(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080027
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】漁獲物流通支援システム、そのサーバ装置および漁獲物流通支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220520BHJP
G06Q 50/02 20120101ALI20220520BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190962
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】514017046
【氏名又は名称】株式会社ティエスビジュアルリサーチ
(71)【出願人】
【識別番号】398071451
【氏名又は名称】北日本港湾コンサルタント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】長野 晋平
(72)【発明者】
【氏名】長野 章
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC01
5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】漁獲物に漁獲証明が付与されているか否かを容易に確認できる漁獲物流通支援システム、そのサーバ装置および漁獲物流通支援方法を提供する。
【解決手段】漁獲物流通支援システムにおいて、サーバ装置は、水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、記憶部74に登録する漁獲物情報登録部84と、漁獲物の漁獲物情報にアクセスするために、当該漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報を発行するリンク情報発行部90と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録する漁獲物情報登録部と、
漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するリンク情報発行部と、
を備える漁獲物流通支援システム。
【請求項2】
前記漁獲物情報登録部は、漁獲証明を付与することが承認された漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として前記記憶部に登録する請求項1に記載の漁獲物流通支援システム。
【請求項3】
前記漁獲物情報登録部は、漁獲物情報を、前記同伴物に出力済みのリンク情報と対応づけて前記記憶部に登録する請求項1または2に記載の漁獲物流通支援システム。
【請求項4】
漁獲物の同伴物に出力されているリンク情報に基づいて特定される漁獲物情報に基づく漁獲証明書の電子データを発行する漁獲証明データ発行部をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の漁獲物流通支援システム。
【請求項5】
漁獲物の同伴物はさらに、当該漁獲物を加工した加工物とともに移動し、
前記漁獲物情報登録部は、加工物に関する情報である加工物情報を、漁獲物の同伴物に出力されているリンク情報に基づいて特定される漁獲物情報と対応づけて前記記憶部に登録する請求項1から4のいずれかに記載の漁獲物流通支援システム。
【請求項6】
水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録する漁獲物情報登録部と、
漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するリンク情報発行部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項7】
水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録するステップと、
漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するステップと、
を含む漁獲物流通支援方法。
【請求項8】
サーバ装置に、
水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録する機能と、
漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行する機能と、
