を閉鎖するよう構成される、水質改善装置。
【請求項5】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置であって、
前記給水タンクの水を前記貯蔵部に誘導する導入部と、
内部空間を有する部位であって、前記内部空間には、前記導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、前記水質改善材が配置される部位である水質改善部と、
前記内部空間と、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である第1流路に設けられた第1弁部と、
前記貯蔵部と、前記外部空間と、を連通する流路である第2流路に設けられた第2弁部と、
を備え、
前記第1弁部は、少なくとも前記第1流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも前記内部空間の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に開放され、
前記第2弁部は、前記外部空間から前記貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも前記第2流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記第2流路を閉鎖するよう構成される、水質改善装置。
【請求項6】
請求項5に記載の水質改善装置であって、
前記第1弁部は、前記第1流路に沿って並んで複数配置される、水質改善装置。
【請求項7】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置であって、
前記給水タンクの水を前記貯蔵部に誘導する導入部と、
内部空間を有する部位であって、前記内部空間には、前記導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、前記水質改善材が配置される部位である水質改善部と、
前記給水タンクと、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路であるタンク用流路に設けられたタンク用弁部と、
前記貯蔵部と、前記外部空間と、を連通する流路である貯蔵部用流路に設けられた貯蔵部用弁部と、
を備え、
前記タンク用弁部は、前記給水タンク内の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に前記外部空間から前記給水タンクに向かって流体を流入可能であると共に、前記タンク用流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記給水タンク内の水が前記外部空間に流出するのを抑制するよう構成され、
前記貯蔵部用弁部は、前記外部空間から前記貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも前記貯蔵部用流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記貯蔵部用流路を閉鎖するよう構成される、水質改善装置。
【請求項8】
請求項7に記載の水質改善装置であって、
前記タンク用弁部は、鉛直方向に沿って並んで複数配置される、水質改善装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の水質改善装置であって、
前記貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備え、
前記タンク用弁部は、前記蓋部から上方に突出する管状の部位である管部と、前記管部の内部を上下方向に移動可能であるフロート部と、を備え、
前記フロート部は、前記フロート部の側壁面に、上下方向に沿って延伸する溝を備える、水質改善装置。
【請求項10】
請求項5から請求項9までのいずれか1項に記載の水質改善装置であって、
前記貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備え、
前記蓋部は、前記導入部を備え、
前記水質改善部は、前記内部空間を形成するハウジングであって、上方に前記水を導入する筒状の開口部を備えるハウジングを備え、
前記蓋部の下面と、前記開口部の上端との間には円環状のパッキンが挟まっており、
前記蓋部は、前記パッキンの内側に沿って前記蓋部の下面から突出する円環状の壁面を更に備える、水質改善装置。
【請求項11】
請求項10に記載の水質改善装置であって、
前記蓋部は、前記蓋部の下面から突出する少なくとも4つのリブを更に備え、
前記少なくとも4つのリブは前記導入部を中心に放射状に形成される、水質改善装置。
【請求項12】
請求項5から請求項11までのいずれか1項に記載の水質改善装置であって、
前記貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備え、
前記水質改善部は、前記内部空間を形成するハウジングを備え、
少なくとも前記蓋部及び前記ハウジングが、ポリアセタール製である、水質改善装置。
【請求項13】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される
水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置であって、
前記給水タンクの水を前記貯蔵部に誘導する導入部と、
前記貯蔵部と、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である外部流路に設けられた外部弁部と、
前記導入部を介して、前記貯蔵部と、前記給水タンクと、を連通するバイパス流路と、
を備え、
前記外部弁部は、少なくとも前記外部流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも前記貯蔵部内の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に開放され、
前記バイパス流路は、当該バイパス流路を閉鎖すると共に、前記貯蔵部から前記給水タンクへと向かう流体により開放されるバイパス弁部を有する、水質改善装置。
【請求項14】
請求項13に記載の水質改善装置であって、
前記バイパス流路の一部が前記導入部の内部にある、水質改善装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の水質改善装置であって、
前記給水タンクは、前記給水タンク内の気圧が前記外部空間の気圧よりも低くなっても、前記給水タンクの形状を、前記給水タンク内の気圧が低くなる前と略同一の形状に維持する、水質改善装置。
【請求項16】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置と、を有する供給装置に用いられるシステムであって、前記給水タンクと、前記水質改善装置と、を備える供給システムにおいて、
前記水質改善装置は、
前記給水タンクの水を前記貯蔵部に誘導する導入部と、
内部空間を有する部位であって、前記内部空間には、前記導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、前記水質改善材が配置される部位である水質改善部と、
前記内部空間と、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である第1流路に設けられた第1弁部と、
前記貯蔵部と、前記外部空間と、を連通する流路である第2流路に設けられた第2弁部と、
を備え、
前記第1弁部は、少なくとも前記第1流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも前記内部空間の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に開放され、
前記第2弁部は、前記外部空間から前記貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも前記第2流路の水位が一定の水準に達している場合に、前記第2流路を閉鎖するよう構成され、
前記給水タンクは、前記外部空間から内部へ空気を流入させる通気孔を備える、供給システム。
【請求項17】
給水タンクと、前記給水タンクよりも下側に設けられ、前記給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置と、を有する供給装置に用いられるシステムであって、前記給水タンクと、前記水質改善装置と、を備える供給システムにおいて、
前記水質改善装置は、
前記給水タンクの水を前記貯蔵部に誘導する導入部と、
前記貯蔵部と、前記供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である外部流路に設けられた外部弁部と、
前記導入部を介して、前記貯蔵部と、前記給水タンクと、を連通するバイパス流路と、
を備え、
前記外部弁部は、少なくとも前記外部流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも前記貯蔵部内の気圧が前記外部空間の気圧よりも低い場合に開放され、
前記バイパス流路は、当該バイパス流路を閉鎖すると共に、前記貯蔵部から前記給水タンクへと向かう流体により開放されるバイパス弁部を有し、
前記給水タンクは、前記外部空間から内部へ空気を流入させる通気孔を備える、供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、供給装置に用いられる水質改善装置、及び水質改善装置と給水ボトルとを備える供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水道水などを貯留する給水タンクを設置し、給水タンクの水を濾過して冷却タンクに導き貯蔵する、冷温水供給装置が記載されている。冷温水供給装置では、冷水コックから冷却タンクに貯蔵された水が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような冷温水供給装置では、ユーザが飲料水を取水する際、冷水タンクの水が冷水コックからスムーズに供給されることが望ましい。また、給水タンクから冷却タンクにもスムーズに水が供給されることが望ましい。そのために、冷却タンクや給水タンクに空気を取り入れることが必要となるが、そのための流路を設けると、冷温水供給装置の外部へ水漏れしやすくなるという問題があった。
【0005】
