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特開2022-80009テスト用エッジデバイス、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080009
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】テスト用エッジデバイス、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/00 20220101AFI20220520BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H04L12/70 100A
G06F13/00 351N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190937
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 恭平
【テーマコード(参考)】
5B089
5K030
【Fターム(参考)】
5B089GA01
5B089GA21
5B089GA31
5B089GB02
5B089HA10
5B089HB02
5B089JB10
5B089KA12
5K030GA14
5K030HA08
5K030JA10
5K030MC01
5K030MD07
(57)【要約】
【課題】システム統合テストを効率的に行うことが可能なテスト用エッジデバイス、方法及びプログラムを提供することにある。
【解決手段】実施形態に係るテスト用エッジデバイスは、第1エッジデバイスを通信先として含む第1データ送信要求を及び第2エッジデバイスを通信先として含む第2データ送信要求を、情報処理装置から受信する受信手段と、変換手段とを具備する。変換手段は、第1データ送信要求に含まれる通信先を第1エッジデバイスから第1送信手段に変換した第1データ送信要求を第1送信手段に送信し、第2データ送信要求に含まれる通信先を第2エッジデバイスから第2送信手段に変換した第2データ送信要求を第2送信手段に送信する。第1及び第2送信手段は、第1及び第2データ送信要求に基づいて第1及び第2模擬データを情報処理装置に送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2エッジデバイスから送信される送信データを収集して処理するように構成された情報処理装置のシステム統合テストを行うために用いられるテスト用エッジデバイスにおいて、
前記第1エッジデバイスに対応する第1送信手段と、
前記第2エッジデバイスに対応する第2送信手段と、
前記第1エッジデバイスを通信先として含む第1データ送信要求及び前記第2エッジデバイスを通信先として含む第2データ送信要求を、前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記受信された第1データ送信要求に含まれる通信先を前記第1エッジデバイスから前記第1送信手段に変換した第1データ送信要求を当該第1送信手段に送信し、前記受信された第2データ送信要求に含まれる通信先を前記第2エッジデバイスから前記第2送信手段に変換した第2データ送信要求を当該第2送信手段に送信する変換手段と
を具備し、
前記第1送信手段は、前記送信された第1データ送信要求に基づいて第1模擬データを前記情報処理装置に送信し、
前記第2送信手段は、前記送信された第2データ送信要求に基づいて第2模擬データを前記情報処理装置に送信する
テスト用エッジデバイス。
【請求項2】
前記第1模擬データは、過去に前記第1エッジデバイスから前記情報処理装置に送信された第1データを含み、
前記第2模擬データは、過去に前記第2エッジデバイスから前記情報処理装置に送信された第2データを含む
請求項1記載のテスト用エッジデバイス。
【請求項3】
同期処理手段を更に具備し、
前記情報処理装置は、リアルタイムにデータを処理するように構成されており、
前記第1模擬データは、前記第1エッジデバイスが前記第1データを送信した日時を含み、
前記第2模擬データは、前記第2エッジデバイスが前記第2データを送信した日時を含み、
前記同期処理手段は、前記第1または第2模擬データに含まれる日時を前記情報処理装置に設定する
請求項2記載のテスト用エッジデバイス。
【請求項4】
前記第1及び第2模擬データは、前記第1エッジデバイスと前記情報処理装置との間に配置されている中継装置によって収集される請求項2または3記載のテスト用エッジデバイス。
【請求項5】
前記第1エッジデバイスに割り当てられているIPアドレス及びポート番号と前記第1送信手段に割り当てられているIPアドレス及びポート番号とが対応づけられ、前記第2エッジデバイスに割り当てられているIPアドレス及びポート番号と前記第2送信手段に割り当てられているIPアドレス及びポート番号とが対応づけられた変換テーブルを更に具備し、
前記第1データ送信要求に含まれる通信先は、前記第1エッジデバイスに割り当てられているIPアドレス及びポート番号を含み、
前記第2データ送信要求に含まれる通信先は、前記第2エッジデバイスに割り当てられているIPアドレス及びポート番号を含み、
前記変換手段は、前記変換テーブルを参照して、前記第1データ送信要求に含まれるIPアドレス及びポート番号を前記第1送信手段に割り当てられているIPアドレス及びポート番号に変換し、前記第2データ送信要求に含まれるIPアドレス及びポート番号を前記第2送信手段に割り当てられるIPアドレス及びポート番号に変換する
請求項1~4のいずれか一項に記載のテスト用エッジデバイス。
【請求項6】
前記第1送信手段に割り当てられているIPアドレスは、前記第2送信手段に割り当てられているIPアドレスと共通しており、
前記第1送信手段に割り当てられているポート番号は、前記第2送信手段に割り当てられているポート番号とは異なる
請求項5記載のテスト用エッジデバイス。
【請求項7】
第1及び第2エッジデバイスから送信される送信データを収集して処理するように構成された情報処理装置のシステム統合テストを行うために用いられるテスト用エッジデバイスが実行する方法であって、
前記第1エッジデバイスを通信先として含む第1データ送信要求及び前記第2エッジデバイスを通信先として含む第2データ送信要求を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記受信された第1データ送信要求に含まれる通信先を前記第1エッジデバイスから当該第1エッジデバイスに対応する第1送信手段に変換した第1データ送信要求を当該第1送信手段に送信し、前記受信された第2データ送信要求に含まれる通信先を前記第2エッジデバイスから当該第2エッジデバイスに対応する第2送信手段に変換した第2データ送信要求を当該第2送信手段に送信するステップと、
前記送信された第1データ送信要求に基づいて第1模擬データを前記第1送信手段から前記情報処理装置に送信するステップと、
前記送信された第2データ送信要求に基づいて第2模擬データを前記第2送信手段から前記情報処理装置に送信するステップと
を具備する方法。
【請求項8】