を実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漁獲物流通支援システム、そのサーバ装置および漁獲物流通支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水産物は様々な業者を経て取引される。そのため、店頭に並べられる水産物について、流通経路をさかのぼって、それらがどこから来たのかを知ることは簡単ではない。このような点を悪用して、産地を偽った表示が耐えない。
【0003】
こうした産地偽装の問題を背景に、トレーサビリティシステムを利用して生産・流通の履歴情報を消費者に開示し、安心、安全な水産物であることをアピールして、その付加価値を高める方法が採られている。従来では、例えば特許文献1に記載されるトレーサビリティシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2020年10月現在、ナマコやアワビなどの高級食材の密漁の抑止や、生産履歴を明確にして品質向上や輸出促進につなげる目的で、漁獲証明制度の導入が検討されている。
【0006】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、漁獲物に漁獲証明が付与されているか否かを容易に確認できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の漁獲物流通支援システムは、水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録する漁獲物情報登録部と、漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するリンク情報発行部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様は、サーバ装置である。この装置は、水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録する漁獲物情報登録部と、漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するリンク情報発行部と、を備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、漁獲物流通支援方法である。この方法は、水揚げされた漁獲物に関する情報である漁獲物情報を、漁獲証明が付与された漁獲物の漁獲物情報として、所定の記憶部に登録するステップと、漁獲物と共に移動する同伴物に出力されるリンク情報であって、当該漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報を発行するステップと、を含む。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、漁獲物に漁獲証明が付与されているか否かを容易に確認できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態に係る漁獲物流通支援システムの構成を示す模式図である。
【
図2】カードに印刷された印刷データの一例を示す図である。
【
図3】
図1の漁業者端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の公的団体端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1のサーバ装置の機能および構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0014】
図1は、漁獲物流通支援システム100の構成を示す模式図である。漁獲物流通支援システム100は、漁業者端末10と、仲卸・加工業者端末12と、販売者端末14と、輸出業者端末16と、消費者端末18と、公的団体端末20と、サーバ装置22と、を備える。
図1の各端末は、インターネット等の通信網を介してサーバ装置22と接続される。
【0015】
サーバ装置22は、漁獲物およびその加工物に関するトレーサビリティ情報を管理するサーバである。サーバ装置22は、例えば公的団体や公的団体に委託された企業によって管理される。
【0016】
漁業者端末10、仲卸・加工業者端末12、販売者端末14、輸出業者端末16、消費者端末18、公的団体端末20はそれぞれ、漁業者、仲卸・加工業者、販売者、輸出業者、消費者、公的団体の担当者(以下、公的団体担当者という)により使用される情報処理端末である。ここでは、各端末はスマートフォンまたはタブレット端末(タブレットコンピュータ)である。なお、各端末は、一般的なPCであってもよい。
【0017】
公的団体は、特に限定しないが、本実施の形態では漁業協同組合である。公的団体担当者により操作される公的団体端末20は、リンク情報の発行要求をサーバ装置22に送信する。リンク情報は、後述の漁獲物情報であって、リンク情報に事後的に対応づけられる漁獲物情報にアクセスするための情報である。サーバ装置22は、発行要求を受信すると、リンク情報を含む印刷データ(