本開示の一局面は、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給する水質改善装置、及び給水システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ、給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置である。水質改善装置は、ケースと、内部流路と、を備える。ケースは、水質改善材が配置される内部空間を形成する。ケースは、給水タンクの水を当該水質改善装置の内部空間へ流入させる流入口と、内部空間の水を貯蔵部へ流出するための流出口と、を有する。内部流路は、内部空間と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である。ケースは、流入口を形成する筒状の部材であって、内部空間の上端よりも低い位置に突出する導入部を備える。
【0007】
このような構成によれば、内部流路から外部の空気を取り込み、給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに貯蔵部に供給できる。また、内部空間の水が導入部の下端よりも上昇するのが抑制される。これにより、内部空間には、導入部の下端と内部流路との間に空気層ができるため、内部流路からの水漏れを抑制することができる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0008】
本開示の一態様では、内部流路には内部弁部が設けられてもよい。内部弁部は、内部空間の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に外部空間から内部空間に向かって流体を流入可能であると共に、内部流路の水位が一定の水準に達している場合に、内部空間の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成されてもよい。ここでいう気圧とは、空気の圧力のことである。特に内部空間の気圧は、温度の影響を受けて変化しやすい。
【0009】
このような構成によれば、内部流路の水位が一定の水準まで上昇すると、内部弁部が内部流路を閉鎖するため、外部への水漏れを抑制できる。
【0010】
本開示の一態様では、内部弁部は、鉛直方向に沿って並んで複数配置されてもよい。
このような構成によれば、内部流路から外部への水漏れをより抑制しやすくなる。
【0011】
本開示の一態様は、貯蔵部と、外部空間と、を連通する流路である外部流路を更に備え、外部流路には外部弁部が設けられてもよい。外部弁部は、外部空間から貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも外部流路の水位が一定の水準に達している場合に、外部流路を閉鎖するよう構成されてもよい。
このような構成によれば、外部流路の水位が一定の水準まで上昇すると、外部弁部が外部流路を閉鎖するため、外部への水漏れを抑制できる。
【0012】
本開示の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置である。水質改善装置は、導入部と、水質改善部と、第1弁部と、第2弁部と、を備える。導入部は、給水タンクの水を貯蔵部に誘導する。水質改善部は、内部空間を有する部位であって、内部空間には、導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、水質改善材が配置される部位である。第1弁部は、内部空間と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である第1流路に設けられる。第2弁部は、貯蔵部と、外部空間と、を連通する流路である第2流路に設けられる。第1弁部は、少なくとも第1流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも内部空間の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放される。第2弁部は、外部空間から貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも第2流路の水位が一定の水準に達している場合に、第2流路を閉鎖するよう構成される。
このような構成によれば、第1弁部及び第2弁部が、それぞれ第1流路及び第2流路を開放することで、給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。また、第1弁部及び第2弁部が、それぞれ第1流路及び第2流路を閉鎖することで、外部への水漏れを抑制できる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0013】
本開示の一態様では、第1弁部は、第1流路に沿って並んで複数配置されてもよい。
このような構成によれば、いずれかの第1弁部が不具合や故障により正常に作動しなくても、第1流路を好適に開閉できる。
【0014】
本開示の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ、給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置である。水質改善装置は、導入部と、水質改善部と、タンク用弁部と、貯蔵部用弁部と、を備える。導入部は、給水タンクの水を貯蔵部に誘導する。水質改善部は、内部空間を有する部位であって、内部空間には、導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、水質改善材が配置される部位である。タンク用弁部は、給水タンクと、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路であるタンク用流路に設けられる。貯蔵部用弁部は、貯蔵部と、外部空間と、を連通する流路である貯蔵部用流路に設けられる。タンク用弁部は、給水タンク内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に外部空間から給水タンクに向かって流体を流入可能であると共に、タンク用流路の水位が一定の水準に達している場合に、給水タンク内の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成される。貯蔵部用弁部は、外部空間から貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも貯蔵部用流路の水位が一定の水準に達している場合に、貯蔵部用流路を閉鎖するよう構成される。
【0015】
このような構成によれば、タンク用弁部及び貯蔵部用弁部が、それぞれタンク用流路及び貯蔵部用流路を開放することで、給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。また、タンク用弁部及び貯蔵部用弁部が、それぞれタンク用流路及び貯蔵部用流路を閉鎖することで、外部への水漏れを抑制できる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0016】
本開示の一態様では、タンク用弁部は、鉛直方向に沿って並んで複数配置されてもよい。
このような構成によれば、タンク用流路から外部への水漏れをより抑制しやすくなる。
【0017】
本開示の一態様は、貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備えてもよい。タンク用弁部は、管部と、フロート部と、を備えてもよい。管部は、蓋部から上方に突出する管状の部位である。フロート部は、管部の内部を上下方向に移動可能である。また、フロート部は、溝を備えてもよい。溝は、フロート部の側壁面に、上下方向に沿って延伸する。
このような構成によれば、外部から流入する空気の通り道を確保できる。
【0018】
本開示の一態様は、貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備えてもよい。蓋部は、導入部を備えてもよい。水質改善部は、内部空間を形成するハウジングであって、上方に水を導入する筒状の開口部を備えるハウジングを備えてもよい。蓋部の下面と、開口部の上端との間には円環状のパッキンが挟まっていてもよい。蓋部は、パッキンの内側に沿って蓋部の下面から突出する円環状の壁面を更に備えてもよい。
このような構成によれば、パッキンのずれにより生じる水漏れを抑制することができる。
【0019】
本開示の一態様は、蓋部は、蓋部の下面から突出する少なくとも4つのリブを更に備えてもよい。少なくとも4つのリブは導入部を中心に放射状に形成されてもよい。
このような構成によれば、蓋部の歪みにより生じる水漏れを抑制することができる。
【0020】
本開示の一態様は、貯蔵部の開口を覆うように形成された蓋部を更に備えてもよい。水質改善部は、内部空間を形成するハウジングを備えてもよい。少なくとも蓋部及びハウジングが、ポリアセタール製であってもよい。
このような構成によれば、成形性を向上させやすくなる。
【0021】
本開示の別の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、を有する供給装置に用いられ、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置である。水質改善装置は、導入部と、外部弁部と、バイパス流路と、を備える。導入部は、給水タンクの水を貯蔵部に誘導する。外部弁部は、貯蔵部と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である外部流路に設けられる。バイパス流路は、導入部を介して、貯蔵部と、給水タンクと、を連通する。外部弁部は、少なくとも外部流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも貯蔵部内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放される。バイパス流路は、当該バイパス流路を閉鎖すると共に、貯蔵部から給水タンクへと向かう流体により開放されるバイパス弁部を有する。
【0022】
このような構成によれば、外部弁部及びバイパス弁部が、それぞれ外部流路及びバイパス流路を開放することで、給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。また、外部弁部が外部流路を閉鎖することで、外部への水漏れを抑制できる。また、バイパス弁部がバイパス流路を
閉鎖することで、給水タンクの水が水質改善部を通過せずに冷水タンクに流出するのを抑制することができる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0023】
本開示の一態様では、バイパス流路の一部が導入部の内部にあってもよい。
このような構成によれば、給水タンクに空気を導きやすくなる。
【0024】
本開示の一態様では、給水タンクは、給水タンク内の気圧が外部空間の気圧よりも低くなっても、給水タンクの形状を、給水タンク内の気圧が低くなる前と略同一の形状に維持してもよい。
