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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080157
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】要介護者の自立支援車
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/14 20060101AFI20220520BHJP
   A61H 3/04 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
A61G5/14
A61H3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191171
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】394015165
【氏名又は名称】徳機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】岡田 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】縄田 真一
(72)【発明者】
【氏名】淺田 純子
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA24
4C046AA27
4C046AA43
4C046BB02
4C046BB07
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD04
4C046DD08
4C046DD27
4C046DD29
4C046DD34
4C046FF02
4C046FF11
(57)【要約】
【課題】本発明は従来の立ち上がり補助具を備えた騨歩行支援装置に存在した回動動作をする部材をなくし、より簡単な構造で保守点検が容易で、かつ製品価格も低減させ得るガススプリングを用いた要介護者の自立支援車の提供を課題とする。
【解決手段】要介護者の上身部を支承するための上部の支持部材と、前輪と後輪を備えた下部の台車と、前記台車と前記支持部材との間に立設された複数の伸縮性支柱とで構成されてなり、かつ前記伸縮性支柱には拡張方向に付勢されたガススプリングが内装され、さらに前記伸縮性支柱の途中には支柱の伸縮位置を制御する操作レバーが付設されている要介護者の自立支援車による。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要介護者の歩行や移乗のための自立支援車であって、
要介護者の上半身部を支承するための上部の支持部材と、前輪と後輪を備えた下部の台車と、前記台車と前記支持部材との間に立設された複数の伸縮性支柱とで構成されてなり、かつ前記伸縮性支柱には拡張方向に付勢されたガススプリングが内装され、さらに前記伸縮性支柱の途中には支柱の伸縮位置を制御する操作レバーが付設されてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【請求項2】
腰痛、膝痛などで、立ち座りや歩行の際に介助者の力を必要とする要介護者のベッドからトイレ間など屋内での自立移動を可能にする自立支援車であって、
要介護者の立ち座り時や歩行時に掴まり体重を支える上部の支持部材と、自立移動を援助する前輪・後輪を備えた下部の台車と、前記台車と支持部材との間に立設され、要介護者の立ち座りの際に前記支持部材を上下させる3本の伸縮性支柱とで構成され、
前記伸縮性支柱の1本が、前記支持部材の連結体の前方部中央に垂設された内管が前記台車の連結体の前方部中央に立設された外管に摺動可能に挿入され、かつ、その内部に拡張方向に付勢されたガススプリングを備えてなり、該ガススプリングの作動によって前記支持部材を上下所定位置(高さ)に移動させた後その位置に安定に保持する操作レバーを前記外管上部に備えてなるメイン支柱であり、
前記支持部材の後端部近傍に垂設された内管が台車に立設された外管に挿入してなる左右2本の伸縮性支柱は前記メイン支柱の伸縮に追従して伸縮するサブ支柱であることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【請求項3】
3本の伸縮性支柱のうち2本又は3本に拡張方向に付勢されたガススプリングが備えられてなることを特徴とする請求項2に記載の要介護者の支援車。
【請求項4】
請求項1又は2記載の支持部材が、要介護者が肘を掛けて掴まり体重を預ける左右の肘掛け部と、両肘掛け部を前方において連結する後方が開放された台形状の連結体と、左右の肘掛け部間に配設され要介護者の腹部ないし胸部を支承する支承体とが一体に形成されてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【請求項5】
請求項1又は2記載の台車が、前方においては前記支持部材と同一形状をした連結体によって左右後方に延びる部材が一体として形成され、前記連結体前端部の左右下部に主輪が取付軸を介してそれぞれ回動自在に取付けられ、後方においては、後方が開放された連結体に一体として接続され後方に延びる左右の部材の後端部がベッドの下に挿入できるよう下方に折り曲げられ、その後端部付近に小径の従輪がそれぞれ設けられてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【請求項6】