図2で後述)を生成して発行要求元の公的団体端末20に送信する。公的団体端末20は、発行要求の応答として送信された印刷データを受信し、図示しない印刷装置でカードに印刷する。公的団体担当者は、印刷データを印刷したカードを漁業者に配布する。なお、サーバ装置22はリンク情報を公的団体端末20に送信し、公的団体端末20がリンク情報を含む印刷データを生成してもよい。
【0018】
漁業者は、水産物を捕獲・水揚げする漁師である。本実施の形態の漁業者は、国から登録を受けた漁業者であり、具体的には所定の漁業協同組合の組合員である漁業者である。漁業者は、水産物を水揚げすると、水揚げした水産物すなわち漁獲物に関する情報(以下、「漁獲物情報」という)を漁業者端末10に入力する。漁業者端末10は、入力された漁獲物情報を、予め配布されているカードに印刷されたリンク情報とともにサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、漁業者端末10が送信した漁獲物情報を、リンク情報と対応づけて所定の記憶部に登録する。なお、各漁獲物情報は、それぞれ別々のリンク情報と対応づけられる。サーバ装置22は、登録された漁獲物情報が、漁獲証明が必要な魚種についての漁獲物情報である場合、公的団体端末20にその旨を通知する。
【0019】
なお、漁獲証明が必要な魚種は、国から指定された魚種のほか、ブランドを守るために漁業協同組合が指定した魚種や、輸出相手から漁獲証明書の提出を要請されている魚種を含んでもよい。
【0020】
公的団体担当者により操作される公的団体端末20は、サーバ装置22にアクセスして漁獲証明が必要な魚種についての漁獲物情報を取得し、所定の表示部に表示する。担当者は、表示された漁獲物情報を確認して、対応する漁獲物に漁獲証明を付与することを承認するか否か判定する。公的団体端末20は、判定結果をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、その判定結果を記憶部に記憶する。
【0021】
漁業者は、漁獲物を仲卸・加工業者に販売する。漁業者は、漁獲物を例えば発泡スチロール等の梱包材に梱包し、販売先の仲卸・加工業者に送る。例えば漁業者は、マグロを氷詰め梱包し、仲卸・加工業者に送る。なお、漁業者は、漁獲物を販売者や輸出業者や消費者に直接販売してもよい。漁業者は、漁獲物を送る際、漁獲物にカードを同伴させる。カードは、例えば、梱包材または梱包材に取り付けられたタグに貼付されてもよいし、梱包材の中に同封されてもよい。仲卸・加工業者において漁獲物が小分けされる場合、漁業者は、小分けされる数のカードを公的団体から予め取得しておき、漁獲物に同伴させればよい。
【0022】
仲卸・加工業者は、卸売りセンタや、食肉加工センタ等の企業や団体である。仲卸・加工業者は、漁業者から購入した漁獲物を加工して加工物を製造する。仲卸・加工業者は、加工物を製造すると、製造した加工物に関する情報(以下、「加工物情報」という)を仲卸・加工業者端末12に入力する。仲卸・加工業者端末12は、入力された加工物情報をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、仲卸・加工業者端末12が送信した加工物情報を、対応する漁獲物情報と対応づけて記憶部に登録する。
【0023】
仲卸・加工業者は、加工物を販売者や輸出業者に販売する。仲卸・加工業者は、加工物を例えば発泡スチロールや段ボール等の梱包材に梱包し、販売先の販売者や輸出業者に送る。例えば仲卸・加工業者は、マグロを切り身に切り分け、各切り身を梱包し、販売者に送る。なお、仲卸・加工業者は、加工物を他の仲卸・加工業者4に販売しても、消費者に直接販売してもよい。仲卸・加工業者4は、加工物を送る際、購入した漁獲物に同伴されていたカードを、加工物に同伴させる。カードは、漁獲物の場合と同様、例えば、梱包材または梱包材に取り付けられたタグに貼付されてもよいし、梱包材の中に同封されてもよい。
【0024】
販売者は、例えば、百貨店やスーパーマーケットなどの小売業者や、レストランや居酒屋などの飲食店である。販売者は、購入した加工物に同伴されるカードに印刷されたリンク情報を販売者端末14により読み込むことで、トレーサビリティ情報(すなわち漁獲物情報および加工物情報)を確認したり、加工物の原材料である漁獲物に漁獲証明が付与されているか否かを確認したりできる。
【0025】
販売者は、例えば、仲卸・加工業者から購入した加工物を消費者に販売する。この際、販売者は、購入した加工物に同伴されていたカードを、販売する加工物に同伴させる。また例えば販売者は、仲卸・加工業者から購入した加工物を調理して消費者に提供する。この際、販売者は、購入した加工物に同伴されていたカードと共に料理を提供する。
【0026】
