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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079894
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】デバイス搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20220520BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190760
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】521189123
【氏名又は名称】株式会社NSテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(74)【代理人】
【識別番号】100192603
【弁理士】
【氏名又は名称】網盛 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【弁理士】
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 冬生
(72)【発明者】
【氏名】小谷 憲昭
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AG11
(57)【要約】
【課題】デバイス搬送装置を大きくしないで、収納トレイの側面に水平方向から衝撃を加えられるデバイス搬送装置を提供する。
【解決手段】デバイス搬送装置2は、ICデバイス13を収納する複数のポケット24aを有するトレイ24を搬送するデバイス搬送装置2であって、トレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に、水平方向から直接的に衝撃を付与する衝撃付与部材49を有しており、衝撃付与部材49はトレイ24を水平方向へ搬送させる動線54上に配置されており、衝撃付与部材49は衝撃付与位置73と収納位置71との間で移動させる蝶番64を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICデバイスを収納する複数のポケットを有する収納トレイを搬送するデバイス搬送装置であって、
前記収納トレイの側面の衝撃付与位置で、水平方向から直接的に衝撃を付与する衝撃付与部材を有しており、前記衝撃付与部材は前記収納トレイを水平方向へ搬送させる動線上に配置されており、前記衝撃付与部材は前記収納トレイを水平方向へ搬送させる動線上で搬送の障害となる前記衝撃付与位置と、障害とはならない収納位置とを移動する部材で実現される格納機構を有することを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイス搬送装置であって、
前記衝撃付与部材は蝶番を有することを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイス搬送装置であって、
前記ICデバイスの搬送を行うために予め装置に備わっている圧縮空気を供給する装置を、前記衝撃付与部材を加速させるアクチュエーターとして用いることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス搬送装置であって、
前記動線は、前記ICデバイスを前記収納トレイへ収納するデバイス収納位置と、前記ICデバイスが収納された前記収納トレイを積み上げる積み上げ位置とを結ぶ線であることを特徴とするデバイス搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス搬送装置であって、
さらに、衝撃を付与する前に、前記収納トレイの鉛直上方から蓋部をかぶせる蓋設置部を備えることを特徴とするデバイス搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)や、半導体デバイス等の電子部品の電気特性検査において、良品、不良品の検査結果に応じて電子部品を分類して収納トレイに収納するデバイス搬送装置がある。
【0003】
デバイス搬送装置は収納トレイを移動させるベルトコンベアを複数備えることがある。収納トレイが移動する軌跡の線を動線とするとき、デバイス搬送装置は収納トレイが移動する動線を複数有する。検査結果により収納する収納トレイをかえることにより、電子部品が分類される。
【0004】
収納トレイには凹んだポケットがマトリックス状に配置されている。検査された電子部品はピックアンドプレースを行うロボット等によりポケットに収納される。各ポケットに収納されるべき電子部品が正しく収納されず、周辺の壁に斜めに乗り上げてしまうことがある。
【0005】
例えば、特許文献1には、正しく収納されない電子部品をポケットに正しく収納させる技術が提案されている。当該文献によると、収納トレイの下から振動が加えられることにより、電子部品がポケットに収納されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2014-0138380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