第1及び第2エッジデバイスから送信される送信データを収集して処理するように構成された情報処理装置のシステム統合テストを行うために用いられるテスト用エッジデバイスのコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1エッジデバイスを通信先として含む第1データ送信要求及び前記第2エッジデバイスを通信先として含む第2データ送信要求を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記受信された第1データ送信要求に含まれる通信先を前記第1エッジデバイスから当該第1エッジデバイスに対応する第1送信手段に変換した第1データ送信要求を当該第1送信手段に送信し、前記受信された第2データ送信要求に含まれる通信先を前記第2エッジデバイスから当該第2エッジデバイスに対応する第2送信手段に変換した第2データ送信要求を当該第2送信手段に送信するステップと、
前記送信された第1データ送信要求に基づいて第1模擬データを前記第1送信手段から前記情報処理装置に送信するステップと、
前記送信された第2データ送信要求に基づいて第2模擬データを前記第2送信手段から前記情報処理装置に送信するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テスト用エッジデバイス、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えば異なる位置に配置された複数のエッジデバイスの各々において取得されたデータを情報処理装置において収集し、当該データを統合する処理等を実行する情報収集システムが知られている。このような情報収集システムによれば、複数のエッジデバイスの各々において取得されたデータを統合することによって生成される有用な情報を提供することが可能となる。
【0003】
ところで、上記した情報収集システムにおいては、情報処理装置が複数のエッジデバイスからデータを適切に収集し、処理することができるか否かをテストする(つまり、情報処理装置のシステム統合テストを行う)必要があるが、このようなシステム統合テストを効率的に行うことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-339472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、システム統合テストを効率的に行うことが可能なテスト用エッジデバイス、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、第1及び第2エッジデバイスから送信される送信データを収集して処理するように構成された情報処理装置のシステム統合テストを行うために用いられるテスト用エッジデバイスが提供される。前記テスト用エッジデバイスは、前記第1エッジデバイスに対応する第1送信手段と、前記第2エッジデバイスに対応する第2送信手段と、前記第1エッジデバイスを通信先として含む第1データ送信要求及び前記第2エッジデバイスを通信先として含む第2データ送信要求を、前記情報処理装置から受信する受信手段と、変換手段とを具備する。前記変換手段は、前記受信された第1データ送信要求に含まれる通信先を前記第1エッジデバイスから前記第1送信手段に変換した第1データ送信要求を当該第1送信手段に送信し、前記受信された第2データ送信要求に含まれる通信先を前記第2エッジデバイスから前記第2送信手段に変換した第2データ送信要求を当該第2送信手段に送信する。前記第1送信手段は、前記送信された第1データ送信要求に基づいて第1模擬データを前記情報処理装置に送信する。前記第2送信手段は、前記送信された第2データ送信要求に基づいて第2模擬データを前記情報処理装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るテスト用エッジデバイスが適用される情報収集システムについて説明するための図。
図2】情報収集システムの使用態様の一例を示す図。
図3】エッジデバイスと同数のテスト用エッジデバイスを用意してシステム統合テストを行う場合について説明するための図。
図4】本実施形態に係るテスト用エッジデバイスの概要を説明するための図。
図5】テスト用エッジデバイスの機能構成を示すブロック図。
図6】通信先変換テーブルのデータ構造の一例を示す図。
図7】テスト用エッジデバイスのハードウェア構成の一例を示す図。
図8】エッジデバイスと情報処理装置の間に配置されている中継装置について説明するための図。
図9】模擬データ生成処理の処理手順の一例を示すフローチャート。
図10】模擬データ格納部に格納される模擬データについて説明するための図。
図11】システム統合テストを行う際のテスト用エッジデバイスの処理手順の一例を示すフローチャート。
図12】データ送信要求に含まれる通信先を変換した結果の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係るテスト用エッジデバイスが適用される情報収集システムについて説明する。
【0009】
図1に示すように、情報収集システムは、複数のエッジデバイス1-1~1-n(nは、2以上の整数)及び情報処理装置2を備える。
【0010】
エッジデバイス1-1~1-nの各々は、異なる位置に配置された端末装置(例えば、PC等)であり、例えば各種センサ等を介してデータを取得し、情報処理装置2に当該データを送信するように構成されている。
【0011】
情報処理装置2は、例えばインターネットのようなネットワークを介して、エッジデバイス1-1~1-nと通信可能に接続されている。情報処理装置2は、エッジデバイス1-1~1-nの各々に対してデータの送信を要求する。情報処理装置2は、このような情報処理装置2からの要求(以下、データ送信要求と表記)に基づいてエッジデバイス1-1~1-nの各々から送信されたデータを収集し、当該収集されたデータから有用な情報を生成するための各種処理を実行する。すなわち、情報処理装置2は、エッジデバイス1-1~1-nからプル型の動作でデータを得て、当該データを処理するように構成されている。
【0012】
ここで、図2は、上記した情報収集システムの使用態様の一例を示す。図2に示す例においては、6つのエッジデバイス1-1~1-6の各々が例えば日本の各地に点在するように配置され、当該エッジデバイス1-1~1-6は、当該エッジデバイス1-1~1-6の各々が配置されている地点(周辺)に関するデータを取得するものとする。この場合、エッジデバイス1-1~1-6によって取得されるデータとしては、例えば温度センサによって計測される温度データ(気象データ)等が含まれる。
【0013】
ここで、情報収集システムに備えられる情報処理装置2は、例えばエッジデバイス1-1~1-6の各々に対してデータ送信要求を送信する。
【0014】
情報処理装置2から送信されたデータ送信要求はエッジデバイス1-1~1-6の各々によって受信され、当該エッジデバイス1-1~1-6の各々は、当該データ送信要求に基づいてデータを取得し、当該取得されたデータを情報処理装置2に送信する。なお、エッジデバイス1-1~1-6の各々は、データ送信要求が受信された後、定期的に(例えば、毎秒)データを取得及び送信するように動作するものとする。
【0015】