輸出業者は、仲卸・加工業者から購入した加工物を、海外事業者に販売する。輸出業者端末16は、購入した加工物に同伴されるカードに印刷されたリンク情報を輸出業者端末16により読み込むことで、トレーサビリティ情報を確認したり、加工物の原材料である漁獲物に漁獲証明が付与されているか否かを確認したりできる。
【0027】
また、加工物を海外事業者に販売する場合、漁獲証明書の提出が求められる場合がある。この場合、輸出業者は、輸出業者端末16により、漁獲証明書の発行要求をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、発行要求を受信すると、漁獲証明書の電子データ(以下、漁獲証明データという)を生成して発行要求元の輸出業者端末16に送信する。輸出業者端末16は、発行要求の応答として送信された漁獲証明書データを受信し、図示しない印刷装置で印刷する。輸出業者は、印刷した漁獲証明書を加工物と共に海外事業者に送る。
【0028】
消費者は、消費者端末18により、購入した加工物に同伴されていたカードや料理とともに提供されたカードに印刷されているリンク情報を読み込み、当該加工物のトレーサビリティ情報を確認できる。
【0029】
以上が、漁獲物流通支援システム100の概略構成である。
【0030】
図2は、カードに印刷された印刷データの一例を示す。画像欄402には、漁獲物に関する画像が表示される。漁獲物に関する画像は、例えば漁獲物に関する写真、具体的には漁獲物自体を撮影した写真や、漁獲物が陸揚げされた漁港を撮影した写真や、漁獲物を水揚げした漁業者を撮影した写真であってもよい。また例えば、漁獲物に関する画像は、漁獲物に関するイラスト、具体的には漁獲物を示すイラストや、漁業者を示すイラストであってもよい。
【0031】
リンク情報欄404には、漁獲物情報や加工物情報にアクセスするためのリンク情報が表示される。ここでは、リンク情報は、漁獲物情報や加工物情報にアクセスするためのURLを変換したQRコード(登録商標)である。なお、リンク情報は、一次元コードや、QRコード(登録商標)以外の二次元コードであってもよい。もちろんリンク情報は、URL自体であってもよい。テキスト情報欄406には、漁獲物に関する情報が表示される。ここでは、漁獲物を示す魚種名と印刷データを発行した発行日が表示されている。なお、テキスト情報欄406には、漁業者、水揚げ日、その他の情報が表示されてもよい。
【0032】
続いて、各装置について詳細に説明する。
【0033】
まず、漁業者端末10について説明する。なお、仲卸・加工業者端末12および輸出業者端末16は、漁業者端末10と同様に構成される。
【0034】
図3は、漁業者端末10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。以降のブロック図についても同様である。
【0035】
漁業者端末10は、タッチスクリーン30と、カメラ32と、通信部34と、制御部36と、記憶部38と、を備える。
【0036】
タッチスクリーン30は、タッチパネルを含み、指やスタイラスによる各種タッチ操作(タップ操作、スワイプ操作、ピンチ操作等)の入力が可能なディスプレイである。
【0037】
カメラ32は、ユーザの操作に応じて、漁業者端末10の周囲の空間や物体を撮影する。例えばカメラ32は、カードに印刷されたリンク情報を撮影する。
【0038】
通信部34は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部36は、各種データ処理を実行する。制御部36は、通信部34を介してサーバ装置22とデータを送受信する。
【0039】
記憶部38は、ユーザ情報記憶部40を含む。ユーザ情報記憶部40は、漁業者端末10を操作するユーザのユーザIDとパスワードを記憶する。後述の漁獲物情報送信部46、加工物情報送信部48、トレーサビリティ情報取得部50、漁獲証明データ取得部52がそれらの処理を実施する際に、このユーザIDとパスワードがサーバ装置22に送信される。
【0040】
制御部36は、リンク情報取得部42と、画面表示部44と、漁獲物情報送信部46と、加工物情報送信部48と、トレーサビリティ情報取得部50と、漁獲証明データ取得部52と、含む。漁業者端末10は、これら複数の機能ブロックに対応する複数のモジュールが実装された漁獲物流通支援App54を、デジタルコンテンツの配信サービスを提供するインターネット上のサイトからダウンロードし、記憶部38へインストールしてもよい。漁業者端末10のプロセッサ(CPU、GPU等)は、記憶部38に格納された漁獲物流通支援App54をメインメモリに読み出して実行することにより、各機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0041】