収納トレイが振動するだけでは電子部品がポケットに収納されないことがある。そこで、収納トレイの側面に水平方向から衝撃を加えることにより電子部品がポケットに収納され易くなることがわかっている。しかし、動線と直交する方向に並ぶベルトコンベア間に衝撃を加える衝撃付与部材を配置するとベルトコンベア間が長くなるので、デバイス搬送装置が大きくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
デバイス搬送装置は、ICデバイスを収納する複数のポケットを有する収納トレイを搬送するデバイス搬送装置であって、前記収納トレイの側面の衝撃付与位置で、水平方向から直接的に衝撃を付与する衝撃付与部材を有しており、前記衝撃付与部材は前記収納トレイを水平方向へ搬送させる動線上に配置されており、前記衝撃付与部材は前記収納トレイを水平方向へ搬送させる動線上で搬送の障害となる前記衝撃付与位置と、障害とはならない収納位置とを移動する部材で実現される格納機構を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかわる電子部品検査装置を正面側から見た概略斜視図。
図2】電子部品検査装置の動作状態を示す概略平面図。
図3】トレイと衝撃付与部材との配置を説明するための模式平面図。
図4】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図5】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図6】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図7】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図8】第2実施形態にかかわる衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図9】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図10】第3実施形態にかかわる衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
図11】衝撃付与部材の構造及び動作を説明するための模式側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1実施形態
図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸及びZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直方向となっている。また、X軸に平行な方向をX方向とする。Y軸に平行な方向をY方向とする。Z軸に平行な方向をZ方向とする。各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」とする。
【0011】
「水平」とは、完全な水平に限定されず、ICデバイス等の電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干傾いた状態も含む。「鉛直」とは、完全な鉛直に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、鉛直に対して若干傾いた状態も含む。若干傾いた状態の傾き角度は5°未満である。
【0012】
図1中の上側、すなわち、Z方向正側を「上」または「上方」、下側、すなわち、Z方向負側を「下」または「下方」と言うことがある。Y方向負側を「正面」、Y方向正側を「裏側」と言うことがある。
【0013】
デバイス搬送装置2を備える電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるIC(Integrated Circuit)デバイス等の電子部品の電気特性を検査・試験する装置である。電気特性の検査を電特検査とする。図1に示すように、電子部品検査装置1は内部にデバイス搬送装置2を備える。デバイス搬送装置2は電子部品を搬送する装置である。
【0014】
デバイス搬送装置2はカバー3に覆われている。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側に制御装置4を備える。制御装置4は電子部品検査装置1の動作を制御する。制御装置4の近くにはスピーカー5が配置される。電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向正側にモニター6、操作パネル7及びマウス台8が配置される。モニター6の表示画面6aには各種の情報が表示される。モニター6は、例えば液晶画面で構成された表示画面6aを有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。トレイ除去領域12のX方向正側には、マウスを載置するマウス台8が設けられている。操作者はマウス台8上のマウス及び操作パネル7を操作して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定し、指示内容を入力する。操作パネル7は電子部品検査装置1に所望の動作を命令するインターフェイスである。
【0015】
電子部品検査装置1はY方向負側且つX方向負側にシグナルランプ9を備える。シグナルランプ9及びスピーカー5は電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の動作状態等を報知する。シグナルランプ9は電子部品検査装置1の上部に配置される。
