(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079856
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】削孔工具
(51)【国際特許分類】
E21B 10/52 20060101AFI20220520BHJP
E21B 10/02 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
E21B10/52
E21B10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190695
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】511213410
【氏名又は名称】MMCリョウテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100208568
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 孔一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 高志
(72)【発明者】
【氏名】長崎 紗也子
(72)【発明者】
【氏名】太田 博士
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129AB04
2D129BA03
2D129BB01
2D129GB03
2D129GB09
(57)【要約】
【課題】ボタンビットの設計を変えること無く、削孔の効率を上げることを目的とする。
【解決手段】Coを2.0~15.0質量%を含み、残部がWCおよび不可避的不純物である組成を有し、結合相を形成しているCo結晶粒のうちの最密六方晶構造を有する結晶粒の面積割合につき、その表面から深さ50μmまでの表面領域の値(A)が60.0~100.0面積%、その表面から50μmを超える内部領域の値(B)が50.0~95.0面積%であり、かつ、A/Bが1.00~2.00であることを特徴とする削孔工具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Coを2.0~15.0質量%を含み、残部がWCおよび不可避的不純物である組成を有し、結合相を形成しているCo結晶粒のうちの最密六方晶構造を有する結晶粒の面積割合につき、その表面から深さ50μmまでの表面領域の値(A)が60.0~100.0面積%、その表面から50μmを超える内部領域の値(B)が50.0~95.0面積%であり、かつ、A/Bが1.00~2.00であることを特徴とする削孔工具。
【請求項2】
Cr3C2を0.2~3.5質量%および/またはVCを0.2~3.7質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の削孔工具。
【請求項3】
前記内部領域のビッカース硬度が1500Hv以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の削孔工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化タングステン(以下、WCということがある)基超硬合金工具(であって、特に、鉱山土木用削孔工具(削岩ビットのチップ、鉱山土木用ボタンビットのゲージチップ等が該当し、以下、削孔工具という)に適用可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
削孔工具は、鉱山での採掘現場、トンネル工事現場で掘削のために使用される工具である。近年、削孔の効率を高めること、すなわち、削孔速度の高速化が求められるようになり、削孔速度の高速化のためにボタンビットの形状を工夫する等の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ドーム型のフェイス面を有し、スカート部の近くで終端する複数のフラッシング溝が軸から半径方向外向きに伸び、ゲージを円周方向に分割するように並び;少なくとも1つのブローホールがネジ穴に繋がり、前記フラッシング溝内のフロントフェイス近辺のフェイスブローとなり;前記各フラッシング溝におけるフローパスは、前記フロントフェイスから前記スカート部にかけて前記軸に対して、凸形状であって;前記フローパスは前記スカート部に向けて前記フェイスブローの領域から前記軸後方に伸びたボタンビットが記載され、該ボタンビットは削孔効率が向上しているとされている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、削孔ビットを容器内に配置し、該容器を振動させることによって、前記削孔ビットの表面を硬化させる方法が記載され、この方法によって表面を硬化させた削孔ビットは削孔効率が高いものと推察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許公開2015/113694号