リンク情報取得部42は、カードに印刷されたリンク情報を撮影した写真データから、URLを取得する。
【0042】
画面表示部44は、各種画面をタッチスクリーン30に表示させる。例えば、後述するメイン画面500、漁獲物情報入力画面510、加工物情報入力画面520、トレーサビリティ情報画面530を表示させる。
【0043】
漁獲物情報送信部46は、漁獲物情報をサーバ装置22へ送信する。漁獲物情報には、漁獲物情報入力画面510において入力される水揚げ日、水揚げ場所、魚種、出荷日、水揚げ量および単位箱当たりの重量や、ユーザ情報記憶部40に記憶されるユーザID(すなわち水揚げした漁業者のユーザID)や、リンク情報取得部42が取得したURLが含まれる。
【0044】
加工物情報送信部48は、加工物情報をサーバ装置22へ送信する。加工物情報には、加工物情報入力画面520において入力される入荷日、加工日、出荷日、出荷先、加工内容、単位箱当たりの重量や、ユーザ情報記憶部40に記憶されるユーザID(すなわち加工した仲卸・加工業者のユーザID)や、リンク情報取得部42が取得したURLが含まれる。
【0045】
トレーサビリティ情報取得部50は、サーバ装置22からトレーサビリティ情報を取得する。具体的には、トレーサビリティ情報取得部50は、リンク情報取得部42が取得したURLとともに、トレーサビリティ情報の送信要求を送信する。サーバ装置22は、このURLを基にトレーサビリティ情報(すなわち漁獲物情報および加工物情報)を特定し、送信要求の送信元の端末に送信する。トレーサビリティ情報取得部50は、送信要求に応じて送信されたトレーサビリティ情報を取得する。画面表示部44は、このトレーサビリティ情報を含むトレーサビリティ情報画面530を所定の表示部に表示する。
【0046】
漁獲証明データ取得部52は、サーバ装置22から漁獲証明データを取得する。具体的には、漁獲証明データ取得部52は、漁獲証明データの発行要求をサーバ装置22に送信する。この発行要求には、リンク情報取得部42が取得したURLが含まれる。サーバ装置22は、発行要求に含まれるURLを基に漁獲物情報を特定し、その漁獲証明データを生成して発行要求元の端末に送信する。漁獲証明データ取得部52は、送信要求に応じて送信された漁獲証明データを取得する。
【0047】
図4は、公的団体端末20の機能および構成を示すブロック図である。公的団体端末は、通信部56と、制御部58と、記憶部60と、を備える。通信部56、制御部58、記憶部60はそれぞれ、漁業者端末10の通信部34、制御部36、記憶部38に対応する。
【0048】
記憶部60は、ユーザ情報記憶部62を含む。ユーザ情報記憶部62は、公的団体端末20を操作する公的団体担当者のユーザIDとパスワードを記憶する。後述のリンク情報要求部64および承認判定部66がそれらの処理を実行する際に、このユーザIDとパスワードがサーバ装置22に送信される。
【0049】
制御部58は、リンク情報要求部64と、承認判定部66と、を含む。リンク情報要求部64は、サーバ装置22に対して、リンク情報、詳しくはリンク情報を含む印刷データの発行要求を送信する。リンク情報要求部64は、発行要求の応答として送信される印刷データを受信する。公的団体端末20は、受信した印刷データをカードに印刷する。
【0050】
承認判定部66は、漁獲証明が必要な魚種についての漁獲物情報であって、漁獲証明を付与することを承認するか否かの判定がなされていない漁獲物情報を取得して所定の表示部に表示する。公的団体担当者は、表示部に表示された漁獲物情報を確認して、漁獲証明を付与することを承認するか否か判定する。具体的には、公的団体担当者は、漁獲証明を付与する場合は「承認」を入力し、付与しない場合は「否認」を入力する。例えば、不自然に水揚げ量が多い漁獲物情報が登録された場合、漁獲証明を付与することを否認してもよい。公的団体端末20は、入力された判定結果をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、判定結果を漁獲物情報と対応づけて登録する。
【0051】
図5は、サーバ装置22の機能および構成を示すブロック図である。サーバ装置22は、通信部70と、制御部72と、記憶部74と、を備える。通信部70、制御部72、記憶部74はそれぞれ、漁業者端末10の通信部34、制御部36、記憶部38に対応する。記憶部74は、制御部72とは物理的に分離された外部データベースとして構築されてもよい。
【0052】
記憶部74は、ユーザ情報記憶部76と、魚種情報記憶部78と、漁獲物情報記憶部80と、加工物情報記憶部82と、を含む。
【0053】
ユーザ情報記憶部76は、漁業者、仲卸・加工業者、輸出業者および公的団体担当者に関する情報を示すユーザ情報を記憶する。