【0016】
電子部品検査装置1はY方向負側にトレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が設けられる。操作者は電子部品が配列されたトレイをトレイ供給領域11に供給する。電子部品検査装置1はトレイ供給領域11からトレイを取り込んで、電特検査を行う。電子部品検査装置1は電特検査が終了した電子部品が配列するトレイをトレイ除去領域12に排出する。
【0017】
電子部品検査装置1はX方向正側に冷凍機10を備える。冷凍機10はカバー3の内部を冷却する冷却媒体を供給する。冷却媒体は冷えたドライエアである。ドライエアは乾燥した空気である。冷却媒体は他にも、炭酸ガス、窒素ガス等を用いることができる。冷凍機10はカバー3の近くに配置される。冷凍機10のY方向正側にはドライパージ20が配置される。ドライパージ20には乾燥した空気が蓄えられる。ドライパージ20は冷凍機10から投入される低温のドライエアを加熱し、冷凍機10から投入される温度よりドライエアの温度を上げる。
【0018】
図2に示すように、説明の便宜上、検査対象物にICデバイス13を用いる場合について代表して説明する。ICデバイス13は平板状をなす。ICデバイス13の下面には半球状の複数の端子が配置されている。
【0019】
ICデバイス13としては、例えば、LSI(Large Scale Integration)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)、複数のモジュールがパッケージ化されたモジュールIC、水晶デバイス、圧力センサー、慣性センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、指紋センサー等が挙げられる。
【0020】
デバイス搬送装置2は、トレイ供給領域11と、デバイス供給領域14と、検査領域15と、デバイス回収領域16と、トレイ除去領域12とを備える。これらの各領域は壁で分けられている。ICデバイス13は、トレイ供給領域11からトレイ除去領域12まで前記各領域を第1矢印17方向に順に経由し、途中の検査領域15で検査が行われる。他にも、デバイス搬送装置2は、各領域を経由するようにICデバイス13を搬送する搬送部18と、検査領域15内で検査を行なうソケットエリア19と、産業用コンピューターで構成された制御装置4とを備える。ソケットエリア19はICデバイス13と導通して検査するソケットが配置された領域である。
【0021】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11及びトレイ除去領域12が配置された方が正面側である。検査領域15が配された方が背面側である。
【0022】
デバイス搬送装置2は、ICデバイス13の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。チェンジキットには、例えば、ソークプレート21と、シャトル22とがある。チェンジキットとは別に、ICデバイス13の種類ごとに交換されるものとしては、例えば、収納トレイ及び蓋部としてのトレイ24と、回収用トレイ25と、ソケットエリア19とがある。トレイ24はICデバイス13が搭載される容器である。
【0023】
トレイ供給領域11は、未検査状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が供給される給材部である。トレイ供給領域11ではトレイ24が複数積み重ねて搭載される。各トレイ24には複数の凹部が行列状に配置されている。各凹部にはICデバイス13が1つずつ収納される。
【0024】
デバイス供給領域14では、トレイ供給領域11から搬送されたトレイ24上の複数のICデバイス13がそれぞれシャトル22まで搬送される。シャトル22によりデバイス供給領域14から検査領域15へICデバイス13が搬送される。トレイ供給領域11とデバイス供給領域14とをまたぐように、トレイ24を1枚ずつ水平方向に搬送する第1トレイ搬送機構26、第2トレイ搬送機構27が設けられている。第1トレイ搬送機構26は搬送部18の一部である。第1トレイ搬送機構26はICデバイス13を搭載したトレイ24をY方向正側、すなわち、図2中の第2矢印28方向に移動する。これにより、ICデバイス13はデバイス供給領域14に送り込まれる。また、第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をY方向負側、すなわち、図2中の第3矢印29方向に移動する。第2トレイ搬送機構27は空のトレイ24をデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に移動する。
【0025】
デバイス供給領域14には、ソークプレート21、第1デバイス搬送ヘッド31、トレイ搬送機構32及びシャトル22が設けられている。ソークプレート21の英語表記は「soak plate」であり、中国語表記は「均温板」である。ソークプレート21はICデバイス13の温度調整をする。ソークプレート21はICデバイス13の温度を検査待機時に調整する。シャトル22はデバイス供給領域14と検査領域15とをまたぐように移動する。シャトル22はICデバイス13をソークプレート21からテストハンド36の可動範囲に搬送する。
【0026】