【特許文献2】国際特許公開2013/135555号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、岩質や機械が多様化する鉱山現場において、特に削孔径が比較的小径となっている削孔に使われるボタンビットなどは、デザインや先端削孔チップの形状に幅を持たせようとしても、設計上の自由度が効かず、一方、最適な形状を削孔条件に応じてそのつど設計していくことは限界があり、また、表面硬化処理は製作工程が煩雑となり製作費用も無視できないと認識した。
【0007】
そこで、本発明は、ボタンビットの設計やボタンビットの表面硬化処理に代わり、ボタンビットによる削孔の効率を上げることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る削孔工具は、
Coを2.0~15.0質量%を含み、残部がWCおよび不可避的不純物である組成を有し、結合相を形成しているCo結晶粒のうちの最密六方晶構造を有する結晶粒の面積割合につき、その表面から深さ50μmまでの表面領域の値(A)が60.0~100.0面積%、その表面から50μmを超える内部領域の値(B)が50.0~95.0面積%であり、かつ、A/Bが1.00~2.00であることを特徴とする削孔工具。
【0009】
さらに、前記実施形態に係る削孔工具は、以下の各事項の一つ以上を満足してもよい。
(1)Cr3C2を0.2~3.5質量%および/またはVCを0.2~3.7質量%含有すること。
(2)前記内部領域において、ビッカース硬度が1500Hv以上であること。
【発明の効果】
【0010】
前記によれば、一軸圧縮強度が低い岩盤に対する削孔効率がよい削孔工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例のゲージチップ(バリスティックタイプ)の側面の模式図である。
【
図2】実施例のボタンビットの側面の模式図である。
【
図3】
図2のボタンビットのゲージ径を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者は、WCとCoを有する削孔工具に関し、特に、Coの結晶構造の分布について、鋭意検討した。その結果、最密六方晶構造のCo結晶粒の占める面積割合につき、削孔工具の表面、すなわち、被処理物である岩盤や被切削物に接する面を含む削孔工具の表面近傍領域における値(A)と、削孔工具内部における値(B)が、それぞれ、所定の値であり、かつ、A/Bが所定範囲にあるとき、一軸圧縮強度が低い岩盤に対する削孔効率が優れるという知見を得たのである。
【0013】
以下では、本発明の一実施形態に係る削孔工具について説明する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、数値範囲を「M~N」(M、Nは共に数値)で表現するときは、その範囲は上限値(N)および下限値(M)を含んでおり、上限値(N)と下限値(M)の単位は同じである。
【0014】
<組成>
まず、本実施形態に係る削孔工具の組成について説明する。
【0015】
<<Co>>
本実施形態に係る削孔工具の組成は、Coを2.0~15.0質量%含み、残部がWCと不可避的不純物である。Coの含有量をこの範囲とした理由は、2.0質量%未満であると、焼結時に緻密化が進行しづらくなって内部欠陥が残りやすくなり、その結果、組織としての均一性が損われ削孔工具の機械的強度が低下し、一方、15.0質量%を超えると、削孔工具として用いたとき、岩盤との接触による摩滅が支配的となり、硬質相の耐摩耗効果が十分に発揮されないためである。Coの含有割合は、3.0~10.0質量%であることがより好ましい。
【0016】
<<その他の元素>>
本実施形態に係る削孔工具は、Cr、V、Nb、Ta、Ti、Hf、Zrの1種類または2種以上を含有してもよい。これらの元素は、炭化物、複合炭化物、窒化物、炭窒化物として添加されてもよい。以下、これら元素について説明する。
【0017】
CrとVは、焼結時にWCの粒子成長を抑制する働きがあり、この抑制を行うためにCr3C2として0.2~3.5質量%および/またはVCとして0.2~3.7質量%を添加してもよい。
【0018】
Nb、Ta、Tiは、削孔工具の高温硬さ、クリープ強度を向上させる働きがあり、この向上を確実に行うために炭化物等として0.2~3.0質量%添加してもよい。
【0019】
ZrとHfは、高温靭性、高温抗折力などの高温機械特性を向上させる働きがあり、この向上を確実に行うために炭化物等として0.2~3.0質量%添加してもよい。
【0020】
<<不可避的不純物>>
本実施形態に係る削孔工具は、製造工程において不可避的に混入する元素を1.0質量%以下含有することが許容される。
【0021】
<Co結晶粒の結晶構造の分布>
本実施形態に係る削孔工具は、最密六方晶構造(hcp結晶構造)を有するCo結晶粒の面積割合が、その表面、すなわち、表面の黒皮の最も深い谷の部分を起点として、この起点からの深さが50μmのまでの表面領域の値(A)が60.0~100.0面積%、その表面から深さが50μmを超える内部領域の値(B)が50.0~95.0面積%であり、かつ、A/Bが1.00~2.00であることが好ましい。