このような情報収集システムによれば、情報処理装置2は、例えばエッジデバイス1-1~1-6の各々から送信されたデータ(例えば、当該エッジデバイス1-1~1-6の各々が配置されている地点に関する温度データ)を統合する処理を実行することによって、日本全国を対象とした温度マップ(ヒートマップ)のような有用な情報を生成することができる。
【0016】
なお、図2においては情報収集システムに備えられるエッジデバイス1-1~1-nにおけるnが6である例を示しているが、上記したように本実施形態におけるn(つまり、エッジデバイスの数)は2以上の整数であればよい。また、nは、情報収集システムの使用態様またはエッジデバイス1-1~1-nの各々によって取得されるデータの種別等に応じて適宜変更されても構わない。
【0017】
また、本実施形態における情報収集システムにおいて、エッジデバイス1-1~1-nと情報処理装置2との間の通信は、当該エッジデバイス1-1~1-nがサーバ側、情報処理装置2がクライアント側として動作するTCP/IPに基づいて実行される。
【0018】
ここで、上記した情報収集システムに備えられる情報処理装置2のシステム統合テストを行う場合を想定する。なお、本実施形態において、システム統合テストとは、エッジデバイス1-1~1-nから送信されたデータを適切に処理するように情報処理装置2が動作するか否かを確認することをいう。システム統合テストは、例えば情報処理装置2上で動作するプログラム(情報処理装置2において実行される処理)が更新された場合等に行われる。
【0019】
このシステム統合テストにおいては、情報処理装置2の動作を確認するために、エッジデバイス1-1~1-nの代わりとなるテスト用のエッジデバイスを用意する場合が多い。
【0020】
例えば図3に示すように上記したエッジデバイス1-1~1-nの各々と同様に構成されたテスト用エッジデバイス1-1´~1-n´を用意し、当該複数のテスト用エッジデバイス1-1´~1-n´と情報処理装置2とを上記した情報収集システムと同様に動作させるものとする。これによれば、テスト用エッジデバイス1-1´1-n´から送信されるデータを利用して、実際に情報収集システムを使用する場合と同様に情報処理装置2を動作させることが可能であるため、当該情報処理装置2のシステム統合テストを行うことができる。
【0021】
しかしながら、このようなシステム統合テストにおいてはエッジデバイス1-1~1-nと同数のテスト用エッジデバイス1-1´~1-n´を用意する必要があり、当該システム統合テストにかかるコストが高い。なお、本実施形態におけるシステム統合テストにかかるコストとは、例えばシステム統合テスト環境を構築するために必要なデバイス(PC)を用意するための費用や当該システム統合テスト環境を構築または変更するために必要な手間等をいう。
【0022】
また、実際に情報収集システムにおいて用いられるエッジデバイス1-1~1-nの性質(当該エッジデバイス1-1~1-nによって取得されるデータの種別)によっては、当該データが送信される日時または当該エッジデバイス1が配置されている位置(場所)に依存したデータをシステム統合テストに用いることが好ましいが、このようなデータを再現することが困難である。
【0023】
更に、実際に情報収集システムを使用する場合にはデータ送信要求の通信先(送信先)としてエッジデバイス1-1~1-nが情報処理装置2に設定されているが、システム統合テストにおいて情報処理装置2が複数のテスト用エッジデバイス1-1´~1-n´にデータ送信要求を送信するものとすると、当該データ送信要求の通信先の設定をエッジデバイス1-1~1-nからテスト用エッジデバイス1-1´~1-n´に変更する必要があり、手間がかかる。
【0024】
また、例えばJMeterと称されるツールを用いてシステム統合テストを行うことが知られているが、当該JMeterは、エッジデバイス側が通信先(既知の通信先)を選択し、情報処理装置がデータを受け取る仕組みであれば実現(再現)できるが、上記した情報収集システムのように情報処理装置2からのデータ送信要求に基づいてエッジデバイス1-1~1-nが定期的にデータを送信するような動作を実現することはできない。
【0025】
更に、システム統合テストに用いられる他のツールとして例えばNoderedがある。Noderedは、JMeterとは異なり、未知の通信先に対してデータを送信することができる。しかしながら、Noderedには1つのIPアドレスが割り当てられるため、単に当該Noderedを利用して上記した情報収集システムに備えられるエッジデバイス1-1~1-nを実現しようとすると、複数のNoderedを用意する(Noderedを複数稼働させる)必要があり、コストがかかる。
【0026】
そこで、本実施形態に係るテスト用エッジデバイスは、上記した観点に基づき、情報処理装置2のシステム統合テストを効率的に行うことを実現する。
【0027】
図4は、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス(模擬エッジデバイス)の概要を説明するための図である。
【0028】
上記したように情報処理装置2はエッジデバイス1-1~1-nの各々に対してデータ送信要求を送信するように構成されているが、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10は、図4に示すように当該情報処理装置2からエッジデバイス1-1~1-nに対して送信されたデータ送信要求を受信可能なように構成されているものとする。
【0029】
また、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10は、受信されたデータ送信要求に基づいて、上記したエッジデバイス1-1~1-nの各々が情報処理装置2に送信するデータに相当するデータを情報処理装置2に送信するように構成されている。
【0030】
なお、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10は、エッジデバイス1の動作を模擬するように構成された例えば単一の装置(パーソナルコンピュータ等)として実現される。
【0031】
本実施形態においては、テスト用エッジデバイス10が上記したように動作することにより、情報処理装置2はデータを統合する処理を実行することができるため、効率的にシステム統合テストを行うことができる。
【0032】
なお、以下の説明においては、例えば情報収集システムを実際の使用環境で動作させた際にエッジデバイス1-1~1-nの各々から送信されるデータを本データ、システム統合テストを行うテスト環境においてテスト用エッジデバイス10から送信されるデータを模擬データ、情報処理装置2において実行される処理を統合処理と称する。
【0033】
以下、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10について詳細に説明する。図5は、主として本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
図5に示すように、テスト用エッジデバイス10は、受信部11、模擬データ送信部12、通信先変換テーブル13、通信先変換部14、模擬データ格納部15及び同期処理部16を含む。