ソークプレート21には複数のICデバイス13が載置される。ソークプレート21は載置されたICデバイス13を一括して加熱または冷却する。ソークプレート21はICデバイス13を予め加熱または冷却して、電特検査に適した温度に調整する。
【0027】
本実施形態では、例えば、ソークプレート21は第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bを備える。第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bはY方向に並んで配置される。第1ソークプレート21a及び第2ソークプレート21bは同じ構造になっている。第1トレイ搬送機構26によってトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24上のICデバイス13は、いずれかのソークプレート21に搬送される。
【0028】
第1デバイス搬送ヘッド31はICデバイス13を保持する機構を備える。第1デバイス搬送ヘッド31はデバイス供給領域14内でX方向、Y方向及びZ方向にICデバイス13を移動する。第1デバイス搬送ヘッド31は搬送部18の一部である。第1デバイス搬送ヘッド31はトレイ供給領域11から搬入されたトレイ24とソークプレート21との間のICデバイス13の搬送を行う。第1デバイス搬送ヘッド31はソークプレート21とシャトル22との間のICデバイス13の搬送を行う。尚、図2中では、第1デバイス搬送ヘッド31のX方向の移動を第4矢印33で示し、第1デバイス搬送ヘッド31のY方向の移動を第5矢印34で示す。
【0029】
シャトル22にはソークプレート21で温度調整されたICデバイス13が載置される。シャトル22はICデバイス13をソケットエリア19近傍まで搬送する。シャトル22も搬送部18の一部である。シャトル22は、ICデバイス13が収納、載置される凹部を有する。
【0030】
シャトル22はデバイス供給領域14と検査領域15とデバイス回収領域16との間をX方向、すなわち、第6矢印35方向に往復移動する。これにより、シャトル22は、ICデバイス13をデバイス供給領域14から検査領域15のソケットエリア19の近傍まで搬送する。検査領域15でICデバイス13がテストハンド36によって取り去られた後、シャトル22は再度デバイス供給領域14に戻る。
【0031】
シャトル22はY方向に2つ配置されている。Y方向正側のシャトル22を第1シャトル22aとする。Y方向負側のシャトル22を第2シャトル22bとする。そして、ソークプレート21上のICデバイス13は、第1デバイス搬送ヘッド31によりデバイス供給領域14内で第1シャトル22aまたは第2シャトル22bまで搬送される。シャトル22はシャトル22に載置されたICデバイス13を加熱または冷却可能である。ソークプレート21で温度調整されたICデバイス13は、温度調整状態を維持して検査領域15のソケットエリア19近傍まで搬送される。また、シャトル22及びソークプレート21はシャーシへ電気的に接地されている。
【0032】
トレイ搬送機構32は、すべてのICデバイス13が除去された状態の空のトレイ24をデバイス供給領域14内でX方向正側、すなわち、第7矢印32a方向に搬送する機構である。第7矢印32a方向への搬送後、空のトレイ24は、第2トレイ搬送機構27によってデバイス供給領域14からトレイ供給領域11に戻される。
【0033】
検査領域15は、ICデバイス13の電気特性を検査する領域である。検査領域15にはICデバイス13を検査するソケットエリア19と、テストハンド36とが設けられている。テストハンド36はICデバイス13をソケットに押圧する。
【0034】
テストハンド36は搬送部18の一部であり、保持したICデバイス13を加熱または冷却可能である。検査領域15内で温度調整状態を維持したまま、テストハンド36はICデバイス13を搬送する。
【0035】
テストハンド36は、検査領域15内でY方向及びZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。テストハンド36はICデバイス13を持ち上げてシャトル22からソケットエリア19上に搬送し、載置する。
【0036】
図2中では、テストハンド36のY方向の往復移動が第8矢印36cで示される。テストハンド36は、検査領域15内で、ICデバイス13の第1シャトル22aからソケットエリア19への搬送と、ICデバイス13の第2シャトル22bからソケットエリア19への搬送とを担う。また、テストハンド36はY方向に往復移動可能に支持されている。
【0037】
テストハンド36は、Y方向に2つ配置される。Y方向正側のテストハンド36を第1テストハンド36aとする。Y方向負側のテストハンド36を第2テストハンド36bとする。第1テストハンド36aはICデバイス13を第1シャトル22aからソケットエリア19へ搬送する。第2テストハンド36bはICデバイス13を第2シャトル22bからソケットエリア19へ搬送する。第1テストハンド36aはICデバイス13のソケットエリア19から第1シャトル22aへの搬送を担う。第2テストハンド36bはICデバイス13をソケットエリア19から第2シャトル22bへ搬送する。
【0038】
