(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080179
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】マスクディスプレイ機器
(51)【国際特許分類】
A47F 7/19 20060101AFI20220520BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
A47F7/19 Z
A47F5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191205
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】594164151
【氏名又は名称】株式会社京屋
(74)【代理人】
【識別番号】100074169
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】坂本 準
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 篤
(72)【発明者】
【氏名】陳 曄庭
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118GA33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】衛生マスクを立体的に載置してマスクの形状や施されたデザインを見やすくすることで、衛生マスクを美しく展示可能とするとともに、衛生マスクを脱落することなく什器等に保持することを可能とした、組立・折畳自在で可搬性に富んだマスクディスプレイ機器を提供する。
【解決手段】衛生マスクを立体的に保持する保持部100と、該保持部の左右端部に設置される什器・壁面に保持部を係止するための左右一対の係止部200と、からなり、前記保持部は、衛生マスク本体を載置するマスク載置部110と、衛生マスクの左右一対の耳掛け紐を固定する紐固定部120と、を備え、前記係止部は、商品展示用の什器の1本の水平な棒状部材に係止可能な逆L字フック状からなる左右の第一係止部210と、水平かつ平行な2本の棒状部材を挟持可能な対峙した凹部からなる左右の第二係止部220と、からなる構成である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生マスクを立体的に展示するためのマスクディスプレイ機器(1)が、
衛生マスク(10)を立体的に保持する保持部(100)と、該保持部の左右端部に設置される什器・壁面に保持部を係止するための左右一対の係止部(200)と、からなり、
前記保持部は、衛生マスク本体(11)を載置するマスク載置部(110)と、衛生マスクの左右一対の耳掛け紐(12)を固定する紐固定部(120)と、を備え、
前記係止部(200)は、商品展示用の什器の1本の水平な棒状部材に係止可能な逆L字フック状からなる左右の第一係止部(210)と、水平かつ平行な2本の棒状部材を挟持可能な対峙した凹部(222)からなる左右の第二係止部(220)と、からなることを特徴とするマスクディスプレイ機器。
【請求項2】
前記紐固定部(120)は、
前記保持部(100)の左右端部に削設される耳掛け紐(12)の衛生マスク本体側部分を掛止するための第一固定部(122)と、
前記第一固定部に掛止されるとともに折り返して延伸する耳掛け紐の端部を掛止固定するために、前記マスク載置部(110)の左右の頬部(112)に横向きU字型となるように左右対称に切設される第二固定部(124)と、からなることを特徴とする請求項1に記載のマスクディスプレイ機器。
【請求項3】
前記保持部(100)は、衛生マスク(10)の形状を立体的に保持するために、中央鼻高部が湾出する鼻高凸部(130)を有するとともに、
前記保持部は、組み立て・展開自在となるように、前記鼻高凸部上端に縦方向に折り曲げ自在な折曲部(132)を設けるとともに、該折曲部より下部に左右方向へ向けて湾曲するように切削された湾出形成辺(134)を設けた構成からなり、
該左右の湾出形成辺には、相互に掛合・脱離可能な略楕円形からなる滑合する突出掛合部(140)を互い違いとなる位置に切設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスクディスプレイ機器。