【0035】
なお、テスト用エッジデバイス10は情報処理装置2のシステム統合テスト時に当該情報処理装置2と通信可能に接続されるが、当該情報処理装置2は、送信部21、受信部22及び設定部23を含む。
【0036】
情報処理装置2のシステム統合テストが行われる場合、情報処理装置2に含まれる送信部21は、上記した情報収集システムに備えられるエッジデバイス1-1~1-nの各々に対して送信されるデータ送信要求と同一のデータ送信要求を送信する。なお、エッジデバイス1-1~1-nの各々に対して送信されるデータ送信要求には、当該データ送信要求の通信先(送信先)としてエッジデバイス1-1~1-nの各々が含まれている。
【0037】
受信部11は、情報処理装置2(送信部21)から送信されたデータ送信要求の各々を受信する。
【0038】
模擬データ送信部12は、上記した模擬データを情報処理装置2に対して送信するための機能部であり、当該エッジデバイス1-1~1-nの各々に対応するn個の送信部12-1~12-nを含む。
【0039】
通信先変換テーブル13には、データ送信要求に含まれる通信先を変換するための通信先変換情報が保持される。
【0040】
通信先変換部14は、通信先変換テーブル13(通信先変換情報)を参照して、受信部11によって受信されたデータ送信要求に含まれる通信先(エッジデバイス1-1~1-nのうちの1つ)を模擬データ送信部12に含まれる送信部12-1~12-nのうちの1つに変換する。換言すれば、通信先変換部14は、データ送信要求に含まれる通信先を送信部12-1~12-nのうちの1つで上書きする。
【0041】
ここで、例えばエッジデバイス1-1を通信先として含むデータ送信要求が受信部11によって受信された場合を想定する。この場合、通信先変換部14は、受信部11によって受信されたデータ送信要求に含まれる通信先をエッジデバイス1-1から当該第1エッジデバイスに対応する送信部12-1に変換する。
【0042】
一方、例えばエッジデバイス1-2を通信先として含むデータ送信要求が受信部11によって受信された場合を想定する。この場合、通信先変換部14は、受信部11によって受信されたデータ送信要求に含まれる通信先をエッジデバイス1-2から当該エッジデバイス1-2に対応する送信部12-2に変換する。
【0043】
ここでは、エッジデバイス1-1及び1-2を通信先として含むデータ送信要求が受信部11によって受信された場合について説明したが、他のエッジデバイス1-3~1-nを通信先として含むデータ送信要求が受信部11によって受信された場合についても同様である。
【0044】
上記したように通信先変換部14によって通信先が変換されたデータ送信要求は、当該変換後の通信先に基づいて、送信部12-1~12-nの各々に送信(転送)される。
【0045】
模擬データ格納部15には、上記した本データ(エッジデバイス1-1~1-nが情報処理装置2に対して送信するデータ)に相当する模擬データが格納されている。なお、模擬データ格納部15に格納されている模擬データは、例えば過去にエッジデバイス1-1~1-nが情報処理装置2に対して実際に送信した本データであってもよい。この場合、模擬データ格納部15に格納されている模擬データには、例えばエッジデバイス1-1~1-nが本データを送信した日時(送信日時)が含まれる。
【0046】
送信部12-1~12-nの各々は、当該送信部12-1~12-nの各々を通信先として含むデータ送信要求を受信した場合、模擬データ格納部15から模擬データを取得し、当該模擬データを情報処理装置2に送信する。このように送信部12-1~12-nの各々によって送信された模擬データは情報処理装置2に含まれる受信部22によって受信され、当該情報処理装置2においては、当該模擬データに対する統合処理が実行される。
【0047】
同期処理部16は、上記した模擬データ格納部15に格納されている模擬データに含まれる送信日時に基づいて、当該送信日時と情報処理装置2に設定されている日時とを同期させる。この同期処理部16によって実行される同期処理は、例えばテスト用エッジデバイス10及び情報処理装置2と通信可能に接続されているNTPサーバ50を介して実行される。なお、NTPサーバ50は、例えばインターネット等のTCP/IPに基づくネットワーク上で日時情報を配信することによって、クライアント及びサーバの日時を同期させるためのサーバ装置である。
【0048】
同期処理部16によって同期処理が実行された場合には、NTPサーバ50から情報処理装置2に日時情報(模擬データに含まれる送信日時)が送信されるが、当該日時情報は、情報処理装置2に含まれる設定部23によって当該情報処理装置2に設定される。
【0049】
図6は、図5に示す通信先変換テーブル13のデータ構造の一例を示す。ここで、上記したように通信先変換テーブル13にはデータ送信要求に含まれる通信先を変換するための通信先変換情報が保持されるが、本実施形態において、通信先は、IPアドレス及びポート番号(待ち受けポート)を含む。また、通信先変換テーブル13に保持される通信先変換情報は、エッジデバイス1-1~1-nのうちの1つのエッジデバイスを識別するための識別情報(以下、デバイスIDと表記)と、当該エッジデバイスに割り当てられているIPアドレス及びポート番号(変換前の通信先)と、当該エッジデバイスに対応する送信部12-1~12-nのうちの1つの送信部に割り当てられているIPアドレス及びポート番号(変換後の通信先)とを対応づけて含む。
【0050】
図6に示す例では、通信先変換テーブル13には、通信先変換情報13a及び13bを含む複数の通信先変換情報が保持されている。
【0051】
通信先変換情報13aには、デバイスID「0001」と、変換前の通信先としてIPアドレス「10.0.1.11」及びポート番号「50000」と、変換後の通信先としてIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60001」とが含まれている。ここで、デバイスID「0001」によって識別されるエッジデバイスがエッジデバイス1-1であるものとすると、この通信先変換情報13aによれば、当該エッジデバイス1-1に割り当てられているIPアドレス及びポート番号が「10.0.1.11」及び「50000」であり、当該エッジデバイス1-1に割り当てられているIPアドレス及びポート番号を含む通信先(つまり、変換前の通信先)がIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60001」を含む通信先(つまり、変換後の通信先)に変換されることが示されている。なお、IPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60001」は、エッジデバイス1-1に対応する送信部12-1に割り当てられているIPアドレス及びポート番号である。
【0052】