このような給水タンクが供給装置に用いられる場合、給水タンク内の水が減少すると、給水タンク内が負圧になり、給水タンクから貯蔵部に水が供給され難くなる。これに対し、上記構成の水質改善装置を用いた場合には、給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、給水タンク内が負圧になるのを抑制でき、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0025】
本開示の別の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ、給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置と、を有する供給装置に用いられるシステムであって、給水タンクと、水質改善装置と、を備える供給システムである。水質改善装置は、導入部と、水質改善部と、第1弁部と、第2弁部と、を備える。導入部は、給水タンクの水を貯蔵部に誘導する。水質改善部は、内部空間を有する部位であって、内部空間には、導入部により誘導された水が水質改善材を通過するように、水質改善材が配置される部位である。第1弁部は、内部空間と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である第1流路に設けられる。第2弁部は、貯蔵部と、外部空間と、を連通する流路である第2流路に設けられる。第1弁部は、少なくとも第1流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも内部空間の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放される。第2弁部は、外部空間から貯蔵部へと流体を流入させると共に、少なくとも第2流路の水位が一定の水準に達している場合に、第2流路を閉鎖するよう構成される。給水タンクは、外部空間から内部へ空気を流入させる通気孔を備える。
【0026】
このような構成によれば、第1弁部及び第2弁部が、それぞれ第1流路及び第2流路を開放することで、給水タンクに空気を循環させることができる。また、通気孔からも給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。また、第1弁部及び第2弁部が、それぞれ第1流路及び第2流路を閉鎖することで、外部への水漏れを抑制できる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【0027】
本開示の別の一態様は、給水タンクと、給水タンクよりも下側に設けられ、給水タンクから供給される水を貯蔵する貯蔵部と、貯蔵部における上部に形成された開口に設けられる水質改善装置と、を有する供給装置に用いられるシステムであって、給水タンクと、水質改善装置と、を備える供給システムである。水質改善装置は、導入部と、外部弁部と、バイパス流路と、を備える。導入部は、給水タンクの水を貯蔵部に誘導する。外部弁部は、貯蔵部と、供給装置の外部の外部空間と、を連通する流路である外部流路に設けられる。バイパス流路は、導入部を介して、貯蔵部と、給水タンクと、を連通する。外部弁部は、少なくとも外部流路の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも貯蔵部内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放される。バイパス流路は、当該バイパス流路を閉鎖すると共に、貯蔵部から給水タンクへと向かう流体により開放されるバイパス弁部を有する。給水タンクは、外部空間から内部へ空気を流入させる通気孔を備える。
【0028】
このような構成によれば、外部弁部及びバイパス弁部が、それぞれ外部流路及びバイパス流路を開放することで、給水タンクに空気を循環させることができる。また、通気孔からも給水タンクに空気を循環させることができる。これにより、水質改善装置は、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。また、外部弁部が外部流路を閉鎖することで、外部への水漏れを抑制できる。また、バイパス弁部がバイパス流路を閉鎖することで、給水タンクの水が水質改善部を通過せずに冷水タンクに流出するのを抑制することができる。したがって、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンクの水をよりスムーズに供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1実施形態における、本体部が断面図として表された冷温水供給装置の側面図である。
【
図2】第1実施形態の水質改善装置の斜視図である。
【
図3】第1実施形態の水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図4】スリットを備える構成における蓋部の斜視図である。
【
図5】第2実施形態の水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図6】第3実施形態の水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図7】タンク用弁部及び貯蔵用弁部の模式図である。
【
図8】第3実施形態における蓋部の下面の斜視図である。
【
図9】第4実施形態の水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図10】第4実施形態における蓋部の下面の斜視図である。
【
図11】第4実施形態の変形例における蓋部の下面の斜視図であって、貫通孔が設けられた図である。
【
図12】第4実施形態の変形例における蓋部の上面の斜視図であって、タンク用流路が設けられた図である。
【
図13】第1流路に第1弁部が2つ配置された水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図14】第1流路がL字状の流路として形成された水質改善装置を側面視した断面図である。
【
図15】下部フロートを備え、下部フロートと管部との間に隙間が形成された第1弁部の模式図である。
【
図16】下部フロートを備え、管部に溝が形成された第1弁部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1に示す水質改善装置1は、水を浄化するための装置である。水質改善装置1は、冷温水供給装置100の一部として実装される。冷温水供給装置100は、浄化された水を供給するための装置である。冷温水供給装置100は、会社や家庭等のフロア上に設置される。
【0031】
冷温水供給装置100は、給水タンク2と、本体部3と、を備える。また、本体部3は、ボトルガード4と、スクリューキャップ5と、冷水タンク6と、水質改善装置1と、温水タンク7と、冷却システム8と、ヒータ9と、を備える。
【0032】
給水タンク2は、冷温水供給装置100に供給する水が貯えられる。給水タンク2には、下面の中央から下方に突出し、給水タンク2の内部に連通する開口を形成する筒状の部
位である出口部が形成されている。
【0033】
スクリューキャップ5は、給水タンク2の出口部に装着され、給水タンク2の開口を塞ぐよう構成される。スクリューキャップ5の中央には、穴部が形成されていると共に、スクリューキャップ5は、穴部を囲む縁部から突出する管状の部位である接続部を有する。スクリューキャップ5が出口部に装着された際、接続部は、スクリューキャップ5の中央から給水タンク2の内部に突出する。
【0034】
そして、給水タンク2は、出口部にスクリューキャップ5が装着された状態で、本体部3の上部に配置される。具体的には、本体部3の上部には、ボトルガード4が設けられており、給水タンク2は、スクリューキャップ5がボトルガード4に結合するように配置される。
【0035】
給水タンク2の上部には、給水タンク2内へ空気が流入するよう小さな通気孔21が設けられても良い。通気孔21には、外部空間に向かう流体の背圧により当該通気孔21を閉鎖する逆止弁が設けられていても良い。なお、該逆止弁は、様々な材料から構成され得る。このような逆止弁を設けることで、給水タンク2内の水が外部空間に流出するのを抑制しつつ、通気孔21から給水タンク2に空気を流入させることができる。このため、給水タンク2から冷水タンク6へと供給される水の流速を早めることができ、よりスムーズに水を供給できる。
【0036】
また、給水タンク2は、可撓性の低い材料により構成されている。このため、給水タンク2から水が供給され、給水タンク2内の気圧が冷温水供給装置100の外部(以後、外部空間)よりも低くなっても、給水タンク2は収縮しにくく、給水タンク2の形状は、内部の気圧が低くなる前と略同一の形状に維持される。
【0037】
冷水タンク6は、給水タンク2よりも下側に設けられ、給水タンク2から供給される水を貯蔵する。
冷水タンク6の下部には、冷水取水管10を介して冷水タンク6に接続される冷水取水口11が設けられており、ユーザは、冷水取水口11を介して冷水タンク6に蓄積されている水を取水することができる。
【0038】
冷水タンク6は、冷却システム8に含まれるエバポレータにより側方から囲まれており、エバポレータにより冷水タンク6内の水が冷却される。
温水タンク7は、冷水タンク6の下方に設けられ、セパレータ12及び連通管13を介して、冷水タンク6に接続されている。冷水タンク6の水は、連通管13を介して温水タンク7に供給される。
【0039】
温水タンク7の上部には、温水取水管14を介して温水タンク7に接続される温水取水口15が設けられており、ユーザは、温水取水口15を介して温水タンク7に蓄積されている水を取水することができる。
温水タンク7は、ヒータ9により側方から囲まれており、ヒータ9により温水タンク7内の水が温められる。
【0040】
[1-2.水質改善装置]
水質改善装置1は、蓋部31と、導入部32と、水質改善部33と、第1弁部34と、第2弁部35と、を備える(
図2、3参照)。
【0041】
蓋部31は、冷水タンク6の上部に形成された開口を覆うように配置される略円形の部位である。冷水タンク6の開口は、蓋部31により封止される。また、蓋部31は、給水
タンク2の出口部に装着されたスクリューキャップ5に当接する。蓋部31は、円環部41と、第1流路42と、第2流路43と、縁部44と、リッドパッキン45と、を備える。
【0042】
なお、
図4に示すように、蓋部31には、蓋部31の上側の空間と下側の空間とを連通するスリット311が複数設けられていても良い。これにより、経年による蓋部31の変形や製造時における蓋部31の変形が抑制され得る。ただし、水質改善装置1に装着される際には、スリット311に図示しないキャップをはめ込み、蓋部31の上側の空間と下側の空間とを連通させないようにする。
【0043】