【請求項4】
前記保持部(100)は、左右に切断された各辺の掛合の強度を増すため、左右の最下部の一方に掛止固定部(142)を設けるとともに、他方に前記掛止固定部を掛合保持可能な掛止固定受部(144)を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のマスクディスプレイ機器。
【請求項5】
前記マスクディスプレイ機器(1)は、透光性を有する樹脂素材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のマスクディスプレイ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生マスクの販促等を目的として展示するためのディスプレイ用の機器に関し、特に、衛生マスクを立体的に載置してマスクのデザインを見やすく展示するとともに、衛生マスクを脱落することなく保持することを可能とした、組立・折畳自在で可搬性に富んだマスクディスプレイ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衛生マスクをはじめとする様々な製品を陳列するための什器や什器に係止して展示するためのアダプター等が存在しており、様々な形状・機能を有する機能性に富んだ展示に利用可能なディスプレイ機器が開発され、使用されている。
【0003】
衛生マスクは、多くは、箱に梱包されて積まれた状態で積置され、或いは薄い縦長の袋に入れられた状態で什器に吊下された状態や一枚だけ取り足した状態で展示されて販売されるのが通常であり、衛生マスク本体が実際に使用される状態の形状やデザインを見やすくしたディスプレイ機器は存在しないのが現状である。
【0004】
衛生マスクの需要が急激に高まっている昨今、衛生マスクを立体的に展示するための専用の什器が求められている。衛生マスクは、ウィルス等に罹患したユーザが、くしゃみや咳をする際に、唾液や飛沫が外部へ飛散し放出されることを抑制して、他人へのウィルス等の感染の拡大を防ぐために装着するものであり、一般ユーザの多くが利用する家庭用の衛生マスクには、平型、プリーツ型、立体型などの形状のマスクが存在している。
【0005】
このような様々な形態を有する衛生マスクは、箱に梱包されたり、袋に入ったままの状態では、単に想像や、箱や袋に描かれた商品の写真やイラストから形状を確認し、装着した状態をイメージして購入するしかなかった。また、昨今では例えば白一色のような通常のシンプルなものではなく、イラストや柄などデザインが施されたマスクを装着して、マスクをしている際にもお洒落でいることを求めるユーザが増加しており、そのような要望に応じた外観のデザイン性に優れたマスクを、美しく見せて販売する手段が求められていた。
【0006】
しかしながら、そのようなディスプレイ手段が存在しないため、販売者は、箱や袋からサンプルとしてマスクを取り出した上で、耳紐等をセロハンテープ等で展示場所に貼付して手間をかけて展示するしかないのが現状である。この手段では、マスクの形状やデザインをうまくユーザに見せることが充分には出来ないという問題点があった。また、マスクを展示するのに時間がかかり、展示するマスクの入れ替え時に労力を要し、繁雑になるという問題点があった。
【0007】
例えば、商品を展示するための什器に関する技術として、特開平9-276100号公報が存在する。ここでは、サンプルの陳列と商品群の陳列とをバランスよく機能的に行うための衣料陳列構造として、細長状陳列棚の上部に、複数の衣料を、サンプルとしてハンガーにそれぞれ広げた状態で並列的に吊り下げ保持するサンプル保持具が着脱自在に取り付けられ、細長状陳列棚の中央部には、サンプル衣料と同一の商品を、種類別に区別した状態で複数個ずつ並べて保持する商品保持棚が少なくとも一段取り付けられ、細長状陳列棚の下部には、商品保持棚に並ぶ商品を補充するためのストッカーが設けられており、各ハンガーには、吊り下げられる衣料の種類をシンボル表示するシールが着脱自在に付着され、商品保持棚の前端部に商品の種類をシンボル表示するマグネットシールが着脱自在に付着された商品陳列用の什器に係る技術が開示されている。
【0008】
