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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079891
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】ライト制御装置、及び自動車
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20220520BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
B60R16/02 660G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190755
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】515229125
【氏名又は名称】伊藤 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA24
3K339AA25
3K339AA28
3K339AA29
3K339AA32
3K339AA34
3K339BA08
3K339BA23
3K339BA28
3K339CA01
3K339CA11
3K339CA12
3K339CA13
3K339CA22
3K339CA24
3K339CA25
3K339DA01
3K339FA05
3K339FA08
3K339FA09
3K339FA10
3K339FA11
3K339FA12
3K339FA13
3K339GB01
3K339GB21
3K339JA26
3K339KA28
3K339MA05
3K339MC13
3K339MC17
3K339MC58
3K339MC68
3K339MC77
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となるライト制御装置及び自動車を提供する。
【解決手段】車両1において、ライト制御装置10は、車体2前部に配置されると共に複数種類の前部ライト4に出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータ12と、車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライト5に出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータ13と、運転席の操作部3に近接して配置されると共に操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続された操作部コンピュータ11と、操作部コンピュータから受信したスイッチ及びセンサの入力データに基づいて前部ライト4及び後部ライト5を作動させる出力データを生成してフロントコンピュータ及びリアコンピュータに送信するメインコンピュータ14と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、
車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、
運転席の操作部に近接して配置されると共に当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続された操作部コンピュータと、
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータと通信し、前記操作部コンピュータから受信した前記スイッチ及びセンサの入力データに基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信するメインコンピュータと、を有し、
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、前記入力コネクタ及び前記出力コネクタを外して自動車の車体から回収してリユース可能であることを特徴とするライト制御装置。
【請求項2】
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、通信ケーブルで接続され、前記通信ケーブルを外して回収されることを特徴とする請求項1に記載のライト制御装置。
【請求項3】
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、同一規格同一構成のハードウェアを有することを特徴とする請求項1に記載のライト制御装置。
【請求項4】
車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、
車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、
運転席の操作部に近接して配置され、当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続されると共に前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに通信ケーブルを介して接続され、前記スイッチ及びセンサの入力に基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信する操作部コンピュータと、を有し、
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータは、前記入力コネクタ、前記出力コネクタ、及び前記通信ケーブルを外して自動車の車体から回収してリユース可能であることを特徴とするライト制御装置。
【請求項5】
前記前部ライトは、ヘッドライト、ターンシグナルライト、スモールライト、及びハザードライトを含み、
前記後部ライトは、テールライト、ターンシグナルライト、ブレーキライト、及びバックライトを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のライト制御装置。
【請求項6】
乗り物の胴体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、