通信先変換情報13bには、デバイスID「0002」と、変換前の通信先としてIPアドレス「10.0.1.12」及びポート番号「50000」と、変換後の通信先としてIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60002」とが含まれている。ここで、デバイスID「0002」によって識別されるエッジデバイスがエッジデバイス1-2であるものとすると、この通信先変換情報13bによれば、当該エッジデバイス1-2に割り当てられているIPアドレス及びポート番号が「10.0.1.12」及び「50000」であり、当該エッジデバイス1-2に割り当てられているIPアドレス及びポート番号を含む通信先(つまり、変換前の通信先)がIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60002」を含む通信先(つまり、変換後の通信先)に変換されることが示されている。なお、IPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60002」は、エッジデバイス1-2に対応する送信部12-2に割り当てられているIPアドレス及びポート番号である。
【0053】
ここでは通信先変換情報13a及び13bについてのみ説明したが、通信先変換テーブル13には、上記したようにエッジデバイス1-1~1-nの各々を識別するデバイスIDを含む複数の通信先変換情報(つまり、エッジデバイス毎の通信先変換情報)が保持されている。通信先変換情報13a及び13b以外の通信先変換情報についても当該通信先変換情報13a及び13bと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0054】
なお、エッジデバイス1-1~1-nの各々は上記したように異なる位置に配置されており、当該エッジデバイス1-1~1-nの各々には異なるIPアドレスが割り当てられている。一方、本実施形態においてテスト用エッジデバイス10は単一の装置として構成されているため、当該テスト用エッジデバイス10には1つのIPアドレスのみが割り当てられている。このため、本実施形態においては、模擬データ送信部12に含まれる送信部12-1~12-nの各々に対して異なるポート番号を割り当てる(つまり、送信部12-1~12-nをポート番号によって区別する)ことによってシステム統合テストにおけるn個のエッジデバイス1の動作を再現するものとする。
【0055】
図7は、図5に示すテスト用エッジデバイス10のハードウェア構成の一例を示す。テスト用エッジデバイス10は、CPU101、不揮発性メモリ102、主メモリ103及び通信デバイス104等を備える。
【0056】
CPU101は、テスト用エッジデバイス10内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサである。CPU101は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサで構成されていてもよい。CPU101は、不揮発性メモリ102から主メモリ103にロードされる様々なプログラムを実行する。このようにCPU101によって実行されるプログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及び各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0057】
不揮発性メモリ102は、補助記憶装置として用いられる記憶媒体である。主メモリ103は、主記憶装置として用いられる記憶媒体である。図7においては不揮発性メモリ102及び主メモリ103のみが示されているが、テスト用エッジデバイス10は、例えばHDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を備えていてもよい。
【0058】
なお、本実施形態において、図5に示すテスト用エッジデバイス10に含まれる受信部11、模擬データ送信部12、通信先変換部14及び同期処理部16の一部または全ては、CPU101(つまり、テスト用エッジデバイス10のコンピュータ)に所定のプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアによって実現されるものとする。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して頒布されてもよいし、ネットワークを通じてテスト用エッジデバイス10にダウンロードされてもよい。なお、これらの各部11、12、14及び16の一部または全ては、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0059】
また、図5に示すテスト用エッジデバイス10に含まれる模擬データ格納部15は、不揮発性メモリ102または他の記憶装置等によって実現される。更に、図6において説明した通信先変換テーブル13は、不揮発性メモリ102または他の記憶装置等に格納されていればよい。
【0060】
次に、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10の動作について説明する。まず、本実施形態においてテスト用エッジデバイス10は情報処理装置2から送信されたデータ送信要求に基づいて模擬データを当該情報処理装置2に送信するが、当該模擬データは、例えば過去に複数のエッジデバイス1の各々から実際に情報処理装置2に送信された本データに基づいて生成されるものとする。
【0061】
なお、模擬データを生成するために用いられる本データは、例えば図8に示すように情報収集システムを実際に使用する(つまり、情報収集システムを実際の使用環境で動作させる)際に当該複数のエッジデバイス1と情報処理装置2との間に配置されている中継装置3(複数のエッジデバイス1-1~1-nと情報処理装置2とを接続するためのスイッチ)によって収集可能である。なお、このように収集された本データに基づいて模擬データを生成する処理(以下、模擬データ生成処理と表記)は、例えば中継装置3に含まれる模擬データ生成部31によって実行される。
【0062】
以下、図9のフローチャートを参照して、上記した模擬データ生成処理の処理手順の一例について説明する。
【0063】
まず、上記したように情報収集システムを実際の使用環境で動作させる場合、当該情報収集システムに備えられる情報処理装置2は、エッジデバイス1-1~1-nの各々に対してデータ送信要求を送信する。
【0064】
このように情報処理装置2から送信されたデータ送信要求は、当該データ送信要求に含まれる通信先(エッジデバイス1-1~1-nの各々に割り当てられているIPアドレス及びポート番号)に基づいて、中継装置3を介して当該エッジデバイス1-1~1-nに送信される。
【0065】
次に、エッジデバイス1-1~1-nの各々は、データ送信要求に基づいてデータを取得し、当該データを情報処理装置2に送信する。なお、エッジデバイス1-1~1-nの各々によって取得されたデータは、TCP/IPに基づくパケットの形式で送信される。なお、エッジデバイス1-1~1-nの各々から送信されたパケットには、当該複数のエッジデバイス1の各々によって取得されたデータ(本データ)に加えて、当該本データが当該エッジデバイスから送信された日時(送信日時)及びその他の付加情報等が含まれる。
【0066】
中継装置3は、エッジデバイス1-1~1-nの各々から送信されたパケットを受信(収集)する(ステップS1)。