この技術によれば、確かに商品の陳列を見やすく美しく行うことが可能となるとも考えられるが、衛生マスクを陳列する場合に、マスクの使用状態の形状を分かりやすく展示することが出来るとは言えず、ただ袋に入った商品を並べて吊下することしかできないという問題点があった。
【0009】
また、特開2012-24380号公報では、陳列された商品を安定に支持しつつ高い商品視認性を有する商品陳列用什器として、手前から奥行き方向に複数の商品を陳列可能とする商品収容部が横方向に複数列配置されており、商品収容部の最前端位置に透明板が配置された構造や、商品収容部が、陳列された商品列を左右それぞれの方向から支持する一対の側方支持部と、商品列を下方から支持する方支持部とを有する商品陳列用什器に関する技術が開示されている。
【0010】
この技術によれば、確かに、陳列された商品を安定に支持するとともに高い商品視認性を確保することが可能になるとも考えられるが、特にマスクのような立体形状を美しく見せるという点に関しては対応しておらず、前述のようにセロハンテープで固定して形を整えるなどの工夫が必要になるという問題点があった。
【0011】
マスク用のディスプレイ機器は、デザイン性に優れたマスクをより美しく使用状態で展示できるとともに、展示するマスクの入れ替えが容易であることが望ましい。このような、使い勝手を良くするとともにマスクを美しく展示可能とする構造を有するマスクディスプレイ機器の開発が待たれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平9-276100号公報
【特許文献2】特開2012-24380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、衛生マスクの販促等を目的として展示するためのディスプレイ用の機器であって、特に、衛生マスクを立体的に載置してマスクの形状や施されたデザインを見やすくすることで、衛生マスクを美しく展示可能とするとともに、衛生マスクを脱落することなく什器等に保持することを可能とした、組立・折畳自在で可搬性に富んだマスクディスプレイ機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために本発明に係る衛生マスクを立体的に展示するためのマスクディスプレイ機器は、衛生マスクを立体的に保持する保持部と、該保持部の左右端部に設置される什器・壁面に保持部を係止するための左右一対の係止部と、からなり、前記保持部は、衛生マスク本体を載置するマスク載置部と、衛生マスクの左右一対の耳掛け紐を固定する紐固定部と、を備え、前記係止部は、商品展示用の什器の1本の水平な棒状部材に係止可能な逆L字フック状からなる左右の第一係止部と、水平かつ平行な2本の棒状部材を挟持可能な対峙した凹部からなる左右の第二係止部と、からなる構成である。
【0015】
また、前記紐固定部は、前記保持部の左右端部に削設される耳掛け紐の衛生マスク本体側部分を掛止するための第一固定部と、前記第一固定部に掛止されるとともに折り返して延伸する耳掛け紐の端部を掛止固定するために、前記マスク載置部の左右の頬部に横向きU字型となるように左右対称に切設される第二固定部と、からなる構成である。
【0016】
また、前記保持部は、衛生マスクの形状を立体的に保持するために、中央鼻高部が湾出する鼻高凸部を有するとともに、前記保持部は、組み立て・展開自在となるように、前記鼻高凸部上端に縦方向に折り曲げ自在な折曲部を設けるとともに、該折曲部より下部に左右方向へ向けて湾曲するように切削された湾出形成辺を設けた構成からなり、該左右の湾出形成辺には、相互に掛合・脱離可能な略楕円形からなる滑合する突出掛合部を互い違いとなる位置に切設した構成である。
【0017】
また、前記保持部は、左右に切断された各辺の掛合の強度を増すため、左右の最下部の一方に掛止固定部を設けるとともに、他方に前記掛止固定部を掛合保持可能な掛止固定受部を設けた構成である。
更に、前記マスクディスプレイ機器は、透光性を有する樹脂素材からなる構成である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果を奏する。
1.マスク本体を載置するためのマスク載置部を有する保持部を設けたため、衛生マスクを安定した状態で保持しつつ、立体的にマスクを展示することが可能となる。また、什器に接続するための第一係止部と第二係止部の2つの係止部を設けたため、什器の水平なバーに掛止して展示する際に、複数設置された各種の間隔幅のバーに掛止可能となる。