乗り物の胴体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、
乗り物の運転席の操作部に近接して配置されると共に当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続された操作部コンピュータと、
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータと通信し、前記操作部コンピュータから受信した前記スイッチ及びセンサの入力データに基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信するメインコンピュータと、を有し、
前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、乗り物の胴体から回収してリユース可能であることを特徴とするライト制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のライト制御装置を有することを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車、ガソリンエンジン車、ハイブリッドカー等の自動車の操作部に設けられたスイッチ及びセンサの出力に基づいて車体前部に配置された前部ライト及び車体後部に配置された後部ライトを制御してON/OFFさせるライト制御装置、及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体に設けられた車載ライトのLED化、高輝度化に伴って、車載ライトのON/OFF制御、車載ライトの発光パターンの多様化、車載ライトの調光制御のコンピュータ化が進行している。しかし、現在も、大半の自動車においては、車載ライトと車載コンピュータは、並列な多数の配線を束ねて自動車の車体に埋め込んだ車種ごとに専用のハーネスで接続されている。
【0003】
特許文献1には、複数台のコンピュータ(ECU)を用いて、自動車の車体に配置された車載ライトのON/OFF制御、調光制御を制御するライト制御装置、及び自動車が記載されている。
【0004】
特許文献2には、複数台のコンピュータ(ECU)を用いて、自動車の車体に配置されたエンジン、エアコン、各種電子機器を制御するシステムにおいてハーネスの配線を最適化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-62480号公報
【特許文献2】特開2011-210174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載された技術によれば、従来の自動車に比較してハーネスの本数と重量を減らすことができるが、十分ではない。そして、車載コンピュータを車体から回収してリユースすることについては十分な考慮がされていない。
【0007】
本発明は、ハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となるライト制御装置、及び自動車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1のライト制御装置は、車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、運転席の操作部に近接して配置されると共に当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続された操作部コンピュータと、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータと通信し、前記操作部コンピュータから受信した前記スイッチ及びセンサの入力データに基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信するメインコンピュータと、を有し、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、前記入力コネクタ及び前記出力コネクタを外して自動車の車体から回収してリユース可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項2のライト制御装置は、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、通信ケーブルで接続され、前記通信ケーブルを外して回収されることを特徴とする。
【0010】
請求項3のライト制御装置は、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、同一規格同一構成のハードウェアを有することを特徴とする。
【0011】
請求項4のライト制御装置は、車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、運転席の操作部に近接して配置され、当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続されると共に前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに通信ケーブルを介して接続され、前記スイッチ及びセンサの入力に基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信する操作部コンピュータと、を有し、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータは、前記入力コネクタ、前記出力コネクタ、及び前記通信ケーブルを外して自動車の車体から回収してリユース可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項5のライト制御装置は、前記前部ライトは、ヘッドライト、ターンシグナルライト、スモールライト、及びハザードライトを含み、前記後部ライトは、テールライト、ターンシグナルライト、ブレーキライト、及びバックライトを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6のライト制御装置は、乗り物の胴体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