円環部41は、蓋部31から上方に突出する壁状の部位であり、蓋部31の中央を囲むように円環状に延びる。給水タンク2の出口部及びスクリューキャップ5は、円環部41の内側に配置される。
【0044】
第1流路42は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、後述する内部空間331と、外部空間と、を連通する流路である。第1流路42は、円環部41の外側に位置する。
【0045】
第2流路43は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、冷水タンク6の内部における水質改善部33(詳細は後述する)の外側の領域(以後、外側領域)と、外部空間と、を連通する流路である。第2流路43は、第1流路42と蓋部31の径方向に並び、第1流路42の外側に位置する。
【0046】
縁部44は、蓋部31の外周縁から下方に突出する壁状の部位である。縁部44は、蓋部31の外周縁を周回するように延びる。蓋部31が冷水タンク6の開口に配置される際、縁部44はリッドパッキン45を挟んで冷水タンク6の開口を囲む縁に当接し、該開口を封止する。
【0047】
導入部32は、蓋部31の略中央から上方に突出する管状の部位であり、蓋部31の上側の空間と下側の空間とを連通する流路を形成する。導入部32は、給水タンク2の出口部に装着されたスクリューキャップ5の接続部に挿入され、給水タンク2の水は、導入部32の流路を通過して冷水タンク6へと誘導される。
【0048】
水質改善部33は、導入部32の下方に水質改善材を配置するための内部空間331を形成する。内部空間331は、冷水タンク6の内部に位置する。水質改善部33は、第1壁部51と、第2壁部52と、底部53と、を有する。
【0049】
第1壁部51は、蓋部31の下面から下方(換言すれば、冷水タンク6の内部)に突出し、内部空間331を側方から囲む円環状の部位である。第1壁部51は、冷水タンク6の側壁から離間した状態で設けられる。以後、内部空間331における第1壁部51の内側の領域を、上側領域とする。
【0050】
第2壁部52は、第1壁部51の下方に突出し、内部空間331における第1壁部51の下側の部分に、3つの室を形成する。各室は、上下方向に延びる円柱状であり、導入部32を通過して上下方向に延びる中心線を囲むように配置される。
【0051】
底部53は、第2壁部52の下端に設けられており、各室を下方から覆う。底部53は、各室と底部53の下側の空間とを連通する微細な連通孔を複数有する。
そして、上側領域には、第1水質改善材54が配置され、各室には、第2水質改善材55が配置される。第1水質改善材54には、一例として、活性炭を含むフィルタが用いら
れる。なお、上側領域に配置された第1水質改善材54と蓋部31との間には、隙間が形成される。一方、第2水質改善材55には、一例として、中空糸膜が用いられる。第1水質改善材54と第2水質改善材55とは、上下方向に積層されるように配置される。このため、給水タンク2の水は、第1水質改善材54と第2水質改善材55とを通過した後にユーザに供給される。なお、第1水質改善材54として、粉末状の活性炭が用いられてもよい。
【0052】
第1弁部34は、少なくとも第1流路42の水位が一定の水準に達している場合に第1流路42を閉鎖し、少なくとも内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に第1流路42を開放するよう構成される。
【0053】
一例として、第1弁部34は、第1流路42の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。第1弁部34は、水の浮力により変位する弁体と、第1流路42を流下する流体を通過させる開口と、を有する。そして、第1流路42の水位が一定以上の場合には、弁体が開口に接近するように変位して開口を閉鎖する。一方、該水位が一定未満の場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。このため、内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、第1流路42が開放される。
【0054】
なお、第1弁部34は、例えば、流体の背圧によって作動する弁体と、第1流路42を流下する流体を通過させる開口と、を有する逆止弁として構成されていても良い。具体的には、第1弁部34は、第1流路42の水位が一定の水準に達しており、第1流路42から外部空間に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。このため、内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、第1流路42が開放される。
【0055】
また、第1弁部34は、例えば、一方向に突出する管状の弁体を有するダックビルとして構成されていても良い。なお、該ダックビルは、ノーマリークローズ型又はノーマリーオープン型として構成され得る。該ダックビルは、弁体が内部空間331に向かって突出するように第1流路42に配置される。
【0056】
そして、ダックビルがノーマリークローズ型であるときにおいては、第1流路42の水位が低く、弁体が内部空間331内の空気に晒されており、且つ、内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、弁体が開放して第1流路42が開放される。一方、そうでない場合には、弁体が閉鎖して第1流路42が閉鎖される。このため、第1流路42の水位が一定の水準に達している場合には、第1流路42が閉鎖される。
【0057】
また、ダックビルがノーマリーオープン型のときにおいては、第1流路42の水位が一定の水準に達しており、弁体が水に浸っている場合には、水圧により弁体が閉鎖されて第1流路42が閉鎖される。このため、第1流路42の水位が一定の水準に達している場合には、第1流路42が閉鎖される。一方、そうでない場合には、弁体が開放して第1流路42が開放される。このため、内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、第1流路42が開放される。
【0058】
第2弁部35は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも第2流路43の水位が一定の水準に達している場合に、第2流路43を閉鎖するよう構成される。
【0059】
一例として、第2弁部35は、第2流路43の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。第2弁部35は、水
の浮力により変位する弁体と、第2流路43を流下する流体を通過させる開口と、を有する。そして、第2流路43の水位が一定以上の場合には、弁体が開口に接近するように変位して開口を閉鎖すると共に、該水位が一定未満の場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。
【0060】
なお、第2弁部35は、例えば、逆止弁として構成されていても良い。具体的には、第2弁部35は、第2流路43の水位が一定の水準に達しており、第2流路43から外部空間に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。
【0061】
また、第2弁部35は、例えば、ノーマリーオープン型のダックビルとして構成されていても良い。該ダックビルは、弁体が外側領域に向かって突出するように第2流路43に配置される。具体的には、第2流路43の水位が一定の水準に達しており、弁体が水に浸っている場合には、水圧により第2弁部35の弁体が閉鎖されて第2流路43が閉鎖され、そうでない場合には、弁体が開放して第2流路43が開放される。
【0062】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)第1弁部34は、少なくとも第1流路42の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放されるよう構成される。また、第2弁部35は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも第2流路43の水位が一定の水準に達している場合に、第2流路43を閉鎖するよう構成される。このような構成によれば、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0063】
すなわち、冷水取水口11による冷水タンク6内の水の取水が開始されると、冷水タンク6内の水の自重により冷水取水口11から取水される。そして、冷水タンク6内の水が減少する、つまり、第2流路43の水位が下がると、第2弁部35が開放される。これにより、外部空間から冷水タンク6内へ空気が流入可能となる。よって、冷水タンク6内の水の取水がスムーズに継続される。
【0064】
また、冷水タンク6内の水の減少に応じて、給水タンク2から冷水タンク6に水が供給される。この時、給水タンク2からの水の供給開始時には、水の自重により導入部32、水質改善装置1を通って冷水タンク6に水が供給される。しかし、水の供給に伴い、給水タンク2内の空気が負圧となり、給水タンク2から水が供給されにくくなる。これに伴い、冷水タンク6内(換言すれば、内部空間331)の水位も下がり、内部空間331の空気が負圧となり、その結果、第1弁部34が開放される。これにより、外部空間から内部空間331へ空気が流入し、さらに、該空気が給水タンク2へ流入可能となる。よって、給水タンク2からの水の供給がスムーズに継続される。
【0065】
また、水質改善装置1を通って給水タンク2から冷水タンク6に水が流入すると、冷水タンク6内の空気は第2弁部35から外部空間へ流出する。さらに、給水タンク2から冷水タンク6に水が流入し、第2流路43の水位が一定の水準に達すると、第2弁部35が閉鎖される。これにより、冷水タンク6から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0066】
また、給水タンク2から内部空間331に水が流入し、第1流路42の水位が一定の水準に達すると、第1弁部34が閉鎖される。これにより、内部空間331から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0067】
(1b)給水タンク2は、外部空間から給水タンク2の内部へ空気を流入させる通気孔
21を備えていても良い。このような場合には、給水タンク2から水が供給される際、外部空間から給水タンク2へ空気が流入しやすくなるため、給水タンク2から供給される水の流速を早めることが可能となり、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0068】