【0067】
ステップS1の処理が実行されると、中継装置3は、当該ステップS1において受信されたパケットを当該中継装置3内に保存する(ステップS2)。この場合、パケットは、例えば当該パケットを送信したエッジデバイスを識別するためのデバイスIDに対応づけて保存されるものとする。
【0068】
なお、図9においては示されていないが、ステップS1において受信されたパケットは、中継装置3から情報処理装置2に送信される。
【0069】
ここで、エッジデバイス1-1~1-nの各々は、上記したようにデータ送信要求を受信した場合、定期的に取得されたデータを順次、情報処理装置2に送信する。
【0070】
このため、図9に示すステップS1及びS2の処理は、上記したように複数のエッジデバイス1の各々からパケットが送信される度に繰り返し実行される。
【0071】
次に、模擬データ生成部31は、模擬データを生成するか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3においては、例えば上記したようにステップS1及びS2の処理が繰り返し実行されることによって予め定められた量(数)のパケットが収集されたタイミングで模擬データを生成すると判定されてもよいし、予め定められた時刻に到達したタイミングで模擬データを生成すると判定されてもよい。なお、ここで説明した模擬データを生成すると判定されるタイミングは一例であり、他のタイミングで模擬データを生成すると判定されてもよい。
【0072】
模擬データを生成しないと判定された場合(ステップS3のNO)、ステップS1に戻って処理が繰り返される。
【0073】
一方、模擬データを生成すると判定された場合を想定する(ステップS3のYES)。この場合、中継装置3内に保存されたパケットをそのまま模擬データとして利用することも可能であるが、当該パケットには、情報処理装置2において実行される統合処理に不要な付加情報等が含まれている。このため、模擬データ生成部31は、中継装置3内に保存されたパケットから本データ及び送信日時を抽出する(ステップS4)。
【0074】
模擬データ生成部31は、ステップS4において抽出されたデータ及び日時を含む模擬データを生成する(ステップS5)。
【0075】
なお、ステップS4及びS5の処理は、中継装置3内に保存されたパケットの各々について実行される。また、ステップS4及びS5の処理は各パケットに対応づけられているデバイスID毎に実行される。これにより、ステップS5においては、デバイスIDによって識別されるエッジデバイス1-1~1-n毎の模擬データが生成される。
【0076】
上記した模擬データ生成処理によれば、実際にエッジデバイス1-1~1-nの各々から送信された本データを含むパケットを収集(キャプチャ)し、当該パケットからテスト用エッジデバイス10において用いられるエッジデバイス1-1~1-n毎の模擬データを生成することができる。
【0077】
なお、模擬データ生成処理において生成された模擬データは、テスト用エッジデバイス10に含まれる模擬データ格納部15に格納される。この場合、模擬データは、図10に示すように当該模擬データを生成するために用いられたパケット(つまり、本データ)が送信された日時(送信日時)に対応づけて模擬データ格納部15に格納されるものとする。なお、送信日時は例えばバイナリデータとして模擬データにも含まれているものとする。
【0078】
図10においてはエッジデバイス1-1~1-nのうちの1つのエッジデバイスの模擬データのみが示されているが、模擬データ格納部15にはエッジデバイス1-1~1-n毎の模擬データが格納されているものとする。
【0079】
次に、図11のフローチャートを参照して、システム統合テストを行う際のテスト用エッジデバイス10の処理手順の一例について説明する。
【0080】
ここで、本実施形態において、情報収集システムに備えられる情報処理装置2は、実際にエッジデバイス1-1~1-nから本データ(パケット)が送信された場合、当該本データが送信された日時及び当該情報処理装置2に設定されている日時(情報処理装置2内のシステム日時)に従ってリアルタイムに当該データを統合処理するように動作するものとする。
【0081】
この場合、情報処理装置2は、エッジデバイス1-1~1-nから送信された本データの送信日時に基づいて当該本データがリアルタイムに送信されたデータ(つまり、当該本データが正当である)であるか否かを判定し、正当であると判定されたデータに対して統合処理を実行する。
【0082】
このように構成されている情報処理装置2に対して上記した模擬データがテスト用エッジデバイス10から送信されると、当該模擬データに含まれる送信日時は情報処理装置2に設定されている日時に対して過去の日時であるため、情報処理装置2は当該模擬データを正当でないと判定し、当該模擬データを破棄する(つまり、当該模擬データに対する統合処理を実行しない)可能性がある。
【0083】
具体的には、例えば模擬データに含まれる送信日時が9月1日の10時00分00秒である場合において、情報処理装置2に設定されている日時(現在日時)が9月2日の0時00分00秒であるものとする。この状態でシステム統合テストが開始され、送信日時が9月1日の10時00分00秒である模擬データが情報処理装置2に送信されると、情報処理装置2は、当該模擬データが過去のデータである(つまり、リアルタイムに送信されたデータでない)と判定し、当該模擬データを破棄する。
【0084】
このため、本実施形態においては、システム統合テストを行うための前処理として、当該システム統合テストにおいてテスト用エッジデバイス10から送信される模擬データに含まれる送信日時と情報処理装置2内のシステム日時とを同期する処理を実行するものとする。
【0085】
まず、システム統合テスト行うためにテスト用エッジデバイス10が動作を開始した場合、同期処理部16は、模擬データ格納部15に格納されている模擬データを参照し、当該模擬データの送信が開始される日時(以下、模擬データの送信開始日時と表記)を取得する(ステップS11)。なお、模擬データの送信開始日時は、模擬データ格納部15に格納されている模擬データに含まれる送信日時のうち、最も早い(最も過去の)日時に相当する。
【0086】
ステップS11において取得された模擬データの送信開始日時は、NTPサーバ50に送信される(ステップS12)。
【0087】
ステップS12の処理が実行されると、NTPサーバ50は、模擬データの送信開始日時を受信し、当該受信された模擬データの送信開始日時(日時情報)を情報処理装置2に配信する。このようにNTPサーバ50から配信された模擬データの送信開始日時は、情報処理装置2において受信され、当該情報処理装置2に含まれる設定部23によって情報処理装置2に設定される。これにより、情報処理装置2は、現在日時が模擬データの送信開始日時であるように動作することができる。
【0088】
ここで、システム統合テスト行う場合、情報処理装置2に含まれる送信部21は、複数のデータ送信要求を送信する。この複数のデータ送信要求には、それぞれエッジデバイス1-1~1-nのうちの異なるエッジデバイスが通信先として含まれている。すなわち、本実施形態において、情報処理装置2は、情報収集システムを実際の使用環境で動作させる際と同様の設定(通信先等)で動作すればよい。
