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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080224
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】画像観察装置及びその照明光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20220520BHJP
   G02B 21/12 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
G02B21/00
G02B21/12
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191278
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】715007004
【氏名又は名称】マシンビジョンライティング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】増村 茂樹
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AC04
2H052AC14
2H052AD02
(57)【要約】
【課題】被観察物を高い分解能で観察可能とし、かつ被観察物の表面の傾斜角を広い範囲で認識可能とする。
【解決手段】照明光を被観察物Wに照射する照明光学系116と、被観察物Wからの物体光を集光し検出器126に導く観察光学系122と、を備える画像観察装置100において、被観察物Wに対峙する対物レンズ122Aと、対物レンズ122Aの反被観察物側に配置され、照明光学系116の照明光軸L1と観察光学系122の観察光軸L2とを同軸とするビームスプリッタ116Bと、を備え、照明光の光の波長領域R、G、Bを異なる複数の立体角領域IS1、IS2、IS3に分割する照明光分割部材114のリレー像RIが、対物レンズ122Aの手前に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を被観察物に照射する照明光学系と、該被観察物からの物体光を集光し検出器に導く観察光学系と、を備える画像観察装置において、
前記被観察物に対峙する対物レンズと、
該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、を備え、
前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの手前に配置されることを特徴とする画像観察装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記フィルター部材または該フィルター部材のリレー像は、前記対物レンズの開口数を決定する開口絞りの位置に配置されることを特徴とする画像観察装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記フィルター部材では、前記光属性が光の波長領域とされていることを特徴とする画像観察装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記照明光学系と前記観察光学系とはいずれも、被観察物側がテレセントリック光学系とされていることを特徴とする画像観察装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記リレー像は、前記フィルター部材の縮小像であることを特徴とする画像観察装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記対物レンズが交換可能に構成されていることを特徴とする画像観察装置。
【請求項7】
被観察物からの物体光を集光して該被観察物の画像を観察可能にする画像観察装置に用いられる照明光学系において、
前記被観察物に対峙する対物レンズと、
該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記物体光を集光する観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、
を備え、
前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの手前に配置されることを特徴とする照明光学系。
【請求項8】
請求項7において、
前記フィルター部材または該フィルター部材のリレー像は、前記対物レンズの開口数を決定する開口絞りの位置に配置されることを特徴とする照明光学系。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記フィルター部材では、前記光属性が光の波長領域とされていることを特徴とする照明光学系。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかにおいて、