図6は、ユーザ情報の例を示す図である。ユーザ情報は、ユーザID、ユーザ名、権限、パスワードを含む。ユーザIDは、ユーザ(すなわち生産者、仲卸・加工業者、輸出業者および公的団体担当者)を一意に識別するためのIDである。
【0054】
権限は、ユーザが有する権限である。「漁獲物」権限は漁業者に付与される。「漁獲物」権限を有する漁業者は、漁獲物情報入力画面(
図11で後述)における操作、すなわち漁獲物情報の登録や更新を実行できる。「加工物」権限は仲卸・加工業者に付与される。「加工物」権限を有する仲卸・加工業者は、加工物情報入力画面(
図12で後述)における操作、すなわち加工物情報の登録や更新を実行できる。「漁獲証明」権限は輸出業者に付与される。「漁獲証明」権限を有する輸出業者は、漁獲証明データを取得できる。「承認」権限は公的団体担当者に付与される。「承認」権限を有する公的団体担当者は、漁獲証明を付与することを承認するか否かの判定を実行できる。
【0055】
魚種情報記憶部78は、魚種に関する各種情報を示す魚種情報を記憶する。
図7は、魚種情報の例を示す図である。魚種情報は、魚種ID、魚種名、漁獲証明要否を含む。漁獲証明要否は、販売、輸出するにあたり漁獲証明書を必要とする魚種であるか否かを示す。
【0056】
漁獲物情報記憶部80は、漁獲物情報を記憶する。
図8は、漁獲物情報の例を示す図である。漁獲物情報は、漁獲物ID、ユーザID、魚種ID、水揚げ日、水揚げ場所、漁獲証明、URLを含む。ユーザIDは、漁獲物を水揚げした漁業者を識別するためのIDであり、
図6のユーザIDに対応する。魚種IDは、漁獲物の魚種を識別するためのIDであり、
図7の魚種IDに対応する。水揚げ日は、漁獲物が水揚げされた日付である。水揚げ場所は、漁獲物が水揚げされた場所であり、ここでは水揚げされた漁港である。漁獲証明は、漁獲証明を付与することを承認されたか否かを示す。「承認」は漁獲証明の付与が承認されたことを示し、「否認」は漁獲証明の付与が承認されなかったことを示し、「不要」は漁獲証明が不要(すなわち承認判定不要)であることを示す。URLは、漁獲物情報にアクセスするためのURLであり、より詳しくは、漁獲物情報を含むトレーサビリティ情報が表示される画面であって後述のページ生成部88により生成されるトレーサビリティ情報画面にアクセスするためのURLである。
図5に戻る。
【0057】
加工物情報記憶部82は、加工物情報を記憶する。
図9は、加工物情報の例を示す図である。加工物情報は、加工物ID、ユーザID、入荷日、加工日、出荷日、加工内容、URLを含む。ユーザIDは、漁獲物を加工した仲卸・加工業者を識別するためのIDであり、
図6のユーザIDに対応する。
【0058】
制御部72は、漁獲物情報登録部84と、加工物情報登録部86と、ページ生成部88と、リンク情報発行部90と、漁獲証明データ発行部92と、を含む。なお、これら各部材は、ユーザ情報記憶部76と、処理要求とともに送信されるユーザID・パスワードとを参照し、権限を有するユーザからの要求である場合に、それぞれの処理を実行する。
【0059】
リンク情報発行部90は、公的団体端末20からリンク情報の発行要求を受信すると、一意のリンク情報を含む印刷データを生成し、生成した印刷用データを発行要求元の公的団体端末20に送信する。
【0060】
漁獲物情報登録部84は、漁業者が漁業者端末10から送信した漁獲物情報を、漁獲物情報記憶部80に登録する。漁獲物情報登録部84は、登録した漁獲物情報の漁獲物の魚種が、漁獲証明が必要な魚種である場合、公的団体端末20にその旨を通知する。また、漁獲物情報登録部84は、公的団体端末20から漁獲証明を付与することを承認するか否かの判定結果を取得し、漁獲物情報記憶部80に登録(更新)する。加工物情報登録部86は、仲卸・加工業者が仲卸・加工業者端末12から送信した加工物情報を、加工物情報記憶部82に登録する。加工物情報登録部86は、加工物情報を加工物情報記憶部82に登録する際、漁獲物情報記憶部80を参照し、加工物情報に含まれるURLと同じURLの漁獲物情報が存在するか否か確認する。存在しない場合は、仲卸・加工業者端末12にその旨を通知する。この場合、仲卸・加工業者は、カードが偽物であり、購入した漁獲物が密漁された漁獲物の可能性があることを把握できる。ページ生成部88は、生産物情報および加工物情報を含むページを生成する。
【0061】
漁獲証明データ発行部92は、輸出業者端末16から漁獲証明データの発行要求を受信すると、発行要求に含まれるURLに基づいて漁獲証明データを生成する漁獲物の漁獲物情報を特定する。漁獲証明データ発行部92は、特定した漁獲物情報に基づいて漁獲証明データを生成する。漁獲証明データ発行部92は、生成した漁獲証明データを、発行要求元の輸出業者端末16に送信する。
【0062】
以上の構成による漁獲物流通支援システム1の動作を、カード発行フェーズ、水揚げフェーズ、加工フェーズ、閲覧フェーズ、の4つに分けて説明する。