【0089】
なお、本実施形態においては、上記したように情報処理装置2(送信部21)から送信された複数のデータ送信要求の各々について以下のステップS13以降の処理が実行されるが、ここでは当該複数のデータ送信要求のうちの1つ(以下、対象データ送信要求)について主に説明する。また、ここでは通信先として対象データ送信要求に含まれているエッジデバイス1-1~1-nのうちの1つを対象エッジデバイス1-i(i=1、2、…、n)と称する。
【0090】
本実施形態において、テスト用エッジデバイス10はエッジデバイス1-1~1-nに対して送信されたデータ送信要求を受信するように構成されているため、テスト用エッジデバイス10に含まれる受信部11は、対象エッジデバイス1-iに対して送信された対象データ送信要求を受信する(ステップS13)。
【0091】
ステップS13の処理が実行されると、通信先変換部14は、通信先変換テーブル13を参照して、当該ステップS13において受信された対象データ送信要求に含まれる通信先(対象エッジデバイス1-iに割り当てられているIPアドレス及びポート番号)を変換する(ステップS14)。
【0092】
この場合、通信先変換部14は、対象データ送信要求に通信先として含まれている対象エッジデバイス1-iに割り当てられているIPアドレス及びポート番号を、模擬データ送信部12に含まれる送信部12-1~12-nのうちの当該対象エッジデバイスに対応する送信部に割り当てられているIPアドレス及びポート番号に変換する。
【0093】
ここで、図12は、上記した図6に示す通信先変換テーブル13を参照して、対象データ送信要求に含まれる通信先を変換した結果の一例を示している。
【0094】
図12に示すように、対象エッジデバイス1-iがエッジデバイス1-1であり、対象データ送信要求にIPアドレス「10.0.0.11」及びポート番号「50000」が含まれている場合には、通信先変換部14は、通信先変換テーブル13に保持されている通信先変換情報に基づいて、当該IPアドレス「10.0.0.11」及びポート番号「50000」を、送信部12-1に割り当てられているIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60001」に変換する。
【0095】
また、対象エッジデバイス1-iがエッジデバイス1-2であり、対象データ送信要求にIPアドレス「10.0.0.12」及びポート番号「50000」が含まれている場合には、通信先変換部14は、通信先変換テーブル13に保持されている通信先変換情報に基づいて、当該IPアドレス「10.0.0.12」及びポート番号「50000」を、送信部12-2に割り当てられているIPアドレス「10.0.0.10」及びポート番号「60002」に変換する。
【0096】
図12においては省略されているが、対象エッジデバイス1-iがエッジデバイス1-3~1-nである場合においても同様に、通信先変換テーブル13を参照して対象データ送信要求に含まれる通信先を変換することができる。
【0097】
なお、本実施形態に係るテスト用エッジデバイス10には1つのIPアドレスのみが割り当てられているため、送信部12-1~12-nの各々に割り当てられているIPアドレスは共通であるが、当該送信部12-1~12-nの各々に割り当てられているポート番号は異なる。本実施形態においては、このように送信部12-1~12-nに割り当てられているポート番号によって当該送信部12-1~12-nを区別することができる。
【0098】
再び図11に戻ると、通信先変換部14は、ステップS14において変換された通信先(つまり、送信部12-1~12-nのうちの1つの送信部に割り当てられたIPアドレス及びポート番号)に基づいて、対象データ送信要求を当該送信部(以下、対象送信部12-iと表記)に転送する(ステップS15)。
【0099】
ステップS15の処理が実行されると、対象送信部12-iは、当該ステップS15において転送された対象データ送信要求を受信し、上記した対象エッジデバイス1-iの模擬データ(つまり、対象エッジデバイス1-iから実際に送信された本データを含む模擬データ)を模擬データ格納部15から取得する(ステップS16)。
【0100】
なお、本実施形態においてエッジデバイス1-1~1-nの各々は定期的にデータを取得及び送信する構成であるため、模擬データ格納部15にはエッジデバイス1-1~1-n毎の模擬データが複数格納されているが、ステップS16において対象送信部12-iは、対象エッジデバイス1-iの複数の模擬データのうち、当該模擬データに含まれる送信日時が最も早い模擬データを取得する。
【0101】
ステップS16の処理が実行されると、対象送信部12-iは、例えば情報処理装置2への経路を開き、当該ステップS16において取得された模擬データを情報処理装置2に送信する(ステップS17)。
【0102】
ここで、上記したように情報処理装置2がデータ送信要求を送信する場合には当該データ送信要求に応じたデータを受け取る(受信する)ためのソケットを用意しており、対象送信部12-iは、当該ソケットに対して模擬データを送信する。これにより、上記したようにデータ送信要求に含まれる通信先が変換されている場合であっても、当該データ送信要求に対して用意されたソケットで受け取られた模擬データは、変換前の通信先(つまり、エッジデバイス1-i)から送信された本データとして扱われる。
【0103】
ステップS17の処理が実行されると、模擬データ格納部15に格納されている対象エッジデバイス1-iの模擬データの全てが情報処理装置2に送信されたか否かが判定される(ステップS18)。
【0104】
対象エッジデバイス1-iの模擬データの全てが情報処理装置2に送信されていないと判定された場合(ステップS18のNO)、対象送信部12-iは一定期間待機する(ステップS19)。なお、ステップS19において対象送信部12-iが待機する期間は、情報収集システムが実際の使用環境で動作する際に対象エッジデバイス1-iが本データを取得及び送信する間隔に相当する。
【0105】
ステップS19の処理が実行された場合、ステップS16に戻って処理が繰り返される。この場合におけるステップS16においては、既に送信された模擬データの次に送信日時が早い模擬データ(つまり、情報処理装置2に送信されていない模擬データのうち送信日時が最も早い模擬データ)が取得される。
【0106】
一方、対象エッジデバイス1―iの模擬データの全てが情報処理装置2に送信されたと判定された場合(ステップS18のYES)、図11に示す処理は終了される。
【0107】
ここでは情報処理装置2から送信される複数のデータ送信要求のうちの1つのデータ送信要求についてのみ説明したが、上記したようにステップS13以降の処理は当該データ送信要求毎に実行される。
【0108】
上記した図11に示す処理によれば、例えば対象送信部12-iは、対象エッジデバイス1-iが本データを送信する場合と同様に、送信日時の順に模擬データを定期的に(既定の周期時間で)情報処理装置2に送信する動作を再現することができる。
【0109】
