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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080136
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】マウスガード
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/08 20060101AFI20220520BHJP
【FI】
A63B71/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191139
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】520431018
【氏名又は名称】安達 正吾
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安達 正吾
(57)【要約】
【課題】 覆った部分の歯を十分に保護するとともに、使用者の息苦しさを低減することができるマウスガードを提供すること。
【解決手段】 マウスガード10の左右の犬歯端面被覆部113,114、左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143の下面に、それぞれ一定幅の溝18が複数本形成されている。マウスガード10を装着した状態で上下の歯を噛み合わせると、溝18と下顎の歯との間に、口腔内の唇側及び頬側と舌側との間を貫通する空気通路19が形成される。溝18は、咬合接触面において一定の幅を有しているため、使用者が強く歯を食いしばっても使用者の吸気及び呼気が通過する十分な大きさの空気通路19が確保される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上顎又は下顎の、少なくとも左右の第一大臼歯の間の歯を覆うマウスガードであって、
左第一大臼歯から左第一小臼歯の間の咬合面を覆う左咬合面被覆部、又は、右第一大臼歯から右第一小臼歯の間の咬合面を覆う右咬合面被覆部のいずれかの表面に、頬側から舌側に貫通する一定幅の溝が形成されていることを特徴とする、マウスガード。
【請求項2】
請求項1に記載のマウスガードにおいて、
前記溝は、前記左咬合面被覆部又は右咬合面被覆部の歯間に対応する位置に形成されるマウスガード。
【請求項3】
請求項1に記載のマウスガードにおいて、
前記溝がいずれかの歯の咬合面に対応する位置に設けられ、該溝が前記表面から該咬合面まで貫通するマウスガード。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマウスガードにおいて、
前記溝は複数本設けられるマウスガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯に装着するマウスガードに関し、特に運動時に使用するスポーツ用のマウスガードに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なスポーツの競技者が、スポーツ用のマウスガードを、歯、顎、口腔内等の外傷の予防や脳震盪の防止を目的として、歯に装着して使用している。特に、ボクシング、アメリカンフットボール、ラグビー等の他者との身体的接触を伴うスポーツでは、マウスガードの使用が義務化もしくは推奨されている。スポーツ用のマウスガードは、外側から受ける衝撃を和らげ、歯やこれを支持する歯茎、さらには顎関節を保護する。また、競技者がマウスガードを歯に装着したとき、マウスガードを介して噛み合うことで、歯をくいしばりやすくなり、力を出す上での助けになることも知られている。
【0003】
スポーツ用のマウスガードは、通常、上顎の歯のみに装着される。その厚さは安静時の上下の歯の空隙(咬合挙上量)内に収まるようになっており、下顎の歯に当たる部分は、咬合調整により、下顎の歯に合わせた形状に成形される。そのため、上顎に装着したマウスガードを挟んで上下の歯を噛み合わせると、呼気及び吸気が抜ける通気孔となる隙間が少なくなり、息苦しくなる。
【0004】
この問題点を解決する技術として、例えば、上顎の全ての歯を密接状態で覆うシート状をなし、その略全面にわたって多数の小孔を貫通形成したマウスガードが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、これにより、口腔内の呼気や吸気又は唾液がマウスガードの小孔を介して歯牙の後面(裏面)と前面(表面)の間、即ち、口腔の歯列より前側部分と後側部分との間を円滑に通過する。したがって、マウスガード装着時においても、特に口呼吸した場合の口腔内の渇きを効果的に抑制することができるとともに、口呼吸を妨げることがない、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-342133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のマウスガードでは、小孔が歯牙間の隙間の位置に存在した場合には、そこで述べているような、呼気や吸気又は唾液がマウスガードの小孔を介して口腔の歯列より前側部分と後側部分との間を円滑に通過するという効果が得られるものの、小孔が歯牙の表面に存在する場合、貫通孔とはならないため、そのような効果は得られない。したがって、そのような効果をより有効に得るためには小孔の数を増やさざるを得ないが、そうすると、本来の目的である歯牙を保護するという効果が十分に得られないこととなる。