【0022】
最密六方晶構造を有するCo結晶粒の面積%と面積%の比が、この範囲を満足すると、本実施形態に係る削孔工具は、削孔工具として用いたとき、例えば、一軸圧縮強度が低い、例えば、圧縮強度が150MPa以下の比較的軟い岩盤において優れた削孔効率を示す。
【0023】
この優れた削孔効率を示す理由は、定かではないところがあるが、次のように考えている。Coは面心立方構造(fcc)と六方最密構造(hcp)の2つの結晶構造を持ち相変態が生じる元素である。超硬工具において加工による歪みや衝撃などの外部応力が付加されると、面心立方構造をとるCo結晶粒は最密立方晶構造に相変態が生じることは、よく知られている。このとき、Co結晶粒内でエネルギーの消費が発生していると考えられる。
【0024】
ところで、削孔工具では、打撃装置からの打撃エネルギーを岩盤に余すところなく伝達することが削孔効率の向上には好ましいが、前述の相変態が発生すると打撃エネルギーがこの相変態のために消費されて、打撃装置から岩盤に伝わるべきエネルギーが減少してしまう。しかし、最密六方晶構造を有するCo結晶粒の面積割合を本実施形態のように制御すれば高温環境(722K以上)に削孔工具がさらされない限り、最密六方晶構造のCo結晶粒は面心立方構造への相変態をおこさず、打撃エネルギーが相変態のために消費されることなく、岩盤に伝達される。その結果、一軸圧縮が低い比較的軟らかい岩盤では打撃エネルギーの伝達が向上され、削孔効率が控除すると考えている。
【0025】
ここで、最密六方晶構造を有するCo結晶粒の面積割合は、削孔工具の表面に垂直な断面において複数の観察視野(例えば、3視野)を設定し、各観察視野の黒皮、塗装等の表面層に接する削孔工具本体の最も深い谷底の部分(最も削孔工具の内部にある点)を起点として深さを測定し、前記表面領域と前記内部領域における面積率を求めて、その平均値をとることによって得る。
具体的には以下の「Co結晶粒の結晶粒界の画定と結晶構造の決定」の手順に従う。
【0026】
<Co結晶粒の結晶粒界の画定と結晶構造の決定>
<<Co結晶粒の結晶粒界の画定>>
電子後方散乱回折を用いた結晶方位測定によりCo結晶の結晶粒界を特定する。まず、工具表面に垂直な面(縦断面)を耐水研磨紙、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨を行った後、イオンミリング装置を用いて断面イオン加工を行って、測定面を作製する。次に、結晶方位測定を、EBSD測定装置と、解析ソフトを用いて行う。EBSD測定装置の電子線の加速電圧は15kV、測定視野は20μm×30μm、結晶方位測定の測定点間隔(Step Size)は0.05μmとする。EBSD測定装置で得られたデータを、解析ソフトを用いて処理する。
【0027】
<<Co結晶粒の結晶の決定>>
ここで、測定した結晶方位は測定面上を離散的に調べたものであり、隣接測定点間の中間までの領域をその測定結果で代表させることにより測定面全体の方位分布として求めるものである。なお、測定点で代表させた領域(以下、ピクセルということがある)として正六角形状のものが例示できる。
【0028】
このピクセルのうち隣接するもの同士の間で5度以上の結晶方位の角度差がある場合、または隣接するピクセルの片方のみが最密六方晶構造または面心立方構造を示す場合は、これらピクセルの接する領域の辺を粒界とする。そして、この粒界とされた辺により囲まれた領域を1つの結晶粒と定義する。ただし、隣接するピクセル全てと5度以上の方位差がある、あるいは、隣接する最密六方晶構造を有する測定点がないような、単独に存在するピクセルは結晶粒とせず、2ピクセル以上が連結しているものを結晶粒として取り扱う。このようにして、粒界判定を行い、結晶粒を特定し、結晶粒構造毎にその結晶粒の占める面積%を算出する。
【0029】
<ビッカース硬度>
本実施形態に係る削孔工具は、その内部領域において、ISO6507、またはASTM E385規定された方法により荷重490N(50kgf)で測定するビッカース硬度が1400Hv以上であることが好ましい。ビッカース硬度が1500Hv以上であると、前記削孔工具は、より一層、削孔効率に優れる。
なお、ビッカース硬度の上限値は特段の制約がないが、後述する実施例の製造法では1550Hv程度が上限になる。
【実施例0030】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0031】
以下、実施例として、削孔工具がボタンビット(BB036A)の削孔チップである場合を例として挙げて本発明を説明する。
【0032】
図1に示すボタンビット用削孔チップを得るべく、各実施例において、1つのボタンビット当たり、6個のφ(T:直径)が10mmのバリスティックタイプ(ゲージチップ)と3個のφ(T:直径)が9mmのバリスティックタイプ(フェイスチップ)を1組として、合計10組を以下の手順により製造した。
すなわち、原料粉末の準備工程、配合・混合とプレス成形工程、焼結工程、加圧処理工程、センタレス研磨工程、バリ取り工程、冷却工程を経て製造した。
【0033】
1.原料粉末の準備工程