ソケットエリア19にはICデバイス13が載置され、ソケットエリア19はICデバイス13の電気特性を検査する。ソケットエリア19にはICデバイス13の端子と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス13の端子とプローブピンとが電気的に接続される。そして、ソケットエリア19はICデバイス13の検査を行なう。ICデバイス13の検査はソケットエリア19と電気的に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。ソケットエリア19でもICデバイス13を加熱または冷却して、ICデバイス13を検査に適した温度に調整できる。従って、デバイス搬送装置2はICデバイス13を加熱または冷却するソークプレート21及びソケットエリア19を備える。ICデバイス13を高温または低温で検査できる。
【0039】
デバイス回収領域16は検査が終了した複数のICデバイス13が回収される領域である。デバイス回収領域16には、回収用トレイ25と、第2デバイス搬送ヘッド37と、蓋設置部としての第3トレイ搬送機構38とが設けられている。検査領域15とデバイス回収領域16とをまたぐように移動するシャトル22も設けられている。デバイス回収領域16には空のトレイ24も用意されている。
【0040】
シャトル22には検査が終了したICデバイス13が載置される。シャトル22はICデバイス13をデバイス回収領域16まで搬送する。
【0041】
シャトル22は、デバイス供給領域14と検査領域15とデバイス回収領域16との間をX方向、すなわち、第9矢印23c方向に沿って往復移動可能に支持されている。ソケットエリア19上のICデバイス13は第1シャトル22aまたは第2シャトル22bに搬送され、載置される。テストハンド36はICデバイス13のソケットエリア19から第1シャトル22aへの搬送と、ICデバイス13のソケットエリア19から第2シャトル22bへの搬送とを担う。また、シャトル22はシャーシへ電気的に接地されている。
【0042】
シャトル22は検査対象物であるICデバイス13を検査するソケットエリア19を含む検査領域15にICデバイス13を搬入し、検査領域15からデバイス回収領域16へICデバイス13を搬出する。
【0043】
回収用トレイ25にはソケットエリア19で検査されたICデバイス13が載置される。ICデバイス13はデバイス回収領域16内で移動しないよう回収用トレイ25に固定されている。第2デバイス搬送ヘッド37等の各種可動部が比較的多く配置されたデバイス回収領域16であっても、回収用トレイ25上では検査済みのICデバイス13が安定して載置される。回収用トレイ25は、X方向に沿って3つ配置されている。
【0044】
空のトレイ24もX方向に沿って4つ配置されている。空のトレイ24に検査されたICデバイス13が載置される。シャトル22上のICデバイス13は回収用トレイ25または空のトレイ24のうちのいずれかに搬送され、載置される。ICデバイス13は検査結果ごとに分類されて、回収される。
【0045】
第2デバイス搬送ヘッド37は、デバイス回収領域16内でX方向及びY方向に移動可能に支持される。第2デバイス搬送ヘッド37はZ方向にも移動可能な部分を有している。第2デバイス搬送ヘッド37は搬送部18の一部である。第2デバイス搬送ヘッド37はICデバイス13をシャトル22から回収用トレイ25や空のトレイ24に搬送する。図2中では、第2デバイス搬送ヘッド37のX方向の移動を第10矢印37aで示し、第2デバイス搬送ヘッド37のY方向の移動を第11矢印37bで示す。
【0046】
第3トレイ搬送機構38は、トレイ除去領域12から搬入された空のトレイ24をデバイス回収領域16内でX方向、すなわち、第12矢印38a方向に搬送する機構である。搬送後に空のトレイ24はICデバイス13が回収される位置に配置される。
【0047】
トレイ除去領域12では検査済み状態の複数のICデバイス13が配列されたトレイ24が回収され、除去される。トレイ除去領域12には多数のトレイ24が積み重ねられる。
【0048】
デバイス回収領域16とトレイ除去領域12とをまたぐようにトレイ24を1枚ずつY方向に搬送する第4トレイ搬送機構39及び第5トレイ搬送機構41が設けられている。第4トレイ搬送機構39は搬送部18の一部でありトレイ24をY方向、すなわち、第13矢印39a方向に往復移動する。第4トレイ搬送機構39は、検査済みのICデバイス13をデバイス回収領域16からトレイ除去領域12に搬送する。第5トレイ搬送機構41はICデバイス13を回収するための空のトレイ24をY方向正側、すなわち、第14矢印41a方向に移動する。第5トレイ搬送機構41は空のトレイ24をトレイ除去領域12からデバイス回収領域16に移動する。
【0049】
制御装置4は第1トレイ搬送機構26と、第2トレイ搬送機構27と、ソークプレート21と、第1デバイス搬送ヘッド31と、トレイ搬送機構32と、ソケットエリア19と、テストハンド36と、シャトル22と、第2デバイス搬送ヘッド37と、第3トレイ搬送機構38と、第4トレイ搬送機構39と、第5トレイ搬送機構41の各部の動作を制御する。制御装置4はCPU42(Central Processing Unit)とメモリー43とを有している。CPU42はメモリー43に記憶されている判断用プログラム、指示・命令用プログラム等の各種情報を読み込み、判断や命令を実行する。
【0050】
制御装置4は、電子部品検査装置1やデバイス搬送装置2に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。外部機器は、例えば、電子部品検査装置1とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、電子部品検査装置1とネットワークを介して接続されている場合等がある。