続されたフロントコンピュータと、乗り物の胴体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続されたリアコンピュータと、乗り物の運転席の操作部に近接して配置されると共に当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続された操作部コンピュータと、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、及び前記操作部コンピュータと通信し、前記操作部コンピュータから受信した前記スイッチ及びセンサの入力データに基づいて前記前部ライト及び前記後部ライトを作動させる出力データを生成して前記フロントコンピュータ及び前記リアコンピュータに送信するメインコンピュータと、を有し、前記フロントコンピュータ、前記リアコンピュータ、前記操作部コンピュータ、及び前記メインコンピュータは、乗り物の胴体から回収してリユース可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項7の自動車は、請求項1~6のいずれかに記載のライト制御装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1のライト制御装置によれば、特許文献1、2の車載コンピュータシステム構成に比較してハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となる。
【0016】
請求項2のライト制御装置によれば、通信ケーブルの着脱で車載コンピュータシステムの組み立て/解体を実行できるので、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となる。
【0017】
請求項3のライト制御装置によれば、車載コンピュータが同一規格同一構成のハードウェアを有するため、回収した多数の車載コンピュータから検査して選択した複数の車載コンピュータに新しいソフトウェアをインストールして、フレキシブルに新たな車載コンピュータシステムを構成できる。
【0018】
請求項4のライト制御装置によれば、特許文献1、2の車載コンピュータシステム構成に比較してハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となる。
【0019】
請求項5のライト制御装置によれば、車体前部のヘッドライト、ターンシグナルライト、スモールライト、ハザードライト、及び車体後部のテールライト、ターンシグナルライト、ブレーキライト、及びバックライトのON/OFFを制御できる。
【0020】
請求項6のライト制御装置によれば、自動車以外の一般的な乗り物である船舶、鉄道車両、航空機、ヘリコプターにおいてハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、乗り物に搭載されたコンピュータの取り外しとリユースが容易となる。
【0021】
請求項7の自動車によれば、特許文献1、2の自動車の構成に比較してハーネスの本数と重量をさらに減らすことができると共に、車載コンピュータの取り外しとリユースが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態1のライト制御装置を装備した自動車における前部ライトと後部ライトの配置の説明図である。
図2図1のライト制御装置のシステム構成の説明図である。
図3図1のライト制御装置で用いる車載コンピュータの構成の説明図である。
図4】ヘッドライト及びテールライトの制御における操作部コンピュータの制御のフローチャートである。
図5】ヘッドライト及びテールライトの制御におけるメインコンピュータの制御のフローチャートである。
図6】ヘッドライト及びテールライトの制御におけるフロントコンピュータ及びリアコンピュータの制御のフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態2のライト制御装置のシステム構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のライト制御装置の実施の形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
<実施の形態1>
図1に示すように、自動車1は、4枚のドア2a、2b、2c、2dと3台のシート2e、2f、2gとを備え、運転者が運転して、乗客を乗せて、路上をタイヤ走行する乗用車である。前部のドア2a、2bには、ドアミラー2h、2iが装備され、ドアミラー2h、2iの外側面には、ターンシグナルライト6c、6dがオプションで装備されている。
【0025】
自動車1の車体2の正面部分には、前部ライト4が配置されている。前部ライト4は、ヘッドライト4a、4b、ターンシグナルライト4c、4d、スモールライト4e、4f、及びハザードライト4g、4hを含む。
【0026】
自動車1の車体2の背面部分には、後部ライト5が配置されている。後部ライト5は、テールライト5a、5b、ターンシグナルライト5c、5d、ブレーキライト5e、5f、バックライト5g、5h、及びナンバーライトを含む。
【0027】
自動車1の運転席Dには操作部3が配置されている。操作部3は、ステアリング3a、ブレーキペダル3b、シフトレバー3c、ライトスイッチ3dを含む。
【0028】
図2に示すように、自動車1は、本発明の実施の形態1のライト制御装置10を搭載している。ライト制御装置10は、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14を有する。フロントコンピュータ12は、車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライト4に出力コネクタ12aを介して接続されている。リアコンピュータ13は、車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライト5に出力コネクタ13aを介して接続されている。操作部コンピュータ11は、運転席Dの操作部3に近接して配置されると共に操作部3のスイッチ及びセンサ(3b、3c、3d:図1)に入力コネクタ11bを介して接続されている。