前記照明光学系と前記観察光学系とはいずれも、被観察物側がテレセントリック光学系とされていることを特徴とする照明光学系。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれかにおいて、
前記リレー像は、前記フィルター部材の縮小像であることを特徴とする照明光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像観察装置及びその照明光学系に係り、特に、被観察物が高い分解能で観察可能となり、かつ被観察物の表面の傾斜角を広い範囲で認識可能となる画像観察装置及びその照明光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1~3に示すように、照明光を被観察物に照射する照明光学系と、該被観察物からの物体光を集光し検出器に導く観察光学系と、を備える画像観察装置が知られている。特許文献1~3では、片側テレセントリック光学系を備えた照明装置を用いることで、一つの撮像された画像に基づいて被観察物の各点の傾斜角の情報を得ることが可能となっている。即ち、この発明によれば、手軽でかつ迅速に、被観察物の微小な凹凸の状態を観察することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5866573号公報
【特許文献2】特許第5866586号公報
【特許文献3】特許第6451821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3の画像観察装置では、一回の撮像で被観察物の各点の傾斜角の情報を高い精度で得ることを可能にしているものの、観察光学系で用いられる対物レンズと被観察物との間に照明光学系の光路が割り込む構成となっている。すなわち、特許文献1では、対物レンズと被観察物との間の作動距離を相応に大きくする必要があった。そのため、対物レンズの開口数を大きくすることが難しく、結果として、被観察物の各点の傾斜角の検出範囲が狭く、かつ被観察物を高い分解能で観察することが困難となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、被観察物を高い分解能で観察可能とし、かつ被観察物の表面の傾斜角を広い範囲で認識可能とする画像観察装置及びその照明光学系の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明は、照明光を被観察物に照射する照明光学系と、該被観察物からの物体光を集光し検出器に導く観察光学系と、を備える画像観察装置において、前記被観察物に対峙する対物レンズと、該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、を備え、前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの手前に配置されたことにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
本願の請求項2または8に係る発明は、前記フィルター部材または該フィルター部材のリレー像を、前記対物レンズの開口数を決定する開口絞りの位置に配置したものである。
【0008】
本願の請求項3または9に係る発明は、前記フィルター部材では、前記光属性を光の波長領域としたものである。
【0009】
本願の請求項4または10に係る発明は、前記照明光学系と前記観察光学系とをいずれも、被観察物側をテレセントリック光学系としたものである。
【0010】
本願の請求項5または11に係る発明は、前記リレー像を、前記フィルター部材の縮小像としたものである。
【0011】
本願の請求項6に係る発明は、前記対物レンズを交換可能に構成したものである。
【0012】
なお、本願の請求項7に係る発明は、被観察物からの物体光を集光して該被観察物の画像を観察可能にする画像観察装置に用いられる照明光学系において、前記被観察物に対峙する対物レンズと、該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記物体光を集光する観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、を備え、前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの手前に配置されたことにより、課題を解決したものでもある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被観察物を高い分解能で観察することが可能となり、かつ被観察物の表面の傾斜角が広い範囲で認識可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像観察装置を示す模式図
図2図1の照明光学系に用いられる照明光分割部材を示す図(中心周りに3つのフィルター領域を備える照明光分割部材の図(A)、同心円状に3つのフィルター領域を備える照明光分割部材の図(B))