【0051】
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域11とデバイス供給領域14との間が第1隔壁44によって区切られている。デバイス供給領域14と検査領域15との間が第2隔壁45によって区切られている。検査領域15とデバイス回収領域16との間が第3隔壁46によって区切られている。デバイス回収領域16とトレイ除去領域12との間が第4隔壁47によって区切られている。デバイス供給領域14とデバイス回収領域16との間も、第5隔壁48によって区切られている。
【0052】
第2隔壁45にはシャトル22が通過するための穴が形成されている。第3隔壁46にもシャトル22が通過するための穴が形成されている。従って、デバイス供給領域14及びデバイス回収領域16は検査領域15に通じる。
【0053】
デバイス回収領域16のトレイ除去領域12側には衝撃付与部材49が配置される。衝撃付与部材49はトレイ24に衝撃を加えて、トレイ24のポケットからはみ出たICデバイス13をポケット内に収納させる。
【0054】
図3に示すように、デバイス回収領域16にはICデバイス13を搭載したトレイ24をトレイ除去領域12に移動する第4トレイ搬送機構39が3つ設置される。3つの第4トレイ搬送機構39は左側搬送機構39b、中側搬送機構39c、右側搬送機構39dである。3つの第4トレイ搬送機構39は同じ機構になっている。
【0055】
トレイ24はICデバイス13を収納する複数のポケット24aを有する。例えば本実施形態では、トレイ24は8つのポケット24aを備える。デバイス回収領域16ではICデバイス13をトレイ24へ収納するデバイス収納位置51にトレイ24が配置される。第2デバイス搬送ヘッド37はデバイス収納位置51に配置されたトレイ24にICデバイス13を搭載する。
【0056】
すべてのポケット24aにICデバイス13が配置されたとき、デバイス搬送装置2の第4トレイ搬送機構39がトレイ24を積み上げ位置52に搬送する。積み上げ位置52はトレイ除去領域12に配置される。積み上げ位置52はICデバイス13が収納されたトレイ24を積み上げる場所である。
【0057】
積み上げ位置52にはトレイ24を昇降するエレベーター53が配置される。第4トレイ搬送機構39がトレイ24を積み上げ位置52へ移動するとき、エレベーター53は重ねられたトレイ24を降下させる。第4トレイ搬送機構39がトレイ24を移動して、降下したトレイ24の上にトレイ24を重ねる。
【0058】
デバイス収納位置51のトレイ24の重心と積み上げ位置52のトレイ24の重心とを結ぶ線が動線54である。換言すれば、動線54は、デバイス収納位置51と、積み上げ位置52を結ぶ線である。第4トレイ搬送機構39によりトレイ24は動線54上を水平方向に搬送される。
【0059】
第4トレイ搬送機構39は第1プーリー55及び第2プーリー56を備える。第1プーリー55及び第2プーリー56には第1ベルト57及び第2ベルト58が掛けられる。第1ベルト57及び第2ベルト58上にトレイ24が載置される。
【0060】
第4トレイ搬送機構39はモーター59を備える。モーター59は第1プーリー55を回転させる。第1プーリー55が回転するとき、第1ベルト57及び第2ベルト58がY方向負側に移動する。第1ベルト57及び第2ベルト58の移動に伴い、トレイ24が移動する。
【0061】
デバイス収納位置51と積み上げ位置52との間には衝撃付与部材49、トレイストッパー50及びトレイ検出センサー61が配置される。トレイストッパー50はエアシリンダーによりZ方向に上下動する。トレイ24の進行を遮るとき、トレイストッパー50が上昇する。トレイ24はトレイストッパー50に当たって停止する。トレイストッパー50が下がるとき、トレイ24はトレイ除去領域12へ進行可能になる。このように、トレイストッパー50はトレイ24の進行の可否を制御する。
【0062】
トレイ検出センサー61はトレイ24がデバイス収納位置51に到着したか否かを検出する。制御装置4は第4トレイ搬送機構39を駆動してトレイ24を搬送する。トレイ24がデバイス収納位置51に到着すると、トレイ検出センサー61がトレイ24を検出して制御装置4に検出信号を送信する。制御装置4は検出信号を受信して第4トレイ搬送機構39にトレイ24の搬送を停止させる。衝撃付与部材49はトレイ24を水平方向へ搬送させる動線54上に配置される。
【0063】
デバイス収納位置51のY方向正側にはトレイ押圧部60が配置される。トレイ押圧部60はエアシリンダーを備え、伸縮可能になっている。衝撃付与部材49がトレイ24に衝撃を付与するとき、トレイ押圧部60が伸長する。トレイ押圧部60はトレイ24を水平方向からトレイストッパー50に押圧して、トレイ24を固定する。衝撃付与部材49によるトレイ24への衝撃が終了するとき、トレイ押圧部60は収縮する。そして、トレイ24の固定が解除される。
【0064】
次に、衝撃付与部材49の構成及び動作を説明する。
【0065】
図3において、制御装置4がトレイストッパー50を上昇させる。第3トレイ搬送機構38によりトレイ24がデバイス収納位置51に設置されたら、トレイ押圧部60がトレイ24をトレイストッパー50に押圧してトレイ24を固定する。
【0066】
図4に示すように、デバイス搬送装置2は基台62を備える。トレイ24は基台62と平行に載置される。衝撃付与部材49は基台62の上面62aに設置される。衝撃付与部材49は打撃部63及び格納機構としての蝶番64を有する。