【0029】
メインコンピュータ14は、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、及び操作部コンピュータ11と通信し、操作部コンピュータ11から受信したスイッチ及びセンサ(3b、3c、3d:図1)の入力データに基づいて前部ライト4及び後部ライト5を作動させる出力データを生成してフロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13に送信する。
【0030】
フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14は、通信ケーブル15a、15b、15cで接続されている。フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部3、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14は、電源部9からそれぞれ電源コネクタ3e、11d、12d、13d、14dを通じて電力供給されている。
【0031】
図3に示すように、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14は、同一規格同一構成のハードウェア及び筐体構造を有する車載コンピュータ20である。車載コンピュータ20は、所定の規格サイズで小型軽量に設計され、耐衝撃性及び耐震性を備え、高温高湿、極低温の厳しい環境でも高い信頼性と耐久性を持たせるように設計されている。
【0032】
SSD22は、車載コンピュータ20の補助記憶装置であって、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、或いはメインコンピュータ14のプログラム及びデータが記録されている。CPU21は、車載コンピュータ20の中央演算装置であって、SSD22から読み取ったプログラム及びデータをRAM23に保持して所定のデータ処理及び演算を実行することにより、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、或いはメインコンピュータ14の各機能を実現する。
【0033】
車載コンピュータ20は、筐体20aの外側の所定位置に、出力コネクタ11a(12a、13a、14c)、入力コネクタ11b(12b、13b、14b)、及び通信コネクタ11c(12c、13c、14c)を有する。筐体20aの内側では、出力コネクタ11a(12a、13a、14a)は出力部25に接続され、入力コネクタ11b(12b、13b、14b)は入力部24に接続され、通信コネクタ11c(12c、13c、14c)は、通信部26に接続されている。出力部25は、いわゆるドライバーアレイであって、電源部27から供給された電力の供給をON/OFFして、接続されたそれぞれのライトの点灯/消灯を制御する。入力部24は、電源部27から供給された電圧をスイッチ及びセンサ(3b、3c、3d:図1、4i、4j:図2)に供給して、それらの出力を二値信号として取り出す。通信部26は、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14の間でシリアル通信信号を送信/受信する。送信するシリアル通信信号を生成し、或いは受信したシリアル通信信号から通信データを取り出す。使用するシリアル通信の方式は、例えば、LANケーブルを用いたイーサネット規格、或いはUSBケーブルを用いたUSB規格である。
【0034】
本発明の実施の形態1のライト制御装置10は、そのフロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、操作部コンピュータ11、及びメインコンピュータ14を、入力コネクタ11b、12b、13b、14b、出力コネクタ11a、12a、13a、14a、通信コネクタ11c、12c、13c、14c、及び電源コネクタ11d、12d、13d、14dで車体側のハーネス等から切り離すことにより、自動車1の車体2から容易に回収してリユース可能である。そして、ライト制御装置10は、フロントコンピュータ12を車体2の正面部分の各種ライトのターミナルとして利用し、リアコンピュータ13を車体2の背面部分の各種ライトのターミナルとして利用しているため、各種ライトと車載コンピュータを接続する配線の迷走が減って車体側のハーネスが合理化されている。
【0035】
実施の形態1のライト制御装置10は、複数台の車載コンピュータ20がそれぞれプログラムを実行して必要な通信を行うことにより、連携して、操作部3のスイッチ及びセンサ(3b、3c、3d:図1、4i、4j:図2)の操作等に応じて前部ライト4及び後部ライト5の各ライトを個別にON/OFF及び調光している。
【0036】
例えば、ライト制御装置10は、運転者によるウインカーレバー及びステアリング3aの操作内容に応じてターンシグナルライト4c、4d、5c、5dを制御する。ライト制御装置10は、運転者によるブレーキペダルの操作内容に応じてブレーキライト5e、5fを制御する。ライト制御装置10は、運転者によるブレーキペダル3b及びシフトレバー3cの操作に応じてバックライト5g、5hを制御する。なお、図2に示すセンサ4iは、前方の明るさを検知する照度センサであり、センサ4jは、前方の降雨状態を検知する湿度センサである。
【0037】
以下では、このような複数台の車載コンピュータ20が連携した処理の一例として、ヘッドライト4a、4b及びテールライト5a、5bの制御S1、S2、S3を、図4図5図6を参照して詳細に説明する。ライト制御装置10は、運転者によるライトスイッチ3dの操作内容に応じてヘッドライト4a、4b及びテールライト5a、5bを制御する。ライトスイッチ3dは、ヘッドライトスイッチ及びビームスイッチを有する。ライト制御装置10は、操作部コンピュータ11から受信したスイッチ及びセンサ(3b、3c、3d:図1)の出力データに基づいてフロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13の出力部25を制御して、ヘッドライト4a、4b及びテールライト5a、5bを駆動している。
【0038】