原料粉末として、いずれも3.0μmの平均粒径を有するWC粉末とCo粉末、および、いずれも0.1~3.0μmの平均粒径を有するCr3C2粉末、VC粉末を準備した。
【0034】
2.配合・混合とプレス成形工程
用意した原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにパラフィンワックスを加えて、エタノールを85%含む溶媒中で24時間ボールミルを使って混合し、減圧乾燥した後、20%の圧縮率となるように、圧粉体にプレス成形した。
なお、表1に示す配合割合が、ボタンビット用削孔チップの組成である。
【0035】
3.焼結工程
プレス成形した圧粉体を20Pa以下の真空中で、4℃/minの昇温温度で1350~1500℃の範囲内の所定の温度に60分間保持して焼結し、焼結後、Arガスを使用して6℃/minの冷却速度で50℃まで冷却した。
【0036】
4.加圧処理工程(HIP処理およびS-HIP処理)
次に、7℃/minの昇温温度で1320℃まで昇温し、900MPaの圧力で60分間保持してHIP処理を行った。その後、6℃/minの冷却速度で50℃まで冷却した。
また、HIP処理に代えて、焼結とHIP処理を同時に行うS-HIP処理を行った。S-HIP処理は、3℃/minの昇温温度で1350~1500℃に真空加熱した後、その到達温度域でArガス雰囲気下の5MPaにて90分間の加圧をした処理を行った。その後は、表2に示すように1.0/min~2.0/minの冷却速度で50℃まで冷却した。
【0037】
5.センタレス研磨工程
砥石として、粗研磨に#120、仕上げ研磨に#200の砥石を用い、共に、
回転数 1400rpm
周速 1540m/min
調整車回転数 20rpm
送り 1.33 m/min
で研磨を行った。
【0038】
6.バリ取り工程
次に、必要に応じて以下(1)~(3)のいずれかの後加工を行った。
【0039】
(1)バレル研磨
設備 振動式バレル研磨機
容量 20リットル
周波数 60Hz
研磨メディア 珪藻土
【0040】
(2)プロファイル研磨
砥粒 #200のダイヤモンド砥粒
周速 1000m/min
ストローク数 90回/min
切込量 0.1mm
【0041】
(3)サンドブラスト
エア圧 0.3~0.2MPa
ブラストガン Φ19mm
アルミナ径 425~300μm(FA46)
単位面積当たりの処理時間 3~6s/cm2
【0042】
7.冷却工程
1Pa以下の真空中で、5℃/minの昇温温度に1100℃まで昇温し、60分間保持して再焼結した後、表2に示す冷却速度で50℃まで冷却した。
【0043】
このようにして、得られた実施例1~7のバリスティックタイプのチップに対して、実施例毎に10組あるボタンビットのうち任意のボタンビットに取り付けられた1個の前記チップを取り出し、前述の方法により最密六方晶構造を有する結晶粒の面積割合を求め、結果を表2に示す。ここで、EBSD装置は、カールツァイス社製 走査型電子顕微鏡Ultra55、EDAX/TSL社製 OIM Data Collectionを、解析ソフトとして、EDAX/TSL社製 OIM Data Analysis ver.7.3を用いた。また、ビッカース硬度も前述の方法により測定した。
【0044】
これに対して、比較例1~7として、各比較例において実施例と同じ形状のφ10mmのバリスティックタイプ(ゲージチップ)6個とφ9mmのバリスティックタイプ(フェイスチップ)3個を、実施例の原料粉と同じ原料粉を用い、HIP、S-HIP後の冷却速度を実施例のものに比して速くした点を除いて、実施例と同様の手順で比較例毎に10組作製した。また、実施例と同様の手段により最密六方晶構造を有する結晶粒の面積割合を求めた。結果を表2に示す。
【0045】
【0046】
【0047】
削孔試験
実施例1~7、比較例1~7のバリスティックタイプチップを
図3、4に示すゲージ径Gが47.0mmのボタンビットのヘッドに、6個のチップ径Tが10mmのチップをゲージチップとして、3個のチップ径Tが9mmのチップをフェイスチップとして、それぞれ取り付けて被試験材とし、この実施例、比較例の番号毎にそれぞれ10個ある被削試験材に対し、以下の削孔試験を行った。
【0048】
1.削孔試験装置(穿孔装置)の仕様
打撃圧 18MPa
打撃周波数 60Hz
推力 0.5MPa
回転圧 0.5MPa
【0049】
2.削孔
削孔長さ(1回当たり) 4.5m
削孔径 45mm
岩盤-軸圧縮強度 130MPa
【0050】
被削試験材それぞれに対して削孔完了までに要した時間と打撃回数を測定し、実施例、比較例の各番号毎にそれぞれの平均値(10組の試験結果の平均値)を求めた。結果を表3に示す。
【0051】
【0052】
表3から明らかなように、実施例1~7は、平均削孔時間が短く、かつ平均打撃回数も少ないため、効率よく削孔が行われたことがわかる。これに対して、比較例1~7は、いずれも平均削孔時間が長く、かつ平均打撃回数も多いため、効率よく削孔が行われなかったことが明らかである。
また、実施例1~7は削孔試験機からの打撃回数の削減がなされているため、削孔工具に対する疲労の蓄積が減じられ、その結果として削孔工具の長寿命化が期待できる。