図3】照明光の照射立体角の比較模式図(照明光の照射立体角が互いに相似であるときの模式図(A)、対物レンズの被観察物側がテレセントリック光学系であるときの照明光の照射立体角の模式図(B))
図4図1の画像観察装置における照射立体角と反射立体角と観察立体角との関係を示す模式図(被観察物の表面の法線ベクトルが観察光軸と一致している場合の図(A)、被観察物の表面が傾斜角Φを有し、法線ベクトルが観察光軸とずれている場合の図(B))
図5図1の画像観察装置により被観察物の形状を観察可能にする手順を示すフロー図
図6】本発明の第2実施形態に係る画像観察装置を示す模式図
図7】本発明の第3実施形態に係る画像観察装置を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0016】
画像観察装置100は、図1に示す如く、光源部112と、照明光分割部材(フィルター部材)114と、照明光学系116と、観察光学系122と、検出器126と、処理装置130と、表示装置DDと、を備える。なお、本実施形態では、被観察物Wは、表面形状が複雑であっても光沢面に近いものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0017】
以下、各要素を詳細に説明する。
【0018】
前記光源部112は、1つ以上のチップ型LEDを配置したものや、有機ELや、サイドライトから導光板を導いたものなどであってもよい。光源部112の位置は、照明光軸L1に沿って変更可能とされてもよい。
【0019】
前記照明光分割部材114は、図1に示す如く、照明光の光の波長領域(光属性)Red、Green、Blue(Redは赤色波長領域、Greenは緑色波長領域、Blueは青色波長領域)を異なる複数の立体角領域(例えば、図4(A)の符号IS1、IS2、IS3)に分割する(以降、符号Redは符号R、符号Greenは符号G、符号Blueは符号Bとも記載する)。例えば、照明光分割部材114(114A、114B)は、図2(A)、(B)に示すように、円盤形状であり、複数のフィルター領域(カラーフィルター)を備えている。これらの照明光分割部材114は、適宜変更可能とされている。例えば、図2(A)に示す照明光分割部材114Aは、中心(照明光軸L1)周りに、3つの同一形状(中心角120度の扇形状)のフィルター領域CF1、CF2、CF3を備える。図2(B)に示す照明光分割部材114Bは、同心円状に3つのフィルター領域CF1、CF2、CF3を備える。
【0020】
照明光分割部材114は、後述する開口絞り122Bの位置に結像する(配置される)ように、照明光軸L1上の光源部112と照明光学系116のリレー光学系(例えば、タンデム配置のレンズ)116Aとの間に配置されている(開口絞り122Bの位置に結像する照明光分割部材114の像をリレー像RIと称する)。リレー像RIは、照明光分割部材114の縮小像とされている。なお、照明光分割部材114の位置も、照明光軸L1に沿って変更可能とされていてもよい(つまり、照明光分割部材114のリレー像RIが開口絞り122Bの位置に配置可能とされる構成である)。なお、本実施形態では、照明光分割部材114は、照明光を遮る遮光マスクである照明絞りの部分(不図示)を上述したフィルター領域の外周に備えているが、これに限定されず、照明絞りの部分は別に設けてもよい。あるいは、照明光分割部材に、電気的に透過率や色を変化できる液晶シャッターなどを用いるようにしてもよい。また、照明光分割部材は、透過型とされているが、反射型であってもよい。
【0021】
前記照明光学系116は、図1に示す如く、光源部112からの照明光を被観察物Wに照射するようにされている。つまり、照明光学系116は、被観察物Wからの物体光を集光して被観察物Wの画像を観察可能にする画像観察装置100に用いられる構成である。照明光学系116は、被観察物側がテレセントリック光学系とされ、リレー光学系116Aと、ビームスプリッタ116Bと、開口絞り122Bと、対物レンズ122Aと、を備える(上述した照明光分割部材114が含まれてもよい)。
【0022】
リレー光学系116Aは、例えば、照明光分割部材114を通過する照明光を通過させる屈折型レンズ系であり、単レンズでもよいが、複数枚のレンズによって構成されていてもよい。なお、レンズとしては、凹凸形状を付けたもののほか、屈折率分布型レンズなども含まれる。リレー光学系116Aはリレー像側でテレセントリック光学系とされていてもよい。その理由は後述する。
【0023】
ビームスプリッタ116Bは、図1に示す如く、対物レンズ122Aの反被観察物側に配置され、照明光学系116の照明光軸L1と観察光学系122の観察光軸L2とを同軸とする。つまり、ビームスプリッタ116Bは、観察光学系122の観察光軸L2上のチューブレンズ122Cと対物レンズ122Aとの間に配置され、照明光分割部材114を通過する照明光の照明光軸L1を観察光軸L2と一致させる。つまり、本実施形態は、いわゆる同軸落射照明を備えた画像観察装置100とされている。
【0024】