図4に示すように、操作部コンピュータ11は、操作部3のヘッドライトスイッチがOFFされている場合(S11のYes)、メインコンピュータ14のヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを0にする(S12)。CPU21は、運転者によってヘッドライトスイッチがONされると(S13のYes)、ヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを1にする(S14)。
【0039】
CPU21は、ライトスイッチ3dのビームスイッチがHの場合(S15のYes)、ヘッドライトフラグのHフラグを1にする(S14)。CPU21は、ライトスイッチ3dのビームスイッチがLの場合(S17のYes)、ヘッドライトフラグのLフラグを1にする(S18)。
【0040】
CPU21は、通信部26によりヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、及びHフラグ、Lフラグのデータを反映した通信データを作成して(S19)、メインコンピュータ14に送信する(S20)。
【0041】
図5に示すように、メインコンピュータ14は、操作部コンピュータ11から送信された通信データを受信すると(S31のYes)、通信データをデコードして受信データのヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、Hフラグ、及びLフラグのデータを、そのままメインコンピュータ14のヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、Hフラグ、及びLフラグにコピーする。
【0042】
メインコンピュータ14のCPU21は、受信データのヘッドライトフラグ及びテールライトフラグが0の場合(S32のYes)、メインコンピュータ14のヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを0にする(S33)。メインコンピュータ14のCPU21は、受信データのヘッドライトフラグ及びテールライトフラグが1の場合(S34のYes)、メインコンピュータ14のヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを1にする(S35)。
【0043】
CPU21は、受信データのHフラグが1、Lフラグが0の場合(S36のYes)、メインコンピュータ14のHフラグを1とし、Lフラグを0にする(S37)。CPU21は、受信データのLフラグが1、Hフラグが0の場合(S38のYes)、メインコンピュータ14のLフラグを1とし、Hフラグを0にする(S39)。
【0044】
CPU21は、通信部26によりヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、及びHフラグ、Lフラグのデータを反映した通信データを作成して(S40)、フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13に送信する(S41)。
【0045】
図6に示すように、フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13は、メインコンピュータ14から送信された通信データを受信すると(S51のYes)、通信データをデコードして受信データのヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、Hフラグ、及びLフラグのデータに基づいて、ヘッドライト4a、4b、及びテールライト5a、5bのON/OFFを実際に制御する。
【0046】
フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13のCPU21は、受信データのヘッドライトフラグ及びテールライトフラグが0の場合(S52のYes)、フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13のヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを0にする(S53)。
【0047】
フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13メインコンピュータ14のCPU21は、受信データのヘッドライトフラグ及びテールライトフラグが1の場合(S54のYes)、フロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13のヘッドライトフラグ及びテールライトフラグを1にする(S555)。
【0048】
CPU21は、受信データのHフラグが1、Lフラグが0の場合(S56のYes)、メインコンピュータ14のHフラグを1とし、Lフラグを0にする(S57)。CPU21は、受信データのLフラグが1、Hフラグが0の場合(S58のYes)、メインコンピュータ14のLフラグを1とし、Hフラグを0にする(S59)。
【0049】
CPU21は、ヘッドライトフラグ、テールライトフラグ、及びHフラグ、Lフラグのデータを反映させて出力部25を作動させて、ヘッドライト4a、4b及びテールライト5a、5bを駆動する(S60)。
【0050】
ところで、実施の形態1のライト制御装置10では、多数の自動車メーカーが共同出資して車載コンピュータを製造する合弁会社を設立して、車載コンピュータの製造、販売、回収、リサイクルのすべてを請け負うことが好ましい。このような合弁会社は、車載コンピュータの規格を定め、ライト制御装置の設計資料を無償公開することができる。自動車メーカーは、ライト制御装置の仕様を統一化しているので、どのメーカー、どの車種でもライト制御装置10のシステムを共通で使用可能である。
【0051】
この合弁会社が自動車の廃車/解体時に、操作部コンピュータ11、フロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、メインコンピュータ14、及び通信ケーブル15a、15b、15cを車体から回収して、各種試験を行い、車載コンピュータ20のリユース保証を行って自動車メーカーに販売する。このようなシステムによれば、車載コンピュータ20は、車両火災による焼損、事故による破損以外は何度でもリユース可能であるため、コスト削減、資源の有効活用が可能となる。