【0063】
(カード発行フェーズ)
公的団体担当者は、公的団体端末20にリンク情報ひいてはカードの発行要求を入力する。リンク情報発行部90は、サーバ装置22に発行要求を送信する。リンク情報発行部90は、一意のリンク情報を含む印刷データを生成し、発行要求元の公的団体端末20に送信する。公的団体担当者は、発行された印刷データをカードに印刷し、漁業者に配布する。公的団体担当者は、後続の加工フェーズで切り分けや小分けされることを考慮して、複数枚のカードに、当該複数枚のカードを漁業者に配布してもよい。
【0064】
(水揚げフェーズ)
漁業者は、漁獲物を水揚げすると、漁業者端末10にて漁獲物流通支援App54を起動する。漁業者端末10の画面表示部44は、メイン画面500を表示させる。
図10は、メイン画面500を示す図である。漁業者は読込ボタン502を押下してカメラアプリを起動し、予め配布されていたカードに印刷されたリンク情報をカメラ32により撮影する。リンク情報取得部42は、リンク情報を撮影した写真データからURLを取得する。取得したURLは、リンク情報欄501に表示される。この状態で漁業者が漁獲物情報入力画面ボタン503を押下すると、画面表示部44は漁獲物情報入力画面510を表示させる。
【0065】
図11は、漁獲物情報入力画面510を示す図である。水揚げ日欄511には、漁獲物を水揚げした日付を入力する。水揚げ日欄511には、デフォルト値として漁獲物情報入力画面510を開いた日の日付が表示される。水揚げ場所欄512には、漁獲物が水揚げされた場所、ここでは水揚げされた漁港を入力する。魚種欄513には水揚げした漁獲物の魚種を選択形式で入力する。出荷日欄514には、出荷日を入力する。水揚げ量欄515には水揚げ量を入力する。重量欄516には、単位箱当たりの重量を入力する。
【0066】
データ送信ボタン517を押下すると、漁獲物情報送信部46は漁獲物情報をサーバ装置22に送信する。漁獲物情報には、漁獲物情報入力画面510に入力された情報、ユーザ情報記憶部40に記憶されるユーザID、カードから取得したURLが含まれる。サーバ装置22の漁獲物情報登録部84は、この漁獲物情報を受信すると、漁獲物情報記憶部80に登録する。
【0067】
サーバ装置22の漁獲物情報登録部84は、登録された漁獲物情報の漁獲物の魚種が、漁獲証明が必要な魚種である場合、公的団体端末20にその旨を通知する。公的団体担当者は、公的団体端末20を操作して漁獲情報を取得し、承認判定する。公的団体端末20は、判定結果をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、判定結果を漁獲物情報記憶部80に登録する。
【0068】
(加工者フェーズ)
仲卸・加工業者は、仲卸・加工業者端末12にて漁獲物流通支援App54を起動する。仲卸・加工業者端末12の画面表示部44は、メイン画面500を表示させる。読込ボタン505を押下してカメラアプリを起動し、漁獲物に同伴されていたカードに印刷されたリンク情報をカメラ32により撮影する。リンク情報取得部42は、リンク情報を撮影した写真データからURLを取得する。取得したURLは、リンク情報欄504に表示される。この状態で仲卸・加工業者が加工物情報入力画面ボタン506を押下すると、画面表示部44は加工物情報入力画面520を表示させる。
【0069】
図12は、加工物情報入力画面520を示す図である。入荷日欄521には、原材料である漁獲物を入荷した入荷日を入力する。加工日欄522には、漁獲物を加工するあるいは加工した加工日を入力する。加工内容欄523には、漁獲物を加工した加工内容を入力する。出荷日欄524には、加工物を出荷するあるいは出荷した日付を入力する。出荷先欄525には、加工物の出荷先、すなわち加工物の販売先を入力する。重量欄526には、単位箱当たりの重量を入力する。
【0070】
データ送信ボタン527を押下すると、加工物情報送信部48は加工物情報をサーバ装置22に送信する。加工物情報には、加工物情報入力画面520に入力された情報、ユーザ情報記憶部40に記憶されるユーザID、カードから取得したURLが含まれる。サーバ装置22の加工物情報登録部86は、この加工物情報を受信すると、加工物情報記憶部82に登録する。
【0071】
(閲覧フェーズ)
販売者および消費者が各自の端末によりリンク情報を読み込むと、対応するトレーサビリティ情報(すなわち漁獲物情報および加工物情報)を含むトレーサビリティ情報画面530が各自の端末に表示される。