すなわち、情報処理装置2は、システム統合テストを行う際においても情報収集システムが実際の使用環境で動作する場合と同様に、エッジデバイス1-1~1-nから送信されるデータに相当する模擬データを定期的に受信することができ、当該模擬データに対する統合処理をリアルタイムに実行することができる。
【0110】
なお、システム統合テストにおいては、例えば情報処理装置2による統合処理結果を情報収集システムの管理者等が確認することにより、当該情報処理装置2が正常に動作しているか否かを判断することができるが、テスト用エッジデバイス10または他のサーバ装置が、例えば当該処理結果に基づいて当該情報処理装置2が正常に動作しているか否かを自動的に判定するような機能を備えていてもよい。
【0111】
上記したように本実施形態においては、複数のエッジデバイス1-1~1-nの各々に対応する複数の送信部12-1~12-nを含み、通信先変換部14は、例えばエッジデバイス1-1(第1エッジデバイス)を通信先として含むデータ送信要求(第1データ送信要求)を情報処理装置2から受信した場合、当該通信先をエッジデバイス1-1から送信部12-1(第1送信部)に変換したデータ送信要求を当該送信部12-1に送信し、エッジデバイス1-2(第2エッジデバイス)を通信先として含むデータ送信要求(第2データ送信要求)を情報処理装置2から受信した場合、当該通信先をエッジデバイス1-2から送信部12-2(第2送信部)に変換したデータ送信要求を当該送信部12-2に送信する。この場合、送信部12-1は、通信先変換部14から送信されたデータ送信要求に基づいてエッジデバイス1-1の模擬データ(第1模擬データ)を情報処理装置2に送信する。また、送信部12-2は、通信先変換部14から送信されたデータ送信要求に基づいてエッジデバイス1-2の模擬データ(第2模擬データ)を情報処理装置2に送信する。ここでは、エッジデバイス1-1及び1-2を通信先として含むデータ送信要求が受信された場合について説明したが、他のエッジデバイス1-3~1-nを通信先として含むデータ送信要求が受信された場合も同様である。
【0112】
本実施形態においては、このような構成により、データ送信要求に応じて本データを取得して送信するというエッジデバイス1-1~1-nの各々の動作を再現し、未知のデータ送信要求元(情報処理装置2)に模擬データを送信することができるため、情報処理装置2のシステム統合テストを効率的に行うことが可能となる。
【0113】
また、本実施形態においては、過去にエッジデバイス1-1~1-nから実際に情報処理装置2に送信された本データを含む模擬データをシステム統合テストに利用する。本実施形態においては、このような構成により、情報収集システムを実際の使用環境で動作させた際にエッジデバイス1-1~1-nから送信される本データ(つまり、送信日時やエッジデバイス1-1~1-nが配置されている位置に依存したデータ)を含む模擬データを用いてシステム統合テストが行われるため、当該実際の使用環境に近い環境でシステム統合テストを行うことが可能となる。
【0114】
なお、本実施形態においては、エッジデバイス1-1~1-nから情報処理装置2に送信されたパケットを単に再現するのではなく、情報処理装置2において実行される統合処理(つまり、システム統合テスト)に必要な本データ及び送信日時を当該パケットから抽出することによって模擬データを生成するため、より効率的なシステム統合テストを実現することが可能となる。
【0115】
また、上記したように情報処理装置2が当該情報処理装置2に設定されている日時に従ってリアルタイムに本データを処理するように構成されている(つまり、情報処理装置2の統合処理が本データに含まれる日時と情報処理装置2内のシステム日時との差に依存して実行される)ものとすると、情報処理装置2の統合処理の再現性が確保できない場合がある。
【0116】
これに対して、本実施形態においては、システム統合テストを行う前処理として模擬データに含まれる送信日時(模擬データの送信開始日時)を情報処理装置2に設定する(つまり、模擬データに含まれる送信日時と情報処理装置2内のシステム日時とを同期する)ことにより、システム統合テストを適切に行うことが可能となる。
【0117】
また、本実施形態においては、例えばエッジデバイス1-1に割り当てられているIPアドレス及びポート番号と送信部12-1に割り当てられているIPアドレス及びポート番号とが対応づけられ、例えばエッジデバイス1-2に割り当てられているIPアドレス及びポート番号と送信部12-2に割り当てられているIPアドレス及びポート番号とが対応づけられた通信先変換テーブル13を参照してデータ送信要求に含まれる通信先が変換される。本実施形態においては、このような構成により、データ送信要求に含まれる通信先をエッジデバイスから当該エッジデバイスに対応する送信部に適切に変換することが可能となる。
【0118】
また、本実施形態においては、テスト用エッジデバイス10には1つのIPアドレスのみが割り当てられているため、送信部12-1~12-nの各々には共通するIPアドレスが割り当てられているが、当該送信部12-1~12-nの各々に割り当てられているポート番号は互いに異なる。本実施形態においては、このような構成により、上記したNoderedのように1つのIPアドレスのみが割り当てられる場合であっても、ポート番号によって送信部12-1~12-nを区別することが可能となり、単一の装置であるテスト用エッジデバイス10を用いて低コストでエッジデバイス1-1~1-nの各々の動作を再現することができる。
【0119】
なお、本実施形態においては、テスト用エッジデバイス10が図5に示す機能構成を有しているものとして説明したが、当該テスト用エッジデバイス10が有する機能構成の一部は例えば外部のサーバ装置等に配置されても構わない。具体的には、図5に示す例えば通信先変換テーブル13及び模擬データ格納部15はテスト用エッジデバイス10が有している必要はなく、上記した図12に示す処理が実行される際に必要に応じて外部のサーバ装置から通信先変換テーブル13及び模擬データを取得するような構成であってもよい。
【0120】
また、本実施形態においては、中継装置3に含まれる模擬データ生成部31が本データを含む模擬データを生成(収集)するものとして説明したが、テスト用エッジデバイス10が当該模擬データ生成部31に相当する機能部を有していてもよい。換言すれば、テスト用エッジデバイス10は、情報収集システムを実際の使用環境で動作させる際にはエッジデバイス1-1~1-nの各々と情報処理装置2との間に配置される中継装置として動作してもよい。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1-1~1-n…エッジデバイス、2…情報処理装置、3…中継装置、10…テスト用エッジデバイス、11…受信部、12…模擬データ送信部、12-1~12-n…送信部、13…通信先変換テーブル、14…通信先変換部、15…模擬データ格納部、16…同期処理部、21…送信部、22…受信部、23…設定部、31…模擬データ生成部、50…NTPサーバ、101…CPU、102…不揮発性メモリ、103…主メモリ、104…通信デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12