(1c)給水タンク2は、給水タンク2内の気圧が外部空間の気圧よりも低くなっても、給水タンク2の形状を、給水タンク2内の気圧が低くなる前と略同一の形状に維持する。このような給水タンク2が冷温水供給装置100に用いられる場合、給水タンク2内の水が減少すると、給水タンク2内が負圧になり、給水タンク2から冷水タンク6に水が供給され難くなる。これに対し、本実施形態の水質改善装置1を用いた場合には、給水タンク2に空気を循環させることができる。これにより、給水タンク2内が負圧になるのを抑制でき、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
[1-4.特許請求の範囲との対応]
なお、第1実施形態では、冷水タンク6が貯蔵部に相当する。
【0069】
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態の水質改善装置1は、第1流路42と、第2流路43と、第1弁部34と、第2弁部35と、に替えて、外部流路61と、外部弁部62と、バイパス流路63と、を備える点で、第1実施形態と相違する。なお、第2実施形態の水質改善装置1における他の部分は、第1実施形態と同様の構成を有する。以下では、第2実施形態の水質改善装置1における第1実施形態との相違点について説明する(
図5参照)。
【0070】
外部流路61は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、外側領域と、外部空間と、を連通する流路である。
外部弁部62は、少なくとも外部流路61の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも冷水タンク6内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放されるよう構成される。
【0071】
一例として、外部弁部62は、外部流路61の水位が一定の水準に達している場合には閉鎖され、そうでない場合には開放されるフロート弁として構成される。外部弁部62は、水の浮力により変位する弁体と、外部流路61を流下する流体を通過させる開口と、を有する。そして、外部流路61の水位が一定以上の場合には、弁体が開口に接近するように変位して開口を閉鎖すると共に、該水位が一定未満の場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。このため、冷水タンク6内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、外部流路61が開放される。
【0072】
なお、外部弁部62は、例えば、逆止弁として構成されていても良い。具体的には、外部弁部62は、外部流路61の水位が一定の水準に達しており、外部流路61から外部空間に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。このため、冷水タンク6内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、外部流路61が開放される。
【0073】
また、外部弁部62は、例えば、ダックビルとして構成されていても良い。該ダックビルは、弁体が外側領域に向かって突出するように外部流路61に配置される。
そして、ダックビルがノーマリークローズ型であるときにおいては、外部流路61の水位が低く、弁体が外側領域内の空気に晒されており、且つ、外側領域の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、弁体が開放して外部流路61が開放される。一方、そうでない場合には、弁体が閉鎖して外部流路61が閉鎖される。このため、外部流路61の水位が一定の水準に達している場合には、外部流路61が閉鎖される。
【0074】
また、ダックビルがノーマリーオープン型のときにおいては、外部流路61の水位が一定の水準に達しており、弁体が水に浸っている場合には、水圧により弁体が閉鎖されて外部流路61が閉鎖され、そうでない場合には、弁体が開放して外部流路61が開放される。このため、冷水タンク6内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、外部流路61が開放される。
【0075】
バイパス流路63は、導入部32を介して、外側領域と、給水タンク2の内部と、を連通する管状の流路である。バイパス流路63における外側領域に位置する第1端は、外側流路と水質改善部33の第1壁部51との間に配置される。また、バイパス流路63の第2端は、導入部32の内部に位置する。また、バイパス流路63は、外側領域から給水タンク2の内部に至るまでに、蓋部31の上側と内部空間331とを通過する。
【0076】
バイパス流路63は、当該バイパス流路63を閉鎖すると共に、外側領域から給水タンク2へと向かう流体により開放されるバイパス弁部64を有する。該バイパス弁部64は、一例として、バイパス流路63の第2端に設けられる。
【0077】
バイパス弁部64は、例えば、ダックビルとして構成される。該ダックビルは、弁体が給水タンク2に向かって突出するように配置される。
そして、ダックビルがノーマリークローズ型であるときにおいては、外側領域から給水タンク2へと向かう空気により弁体が開放してバイパス流路63が開放され、そうでない場合には、弁体が閉鎖してバイパス流路63が閉鎖される。
【0078】
また、ダックビルがノーマリーオープン型のときにおいては、弁体が給水タンク2内の水に浸っている場合には、水圧により弁体が閉鎖されてバイパス流路63が閉鎖され、そうでない場合には、弁体が開放してバイパス流路63が開放される。また、弁体が水に浸っていても、外側領域から給水タンク2へと向かう空気により弁体が開放してバイパス流路63が開放される。
【0079】
なお、バイパス弁部64は、例えば、逆止弁として構成されていても良い。具体的には、バイパス弁部64は、給水タンク2からバイパス流路63を通って外側領域に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。また、バイパス弁部64が設けられる位置は、第2端に限られず、例えば、バイパス流路63の内部であっても良い。
【0080】
[2-2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)外部弁部62は、少なくとも外部流路61の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、少なくとも冷水タンク6内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に開放されるよう構成される。また、バイパス流路63は、当該バイパス流路63を閉鎖すると共に、冷水タンク6から給水タンク2へと向かう流体により開放されるバイパス弁部64を有するよう構成される。このような構成によれば、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0081】
すなわち、冷水取水口11による冷水タンク6内の水の取水が開始されると、冷水タンク6内の水の自重により冷水取水口11から取水される。そして、冷水タンク6内の水が減少する、つまり、外部流路61の水位が下がると、外部弁部62が開放される。これにより、外部空間から冷水タンク6内へ空気が流入可能となる。よって、冷水タンク6内の水の取水がスムーズに継続される。
【0082】
また、冷水タンク6内の水の減少に応じて、給水タンク2から冷水タンク6に水が供給
される。この時、給水タンク2からの水の供給開始時には、水の自重により導入部32、水質改善装置1を通って冷水タンク6に水が供給される。これに伴い、冷水タンク6内の空気がバイパス流路63を通って給水タンク2に向かい、バイパス弁部64を開放することで、空気が給水タンク2に流入する。よって、給水タンク2からの水の供給がスムーズに継続される。
【0083】
また、さらに給水タンク2から冷水タンク6に水が流入し、外部流路61の水位が一定の水準に達すると、外部弁部62が閉鎖される。これにより、冷水タンク6から外部空間への水漏れを抑制できる。
また、バイパス弁部64が開放されている状態で給水タンク2の水に浸かっていても、給水タンク2内の空気が負圧となっているため、バイパス流路63に逆流しにくくなっている。
【0084】
(2b)バイパス流路63の一部が導入部32の内部にある。このような構成によれば、給水タンク2に空気を導きやすくなる。
【0085】
[3.第3実施形態]
[3-1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態の水質改善装置1は、第1流路42と、第2流路43と、第1弁部34と、第2弁部35と、に替えて、
図6に示すように、タンク用流路90と、タンク用弁部91と、貯蔵部用流路92と、貯蔵部用弁部93と、を備える点で、第1実施形態と相違する。また、蓋部31の下面の構成が、第1実施形態と相違する。なお、第3実施形態の水質改善装置1における他の部分は、第1実施形態と同様の構成を有する。以下では、第3実施形態の水質改善装置1における第1実施形態との相違点について説明する。
【0086】
タンク用流路90は、蓋部31の上面から突出する筒状の部分と、内部空間331及び導入部32を介する部分とが組み合わさった部位であり、給水タンク2と、外部空間と、を連通する流路である。タンク用流路90における蓋部31の上面から突出する筒状の部分は、円環部41の外側に位置する。
【0087】
貯蔵部用流路92は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、外側領域と、外部空間と、を連通する流路である。貯蔵部用流路92は、タンク用流路90における蓋部31の上面から突出する筒状の部分と蓋部31の径方向に並び、タンク用流路90における蓋部31の上面から突出する筒状の部分の外側に位置する。
【0088】
タンク用弁部91は、給水タンク2内の気圧が外部空間の気圧よりのも低い場合に外部空間から給水タンク2に向かって流体を流入可能であると共に、タンク用流路90の水位が一定の水準に達している場合に、給水タンク2内の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成される。
【0089】
一例として、タンク用弁部91は、タンク用流路90の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。
図7に示すように、フロート弁は、管部94と、フロート部95と、を備える。
【0090】
管部94とは、蓋部31から上方に突出する管状の部位である。管部94の上端には、開口が形成された天井部96が備えられる。