【0067】
基台62にはノズル65が設置される。ノズル65は上面62a側が吹き出し口になっている。基台62の上面62aと反対側の下面62bではノズル65にチューブ66が挿入されている。チューブ66の内部を圧縮空気が流動する。チューブ66によりノズル65は電磁弁67と接続される。さらに、チューブ66により電磁弁67は圧縮ポンプ68と接続される。圧縮ポンプ68はICデバイス13の搬送を行うために予め装置に備わっている圧縮空気を供給する装置である。ノズル65、チューブ66、電磁弁67及び圧縮ポンプ68等によりアクチュエーター69が構成される。圧縮ポンプ68はタンクを備え、タンク内には所定の圧力の圧縮空気が蓄えられる。例えば本実施形態では圧縮空気の圧力は0.5MPaである。
【0068】
ノズル65が圧縮空気を吹き出さないとき、打撃部63は自重によりトレイ24よりZ方向負側に位置する。ノズル65が圧縮空気を吹き出さないとき、打撃部63が位置する場所を収納位置71とする。打撃部63を収納位置71に移動させる格納機構は蝶番64である。
【0069】
図5に示すように、衝撃付与部材49がトレイ24に衝撃を付与する前に、トレイ24の鉛直上方から第3トレイ搬送機構38が空のトレイ24をかぶせる。空のトレイ24は蓋部として機能する。
【0070】
図6において、制御装置4が電磁弁67に弁を開かせる。圧縮空気72が電磁弁67からノズル65へ流動しノズル65から打撃部63に向けて吹き出す。打撃部63は圧縮空気72の風圧を受ける。打撃部63は蝶番64の軸を中心にして回転してトレイ24の側面24bに衝突する。
【0071】
衝撃付与部材49はトレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。衝撃を付与した後、打撃部63は自重により収納位置71に戻る。衝撃付与部材49はトレイ24を水平方向へ搬送させる動線54上で搬送の障害となる衝撃付与位置73と、障害とはならない収納位置71とを移動する格納機構である蝶番64で実現される。
【0072】
衝撃付与部材49は所定の間隔でトレイ24の側面24bに複数回の衝撃を付与しても良い。例えば本実施形態では、衝撃付与部材49が0.3秒の間隔で10回程トレイ24の側面24bに衝撃を付与する。次に、重なっているトレイ24のうち空のトレイ24を第3トレイ搬送機構38が移動する。続いて、制御装置4はトレイ押圧部60を収縮させて、トレイ24の固定を解除する。次に、制御装置4はトレイストッパー50を下げて、トレイ24を進行可能にする。
【0073】
この構成によれば、衝撃付与部材49がトレイ24に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。ICデバイス13の一部がポケット24aからはみ出すときにも、衝撃によりICデバイス13をポケット24aに収納させることができる。
【0074】
この構成によれば、蝶番64が打撃部63を回転させることにより、衝撃付与部材49は衝撃付与位置73と収納位置71との間で移動する。蝶番64は入手し易い為、生産性良く格納機構を製造できる。
【0075】
ICデバイス13の搬送を行うために予め装置に備わっている圧縮ポンプ68を、デバイス搬送装置2は衝撃付与部材49を加速させるアクチュエーター69として用いる。この構成によれば、アクチュエーター69は圧縮空気72を用いて衝撃付与部材49を加速させる。圧縮空気72はデバイス搬送装置2が備える各種の機構に用いられる。従って、デバイス搬送装置2は衝撃付与部材49以外で用いられる圧縮空気72を転用できる。
【0076】
この構成によれば、トレイ24に空のトレイ24をかぶせた後にトレイ24に衝撃が付与される。かぶせられたトレイ24によりポケット24aに正しく収納されたICデバイス13がポケット24aから飛び出すことを抑制できる。
【0077】
図7に示すように、トレイ24に衝撃を加えた後に衝撃付与部材49は衝撃付与位置73から収納位置71へ移動する。第1ベルト57及び第2ベルト58が動いて、トレイ24を積み上げ位置52に搬送する。収納位置71に移動した衝撃付与部材49はトレイ24と接触しないので、トレイ24は移動可能になっている。
【0078】
この構成によれば、蝶番64があるので自重により衝撃付与部材49は衝撃付与位置73から収納位置71へ回転して移動する。従って、トレイ24が動線54に沿って移動するときに、衝撃付与部材49がトレイ24の移動を妨げないようにすることができる。
【0079】
動線54が平行して複数あるときにも、衝撃付与部材49は動線54上に配置されるので、動線54間に衝撃付与部材49が配置されるときに比べて、デバイス搬送装置2を小型にできる。
【0080】
この構成によれば、動線54はデバイス収納位置51と積み上げ位置52とを結ぶ。従って、ICデバイス13をトレイ24へ収納した後でトレイ24を積み上げ位置52に移動する前にトレイ24に衝撃を付与することができる。
【0081】
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、衝撃付与部材49の機構が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0082】
図8に示すように、電子部品検査装置76のデバイス搬送装置77は衝撃付与部材78を備える。衝撃付与部材78は基台62の上面62aに設置される。衝撃付与部材78は打撃部79及び格納機構としての蝶番81を備える。