請求項5に記載の主輪が、要介護者が立ち座り時に回動しないよう固定する固定具を備えてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【請求項7】
請求項4に記載の支承体が前記肘掛け部のサブ支柱配設位置に設けられ、前記支障体に掛かる要介護者の体重を前記2本のサブ伸縮性支柱が受け止めてなるよう構成されていることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
立ち座りや歩行の際に介助者の力を必要とする要介護者の屋内での自立歩行を支援して可能にする要介護者の自立支援車に関する。
【背景技術】
【0002】
要介護者の立ち上がり補助器具および歩行支援装置の発明として、特許文献1にガススプリングによって肘置部を昇降させて要介護者の立ち上がりを補助する器具を備えたものが開示されている。
この立ち上がり補助器具にあっては肘置部の支持機構が、肘置部の左右に設けられた第1の固定支点回りに回動するアームと、第2の固定支点回りに回動するガススプリングを備え、これらアームおよびガススプリングの各々の回動端部によって肘置部の使用者側および反使用者側に設定した支持部を支持させるようにし、使用者側の支持部はアーム回動端部に設定した第1の回動固定視点回りに回動可能に取り付けられ,反使用者側の支持部はガスプリングの回動端部に設定した第2の固定支回動可能に取りつけられ,肘置部はガススプリングのロック状態で,第1の固定支点回りのアームの回動動作と第2の固定支点回りのガススプリングの回動動作とを伴いながら,歩行時には通常姿勢と前傾姿勢とを取り得るよう構成されているが、アームおよびガススプリングの端部が回動可能に構成されていることから、該回動部の製造と保守においての注意は欠かせないものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6542634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたもので、特許文献1の発明に存在した回動動作する部材をなくし、より簡単な構造で保守点検が容易で、かつ製品価格も低減させ得るガススプリングを用いた要介護者の自立支援車の提供を課題として行ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は上記課題を下記の手段により解決した。
(1)要介護者の歩行や移乗のための自立支援車であって、
要介護者の上半身部を支承するための上部の支持部材と、前輪と後輪を備えた下部の台車と、前記台車と前記支持部材との間に立設された複数の伸縮性支柱とで構成されてなり、かつ前記伸縮性支柱には拡張方向に付勢されたガススプリングが内装され、さらに前記伸縮性支柱の途中には支柱の伸縮位置を制御する操作レバーが付設されてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
(2)腰痛、膝痛などで、立ち座りや歩行の際に介助者の力を必要とする要介護者のベッドからトイレ間など屋内での自立移動を可能にする自立支援車であって、
要介護者の立ち座り時や歩行時に掴まり体重を支える上部の支持部材と、自立移動を援助する前輪・後輪を備えた下部の台車と、前記台車と支持部材との間に立設され、要介護者の立ち座りの際に前記支持部材を上下させる3本の伸縮性支柱とで構成され、
前記伸縮性支柱の1本が、前記支持部材の連結体の前方部中央に垂設された内管が前記台車の連結体の前方部中央に立設された外管に摺動可能に挿入され、かつ、その内部に拡張方向に付勢されたガススプリングを備えてなり、該ガススプリングの作動によって前記支持部材を上下所定位置(高さ)に移動させた後その位置に安定に保持する操作レバーを前記外管上部に備えてなるメイン支柱であり、
前記支持部材の後端部近傍に垂設された内管が台車に立設された外管に挿入してなる左右2本の伸縮性支柱は前記メイン支柱の伸縮に追従して伸縮するサブ支柱であることを特徴とする要介護者の自立支援車。
(3)3本の伸縮性支柱のうち2本又は3本に拡張方向に付勢されたガススプリングが備えられてなることを特徴とする請求項2に記載の要介護者の支援車。
(4)前記(1)又は(2)に記載の支持部材が、要介護者が肘を掛けて掴まり体重を預ける左右の肘掛け部と、両肘掛け部を前方において連結する後方が開放された台形状の連結体と、左右の肘掛け部間に配設され要介護者の腹部ないし胸部を支承する支承体とが一体に形成されてなるものであることを特徴とする要介護者の自立支援車。
(5)前記(1)又は(2)に記載の台車が、前方においては前記支持部材と同一形状をした連結体によって左右後方に延びる部材が一体として形成され、前記連結体前端部の左右下部に主輪が取付軸を介してそれぞれ回動自在に取付けられ、後方においては、後方が開放された連結体に一体として接続され後方に延びる左右の部材の後端部がベッドの下に挿入できるよう下方に折り曲げられ、その後端部付近に小径の従輪がそれぞれ設けられてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