タンク用弁部91は、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。具体的には、管部94と、フロート部95と、天井部96と、により形成されるタンク用弁部91が二組配置される。また、管部94は、下側に位置するタンク用弁部91に備わる管部94aと、上側に位置するタンク用弁部91に備わる管部94bと、の2つの部品により形成されている
。上側に位置する管部94aは、下側に位置する管部94bの上部にはめ込まれるように形成されている。
【0091】
フロート部95とは、一例としてシリコンにより形成された弁体である。フロート部95は、管部94内の水の浮力により上方に変位し、管部94の開口を閉鎖すると共に、管部94内を下方に変位し管部94の開口を開放する。
【0092】
フロート部95は、下側部951と、支持部952と、棒部953と、を備える。下側部951は、タンク用流路90内の水により浮かぶ部位であり、天井部96の開口を塞ぐように構成される。支持部952は、天井部96に引っかかるように構成される部位である。棒部953は、下側部951と支持部952とを接続する部位である。
【0093】
天井部96の下面には、天井部96の開口に沿って形成される制止部97が備えられる。一例として、中央に孔が形成された円板状のシール部材が備えられる。管部94内の水の浮力により上方に変位した下側部951と制止部97とが当接し、ずれにくくなることで、下側部951が天井部96の開口を塞ぎやすくなる。なお、制止部97として用いられる部材は特定のシール部材に限られない。例えば、Oリングが用いられてもよいし、天井部96の下面にシリコンを吹き付けて付着させてもよい。
【0094】
下側部951の側壁面には、上下方向に沿って延伸する溝が設けられる。具体的には、下側部951の側壁面に設けられた突起部954と突起部954との間に溝が形成される。突起部954とは、一例としてシリコンにより形成され、上下方向に延伸するリブ状の部材である。なお、突起部954は、下側部951の側面に複数設けられても良い。また、突起部954は、面取りがされていてもよい。これにより、突起部954と管部94との接触面積が減少し、スムーズに変位しやすくなる。
【0095】
下側部951の底面には、凹み955が形成されている。下側に位置するフロート部95が水に浮かび上昇した場合、下側に位置するフロート部95における支持部952が、上側に位置するフロート部95における凹み955に収納される。これにより、下側部951の底面に凹み955が形成されない場合と比較して、タンク用弁部91の高さを低く設計することができる。なお、下側に位置するフロート部95と上側に位置するフロート部95とは、別部品であって、それぞれ個別に上昇及び下降する構成であってもよいし、一体として上昇及び下降するように形成されていてもよい。
【0096】
なお、タンク用弁部91は、例えば、流体の背圧によって作動する弁体と、タンク用流路90を流下する流体を通過させる開口と、を有する逆止弁として構成されていても良い。具体的には、タンク用弁部91は、タンク用流路90の水位が一定の水準に達しており、タンク用流路90から外部空間に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。このため、給水タンク2の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合には、タンク用流路90が開放される。
【0097】
図6に戻り、貯蔵部用弁部93は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも貯蔵部用流路92の水位が一定の水準に達している場合に、貯蔵部用流路92を閉鎖するよう構成される。
【0098】
一例として、貯蔵部用弁部93は、貯蔵部用流路92の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。貯蔵部用弁部93は、水の浮力により変位する弁体と、貯蔵部用流路92を流下する流体を通過させる開口と、を有する。そして、貯蔵部用流路92の水位が一定以上の場合には、弁体が開
口に接近するように変位して開口を閉鎖すると共に、該水位が一定未満の場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。
【0099】
また、貯蔵部用弁部93は、タンク用弁部91と同様に、管部94と、フロート部95と、を備える。さらに、貯蔵部用弁部93は、タンク用弁部91と同様に、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。
【0100】
蓋部31の下面と、第1壁部51の上部との間には、円環状のパッキン46が挟まっている。蓋部31は、パッキン46の内側に沿って蓋部31の下面から突出する円環状の壁面47を備える。また、蓋部31は、パッキン46の外側に沿って蓋部31の下面から突出する嵌合部48を備える。嵌合部48と、第1壁部51の上部とは、回転して固定されるように構成されている。
【0101】
また、
図8に示すように、蓋部31は、蓋部31の下面から突出する4つのリブ49を備える。4つのリブ49は、導入部32を中心に放射状に形成される。なお、蓋部31の下面には、壁面47の内側に緩衝部を備えていてもよい。一例として、緩衝部には、導入部32を中心とするドーナツ状の、弾力性のあるスポンジが用いられる。なお、緩衝部には、弾力性のない部材が用いられてもよいし、スポンジ以外が用いられてもよい。
また、蓋部31と、第1壁部51と、第2壁部52とは、ポリアセタール製である。
【0102】
[3-2.効果]
(3a)第3実施形態では、タンク用弁部91は、給水タンク2内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に外部空間から給水タンク2に向かって流体を流入可能であると共に、タンク用流路90の水位が一定の水準に達している場合に、給水タンク2内の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成されている。また、貯蔵部用弁部93は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも貯蔵部用流路92の水位が一定の水準に達している場合に、貯蔵部用流路92を閉鎖するよう構成される。このような構成によれば、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0103】
すなわち、冷水取水口11による冷水タンク6内の水の取水が開始されると、冷水タンク6内の水の自重により冷水取水口11から取水される。そして、冷水タンク6内の水が減少する、つまり、貯蔵部用流路92の水位が下がると、貯蔵部用弁部93が開放される。これにより、外部空間から冷水タンク6内へ空気が流入可能となる。よって、冷水タンク6内の水の取水がスムーズに継続される。また、温水取水口15により温水タンク7内の温水が取水されるときも同様である。つまり、温水タンク7内の温水が減少するに伴い、冷水タンク6内の水が減少することにより、貯蔵部用流路92の水位が下がると、貯蔵部用弁部93が開放される。これにより、温水タンク7内の温水の取水がスムーズに継続される。
【0104】
また、冷水タンク6内の水の減少に応じて、給水タンク2から冷水タンク6に水が供給される。この時、給水タンク2からの水の供給開始時には、水の自重により導入部32、水質改善装置1を通って冷水タンク6に水が供給される。しかし、水の供給に伴い、給水タンク2内の空気が負圧となり、給水タンク2から水が供給されにくくなる。これに伴い、タンク用弁部91が開放される。これにより、外部空間から給水タンク2へ空気が流入可能となる。よって、給水タンク2からの水の供給がスムーズに継続される。
【0105】
また、水質改善装置1を通って給水タンク2から冷水タンク6に水が流入すると、冷水タンク6内の空気は貯蔵部用弁部93から外部空間へ流出する。さらに、給水タンク2から冷水タンク6に水が流入し、貯蔵部用流路92の水位が一定の水準に達すると、貯蔵部
用弁部93が閉鎖される。これにより、冷水タンク6から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0106】
また、給水タンク2からタンク用流路90に水が流入し、タンク用流路90の水位が一定の水準に達すると、タンク用弁部91が閉鎖される。これにより、給水タンク2から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0107】
(3b)第3実施形態では、タンク用弁部91は、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。このような構成によれば、下側に位置するタンク用弁部91が正常に閉鎖されなくても、上側に位置するタンク用弁部91で閉鎖することができるため、外部空間への水漏れを抑制できる。
【0108】
(3c)第3実施形態では、フロート部95は、下側部951の側壁面に、上下方向に沿って延伸する溝を備える。このような構成によれば、溝、つまり突起部954が設けられていない箇所には、管部94と下側部951との間に隙間ができるため、外部空間から流入する空気の通り道を確保できる。また、下側部951が上方に変位する際に傾きにくくなり、天井部96の開口を好適に閉鎖できる。
【0109】
(3d)第3実施形態では、蓋部31は、パッキン46の内側に沿って蓋部31の下面から突出する円環状の壁面47を備える。このような構成によれば、パッキン46の位置を固定しやすくなる。よって、円環状の壁面47が備えられない構成と比較して、蓋部31の下面と、第1壁部51の上部とを当接する際に、パッキン46の位置がずれにくくなり、パッキン46のずれにより生じる水漏れを抑制することができる。
【0110】
(3e)第3実施形態では、蓋部31は、蓋部31の下面から突出する4つのリブ49を備え、4つのリブ49は導入部32を中心に放射状に形成されている。このような構成によれば、給水タンク2が配置されたときに、給水タンク2の重みで蓋部31が歪むのを抑制することができる。よって、蓋部31の歪みにより生じる水漏れを抑制することができる。
【0111】
(3f)第3実施形態では、蓋部31と、第1壁部51と、第2壁部52とは、ポリアセタール製である。このような構成によれば、蓋部31と第1壁部51とを当接したときに密閉するよう成形性を向上させやすくなる。
【0112】
[3-3.第3実施形態の変形例]
(1)第3実施形態では、
図6に示すように、タンク用流路90は、給水タンク2と外部空間とを連通する。しかし、例えば、タンク用流路90における内部空間331側の側面には、孔が設けられてもよい。このような構成によれば、給水タンク2内の空気が膨張し、給水タンク2からタンク用流路90を介して外部空間へ水が逆流しようとする際に、孔から内部空間331へ水を流出させることができ、外部空間への水漏れを抑制することができる。
【0113】
[4.第4実施形態]