【0007】
本発明は、覆った部分の歯を十分に保護するとともに、使用者の息苦しさを低減することができるマウスガードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明は、上顎又は下顎の、少なくとも左右の第一大臼歯の間の歯を覆うマウスガードであって、
左第一大臼歯から左第一小臼歯の間の咬合面を覆う左咬合面被覆部、又は、右第一大臼歯から右第一小臼歯の間の咬合面を覆う右咬合面被覆部のいずれかの表面に、頬側から舌側に貫通する一定幅の溝が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るマウスガードは上記のような構成を有するため、使用者が該マウスガードを装着して上下の歯を噛みしめたときにも、左咬合面被覆部又は右咬合面被覆部に形成した溝により口腔内の頬側と舌側との間に空気通路が存在することになる。そして、この溝は、頬側から舌側にかけて一定幅が確保されているため、頬側と舌側の間の使用者の吸気及び呼気の通路が十分に確保され、マウスガードの装着時における使用者の息苦しさを低減することができる。
【0010】
本発明に係るマウスガードは、上顎のみに装着してもよいし、下顎のみに装着してもよい。もちろん、上顎及び下顎の双方に装着してもよい。
【0011】
また、左右の第一大臼歯の間の歯のみならず、それらの歯の歯茎まで覆うようなものであってもよい。
【0012】
さらには、左右の第二大臼歯まで(すなわち、全ての歯を)覆うものであってもよい。
【0013】
本発明に係るマウスガードにおいて、前記溝は、前記左咬合面被覆部又は右咬合面被覆部の歯間に対応する位置に形成されることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、溝をより深くすることができ、マウスガードの装着時における使用者の息苦しさをより低減することができる。
【0015】
本発明に係るマウスガードにおいて、前記溝がいずれかの歯の咬合面に対応する位置に設けられ、該溝が前記表面から該咬合面まで貫通するものとすることができる。
【0016】
この構成によれば、より深い溝を形成することができることから、使用者が上下の歯を噛みしめて溝周辺の形状が変形した場合でも、吸気及び呼気が抜けるのに十分な通気経路を確保することができる。
【0017】
本発明に係るマウスガードにおいて、前記溝は複数本設けることが望ましい。前記のように歯間に対応する位置に形成する場合には全歯間に、前記のように咬合面に形成する場合には全歯の咬合面に形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るマウスガードによれば、溝の部分を除き、歯の全体を被覆してガードするとともに、使用者の息苦しさを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係るマウスガードの下面図。
図2】本発明の第1実施形態に係るマウスガードの右側面図。
図3図1におけるA-A線断面図。
図4図1におけるB-B線断面図。
図5】本発明の第1実施形態に係るマウスガードの装着状態を説明する写真。
図6】本発明の第2実施形態に係るマウスガードの下面図。
図7】本発明の第2実施形態に係るマウスガードの右側面図。
図8図6におけるC-C線断面図。
図9】本発明の第2実施形態に係るマウスガードの装着状態を説明する写真。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るマウスガードの実施形態について説明する。なお、ここでは、本発明に係るマウスガードを、ボクシング、アメリカンフットボール、ラグビー等の競技中の選手の口腔内を保護するために使用されるスポーツ用マウスガードに適用した実施形態について説明するが、歯ぎしりから歯や歯茎、顎を保護するために使用される一般的なマウスガードにも適用可能であることはもちろんである。また、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
<第1実施形態>
第1実施形態に係るマウスガード10について、図1から図5を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態に係るマウスガード10は、上顎の全ての歯及び歯茎を覆うように構成されており、概ね以下のようにして製造される。
【0023】