開口絞り122Bは、対物レンズ122Aの開口数を決定する光学素子であり、対物レンズ122Aが被観察物側でテレセントリック光学系であるので、対物レンズ122Aの反被観察物側の焦点位置に配置される(このため、開口絞り122B面内の各点から光が出射された場合には、その光は、ほぼ平行光線とされて、被観察物Wに照射される)。検出器126上の像の明るさの調整、後述する分解能、及び被観察物Wの表面の傾斜角観察能力の調節のために、開口絞り122Bの内径が調節可能であってもよい。
【0025】
対物レンズ122Aは、図1に示す如く、無限遠補正されており、被観察物Wに対峙する。対物レンズ122Aは、光源部112から出射され照明光分割部材114とリレー光学系116Aを通過した照明光を特定の照射立体角ISで被観察物Wに照射する。このとき、対物レンズ122Aが無限遠補正であり、かつ上述したリレー光学系116Aがリレー像側でテレセントリック光学系であることから、開口絞り122Bを経た照明光のうち、互いに平行なもの(例えばリレー光学系116Aの各像高(各結像位置)における主光線)はいずれも対物レンズ122Aを通過後に被観察物W上の同一位置に集光する。これにより、対物レンズ122Aで観察している被観察物Wの各点において、均一な照明を実現することができる(ケーラー照明)。なお、対物レンズ122Aが無限遠補正であることは、ビームスプリッタ116Bの特性を確保する上でも好ましいが、本実施形態において必須ではない。無限遠補正でない対物レンズ122Aを用いる場合は、リレー光学系116Aもリレー像側でテレセントリック光学系である必要はない。例えば対物レンズ122Aの軸上マージナル光線(観察光軸L2(照明光軸L1)の方向に進み、焦点に集まる光線のうちの一番外側の光線)が観察光軸L2(照明光軸L1)に対し傾いているときは、その傾きの角度と同等の大きさの主光線角度を持ってリレー像RIが形成されるようリレー光学系116Aが構成されていてもよい。
【0026】
また、対物レンズ122Aは、観察光学系122の一部として、被観察物Wからの物体光(被観察物Wにより反射された照明光)を所定の観察立体角DSで受光する(つまり、対物レンズ122Aは、照明光学系116の光路上(または照明光軸L1上)及び観察光学系122の光路上(観察光軸L2上)に配置されている)。対物レンズ122Aが交換可能に構成されていることで、被観察物Wの観察範囲(即ち、倍率)ないしは開口数が変更できる。即ち、対物レンズ122Aを適切に交換することで、被観察物Wに応じて最適な分解能で最適な傾斜角を選定することが可能になる。なお、対物レンズ122Aの交換の際には、開口絞り122Bが対物レンズ122Aと一緒に交換されてもよいが、その際には開口絞り122Bの位置が同じ位置に保たれていることが望ましい。対物レンズ122Aの交換のために、例えばリボルバー機構などが使用されてもよい。
【0027】
このように、照明光分割部材114のリレー像RIは、対物レンズ122Aの開口絞り122Bの位置に配置される。このため、照明光学系116は、被観察物Wの観察範囲の各位置に対し、照明主光線L1’を中心にほぼすべて互いに相似形の立体角形状を持ち、かつ光の波長領域R、G、Bそれぞれの立体角領域IS1、IS2、IS3に分割された照明光を照射することができる。その際には、対物レンズ122Aによる照明開口LSにより、被観察物Wの異なる位置P、P’に対する照射立体角IS、IS’が図3(A)のように示される。ただし、図3(A)に示す如く、位置P、P’では互いに照射立体角IS、IS’の形状や照明主光線L1’の方向が異なってくる。
【0028】
それに対して、更に対物レンズ122Aが被観察物側でテレセントリック光学系であれば、図3(B)に示す如く、検出器126の撮像する被観察物Wの観察範囲のすべての位置に対して、ほぼすべて同条件で照明光を照射することができる。つまり、その際には、照射立体角ISは、被観察物Wの各点に対して同一にされている。なお、被観察物Wは平面であることが多いため、対物レンズ122Aが被観察物側でテレセントリック光学系とされていることで、観察範囲全体において、位置が異なっていても同じ傾斜角Φを持った箇所は互いに同様の反射を起こすように構成することができるので都合がよい。なお、組立誤差などにより発生する照明光学系116や観察光学系122の誤差や、開口絞り122Bが対物レンズ122Aと一緒に交換される場合の開口絞り122Bの位置ずれなどを補正する目的で、光源部112、照明光分割部材114、およびリレー光学系116Aの移動調整を行ってもよい。
【0029】
前記観察光学系122は、図1に示す如く、被観察物Wからの反射光を受光することによって、被観察物Wからの物体光を所定の観察立体角DSで集光し検出器126に導く。つまり、観察光学系122は、物体光を集光して被観察物Wの画像を観察可能にする。観察光学系122は、被観察物側がテレセントリック光学系とされ、対物レンズ122Aと、開口絞り122Bと、チューブレンズ122Cと、を備えている。チューブレンズ122Cは、対物レンズ122Aおよび開口絞り122Bを通過した物体光を結像させる。なお、対物レンズ122Aと開口絞り122Bについては、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