(6)前記(5)に記載の主輪が、要介護者が立ち座り時に回動しないよう固定する固定具を備えてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
(7)前記(4)に記載の支承体が前記肘掛け部のサブ支柱配設位置に設けられ、前記支承体に掛かる要介護者の体重を前記2本のサブ伸縮性支柱が受け止めるよう構成されてなることを特徴とする要介護者の自立支援車。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば下記の効果が発揮できる。
〈1〉介護者の歩行や移乗のための自立支援車であって、
要介護者の上半身部を支承するための上部の支持部材と、前輪と後輪を備えた下部の台車と、前記台車と前記支持部材との間に立設された複数の伸縮性支柱とで構成されてなり、かつ前記伸縮性支柱には拡張方向に付勢されたガススプリングが内装され、さらに前記伸縮性支柱の途中には支柱の伸縮位置を制御する操作レバーが付設されているので、
全体の構造が簡易で使用しやすく、製造経費も安価ですみ、前記支持部材の上下動がガスッスプリングの伸縮によってなされるので、要介護者および介助者の労力大幅な低減に寄与する。
〈2〉腰痛、膝痛などで、立ち座りや歩行の際に介助者の力を必要とする要介護者のベッドからトイレ間など屋内での自立移動を可能にする自立支援車であって、
要介護者の立ち座り時や歩行時に掴まり体重を支える上部の支持部材と、自立移動を援助する前輪・後輪を備えた下部の台車と、前記台車と支持部材との間に立設され、要介護者の立ち座りの際に前記支持部材を上下させる3本の伸縮性支柱とで構成され、
前記伸縮性支柱の1本が、前記支持部材の連結体の前方部中央に垂設された内管が前記台車の連結体の前方部中央に立設された外管に摺動可能に挿入され、かつ、その内部に拡張方向に付勢されたガススプリングを備え、該ガススプリングの作動によって前記支持部材を上下所定位置(高さ)に移動させた後その位置に安定に保持する操作レバーを前記外管上部に備えてなるメイン支柱であり、前記支持部材の後端部近傍に垂設された内管が台車に立設された外管に挿入してなる左右2本の伸縮性支柱は前記メイン支柱の伸縮に追従して伸縮するサブ支柱であるので、
介助者がメイン支柱に備えた操作レバーを操作すれば下部所定位置に保持された前記支持部材が拡張方向に付勢されたガススプリングの伸長によって上昇して要介護者を立ち上がらせた後操作レバーの操作によって支持部材を上昇位置に保持させ、また上部位置に保持された支持部材を操作レバーによって解除すれば、前記支持部材上に覆い被さるように前傾姿勢をとった要介護者の体重によってガススプリングが圧縮して支持部材が降下して要介護者を座らせられることから、介助者の労力の大幅な節減が図られ、かつ要介護者の自立移動への意欲向上にも資する。
〈3〉3本の伸縮性支柱のうち2本又は3本に拡張方向に付勢されたガススプリングが備えられているので、
自立支援車を必要とする要介護者の体力、体重等の身体状態に適応した要介護者の自立支援車を選択して購入し使用できる。
〈4〉前記支持部材が、要介護者が肘を掛けて掴まり体重を預ける左右の肘掛け部と、両肘掛け部を前方において連結する後方が開放された台形状の連結体と、左右の肘掛け部間に配設され要介護者の腹部ないし胸部を支承する支承体とが一体に形成され、前記台車が、前方においては前記支持部材と同一形状をした連結体によって左右後方に延びる部材が一体として形成され、前記連結体前端部の左右下部に主輪が取付軸を介してそれぞれ回動自在に取付けられ、後方においては、後方が開放された連結体に接続され後方に延びる左右の部材の後端部がベッドの下に挿入できるよう下方に折り曲げられ、その後端部付近に小径の従輪がそれぞれ設けられており、かつ前記主輪が、要介護者が立ち座り時に回動しないよう固定する固定具を備えているので、
構造が簡易で軽量(約15kg)な使い勝手のよい要介護者の自立支援車が安価に提供できる。
〈5〉前記主輪が、要介護者が立ち座り時に回動しないよう固定する固定具を備えているので、
本発明の要介護者の自立支援車を使用して立ち上がる際における要介護者の安全が確保される。
〈6〉前記支承体が前記肘掛け部のサブ支柱配設位置に設けられ、前記支承体に掛かる要介護者の体重を前記2本のサブ伸縮性支柱が全て受け止めるよう構成されているので、前輪の固定を解除したときに前輪が浮き上がることなく歩行時の安全使用が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明実施例の要介護者の自立支援車の斜視図
図2】本発明実施例の要介護者の自立支援車の構成図、(a)は上面図、(b)は前面図、(c)は側面図
図3】本発明の要介護者自立支援車の使用形態説明図、(a)は自立前の状態図(b)は自立後の状態図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の要介護者の自立支援車の実施するための形態を実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明実施例の要介護者の自立支援車の斜視図であり、図2は本発明実施例の要介護者の自立支援車の上面図(a)と側面図(b)及び前面図(c)、図3は本発明の要介護者自立支援車の使用形態説明図で(a)は自立前の状態図(b)は自立後の状態図である。