まず、マウスガードの使用者の上顎及び下顎の歯及び歯茎から採取した印象(すべての歯の歯型)を使用して作業用模型を作製する。続いて、マウスガードの材料である、エチレンビニル酢酸共重合体(EVA)、ポリオレフィン等から成るシート材を、上顎の作業用模型の表面に沿わせて延伸させ、成形器を使って成形する。その後、成形されたシート材を作業用模型から取り外し、トリミングした後、表面処理を施す。これにより、マウスガードの完成品に近い形状の成形物が得られる。この成形物を上顎の作業用模型に装着し、上顎及び下顎の作業用模型を使って咬合調整を行い、下顎の歯との咬合接触面を使用者に適切な形状にする。また、詳しくは後述するが、本発明の特徴的構成である溝18を咬合接触面に形成する。これにより、上顎の歯が収容される内側空間16(図3及び図4参照)を有する、全体として略U字形状のマウスガード10が得られる。マウスガード10の内側空間16の形状、及び外形状は、使用者の上顎の歯の形状に対応している。
【0024】
上記のマウスガード10は、大きく分けて、前歯部(左右の中切歯、側切歯及び犬歯)を覆う前歯被覆部11、左臼歯部(左第二大臼歯から左第一小臼歯の間)を覆う左臼歯被覆部13、右臼歯部(右第二大臼歯から右第一小臼歯の間)を覆う右臼歯被覆部14の3つの部分から構成される。前歯被覆部11は、前歯部の唇側面を覆う唇側面被覆部111と、前歯部の舌側面を覆う前舌側面被覆部112と、前歯部のうち左右の犬歯の先端部分を覆う左犬歯端面被覆部113及び右犬歯端面被覆部114とから成る。左臼歯被覆部13は、左臼歯部の頬側面を覆う左頬側面被覆部131と、左臼歯部の舌側面を覆う左舌側面被覆部132と、左臼歯部の咬合面を覆う左咬合面被覆部133とから成る。右臼歯被覆部14は、右臼歯部の頬側面を覆う右頬側面被覆部141と、右臼歯部の舌側面を覆う右舌側面被覆部142と、右臼歯部の咬合面を覆う右咬合面被覆部143とから成る。
【0025】
マウスガード10の内側空間16のうち前歯被覆部11、左臼歯被覆部13、右臼歯被覆部14の内側面には、それぞれが覆う歯と歯の間の形状に対応する突条部17が設けられている。マウスガード10を上顎の歯及び歯茎に装着したとき、突条部17は歯間に入り込むようになっている。
【0026】
また、上記のマウスガード10は、左右の犬歯端面被覆部113,114、左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143の下面である咬合接触面に、咬合調整によって形成された凹部が設けられている。
【0027】
さらに、左右の犬歯端面被覆部113,114、左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143の下面には、それぞれ3本ずつ、計12本の溝18が形成されている(図1及び図2参照)。これらの溝18は、いずれも歯列と交差する方向にマウスガード10を横断するように歯と歯の間に対応する部分に形成されており、両端部が、唇側面及び左右の頬側面を被覆する被覆部111,131,141、舌側面を被覆する被覆部112,132,142に達している。溝18は、少なくとも左右の犬歯端面被覆部113,114、左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143の下面において一定の幅を有しており、例えば成人男性用のマウスガードの場合は1.5mm~2.5mmの幅に設定されている。さらにまた、前歯被覆部11の舌側面被覆部112には、正中線に沿って一定の幅を有する1本の溝181が形成されている。溝181の一端部は唇側面被覆部111に達している。この溝181の幅も、上記溝18と同様、例えば成人男性用のマウスガードの場合は1.5mm~2.5mmの幅に設定されている。
【0028】
前記溝18、181は、前記凹部よりも深く、ただし、マウスガード10を貫通しないように、例えば咬合調整における研磨作業で使用される器具を用いて咬合接触面を切削することにより形成される。溝18,181が形成される箇所の内側面には上述した突条部17が存在するため、凹部よりも深い溝18,181を形成することができる。
【0029】
なお、上記マウスガード10は、唇側面被覆部111、左頬側面被覆部131、右頬側面被覆部141の上下方向の長さが、いずれも歯牙及び歯茎のほぼ全体を覆う長さに設定されている。また、前舌側面被覆部112、左舌側面被覆部132、右舌側面被覆部142は、いずれも歯牙を覆い、歯茎をほとんど覆わない長さに構成されている。このような構成により、唇側及び頬側ではマウスガード10によって歯牙及び歯茎が衝撃から保護され、舌側では舌がマウスガード10に当たることにより生じる違和感が軽減される。
【0030】
本実施形態に係るマウスガード10を装着するときは、まず、前歯被覆部11の内側面を左右の切歯(中切歯及び側切歯)の表面に密着させながら該前歯被覆部11を左右の切歯と左右の犬歯に嵌める。次に、左右の臼歯被覆部13,14を、その内側面が、それぞれ左右の第一小臼歯から左右の第二大臼歯の頬側面、舌側面及び咬合面に密着するように、左右の第一小臼歯及び左右の第二大臼歯にそれぞれ嵌める。このとき、突条部17が対応する歯間に入り込むようにする。図5は、本実施形態に係るマウスガード10を作業用模型の上顎に装着した状態を示している。
【0031】
マウスガード10を装着した状態で上下の歯を噛み合わせると、図5に示すように、溝18と下顎の歯との間に、口腔内の唇側及び頬側と舌側との間を貫通する空気通路19が形成される。また、溝181の一端部と下顎の歯との間にも空気通路19が形成される。溝18、181は、咬合接触面において一定の幅を有しており、且つ、咬合調整用の凹部よりも深いため、使用者が強く歯を食いしばっても使用者の吸気及び呼気が通過する十分な大きさの空気通路19が確保される。したがって、マウスガード10を装着した使用者のスポーツ競技時における息苦しさを低減することができる。また、呼吸がし易くなることから言葉を発しやすくなるため、競技中に他の選手との会話を支障なく行うことができる。