2.衛生マスクの紐を第一固定部と第二固定部で掛止する構造としたため、衛生マスクを確実に掛止保持して脱落を防止することが可能になるとともに、紐が長いマスクや短いマスクであっても、一方の固定部のみを利用して掛止するなど、様々な長さを有する衛生マスクを固定保持してマスクを展示することが可能となる。
【0019】
3.保持部に、左右方向へ向けて湾曲するように切削された湾出形成辺を設ける構造としたため、左右の湾出形成辺を併せるように組み立てることで、湾出した鼻高凸部を形成することが可能となり、衛生マスクを装着状態に近くなるように立体的に展示可能なマスクディスプレイ機器を組み立て・展開自在とすることが可能となる。
4.組み立て可能な保持部の左右の湾出形成辺の各最下部に掛止固定部と掛止固定受部を設けたため、掛止固定部と掛止固定受部が相互に掛止して、左右に切断された各辺の掛合の強度を増して簡単に外れないようにすることが可能となる。
5.マスクディスプレイ機器を、透光性を有する樹脂素材で構成したため、マスクディスプレイ機器本体をすっきりとしたデザインで構成可能となり、マスク正面のデザインが明示されるとともに後ろから光を当てるなどの展示手法を採用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るマスクディスプレイ機器を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るマスクディスプレイ機器の斜視図であり、
図2は、マスクディスプレイ機器の平面図である。
図3は、衛生マスクを載置したマスクディスプレイ機器の斜視図であり、
図4は、マスクディスプレイ機器の展開図である。
図5aは、第一係止部の係止状態を示す側面図であり、
図5bは、第二係止部の係止状態を示す側面図である。
図6は、紐を掛けた状態の紐固定部を示す図である。
【0021】
本発明のマスクディスプレイ機器1は、
図1および
図2に示すように、保持部100と、係止部200と、からなり、衛生マスク10を立体的に展示するために用いられる機器であって、衛生マスク10を立体的に載置してマスクの形状や施されたデザインを見やすくし、併せて、
図3に示すように、衛生マスク10を脱落することなく什器等に保持することを可能とする、デザイン性・可搬性に富んだマスクディスプレイ用の機器である。
【0022】
保持部100は、平型、プリーツ型、立体型など各種の異なる形状を有する衛生マスク本体11と耳掛け紐12とからなる衛生マスク10を形状の相違を許容しながら立体的に保持するための部材であり、本実施例では、
図1および
図2に示すように、中央部分が前方に突出した形状からなる。この形状とすることにより、
図3に示すように、ユーザが装着する時に立体的な形状で口と鼻を覆う衛生マスク10を、装着時と同様に立体的に保持して展示することが可能となる。本実施例では、主に立体型マスクを展示することに用いられるが、これに限定されることはなく、平型やプリーツ型のマスクの展示に用いることももちろん可能である。
【0023】
係止部200は、什器・壁面に保持部100を係止するための部材であり、
図1および
図4に示すように、保持部100の左右端部に設置される左右一対の部材からなる。本実施例では、係止部200は什器・壁面に設置される構成であるが、これに限定されることはなく、係止可能な棒状部材であれば、係止部200を係止してマスクディスプレイ機器1を設置することが可能である。
【0024】
また、係止部200は、本実施例では、係止部100と同一部材からなり、保持部100の両端部から延伸するように設けられる。これにより、一枚の樹脂素材等からなる板状部材をカットするだけでマスクディスプレイ機器1を形成することが可能となるが、これに限定されることはなく、係止部100と係止部200とを別部材で形成した上で接合してマスクディスプレイ機器1を形成することももちろん可能である。
【0025】
保持部100は、本実施例では、
図1乃至
図4に示すように、マスク載置部110と、紐固定部120とを備える構成である。マスク載置部110は、衛生マスク本体11を載置するための部材であり、この部分に衛生マスク本体11が載置される。マスク載置部110は、前方へ向けてなだらかに湾出する形状からなる。この形状により、