図において1は支持部材、1aは肘掛け部、1bは連結体、1cは支承体、2は台車、2aは台車後方に延びる部材、2bは連結体、3はガススプリングを備えたメイン伸縮性支柱、3’はサブ伸縮性支柱、3a、3’aは伸縮性支柱の外管、3b、3’bは伸縮性支柱の内管、4は主輪、5は従輪、6は操作レバーを示す。
【0009】
本発明の要介護者の自立支援車は図1に示すように、要介護者の立ち座りや歩行時に掴まり体重を支える上部の支持部材1と、自立移動を援助する前輪4・後輪5をそれぞれ2個ずつ備えた下部の台車2と、前記台車2と支持部材1間に立設され、要介護者の立ち座りの際に前記支持部材を上下させる3本の伸縮性支柱とで構成されている。
そして前記支持部材1が、要介護者が肘を掛けて掴まり体重を預ける左右の肘掛け部1aと、両肘掛け部1aを前方において連結する後部が開放された台形状の連結体1bと、左右の肘掛け部間に配設され要介護者の腹部ないし胸部を支承する支承体1cとが一体として形成され、前記台車2が、前方においては前記支持部材1の連結体1bと同一形状をした連結体2bによって後方に延びる左右2本の脚部材2aを一体化してなり、前記連結体2b前端部の左右下部に主輪5が2個、取付軸を介して回動自在に取付けられ、後方においては、後方に延びる左右の脚部材2aの端部がベッドの下に挿入できるよう下方に曲折され、その後端付近に小径の従輪5がそれぞれ設けられている。
また、前記台車2と支持部材1間に立設され、要介護者の立ち座りの際に前記支持部材を上下させる3本の伸縮性支柱のうちの1本が、前記支持部材1の連結体1bの前方部中央に垂設された内管3bが、前記台車2の連結体2bの前端部の中央に立設された外管3aに摺動可能に挿入されるとともに、その内部に拡張方向に付勢されたガススプリングを備え、該ガススプリングの作動によって前記支持部材1を上下所定位置(高さ)に移動させた後、その位置に安定に保持する固定具の操作レバー6を前記外管3aの上部に備えてなるメイン支柱3であり、他の2本は、前記メイン支柱3の伸縮に従って伸縮するサブ支柱3’である。
また、要介護者が立ち座りする時の安全を確保するため前記主輪4には、車輪の回転及び取付軸周りの回動を抑止する固定具4aを備えている。
【0010】
次いで本発明の自立支援車の使用方法を介助者が行う行為について図3に基づいて説明する。
a.ベッド10に仰臥した要介護者を起き上がらせてベッド10に腰掛けさせる。要介護者が自力で行えない場合は介助者が手助けして行う。
b.介助者は自立支援車をベッド10に腰掛けている要介護者の前に運ぶ前に、支持部材1が下部所定位置に下降し固定されているか否かを確認し,下降していない場合は前記支持部材1を下部所定位置まで押し下げ、操作レバー6を操作して前記支持部材1を下部所定位置に固定した後、図3(a)に示すように、自立支援車の従輪5がベッド10の下に入り、支持部材1の肘掛け部1aが要介護者の手が届く位置に配設し、主輪4の固定具4aを操作して自立支援車をその位置に固定する。
c.要介護者が固定した自立支援車の支持部材1の連結体1bを両手で掴み肘掛け部1aに肘を掛けたのを確認した後、前記介助者は前記操作レバー6を操作して前記支持部材1の下部位置への固定を解除すれば、ガススプリングを備えたメイン伸縮性支柱3が、拡張方向に付勢されたガス圧によって伸長して図3(b)に示すように要介助護者を立ち上がらせる。
d.要介護者が立ち上がり、支持部材1が上部所定位置まで上昇したことを確認後、介助者が前記操作レバー6を操作してその上昇位置に支持部材1を固定し,歩行時の安全を確保する。
e.立ち上がった要介護者が歩行に移る前に介助者は主輪4の固定具による固定を解除する。これによって要介護者が片足を前に出して体重を前掛かりにすれば自立支援車は前方に動き、自立歩行が可能になる。進行方向の転換時には介助者が援助することが好ましい。
f.歩行を終えて座位に戻るとき、前記上部所定位置に固定された支持部材1の固定状態を操作レバー6の操作によって解除した後、要介護者が前記支持部材1の上に覆い被さるようにして体重を掛けて支持部材1を下降させる。
そして介助者は前記支持部材1が下部所定位置まで降下したか否かの確認を行い、まだ降下し得てないと判断した場合には、介助者が自力を加えて支持部材1を下部所定位置まで押し下げた後に操作レバーを操作して支持部材を下部所定位置に固定させ、自立支援車を要介護者が座る向きに回動し、主輪4の固定具4a操作して要介護者の離脱時の安全を図り、要介護者離脱後、前記主輪4の固定を解除して保管場所に移動させて一連の支援作業が終了する。
【0011】
上記のように本発明の要介護者の自立支援車の使用によって、従来要介護者を抱え上げて車椅子へ移乗させるなどしていた介助者の労力が激減され、同居家族によっての支援も可能となり、また要介護者の介助者への援助依頼時の遠慮も軽減できる効果も期待できるものとなっている。
【符号の説明】
【0012】
1:支持部材
1a:肘掛け部
1b:連結体
1c支承体
2:台車
2a:台車後方に延びる部材
2b:連結体
3:ガススプリングを備えたメイン伸縮性支柱
3’:サブ伸縮性支柱
3a、3’a:伸縮性支柱の外管
3b、3’b:伸縮性支柱の内管
4:主輪
5:従輪
6:操作レバー
10:ベット
図1
図2
図3