【0030】
前記検出器126は、観察光学系122で結像された被観察物Wの像における異なる光の波長領域R、G、Bを識別可能とされている。検出器126は、例えば、カラーCCDカメラやカラーCMOSカメラであり、結像された被観察物Wの像を2次元のカラーの画像データとして出力する。本実施形態では、異なる光属性は異なる光の波長領域R、G、Bであり、例えば検出器126の各画素は、赤色、緑色、青色それぞれのカラーフィルター付きの(4画素単位で構成されるベイヤーパターンの)画素要素のセットで構成されていてもよい。もちろん、検出器126として、米国特許第5965875号にて開示されるような、それぞれの色(波長領域)の検出層を光軸方向に積み上げた積層型の検出器を用いてもよい。なお、カラーの画像データは、処理装置130で処理される。
【0031】
前記処理装置130は、図1に示す如く、検出器126と、表示装置DDとに接続されている。このため、処理装置130は、検出器126から出力される画像データの処理をして被観察物Wに対する画素同士の補間やノイズ除去などを行うことができる(これに限らず、処理装置130は、さらに、被観察物Wの寸法測定や傾斜角Φを計測してもよいし、特定の傾斜角Φを持った領域を強調表示したりしてもよい)。表示装置DDは、処理装置130の出力に基づいて、検出器126で撮像したカラーの画像データや、3次元画像や、各種情報を表示することができる。本実施形態では、処理装置130が設けられているが、これに限らず、処理装置がなく、検出器126に直接表示装置DDが接続されていてもよい。
【0032】
次に、図4(A)、(B)を用いて、検出器126からの光の波長領域R、G、Bそれぞれの出力の違いから被観察物Wの表面の傾斜角Φが観察可能になる原理を説明する。なお、実線で描かれているのは照明光学系116による照射立体角ISと観察光学系122による観察立体角DSである(便宜上、照射立体角ISと観察立体角DSとは違いが分かるように異なる大きさとしているが、本実施形態でこのような大小関係が成立するわけではない)。本実施形態では、対物レンズ122Aと開口絞り122Bとが、照明光学系116の光路と観察光学系122の光路とに配置されている。ここで、対物レンズ122Aの反被観察物側の焦点位置に開口絞り122Bがあり、フィルター部材としての照明光分割部材114のリレー像RIが開口絞り122Bの位置に配置される構成となっている。このため、リレー像RIが開口絞り122Bの大きさよりも大きい場合には、照射立体角ISの最外形は開口絞り122Bによって決定され、照射立体角ISと観察立体角DSの形状及び方向は同一となる。この場合を想定して以下、説明を行う。なお、線で描かれているのは、物体光が形成する反射立体角RSである。反射立体角RSは、照射立体角ISで被観察物Wの各点に照射された照明光の反射光(物体光)である。照明光は各点において、正反射され、物体光となることから、反射立体角RSの形状は、照射立体角ISを鏡面反射した形状と同一となる。すなわち、照射立体角ISの立体角領域IS1、IS2、IS3はそれぞれ、反射立体角RSの立体角領域RS1、RS2、RS3に対応する(同時に、IS1=RS1、IS2=RS2、IS3=RS3となる)。
【0033】
まず、被観察物Wに傾きがない場合には、図4(A)に示す如く、被観察物Wからの反射光は傾かず、反射光軸L3と観察光軸L2とが一致した状態となる。つまり、照射立体角ISを持つ照明光が被観察物Wに照射されると、反射立体角RSの方向と観察立体角DSの方向とは一致して、検出器126により観察立体角DSで物体光による反射立体角RSの立体角領域RS1、RS2、RS3に対応するそれぞれの光の波長領域R、G、Bが等しく検出される。このため、この検出されるそれぞれの光の波長領域R、G、Bの光量の比率が等しくなり、観察される色が白色となることで、傾斜角Φとしてはゼロとなることを判断することができる。
【0034】
一方、被観察物Wに傾き(傾斜角Φ≠0)がある場合には、図4(B)に示す如く、被観察物Wからの反射光は傾き(傾斜角2Φ)、反射光軸L3と観察光軸L2とが一致しない状態となる。つまり、照射立体角ISを持つ照明光が被観察物Wに照射されると、反射立体角RSの形状は図4(A)の形状に保たれるものの、観察立体角DSの方向に対して反射立体角RSの方向が傾き(傾斜角2Φ)、観察立体角DSが反射立体角RSの一部を含有しない状態となる。このため、検出器126では、観察立体角DSの範囲内では物体光による反射立体角RSの立体角領域RS1に対応する光の波長領域をほとんど受光できない。一方で、検出器126では、立体角領域RS2、RS3に対応する光の波長領域をほぼ等しく検出できる。このため、この検出されるそれぞれの光の波長領域R、G、Bの光量の比率に基づき、観察される色が変化することで、傾斜角Φを定量的に判断することができる。
【0035】
このように、本実施形態では、上述した照射立体角ISを鏡面反射した形状の反射立体角RSに対する観察立体角DSの含有関係により、被観察物Wの表面の傾斜角Φが観察可能となっている。
【0036】