【0052】
<実施の形態2>
図7に示すように、自動車1Bは、本発明の実施の形態2のライト制御装置10Bを搭載している。ライト制御装置10Bは、メインコンピュータを有さず、操作部コンピュータ11Bとフロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13とでシステムを構成している。それ以外の構成及び動作は実施の形態1のライト制御装置10と同一であるため、図7中、実施の形態1と共通する構成には図1図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
ライト制御装置10Bは、フロントコンピュータ12とリアコンピュータ13と操作部コンピュータ11Bとを有する。フロントコンピュータ12は、車体前部に配置されると共に複数種類の前部ライト4に出力コネクタ12aを介して接続されている。リアコンピュータ13は、車体後部に配置されると共に複数種類の後部ライト5に出力コネクタ13aを介して接続されている。
【0054】
操作部コンピュータ11Bは、運転席Dの操作部3に近接して配置され、操作部3のスイッチ及びセンサ(3a、3b、3c:図1)に入力コネクタ11bを介して接続されると共にフロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13に通信ケーブル15a、15bを介して接続されている。操作部コンピュータ11Bは、スイッチ及びセンサ(3a、3b、3c:図1)の入力に基づいて前部ライト4及び後部ライト5を作動させる出力データを生成してフロントコンピュータ12及びリアコンピュータ13に送信する。
【0055】
実施の形態2のライト制御装置10Bは、そのフロントコンピュータ12、リアコンピュータ13、及び操作部コンピュータ11を、入力コネクタ11b、12b、13b、出力コネクタ11a、12a、13a、通信コネクタ11c、12c、13c、及び電源コネクタ11d、12d、13dで車体側のハーネス等から切り離すことにより、自動車1Bの車体2から容易に回収してリユース可能である。そして、ライト制御装置10Bは、フロントコンピュータ12を車体2の正面部分の各種ライトのターミナルとして利用し、リアコンピュータ13を車体2の背面部分の各種ライトのターミナルとして利用しているため、車体側のハーネスが合理化されている。
【0056】
<実施の形態3>
実施の形態1、2では、路上をタイヤ走行する乗用車の実施の形態を説明した。しかし、本発明は、乗用車以外にも、トラック、バス、鉄道車両、機関車、船舶、航空機、ヘリコプター等、前部ライトと後部ライトを備えた多種多様な乗り物で実施できる。一般的な乗り物のライト制御装置は、フロントコンピュータとリアコンピュータと操作部コンピュータとメインコンピュータとを有する。フロントコンピュータは、乗り物の胴体前部に配置されると共に複数種類の前部ライトに出力コネクタを介して接続される。リアコンピュータは、乗り物の胴体後部に配置されると共に複数種類の後部ライトに出力コネクタを介して接続される。操作部コンピュータは、乗り物の運転席の操作部に近接して配置されると共に当該操作部のスイッチ及びセンサに入力コネクタを介して接続される。そして、メインコンピュータは、フロントコンピュータ、リアコンピュータ、及び操作部コンピュータと通信し、操作部コンピュータから受信したスイッチ及びセンサの入力データに基づいて前部ライト及び後部ライトを作動させる出力データを生成してフロントコンピュータ及びリアコンピュータに送信する。そして、フロントコンピュータ、リアコンピュータ、操作部コンピュータ、及びメインコンピュータは、乗り物の胴体から回収してリユース可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のライト制御装置に用いられる複数の車載コンピュータは、各種ライトの制御を行わない空き時間や時分割制御のインターバル時間を利用して自動車の換気制御、温度調整、ナビゲーション等の演算や制御を実行させてもよい。本発明のライト制御装置は、各種ライトの制御に加えて、室内灯の調光制御、フロントワイパー、リアワイパー、フロントウインドウォッシャー、リアウインドウォッシャーの制御を行ってもよい。本発明のライト制御装置は、各種ライトのON/OFFのみならず、状況に応じた発光パターンの設定や各種ライトの調光を行ってもよい。
【0058】
本発明のライト制御装置に用いられるコンピュータは、小型軽量に構成された特別仕様の車載コンピュータであることが望ましいが、汎用のコンピュータや汎用の通信機の一部、或いは自動車用の汎用のECUを利用してもよい。複数の車載コンピュータの間の通信は、有線のシリアル信号通信には限らない。無線LAN規格、WiFi規格、近距離無線通信規格等の無線通信、赤外線通信であってもよい。
【0059】
本発明のライト制御装置は、電気自動車、ガソリンエンジン車、ハイブリッドエンジン車等、水素エンジン車等の乗用車で実施可能である。本発明のライト制御装置は、乗用車以外に、トラック、バス、鉄道機関車、船舶、航空機、ヘリコプター等、前部ライトと後部ライトを備えた多種多様な乗り物で実施できる。
【符号の説明】
【0060】
1 自動車
2 車体
2a、2b、2c、2d ドア
2e、2f、2g シート
2h、2i ドアミラー
3 操作部
3a ステアリング
3b ブレーキペダル
3c シフトレバー
3d ライトスイッチ
4 前部ライト
4a、4b ヘッドライト
4c、4d ターンシグナルライト
4e、4f スモールライト
4g、4h ハザードライト
5 後部ライト
5a、5b テールライト
5c、5d ターンシグナルライト
5e、5f ブレーキライト
5g、5h バックライト
6c、6d ターンシグナルライト
6e リアワイパー
6f ウインドウォッシュ
9 電源部
10 ライト制御装置
11 フロントコンピュータ
12 リアコンピュータ
13 メインコンピュータ
14 操作部コンピュータ
15a、15b、15c 通信ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7