【0083】
基台62の下面62bには凸部82が設置される。打撃部79の一端と凸部82とをエアシリンダー83が連結する。打撃部79の一端とエアシリンダー83との連結部は回転可能になっている。凸部82とエアシリンダー83との連結部も回転可能になっている。チューブ66によりエアシリンダー83は電磁弁67と接続される。さらに、チューブ66により電磁弁67は圧縮ポンプ68と接続される。チューブ66を圧縮空気が流動する。エアシリンダー83、チューブ66、電磁弁67及び圧縮ポンプ68によりアクチュエーター84が構成される。
【0084】
エアシリンダー83にはばねが内蔵される。電磁弁67が弁を開いてエアシリンダー83に圧縮空気72を供給するとき、エアシリンダー83が伸長する。電磁弁67が弁を閉じてエアシリンダー83に圧縮空気72の供給を停止するとき、エアシリンダー83は収縮する。
【0085】
エアシリンダー83が伸長するとき、打撃部79はZ方向負側の収納位置71に位置する。打撃部79を収納位置71に移動させる格納機構は蝶番81である。
【0086】
図9において、制御装置4が電磁弁67に弁を閉じさせる。エアシリンダー83への圧縮空気72の流動が停止し、ばねによりエアシリンダー83が収縮する。打撃部79は蝶番81の軸を中心にして回転してトレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に衝突する。
【0087】
衝撃付与部材78はトレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。衝撃を付与した後、エアシリンダー83へ圧縮空気72が供給されて打撃部79は収納位置71に戻る。衝撃付与部材78が有する格納機構である蝶番81により、衝撃付与部材78は衝撃付与位置73と収納位置71との間で移動する。
【0088】
この構成によれば、衝撃付与部材78がトレイ24に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。ICデバイス13の一部がポケット24aからはみ出すときにも、衝撃によりICデバイス13をポケット24aに収納させることができる。
【0089】
第3実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、衝撃付与部材49の機構が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0090】
図10に示すように、電子部品検査装置87のデバイス搬送装置88は衝撃付与部材89を備える。衝撃付与部材89は打撃部90及び格納機構としての回転エアシリンダー91を備える。回転エアシリンダー91は基台62の下面62bに設置される。衝撃付与部材89の打撃部90は回転エアシリンダー91の軸91aに設置される。
【0091】
回転エアシリンダー91は第1供給口91b及び第2供給口91cを備える。第1供給口91bに圧縮空気72が供給されるとき、軸91aが時計回りに所定の位置まで回転する。このとき、衝撃付与部材89の打撃部90の先端は収納位置71に位置する。第2供給口91cに圧縮空気72が供給されるとき、軸91aが反時計回りに所定の位置まで回転する。
【0092】
チューブ66によりエアシリンダー91は電磁弁92と接続される。さらに、チューブ66により電磁弁92は圧縮ポンプ68と接続される。チューブ66を圧縮空気が流動する。回転エアシリンダー91、チューブ66、電磁弁92及び圧縮ポンプ68によりアクチュエーター93が構成される。電磁弁92は第1供給口91b及び第2供給口91cの一方にのみ圧縮空気72を流動させる。
【0093】
図11において、制御装置4が電磁弁92の弁を切り換えて第2供給口91cに圧縮空気72を流動させる。回転エアシリンダー91の軸91aが反時計回りに回転する。打撃部90は回転エアシリンダー91の軸91aを中心にして回転してトレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に衝突する。
【0094】
衝撃付与部材89はトレイ24の側面24bの衝撃付与位置73に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。衝撃を付与した後、回転エアシリンダー91の第1供給口91bへ圧縮空気72が供給されて打撃部90は収納位置71に戻る。衝撃付与部材89が有する格納機構である回転エアシリンダー91により、衝撃付与部材89の打撃部90は衝撃付与位置73と収納位置71との間で移動する。
【0095】
この構成によれば、衝撃付与部材89がトレイ24に、水平方向から直接的に衝撃を付与する。ICデバイス13の一部がポケット24aからはみ出すときにも、衝撃によりICデバイス13をポケット24aに収納させることができる。
【符号の説明】
【0096】
2,77,88…デバイス搬送装置、13…ICデバイス、24…収納トレイ及び蓋部としてのトレイ、24a…ポケット、38…蓋設置部としての第3トレイ搬送機構、49,78,89…衝撃付与部材、51…デバイス収納位置、52…積み上げ位置、54…動線、64,81…格納機構としての蝶番、69,84…アクチュエーター、71…収納位置、73…衝撃付与位置、91…格納機構としての回転エアシリンダー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11