図3に示すように、衛生マスク10を立体的かつ装着時の自然な態様を保持するように載置することが可能となっている。
【0026】
マスク載置部110は、大人用の通常のサイズからなる衛生マスク10が展示可能となるように、標準的なマスクサイズと略同じ大きさからなる事が望ましい。本実施例では、マスク載置部110は、横幅が約175mmm、縦幅が約90mmからなる構成となっているが、この数値に限定されることはなく、展示するマスクに応じて、様々なサイズで構成することはもちろん可能である。
【0027】
紐固定部120は、衛生マスク10の左右端に延設される環状からなる左右一対の耳掛け紐12を固定するための部位であり、
図1乃至
図4に示すように、環状の耳掛け紐12を引っ掛けて固定するための複数の溝が削設された構成からなる。この紐固定部120に耳掛け紐12を張架することにより、衛生マスク10を保持部100に固定保持することが可能となるとともに、衛生マスク本体11がマスク載置部110にしっかりと載置されることとなるため、衛生マスク10を立体的に載置でき、マスクの形状や正面または側面に施されたデザインを見やすくすることが可能となる。
【0028】
係止部200は、本実施例では、
図1に示すように、第一係止部210と、第二係止部220とからなる構成である。第一係止部210は、商品展示用の什器やその他の什器・家具等に設置される1本の水平な棒状部材に係止することを可能とする係止用部材であり、逆L字フック状からなる鍵状部材が左右の係止部200に設けられる。
図5aに示すように、この形状からなる第一係止部210が水平な棒状部材に係止することにより、マスクディスプレイ機器1を商品展示用の什器等に安定して吊下設置することが可能となる。
【0029】
また、第二係止部220は、商品展示用の什器やその他の什器・家具等に設置される水平かつ平行な2本の棒状部材に係止することを可能とする係止用部材であり、2本の棒状部材を挟持することが可能な対峙した凹部222が左右の係止部200に設けられる。
図5bに示すように、この形状からなる第二係止部220の凹部222が平行な2本の棒状部材に嵌合して上下から挟んで係止することにより、マスクディスプレイ機器1を商品展示用の什器等に安定して吊下設置することが可能となる。
【0030】
紐固定部120は、本実施例では、
図1乃至
図4に示すように、第一固定部122と、第二固定部124とからなる。第一固定部122は、耳掛け紐12の衛生マスク本体11側部分を掛止するための切欠であり、本実施例では、
図1および
図4に示すように、細長の切欠であって先端が円形状に削られた二本の切欠が、保持部100の左右端部に設けられる左右の紐固定部120に上下から切設される構成である。この上下の切欠に耳掛け紐12を引っ掛けて、マスク載置部110上に載置された衛生マスク10を安定させる構成である。
【0031】
例えば、子供用のマスクなど、小さめの衛生マスクであれば、が第一固定部122に耳掛け紐12を掛止することで、衛生マスク10をマスクディスプレイ機器1に固定載置することが可能となる。しかしながら、多くの衛生マスク10は、耳掛け紐12が長く、第一固定部122部分に張力を持たせた状態で引っ掛けて掛止することができず、耳掛け紐12が弛んだ状態となってしまう。第二固定部124は、
図6に示すように、第一固定部122に掛止された上で、折り返して延伸する耳掛け紐12の端部を更に掛止して固定するための部材である。
【0032】
第二固定部124は、
図1および
図4に示すように、マスク載置部110の左右の頬部112に、横向きU字型となるように左右対称に切設される。このU字型に切った部分に耳掛け紐12の端部を掛止して固定する構成である。この構成とすることにより、耳掛け紐12が長い衛生マスク10や短い衛生マスク10の何れであっても、第一固定部122のみを利用して掛止したり、第一固定部122と第二固定部124の両方に耳掛け紐12を掛止するなど、耳掛け紐12の長さに応じた掛止が可能となり、様々な長さを有する衛生マスク10を固定保持してマスクを展示することが可能となった。
【0033】
以下、保持部100の構成について説明する。保持部100は、
図1および