図12は、トレーサビリティ情報画面530を示す図である。漁獲証明欄531には、漁獲物に漁獲証明が付与されている場合にその旨が表示される。漁獲物情報欄532には漁獲物情報が表示され、加工物情報欄533には加工物情報が表示される。販売者および消費者は、トレーサビリティ情報画面530を見ることで、トレーサビリティ情報を確認したり、漁獲証明が付与されているか否かを確認したりできる。なお、カードに印刷されているリンク情報と同じリンク情報の漁獲情報および加工物情報が存在しない場合、エラーが表示される。これにより、販売者および消費者は、カードが偽物であり、購入した加工物が密漁された漁獲物を原材料とする加工物の可能性があることを把握できる。
【0072】
(輸出フェーズ)
輸出業者は、輸出業者端末16にて漁獲物流通支援App54を起動する。輸出業者端末16の画面表示部44は、メイン画面500を表示させる。輸出業者は読込ボタン508を押下してカメラアプリが起動し、加工物に同伴されていたカードに印刷されたリンク情報をカメラ32により撮影する。リンク情報取得部42は、リンク情報を撮影した写真データからURLを取得する。取得したURLは、リンク情報欄507に表示される。この状態で輸出業者が発行ボタン509を押下すると、漁獲証明データ取得部52は漁獲証明データの発行要求であってURLを含む発行要求をサーバ装置22に送信する。サーバ装置22は、発行要求に含まれるURLを基に漁獲物情報を特定し、その漁獲証明データを生成して発行要求元の輸出業者端末16に送信する。輸出業者は、輸出業者端末16に送信された漁獲証明データを印刷する。
【0073】
実施の形態によれば、漁獲物と共に移動するカードに、漁獲物の漁獲物情報にアクセスするためのリンク情報が出力される。漁獲証明を付与することが承認された漁獲物情報は、漁獲証明が付与された漁獲物情報として記憶される。したがって、リンク情報を用いて漁獲物情報にアクセスすることにより、漁獲証明が付与された漁獲物であるいか否かを確認できる。
【0074】
また、実施の形態によれば、水揚げされた漁獲物の漁獲情報は、予め配布されたカードに印刷されているリンク情報と対応づけられる。この場合、漁獲情報を登録してからカードが配布される場合と比べ、より迅速に出荷作業を行える。
【0075】
また、実施の形態によれば、加工物に同伴されるカードに印刷されているリンク情報を用いて漁獲証明データを発行することができる。つまり、比較的容易に漁獲証明データを発行できる。
【0076】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0077】
(変形例1)
実施の形態では、リンク情報が印刷されたカードを漁獲物や加工物に同伴させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、リンク情報は梱包材に印刷されてもよい。また、リンク情報は電子的形態であり、梱包材や漁獲物自体に取り付けられる無線タグ(例えばRFタグ)に記憶されてもよい。
【0078】
(変形例2)
実施の形態では、漁業者が漁獲情報を入力する場合について説明したが、これには限られない。例えば、公的団体である漁業協同組合の担当者が漁獲情報を入力してもよい。この場合、漁業協同組合の担当者は、漁獲証明を付与することを承認する漁獲物の漁獲情報か漁獲証明が不要な漁獲物の漁獲情報のみを入力し、漁獲証明を付与することを承認しない漁獲情報は入力しなくてもよい。そして、漁業協同組合の担当者によって入力された漁獲情報の漁獲物が漁獲証明が必要な魚種である場合、当該漁獲証明の漁獲物は漁獲証明を付与することを承認されたものとして扱えばよい。この場合、公的団体端末20の承認判定部66は不要となる。
【0079】
(変形例3)
実施の形態では、サーバ装置22を管理する公的団体と、リンク情報を発行したり、漁獲証明を付与することを承認するか否かを判定したりする公的団体とが同一の団体である場合について説明したが、これに限られず、別々の団体であってもよい。例えば、サーバ装置22を管理する公的団体は漁業協同組合であり、リンク情報を発行等する公的団体は漁業協同組合とは別の所定の公的団体であってもよい。
【0080】
なお、リンク情報を発行等する公的団体は、魚種ごとに設けられてもよい。この場合、サーバ装置22は、魚種情報記憶部78において、リンク情報を発行等する公的団体を魚種と対応づけて記憶してもよい。そしてサーバ装置22は、漁獲証明が必要な魚種についての漁獲物情報が登録された場合、その魚種に対応する公的団体の公的団体端末20にその旨を通知してもよい。
【0081】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【0082】
また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば請求項に記載の同伴物は、カード、タグ、梱包材、または無線タグにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0083】
84 漁獲物情報登録部、 90 リンク情報発行部、 100 漁獲物流通支援システム。