したがって、本実施形態で示すフィルター部材である照明光分割部材114のリレー像RIが結像する対物レンズ122Aに対する位置、及び開口絞り122Bの対物レンズ122Aに対する位置によって、対象とする被観察物Wの各点において、反射立体角RSに対する観察立体角DSの相対関係を一定にしておく。すると、被観察物Wの傾き(傾斜角Φ)により反射立体角RSがその傾きの2倍だけ(2Φ)傾いた時に、その一定にしておいた相対関係が変化して、観察立体角DSで捕捉できる反射光の明るさ、若しくは、異なる光属性ごとの反射光の明るさの変化によって、被観察物Wの傾きに関して、その方向と傾斜角Φを定量的に検知することができる。
【0037】
その理由は、照明光分割部材114のリレー像RIの結像位置、及び対物レンズ122Aの開口絞り122Bの位置が変化しても、照明光軸L1(観察光軸L2)中心においては、反射立体角RSの反射光軸L3は変わらないが、そのように位置が変化した場合には一定の視野内において照明光軸L1(観察光軸L2)から離れた点においては、反射立体角RSに対する観察立体角DSの傾きが大きく変化するからである。
【0038】
次に、図5を用いて、画像観察装置100における被観察物Wの観察手順を以下に説明する。
【0039】
まず、照明工程(図5、ステップS4)を行う。照明工程では、照明光学系116により、異なる光の波長領域R、G、Bを持つ複数の立体角領域IS1、IS2、IS3を備える特定の照射立体角ISを有する照明光を被観察物Wに照射する。なお、本実施形態では、照明光学系116を使用することで、照射立体角ISが被観察物Wの各点に対して同一にされている。
【0040】
次に、撮像工程(図5、ステップS6)を行う。撮像工程では、検出器126により、照明光により生じる被観察物Wからの物体光を所定の観察立体角DSで受光し画像を撮像する。
【0041】
次に表示工程(図5、ステップS8)を行う。表示工程では、検出器126から出力された画像データに基づいて、表示装置DDで被観察物Wを観察可能に表示する。
【0042】
このように、本実施形態では、ビームスプリッタ116Bが対物レンズ122Aとチューブレンズ122Cとの間に配置され、対物レンズ122Aが照明光学系116と観察光学系122とに共通に使用されている。このため、ビームスプリッタが被観察物Wと対物レンズとの間に配置される場合に比べて、対物レンズ122Aとして、被観察物Wとの間の作動距離が短いものであっても採用できるようになる。これによって、容易に観察光学系122の開口数を大きくできるので、観察光学系122の解像分解能を向上させることが可能である。同時に、図4(A)、(B)で示した観察立体角DSを照射立体角ISとほぼ同等の大きさにすることが可能である。このため、図4(B)に示す如く、傾斜角Φが相応の大きさとなっても、検出器126で、反射立体角RSを構成する複数の立体角領域RS1、RS2、RS3の光の波長領域R、G、Bを相応に検出することが可能である。
【0043】
また、本実施形態では、リレー光学系116Aを介して、照明光が対物レンズ122Aに入射する構成となっていることで、照明光分割部材114と光源部112の配置の自由度をより大きくすることが可能である。つまり、被観察物Wのセッティングに対して大きな自由度も確保することが可能である。また、画像観察装置100は、いわゆる同軸落射照明顕微鏡の構成なので、平面形状の被観察物Wからの反射光の回収効率が良好であり、多くの場合に被観察物Wを隅々まで明るく観察することが可能である。
【0044】
また、本実施形態では、照明光分割部材114では、光属性が光の波長領域R、G、Bとされている。このため、照明光分割部材114には汎用的なカラーフィルターが使用でき、検出器126には汎用的なカラーCDDカメラやカラーCMOSカメラをそのまま使用することができる。つまり、照明光分割部材114や検出器126を低コストとすることができ、かつ画像観察装置100を簡易な構成とすることが可能である。さらには、光属性の識別を視覚的に確認でき、傾斜角Φの状況をより容易に認識可能である。
【0045】
なお、本実施形態では、これに限らず、光の波長領域R、G、Bの3つは、原色で示される赤、緑、青ではなく、別の光の波長領域を組み合わせて用いてもよいし、補色関係にある黄色、シアン、マゼンダなどであってもよい。また、光の波長領域は、可視化されない赤外線領域や紫外線領域を使用してもよいし、互いに異なる光の波長領域としては2つ以上であればよい。なお、光属性としては、複数の光の波長領域R、G、B以外に、互いに異なる偏光状態を利用するものであってもよい。その際には、例えば光の偏光状態を変化させる偏光板等を照明光分割部材で使用する。そして、検出器126には、対応する偏光板を用いるようにして、光属性を識別するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、照明光学系116と観察光学系122とはいずれも、被観察物W側がテレセントリック光学系とされている。すなわち、照射立体角ISが被観察物Wの各点に対して同一にされている。これにより、被観察物Wが平面である場合には、被観察物Wの各点すべてから、均質な情報を画像データに取り込むことができる。つまり、被観察物Wの表面の情報を、場所によらず、等しく観察評価することが可能である。同時に、被観察物Wの表面に大きな高低差があったとしても、容易に焦点合わせをすることができ、表面形状を高い分解能で観測することが可能である。なお、これに限らず、照明光学系と観察光学系のうちのいずれかが片側テレセントリック光学系であってもよいし、いずれも片側テレセントリック光学系でなくもよい。勿論、両側テレセントリック光学系をいずれか、もしくはいずれもが採用してもよい。