【0032】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るマウスガード50について、図6から図9を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材又は部分には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0033】
本実施形態のマウスガード50は、咬合接触面のうち上顎の歯の咬合面に対応する面に溝58が設けられている。具体的には、左臼歯被覆部13の左咬合面被覆部133及び右臼歯被覆部14の右咬合面被覆部143の、2本の小臼歯及び2本の大臼歯に対応する箇所にそれぞれ溝58が設けられている。つまり、本実施形態のマウスガード50は合計で8本の溝58を有している。
【0034】
上記の溝58は、いずれも、歯列と交差する方向にマウスガード50を横断するように各臼歯の咬合面と対応する箇所に形成されており、両端部が、唇側面及び左右の頬側面を被覆する被覆部131,141、舌側面を被覆する被覆部132,142に達している。溝58は、少なくとも左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143の下面において一定の幅を有しており、例えば成人男性用のマウスガードの場合は2.5mm~3.5mmの幅に設定されている。なお、溝58の幅は、マウスガード50の使用者の臼歯の幅の1/3から1/2程度が好ましい。したがって、溝58の位置に応じてその溝58の幅を設定すればよく、全ての溝58の幅が同じでなくても良い。
【0035】
溝58のうち左咬合面被覆部133、右咬合面被覆部143に位置する部分はマウスガード50を貫通し、これによって貫通孔581が形成されている。このように、本実施形態では、マウスガード50のうち臼歯の咬合面と対応する箇所に溝58を形成したため、内側空間16に設けられた突条部17をそのまま残した状態で、マウスガード50を貫通するほど溝58を深くし、且つ、幅を広くすることができる。
【0036】
さらに、本実施形態のマウスガード50は、前歯被覆部11の前舌側面被覆部112のうち左右の犬歯にそれぞれ対応する箇所、左の中切歯と側切歯の間に対応する箇所、及び右の中切歯と側切歯の間に対応する箇所に、それぞれ貫通溝60(つまり、合計で4個の貫通溝60)が形成されている。これら貫通溝60は、マウスガード50を貫通し、その一端部が左右の犬歯端面被覆部113,114に達している。
【0037】
図9は、作業用模型の上顎に、本実施形態に係るマウスガード50を装着した状態を示している。このマウスガード50を装着した状態で上下の歯を噛み合わせると、図9に示すように、溝58と下顎の歯との間に、口腔内の頬側と舌側との間を貫通する空気通路59が形成される。本実施形態の溝58は、第1実施形態の溝18、181よりも幅が広く且つ深いため、使用者が強く食いしばったときに、より大きな空間の空気通路59を確保することができる。さらに、本実施形態では、使用者が強く食いしばることで前歯被覆部11が押圧されると、その前舌側面被覆部112に設けられた貫通溝60が下端部において口腔外と連通し、呼気と吸気の通路が確保される。したがって、マウスガード50を装着した使用者のスポーツ競技時における息苦しさを低減することができるとともに、他の選手との会話を支障なく行うことができる。
【0038】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、上顎の第二大臼歯までの全ての歯を被覆するマウスガードについて説明したが、これに限定されない。マウスガードの後縁位置を、使用者の装着感、歯の成長度合い、競技レベル等に応じて変更してもよく、左右の第一大臼歯の間を覆うマウスガードとしてもよい。
【0039】
また、マウスガードに設ける溝の数は、適宜変更可能である。なお、マウスガードに設けられた溝のうち一部の溝を歯の咬合面に対応する箇所に設け、一部の溝を歯間に設けても良い。
【0040】
さらに、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、オーダーメイドのマウスガードに溝を設けた例を説明したが、本発明は既製のマウスガードにも適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10,50…マウスガード
11…前歯被覆部
111…唇側面被覆部
112…前舌側面被覆部
13…左臼歯被覆部
131…左頬側面被覆部
132…左舌側面被覆部
133…左咬合面被覆部
14…右臼歯被覆部
141…右頬側面被覆部
142…右舌側面被覆部
143…右咬合面被覆部
16…内側空間
17…突条部
18,181,58…溝
19,59…空気通路
581…貫通孔
60…貫通溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9