図2に示すように、鼻高凸部130を有する構成である。鼻高凸部130は、衛生マスク10の形状を立体的に保持することを目的として設けられる部材であり、保持部100の中央鼻高部が湾出した部分によって構成される。このような形状とすることにより、衛生マスク10を立体的に美しく載置して展示することが可能となる。
【0034】
また、保持部100は、
図4に示すように、マスクディスプレイ機器1が組み立て・展開自在となるように、折曲部132と、湾出形成辺134とを設けた構成である。折曲部132は、保持部100の中央部分を山なりに折り曲げて立体的に形成するための折り曲げ部分であり、
図4に示すように、鼻高凸部130上端に縦方向に折り曲げ自在となるように設けられる。
【0035】
また、湾出形成辺134は、
図4に示すように、折曲部132より下部に左右方向へ向けて湾曲するように切削された左右の各辺である。マスクディスプレイ機器1は組み立て・展開が可能であり、マスクディスプレイ機器1を形成するにあたっての最初の形態が、
図4に示す展開された一枚のプレート状からなる。このプレート状を折曲部132で山なりに折り曲げるとともに、左右の湾出形成辺134を接合することで、
図1に示すように、鼻高凸部130がなだらかに湾出した保持部100を形成することが可能となる。
【0036】
マスクディスプレイ機器1は、主に立体型マスクの展示に用いられることを想定しているため、湾出形成辺134は、緩やかに湾出した形状であることが望ましい。本実施例では、湾出形成辺134の湾出は、R142.5mmからなる構成としているが、これに限定されることはなく、マスクの形状やサイズに応じて適宜その数値を変更して形成することが可能である。
【0037】
左右の湾出形成辺134には、突出掛合部140が切設される構成である。突出掛合部140は、本実施例では、
図4に示すように、略楕円形からなり、相互に掛合・脱離可能に咬合状態となるように左右の湾出形成辺134の互い違いとなる位置に切設される構成である。この構成とすることにより、左右の湾出形成辺134を噛み合わせるように組み立てることにより、湾出した鼻高凸部130を形成して衛生マスク10を立体的に展示することが可能となるとともに、一枚の樹脂製の板状部材等を切削するだけで展開状態のマスクディスプレイ機器1を製造でき、マスクディスプレイ機器1を容易かつ堅固に組み立てたり、展開して運びやすくしたりすることが可能となった。
【0038】
保持部100は、更に、掛止固定部142と、掛止固定受部144を設けた構成である。掛止固定部142および掛止固定受部144は、相互に掛合して掛合状態を保持することを可能とする部材であり、左右の湾出形成辺134の一方の最下部に掛止固定部142を設け、他方の最下部に掛止固定部142を掛合保持可能な掛止固定受部144を設ける。この構成とすることにより、保持部100の湾曲状態によって生じる反発力も相まって、掛止固定部142および掛止固定受部144がしっかり掛合することとなり、左右に切断された各湾出形成辺134の掛合の強度を増すことが可能となり、衛生マスク10の形状を立体的に保持する鼻高凸部130の形状を確実に保持することが可能となった。
【0039】
マスクディスプレイ機器1は、透光性を有する樹脂素材からなる構成とすることが可能である。この構成とすることにより、マスクディスプレイ機器1本体をすっきりとしたデザインとすることが可能になり、スタイリッシュな展示を行うことが可能になるとともに、後ろから光を当てるなどの展示手法を採用することが可能となり、衛生マスク10のデザインを強く訴求することが可能なマスクディスプレイ機器を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明に係るマスクディスプレイ機器の斜視図
【
図3】衛生マスクを載置したマスクディスプレイ機器の斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 マスクディスプレイ機器
10 衛生マスク
11 衛生マスク本体
12 耳掛け紐
100 保持部
110 マスク載置部
112 頬部
120 紐固定部
122 第一固定部
124 第二固定部
130 鼻高凸部
132 折曲部
134 湾出形成辺
140 突出掛合部
142 掛止固定部
144 掛止固定受部
200 係止部
210 第一係止部
220 第二係止部
222 凹部