【0047】
なお、照明光分割部材114の各フィルター領域CF1、CF2、CF3は、一般的にフォトリソグラフィ技術などを用いて作成される。このとき、観察できる被観察物Wの傾斜角Φの観察誤差を少なくするには、図2(A)に示すような照明光分割部材114Aの場合には、各フィルター領域CF1、CF2、CF3それぞれの境界同士を高精度で一致させる必要がある。同様にして、図2(B)に示すような照明光分割部材114Bの場合には、各フィルター領域CF1、CF2、CF3それぞれの中心位置を高精度に一致させる必要がある。これに対して、本実施形態では、リレー像RIが照明光分割部材114の縮小像である。このため、照明光分割部材114に対して縮小倍率分だけ精度を緩和しても、傾斜角Φに対する高い観察精度を保つことが可能である。つまり、本実施形態では、照明光分割部材114の加工や組付けの際に生じる誤差による精度減退を防ぐことができる。なお、これに限らず、リレー像RIが、等倍像であってもよいし、拡大像であってもよい。等倍像の場合はレンズ構成がシンプルにできることから低コスト化に効果があり、拡大像である場合は照明光学系116をコンパクト化することができる。
【0048】
本実施形態では、対物レンズ122Aが交換可能に構成されている。つまり、本実施形態では、対物レンズ122Aが照明光学系116と観察光学系122とに共通に使用されているので、被観察物Wに応じて対物レンズ122Aを変更することで、照射立体角ISと観察立体角DSを同時に切り替えられる。つまり、対物レンズ122Aを変更することで、観察可能な傾斜角Φの範囲を容易に切り替えることが可能である。なお、これに限らず、対物レンズ122Aが固定的に使用されていてもよい。その際には、開口絞り122Bの径を変更することで、観察可能な傾斜角Φの範囲を切り替えるよう構成してもよい。
【0049】
したがって、本実施形態では、被観察物Wが高い分解能で観察可能であり、かつ被観察物Wの表面の傾斜角Φを広い範囲で認識可能である。
【0050】
なお、対物レンズとして大口径かつ長作動距離のものを選べば、ビームスプリッタが被観察物Wと対物レンズとの間に配置される場合においても観察光学系の開口数を大きくすることは可能である。しかしながら、その場合には、対物レンズの大径化とそれに伴う色収差補正のためのレンズ枚数の増加が避けられない。特に、照明光分割部材114としてカラーフィルターを用い、光の波長領域によって照射立体角IS、IS’を分割する場合、色ずれに伴う分解能低下や誤検出を防止するために、対物レンズは色収差がよく補正されていることが望ましい。しかし、色収差はレンズに入射する光線の最大高さ、ないしは、その2乗に比例して大きくなるから、開口数が大きいほど、そして作動距離が大きいほど除き難く、小型化と大口径かつ長作動距離の両立はますます困難となる。つまり、本実施形態では、ビームスプリッタが被観察物Wと対物レンズとの間に配置される場合に比べて、コンパクトでかつ低コストな画像観察装置100が製造可能である。
【0051】
なお、第1実施形態では、照明光学系116が、リレー光学系116Aを備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示す第2実施形態の如くであってもよい。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、照明光分割部材214が照明光軸L1上の開口絞り(照明絞り)の位置に配置可能とされている。このため、照明光分割部材214、ビームスプリッタ216B、及び開口絞り222Bに関する部分以外の要素については、符号の上1桁を変更し、説明を省略する。本実施形態では、照明光分割部材214が照明光軸L1上の開口絞り(照明絞り)の位置に配置可能とされているので、ビームスプリッタ216Bは観察光学系222に用いられる開口絞り222Bと対物レンズ222Aとの間に配置されている。即ち、本実施形態では、リレー光学系が無いので、画像観察装置200の構成をより簡素・コンパクトにでき、低コスト化を実現することができる。なお、対物レンズ222Aから照明光分割部材214までの距離は、対物レンズ222Aから開口絞り222Bまでの距離とほぼ等しくされている。なお、開口絞り222Bは、照明光学系216では使用されていないので、照射立体角ISと観察立体角DSとを異なる形状とすることが可能である(第3実施形態も同様)。
【0052】