[4-1.第1実施形態との相違点]
第4実施形態の水質改善装置200は、第1流路42と、第2流路43と、第1弁部34と、第2弁部35と、に替えて、
図9に示すように、内部流路900と、外部流路920と、内部弁部910と、外部弁部930と、を備える点で、第1実施形態と相違する。また、給水タンク2の構成、蓋部31の下面の構成及び導入部32の構成が、第1実施形態と相違する。なお、第4実施形態の水質改善装置200における他の部分は、第1実施形態と同様の構成を有する。以下では、第4実施形態の水質改善装置200における第1
実施形態との相違点について説明する。
【0114】
内部流路900は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、内部空間331と、外部空間と、を連通する流路である。内部流路900は、円環部41の外側に位置する。
【0115】
外部流路920は、蓋部31の上面から突出する筒状の部位であり、冷水タンク6の内部における水質改善部33の外側の領域である外側領域と、外部空間と、を連通する流路である。外部流路920は、内部流路900と蓋部31の径方向に並び、内部流路900の外側に位置する。
【0116】
内部弁部910は、内部空間331の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に外部空間から内部空間331に向かって流体を流入可能であると共に、内部流路900の水位が一定の水準に達している場合に、内部空間331の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成される。ここでいう内部空間331の気圧とは、内部空間331に水が導入された状態においては、その水が存在しない空間の気圧である。その空間は、通常、内部空間331における鉛直方向上側に位置するため、内部流路900と繋がる。また、外部空間から内部空間331に向かって流入する流体は、通常、外部空間の空気である。
【0117】
一例として、内部弁部910は、内部流路900の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。内部弁部910は、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。フロート弁の構成は、
図7に示すように、第3実施形態のフロート弁と同様である。
【0118】
外部弁部930は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも外部流路920の水位が一定の水準に達している場合に、外部流路920を閉鎖するよう構成される。
【0119】
一例として、外部弁部930は、外部流路920の水位が一定の水準に達している場合に閉鎖され、そうでない場合に開放されるフロート弁として構成される。外部弁部930は、内部弁部910と同様に、管部94と、フロート部95と、を備える。さらに、外部弁部930は、内部弁部910と同様に、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。
【0120】
図9及び
図10に示すように、導入部32は、筒状の部材であって、内部空間331の上端よりも低い位置に突出している。導入部32は、給水タンク2の水を水質改善装置200の内部空間331へ流入させる流入口201を形成する。
【0121】
蓋部31の下面と、第1壁部51の上部との間には、円環状のパッキン46が挟まっている。蓋部31は、パッキン46の内周側に沿って蓋部31の下面から突出する円環状の壁面47を備える。また、蓋部31は、パッキン46の外周側に沿って蓋部31の下面から突出する嵌合部48を備える。嵌合部48の一部には、蓋部31の中央側が開口する溝が形成されている。嵌合部48と、第1壁部51とは、嵌合部48に第1壁部51の上部が嵌合するように相対的に第1壁部51を回転することにより固定されるように構成されている。
【0122】
また、蓋部31は、蓋部31の下面から突出する4つのリブ49を備える。4つのリブ49は、導入部32を中心に放射状に形成される。
また、蓋部31と、第1壁部51と、第2壁部52とは、ポリアセタール製である。
【0123】
底部53には、内部空間331の水を冷水タンク6へ流出するための流出口203が形
成されている。流出口203は、複数の微細な連通孔を含む。
図9に示すように、給水タンク2には、給水タンク2内から外部空間へ空気が流出するよう、排気孔211が設けられる。排気孔211には、空気は通過させるが水は透過させないフィルタが設けられる。これにより、例えば給水タンク2内の空気が膨張しても、排気孔211から外部空間に空気を流出させることができる。排気孔211には、給水タンク2内に向かう流体の背圧により当該排気孔を閉鎖する逆止弁が設けられていてもよい。なお、該逆止弁は、様々な材料から構成され得る。
【0124】
[4-2.効果]
(4a)第4実施形態において、導入部32の下端部202は、内部空間331の上端よりも低い位置に突出している。このような構成によれば、内部空間331の水が導入部32の下端よりも上昇するのを抑制することができる。なぜならば、給水タンク2の水が導入部32を介して内部空間331に導入され、水面が上昇して下端部202まで到達すると(下端部202と同じ高さの仮想線210の位置まで水面が上がると)、給水タンク2側に空気が流れなくなるため、給水タンク2内部の気圧及び水の重さと大気圧の釣り合いが取れるためである。よって、内部空間331には、導入部32の下端から蓋部31の下面までの間に空気層ができる。
【0125】
ここで、気温の変化によって内部空間331内の水位が変化することがある。例えば、気温があがると、給水タンク2内の空気が膨張し、給水タンク2から水が押し出される。これにより、内部空間331内の水位が上がる。また、例えば、冬場など、外部空間の気温が低いときには、冷水タンク6内に夏場よりも大きな氷が張ることがある。これにより、内部空間331内の水位が上がり得る。
【0126】
また、気圧が変化することによっても、内部空間331内の水位が変化することがある。例えば、外部空間の気圧が下がることで、給水タンク2内の空気が膨張し、給水タンク2から水が押し出される。これにより、内部空間331内の水位が上がる。
【0127】
このような場合においても、導入部32が内部空間331の上端よりも低い位置に突出していれば、空気層の部分がバッファとなり、内部空間331の水が導入部32の下端から内部空間331の上端に上がりきるまでは内部流路900や外部流路920に水が向かわないので、外部空間への水漏れを抑制できる。
【0128】
(4b)第4実施形態では、内部弁部910は、内部空間331内の気圧が外部空間の気圧よりも低い場合に外部空間から内部空間331に向かって流体を流入可能であると共に、内部流路900の水位が一定の水準に達している場合に、内部空間331内の水が外部空間に流出するのを抑制するよう構成されている。また、外部弁部930は、外部空間から冷水タンク6へと流体を流入させると共に、少なくとも外部流路920の水位が一定の水準に達している場合に、外部流路920を閉鎖するよう構成される。このような構成によれば、外部への水漏れを抑制しつつ、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0129】
すなわち、冷水取水口11による冷水タンク6内の水の取水が開始されると、冷水タンク6内の水の自重により冷水取水口11から取水される。外部弁部930が開放されているため、外部空間から冷水タンク6内へ空気が流入する。よって、冷水タンク6内の水の取水がスムーズに継続される。また、温水取水口15により温水タンク7内の温水が取水されるときも同様である。これにより、温水タンク7内の温水の取水がスムーズに継続される。
【0130】
また、冷水タンク6内の水の減少に応じて、内部空間331の内部の水面も低下するた
め、給水タンク2から冷水タンク6に水が供給される。給水タンク2から水が供給される際、まず水の自重により導入部32、水質改善装置200を通って冷水タンク6に水が供給される。水の供給に伴い、内部空間331の空気が給水タンク2に流入する。これに伴い、内部流路900から外部空間の空気が内部空間331に流入する。よって、給水タンク2からの水の供給がスムーズに継続される。
【0131】
また、水質改善装置200を通って給水タンク2から冷水タンク6に水が流入すると、冷水タンク6内の空気は外部弁部930から外部空間へ流出する。さらに、給水タンク2から冷水タンク6に水が流入し、外部流路920の水位が一定の水準に達すると、外部弁部930が閉鎖される。これにより、冷水タンク6から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0132】
また、給水タンク2から内部空間331に水が流入し、内部流路900の水位が一定の水準に達すると、内部弁部910が閉鎖される。これにより、内部空間331から外部空間への水漏れを抑制できる。
【0133】
(4c)第4実施形態では、内部弁部910は、鉛直方向に沿って並んで2つ配置される。このような構成によれば、下側に位置する内部弁部910が正常に閉鎖されなくても、上側に位置する内部弁部910で閉鎖することができるため、外部空間への水漏れを抑制できる。
なお、第1壁部51と、第2壁部52と、底部53と、蓋部31とが、ケースに相当する。
【0134】
[4-3.第4実施形態の変形例]
(1)給水タンク2から供給される水の水温によって、第1水質改善材54及び第2水質改善材55を通過する水の濾過速度が変化することがある。例えば、水温が低いときは、水温が高いときと比較して、濾過速度が遅くなる。このような場合、例えば20℃以上に温めた水を供給すると、濾過速度を速めることができる。よって、例えば導入部32や内部空間331の第1水質改善材54よりも上流側などに、供給される水を加熱するヒータを備えてもよい。ただし、第1水質改善材54及び第2水質改善材55の耐熱性能を考慮した水温であることが好ましい。
【0135】
また、
図11に示すように、蓋部31に、内部空間331と蓋部31の上面とを連通する貫通孔991を備えていてもよい。貫通孔991には、内部空間331から外部空間へ流体が流出しないよう、図示しない逆止弁が設けられていてもよい。これにより、外部空間から空気を取り込むことが可能となり、濾過速度を速めることができる。
【0136】
また、
図8の第3実施形態及び
図12に示すように、内部流路900に代えて、タンク用流路90を備えていてもよい。このとき、導入部32の下端は、タンク用流路90の下面よりも低い位置に突出していてもよい。これにより、給水タンク2に空気を取り込むことができるため、濾過速度を速めることができる。タンク用流路90における内部空間331側の側面には、孔が設けられてもよい。
【0137】
(2)上記実施形態では、内部弁部910及び外部弁部930としてフロート弁が用いられた。しかし、内部弁部910及び外部弁部930の構成はこれに限定されるものではない。例えば、内部弁部910及び外部弁部930として、逆止弁、ダックビル、リードバルブ等が用いられてもよい。
【0138】
(3)上記実施形態では、水質改善装置200は、内部弁部910及び外部弁部930を備えていた。しかし、水質改善装置200は、内部弁部910及び外部弁部930を備
えていなくてもよい。
【0139】
(4)上記実施形態では、水質改善装置200は、内部流路900及び外部流路920を備えていた。しかし、水質改善装置200は、外部流路920を備えていなくてもよい。底部53が、微細な連通孔を複数有することにより、内部空間331と冷水タンク6とは連通していることになる。よって、内部流路900があれば冷水タンク6に内部空間331から水を取り込むことが可能となる。
【0140】
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0141】
(1)上記第1実施形態では、第1流路42に1つの第1弁部34を備える構成を例示した。しかし、
図13に示すように、第1流路42には、第1流路42に沿って並んで配置される複数(一例として、2つ)の第1弁部34が設けられても良い。これにより、いずれかの第1弁部34が不具合や故障により正常に作動しなくても、第1流路42を好適に開閉できる。
【0142】
また、第1流路42に複数の第1弁部34が配置される場合、第1流路42は、例えば、
図14に示すように、蓋部31から上方に突出する縦区間と、縦区間の先端から横に延びる横区間と、を有するL字状の流路として形成されていても良い。そして、縦区間には、1つの第1弁部34、又は、流路に沿って並ぶ複数の第1弁部34が配置されても良い。一方、横区間には、第1流路42を閉鎖すると共に、外部空間から第1流路42へと向かう流体により開放される第3弁部65が、流路に沿って、1つ、又は、複数配置されても良い。
【0143】
第3弁部65は、例えば、ダックビルとして構成される。該ダックビルは、弁体が横区間の所定の位置から縦区間に向かって突出するように配置される。
そして、ダックビルがノーマリークローズ型であるときにおいては、外側領域から第1流路42へと向かう空気により弁体が開放して開口が開放され、そうでない場合には、弁体が閉鎖して開口が閉鎖される。
【0144】
また、ダックビルがノーマリーオープン型のときにおいては、弁体が第1流路42内の水に浸っている場合には、水圧により弁体が閉鎖されて開口が閉鎖され、そうでない場合には、弁体が開放して開口が開放される。
【0145】
なお、第3弁部65は、例えば、逆止弁として構成されていても良い。具体的には、第3弁部65は、第1流路42から外側領域に水が流出しようとする場合には、弁体が開口を閉鎖するよう作動すると共に、そうでない場合には、弁体が開口から離間し、開口が開放される。
【0146】
これにより、いずれかの第1弁部34及び第3弁部65が不具合や故障により正常に作動しなくても、第1流路42を好適に開閉できる。
なお、第2流路43においても、上述したものと同様にして、複数の第2弁部35が設けられていても良いし、第2流路43をL字状に形成して第3弁部65を設けても良い。また、外部流路61においても、上述したものと同様にして、複数の外部弁部62が設けられていても良いし、外部流路61をL字状に形成して第3弁部65を設けても良い。
【0147】
(2)上記実施第1形態、第2実施形態において、第1弁部34、第2弁部35、又は外部弁部62として用いられるフロート弁は、
図15~18に示すように、以下のような
構成を有していても良い。
【0148】
すなわち、フロート弁は、管部71と、上部フロート72と、下部フロート73と、を備えていても良い。
管部71とは、第1流路42、第2流路43、又は外部流路61を形成するように蓋部31から上方に突出する管状の部位である。管部71の上端は壁部74により覆われていると共に、該壁部74には、開口75が形成されている。また、管部71の上端には、キャップ76が配置される。キャップ76の内部には空間が形成されている。また、キャップ76の上部には、通気孔85が設けられている。
【0149】
上部フロート72とは、一例としてシリコンにより形成された弁体である。上部フロート72は、管部71内の水の浮力により上方に変位し、管部71の開口75を閉鎖すると共に、管部71内を下方に変位し管部71の開口75を開放する。
【0150】
上部フロート72は、下側部81と、棒部82と、支持部83と、を備える。下側部81は、第1流路42内の水により浮かぶ部位であり、壁部74の下側に配置される。棒部82は、下側部81の上面から上方に突出し、壁部74の開口75を通過するように配置される。支持部83は、棒部82の上端に設けられ、壁部74の上側に配置される。また、支持部83のサイズは壁部74の開口75よりも大きく、支持部83は該開口75を通過することができない。ただし、支持部83は壁部74の開口75を完全に塞ぐものではなく、支持部83と壁部74とが当接した状態においても、外部空間から管部71へ空気が流入可能であるように構成されている。
【0151】
下部フロート73とは、一例として樹脂により形成された略円柱状の部材である。下部フロート73は、上部フロート72よりも下側に配置される。下部フロート73の水平方向の断面の直径は、管部71の水平方向の断面の直径よりも小さく、下部フロート73と管部71との間には若干の隙間が形成されている。
【0152】
下部フロート73は、管部71の水位が一定以上になると、管部71内の水の浮力により上方に変位する。そして、下部フロート73は、上部フロート72の下側部81に当接し、上部フロート72を上方に押し上げる。下部フロート73により押し上げられた上部フロート72の下側部81は、壁部74に接近するように変位して開口75を閉鎖する。一方、該水位が一定未満の場合には、下部フロート73が下方に変位することで上部フロート72も下方に変位し、支持部83が壁部74に当接した状態となる。この時、支持部83は壁部74により支持された状態となり、下側部81が壁部74から離間して開口75が開放される。
【0153】
このような構成によれば、下部フロート73が管部71に沿った方向で上部フロート72を押し上げることで、例えば、棒部82が傾く等して棒部82に局所的な負荷がかかったり、開口75を好適に閉鎖できなかったりする状況を回避できる。
【0154】
なお、
図16に示すように、管部71の内側には上下方向に延びる溝84が設けられても良い。これにより、管部71の直径とほぼ同じ直径の下部フロート73が使用されても、外部空間から流入する空気の通り道を確保できる。
【0155】
また、
図17に示すように、キャップ76の内部には、浮き球86が配置されていてもよい。浮き球86は、樹脂、シリコン等様々な材料から構成され得る略球状の部材である。
【0156】
浮き球86は、キャップ76内の水位が一定以上になると、キャップ76内の水の浮力
により上方に変位し、通気孔85を閉鎖する。一方、該水位が一定未満の場合には、浮き球86が下方に変位し通気孔85から離間して、通気孔85が開放される。
【0157】
このような構成によれば、上部フロート72が開口75を好適に閉鎖できず、開口75からキャップ76内に水が溢れるような場合でも、浮き球86が通気孔85を閉鎖することにより、外部空間に水が漏れるのを抑制できる。
【0158】
また、
図18に示すように、上部フロート72の側面には、突起部87が設けられても良い。突起部87とは、一例としてシリコンにより形成され、上下方向に延伸するリブ状の部材である。突起部87は、管部71と上部フロート72との隙間に収まるように形成される。なお、突起部87は、上部フロート72の側面に複数設けられても良い。
【0159】
このような構成によれば、上部フロート72が上方に変位する際に傾きにくくなり、開口75を好適に閉鎖できる。また、突起部87が設けられていない箇所には、管部71と上部フロート72との間に隙間があるため、外部空間から流入する空気の通り道を確保できる。
【0160】
(3)上記実施形態では、給水タンク2の上部には、給水タンク2内へ空気が流入するよう小さな通気孔21が設けられていた。しかし例えば、給水タンク2は、通気孔21を設けない構成であっても良い。
【0161】
(4)第1実施形態では、水質改善装置1は、第1流路42と、第2流路43と、第1弁部34と、第2弁部35と、を備えていた。しかし例えば、水質改善装置1は、これらを備えなくても良い。この場合でも、給水タンク2に設けられた通気孔21から給水タンク2内に空気が流入可能であるため、給水タンク2に通気孔21が設けられない構成と比較して、給水タンク2の水をよりスムーズに供給できる。
【0162】
また、第2実施形態では、水質改善装置1は、外部流路61と、外部弁部62と、を備えていた。しかし例えば、水質改善装置1は、これらを備えなくても良い。この場合でも、上述したものと同様の効果が得られる。
【0163】
(5)上記実施形態では、給水タンク2は、可撓性の低い材料により構成されていた。しかし例えば、給水タンク2は、給水タンク2内の気圧が外部空間の気圧よりも低くなるに従って収縮するような、可撓性の高い材料によって構成されても良い。
【0164】
(6)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0165】
1,200…水質改善装置、2…給水タンク、3…本体部、4…ボトルガード、5…スクリューキャップ、6…冷水タンク、7…温水タンク、8…冷却システム、9…ヒータ、10…冷水取水管、11…冷水取水口、12…セパレータ、13…連通管、14…温水取水管、15…温水取水口、21…通気孔、31…蓋部、32…導入部、33…水質改善部、34…第1弁部、35…第2弁部、41…円環部、42…第1流路、43…第2流路、44…縁部、45…リッドパッキン、46…パッキン、47…壁面、48…嵌合部、49…リブ、51…第1壁部、52…第2壁部、53…底部、54…第1水質改善材、55…第2水質改善材、61…外部流路、62…外部弁部、63…バイパス流路、64…バイパス弁部、65…第3弁部、71,94,94a,94b…管部、72…上部フロート、7
3…下部フロート、74…壁部、75…開口、76…キャップ、81,951…下側部、82,953…棒部、83,952…支持部、84…溝、85…通気孔、86…浮き球、87,954…突起部、90…タンク用流路、91…タンク用弁部、92…貯蔵部用流路、93…貯蔵部用弁部、95…フロート部、96…天井部、97…制止部、100…冷温水供給装置、201…流入口、202…下端部、203…流出口、排気孔…211、311…スリット、331…内部空間、900…内部流路、910…内部弁部、920…外部流路、930…外部弁部、955…凹み、991…貫通孔。