あるいは、図7に示す第3実施形態の如くであってもよい。第3実施形態では、第2実施形態と同様にビームスプリッタ316Bが観察光学系322で用いられる開口絞り322Bと対物レンズ322Aとの間に配置されている。しかし、第2実施形態とは異なり、照明光学系316には照明絞り316Cが設けられている。そして、第1実施形態と同様に、照明光学系316は、リレー光学系316Aを備えている。このため、本実施形態では、照明光学系316の配置自由度をより大きく確保でき、観察光学系322をより適切に配置することができる。なお、リレー光学系316A、開口絞り322B、照明絞り316C以外の要素については、符号の上1桁を変更し、説明を省略している。なお、本実施形態においても、対物レンズ322Aが無限遠補正されている必要はなく、かつリレー光学系316Aのリレー像側でテレセントリック光学系でなくてもよい。更には、照明絞り316Cは無くてもよい。なお、対物レンズ322Aから照明絞り316Cまでの距離は、対物レンズ322Aから開口絞り322Bまでの距離とほぼ等しくされている(つまり、本実施形態でも、リレー光学系316Aによるリレー像RIは開口絞り322Bの位置に配置されている構成である)。
【0053】
なお、上記実施形態ではいずれも、照明光分割部材は、常に一定のものを用いる前提で説明をしているが、交換や回転調整が可能に構成されていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、照明光分割部材または照明光分割部材のリレー像RIが、対物レンズの開口数を決定する開口絞りの位置に配置可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。照明光分割部材または照明光分割部材のリレー像RIは、対物レンズの反被観察物側(対物レンズと光源部との間)、つまり、対物レンズの手前に配置されるようにされていればよい。その場合であっても、図4(A)、(B)に対し、上述した反射立体角RSに対する観察立体角DSの含有関係が得られるので、本発明の効果を相応に奏することが可能である。
【0055】
また、上記実施形態では、フィルター部材として照明光分割部材が、照明光の光属性を異なる複数の立体角領域に分割するように構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、フィルター部材は、照明光の光属性を特定の1つの光属性に変更するようにされていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、照明光を被観察物に照射する照明光学系と、該被観察物からの物体光を集光し検出器に導く観察光学系と、を備える画像観察装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
100、200、300…画像観察装置
112、212、312…光源部
114、114A、114B、214、314…照明光分割部材
116、216、316…照明光学系
116A、316A…リレー光学系
116B、216B、316B…ビームスプリッタ
122、222、322…観察光学系
122A、222A、322A…対物レンズ
122B、222B、322B…開口絞り
122C、222C、322C…チューブレンズ
126、226、326…検出器
130、230、330…処理装置
316C…照明絞り
B、G、R…光の波長領域
CF1、CF2、CF3…フィルター領域
DD…表示装置
DS…観察立体角
IS、IS’…照射立体角
IS1、IS2、IS3、RS1、RS2、RS3…立体角領域
L1…照明光軸
L1’…照明主光線
L2…観察光軸
L3…反射光軸
LS…照明開口
P、P1、P2、P’…位置
RI…リレー像
RS…反射立体角
W…被観察物
Φ…傾斜角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
照明光を被観察物に照射する照明光学系と、該被観察物からの物体光を集光し検出器に導く観察光学系と、を備える画像観察装置において、
前記被観察物に対峙する対物レンズと、
該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、を備え、
前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの反被観察物側であって、照明光軸上の前記対物レンズの焦点位置近傍に配置されることを特徴とする画像観察装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
被観察物からの物体光を集光して該被観察物の画像を観察可能にする画像観察装置に用いられる照明光学系において、
前記被観察物に対峙する対物レンズと、
該対物レンズの反被観察物側に配置され、前記照明光学系の照明光軸と前記物体光を集光する観察光学系の観察光軸とを同軸とするビームスプリッタと、
を備え、
前記照明光の光属性を1以上の立体角領域に分割するフィルター部材または該フィルター部材のリレー像が、前記対物レンズの反被観察物側であって、照明光軸上の前記対物レンズの焦点位置近傍に配置されることを特徴とする照明光学系。